JP5602595B2 - 液体用容積型ポンプ - Google Patents

液体用容積型ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP5602595B2
JP5602595B2 JP2010256458A JP2010256458A JP5602595B2 JP 5602595 B2 JP5602595 B2 JP 5602595B2 JP 2010256458 A JP2010256458 A JP 2010256458A JP 2010256458 A JP2010256458 A JP 2010256458A JP 5602595 B2 JP5602595 B2 JP 5602595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump chamber
pump
liquid
passage
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010256458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012107559A (ja
Inventor
政憲 野辺田
達也 藤井
智博 元村
優一 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Sasakura Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Sasakura Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd, Sasakura Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP2010256458A priority Critical patent/JP5602595B2/ja
Publication of JP2012107559A publication Critical patent/JP2012107559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5602595B2 publication Critical patent/JP5602595B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

本発明は、半導体,液晶市場等において送液ポンプとして使用されるベローズポンプ等の容積型ポンプであって、特に発泡性を有する液体(例えば、オゾン水,過酸化水素水等の発泡性を有する液体)や気泡を含む液体(例えば、高温,高圧,キャビテーション等に起因して気泡が発生した液体)を扱う液体用容積型ポンプに関するものである。
従来の液体用容積型ポンプとして、一般に、伸縮可能なベローズで囲繞形成して容積を拡縮動作可能に構成されたポンプ室と、ポンプ室内に開口する吸込口及び吐出口と、吸込口に吸込側逆止弁を介して連通接続された吸込通路と、吐出口に吐出側逆止弁を介して連通接続された吐出通路とを具備して、ポンプ室の容積を拡大することにより吸込通路から吸込側逆止弁及び吸込口を経てポンプ室に給液させる吸込工程とポンプ室の容積を縮小することによりポンプ室から吐出口及び吐出側逆止弁を経て吐出通路に送液させる吐出工程とを交互に連続して行うように構成されたベローズポンプ等が周知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010−196541号公報
しかし、ベローズポンプ等の容積型ポンプにあっては、送液流体がオゾン水,過酸化水素等のように発泡性を有する液体や高温,高圧,キャビテーション等に起因して気泡を含む液体である場合には、吸込側逆止弁ないし吐出側逆止弁が作動不良となる所謂ガスロック現象が生じて、良好な送液を行い得ないといったトラブルが発生する虞れがある。
すなわち、発泡性を有する液体や気泡を含む液体の送液ポンプないし循環ポンプとしてベローズポンプ等の容積型ポンプを使用した場合、吸込工程時にポンプ室内で発生し又は流入した気泡が吐出工程時にポンプ室から排出されずに、ポンプ室内に滞留する。このような滞留気泡は、容積型ポンプによる吸込工程と吐出工程とが繰り返されることにより、他の滞留気泡や新たにポンプ室内で発生する気泡と合体し、大きな気泡に成長する。一方、吐出側逆止弁は吐出工程におけるポンプ室内の圧力上昇により、また吸込側逆止弁は吸込工程におけるポンプ室内の圧力降下により、弁体がスプリングに抗して開弁位置へと変位せしめられるように構成されたものである。したがって、ポンプ室内に大きな気泡が存在すると、吐出工程においては当該気泡が圧縮されるのみでポンプ室が実質的に縮小されずに、ポンプ室内の圧力上昇が不十分となり吐出側逆止弁が適正に作動せず(弁体が開弁位置へと変位されず)、また吸込工程においては当該気泡が膨張されるのみでポンプ室が実質的に拡大されずにポンプ室内の圧力降下が不十分となり吸込側逆止弁が適正に作動せず(弁体が開弁位置へと変位されず)、所謂ガスロック現象が生じる。なお、1回の工程においてポンプ室内に発生又は滞留する気泡が小さく又は少量であっても、かかる工程が繰り返されることにより気泡が徐々に増加し、巨大化することから、上記のようなガスロック現象が生じる虞れがある。
