JP5599759B2 - 始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の始動制御装置に関し、特に、盗難防止技術に関するものである。
従来、車両の盗難を防止するための装置として、従来、いわゆるキーレスエントリ装置と呼ばれるものや、イモビライザ装置と呼ばれるものが知られている。
前者のキーレスエントリ装置は、利用者が携帯する携帯機と車載器との間で信号のやりとりを行って、携帯機から送られた信号に含まれる識別コードを、あらかじめ登録された車載器側の固有の識別コードと照合し、両者が一致した場合にドアロック装置の施錠および開錠を行う装置である。
したがって、利用者は、キーをドアロック装置のキーシリンダに差し込んで回動させなくても、ドアロック装置の施錠および開錠を行うことができるため使い勝手に優れ、かつ、識別コードの照合を行うため、盗難防止性能にも優れている。
また、後者のイモビライザ装置は、ステアリング近傍に設けられたキーシリンダにキーを挿入し回動すると、キーシリンダ周辺に設けられたコイルとキーに設けたイモビコイルとが電磁的に結合されて、上記の識別コードと同様の車両ごとに設定された信号の照合であるイモビライザ照合が行われ、照合が成立した場合にエンジンが始動されるものが知られている。
したがって、メカニカルキーの形だけをコピーした不正なキーを使用した場合、ドアロック装置を解除したり、始動用のキーシリンダを回転させたりすることはできても、イモビライザ照合が成立しないことから、エンジンを始動させることができず、盗難防止性能に優れる。
さらに、上述のキーレスエントリ装置の機能とイモビライザ機能との両方の機能との両方を設け、盗難防止性能を高めた装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−86130号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、盗難防止性能には優れるものの、キーレスエントリ装置の機能とイモビライザ機能とを、それぞれ独立して有するため、構成部品が多くコストアップを招く。
しかも、イモビライザ機能としては、キーを差し込んで回動させて始動スイッチが投入された際に、瞬時にイモビライザ照合を行う必要があるため、その照合に高速の信号処理が必要であり、高性能の信号処理機能が必要であり、コストアップを招く。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、安価にキーレスエントリ機能とイモビライザ機能とを有した始動制御装置を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するために本発明は、車両の受信部と携帯機とで通信を行い、前記携帯機からの信号に含まれる識別コードの照合を行って照合が成立すればドアロック装置の施錠および開錠を指令するコントロールユニットと、前記車両に設けられ、キーを差し込んで回転させて投入されて前記車両の動力源を始動させる始動スイッチを備えたキーシリンダと、前記キーシリンダに差込状態のキーが回転されたことを検出するキー回転検出部と、ドアロック装置開錠時の前記コントロールユニットの前記照合成立により第1始動許可フラグをセットし、前記キー回転検出部の回転検出により第3始動許可フラグをセットし、前記始動スイッチの投入時に、前記第1、第3始動許可フラグがセットされている場合に始動を許可し、前記第1、第3始動許可フラグがセットされていない場合には始動を許可しない始動許可判定部と、を備えていることを特徴とする始動制御装置とした。
本発明の始動制御装置では、ドアロック装置を施錠した駐車状態から動力源を始動させる場合は、まず、携帯機により開錠を指令してドアロック装置の開錠を行って乗車し、キーをキーシリンダに差し込んで回転させて始動スイッチを投入する。
上述の操作時に、始動許可判定部では、携帯機からの信号による識別コードの照合が成立すれば第1始動許可フラグがセットされる。
さらに、始動許可判定部にあっては、キー回転検出部がキーの回転を検出した際には、始動許可判定部にて第3始動許可フラグがセットされる。
よって、始動スイッチの投入時には、始動許可判定部が、第1始動許可フラグ、第3始動許可フラグがセットされているか否か判定し、セットされている場合に始動を許可する。
一方、不正な携帯機を使用した場合や、正規の携帯機を使用せずにドアロック装置の開錠を行った場合には、第1始動許可フラグがセットされない。さらに、正規の携帯機を使用した場合であっても、キーを使用せずに不正に始動スイッチを投入した場合は、第3始動許可フラグがセットされない。
