以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(表示制御:温度条件変換部を用いて温度条件変換を行うことにより温度ごとの劣化特性を算出する例)
2.第2の実施の形態(表示制御:特定の温度でのみ劣化するダミー画素回路を用いることにより温度ごとの劣化特性を算出する例)
3.第3の実施の形態(表示制御:ダミー画素回路の温度を特定の温度に一定に保つことにより温度ごとの劣化特性を算出する例)
4.本発明の適用例(表示制御:電子機器の例)
<1.第1の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。表示装置100は、焼き付き補正部200と、ライトスキャナ(WSCN:WriteSCaNner)110と、水平セレクタ(HSEL:Horizontal SELector)120とを備える。また、この表示装置100は、電源スキャナ(DSCN:Drive SCaNner)130と、画素アレイ部140と、ダミー画素発光信号生成部150と、ダミー画素アレイ部300とを備える。画素アレイ部140は、n×m(mおよびnは2以上の整数)個の二次元マトリックス状に配列された画素回路600乃至605を備える。ここでは、便宜上、1行目、2行目およびm行目における1列目およびn列目に配置された6個の画素回路600乃至605が示されている。
また、画素アレイ部140は、温度センサ141を備える。この温度センサ141は、画素回路の環境温度を測定し、その測定した温度情報を、信号線208を介して焼き付き補正部200に供給する。なお、この画素回路の温度は、全ての画素回路において同一の温度であることを想定する。すなわち、画素アレイ部140とダミー画素アレイ部300とにおける温度は同一であることとする。
また、表示装置100には、画素回路600乃至605とライトスキャナ(WSCN)110との間を接続する走査線(WSL:Write Scan Line)160が設けられている。なお、走査線(WSL)160は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路とライトスキャナ(WSCN)110との間も接続している。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の走査線(WSL)161乃至163が示されている。
さらに、表示装置100には、画素回路600乃至605と水平セレクタ(HSEL)120との間を接続するデータ線(DTL:DaTa Line)170が設けられている。なお、データ線(DTL)170は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路と水平セレクタ(HSEL)120との間も接続している。ここでは、便宜上、第1列目および第n列目のデータ線(DTL)171および172と、ダミー画素回路に接続されるデータ線(DTL)173が示されている。
さらに、表示装置100には、画素回路600乃至605と電源スキャナ(DSCN)130との間を接続する電源線(DSL:Drive Scan Line)180が設けられている。なお、電源線(DSL)は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路と電源スキャナ(DSCN)130との間も接続している。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の電源線(DSL)181乃至183が示されている。
焼き付き補正部200は、画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いに合わせて映像信号の階調値を変更することによって焼き付きを補正するものである。この焼き付き補正部200は、信号線390を介して供給されるダミー画素回路の輝度と、信号線208を介して供給される温度情報と、映像信号の階調値とに基づいて、画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いを算出する。そして、この焼き付き補正部200は、その算出された画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いに基づいて、信号線201を介して供給された映像信号の階調値を変更する。ここで、映像信号の階調値とは、発光の輝度の大きさの段階を指定する映像信号の階調の値である。また、ダミー画素回路とは、実際には表示されない画素であって、画素回路の劣化の度合いを測定するための画素である。
ここで、発光の輝度の大きさが256段階(階調)で表現される場合を想定する。また、画素回路600の劣化により、階調値が「100」の映像信号に基づく発光の輝度が200nitから100nitに劣化し、階調値が「200」の映像信号に基づく発光の輝度が300nitから200nitに劣化したこととする。この場合において、焼き付き補正部200は、200nitで画素回路を発光させるために映像信号の階調値を「100」から「200」に変更することによって焼き付きを補正する。
この焼き付き補正部200は、その補正した映像信号(補正階調値)を、信号線209を介して水平セレクタ(HSEL)120に供給する。なお、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200については、図10乃至図19等を参照して詳細に説明する。