本発明は、このような点に鑑みて、発泡性を有する液体や気泡を含む液体を扱う場合にも、上記したガスロック現象の発生を未然に防止して、吸込工程及び吐出工程を良好に行いうる液体用容積型ポンプを提供することを目的とするものである。
本発明は、容積を拡縮動作可能に構成されたポンプ室と、ポンプ室内に開口する吸込口及び吐出口と、吸込口に吸込側逆止弁を介して連通接続された吸込通路と、吐出口に吐出側逆止弁を介して連通接続された吐出通路とを具備して、ポンプ室の容積を拡大することにより吸込通路から吸込側逆止弁及び吸込口を経てポンプ室に給液させる吸込工程とポンプ室の容積を縮小することによりポンプ室から吐出口及び吐出側逆止弁を経て吐出通路に送液させる吐出工程とを交互に連続して行うように構成されたものであって、ポンプ室内で気泡を発生する液体を扱う液体用容積型ポンプにおいて、上記の目的を達成すべく、特に、ポンプ室の上部領域と吐出通路とを細孔通路により直接に連通接続して、吐出工程においてポンプ室内の液体を当該細孔通路から吐出通路へと微量流出させることにより当該ポンプ室内の気泡を排除すると共に吸込工程において吐出通路内の液体を細孔通路からポンプ室の上部領域へと微量流入させるように構成しておくことを提案するものである。
かかる液体用容積型ポンプにあっては、細孔通路が、ポンプ室内において、その上部領域に向けて開口するものであることが好ましい。また、吸込口は、ポンプ室内であって少なくともその上部領域に向けて開口するものであることが好ましく、更にポンプ室が水平方向に拡縮されるものである場合において、吸込口が、ポンプ室の拡縮動作方向に直交する方向に放射状に開口する複数の吸込口部分に分岐されていることが好ましい。
また、本発明は、ポンプ室が水平方向に伸縮自在な有底筒状のベローズにより囲繞形成されている液体用容積型ポンプに好適に適用することができるが、細孔通路を常時開放状態とする場合において、ベローズの周壁が断面波形の蛇腹構造をなすものであるときは、ポンプ室内における細孔通路の開口部が、吸込工程において吐出通路から当該細孔通路に流入した液体をベローズの上部側部分における内周面に向けて噴出するものであることが好ましい。更に、細孔通路がポンプ室内に複数個所で開口するものであり、これらの開口部が、吸込工程の少なくとも最終段階においてベローズの周壁内周面に形成される環状凹部に向けて液体を噴出するように、ベローズの伸縮動作方向に所定間隔を隔てて並列状に配置されていることが好ましい。
本発明の液体用容積型ポンプは、ポンプ室の上部領域と吐出通路とを細孔通路により直接に連通接続して、吐出工程においてポンプ室内の液体を当該細孔通路から吐出通路へと微量流出させ、これにポンプ室内の気泡を同伴させて排除することができるものであるから、工程の繰り返しによってもポンプ室内に大きな気泡が生じることがなく、冒頭で述べたガスロック現象の発生を未然に回避することできる。したがって、本発明によれば、発泡性を有する液体(オゾン水,過酸化水素水等)や気泡を含む液体を扱う場合においても良好なポンプ機能を発揮することができ、極めて実用性に富む液体用容積型ポンプを提供することができる。
図1は本発明に係る液体用容積型ポンプを装備する送液ポンプの一例を示す縦断側面図である。 図2は図1と異なる状態を示す図1相当の縦断側面図である。 図3は図1及び図2と異なる状態を示す図1相当の縦断側面図である。 図4は図1の要部を拡大して示す詳細図である。 図5は図1のV−V線に沿う要部の縦断正面図である。 図6は本発明に係る液体用容積型ポンプを装備する送液ポンプの変形例を示す図1相当の縦断側面図である。 図7は図6の要部を拡大して示す詳細図である。 図8は図6のVIII−VIII線に沿う要部の縦断正面図である
本発明を実施するための形態を、図面に基づいて、具体的に説明する。
図1は本発明に係る液体用容積型ポンプを装備する送液ポンプの一例を示す縦断側面図であり、図2及び図3は、夫々、図1と異なる作用状態を示す図1相当の縦断側面図であり、図4は図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図5は図1のV−V線に沿う要部の縦断正面図である。なお、以下の説明において、上下,左右とは、図1〜図3における上下,左右をいうものとする。
