JP5601563B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法 - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法に係り、とりわけ、スライダとの接続端子数を増加させて、情報処理量を増大させることにより、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダの相対位置を高精度に制御することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法に関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み込みを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板を備えている。このサスペンション用基板は、複数の配線層と、スライダが実装される実装領域の近傍に設けられた複数の配線パッドとを有し、各配線パッドが配線層にそれぞれ接続されている。これらの配線パッドが磁気ヘッドスライダのスライダパッドにそれぞれ接続されることにより、磁気ヘッドスライダに対してデータの受け渡しを行うようになっている。
このような磁気ヘッドスライダのスライダパッドと各配線パッドとの接続方法としては、例えば、半田ボールを介して接続する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、磁気ヘッドスライダの側面にスライダパッドが設けられ、各スライダパッドとこれに対応する配線層の配線パッドとの間に半田ボールが形成されて接続されている。
ところで、近年の高度情報化社会においては、HDDドライブに対して書き込みまたは読み込みされる情報量を増大させることが要求されている。このようにHDDドライブの情報処理量を増大させるためには、情報を記録する磁気ディスクを従来よりも高密度化することが必要となり、そのため、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダとの相対位置をさらに高精度に制御する必要がある。スライダの位置を高精度に制御するためには、スライダに位置制御機能を付加させることが必要となり、それに伴いスライダの端子数が増加する。したがって、サスペンション用基板側の各配線層とスライダとの接続端子数を増加させることが必要となる。
しかしながら、このような方法では、磁気ヘッドスライダの側面のスペースは限られているため、スライダとの接続端子数を増加させることは困難である。
このことにより、磁気ヘッドスライダの裏面に複数のスライダパッドを設けて、サスペンション用基板の各配線層の配線パッドに接続させる方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。この場合、磁気ヘッドスライダに、より多くのスライダパッドを形成することができるため、スライダとの接続端子数を増加させることが可能となる。
特開2004−152393号公報 米国特許出願公開第2007/0274005号明細書
しかしながら、サスペンション用基板においては、HDDを小型化するために、磁気ヘッドスライダが実装される実装領域のスペースは限られている。このことにより、サスペンション用基板上に多くの配線パッドを設けた場合に、サスペンション用基板上において各配線パッドに接続される配線層を引き回すことが困難となる。このため、スライダとの接続端子数を増加させることが困難であるという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、磁気ヘッドスライダとの接続端子数を増加させて磁気ディスクと磁気ヘッドスライダの相対位置を高精度に制御することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板において、実装領域は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられた複数の配線層とを有し、各配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドが設けられ、絶縁層に貫通孔が形成され、この貫通孔に導電性を有する導電接続部が設けられ、バネ性材料層は、本体用バネ性材料層と、この本体用バネ性材料層から破断溝を介して区画された配線用バネ性材料層とからなり、一の配線層と配線用バネ性材料層とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、配線用バネ性材料層により他の配線層を迂回していることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、配線用バネ性材料層の一方の面に、配線用バネ性材料層よりも高い導電性を有する導電層が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、導電層は、配線用バネ性材料層の絶縁層側の面に設けられ、導電層は、導電接続部と配線用バネ性材料層との間に介在されていることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、配線用バネ性材料層は、他の配線層の配線パッドに対応する位置とは異なる位置に設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、本体用バネ性材料層は、他の配線層の配線パッドに対応する位置に設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、当該一の配線層は、磁気ディスクとスライダの相対位置を制御する位置制御素子用配線層からなることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板において、実装領域は、第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、第1絶縁層の他方の面に設けられた複数の第1配線層とを有し、各第1配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドが設けられ、一の第1配線層に第2絶縁層を介して第2配線層が積層され、この第2絶縁層に貫通孔が形成され、この貫通孔に導電性を有する導電接続部が設けられ、当該一の第1配線層と第2配線層とが導電接続部を介して接続され、当該一の第1配線層は、この第2配線層により他の第1配線層を迂回していることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板において、実装領域は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられた複数の配線層とを有し、各配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドが設けられ、配線パッドは、全体として10個以上12個以下で設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
本発明は、サスペンション用基板を有することを特徴とするサスペンションである。
本発明は、サスペンションと、このサスペンションに実装されたスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンションである。
本発明は、ヘッド付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブである。