JP5602700B2 - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池、CCDセンサ等に用いられる光電変換素子、特に化合物半導体系の光電変換素子およびその製造方法に関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCIGS系等の薄膜系とが知られている。CIGSは、一般式Cu1−zIn1−xGaSe2−y(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS、x>0のときがCIGSである。本明細書では、CIGSはCISを含むものとする。
CIGS系光電変換素子を製造するにあたっては、積層された層間における剥離の問題が重要である。特に、ロール・トウ・ロール方式による製造を実施する際には、搬送の際に膜にかかる負荷のために、より剥離が生じ易い。剥離の軽減は製造の際の歩留まりを向上させることに貢献するほか、光電変換効率特性の向上にも貢献する。
基板上に裏面電極側から積層して積層方向上方が受光面となるように構成されるサブストレート型構造のCIGS系光電変換素子における剥離の原因は、主に光電変換層であるCIGSと裏面電極であるMo層との界面に形成されるMoSe2層が裏面電極層に対してc軸配向した層状に形成されることにあると言われている。
非特許文献1には、層状に形成されたMoSe2層の層間の結合はファンデルワールス力による弱い結合であるため、層状にMoSe2層が形成されたMo層とCIGS膜との密着性が低下すると言及されている。
図12に模式的に示すように、体心立方構造のMo層(左図)表面にCIGS層を形成する際、Mo層中にSeが侵入し六方晶のMoSe層が形成される(右図)。MoSe層は六方晶の層状の構造で、例えば仮想線で示すSe層間で層面に沿って滑り易く、結果として剥離が生じ易い。
Mo電極上にCIGS層を形成する際に、セレン化法を用いると、両層の界面に200nm程度以上のMoSe層が形成されることが知られている。このMoSe層による剥離の軽減を図るために、セレン化法を用いたCIGS層形成時におけるMoSe2層の生成を抑制する方法が、特許文献1、2、および3等において検討されている。
一方、Mo層とCIGS層との間にMoSe2層が存在することにより、Mo層とMoSe層との間にオーミック接触が形成され、太陽電池の効率向上を担っているとの報告がなされている。また、このMoSe2層の代わりに、ZnO等の半導体層をMo層上に形成して変換効率の向上を図ることも提案されている(特許文献4、5等)。
特開平6−188444号公報 特開平9−321326号公報 特開2009−289955号公報 特開2006−13028号公報 特開2007−335625号公報
Thin Sold Films Vol480-481 p.433-438
既述の通り特許文献1〜3においては、CIGS層をセレン化法により形成する場合における、MoSe2層の抑制方法が開示されている。一方、蒸着法によりCIGS層を形成する場合、生成されるMoSe層は50nm程度とセレン化法の場合と比較して薄いため、従来あまり問題とされていなかった。ガラス基板等の非可撓性の基板上への素子形成では大きな問題にならなかったと考えられるが、取扱い性および生産性向上のため可撓性の基板を用いたロール・トウ・ロール方式での素子製造に適用する場合には、50nm程度の厚みであっても層状のMoSe層が形成されると、剥離の問題が顕著となることが分かってきた。現状では、蒸着法を用いたCIGS層形成時に生成されるMoSe2層の抑制方法は未だ確立されていない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、密着性が高く、剥離が生じにくい化合物半導体系の光電変換素子およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の光電変換素子は、基板と、
該基板上に形成された導電層と、
該導電層上に形成されたIb族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含有する化合物半導体からなる光電変換層と、
該光電変換層上に形成された透明電極とを有するサブストレート型の光電変換素子であって、
前記光電変換層が前記導電層に接するように形成されてなるものであり、
前記導電層の前記光電変換層側の少なくとも表層が窒化モリブデン層であることを特徴とするものである。
光電変換層を構成する元素としては、特に、前記Ib族元素が、Cuであり、
前記IIIb族元素が、Al,Ga及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記VIb族元素が、SeあるいはSであることが好ましい。