このように、不正にドアロック装置の開錠や始動スイッチの投入を行った場合は、いずれかの始動許可フラグがセットされないことから、始動許可が得られない。
以上のように、本発明では、キーレスエントリ機能を有する車両において、始動時に、イモビライザ機能と同様の機能を得ることができ、安価に高い盗難防止性能を得ることが可能である。
本発明の実施の形態の実施例の始動制御装置を示す回路図である。 実施例の始動制御装置の始動許可判定処理の流れを示すフローチャートである。
以下に、図1および図2に基づいて、この発明の実施の形態の実施例の始動制御装置について説明する。
実施例の始動制御装置は、図1に示すドアロックアクチュエータ10aの駆動とスタータモータ20の駆動とを制御する。
ドアロックアクチュエータ10aは、ドアロック装置10を施錠状態と開錠状態とに切り換えるアクチュエータであり、コントロールユニット30のドアロック出力制御部33からの指令信号の出力に応じて駆動する。
また、図示を省略したドアには、ドアロック装置10の一部を構成するドアキーシリンダ(図示省略)が設けられており、その近傍にドアスイッチ11が設けられている。
スタータモータ20は、図示を省略した動力源としてのエンジンの始動を行うモータであり、コントロールユニット(始動許可判定部)30のエンジン出力制御部34からの指令信号の出力に応じて駆動する。なお、図1ではエンジン出力制御部34は、1つのコントロールユニット30内に記載しているが、実際の車載状態では、ドアロック装置10の制御系と、エンジン出力制御部34の制御を行う制御系とは、独立した制御系となっており、両制御系間で信号のやりとりを行うようになっている。
コントロールユニット30は、前述の各出力制御部33,34における出力を制御するもので、キーレス受信部(車両の受信部)31、キー検出スイッチ40、キー回転検出スイッチ(キー回転検出部)50、イグニッションスイッチ(始動スイッチ)71およびドアスイッチ11からの入力に基づいて処理を行う制御部32を備えている。
キーレス受信部31は、従来のキーレスエントリ装置の車載器の一部を構成する部分であり、携帯機60から出力される指令信号を受信する。
なお、携帯機60は、運転者などの車両使用者が携帯して使用するもので、ロックスイッチ61およびアンロックスイッチ62を有し、各スイッチ61,62を押圧操作した際に、各スイッチ61,62に応じた信号、すなわちキーレス施錠信号およびキーレス開錠信号を送信する。キーレス受信部31は、これらキーレス施錠信号およびキーレス開錠信号を受信し、制御部32では、受信した各信号に含まれる識別コード(ID)を読み取り、この識別コードがあらかじめ登録された車載器側の識別コードと一致した場合に、照合成立としてドアロック出力制御部33へ、ドアロックアクチュエータ10aを施錠駆動あるいは開錠駆動させるための出力を行う。
キー検出スイッチ40は、車両の図示を省略したステアリングの近傍に配置されたキーシリンダ70に設けられ、キーシリンダ70にキー80が差し込まれた際に、このキー80の差し込みを検出してその検出信号を出力する既存のスイッチである。なお、キーシリンダ70は、図示を省略したステアリングコラムの近傍に設けられ、周知のようにキー80を差し込んで回転させることにより投入されるイグニッションスイッチ71を含む複数のスイッチを備えている。
キー回転検出スイッチ50は、キーシリンダ70に差し込まれたキー80の形状が合致し、キー80を回転操作した際に、このキー80およびキーシリンダ70内の回転部分が回転するのを検出して信号を出力するスイッチであり、回転を電気信号に変換する図示を省略したコイルを備えている。
なお、図1では携帯機60とキー80をそれぞれ独立して表示しているが、両者60,80を一体に設けることもできる。
次に、制御部32で行われる始動許可判定処理を図2のフローチャートに基づいて説明する。
この始動許可判定処理は、車両を駐車してドアロック装置10を施錠した時点から開始されるもので、初期設定では、第1〜第3始動許可フラグはOFFに設定されている。
最初のステップS1では、携帯機60からキーレス開錠信号の入力があったか否か判定し、その入力があった場合、ステップS2以降の処理を実行し、その入力が無い場合には、後述するステップS27に進む。
携帯機60からキーレス開錠信号の入力があった場合に進むステップS2では、キーレス開錠信号の識別コードを照合し、識別コードが一致した場合ステップS3に進み、不一致の場合は、1回の始動許可判定処理を終了し、次の処理タイミングでステップS1からの処理を繰り返す。