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層とを有する積層体を準備する工程と、絶縁層に貫通孔を形成する工程と、この貫通孔に導電性を有する導電接続部を形成する工程と、絶縁層の他方の面に、複数の配線層を形成し、一の配線層を導電接続部に接続させる工程と、各配線層に、スライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、バネ性材料層に破断溝を形成して、バネ性材料層を、本体用バネ性材料層と、この本体用バネ性材料層から破断溝を介して区画され、導電接続部に接続される配線用バネ性材料層とに分離する工程と、を備え、当該一の配線層と配線用バネ性材料層とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、この配線用バネ性材料層により他の配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、配線用バネ性材料層の絶縁層とは反対側の面に、配線用バネ性材料層よりも高い導電性を有する導電層を形成する工程を更に備えたことを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、導電性を有するバネ性材料層を準備する工程と、バネ性材料層の一方の面に、配線用バネ性材料層よりも高い導電性を有する導電層を形成する工程と、バネ性材料層の導電層側の面に、導電層を覆うように絶縁層を形成する工程と、この絶縁層の導電層に対応する領域に、貫通孔を形成する工程と、この貫通孔に導電性を有する導電接続部を形成する工程と、絶縁層に、複数の配線層を形成し、一の配線層を導電接続部に接続させる工程と、各配線層に、スライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、バネ性材料層に破断溝を形成して、バネ性材料層を、本体用バネ性材料層と、この本体用バネ性材料層から破断溝を介して区画され、導電層が形成された配線用バネ性材料層とに分離する工程と、を備え、当該一の配線層と導電層とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、この導電層により他の配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、バネ性材料層に破断溝を形成する際、配線用バネ性材料層が他の配線層の配線パッドに対応する位置とは異なる位置に配置されるように破断溝が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、バネ性材料層に破断溝を形成する際、本体用バネ性材料層が他の配線層の配線パッドに対応する位置に配置されるように破断溝が形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、第1絶縁層の他方の面に設けられた複数の第1配線層とを有する積層体を準備する工程と、第1絶縁層の第1配線層側の面に、一の第1配線層を覆うように第2絶縁層を形成する工程と、この第2絶縁層の当該一の第1配線層に対応する領域に、貫通孔を形成する工程と、この貫通孔に、導電性を有する導電接続部を形成する工程と、第2絶縁層に、この導電接続部に接続される第2配線層を形成する工程と、各第1配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、を備え、当該一の第1配線層と第2配線層とが導電接続部を介して接続され、当該一の第1配線層は、この第2配線層により他の第1配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明は、裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられた複数の配線層とを有する積層体を準備する工程と、各配線層に、スライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、を備え、配線パッドは、全体として10個以上12個以下で形成されることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法である。
本発明によれば、磁気ヘッドスライダとの接続端子数を増加させて、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダの相対位置を高精度に制御することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の一例を示す平面図。 図2は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の一例を示す平面図。 図3は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の断面構成の一例を示す断面図。 図4(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域におけるバネ性材料層の平面形状の一例を示す図。図4(b)は、絶縁層の平面形状の一例を示す図。図4(c)は、配線層の平面形状の一例を示す図。図4(d)は、保護層の平面形状の一例を示す図。 図5は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションの一例を示す平面図。 図6は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図。 図7は、本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す平面図。 図8(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層に貫通孔を形成する工程を示す図。 図9(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線層および導電接続部を形成する工程を示す図。 図10(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、保護層を形成する工程を示す図。 図11(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層をエッチングする工程を示す図。 図12は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線パッドを形成する工程を示す図。 図13(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、バネ性材料層をエッチングする工程を示す図。 図14は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の一例を示す平面図。 図15は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の断面構成の一例を示す断面図。 図16は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域における導電層の平面形状の一例を示す図。 図17(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、バネ性材料層に導電層を形成する工程を示す図。 図18(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層に貫通孔を形成する工程を示す図。 図19(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線層および導電接続部を形成する工程を示す図。 図20(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、保護層を形成する工程を示す図。 図21(a)、(b)、(c)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層をエッチングする工程を示す図。 図22は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線パッドを形成する工程を示す図。 図23(a)、(b)、(c)は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、バネ性材料層をエッチングする工程を示す図。 図24は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の一例を示す平面図。 図25は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域の断面構成の一例を示す断面図。 図26(a)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の実装領域におけるバネ性材料層の平面形状の一例を示す図。図26(b)は、絶縁層の平面形状の一例を示す図。図26(c)は、配線層の平面形状の一例を示す図。図26(d)は、追加絶縁層の平面形状の一例を示す図。図26(e)は、追加配線層の平面形状の一例を示す図。図26(f)は、保護層の平面形状の一例を示す図。 図27(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線材料層をエッチングする工程を示す図。 図28(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、追加の保護層を形成する工程を示す図。 図29(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線層および導電接続部を形成する工程を示す図。 図30(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、保護層を形成する工程を示す図。 図31(a)、(b)、(c)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、絶縁層をエッチングする工程を示す図。 図32は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、配線パッドを形成する工程を示す図。 図33(a)、(b)、(c)は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法において、バネ性材料層をエッチングする工程を示す図。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図113は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスク、並びにサスペンション用基板の製造方法を示す図である。