ここで、窒化モリブデンとは、モリブデンと窒素とが化学両論的組成である場合のみならず、モリブデン層に一部窒素が含まれている化学量論的組成でない場合を含むものである。
前記窒化モリブデン層中に含まれる窒素の量が5at%以上であることが望ましい。
前記表層において、遷移金属中に含まれる窒素の量が少ない場合はSIMS(二次イオン質量分析計)によって遷移金属中への含有を評価できる。さらに、窒素の含有量が20at.%程度以上になればモリブデン層中にモリブデン窒化物(Mo2N)が形成されるようになり、X線回折による構造解析によっても窒素の%含有を評価することができる。また、XPS(X線光電子分光)によっても窒素の含有量は確認することができる。
前記窒化モリブデン層の厚みが100nm以下であることが望ましい。
前記窒化モリブデン層中の少なくとも前記光電変換層に隣接する領域に前記VIb族元素が含まれていてもよい。すなわち、窒化モリブデン層上にVIb族元素(カルコゲン)を含む化合物半導体からなる光電変換層を形成する際に、窒化モリブデン層がカルコゲンにより浸食されてなる領域が生成されていてもよい。このとき該領域は、モリブデンカルコゲナイドにNが含まれた構造(MoSe+N)であってもよい。
前記窒化モリブデン層の前記VIb族元素が含まれている領域の厚みが10nm以下であることが望ましい。
この窒化モリブデン層にVIb族元素が含まれている領域の有無およびその厚みは、透過電子線顕微鏡(TEM)を用いて評価することができる。FIB加工によりMoと光電変換層との界面を含む切片を切り出し、TEMによる断面観察を行う。
前記導電層が、前記窒化モリブデン層の下層にモリブデン層を備えていることが望ましい。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に、導電層と、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含有する化合物半導体からなる光電変換層と、透明導電層とをこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子の製造方法であって、
前記基板上に、表層が窒化モリブデン層からなる導電層を形成する導電層形成工程と、
前記窒化モリブデン層上に前記光電変換層を蒸着法により形成する光電変換層形成工程とを含むことを特徴とするものである。
前記導電層形成工程において、前記基板上にモリブデン層を形成し、窒素プラズマ処理により該モリブデン層の表面を窒化させることにより、前記表層が窒化モリブデン層からなる導電層を形成することができる。
あるいは、前記導電層形成工程において、前記基板上にモリブデン層を形成し、引き続き該モリブデン層上に、スパッタガス中に窒素を混入させた条件下で、反応性スパッタリングにて窒化モリブデン層を形成することにより、前記表層が窒化モリブデン層からなる導電層を形成してもよい。
なお、前記基板として可撓性を有する基板を用い、前記導電層形成工程および/または前記光電変換層形成工程をロール・トウ・ロール方式で行うことが望ましい。
本発明の光電変換素子は、サブストレート型の光電変換素子において、光電変換層が裏面電極を構成する導電層に接するように形成されてなるものであり、導電層の光電変換層側の少なくとも表層が窒化モリブデン層である。導電層の表層に窒素が含まれていると、導電層の表層にカルコゲン元素が侵入するのを抑制することができ、モリブデンカルコゲニド(MoSe)薄膜の生成を抑制することができる。モリブデンカルコゲニド層が裏面電極(導電層)表層に一様に生成されることにより、光電変換素子における密着性が低下するため、モリブデンカルコゲニド層の生成を抑制することは剥離抑制に繋がる。
密着性の向上は歩留まりの向上に繋がり、また、密着性低下に起因する不良部分減少によるモジュールとしての変換効率の向上に繋がる。
本発明の光電変換層の製造方法は、基板上に、表層が窒化モリブデン層からなる導電層を形成する導電層形成工程と、窒化モリブデン層上に光電変換層を蒸着法により形成する光電変換層形成工程とを含み、窒化モリブデン層上に光電変換層を形成することにより、蒸着法を用いた場合においても、モリブデンと、光電変換層のVIb族とからなるモリブデンカルコゲニド層の滑りやすい層状構造の生成を効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態にかかる光電変換素子の概略構成を示す断面図 本発明の設計変更例の光電変換素子の概略構成を示す断面図 窒化モリブデン層にSeが侵入する様子を示す模式図 光電変換素子の基板の具体的な例を示す概略断面図 窒化モリブデン層の窒素量と密着度の評価結果を示す図 モリブデン層および窒化モリブデン層のX線結晶構造解析結果の一部を示す図 実施例1についての透過型電子顕微鏡写真 実施例3についての透過型電子顕微鏡写真 実施例5についての透過型電子顕微鏡写真 比較例1についての透過型電子顕微鏡写真 反応性スパッタ法におけるArに対するN比と成膜された膜中のN含有量の関係を示す図(参照文献のFig.9) モリブデン層にSeが侵入する様子を示す模式図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかる光電変換素子およびその製造方法について説明する。