キーレス開錠信号の識別コードが一致した場合に進むステップS3では、ドアロック出力制御部33からドアロックアクチュエータ10aに向けて開錠を指令する信号を出力するとともに、第1始動許可フラグをONにセットした後、ステップS4に進む。
ドアロック装置10の開錠を指令した後に進むステップS4では、キーシリンダ70に設けられたキー検出スイッチ40がOFFからONに切り換わったか否か、すなわちキーシリンダ70へのキー80の差し込みを検出したか否か判定し、キー差込検出時はステップS5に進み、キー差込非検出時は、ステップS18に進む。
キー検出時に進むステップS5では、第2始動許可フラグをONにセットした後、ステップS6に進む。
そして、ステップS6では、キー回転検出スイッチ50がOFFからONへ切り換わったか否か、すなわち、キー80およびキーシリンダ70の回転部分の回転(以下、この回転を単にキー80の回転と称する)を検出したか否か判定し、回転検出時はステップS7に進み、非回転検出時はステップS21に進む。
キー80の回転検出時に進むステップS7では、第3始動許可フラグをONにセットした後、ステップS8に進む。
以上説明したステップS1〜S7は、正規の携帯機60およびキー80を用いてドアロック装置10の開錠およびキー80の差し込みおよび回転が成されたか否かを判定するものである。そして、この一連の操作が正規の携帯機60およびキー80を用いて成された場合に、第1〜第3の全ての始動許可フラグがONにセットされる。
上述のように正規の携帯機60およびキー80を用いてドアロック装置10の開錠およびキー80の差し込みおよび回転が成された場合に進むステップS8では、イグニッションスイッチ71がOFFからONに切り換わったか否か判定し、このONへの切り換わり時はステップS9へ進み、OFFのままであればステップS12に進む。
イグニッションスイッチ71がONとなった場合に進むステップS9では、第1〜第3始動許可フラグが全てONであるか否か判定し、全てONである場合はステップS10に進み、いずれかの始動許可フラグがOFFである場合はステップS11に進む。
そして、全ての始動許可フラグがONの場合に進むステップS10では、エンジン始動を許可し、一方、いずれかの始動許可フラグがOFFの場合に進むステップS11では、エンジン始動不許可とする。なお、エンジン始動許可の場合は、例えば、エンジン出力制御部34の制御を行う制御系に許可信号が出力され、エンジン出力制御部34からスタータモータ20を駆動させる出力が実行される。一方、エンジン始動不許可の場合は、エンジン出力制御部34の制御系への許可信号が出力されず、スタータモータ20は駆動されない。
また、ステップS8においてイグニッションスイッチ71がOFFからONに切り換わらない場合に進むステップS12では、キー回転検出スイッチ50がONであるか否か(キー80が回転されているか否か)判定し、キー回転検出スイッチ50がONでキー80の回転中はステップS8に戻り、キー回転検出スイッチ50がOFFでキー80が回転されていない場合はステップS13に進む。そして、ステップS13では、キー80の回転に基づいてONとしていた第3始動許可フラグをOFFにリセットした後、ステップS14に進む。
さらに、ステップS14では、キー検出スイッチ40がON、すなわちキー80のキーシリンダ70への差し込みを検出しているか否か判定し、キー差込検出時はステップS6に進み、非キー差込検出時はステップS15に進む。
この非キー差込検出時に進むステップS15では、第2始動許可フラグをOFFにリセットした後、ステップS16に進む。
そして、ステップS16では、キーレス受信部31がキーレス施錠信号を受信したか否か判定し、キーレス施錠信号を受信した場合はステップS17に進んで第1エンジン始動フラグをOFFにリセットし、キーレス施錠信号を受信しない場合はステップS4に戻る。
すなわち、ステップS12〜S17の処理は、キー80をキーシリンダ70に差し込んだ後、イグニッションスイッチ71が投入されなかった場合の処理である。キー80の回転が途中で停止された場合は、第3始動許可フラグをOFFにリセットしてステップS6に戻り、キー80の差し込みも無くなった場合は、第2,第3始動許可フラグをOFFにリセットしてステップS4に戻り、ドアロック装置10の施錠が成されて駐車状態に戻った場合は、第1〜第3始動許可フラグを全てOFFにリセットしてステップS1からの処理を行う。
次に、ドアロック装置10の開錠後、ステップS4においてキー検出スイッチ40がキー80の差し込みを検出しない場合に進むステップS18では、キー回転検出スイッチ50がOFFからONへ切り換わったか否か、すなわちキー80の回転を検出したか否か判定し、この回転を検出した場合はステップS19に進み、この回転を検出しない場合はステップS20に進む。