ライトスキャナ(WSCN)110は、行単位により画素回路600乃至605を順次走査する線順次走査を行うものである。このライトスキャナ(WSCN)110は、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号を画素回路600乃至605に書き込むタイミングを行単位により制御する。また、このライトスキャナ(WSCN)110は、ダミー画素アレイ部300のダミー画素回路に対しても線順次走査を行い、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号をダミー画素回路に書き込むタイミングを行単位により制御する。このライトスキャナ(WSCN)110は、データ信号を書き込むためのオン電位、データ信号の書き込みを停止させるためのオフ電位を走査信号として生成する。このライトスキャナ(WSCN)110は、その生成した走査信号を走査線(WSL)160に供給する。
水平セレクタ(HSEL)120は、画素アレイ部140における画素回路600乃至605と、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路とに発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を供給するものである。この水平セレクタ(HSEL)120は、表示画素用セレクタ部121およびダミー画素用セレクタ部122を備える。
表示画素用セレクタ部121は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、画素回路600乃至605における発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を各列の画素回路600乃至605に供給するものである。この水平セレクタ(HSEL)120は、発光の輝度の大きさを設定するための映像信号の電位(信号電位)と、画素回路600乃至605を構成する駆動トランジスタの閾値電圧の補正(閾値補正)を行うための電位(基準電位)とをデータ信号として生成する。この水平セレクタ(HSEL)120は、その生成したデータ信号をデータ線(DTL)170に供給する。
ダミー画素用セレクタ部122は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路の発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を供給するものである。このダミー画素用セレクタ部122は、ダミー画素発光信号生成部150から供給される発光信号に基づいて、ダミー画素に供給する信号電位および基準電位をデータ信号として生成する。このダミー画素用セレクタ部122は、その生成したデータ信号をデータ線(DTL)170に供給する。
電源スキャナ(DSCN)130は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、画素回路600乃至605を駆動させるための電源信号を行単位により生成するものである。この電源スキャナ(DSCN)130は、画素回路600乃至605を駆動させるための電源電位と、画素回路600乃至605を初期化するための初期化電位とを電源信号として生成する。また、この電源スキャナ(DSCN)130は、画素回路600乃至605と同様に、ダミー画素回路に対しても、電源電位と初期化電位とを電源信号として生成する。この電源スキャナ(DSCN)130は、その生成した電源信号を電源線(DSL)180に供給する。
ダミー画素発光信号生成部150は、ダミー画素回路における発光輝度の大きさを決定するための発光信号を生成するものである。このダミー画素発光信号生成部150は、ダミー画素の劣化を測定する輝度に応じた発光信号を生成し、その生成した発光信号をダミー画素用セレクタ部122に供給する。なお、ダミー画素発光信号生成部150は、特許請求の範囲に記載の映像信号供給部の一例である。
ダミー画素アレイ部300は、ダミー画素回路を備える。このダミー画素アレイ部300については、図9を参照して詳細に説明する。
画素回路600乃至605は、走査線(WSL)160からの走査信号に基づいて、データ線(DTL)170からの映像信号の電位を保持してその保持した電位に応じて所定の期間発光するものである。ここで、画素回路600乃至605の構成例については、図2を参照して説明する。
[画素回路の構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における画素回路600乃至605の一構成例を模式的に示す回路図である。なお、画素回路600乃至605は、同一の構成であるため、この図2以降では、主に画素回路600について説明し、画素回路601乃至605についての一部の説明を省略する。
画素回路600は、書込みトランジスタ610と、駆動トランジスタ620と、保持容量630と、発光素子640とを備える。ここでは、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620がそれぞれnチャンネル型トランジスタである場合を想定する。
この画素回路600において、書込みトランジスタ610のゲート端子およびドレイン端子には、走査線(WSL)160およびデータ線(DTL)170がそれぞれ接続されている。また、書込みトランジスタ610のソース端子には、駆動トランジスタ620のゲート端子(g)および保持容量630の一方の電極(一端)が接続されている。ここでは、この接続部位を第1ノード(ND1)650とする。また、駆動トランジスタ620のドレイン端子(d)には、電源線(DSL)180が接続され、駆動トランジスタ620のソース端子(s)には、保持容量630の他方の電極(他端)および発光素子640のアノード電極が接続されている。ここでは、この接続部位を第2ノード(ND2)660とする。