図1は本実施形態の光電変換素子1の概略構成を示す断面図である。視認しやすくするため、図中、各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
光電変換素子1は、基板10と、基板10上に形成された導電層20と、導電層20上に形成されたIb族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含有する化合物半導体からなる光電変換層30と、光電変換層30上にバッファ層40、窓層50および透明電極60とが順次積層されてなるサブストレート型の光電変換素子であって、光電変換層30が導電層20に接するように形成されており、導電層20の光電変換層側の少なくとも表層が窒化モリブデン層22であることを特徴とする。図1に示す例では透明電極60上にさらに取出し電極(グリッド電極)70を備えている。
本実施形態において、裏面電極を構成する導電層20は、基板側に形成されたモリブデン層21とその上に形成された窒化モリブデン層22とから構成されている。
ここで、窒化モリブデン層22は、モリブデンと窒素の化学量論組成であるMoNに限らず、モリブデン中に窒素が一部侵入したものやモリブデン中に一部MoNを含むものなどを含む。
導電層20の表層22が窒素を含んでいる、すなわち、導電層の表層22が窒化されていることによって、この表層22上にI-III-VI族化合物半導体からなる光電変換層30を蒸着形成する際に、その構成元素であるVIb族元素とモリブデンとからなるモリブデンカルコゲニド薄膜が導電層20と光電変換層30との界面に形成されるのを抑制することができる。
導電層20の表層22以外の部分を構成する材料としては、電極として用いることができる遷移金属であれば特に限定されず、モリブデン以外にCr,W,およびこれらの組合せなどであってもよい。導電層20の膜厚は制限されず、200〜1000nm程度が好ましい。
導電層20のうち、表層となる窒化モリブデン層22は、数nm〜200nm程度が好ましい。なお、窒化モリブデン層22の厚みは、導電層20全体の層厚に対して20%程度以下の厚みとすることが望ましい。
表層における窒素の含有量は、5at.%以上、好ましくは15at.%以上である。但し、窒素の含有量が50at.%より多すぎると電気抵抗が大きくなりすぎて、光電変換効率が低下する恐れがあるため、50at.%以下であることが好ましい。
なお、ここでいう窒素の含有量は、表層22の元素数に対する割合で示しているが、窒素は一部に偏って含有されているのではなく、表層22の全面に亘って同程度の割合で分散して含有されているものとする。
導電層の表層に窒素が含まれていると、MoSe層の形成が抑制できることを本発明者は見出した。MoSe2層に代表される層状構造の遷移金属二カルコゲニド薄膜が裏面電極上に一様に形成されることにより、光電変換素子における密着性が低下するため、遷移金属二カルコゲニド薄膜の生成を抑制することにより剥離抑制が実現できる。導電層の表層を窒化モリブデン層とすることにより、単なるモリブデン層などの遷移金属層の場合と比較して、遷移金属の結晶格子に対してVIb族元素が入り込みにくくすることができるため、モリブデンカルコゲニドの生成を抑制することができると考えられる。
なお、窒素に代えて酸素を用い酸化遷移金属層を表層に備えることによっても、同様に、遷移金属二カルコゲニド薄膜の生成を抑制する効果が期待できるが、窒化遷移金属層と比較して酸化遷移金属層は抵抗率が高く、結果として光電変換率の向上を妨げることになるため好ましくない。
一方、モリブデンが数十μΩ・cmであるのに対し、窒化の具合にもよって抵抗値は変化するが、窒化モリブデンは数百μΩ・cm程度であり、窒化遷移金属層は、遷移金属層に対して低効率はさほど大きく増加せず、電極としての役割を維持することができる。
図2に設計変更例の光電変換素子2の模式断面図を示す。図2に示すように、導電層20の表層22の光電変換層30側にSe(VIb族元素)が含まれる領域22aを備えていてもよい。
窒化モリブデン層22を備えることにより、光電変換層形成時にMoSe層の生成を抑制することができるが、窒化度合いが小さい場合には、窒化モリブデン層にSeが侵入して表層の一部に窒素を含むMoSe層22aが形成される場合がある。