さらに、キー80の回転非検出時に進むステップS20では、キーレス受信部31がキーレス施錠信号を受信したか否か、すなわち、再び運転者が施錠を行って駐車状態に戻ったか判定し、キーレス施錠信号を受信した場合はステップS19に進み、キーレス施錠信号を受信しない場合はステップS4に進む。
そして、キー80の差し込みが無いのにキー80の回転を検出した場合、すなわち不正なキー回転を検出した場合、および施錠して駐車状態に戻った場合に進むステップS19では、第1始動許可フラグをOFFにリセットする。
また、キー80の差し込み検出後に、ステップS6においてキー回転検出スイッチ50がキー80の回転を検出しない場合に進むステップS21では、イグニッションスイッチ71がOFFからONに切り換わったか否か判定し、ONに切り換わった場合は不正なスイッチ操作であるとしてステップS22に進んで、エンジン始動不許可とし、イグニッションスイッチ71がOFFの場合は、さらなる操作を待つためにステップS23に進む。
このステップS23では、キー検出スイッチ40がONであるか否か、すなわちキー80の差し込みを検出しているか否か判定し、差込検出の場合はキー回転検出を待つためにステップS6に進み、非差込検出の場合は始動操作が中止されたとしてステップS24に進む。
そして、非差込検出(始動操作の中止)の場合に進むステップS24では、キーレス受信部31が携帯機60からのキーレス施錠信号を受信したか否か判定し、キーレス施錠信号を受信した場合は駐車状態に戻ったとしてステップS25に進んで第1始動許可フラグおよび第2始動許可フラグをOFFにリセットする。一方、ステップS24においてキーレス施錠信号を受信しない場合は、ステップS26に進んでキー80の非検出に応じて第2始動許可フラグをOFFにリセットした後、再びキー80の差し込みを待つべくステップS4に進む。
また、最初に説明したステップS1においてキーレス開錠信号の入力が無い場合に進むステップS27では、手動コード入力があるか否か判定し、手動コード入力があった場合は、ステップS2に進み、手動コード入力がない場合は、1回の始動許可判定処理を終了し、次の処理タイミングでステップS1からの処理を繰り返す。
ここで、手動コード入力とは、携帯機60に搭載されている図示を省略した電池が切れてキーレス開錠信号の出力が行えなくなった場合に、ドアスイッチ11を操作して、キーレス開錠信号に代わる識別コードを手作業入力する操作である。この手動コード入力が成された場合には、ドアロック装置10が開錠される。
この手動コード入力の手順を説明すると、手動コードは、複数桁(例えば、5桁)の0〜9の数字で表される。各桁の数字の入力は、設定時間内(例えば、2秒)に、その数字に応じた回数だけ、ドアスイッチ11をON操作することで入力される。
本実施例では、最初にドアスイッチ11が押された時点で、この手動コードの入力の受付が始まり、この受付開始時点を、電子音や音声で報せる。
さらに、受付を開始したら、前述の設定時間内に、1桁目の数字に応じた回数だけ、ドアスイッチ11をON操作する。その後、1桁目の受付を終了した時点で、その受付終了を電子音あるいは音声で報せる。この動作を各桁について、5桁まで入力する。
そして、ステップS2において、手動で入力された5桁の数字と、あらかじめ記憶された手動用コードとが一致したら、識別コード照合OKと判定する。
なお、この手動用コードは、あらかじめ運転者が憶えやすい数字を設定して記憶させておくものとする。
次に、実施例の作用を説明するべく、ドアロック装置10を施錠した駐車状態からエンジン(図示省略)を始動するまでの操作例を場合分けして説明する。
(正規の携帯機およびキーを用いてエンジン始動を行う場合)
運転者が、正規の携帯機60およびキー80を用いてエンジン始動を行う場合、まず、携帯機60によりアンロックスイッチ62をON操作する。
これにより携帯機60からキーレス開錠信号が出力され、これがキーレス受信部31にて受信される。この受信に応じ、コントロールユニット30の制御部32では、図2のフローチャートにおいてステップS1→S2→S3の順で処理され、ドアロック出力制御部33からドアロックアクチュエータ10aに向けてロック解除指令が出力されて開錠されるとともに、第1始動許可フラグがONにセットされる。
次に、運転者は、ドア(図示省略)を開けて乗車し、さらに、キー80をキーシリンダ70に差し込んだ後、イグニッションスイッチ71をONとする位置まで回動させる。
