JP5093516B2 - 車両用盗難防止装置 - Google Patents
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Description
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、認証ECUへのIDコードの登録を車両の生産工程の初期に実施する必要がなく、もって従来の盗難防止装置を備えた車両との間で生産ラインの共用化を実現することができる車両用盗難防止装置を提供することにある。
又、初期モードの実行中にはエンジン始動が常に禁止される。何らかの要因により初期モードから通常モードへの切換が実行されなかったときには、その後のエンジン始動点検時にNG判定が下されることから、初期モードのまま車両が市場に出荷される事態が未然に防止される。
従って、エンジンが始動されたときには、生産工程が終了若しくは終了直前であり初期モードは不要と見なせるため、通常モードへの切換が行われる。
従って、生産工程での通常モードへの切換後、或いは車両の市場への出荷後に、何らかの要因により初期モードに復帰してしまう事態が未然に防止される。
図1は本実施形態の車両用盗難防止装置の全体構成を示すブロック図である。車両に搭載された電源ECU1(車両制御手段)、エンジンECU2(車両制御手段)及び認証ECU3(コード判別手段)はバス4により接続され、各ECU1〜3はバス4を介して相互に情報交換し得る。電源ECU1には車両の運転席に設けられたプッシュスイッチ5が接続されると共に、車両のステアリングシャフト6を回転規制(即ち、所謂ハンドルロック)する電動ハンドルロック装置7が接続されている。電源ECU1は車両全体の電源を制御する役割を果たすと共に、電源の投入の直前にハンドルロック装置7に解除の指令を出力し、電源ECU1からの指令に基づきハンドルロック装置7によりステアリングシャフト6の回転が解除され、ハンドルロックが解除されたのを条件に電源が投入される。
認証ECU3は、運転者が携行するスマートキー8(電子キー)のIDコードを認証判定する機能を果たす。即ち、スマートキー8は固有のIDコードを有しており、このIDコードが後述する車両の生産工程において認証ECU3に登録されている。
例えば、運転席に乗り込んだ運転者によりプッシュスイッチ5が操作されると、電源ECU1は車室内にスマートキー8が存在するか否かの確認指令を認証ECU3に出力する。この指令を受けた認証ECU3は電波によるリクエスト信号を送信し、リクエスト信号を受信したスマートキー8によりIDコードを含むアンサ信号が返信される。認証ECU3は返信されたIDコードが予め登録されたIDコードであるか否かを認証判定し、登録IDコードであると認証したときには、キー認証OK信号、及び電源ECU1との間で相互認証を実施する。
電源ECU1は認証ECU3からキー認証OK信号を入力し、且つ認証パラメータが登録されているものと合致していると判断したときには、ハンドルロックの解錠制御に移行する。即ち、電源ECU1はハンドルロック装置7の解錠指令信号と共に、ハンドルロックECU7aとの間認証パラメータによる相互認証を実施する。ハンドルロックECU7aは相互認証が合致していると判断したときにはハンドルロック装置7を解錠し、解錠完了信号と共に電源ECU1との間で共有する認証パラメータを電源ECU1に出力する。電源ECU1はハンドルロック装置7から解錠完了信号を入力し(ハンドルロック認証)、且つ認証パラメータが登録されているものと合致していると判断したときには、車両の電源を投入する。
次に、以上のように構成された本実施形態の車両用盗難防止装置を備えた車両の生産工程の実施状況を説明する。
上記説明のように生産工程の開始当初において、認証ECU3はIDコードが未だ登録されておらず(キー未登録)、また、ECU1〜3,7a間の認証確認用の認証パラメータも未だ登録されておらず、電源ECU1は初期モードに基づき作動するようになっている。IDコードが未登録であることから、IDコードの認証に基づくハンドルロック装置7の解錠及び車両の電源投入は行えないが、初期モードでは、プッシュスイッチ5の操作によりハンドルロック装置7の解錠または電源投入を任意に実行可能である。
まず、ステップS11で初期モードに基づき車両電源を投入して、車両に搭載されたメカ機器関連の動作確認を実施する(第1の工程)。続くステップS12,13でエンジンECU2やボディECU(本実施形態では電源ECU1が相当)への車両情報の書き込み及び認証パラメータの登録を実行し、ステップS14で認証ECU3へのスマートキー8のIDコードの登録及び認証パラメータの登録を実行する(第2の工程)。