図3に窒化モリブデン層にSeが侵入した場合を模式的に示す。図3左図のような窒化モリブデン層上にCIGSを成膜する際、図3右図のようにSeが窒化モリブデン層中に侵入する。しかし、窒素が含まれているため、規則的な層状にSeは侵入せず、滑りが生じるような層構造が形成されにくいと考えられる。滑りが生じる構造が形成されにくくなることから、密着性の低下を抑制することができる。
なお、密着性の観点からは、MoSe2層は10nm以下であることが好ましい。
MoSe層は層状に形成されることにより剥離しやすい結合構造であること、および、次の観点からMoSe層は薄い方が好ましい。Se原子はMoに対し2つ結合するため、Mo層にSe2が結合すると、Mo層の体積はSeの接合により倍以上に膨張する。その際、CIGS層とMoSe層が接触する界面との間には歪が蓄積され、ズレが生じやすい状態となる。この蓄積される歪量はMo層がMoSe層に変化する際の膨張の度合、つまりはMoSe層の厚みに比例すると考えられることからMoSe層は薄い方が好ましい。
上述の裏面電極(導電層20)以外の光電変換素子1を構成する各層の詳細について以下に説明する。
(基板)
図4は基板10の具体的な形態10Aおよび10Bの概略断面図を示すものである。基板10A,10Bは基材11の少なくとも一方の面側を陽極酸化して得られた基板である。基材11は、Alを主成分とするAl基材、Feを主成分とするFe材(例えば、SUS)の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材、あるいはFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材であることが好ましい。
図4の左図に示す基板10Aは、基材11の両面に陽極酸化膜12が形成されたものであり、図4の右図に示す基板10Bは、基材11の片面に陽極酸化膜12が形成されたものである。陽極酸化膜12はAl23を主成分とする膜である。デバイスの製造過程において、AlとAl23との熱膨張係数差に起因した基板の反り、およびこれによる膜剥がれ等を抑制するには、図4の左図に示すように基材11の両面に陽極酸化膜12が形成されたものがより好ましい。
陽極酸化は、必要に応じて洗浄処理・研磨平滑化処理等が施された基材11を陽極とし陰極と共に電解質に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加する周知の方法で行うことができる。
基材11および陽極酸化膜12の厚みは特に制限されない。基板10の機械的強度および薄型軽量化等を考慮すれば、陽極酸化前の基材11の厚みは例えば0.05〜0.6mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。基板の絶縁性、機械的強度、および薄型軽量化を考慮すれば、陽極酸化膜12の厚みは例えば0.1〜100μmが好ましい。
さらに、基板10は、陽極酸化膜12上にソーダライムガラス(SLG)層が設けられたものであってもよい。ソーダライムガラス層を備えることにより、光電変換層にNaを拡散させることができる。光電変換層がNaを含むことにより、光電変換効率をさらに向上させることができる。
(光電変換層)
光電変換層30の主成分は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体である。
具体的には、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS2,CuGaS2,CuInS2
CuAlSe2,CuGaSe2
AgAlS2,AgGaS2,AgInS2
AgAlSe2,AgGaSe2,AgInSe2
AgAlTe2,AgGaTe2,AgInTe2
Cu(In,Al)Se2,Cu(In,Ga)(S,Se)2
Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se2,およびAg(In,Ga)(S,Se)2等が挙げられる。
特には、CuInGaSe2が好ましい。
光電変換層30の膜厚は特に制限されず、1.0〜3.0μmが好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
(バッファ層)
バッファ層40は、CdS、ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)、を主成分とする層からなる。バッファ層40の膜厚は特に制限されず、10nm〜0.5μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
(窓層)
窓層50は、光を取り込む中間層である。窓層50の組成としては特に制限されず、i−ZnO等が好ましい。窓層50の膜厚は特に制限されず、15〜200nmが好ましい。なお、窓層は任意の層であり、窓層50のない光電変換素子としてもよい。