書込みトランジスタ610は、走査線(WSL)160からの走査信号に従って、データ線(DTL)170からのデータ信号を第1ノード(ND1)650に供給するトランジスタである。この書込みトランジスタ610は、画素回路600の駆動トランジスタ620の閾値電圧のばらつきを取り除くために、データ信号の基準電位を保持容量630の一端に供給する。ここにいう基準電位とは、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧を保持容量630に保持させるための基準となる固定電位のことである。
また、書込みトランジスタ610は、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧が保持容量630に保持された後に、データ信号の信号電位を保持容量630の一端に順次書き込む。
駆動トランジスタ620は、発光素子640を発光させるために、信号電位に応じて保持容量630に保持された信号電圧に基づいて、駆動電流を発光素子640に出力するものである。この駆動トランジスタ620は、駆動トランジスタ620を駆動させるための電源電位が電源線(DSL)180から印加されている状態において、保持容量630に保持された信号電圧に応じた駆動電流を発光素子640に出力する。
保持容量630は、書込みトランジスタ610によって供給されたデータ信号に応じた電圧を保持するためのものである。すなわち、保持容量630は、書込みトランジスタ610によって書き込まれた信号電位に応じた信号電圧を保持する役割を果たす。
発光素子640は、駆動トランジスタ620から出力された駆動電流の大きさに応じて発光するものである。また、発光素子640は、出力端子がカソード線680に接続されている。このカソード線680からは、発光素子640の基準電位としてカソード電位(Vcat)が供給されている。この発光素子640は、例えば、有機EL素子により実現することができる。
なお、この例では、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620の各々がnチャンネル型トランジスタである場合を想定して説明したが、この組み合わせに限られるものではない。例えば、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620の各々がpチェンネル型トランジスタである場合などにおいても適用できる。また、これらのトランジスタは、エンハンスメント型のものでもよく、デプレッション型やデュアルゲート型のものでもよい。
また、ここでは、2つのトランジスタ610および620および1つの保持容量630により発光素子640に駆動電流を供給する画素回路600の構成例について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、駆動トランジスタ620および発光素子640を含むものであれば適用できる。例えば、3つ以上のトランジスタにより発光が制御される画素回路600の場合においても、駆動トランジスタ620および発光素子640を含むものであれば適用ができる。次に、上述の画素回路600の動作例について、図3を参照して詳細に説明する。
[画素の基本動作の例]
図3は、図2の構成における画素回路600の基本動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
このタイミングチャートは、画素回路600の動作の遷移を、TP1乃至TP6の期間に便宜的に区切っている。まず、発光期間TP6では、発光素子640は発光状態にある。この発光期間TP6において、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定されている。また、この発光期間TP6において、電源線(DSL)180の電源信号の電位が電源電位(Vcc)に設定されている。
この後、線順次走査の新しいフィールドに入り、閾値補正準備期間TP1では、電源線(DSL)180の電位が、第2ノード(ND2)660を初期化するための初期化電位(Vss)に設定される。これにより、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660の電位はそれぞれ低下する。
続いて、閾値補正準備期間TP2では、走査線(WSL)160の電位がオン電位(Von)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650の電位が基準電位(Vofs)に初期化される。これにより、第2ノード(ND2)660の電位は初期化電位(Vss)に初期化される。このように、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660がそれぞれ初期化されることによって、閾値補正動作の準備が完了する。
次に、閾値補正期間TP3では、画素回路600の駆動トランジスタ620における閾値電圧に対する補正を行うための閾値補正動作が行われる。このとき、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間に、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持される。すなわち、保持容量630には、閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持される。
この後、期間TP4では、走査線(WSL)160に供給される走査信号の電位がオフ電位(Voff)に遷移した後に、データ線(DTL)170のデータ信号が基準電位(Vofs)から信号電位(Vsig)に切り替えられる。