ところで、生産工程中におけるハンドルロック装置の解除及び電源投入は、通常の組立作業や車両移動に付随するときだけでなく、ECU異常等のシステム異常を発見したときにも必要となる。即ち、この場合には車両を生産ラインから外して(ラインアウト)異常箇所を手直しすることになるため、その際のステアリング操作を行うべくハンドルロック装置を解除する必要があると共に、異常箇所の手直しのために電源投入の必要が生じる。
即ち、生産工程を終了した時点では、既に電源ECU1は初期モードから通常モードへの切換を完了しているはずであり、通常であれば、この状態で車両は市場に出荷される。しかしながら、何らかの要因により、認証ECU3へのIDコードの登録と連動して初期モードから通常モードへの切換が実行されない可能性もあり、このときには、電源ECU1を初期モードとしたまま車両が市場に出荷されてしまう。初期モードでエンジン始動を禁止することにより、通常モードへの切換が正常に実行されなかった場合には、ステップS15でエンジン始動による点検を実施したときにNG判定が下されて、エンジン始動不能の原因究明がなされるため、必然的に初期モードのままの市場への出荷、ひいては初期モードに基づく不適切な盗難防止装置の作動を未然に防止することができる。なお、始動点検以前の生産工程ではエンジンを始動する必要性がないため、初期モードでエンジン始動を禁止したことによる弊害は発生しない。
まず、本実施形態では、初期モードにおいて、プッシュスイッチ5の操作に応じてハンドルロック装置7の解錠と電源投入とを実行したが、これに限ることはなく、例えば、初期モード中において常にハンドルロック装置7を解錠状態に保持してもよい。初期モード中において、何らかの要因によりプッシュスイッチ5の操作に応じた解錠が不能となる可能性もあり、生産工程中でのステアリング操作の要求に応じることができなくなる。このような場合には、電源ECU1やハンドルロック装置7にテスタを接続して強制的に解錠する特殊操作を要するが、もともとハンドルロック装置7を解錠状態に保持しておけば、この余分な手間を省略することができる。なお、電源投入についても、生産工程中での車載バッテリの消耗を許容できるなら、初期モード中に常に電源投入状態に保持してもよい。
また、本実施形態では、認証ECU3へのIDコードの登録を条件として電源ECU1を初期モードから通常モードに切り換えたが、モード切換条件はこれに限ることはなく、例えば上記のように初期モードでもエンジン始動を可能とした場合には、エンジン始動を条件として初期モードから通常モードに切り換えてもよい。具体的には、認証ECU3へのIDコードの登録後にも初期モードを継続し、生産工程の終了直前でのエンジンの始動点検時(図2のステップS15)に、エンジン始動に伴って初期モードから通常モードへの切換を行ってもよい。
また、上記実施形態では、認証パラメータに基づき各ECU1〜3,7a間の各認証確認を実行したが、この認証確認は必ずしも行う必要はなく、各ECU1〜3,7aそれぞれが有する認証パラメータの登録や認証処理を省略してもよい。
2 エンジンECU(車両制御手段)
3 認証ECU(コード判別手段)
7 ハンドルロック装置
8 スマートエントリキー(電子キー)
Claims (3)
- 運転者が携行可能な電子キーのIDコードを登録し、ハンドルロック装置の解錠と車両の電源投入とエンジン始動とにそれぞれ対応して予め設定された所定操作の何れかが運転者により行われたときに、上記電子キーとの間で電気的な信号伝達によりIDコードを認証判定するコード判定手段と、
上記コード判定手段によって上記IDコードが認証されたときに、上記所定操作に対応して上記ハンドルロック装置の解錠または電源投入、またはエンジン始動を行う通常モードを有する車両制御手段とを備える車両盗難防止装置において、
上記車両制御手段は、上記通常モードとは別に、上記IDコードの認証判定の結果に関わらず、上記ハンドルロック装置の解錠または車両の電源投入を実行すると共に上記エンジン始動を常に禁止する初期モードを更に有し、少なくとも車両生産工程の上記コード判別手段へのIDコードの登録以前において該初期モードを実行することを特徴とする車両用盗難防止装置。 - 上記車両制御手段は、上記初期モードの実行中において、上記コード判別手段の認証に基づきエンジン始動を実行したときに、該初期モードから上記通常モードへの切換を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
- 上記車両制御手段は、上記初期モードから通常モードへの切換後に該初期モードへの復帰を禁止することを特徴とする請求項2記載の車両用盗難防止装置。
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