この場合、コントロールユニット30の制御部32では、図2のフローチャートにおいて、ステップS4でYES判定されてステップS5にて第2始動許可フラグがONにセットされ、さらに、ステップS6にてYES判定されてステップS7にて第3始動許可フラグがセットされる。
したがって、イグニッションスイッチ71がONとなった時点で第1〜第3始動許可フラグが全てONにセットされていることから、ステップS9→S10の処理によりエンジン始動許可と判定される。よって、エンジン出力制御部34からスタータモータ20を駆動させる出力が行われてエンジン(図示省略)が始動される。
この場合、イグニッションスイッチ71がONとなってから実行する処理は、第1〜第3エンジン始動フラグが全てONにセットされているか否かの判定のみであるため、処理速度の遅い安価な構成によりこの判定を行っても、運転者に違和感を与えない処理速度でエンジン(図示省略)の始動が可能である。
(正規の携帯機により開錠して乗車後、キーによる始動操作が実行されない場合)
正規の携帯機60により開錠して乗車後、キー80による始動操作が実行されない場合は、まず、正規の携帯機60からキーレス開錠信号が出力されることにより、ステップS1〜S3の処理に基づいて、第1始動許可フラグがONにセットされる。
その後、キー80のキーシリンダ70への差し込みが無い場合には、ステップS4→S18の順でNO判定され、運転者が下車して携帯機60によりキーレス施錠信号を出力して駐車状態に戻った場合は、第1始動許可フラグをOFFにリセットした後、最初のS1からの処理が実行される。
一方、携帯機60による施錠が成されない場合、下車が確認されないことから、ステップS4の処理に戻り、キー操作が実行されるのを待つ。
また、キー80をキーシリンダ70に差し込んだ後、キー80の回転を行わずに始動を中止した場合は、ステップS1〜S5の処理が実行されて第1始動許可フラグおよび第2始動許可フラグがONにセットされるが、その後、キーシリンダ70の回転が生じないことから、ステップS6→S21→S23の順で処理が行われる。そして、その状態でキー80をキーシリンダ70に差し込んだままであれば、ステップS6に戻り、キー80の回転を待つ。さらに、キー80がキーシリンダ70から抜き取られた場合は、携帯機60からのキーレス施錠信号の有無により、キーレス施錠信号が無い場合は、第2始動許可フラグのみをOFFにリセットしてステップS4に戻り、再びキー80が差し込まれるのを待つ。一方、キーレス施錠信号の受信があって再び駐車状態となったと判定した場合は、ステップS24→S25の処理により、第1始動許可フラグおよび第2始動許可フラグをOFFにリセットし、ステップS1の判定を繰り返す。
(正規の携帯機を用いずに不正に乗車し、不正に取得したキーを使用して始動を行う場合)
正規の携帯機60を用いずに不正に乗車し、不正に取得したキー80を使用して始動を行う場合は、ステップS1およびS2におけるNO判定により第1始動許可フラグがOFFのまま、イグニッションスイッチ71がONに切り換えられることになる。この場合、各始動許可フラグは、ONにセットされることがないため、エンジン始動許可と判定されることはなく、エンジン(図示省略)を始動させることができない。
(正規の携帯機を不正に使用して乗車し、キーを使用せずに不正にイグニッションスイッチをONさせた場合)
正規の携帯機60を不正に使用して乗車し、キー80を使用せずに不正にイグニッションスイッチをONさせた場合は、正規の携帯機60の使用に応じ、ステップS1,S2においてYES判定されて、第1始動許可フラグがONにセットされる。
しかしながら、キー80を使用せずにイグニッションスイッチ71をONさせた場合には、キー検出スイッチ40がキー80の差し込みを検出しないことから、第2始動許可フラグがOFFのリセット状態のままとなっている。
したがって、イグニッションスイッチ71を何らかの手段を用いてONとしても、第2始動許可フラグがOFFのままであり、エンジン始動許可と判定されることはない。
以上のように、本実施例の始動制御装は、以下に列挙する効果を奏する。
a)正規の携帯機60により開錠指令が行われた場合に第1始動許可フラグをONにセットし、さらに、キー80がキーシリンダ70に差し込まれた際に、第2始動許可フラグをONにセットし、キー80が回転された際に、第3始動許可フラグをONにセットするようにした。そして、イグニッションスイッチ71がONとなったときに、第1〜第3の全ての始動許可フラグがONにセットされている場合に、エンジン(図示省略)の始動を許可するようにした。