(透明電極)
透明電極60は、光を取り込むと共に電極として機能する層である。透明電極60の組成としては特に制限されず、ZnO:Al等のn−ZnO等が好ましい。透明電極60の膜厚は特に制限されず、50nm〜2μmが好ましい。
(取出し電極)
取出し電極70は、裏面電極20および透明電極60間に生じる電力を効率的に外部に取り出すための電極である。
取出し電極70の主成分としては特に制限されず、Al等が挙げられる。取出し電極70膜厚は特に制限されず、0.1〜3μmが好ましい。
光電変換素子1は、太陽電池として好ましく使用することができる。
例えば、上記の光電変換素子1を多数集積化し、必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
なお、多数の光電変換素子(セル)が集積化された太陽電池においては、セル毎に取出し電極を設ける必要はなく、直列接続されたセルのうち、電力取出し端となるセルに設けられていればよい。集積化太陽電池は、例えば、可撓性の長尺基板を用いてロール・トゥ・ロール方式にて、基板上に各層を形成する工程、集積化のためのパターニング(スクライブ)プロセスを含む光電変換素子形成工程、および素子形成された基板を1モジュールに切断する工程等を経て形成される。なお、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合には、スクライブ処理や、各処理工程での基板の巻き取り工程を伴うため、導電層と光電変換層との間の剥離の問題がより顕著となるので、導電層と光電変換層との高い密着性を有する本発明の光電変換素子が非常に有効である。
なお、本発明の製造方法で作製される光電変換素子は、太陽電池のみならずCCD等の他の用途にも適用可能である。
<光電変換素子の製造方法>
本発明の光電変換素子の製造方法の実施形態を説明する。ここでは、上記構成の光電変換素子の製造方法を説明する。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に、導電層と、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含有する化合物半導体からなる光電変換層と、透明導電層とをこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子の製造方法であって、基板上に、表層が窒化モリブデン層からなる導電層を形成する導電層形成工程と、窒化モリブデン層上に光電変換層を蒸着法により形成する光電変換層形成工程とを含むことを特徴とする。
より具体的に、手順を説明する。
基板10を用意し、導電層形成工程において基板10上に導電層20を形成する。
導電性形成工程においては、スパッタ法により、最初に基板10上にモリブデン層(Mo層)21を成膜し、その後、モリブデン層21上に、スパッタガス(Ar)中に窒素(N)を混入させた条件下で、反応性スパッタを行うことにより窒化モリブデン層22を成膜する。このようにして、表層に窒化モリブデン層22を備えた導電層20を形成する。
スパッタの成膜時間等を調整することにより表層導電層の厚みを所望の厚みとすることができる。窒化モリブデン層22の厚みとしては100nm程度までが好ましい。
その後、導電層20の表層22の上に、Ib、IIIb、VIb族元素からなる光電変換層30を蒸着法により形成する。ここでは、CuInGaSe層を形成するものとする。
蒸着法のうち、特に多源同時蒸着法が好適である。その代表的な方法としては、3段階法(J.R.Tuttle et.al, Mat.Res.Soc.Symp.Proc.,Vol.426(1996)p.143.等)と、ECグループの同時蒸着法(L.Stolt et al.:Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.等)とが知られている。
3段階法は、高真空中で最初にIn、Ga、Seを基板温度400℃で同時蒸着し、次に500〜560℃に昇温してCu、Seを同時蒸着後、In、Ga、Seを更に同時蒸着する方法で、禁制帯幅が傾斜したグレーデッドバンドギャップCIGS膜が得られる。ECグループの方法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着するBoeing社の開発したバイレーヤー法をインラインプロセスに適用できるように改良したものである。バイレーヤー法は、W.E.Devaney,W.S.Chen,J.M.Stewart,and R.A.Mickelsen:IEEE Trans.Electron.Devices 37(1990)428.に記載されている。