まず、図1によりサスペンション用基板1の全体構成について説明する。図1に示すサスペンション用基板1は、裏面に複数(例えば、12個)のスライダパッド(図示せず)が設けられたスライダ52(図6参照)を実装する実装領域2と基部側に位置する外部接続基板接続部3と、実装領域2と外部接続基板接続部3とを接続する11個の配線層14、15、16とを有している。なお、図2に示すように、実装領域2に実装されるスライダ52は、970μmの縦寸法と、730μmの横寸法とを有している。ここで、実装領域2とは、図2に示すように、実装されたスライダ52に対応する領域のことをいう。
次に、図2乃至図4を用いてサスペンション用基板1の実装領域2について説明する。図3に示すように、サスペンション用基板1の実装領域2は、絶縁層10と、この絶縁層10の一方の面(下面)に設けられ、導電性を有するバネ性材料層11と、絶縁層10の他方の面(上面)に設けられた11個の配線層14、15、16とを有している。
図2および図4に示すように、配線層14および15は、スライダ52側に位置するスライダ側部分14a、15aと外部接続基板接続部3側の基部側部分14b、15bとにそれぞれ分離されている。なお、この配線層14および15は、特に限定されるわけではないが、磁気ディスク63(図7参照)とスライダ52の相対位置を制御する位置制御素子用配線層からなることが好ましい。このことにより、他の配線層16(配線層14および15以外の配線層)のインピーダンスを所望の設計値に調整するように設計することが可能となる。
各配線層14、15、16に、スライダ52のスライダパッドに導通される円形状の配線パッド17が設けられている。このうち、配線層14および15については、スライダ側部分14aおよび15aに配線パッド17が設けられている。本実施の形態においては、スライダ52の12個のスライダパッドに対応して、接地用端子17aを含む12個の配線パッド17が形成されている。各配線パッド17は、100μmの直径を有し、図2に示すように、各配線パッド17の縦ピッチは125μm、横ピッチは218μmとなるように配置されている。
図4に示すように、絶縁層10に、円筒状の4つの貫通孔(ビア)20が形成されている。各貫通孔20は、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14b、並びに配線層15のスライダ側部分15aおよび基部側部分15bに対応する領域に配置されている。各貫通孔20は、70μmの開口径を有している。また、絶縁層10には、接地用端子17aに対応する接地用貫通孔20aも設けられており、この接地用貫通孔20aに導電部(図示せず)を設けることにより、接地用端子17aがバネ性材料層11の本体用バネ性材料層12に接続されるようになっている。
図3に示すように、各貫通孔20には、導電性を有する導電接続部21が形成され、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bが各導電接続部21に接続されている。ここで、図3においては、明瞭化のために、配線層14の断面構成例を示しているが、配線層15についても、同様の断面構成とすることができる。
また、図2乃至図4に示すように、バネ性材料層11は、本体用バネ性材料層(本体用バネ性材料層部分)12と、この本体用バネ性材料層12から破断溝11aを介して区画された配線用バネ性材料層(配線用バネ性材料層部分)13とからなっている。このうち配線用バネ性材料層13は、後述する金属薄膜層23およびCuスパッタリング層24を介して導電接続部21に接続されている。このようにして、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bと配線用バネ性材料層13が導電接続部21を介してそれぞれ接続され、配線層14が、この配線用バネ性材料層13により他の配線層16を迂回するように構成されている。
図2において配線層14に接続された配線用バネ性材料層13のように、配線用バネ性材料層13は、他の配線層16の配線パッド17に対応する位置とは異なる位置に設けられていることが好ましい。すなわち、配線用バネ性材料層13は、他の配線層16の配線パッド17の下方に配置されないことが好ましい。また、本体用バネ性材料層12は、他の配線層16の配線パッド17に対応する位置、すなわち、他の配線層16の配線パッド17の下方に配置されることが好ましい。このことにより、各配線層14、15、16の配線パッド17が設けられた領域に本体用バネ性材料層12によって所定の強度が付与され、スライダ52を実装する際に必要な強度を確保することができる。
図3に示すように、各配線層14、15、16に保護層22が設けられ、各配線層14、15、16が劣化することを防止している。この保護層22に、配線パッド17を形成するための円形状の孔22aが設けられている。
また、各配線層14、15、16および各導電接続部21と絶縁層10との間に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、もしくはそれらの合金からなる金属薄膜層23と、銅(Cu)からなるCuスパッタリング層24が介在されている。すなわち、絶縁層10側に金属薄膜層23が形成され、この金属薄膜層23上にCuスパッタリング層24が形成されている。このように金属薄膜層23を介在させることにより、下地である絶縁層10との接着性を向上させ、絶縁層10に対して、各配線層14、15、16および各導電接続部21を確実に付着させるように構成されている。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ10μm〜20μmであることが好ましい。このことにより、バネ性材料層11と各配線層14、15、16との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての弾力性が喪失されることを防止することができる。
各配線層14、15、16の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線層14、15、16の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ5μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線層14、15、16の導電性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての弾力性が喪失されることを防止することができる。
配線パッド17は、各配線層14、15、16上に形成されたニッケル(Ni)からなるNiめっき層18と、このNiめっき層18上に形成された金(Au)からなるAuめっき層19とからなっている。このようにして、配線パッド17の表面が劣化することを防止するとともに、スライダ52のスライダパッドとの間における接触抵抗を低減させている。
各導電接続部21の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、ニッケル(Ni)または銅(Cu)が挙げられ、より好ましくは、各配線層14、15、16と同じ材料、すなわち銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。
本体用バネ性材料層12および配線用バネ性材料層13の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、好ましくはステンレスを用いることが好適である。各バネ性材料層11の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜25μmであることが好ましい。このことにより、バネ性材料層11の導電性および弾力性を確保することができる。
保護層22の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、保護層22の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層22の厚さは、3μm〜30μmであることが好ましい。