図1に示す送液ポンプは、ポンプ内で気泡が滞留し易い液体(例えば、オゾン水,過酸化水素水等のような発泡性を有する液体や高温,高圧,キャビテーション等に起因して気泡を含む液体等)を送液するためのものであり、左右一対の液体用容積型ポンプ(以下、左側のポンプを「第1ポンプ1A」といい、右側のポンプを「第2ポンプ1B」という)を並列配置してなる多連型ポンプである。
両ポンプA,Bは、左右対称構造となっている点を除いて同一構造のものであり、各々、図1〜図3に示す如く、ポンプケース2と、ポンプケース2内に配置されてポンプ室3を囲繞形成するベローズ4と、ポンプ室3の容積を拡縮動作させる動作手段5と、ポンプ室3に開口する吸込口6及び吐出口7と、吸込口6に吸込側逆止弁8を介して連通接続された吸込通路9と、吐出口7に吐出側逆止弁10を介して連通接続された吐出通路11とを具備して、吸込からポンプ室3へ給液する吸込工程とポンプ室3から吐出通路11へと送液する吐出工程とを交互に行うように構成されたベローズポンプ(ベローズ型往復動ポンプ)である。
ポンプケース2は、図1〜図3に示す如く、両ポンプ1A,1Bのポンプケースとして共通される両端閉塞の円筒構造体であり、その軸線が水平となる状態で設置される。ポンプケース2の内部空間は、軸線方向(左右方向)の中間部に配置した円盤状の通路形成壁2aで2分割されており、当該内部空間における左側の分割空間部分に第1ポンプ1Aの構成部材が配置されており、右側の分割空間部分に第2ポンプ1Bの構成部材が配置されている。
各ベローズ4は、図1〜図3に示す如く、周壁4aを断面波型の蛇腹構造となして軸線方向(水平方向)に伸縮可能に構成された有底円筒体である。各ベローズ4の開口端部4bは通路形成壁2aに固着されていて、当該ベローズ4内を通路形成壁2aで閉塞されたポンプ室3に構成してある。各ポンプ室3の容積の拡縮は、これを囲繞形成するベローズ4を軸線方向に伸縮させることにより行われるが、両ベローズ4,4は、その底壁4c,4cに固着した円盤状の可動板12,12を連結杆13で連結することによって、同期して逆方向に伸縮動作されるようになっている。すなわち、連結杆13は、図1に例示する如く、一方のベローズ4が最縮小状態にあるときは他方のベローズ4が最伸張状態となるように、両ベローズ4,4を連動連結するものであり、一方のベローズ4が縮小動作するときは、これに連動して他方のベローズ4が伸張動作されるようになっている。
各動作手段5は、ベローズ4を伸縮動作させるものであり、ピストン・シリンダ機構やクランク機構等で構成されるが、この例では、図1〜図3に示す如く、エアシリンダ機構に構成されており、ポンプケース2の端部壁2bに形成した給排気口5aからベローズ4及び可動板12とポンプケース2との間に形成される空間に加圧空気5bを給排させることにより、ベローズ4を伸縮動作させるように構成されている。両給排気口5a,5aからの給排気は交互に同期して行われ、一方の給排気口5aから給気させると同時に他方の給排気口5aから排気させることにより、両ベローズ4,4の伸縮動作つまり両ポンプ室3,3の拡縮動作を逆方向に同期して行うようになっている。すなわち、第1ポンプ1Aの吸込工程(又は吐出工程)と第2ポンプ1Bの吐出工程(又は吸込工程)とが同期して行われ、両ポンプ1A,1Bにおける吸込工程と吐出工程との切換が同時に行われるようになっている。なお、図1は第1ポンプ1Aの吸込工程及び第2ポンプ1Bの吐出工程の終了状態を示しており、図2は第1ポンプ1Aの吐出工程及び第2ポンプ1Bの吸込工程の開始状態を示しており、図3は第1ポンプ1Aの吐出工程及び第2ポンプ1Bの吸込吐出工程の進行途中の状態を示している。
各吸込側逆止弁8は、図1〜図3に示す如く、弁箱8a、弁座8b、弁体8c及びスプリング8dで構成されている。弁箱8aは、通路形成壁2aからポンプ室3内に突出する状態で且つベローズ4に干渉しない状態で、開口端部を通路形成壁2aに固着した有底円筒状のものである。弁座8bは、通路形成壁2aの弁箱取付部分に形成されており、通路形成壁2aに形成された吸込通路9の一端部たる下流端部に接続されている。吸込通路9の下流端部は分岐して、両吸込側逆止弁8,8の弁座8b,8bに連通している。弁箱8aには、弁座8bに衝合してこれを閉塞する閉弁位置(第1ポンプ1Aにおける図2及び図3に示す位置又は第2ポンプ1Bにおける図1に示す位置)と弁座8bから離間してこれを開放する開弁位置(第1ポンプ1Aにおける図1に示す位置又は第2ポンプ1Bにおける図2及び図3に示す位置)とに亘って変位可能な弁体8cと、これを閉弁位置へと附勢するスプリング8dとが内装されている。弁体8cは、吐出工程においては背圧(ポンプ室3の圧力)及びスプリング8dの附勢力により閉塞位置に保持され、吸込工程においてはポンプ室3の圧力低下によりスプリング8dの附勢力に抗して開弁位置に変位される。