これにより、不正に乗車してエンジン(図示省略)の始動を行おうとしても、エンジン始動許可が得られないとともに、キー80を用いずにイグニッションスイッチ71をONとしても、エンジン始動許可が得られない。
このように、本発明では、識別コードを照合するキーレスエントリ機能を有する車両において、エンジン始動時に、イモビライザ機能と同様の機能を得ることができ、キーレスエントリ機能のみの場合よりも高い盗難防止性能を得ることができる。
したがって、キーレスエントリ機能に加えイモビライザ機能と同様の機能を得ることができながら、従来のような電磁結合によるイモビライザ照合が不要であるため、構成の簡略化を図ってコストダウンが可能である。しかも、イグニッションスイッチ71がONとなった後の照合処理は、第1〜第3始動許可フラグが全てONであるか否かの判断でよいため、照合処理が容易であり、これによってもコストダウンを図ることが可能である。
b)携帯機60による開錠操作後、キー80の差し込みが無かった場合、キー80の差し込みがあっても、キー80の回転が無かった場合、開錠操作後に携帯機60によるキーレス施錠信号の入力があった場合には、第1〜第3始動許可フラグをOFFにリセットするようにした。
また、携帯機60による開錠後、キー80の回転まで検出しても、イグニッションスイッチ71の投入が成されない場合、キー検出スイッチ40およびキー回転検出スイッチ50の検出状態に応じて、次の操作が実行されるのを待つようにした。
したがって、エンジン始動操作が途中で中断された場合でも、制御に不具合が生じることはない。
c)携帯機60の電池切れ時には、ドアスイッチ11を操作して手動コードを入力して開錠可能としたため、使い勝手に優れる。しかも、この手動コード入力時にも、始動許可判定を行うことを可能としたため、携帯機60の電池切れ時にも、メカニカルのキー80を使用してエンジン始動可能であり、これによっても使い勝手に優れる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例を詳述してきた。
本実施例においては、キー検出スイッチ40にて、キーシリンダ70にキー80の差し込みを検出する例を説明したが、当該構成は必須ではなく、キー回転検出スイッチ50によりキー80が回転操作されたことを検出することで、本発明の要旨を達成することができる。
さらに、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、車両の動力源としてエンジンを示したが、動力源としてはエンジンに限らず、モータなどの他の動力源を用いてもよい。
また、実施例では、キー回転検出部として、キーおよびキーシリンダの回転に応じ発電するコイルを有したものを示したが、これに限定されず、既存のアクセサリスイッチなどの複数のスイッチの切り換わり変化に応じ、回転を検出するようにしてもよい。
10 ドアロック装置
30 コントロールユニット(始動許可判定部)
31 キーレス受信部(車両の受信部)
32 制御部(始動許可判定部)
40 キー検出スイッチ
50 キー回転検出スイッチ(キー回転検出部)
60 携帯機
70 キーシリンダ
71 イグニッションスイッチ(始動スイッチ)
80 キー

Claims (2)

  1. 車両の受信部と携帯機とで通信を行い、前記携帯機からの信号に含まれる識別コードの照合を行って照合が成立すればドアロック装置の施錠および開錠を指令するコントロールユニットと、
    前記車両に設けられ、キーを差し込んで回転させて投入されて前記車両の動力源を始動させる始動スイッチを備えたキーシリンダと、
    前記キーシリンダに差込状態のキーが回転されたことを検出するキー回転検出部と、
    ドアロック装置開錠時の前記コントロールユニットの前記照合成立により第1始動許可フラグをセットし、前記キー回転検出部の回転検出により第3始動許可フラグをセットし、前記始動スイッチの投入時に、前記第1、第3始動許可フラグがセットされている場合に始動を許可し、前記第1、第3始動許可フラグがセットされていない場合には始動を許可しない始動許可判定部と、
    を備えていることを特徴とする始動制御装置。
  2. 前記始動許可判定部は、前記第1始動許可フラグのセット後に、前記始動スイッチの投入前の時点で前記携帯機から施錠の指令が成された場合には、前記第1始動許可フラグをリセットし、前記第3始動許可フラグのセット後に、前記始動スイッチの投入前の時点で前記キー回転検出部の回転検出が成されなくなった場合には、前記第3始動許可フラグをリセットすることを特徴とする請求項1に記載の始動制御装置。
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