そして、書込み期間/移動度補正期間TP5では、映像信号の書込み動作、および、駆動トランジスタ620における移動度に対する補正を行うための移動度補正動作が行われる。このとき、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオン電位(Von)に切り替えられることによって、第1ノード(ND1)650の電位が、信号電位(Vsig)まで上昇する。すなわち、書込みトランジスタ610により、信号電位(Vsig)が第1ノード(ND1)650に書き込まれる。
これに対して、第2ノード(ND2)660の電位は、閾値補正期間TP3において与えられた閾値電位(Vofs−Vth)に対し、信号電位(Vsig)に対応する駆動トランジスタ620の移動度に応じた上昇量(ΔV)だけ上昇する。すなわち、移動度補正動作により、第2ノード(ND2)660の電位が「ΔV」だけ上昇する。
このように、書込み期間/移動度補正期間TP5では、保持容量630の一端に、信号電位(Vsig)が印加され、保持容量630の他端に、閾値電位(Vofs−Vth)に上昇量(ΔV)を加えた電位((Vofs−Vth)+ΔV)が印加される。すなわち、保持容量630には、映像信号に応じた信号電圧(Vgs1)として、「Vsig−((Vofs−Vth)+ΔV)」が保持される。このようにして、保持容量630に保持された信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV)は、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)と、移動度補正動作による上昇量(ΔV)とによって補正される。このため、画素回路600ごとの駆動トランジスタ620における閾値電圧および移動度のばらつきの影響が取り除かれた信号電圧となる。
この後、発光期間TP6では、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650が浮遊状態となる。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、書込み期間/移動度補正期間TP5において与えられた電位(Vofs−Vth+ΔV)に対し「Vel」だけ上昇する。この第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)は、映像信号の電位(Vsig)が大きくなるほど、大きくなる。このとき、第2ノード(ND2)660の電位が、発光素子640の閾値電圧(Vthel)と、カソード線680のカソード電位(Vcat)とによって定まる発光電位(Vthel+Vcat)を超えるため、発光素子640が発光する。
これに対し、第1ノード(ND1)650の電位も、保持容量630を介したカップリングによって、第2ノード(ND2)660の電位上昇に倣うように、信号電位(Vsig)から「Vel'」だけ上昇する。このように、第2ノード(ND2)660の電位上昇に伴い、保持容量630に起因するカップリングによって、浮遊状態にある第1ノード(ND1)650の電位が上昇する動作をブートストラップ動作という。
このブートストラップ動作においては、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')が、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて抑制される。この第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)と、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')との関係は、次の式1により表わすことができる。
Vel'=Gb×Vel ・・・式1
ここで、Gbは、「1.0」未満の値であり、次の式2により表わすことができる。なお、ここでは、Gbをブートストラップ利得という。
Gb=Cs/(Cs+Cp) ・・・式2
ここで、Csは、保持容量630の容量値である。また、Cpは、書込みトランジスタ610のゲート・ソース端子間の寄生容量(書込みトランジスタgs寄生容量)と、駆動トランジスタ620のゲート・ドレイン端子間の寄生容量(駆動トランジスタgd寄生容量)との容量値の和である。なお、ここでは、ブートストラップ利得Gbを低下させる寄生容量は、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量のみを考慮している。
式2より、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpによって、ブートストラップ利得Gbが「1.0」未満の値となることがわかる。このブートストラップ利得Gbは、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpの大きさに応じて変化する。すなわち、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpが大きいほど、ブートストラップ利得Gbは小さくなる。また、この容量値Cpの大きさは画素回路600乃至605のそれぞれで異なるため、ブートストラップ利得Gbの大きさも画素回路600乃至605のそれぞれで異なる。
このように、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpにより、ブートストラップ利得Gbが「1.0」未満の値となる。このため、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて小さくなる。このため、発光期間TP6における信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5における信号電圧(Vgs1)よりも「Vel−Vel'=Vel・(1−Gb)」だけ小さくなる。なお、発光期間TP6の途中において、データ線(DTL)170のデータ信号が、信号電位(Vsig)から基準電位(Vofs)に切り替えられる。したがって、発光期間TP6では、信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV−(Vel−Vel'))に応じた輝度により、発光素子640が発光する。