次に、図5により、本実施の形態におけるサスペンション41について説明する。図5に示すサスペンション41は、上述した実装領域2を有するサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1の実装領域2とは反対側となる面(下面)に設けられ、後述するスライダ52(図6参照)をディスク63(図7参照)に対して保持するためのロードビーム42とを有している。
次に、図6により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション51について説明する。図6に示すヘッド付サスペンション51は、上述したサスペンション41と、サスペンション用基板1の実装領域2に実装され、裏面に12個のスライダパッドが設けられたスライダ52とを有している。
次に、図7により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ61について説明する。図7に示すハードディスクドライブ61は、ケース62と、このケース62に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク63と、このディスク63を回転させるスピンドルモータ64と、ディスク63に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク63に対してデータの書き込みおよび読み込みを行うスライダ52を含むヘッド付サスペンション51とを有している。このうちヘッド付サスペンション51は、ケース62に対して移動自在に取り付けられ、ケース62にはヘッド付サスペンション51のスライダ52をディスク63上に沿って移動させるボイスコイルモータ65が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション51とボイスコイルモータ65との間には、アーム66が連結されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちサスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、代表例として、配線層14に関する図8乃至図13を用いて、図3に示す断面構成のサスペンション用基板1を製造する方法について述べるが、図示されていない配線層15についても、これと同様な方法により他の配線層16を迂回する構成のサスペンション用基板1を製造することができる。
まず、図8(a)に示すように、絶縁層10と、この絶縁層10の下面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層11とを有する積層体30を準備する。この積層体30においては、バネ性材料層11はめっきにより形成されていても良く、あるいは絶縁層10とバネ性材料層11とが互いに接着されていても良い。
次に、図8(b)に示すように、積層体30の両面にフォトファブリケーションの手法によりレジスト31、32が形成される。すなわち、絶縁層10の表面に、貫通孔20を形成するためのパターン状のレジスト31が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト32が形成される。この場合、レジスト31、32としては、ドライフィルムレジストが好ましいが、カゼイン等の液状のレジストを用いても良い。
次に、パターン状のレジスト31の開口部から、有機アルカリ液などのエッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10に2つの貫通孔20が形成される(図8(c)参照)。なお、絶縁層10のエッチングは、プラズマエッチングで行っても良い。その後、これらのレジスト31、32が剥離される(図8(d)参照)。
次に、図9に示すように、各配線層14、16および導電接続部21が形成される。この場合、まず、図9(a)に示すように、絶縁層10上、およびバネ性材料層11の露出されている部分(貫通孔20に対応する部分)に、金属薄膜層23、Cuスパッタリング層24が順次形成される。このCuスパッタリング層24上に、導電接続部21および各配線層14、16を形成するためのパターン状のレジスト33が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト34が形成される(図9(b)参照)。
次に、パターン状のレジスト33の開口部に、電解銅めっき法により絶縁層10の各貫通孔20に導電接続部21が形成されるとともに、各配線層14、16が形成される(図9(c)参照)。この場合、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bと導電接続部21が接続される。その後、これらのレジスト33、34が剥離されて(図9(d)参照)、金属薄膜層23およびCuスパッタリング層24のうち露出されている部分が除去される(図9(e)参照)。
次に、図10に示すように、各配線層14、16にパターン状の保護層22が形成される。この場合、まず、絶縁層10の上方に全領域に亘って保護層22が形成される(図10(a)参照)。次に、保護層22上に、パターン状のレジスト35が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト36が形成される(図10(b)参照)。次に、パターン状のレジスト35の開口部から、エッチング液により保護層22がエッチングされる(図10(c)参照)。この場合、保護層22に、配線パッド17を形成するための孔22aが形成される。その後、これらのレジスト35、36が剥離される(図10(d)参照)。
次に、図11に示すように、絶縁層10がエッチングされる。この場合、まず、図11(a)に示すように、絶縁層10の上方にパターン状のレジスト37が形成されるとともに、バネ性材料層11の全面にレジスト38が形成される。次に、パターン状のレジスト37の開口部から、エッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10のうち露出されている部分が除去される(図11(b)参照)。その後、これらのレジスト37、38が剥離される(図11(c)参照)。
次に、図12に示すように、各配線層14、16のうち露出されている部分に、Niめっき層18およびAuめっき層19が順次形成される。このようにして、各配線層14、16に配線パッド17が形成される。
次に、図13に示すように、バネ性材料層11が、破断溝11aを介して本体用バネ性材料層12と配線用バネ性材料層13に分離される。この場合、まず、図13(a)に示すように、バネ性材料層11の上方の全領域に亘ってレジスト39が形成されるとともに、バネ性材料層11の下面に、パターン状のレジスト40が形成される。次に、パターン状のレジスト40の開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により、バネ性材料層11がエッチングされる。このようにして、破断溝11aが形成され、バネ性材料層11が本体用バネ性材料層12と配線用バネ性材料層13とに分離される(図13(b)参照)。その後、レジスト39、40が剥離され、本実施の形態によるサスペンション用基板1の実装領域2の断面構成が得られる(図3および図13(c)参照)。
このようにして得られたサスペンション用基板1の下面に、ロードビーム42が取り付けられて図5に示すサスペンション41が得られる。このサスペンション41の実装領域2に、裏面に12個のスライダパッドが設けられたスライダ52が実装されて図6に示すヘッド付サスペンション51が得られる。この場合、スライダ52のスライダパッドが各配線層14、15、16の配線パッド17に接続される。さらに、このヘッド付サスペンション51がハードディスクドライブ61のケース62に取り付けられて、図7に示すハードディスクドライブ61が得られる。
図7に示すハードディスクドライブ61においてデータの読み込みおよび書き込みを行う際、ボイスコイルモータ65によりヘッド付サスペンション51のスライダ52がディスク63上に沿って移動し、スピンドルモータ64により回転しているディスク63に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、スライダ52とディスク63との間で、スライダパッドおよび配線パッド17を介してデータの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1の実装領域2と外部接続基板接続部3との間に接続された各配線層14、15、16により電気信号が伝送される。