3段階法及びECグループの同時蒸着法は共に、膜成長過程でCu過剰なCIGS膜組成とし、相分離した液相Cu2−xSe(x=0〜1)による液相焼結を利用するため、大粒径化が起こり、結晶性に優れたCIGS膜が形成されるという利点がある。更に、近年CIGS膜の結晶性を向上させるため、この方法に加えた種々の方法に関する検討が行われており、これらを用いてもよい。
CIGS膜の結晶性を向上させるため、上記方法に改良を加えた方法として、
a)イオン化したGaを使用する方法(H.Miyazaki, et.al, phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.等)、
b)クラッキングしたSeを使用する方法(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007秋 北海道工業大学)7P−L−6等)、
c)ラジカル化したSeを用いる方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−10等)、
d)光励起プロセスを利用した方法(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−14等)等が知られている。
この光電変換層の形成の際に、CIGS層のVIb元素であるSeがMoと反応してMoSe2層22aが形成されることがある(図2参照)。
光電変換層30の形成後、光電変換層30の上にバッファ層40を形成する。バッファ層40としては、例えばCdSを、CBD法(化学浴析出法)等により形成する。
次いで、CdSバッファ層40の表面に窓層50として、たとえばZnO層を、さらに、透明電極60として、例えばAl−ZnO層をスパッタ法により形成する。
最後に、透明電極60の表面に、取出し電極70として、例えばAl層を蒸着法により形成して光電変換素子1とする。
なお、導電層形成工程において、スパッタ法により基板1上にMo層21を成膜した後、このMo層21の表面に窒素プラズマ処理を施すことにより、Mo層21の表層を窒化させて表層に窒化モリブデン層22を備えた導電層20を形成してもよい。
窒素プラズマ処理により表層を窒化する場合には、窒素の侵入深さは表面からせいぜい数nm〜10nm程度までであり、電子顕微鏡などの画像では、窒化モリブデン層22とモリブデン層21との境界は目視できない。ただし、表面側から深さ方向へ組成分析を行えば、表層の数nm〜10nm程度の領域に窒素が含まれていることを確認することができる。
基板として可撓性を有する基板を用いる場合、導電層形成工程および/または光電変換層形成工程は、長尺な可撓性基板をロール状に巻回してなる供給ロール(巻出しロール)と、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いる、いわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)方式を用いることが好ましい。
本発明の光電変換素子について実施例、比較例のサンプルを作製し、その界面を観察すると共に、密着性試験(クロスカット試験)を行った。
本発明の光電変換素子の実施例のサンプルを、以下の方法で作製した。
まず、3cm×3cm×1.1mmtのソーダライムガラス基板を用意し、アセトン,エタノール,純水にて各5分間超音波洗浄を施した。
その後スパッタ装置に基板を導入し、DCスパッタにて、DC電力800W、Arガス圧0.5Pa、基板温度室温にて、基板上にMoをスパッタ成膜した。成膜時間は45minとした。その後一旦スパッタを中断し、成膜チャンバー内に窒素ガスを導入した。このとき成膜圧力を0.5Paに保ったまま、Arガスと窒素ガスの流量比を各実施例毎に調整した。ガス圧と流量が調整できたらスパッタ(反応性スパッタ)を再開し、各実施例毎に所定時間放電させ、先に形成されているMo層の表面に窒化モリブデンを成膜した。このとき、Mo層は600nmであり、窒化モリブデン層50nmであった。
次に、光電変換層(半導体層)として、裏面電極上に、基板温度を550℃としてCu(In0.7Ga0.3)Seを成膜した。Cu(In0.7Ga0.3)Seは、Kセル(knudsen-Cell:クヌーセンセル)を蒸発源として用いた多元同時蒸発法を用いて、1.8μmの厚さに形成した。
次に、光電変換層(CIGS層)の表面にCdSバッファ層を、50nmの厚さにCBD法(化学浴析出法)により成膜した。
次いで、CdSバッファ層の表面に透明電極としてAl−ZnO層を、300nmの厚さにスパッタ法により形成した。
最後に、Al−ZnO層の表面に、取出し電極として、Al層を蒸着法により形成した。
上記手順において、反応性スパッタ時にNガスをArガス1に対して、0.1、0.2、0.3、0.5、1の各割合で混入させた条件下で実施例の光電変換素子を作製した。また、各成膜雰囲気での放電時間はそれぞれ、4min、4min、5min、6min、7minとした。