各吸込口6は、図1〜図3に示す如く、弁箱8aの底壁に形成されてポンプ室3内に開口されており、吸込側逆止弁8を介して吸込通路9の下流端部に連通接続されている。
各吐出側逆止弁10は、図1〜図3に示す如く、弁箱10a、弁座10b、弁体10c及びスプリング10dで構成されている。弁箱10aは、通路形成壁2aからポンプ室3内に突出する状態で且つベローズ4に干渉しない状態で、開口端部を通路形成壁2aに固着した有底円筒状のものである。弁座10bは、弁箱10aの底壁に形成されており、通路形成壁2aに形成された吐出通路11の一端部たる上流端部に接続されている。吐出通路11の上流端部は分岐して、両吐出側逆止弁10,10の弁箱10a,10a内に開口され弁座10b,10bに連通している。弁箱10aには、弁座10bに衝合してこれを閉塞する閉弁位置(第1ポンプ1Aにおける図1に示す位置又は第2ポンプ1Bにおける図2及び図3に示す位置)と弁座10bから離間してこれを開放する開弁位置(第1ポンプ1Aにおける図2及び図3に示す位置又は第2ポンプ1Bにおける図1に示す位置)とに亘って変位可能な弁体10cと、これを閉弁位置へと附勢するスプリング10dとが内装されている。弁体10cは、吸込工程においては背圧(吐出通路11の圧力)及びスプリング10dの附勢力により閉塞位置に保持され、吐出工程においてはポンプ室3の圧力上昇によりスプリング10dの附勢力に抗して開弁位置に変位される。
各吐出口7は、図1〜図3に示す如く、弁座10bの弁孔としても機能するものであって弁箱10aの底壁に形成されてポンプ室3内に開口しており、吐出側逆止弁10を介して吐出通路11の上流端部に連通接続されている。
なお、ベローズ4等のポンプ構成部材のうち送液流体と接触するものについては、当該流体の性状等に応じて適宜の材質が選定されるが、この例では、ポリテトラフルオロエチレン等のフッソ樹脂系の耐食材で構成してある。
以上の構成は周知の多連型往復動ポンプと同様であり、第1ポンプ1Aによる吐出工程と第2ポンプ1Bによる吐出工程とが交互に連続して行われ、送液ラインの吸込部分から吐出部分へと連続的に送液させることができるが、上記した第1及び第2ポンプ1A,1Bにあっては、本発明に従って、更に次のように構成しておくことによって、各吸込側逆止弁8及び吐出側逆止弁10の作動不良(ガスロック)を確実に防止して、オゾン水,過酸化水素水等の発泡性を有する液体や高温,高圧,キャビテーション等に起因して気泡を含む液体を良好に送液させうるように工夫されている。
第1に、各ポンプ室3の上部領域と吐出通路11とを、図1〜図5に示す如く、断面が微小径の円形状をなす細孔通路14により直接に連通接続して、吐出工程において当該ポンプ室3内の液体を細孔通路14から吐出通路11へと微量流出させると共に吸込工程において吐出通路11内の液体を細孔通路14から当該ポンプ室3の上部領域へと微量流入させるように構成してある。
すなわち、各細孔通路14は、図4に示す如く、通路形成壁2aにこれをベローズ4の軸線方向(水平方向)に貫通する有底筒状の第1部材15を固着し、この第1部材15の端部に有底筒状の第2部材16を嵌合固着し、この第2部材16に円柱状の第3部材17の基端部を嵌合固着して、各部材15,16,17に形成した通路孔15a,16a,17aを水平方向に連通させることによって形成されている。第1部材15に形成された通路孔15aの一端部は吐出通路11内に開口されており、当該通路孔15aと第3部材17の通路孔17aとは第2部材16の通路孔16aを介して連通されている。
第3部材17は、ベローズ4の上部側部分に干渉することなくこれに近接した状態で通路形成壁2aからポンプ室3内の上部領域へと水平に突出している。この第3部材17の突出量は、図1〜図3に示す如く、当該第3部材17の先端部がベローズ4の伸縮動作時にその底壁4cに干渉しない範囲で可及的に長く設定されている。なお、第1及び第2部材15,16の一端面は通路形成壁2aの端面(ポンプ室側の端面)と面一とされており、吐出通路11に露出する第1部材15の端部と通路形成壁2aとの嵌合部分はOリング15bでシールされている。
細孔通路14は、図4に示す如く、ポンプ室3内の上部領域に向けて開口する複数の開口部14aを有している。すなわち、第3部材17の上面部であってポンプ室3内に位置する部分には、通路孔17aに連通する複数のノズル孔14aが軸線方向に所定間隔を隔てて穿設されている。ノズル孔14aの相互間隔は、例えば図1に示す如く、各ノズル孔14aの開口が吸込工程の少なくとも最終段階においてベローズ4の周壁内周面に形成される環状凹部4dに対向するように設定されている。