このように本実施の形態によれば、配線層14と配線用バネ性材料層13とが、絶縁層10の貫通孔20に形成された導電接続部21を介して接続され、この配線用バネ性材料層13により、配線層14は、他の配線層16を迂回することができる。このことにより、スペースが限られている実装領域2において、各配線パッド17から延びる各配線層14、15、16を互いに絶縁距離を確保しながら引き回すことができる。このため、サスペンション用基板1に形成される配線パッド17の個数を増加させて、12個のスライダパッドを有するスライダ52を実装することができ、磁気ディスク63と磁気ヘッドスライダ52の相対位置を高精度に制御することができる。
また、本実施の形態によれば、上述した効果を有するサスペンション41、ヘッド付サスペンション51、およびハードディスクドライブ61を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、図2乃至図4に示すように、絶縁層10に対して各配線層14、15、16が上方に、バネ性材料層11が下方に配置される例について述べたが、各配線層14、15、16を下方に、バネ性材料層11を上方に配置しても良い。
また、本実施の形態においては、12個のスライダパッドを有するスライダ52を実装するために、接地用端子17aを含む12個の配線パッド17が形成される例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、11個以上12個以下のスライダパッドを有するスライダ52を実装するために、接地用端子17aを含む11個以上12個以下の配線パッド17が形成される場合に、本発明によるサスペンション用基板1を適用することが有効である。すなわち、接地用端子17aを含む配線パッド17の個数が10個の場合、言い換えれば、接地用端子17aを除く配線パッド17の個数が9個である場合、サスペンション用基板1の同一面上に9個の配線層を引き回すことはできるが、接地用端子17aを除く10個以上11個以下の配線パッド17を形成する場合には、スペースの制約を受けるため、サスペンション用基板1の同一面上に10個以上11個以下の配線層を引き回すことは困難である。したがって、このように接地用端子17aを含めて11個以上12個以下の配線パッド17を設ける場合には、本発明によるサスペンション用基板1を適用することにより、各配線層を互いに絶縁距離を確保して引き回すことができる。
また、本実施の形態においては、図2および図4に示すように、配線層14および15が、位置制御素子用配線層からなり、接地用端子17aは、接地用貫通孔20aに設けられた導電部(図示せず)を介してバネ性材料層11の本体用バネ性材料層12に接続されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、配線層14が接地配線層からなり、他の配線層16を迂回するように構成しても良い。すなわち、図示しないが、配線層14のスライダ側部分14aに接地用端子17aが設けられ、この接地用端子17aが、貫通孔20に設けられた導電接続部21を介して配線用バネ性材料層13に接続されて、接地配線層からなる第1配線層14が、他の配線層16を迂回しても良い。この場合、サスペンション用基板1の同一面上に引き回すことが可能な配線層の個数は、上述したように9個であるため、接地配線層からなる配線層14を含めると配線層の個数は10個となり、接地用端子17aを含むと配線パッド17の個数は10個となる。このため、接地配線層を迂回させて、接地用端子17aを含めて10個以上12個以下の配線パッド17を設ける場合には、本発明によるサスペンション用基板1を適用することにより、各配線層を互いに絶縁距離を確保して引き回すことができる。
また、本実施の形態において、配線用バネ性材料層13の絶縁層10とは反対側の面(下面)に、配線用バネ性材料層13よりも高い導電性を有する導電層(図示せず)を形成しても良い。この導電層を、各配線層14、15、16および導電接続部21と同じ材料、例えば銅(Cu)を用いて形成することにより、配線層14のスライダ側部分14aと基部側部分14bとの間の導電性をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態においては、配線層14のスライダ側部分14aと配線用バネ性材料層13との間を接続する導電接続部21と、配線層14の基部側部分14bと配線用バネ性材料層13との間を接続する導電接続部21とが、いずれも実装領域2内に配置されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、後者、すなわち、配線層14の基部側部分14と配線用バネ性材料層13との間を接続する導電接続部21は、実装領域2よりも基部側に配置されていても良い。この場合においても、各配線パッド17から延びる各配線層14、15、16を互いに絶縁距離を確保しながら引き回すことができる。
第2の実施の形態
次に、図14乃至図23により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図14乃至図23に示す第2の実施の形態におけるサスペンション用基板において、配線用バネ性材料層の絶縁層側の面に導電層が設けられ、この導電層が導電接続部と配線用バネ性材料層との間に介在されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図13に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図14乃至図23において、図1乃至図13に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14および図15に示すサスペンション用基板1においては、配線用バネ性材料層13の絶縁層10側の面に、配線用バネ性材料層13よりも高い導電性を有する導電層71が設けられている。この導電層71は、2つの導電接続部21の間に延び、各導電接続部21と配線用バネ性材料層13との間に介在されている。また、配線用バネ性材料層13と導電層71との間には、後述する金属薄膜層72およびCuスパッタリング層73が介在され、配線用バネ性材料層13に対して導電層71を確実に付着させるように構成されている。このようにして、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bと導電層71とが導電接続部21を介してそれぞれ接続され、配線層14は、この導電層71により他の配線層16を迂回するように構成されている。なお、導電層71は、図14および図16に示すように、配線用バネ性材料層13の平面形状に類似した平面形状を有している。
導電層71の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、各配線層14、15、16および導電接続部21と同じ材料、例えば、銅(Cu)を用いることが好適である。ここで、導電層71の厚さは、例えば0.5〜5μm、とりわけ2〜4μmであることが好ましい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちサスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、代表例として、配線層14に関する図17乃至図23を用いて、図15に示す断面構成のサスペンション用基板1を製造する方法について述べるが、図示されていない配線層15についても、これと同様な方法により他の配線層16を迂回する構成のサスペンション用基板1を製造することができる。
まず、図17(a)に示すように、導電性を有するバネ性材料層11を準備する。次に、図17(b)に示すように、バネ性材料層11上に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、もしくはそれらの合金からなる金属薄膜層72、Cuスパッタリング層73が順次形成される。このCuスパッタリング層72上に、導電層71を形成するためのパターン状のレジスト74が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト75が形成される(図17(c)参照)。
次に、バネ性材料層11の上面において、パターン状のレジスト74の開口部に、電解銅めっき法により導電層71が形成される(図17(d)参照)。その後、これらのレジスト74、75が剥離されて(図17(e)参照)、金属薄膜層72およびCuスパッタリング層73のうち露出されている部分が除去される(図17(f)参照)。
次に、図18に示すように、絶縁層10が形成される。この場合、まず、図18(a)に示すように、バネ性材料層11の上方に、導電層71を覆うように絶縁層10が形成される。次に、絶縁層10の表面に、貫通孔20を形成するためのパターン状のレジスト31が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト32が形成される。