[画素の動作状態の詳細]
次に、上述の画素回路600の動作の遷移例について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
図4乃至図6は、本発明の第1の実施の形態における画素回路600の動作の遷移例を模式的に示す図である。以下に示す図4乃至図6では、図3により示したタイミングチャートのTP1乃至TP6の期間に対応する画素回路600の動作状態が示されている。また、便宜上、発光素子640の寄生容量641を図示している。さらに、書込みトランジスタ610をスイッチとして図示しており、走査線(WSL)160については省略している。
図4(a)乃至(c)は、TP6、TP1およびTP2の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。まず、発光期間TP6では、図4(a)に示すように、書込みトランジスタ610がオフ(非導通)状態であり、電源線(DSL)180から電源電位(Vcc)が駆動トランジスタ620に加えられている状態である。そして、駆動トランジスタ620から駆動電流(Ids')が発光素子640に供給されているため、その駆動電流(Ids')に応じた輝度により発光素子640が発光している。
そして、閾値補正準備期間TP1では、図4(b)に示すように、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)から初期化電位(Vss)に遷移する。これにより、第2ノード(ND2)660の電位が低下するため、発光素子640は非発光状態となる。このとき、第1ノード(ND1)650は浮遊状態にあるため、第1ノード(ND1)650の電位も、第2ノード(ND2)660の電位低下に倣うように、低下する。
続いて、閾値補正準備期間TP2では、図4(c)に示すように、走査線(WSL)160(図2に示す)の電位がオン電位(Von)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオン(導通)状態となる。これにより、第1ノード(ND1)650の電位は、データ線(DTL)170からの基準電位(Vofs)に初期化される。
これに対し、第2ノード(ND2)660の電位は、電源線(DSL)180の初期化電位(Vss)に初期化される。これにより、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660の間の電位差は「Vofs−Vss」となる。なお、ここでは、電源線(DSL)180の初期化電位(Vss)が、基準電位(Vofs)よりも十分に低い電位に設定されていることを想定している。
図5(a)乃至(c)は、TP3乃至TP5の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。
閾値補正準備期間TP2に続いて、閾値補正期間TP3では、図5(a)に示すように、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)に遷移する。これにより、駆動トランジスタ620がオン状態となり、駆動トランジスタ620から第2ノード(ND2)660に電流が供給されることによって、第2ノード(ND2)660の電位が上昇する。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差が駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電位差(Vth)になるまで上昇する。
このようにして、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持容量630に保持される。すなわち、これが閾値補正動作である。なお、カソード線680のカソード電位(Vcat)、および、データ線(DTL)170からの基準電位(Vofs)は、駆動トランジスタ620からの電流が発光素子640に流れないように、予め設定しておく。
この後、期間TP4では、図5(b)に示すように、走査線(WSL)160から供給される走査信号がオフ電位(Voff)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオフ状態となる。そして、データ線(DTL)170のデータ信号の電位が、基準電位(Vofs)から映像信号の電位(Vsig)に遷移する。ここでは、このデータ線(DTL)170のトランジェント特性を考慮して、データ信号が映像信号の電位(Vsig)に達するまでの間、書込みトランジスタ610をオフ状態にしている。
続いて、書込み期間/移動度補正期間TP5では、図5(c)に示すように、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオン電位(Von)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオン状態となる。これにより、書込みトランジスタ610によって映像信号の電位(Vsig)が保持容量630の一端に書き込まれるため、第1ノード(ND1)650の電位が、映像信号の電位(Vsig)に設定される。
このとき、駆動トランジスタ620の移動度に応じた電流が駆動トランジスタ620から第2ノード(ND2)660に流れるため、保持容量630および寄生容量641が充電されて、第2ノード(ND2)660の電位が上昇する。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、閾値電位(Vofs−Vth)に対し、駆動トランジスタ620の移動度に応じた上昇量(ΔV)だけ上昇する。すなわち、これが移動度補正動作である。