したがって、吸込工程においては、吐出口7は吐出側逆止弁10により閉塞されているが、吐出通路11内の液体が細孔通路14からポンプ室3内へと流入する(第1ポンプ1Aにおける図1及び図4に示す状態又は第2ポンプ1Bにおける図2及び図3に示す状態)。このとき、細孔通路14の開口部つまりノズル孔14aがポンプ室3内の上部領域に向けて開口することから、各ノズル孔14aからは当該上部領域に向けて液体が噴出されることになる。ところで、吸込工程においてポンプ室3内で発生する気泡はポンプ室3内の上部領域に浮遊し、吸込工程の進行に伴って新たに発生する気泡と合体,成長することになる。しかし、ポンプ室3内の上部領域には上記した如く各ノズル孔14aから液体が噴出されることから、その噴出流により気泡の成長は阻止され、また大きな気泡は微細に分裂されることになる。このような気泡の成長阻止ないし分裂作用は、各ノズル孔14aの配置をその開口が上記した如く吸込工程の少なくとも最終段階においてベローズ4の周壁内周面に形成される環状凹部4dに対向するように設定しておくことにより、より効果的に行われる。
そして、吸込工程から吐出工程に移行すると、ポンプ室3内の液体は、吐出口7から吐出側逆止弁10を介して吐出流路11へと吐出されることになるが、同時に、ポンプ室3内の上部領域の液体が各ノズル孔14aから細孔通路14を介して吐出通路11へと微量流出されることになる(第1ポンプ1Aにおける図2及び図3に示す状態又は第2ポンプ1Bにおける図1及び図4に示す状態)。このとき、ポンプ室3内の上部領域における気泡は、上記した如く吸込工程において各ノズル孔14aからの噴出流により成長を阻止され、微細に分裂されているから、細孔通路14から吐出通路11への流出液に同伴して、吐出通路11へと排出されることになる。
したがって、送液流体が発泡性を有する液体や気泡を含む液体である場合にも、吸込工程と吐出工程との繰り返しによってポンプ室3内で気泡が大きく成長するようなことがなく、冒頭で述べたようなガスロック現象の発生はこれが未然に回避され、良好な送液機能を発揮することができる。なお、細孔通路14の内径は、吸込工程における細孔通路14からポンプ室3の流入量ないし吐出工程における細孔通路14から吐出流路11への流出量が、吸込口6からの吸込量ないし吐出口7からの吐出量に比して極めて微量で当該ポンプ1A,1Bによるポンプ機能(定量性等)に影響を及ぼさない範囲で、上記した気泡の成長阻止,分裂機能及び気泡のポンプ室外への排出機能が良好に発揮されるように、ポンプ条件(液体の性状等)に応じて適宜に設定される。
第2に、各吸込口6を、図1〜図3及び図5に示す如く、ポンプ室3内であって少なくともその上部領域に向けて開口するようにして、吸込工程における気泡の成長阻止,分裂作用が更に効果的に行われるように図っている。
すなわち、各吸込口6は、図5に示す如く、ポンプ室3の拡縮方向(ベローズ4の伸縮方向である水平方向)に直交する方向に放射状に開口する複数の吸込口部分6a,6b,6c,6dに分岐されている。すなわち、各吸込口6のポンプ室3への開口部は、ポンプ室3内の上部領域に向けて開口する吸込口部分6aを含めて、弁箱8aの周方向に等間隔(90度間隔)を隔てた4つの吸込口部分6a,6b,6c,6dに分岐されている。
したがって、吸込工程においては、吸込口6からポンプ室3内に吸い込まれる液体が、各吸込口部分6a,6b,6c,6dからポンプ室3の上部領域を含めて4方向に噴出されることになり(第1ポンプ1Aにおける図1及び図5に示す状態又は第2ポンプ1Bにおける図2及び図3に示す状態)、これによりポンプ室3内の液体が攪拌され、気泡の成長,巨大化が阻止され、或いは気泡が微細に分裂される。その結果、吐出工程における細孔通路14から吐出通路11への流出液に同伴されることによる気泡の排出が、更に効果的に行われる。
なお、本発明に係る液体用容積型ポンプの構成は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
例えば、細孔通路は、上記したノズル孔14aを有せず、通路形成壁2aを貫通するだけのものとしておくことも可能である。すなわち、図6〜図8に示すものでは、通路形成壁2aにこれを水平方向に貫通して吐出通路11とポンプ室3内の上部領域とを連通する細孔通路18を形成してある。この細孔通路18は、断面を前記細孔通路14と同一径の円形状をなすものである。図6〜図8に示すポンプは、上記した細孔通路18の構成を除いて図1〜図5に示すものと同一構造をなすものであるから、細孔通路18以外の構成については図1〜図5と同一符号を付すことによって、その説明は省略する。