次に、パターン状のレジスト31の開口部から、有機アルカリ液などのエッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10の導電層71に対応する領域に2つの貫通孔20が形成される(図18(c)参照)。この場合、各貫通孔20において、導電層71の一部が露出している。その後、これらのレジスト31、32が剥離される(図18(d)参照)。
次に、図19に示すように、各配線層14、16および導電接続部21が形成される。この場合、まず、図19(a)に示すように、絶縁層10上、および導電層71の露出されている部分(貫通孔20に対応する部分)に、金属薄膜層23、Cuスパッタリング層24が順次形成される。このCuスパッタリング層24上に、導電接続部21および各配線層14、16を形成するためのパターン状のレジスト33が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト34が形成される(図19(b)参照)。
次に、パターン状のレジスト33の開口部に、電解銅めっき法により絶縁層10の各貫通孔20に導電接続部21が形成されるとともに、各配線層14、16が形成される(図19(c)参照)。この場合、配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bと導電接続部21が接続される。また、各導電接続部21は、金属薄膜層23およびCuスパッタリング層24を介して導電層71に接続される。その後、これらのレジスト33、34が剥離されて(図19(d)参照)、金属薄膜層23およびCuスパッタリング層24のうち露出されている部分が除去される(図19(e)参照)。
次に、図20に示すように、各配線層14、16にパターン状の保護層22が形成される。この場合、まず、絶縁層10の上方に全領域に亘って保護層22が形成される(図20(a)参照)。次に、保護層22上に、パターン状のレジスト35が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト36が形成される(図20(b)参照)。次に、パターン状のレジスト35の開口部から、エッチング液により保護層22がエッチングされる(図20(c)参照)。この場合、保護層22に、配線パッド17を形成するための孔22aが形成される。その後、これらのレジスト35、36が剥離される(図20(d)参照)。
次に、図21に示すように、絶縁層10がエッチングされる。この場合、まず、図21(a)に示すように、絶縁層10の上方にパターン状のレジスト37が形成されるとともに、バネ性材料層11の全面にレジスト38が形成される。次に、パターン状のレジスト37の開口部から、エッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10のうち露出されている部分が除去される(図21(b)参照)。その後、これらのレジスト37、38が剥離される(図21(c)参照)。
次に、図22に示すように、各配線層14、16のうち露出されている部分に、Niめっき層18およびAuめっき層19が順次形成される。このようにして、各配線層14、16に配線パッド17が形成される。
次に、図23に示すように、バネ性材料層11が、破断溝11aを介して本体用バネ性材料層12と配線用バネ性材料層13に分離される。この場合、まず、図23(a)に示すように、バネ性材料層11の上方の全領域に亘ってレジスト39が形成されるとともに、バネ性材料層11の下面に、パターン状のレジスト40が形成される。次に、パターン状のレジスト40の開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により、バネ性材料層11がエッチングされる。このようにして、破断溝11aが形成され、バネ性材料層11が本体用バネ性材料層12と上面に導電層71が形成された配線用バネ性材料層13とに分離される(図23(b)参照)。その後、レジスト39、40が剥離され、本実施の形態によるサスペンション用基板1の実装領域2の断面構成が得られる(図15および図23(c)参照)。
このように本実施の形態によれば、配線用バネ性材料層13の絶縁層10側の面に導電層71が形成され、配線層14と導電層71とが、絶縁層10の貫通孔20に形成された導電接続部21を介して接続され、この導電層71により他の配線層16を迂回することができる。このことにより、スペースが限られている実装領域2において、各配線パッド17から延びる各配線層14、15、16を互いに絶縁距離を確保しながら引き回すことができる。このため、サスペンション用基板1に形成される配線パッド17の個数を増加させて、12個のスライダパッドを有するスライダ52を実装することができ、磁気ディスク63と磁気ヘッドスライダ52の相対位置を高精度に制御することができる。また、この導電層71は、配線用バネ性材料層13よりも高い導電性を有しているため、配線層14のスライダ側部分14aと基部側部分14bとの間の導電性をより一層向上させることができる。
第3の実施の形態
次に、図24乃至図33により、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図24乃至図33に示す第3の実施の形態におけるサスペンション用基板において、一の第1配線層に第2絶縁層を介して第2配線層が積層され、当該一の第1配線層と第2配線層とが、第2絶縁層の貫通孔に形成された導電接続部を介して接続されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図13に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図24乃至図33において、図1乃至図13に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるサスペンション用基板1の実装領域2は、第1絶縁層10と、この第1絶縁層10の一方の面(下面)に設けられ、導電性を有するバネ性材料層11と、第1絶縁層10の他方の面(上面)に設けられた複数の第1配線層14、15、16とを有している。なお、これら第1絶縁層10、および第1配線層14、15、16は、図1乃至図13に示す第1の実施の形態における絶縁層10、および配線層14、15、16と同一部分に対応するため、このように同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図24乃至図26に示すように、第1配線層14に、第2絶縁層81を介して第2配線層82が積層されている。具体的には、第1絶縁層10上に、各第1配線層14、15、16を覆うように第2絶縁層81が形成され、この第2絶縁層81上に、第2配線層82が形成されている。このうち、第2絶縁層81に、配線パッド17を形成するための円形状の孔81aが設けられている。
図26(d)に示すように、第2絶縁層81に、円筒状の4つの貫通孔(ビア)83が設けられている。各貫通孔83は、第1配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14b並びに第1配線層15のスライダ側部分15aおよび基部側部分15bに対応する位置に配置されている。
図25に示すように、各貫通孔83には、導電性を有する導電接続部84が形成され、第1配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bが、後述する金属薄膜層86およびCuスパッタリング層87を介して導電接続部84に接続されている。このようにして、第1配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14bが導電接続部84を介して接続され、第1配線層14は、この第2配線層82により他の第1配線層16を迂回するように構成されている。ここで、図25においては、明瞭化のために、第1配線層14の断面構成例を示しているが、第1配線層15についても、同様の断面構成とすることができる。
また、図25に示すように、本実施の形態におけるバネ性材料層11は、破断溝11aを介して、4つのバネ性材料部分11bに区画されている。
第2絶縁層81上には、第2配線層82を覆う保護層85が設けられ、第2配線層82が劣化することを防止している。この保護層85に、配線パッド17を形成するための円形状の孔85aが設けられている。
第2配線層82および各導電接続部84と第2絶縁層81との間に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、もしくはそれらの合金からなる金属薄膜層86と、銅(Cu)からなるCuスパッタリング層87が介在されている。すなわち、第2絶縁層81側に金属薄膜層86が形成され、この金属薄膜層86上にCuスパッタリング層87が形成されている。このようにして、第2絶縁層81に対して、第2配線層82および各導電接続部84を確実に付着させるように構成されている。