これにより、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差である信号電圧(Vgs1)が「Vsig−Vofs+Vth−ΔV」となる。すなわち、保持容量630には、信号電圧(Vgs1)として、「Vsig−Vofs+Vth−ΔV」が保持される。
このようにして、書込み期間/移動度補正期間TP5において、映像信号の電位(Vsig)の書込み、および、移動度補正による上昇量(ΔV)の調整が行われる。このとき、映像信号の電位(Vsig)が大きいほど駆動トランジスタ620からの電流が大きくなるため、移動度補正による上昇量(ΔV)も大きくなる。したがって、輝度レベル(映像信号の電位)に応じた移動度補正を行うことができる。
また、画素回路600乃至605のそれぞれの映像信号の電位(Vsig)が一定である場合において、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600乃至605ほど、移動度補正による上昇量(ΔV)も大きくなる。すなわち、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600乃至605では、移動度が小さい画素回路に比べて、駆動トランジスタ620からの電流が大きくなり、その分だけ駆動トランジスタ620のゲート−ソース間電圧が小さくなる。したがって、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600では、その駆動トランジスタ620から出力される駆動電流が、移動度の小さい画素回路601乃至605と同程度の大きさに調整されることになる。このようにして、画素回路600乃至605ごとの駆動トランジスタ620の移動度のばらつきが取り除かれる。
図6は、TP6の期間に対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。
発光期間TP6では、図6に示すように、走査線(WSL)160から供給される走査信号の電位がオフ電位(Voff)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオフ状態となる。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、書込み期間/移動度補正期間TP5において与えられた電位(Vofs−Vth+ΔV)に対して駆動トランジスタ620からの駆動電流の大きさに応じた電位(Vel)だけ上昇する。
これに対して、第1ノード(ND1)650の電位は、保持容量630に起因するブートストラップ動作によって、式1に示す割合により上昇する。このときの第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に「1.0」未満のブートストラップ利得Gbを乗じた値となる。すなわち、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpに応じて抑制されるため、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて小さくなる。
これにより、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差である信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5の終了直前における信号電圧(Vgs1)に比べて、「Vel−Vel'」だけ小さくなる。すなわち、発光期間TP6の終了直前における信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5における信号電圧(Vgs1)よりも小さい「Vgs1−(Vel−Vel')」となる。したがって、発光素子640は、発光期間TP6における信号電圧(Vgs2)に対応する駆動電流(Ids)に応じた輝度により、発光する。
ここまでの図3乃至6において示したように、本発明の第1の実施の形態における表示装置100の画素回路600は、データ線170を介して供給される信号電位に応じた駆動電流が発光素子640に供給されることにより、駆動電流に応じた輝度により発光する。すなわち、画素回路600を構成する発光素子640などが劣化すると、発光の量の変化などにより、信号電位に対する輝度の値が初期の状態からズレてしまう。このズレは、全ての画素回路において同じ量のズレが発生するのであれば、直前に表示されていた画像が残っているように見える現象(いわゆる、焼き付き現象)が生じることはない。
しかしながら、有機EL素子は表示する画像データに応じて発光する量を変えることにより階調を表現するため、有機EL素子の劣化の度合いが表示画面の画素回路ごとに異なる。このため、劣化の大きい画素回路の表示が周辺の画素回路の表示より暗くなることによって、焼き付き現象が生じる。
[画素回路の劣化例]
次に、本発明の第1の実施の形態における画素回路の劣化の特性について図7および図8を参照して説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態において所定の階調値の映像信号で発光させた画素回路600の使用時間と、画素回路の輝度の劣化量との関係を示す図である。
この図7では、縦軸を画素回路600の輝度の劣化量(輝度劣化量)を示す軸とし、横軸を画素回路600の使用時間(発光時間)とする3つの劣化特性(劣化特性691乃至693)が示されている。なお、この図7では、3つの劣化特性を示す画素回路600の温度は、同一であることを想定する。