また、上記した何れのポンプにおいても、吸込口6を複数の吸込口部分6a,6b,6c,6dに分岐させるようにしたが、送液流体の性状等によっては、ポンプ室3の少なくとも上部領域に向けて吸込液を吸込口6から噴出させるだけでも、ポンプ室3内の上部領域における攪拌作用により気泡の成長,巨大化を阻止をすることができる。すなわち、吸込口6を上方に開口する吸込口部分6aのみで構成されるようにしておくことも可能である。さらに、逆止弁20を設けない場合、送液流体の性状等によっては、吸込工程における細孔通路14のノズル孔14aからの噴出流又は細孔通路18からの噴出流のみによっても、気泡の成長,巨大化を阻止をすることが可能な場合があり、かかる場合には、細孔通路14,18のみを設けて、吸込口6については格別の工夫を行わずともよい。
また、本発明は、単一の液体用容積型ポンプや、ベローズポンプ以外の容積型ポンプ(例えば、ダイヤフラムポンプ等)にも好適に適用することができる。また、上記した如くポンプ室3の拡縮動作方向が水平方向でなく上下方向である各種液体用容積型ポンプにも好適に適用することができる。
1A 第1ポンプ(液体用容積型ポンプ)
1B 第2ポンプ(液体用容積型ポンプ)
3 ポンプ室
4 ベローズ
4a ベローズの周壁
4d ベローズの周壁内周面に形成される環状凹部
6 吸込口
6a 吸込口部分
6b 吸込口部分
6c 吸込口部分
6d 吸込口部分
7 吐出口
8 吸込側逆止弁
9 吸込通路
10 吐出側逆止弁
11 吐出通路
14 細孔通路
14a ノズル孔(細孔通路の開口部)
18 細孔通路
19 細孔通路
20 逆止弁

Claims (7)

  1. 容積を拡縮動作可能に構成されたポンプ室と、ポンプ室内に開口する吸込口及び吐出口と、吸込口に吸込側逆止弁を介して連通接続された吸込通路と、吐出口に吐出側逆止弁を介して連通接続された吐出通路とを具備して、ポンプ室の容積を拡大することにより吸込通路から吸込側逆止弁及び吸込口を経てポンプ室に給液させる吸込工程とポンプ室の容積を縮小することによりポンプ室から吐出口及び吐出側逆止弁を経て吐出通路に送液させる吐出工程とを交互に連続して行うように構成されたものであって、ポンプ室内で気泡を発生する液体を扱う液体用容積型ポンプにおいて、
    ポンプ室の上部領域と吐出通路とを細孔通路により直接に連通接続して、吐出工程においてポンプ室内の液体を当該細孔通路から吐出通路へと微量流出させることにより当該ポンプ室内の気泡を排除すると共に吸込工程において吐出通路内の液体を細孔通路からポンプ室の上部領域へと微量流入させるように構成したことを特徴とする液体用容積型ポンプ。
  2. 細孔通路が、ポンプ室内において、その上部領域に向けて開口するものであることを特徴とする、請求項1に記載する液体用容積型ポンプ。
  3. 吸込口が、ポンプ室内であって少なくともその上部領域に向けて開口するものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する液体用容積型ポンプ。
  4. ポンプ室が水平方向に拡縮されるものである場合において、吸込口が、ポンプ室の拡縮方向に直交する方向に放射状に開口する複数の吸込口部分に分岐されていることを特徴とする、請求項3に記載する液体用容積型ポンプ。
  5. ポンプ室が水平方向に伸縮自在な有底筒状のベローズにより囲繞形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載する液体用容積型ポンプ。
  6. ポンプ室が水平方向に伸縮自在な有底筒状のベローズにより囲繞形成されたものであり、ベローズの周壁が断面波形の蛇腹構造をなすものであり、ポンプ室内における細孔通路の開口部が、吸込工程において吐出通路から当該細孔通路に流入した液体をベローズの上部側部分における内周面に向けて噴出するものであることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載する液体用容積型ポンプ。
  7. 細孔通路がポンプ室内に複数個所で開口するものであり、これらの開口部が、吸込工程の少なくとも最終段階においてベローズの周壁内周面に形成される環状凹部に向けて液体を噴出するように、ベローズの伸縮方向に所定間隔を隔てて並列状に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載する液体用容積型ポンプ。