第2絶縁層81の材料としては、第1絶縁層10と同様の材料を用いることが好適である。また、第2配線層82および各導電接続部84の材料としては、各第1配線層14、15、16と同様の材料を用いることが好適である。さらに、保護層85の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、保護層85の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちサスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、代表例として、第1配線層14に関する図27乃至図33を用いて、図25に示す断面構成のサスペンション用基板1を製造する方法について述べるが、図示されていない第1配線層15についても、これと同様な方法により他の第1配線層16を迂回する構成のサスペンション用基板1を製造することができる。
まず、図27(a)に示すように、第1絶縁層10と、この第1絶縁層10の下面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層11と、第1絶縁層10の上面に設けられた配線材料層88とを有する積層体89を準備する。この積層体89においては、バネ性材料層11および配線材料層88はめっきにより形成されていても良く、あるいは第1絶縁層10とバネ性材料層11および配線材料層88とが互いに接着されていても良い。
次に、図27(b)に示すように、積層体89の両面にレジスト90、91が形成される。すなわち、配線材料層88の表面に、第1配線層14、16を形成するためのパターン状のレジスト90が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト91が形成される。
次に、パターン状のレジスト90の開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により、配線材料層88がエッチングされて、各第1配線層14、16が形成され(図27(c)参照)、その後、これらのレジスト90、91が剥離される(図27(d)参照)。
次に、図28に示すように、第2絶縁層81が形成される。この場合、まず、図28(a)に示すように、第1絶縁層10の上方に、各第1配線層14、16を覆うように第2絶縁層81が形成される。次に、第2絶縁層81の表面に、配線パッド17のための孔81aおよび貫通孔83を形成するためのパターン状のレジスト92が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト93が形成される。
次に、パターン状のレジスト92の開口部から、有機アルカリ液などのエッチング液により第2絶縁層81がエッチングされて、第2絶縁層81に孔81aが形成されるとともに、貫通孔83が形成される(図28(c)参照)。この場合、各孔81aおよび各貫通孔83において、各第1配線層14、16の一部が露出している。その後、これらのレジスト92、93が剥離される(図28(d)参照)。
次に、図29に示すように、第2配線層82および導電接続部84が形成される。この場合、まず、図29(a)に示すように、第2絶縁層81上、および各第1配線層14、16の露出されている部分に、金属薄膜層86、Cuスパッタリング層87が順次形成される。このCuスパッタリング層87上に、導電接続部84および第2配線層82を形成するためのパターン状のレジスト94が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト95が形成される(図29(b)参照)。
次に、パターン状のレジスト94の開口部に、電解銅めっき法により第2絶縁層81の各貫通孔83に導電接続部84が形成されるとともに、第2配線層82が形成される(図29(c)参照)。この場合、第2配線層82は導電接続部84に接続される。また、各導電接続部84は、金属薄膜層86およびCuスパッタリング層87を介して第1配線層14のスライダ側部分14aおよび基部側部分14にそれぞれ接続される。その後、これらのレジスト94、95が剥離されて(図29(d)参照)、金属薄膜層86およびCuスパッタリング層87のうち露出されている部分が除去される(図29(e)参照)。
次に、図30に示すように、第2配線層82にパターン状の保護層85が形成される。この場合、まず、第1絶縁層10の上方の全領域に亘って保護層85が形成される(図30(a)参照)。次に、保護層85上に、パターン状のレジスト96が形成され、バネ性材料層11の全面にレジスト97が形成される(図30(b)参照)。次に、パターン状のレジスト96の開口部から、エッチング液により保護層85がエッチングされる(図30(c)参照)。この場合、保護層85に、配線パッド17を形成するための孔85aが形成され、各孔81aにおいて、第1配線層14、16の一部が露出する。その後、これらのレジスト96、97が剥離される(図30(d)参照)。
次に、図31に示すように、第1絶縁層10がエッチングされる。この場合、まず、図31(a)に示すように、第1絶縁層10の上方にパターン状のレジスト98が形成されるとともに、バネ性材料層11の全面にレジスト99が形成される。次に、パターン状のレジスト98の開口部から、エッチング液により第1絶縁層10がエッチングされて、第1絶縁層10のうち露出されている部分が除去される(図31(b)参照)。その後、これらのレジスト98、99が剥離される(図31(c)参照)。
次に、図32に示すように、各第1配線層14、16のうち露出されている部分に、Niめっき層18およびAuめっき層19が順次形成される。このようにして、各第1配線層14、16に配線パッド17が形成される。
次に、図33に示すように、バネ性材料層11が、破断溝11aを介して4つのバネ性材料部分11bに分離される。この場合、まず、図33(a)に示すように、バネ性材料層11の上方の全領域に亘ってレジスト100が形成されるとともに、バネ性材料層11の下面に、パターン状のレジスト101が形成される。次に、パターン状のレジスト101の開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により、バネ性材料層11がエッチングされる。このようにして、破断溝11aが形成され、バネ性材料層11が4つのバネ性材料部分11bに分離される(図33(b)参照)。その後、レジスト100、101が剥離され、本実施の形態によるサスペンション用基板1の実装領域2の断面構成が得られる(図25および図33(c)参照)。
このように本実施の形態によれば、第1配線層14と第2配線層82とが、第2絶縁層81の貫通孔83に形成された導電接続部84を介して接続され、第1配線層14は、この第2配線層82により他の第1配線層16を迂回することができる。このことにより、スペースが限られている実装領域2において、各配線パッド17から延びる各第1配線層14、15、16を互いに絶縁距離を確保しながら引き回すことができる。このため、サスペンション用基板1に形成される配線パッド17の個数を増加させて、12個のスライダパッドを有するスライダ52を実装することができ、磁気ディスク63と磁気ヘッドスライダ52の相対位置を高精度に制御することができる。また、この第2配線層82は、各第1配線層14、15、16と同様の材料から形成されているため、第1配線層14のスライダ側部分14aと基部側部分14bとの間の導電性をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板およびサスペンション用基板の製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、図1乃至図13に示した第1の実施の形態における配線用バネ性材料層13による迂回ルートと、図24乃至図33に示した第3の実施の形態における第2配線層82による迂回ルートとを組み合わせることも可能である。さらに、図14乃至23に示した第2の実施の形態における導電層71による迂回ルートと、第2配線層82による迂回ルートとを組み合わせることも可能である。
1 サスペンション用基板
2 実装領域
3 外部接続基板接続部
10 絶縁層、第1絶縁層
11 バネ性材料層
11a 破断溝
11b バネ性材料部分
12 本体用バネ性材料層
13 配線用バネ性材料層
14 配線層、第1配線層
14a スライダ側部分
14b 基部側部分
15 配線層、第1配線層
15a スライダ側部分
15b 基部側部分
16 他の配線層、他の第1配線層
17 配線パッド
17a 接地用端子
18 Niめっき層
19 Auめっき層
20 貫通孔
20a 接地用貫通孔
21 導電接続部
22 保護層
22a 孔
23 金属薄膜層
24 Cuスパッタリング層
30 積層体
31〜40 レジスト
41 サスペンション
42 ロードビーム
51 ヘッド付サスペンション
52 スライダ
61 ハードディスクドライブ
62 ケース
63 ディスク