ガスが0.1、0.2、0.3、0.5および1のそれぞれの条件下で作製した光電変換素子がそれぞれ実施例1〜5である。Nガスが1のとき、Ar:N=1:1の雰囲気である。
なお、比較例として、上記実施例の作製方法において、表層に窒化モリブデンを形成せず、モリブデン層上に直接CIGS層を形成し、さらに同様にしてCdS層、Al−ZnO層およびAl層を形成光電変換素子を作製した。
(クロスカット試験)
また、実施例と比較例の各方法で作製したサンプルについて、JIS規格(JIS−K5600)に基づきクロスカット試験を行った。カット間隔を1mmとし、付着力(密着力)試験後の25個の碁盤目およびカット交差部の剥がれ状況により密着性を判断した。剥がれたマスの個数をパーセントで評価し、剥離無し(100%)を10点、全面剥離(0%)を0点としてランク付けをした。
各実施例および比較例について、粘着力が0.5〜24.5N/25mmの複数の粘着テープを用いて密着力(テープ粘着力)とクロスカット試験評価値を図5に示す。
図5に示すように、モリブデン層のみの場合と比較して実施例のように、導電層の表層に窒化モリブデン層を備えることにより、密着力を向上させることができた。実施例1であっても、比較例に対し十分な効果があるが、特にN/Ar=0.2(実施例2)以上では密着力の改善効果が顕著に表れ、Nが増加するほど、密着力が向上することが分かった。
窒化モリブデン中に含まれる窒素量が多いほど、MoSeが形成されにくくなり、結果として密着力が向上していると考えられる。
(窒化度の評価)
実施例および比較例に用いたものと同様の基板に、実施例1、3、5および比較例と同様の条件で窒化モリブデンおよびモリブデンを成膜した(成膜時間は45min)。作製したサンプルを管球としてCuを用いたX線構造解析にて評価をした。X線構造解析で得られた特徴的な回折ピークを図6に示す。このX線回折による回折ピーク位置から計算される窒化度をASTMカード(ASTM(American Society for testing Materials) X-Ray Powder Data File)を用いて評価した。評価結果を表1に示す。
ピーク強度から比較例のMoの(110)ピークが、実施例1(N/Ar=0.1)ではブロードになり左側にシフトしている。これは体心立方構造のMo結晶の格子間にNが入り込んで格子が歪んだことによると考えられる。一方、実施例3(N/Ar=0.3)、実施例5(N/Ar=1)では、MoNの(111)ピークが観察され、結晶構造が変化していた。MoNのピークのみが観察されるとき、Nは33at.%近傍と推察される。N含有量を正確に測定するためには、SIMS、あるいはXPS等による測定が必要であるが、本実施例においては、上記のようにX線構造解析から簡易的に見積もった。
なお、スパッタ成膜雰囲気中のArとNガスの流量比とMo−N膜中のNの含有量との関係については、参照文献”K. K. Shih and D. B. Dove: Properties of W-N and Mo-N films ,J. Vac. Sci. Technol. A, Vol.8, No3, May/Jun 1990, pp.1359-1363”のFig.9に記載されている。この文献によれば、図11に示すように成膜中のN2の割合が0.1に近くで徐々にN含有が認められ、その後Nの割合が大きくなるにつれて膜中のN含有量は大きくなり、N:Arが1:1あたりから膜中のN含有量が45at%程度で飽和してくることが示されている。上記のX線構造解析からのN含有量は、上記文献に示されている傾向に沿ったものとなっており、見積もり方法としての妥当性が確認された。
(窒化モリブデンの抵抗測定)
ガラス基板上にモリブデン層(Mo)あるいは窒化モリブデン層(Mo−N)を0.5μm厚で形成したものについて、比抵抗を測定した結果を表1に示す。
また、併せて、ガラス基板上にMo層を0.5μm厚で形成したもの、およびガラス基板上にMo層を0.5μm厚で形成した後に、窒化モリブデン層(Mo−N)を50nm形成した積層膜についてシート抵抗を測定した結果を表1に示す。比抵抗およびシート抵抗は四探針法(測定装置:三菱化学の抵抗率計ロレスタ)で測定した。
表1において、窒化モリブデン(Mo−N)層中の窒素量は上記実施例で説明した反応性スパッタ時のArに対する割合で示している。
表1に示すように、窒化モリブデンは単層であるとき窒素量の増加に伴い大幅に比抵抗が増加する。しかしながら、モリブデンとの積層膜として用いた場合、表1に示すように、そのシート抵抗はモリブデン単層の場合と比して大幅に増加することなく、ほぼ同じオーダーのシート抵抗であった。
すなわち、窒化モリブデンにおける窒素量が十分に小さい場合には、単層で電極層として機能すると考えられるが、窒化率を大きくする場合には、窒化モリブデン層の下層にモリブデン層等の金属からなる下部導電層を備えておくことが望ましい。