JP2010256458A 2010-11-17 2010-11-17 液体用容積型ポンプ Active JP5602595B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256458A JP5602595B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 液体用容積型ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256458A JP5602595B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 液体用容積型ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012107559A JP2012107559A (ja) 2012-06-07
JP5602595B2 true JP5602595B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=46493425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010256458A Active JP5602595B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 液体用容積型ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5602595B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4977791B1 (ja) * 2011-07-01 2012-07-18 株式会社タクミナ ポンプ及びポンプの運転方法
WO2018143420A1 (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 イーグル工業株式会社 液体供給システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3532087B2 (ja) * 1997-10-09 2004-05-31 大日本スクリーン製造株式会社 ベローズポンプのベローズ破損検出機構およびそれを用いた基板処理装置ならびにベローズポンプのベローズ破損検出方法
DE19747851A1 (de) * 1997-10-30 1999-05-06 Bosch Gmbh Robert Kolbenpumpe
JP3962716B2 (ja) * 2003-10-10 2007-08-22 日本ピラー工業株式会社 ベローズを有する流体機器及びその流体機器内の残留空気排出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012107559A (ja) 2012-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8469680B2 (en) Valve body for pumps
TWI630024B (zh) 間歇性氣泡發生裝置
CN110567146B (zh) 热水器
JP5602595B2 (ja) 液体用容積型ポンプ
KR20110117023A (ko) 액체 공급 장치
CN103388577A (zh) 液体用容积型泵
JP4694341B2 (ja) 流体制御弁
JP4499012B2 (ja) 複合流体制御ユニット
KR20140050109A (ko) 액 떨어짐 방지 밸브
JP4445557B2 (ja) 真空弁
TW201346139A (zh) 液體用排量泵
KR101696865B1 (ko) 전자제어 양변기 및 비데 일체형 양변기용 배수밸브장치
JP2014114888A (ja) ダイヤフラム式弁装置
JP2007107513A (ja) 燃料噴射弁
KR101900503B1 (ko) 액체용 용적형 펌프
JP5912843B2 (ja) 横型ベローズポンプ
JP5912847B2 (ja) 横型ベローズポンプ
JP5912849B2 (ja) 横型ベローズポンプ
JP5912842B2 (ja) 横型ベローズポンプ
JP5912846B2 (ja) 横型ベローズポンプ
KR101595982B1 (ko) 유압식 체크 밸브를 포함하는 마이크로 펌프
JP2010007341A (ja) 人体局部洗浄装置
JP6932885B2 (ja) 液圧シリンダ装置
JP2019124202A5 (ja)
JP2009243370A (ja) インジェクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120322

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120604

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5602595

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250