64 スピンドルモータ
65 ボイスコイルモータ
66 アーム
71 導電層
72 金属薄膜層
73 Cuスパッタリング層
74、75 レジスト
81 第2絶縁層
81a 孔
82 第2配線層
83 貫通孔
84 導電接続部
85 保護層
85a 孔
86 金属薄膜層
87 Cuスパッタリング層
88 配線材料層
89 積層体
90〜101 レジスト

Claims (16)

  1. 裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板において、
    実装領域は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられた複数の配線層とを有し、
    各配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドが設けられ、
    絶縁層に貫通孔が形成され、この貫通孔に導電性を有する導電接続部が設けられ、
    バネ性材料層は、本体用バネ性材料層部分と、この本体用バネ性材料層部分から破断溝を介して区画された配線用バネ性材料層部分とからなり、
    一の配線層と配線用バネ性材料層部分とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、配線用バネ性材料層部分により他の配線層を迂回していることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 配線用バネ性材料層部分の一方の面に、配線用バネ性材料層部分よりも高い導電性を有する導電層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 導電層は、配線用バネ性材料層部分の絶縁層側の面に設けられ、
    導電層は、導電接続部と配線用バネ性材料層部分との間に介在されていることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 配線用バネ性材料層部分は、他の配線層の配線パッドに対応する位置とは異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  5. 本体用バネ性材料層部分は、他の配線層の配線パッドに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  6. 当該一の配線層は、磁気ディスクとスライダの相対位置を制御する位置制御素子用配線層からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  7. 裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板において、
    実装領域は、第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、第1絶縁層の他方の面に設けられた複数の第1配線層とを有し、
    各第1配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドが設けられ、
    一の第1配線層に第2絶縁層を介して第2配線層が積層され、
    この第2絶縁層に貫通孔が形成され、この貫通孔に導電性を有する導電接続部が設けられ、
    当該一の第1配線層と第2配線層とが導電接続部を介して接続され、当該一の第1配線層は、この第2配線層により他の第1配線層を迂回していることを特徴とするサスペンション用基板。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載のサスペンション用基板を有することを特徴とするサスペンション。
  9. 請求項記載のサスペンションと、このサスペンションに実装されたスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
  10. 請求項に記載のヘッド付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブ。
  11. 裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、
    絶縁層と、この絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層とを有する積層体を準備する工程と、
    絶縁層に貫通孔を形成する工程と、
    この貫通孔に導電性を有する導電接続部を形成する工程と、
    絶縁層の他方の面に、複数の配線層を形成し、一の配線層を導電接続部に接続させる工程と、
    各配線層に、スライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、
    バネ性材料層に破断溝を形成して、バネ性材料層を、本体用バネ性材料層部分と、この本体用バネ性材料層部分から破断溝を介して区画され、導電接続部に接続される配線用バネ性材料層部分とに分離する工程と、を備え、
    当該一の配線層と配線用バネ性材料層部分とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、この配線用バネ性材料層部分により他の配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  12. 配線用バネ性材料層部分の絶縁層とは反対側の面に、配線用バネ性材料層部分よりも高い導電性を有する導電層を形成する工程を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載のサスペンション用基板の製造方法。
  13. 裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、
    導電性を有するバネ性材料層を準備する工程と、
    バネ性材料層の一方の面に、配線用バネ性材料層部分よりも高い導電性を有する導電層を形成する工程と、
    バネ性材料層の導電層側の面に、導電層を覆うように絶縁層を形成する工程と、
    この絶縁層の導電層に対応する領域に、貫通孔を形成する工程と、
    この貫通孔に導電性を有する導電接続部を形成する工程と、
    絶縁層に、複数の配線層を形成し、一の配線層を導電接続部に接続させる工程と、
    各配線層に、スライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、
    バネ性材料層に破断溝を形成して、バネ性材料層を、本体用バネ性材料層部分と、この本体用バネ性材料層部分から破断溝を介して区画され、導電層が形成された配線用バネ性材料層部分とに分離する工程と、を備え、
    当該一の配線層と導電層とが導電接続部を介して接続され、当該一の配線層は、この導電層により他の配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  14. バネ性材料層に破断溝を形成する際、配線用バネ性材料層部分が他の配線層の配線パッドに対応する位置とは異なる位置に配置されるように破断溝が形成されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のサスペンション用基板の製造方法。
  15. バネ性材料層に破断溝を形成する際、本体用バネ性材料層部分が他の配線層の配線パッドに対応する位置に配置されるように破断溝が形成されることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載のサスペンション用基板の製造方法。
  16. 裏面にスライダパッドが設けられたスライダを実装する実装領域を有するサスペンション用基板の製造方法において、
    第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層と、第1絶縁層の他方の面に設けられた複数の第1配線層とを有する積層体を準備する工程と、
    第1絶縁層の第1配線層側の面に、一の第1配線層を覆うように第2絶縁層を形成する工程と、
    この第2絶縁層の当該一の第1配線層に対応する領域に、貫通孔を形成する工程と、
    この貫通孔に、導電性を有する導電接続部を形成する工程と、
    第2絶縁層に、この導電接続部に接続される第2配線層を形成する工程と、
    各第1配線層に、スライダのスライダパッドに導通される配線パッドを形成する工程と、を備え、
    当該一の第1配線層と第2配線層とが導電接続部を介して接続され、当該一の第1配線層は、この第2配線層により他の第1配線層を迂回することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
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