(界面観察)
実施例と比較例の各方法で作製したサンプルについて、断面を切り出し透過型電子顕微鏡にて導電層とCIGS層との界面を観察した。図7が実施例1(N2/Ar=0.1)、図8が実施例3(N/Ar=0.3)、図9が実施例5(N/Ar=1)、図10が比較例の各TEM像(倍率:2,000,000倍)である。
比較例のサンプル(図10参照)では、モリブデン層の表面に沿って一様に層状のMoSe層が形成されている様子が観察された。TEM像において、黒と白の縞状(層状)に観察される部分がMoSeである。一方、実施例のサンプル(図7〜図9参照)では、窒化モリブデンの表面にMoSe層が部分的に形成されており、形成されていない部分もあり、層状の構成が連続して繋がっていないことから密着性が向上していると推測される。なお、MoSe層は、モリブデンの窒化度が大きいほど少なくなる傾向が観察された。層状のMoSe層の形成状態に応じて密着力が変化しているものと推察される。MoSe層が部分的に生じ、界面に沿って連続して形成される領域が多いほど、密着力が低くなり、連続して形成される領域が小さくなれば密着力の低下を防止できると考えられる。
1 光電変換素子(太陽電池)
10、10A、10B 基板
11 基材
12 陽極酸化膜
20 導電層(裏面電極)
21 モリブデン層
22 窒化モリブデン層(導電層の表層)
30 光電変換層
40 バッファ層
50 窓層
60 透明電極
70 取出し電極(グリッド電極)

Claims (10)

  1. 基板と、
    該基板上に形成された導電層と、
    該導電層上に形成されたIb族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含有する化合物半導体からなる光電変換層と、
    該光電変換層上に形成された透明電極とを有するサブストレート型の光電変換素子であって、
    前記光電変換層が前記導電層に接するように形成されてなるものであり、
    前記導電層の前記光電変換層側の少なくとも表層が窒化モリブデン層であり、
    該窒化モリブデン層中に含まれる窒素の量が5at%以上、30at%以下であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記窒化モリブデン層の厚みが50nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記窒化モリブデン層の厚みが10nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  4. 前記窒化モリブデン層中の少なくとも前記光電変換層に隣接する領域に前記VIb族元素が含まれていることを特徴とする請求項1から3ずれか1項記載の光電変換素子。
  5. 前記窒化モリブデン層の前記VIb族元素が含まれている領域の厚みが10nm以下であることを特徴とする請求項4記載の光電変換素子。
  6. 前記導電層が、前記窒化モリブデン層の下層にモリブデン層を備えていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の光電変換素子。
  7. 請求項1から6いずれか1項記載の光電変換素子の製造方法であって、
    前記基板上に、表層が、含有される窒素の量が5at%以上、30at%以下である窒化モリブデン層である導電層を形成する導電層形成工程と、
    前記窒化モリブデン層上に前記光電変換層を蒸着法により形成する光電変換層形成工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  8. 前記導電層形成工程において、前記基板上にモリブデン層を形成し、引き続き該モリブデン層上に、スパッタガス中に窒素を混入させた条件下で、反応性スパッタリングにて窒化モリブデン層を形成することにより、前記表層が窒化モリブデン層である導電層を形成することを特徴とする請求項7記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 前記導電層形成工程において、前記基板上にモリブデン層を形成し、窒素プラズマ処理により該モリブデン層の表面を窒化させることにより、前記表層が窒化モリブデン層である導電層を形成することを特徴とする請求項7記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記基板として可撓性を有する基板を用い、
    前記導電層形成工程および/または前記光電変換層形成工程をロール・トウ・ロール方式で行うことを特徴とする請求項7から9いずれか1項記載の光電変換素子の製造方法。
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