劣化特性(階調値100)691は、階調値が「100」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値100)691には、階調値「100」の映像信号に基づく劣化は、使用開始直後の劣化は急激に進行し、使用開始から発光時間が経過すると劣化は緩やかに進行することが示されている。
劣化特性(階調値150)692は、階調値が「150」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値150)692には、階調値「150」の映像信号に基づく劣化は、階調値「100」の映像信号で発光させた画素回路600よりも急激に劣化が進行することが示されている。
劣化特性(階調値200)693は、階調値が「200」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値200)693には、階調値「200」の映像信号に基づく劣化は、階調値「150」の映像信号で発光させた画素回路600よりも急激に劣化が進行することが示されている。
この図7において示すように、画素回路600は、階調値が小さい映像信号で発光させると劣化は緩やかに進行し、一方、階調値が大きい映像信号で発光させると劣化が速く進行する。また、画素回路600の劣化は、画素回路600の使用開始直後は急激に劣化が進行し、使用開始から発光時間が経過すると緩やかに劣化が進行する。
図8は、本発明の第1の実施の形態において所定の温度条件で発光させた画素回路600の使用時間と、画素回路の輝度の劣化量との関係を示す図である。
この図8では、縦軸を画素回路600の輝度の劣化量(輝度劣化量)を示す軸とし、横軸を画素回路600の使用時間(発光時間)とする3つの劣化特性(劣化特性694乃至696)が示されている。なお、この図8では、3つの劣化特性を示す画素回路600に供給される映像信号の階調値は、同一であることを想定する。
劣化特性(温度20℃)694は、温度条件「20℃」において発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(温度20℃)694には、図7において示した3つの劣化特性(劣化特性691乃至693)と同様に、使用開始直後の劣化は急激に進行し、使用開始から発光時間が経過すると劣化は緩やかに進行することが示されている。
劣化特性(温度30℃)695は、温度条件「30℃」において発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(温度30℃)695には、温度条件「30℃」における劣化は、温度条件「20℃」における劣化よりも急激に劣化が進行することが示されている。
劣化特性(温度40℃)696は、温度条件「40℃」において発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(温度40℃)696には、温度条件「40℃」における劣化は、温度条件「30℃」における劣化よりも急激に劣化が進行することが示されている。
この図8において示すように、画素回路600は、温度が低い条件で画素回路600を発光させると劣化は緩やかに進行する。一方、温度が高い条件で画素回路600を発光させると劣化が速く進行する。
すなわち、画素回路600の劣化の進行速度の違いには温度の差が関与する。そこで、本発明の第1の実施の形態では、ダミー画素が測定した輝度の劣化を表示装置の温度情報に基づいて補正することによって、焼き付きを精度よく補正する表示装置の例について説明する。
[ダミー画素アレイ部の構成例]
図9は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素アレイ部300の一構成例を示す概念図である。なお、この本発明の第1の実施の形態では、3つの階調値の発光信号に基づく画素回路の劣化について測定するものとする。
この図9では、ダミー画素アレイ部300と、ライトスキャナ(WSCN)110と、画素アレイ部140と、電源スキャナ(DSCN)130とが示されている。また、ダミー画素アレイ部300に接続する走査線(WSL)160として走査線(WSL)164乃至166が示され、ダミー画素アレイ部300に接続するデータ線(DTL)170としてデータ線(DTL)173が示されている。さらに、ダミー画素アレイ部300に接続する電源線(DSL)180として電源線(DSL)184乃至186が示されている。また、ダミー画素アレイ部300と焼き付き補正部200との間を接続する信号線390として、信号線391乃至393が示されている。この図9では、ダミー画素アレイ部300に着目して説明する。
ダミー画素アレイ部300は、実際には表示されない画素回路であって、画素回路の劣化の度合いを測定するためのダミー画素回路が配置された領域である。このダミー画素アレイ部300は、例えば、アレイ基板における表示されない部位(例えば、フレームで隠れる位置)に形成される。このダミー画素アレイ部300は、輝度検出ユニット310、320および330を備える。なお、この輝度検出ユニット310、320および330は、一列に配置されているものとする。
輝度検出ユニット310、320および330は、所定の階調値の発光信号に基づく画素回路の劣化を測定するためのものである。この輝度検出ユニット310、320および330は、1つのダミー画素回路および1つの輝度センサを備える。なお、輝度検出ユニット320および330は、輝度検出ユニット310と同一のものであるため、ここでは、輝度検出ユニット310のダミー画素回路311および輝度センサ312について説明する。
ダミー画素回路311は、図2乃至図8において示した画素回路600と同様に、走査線(WSL)160からの走査信号に基づいて、データ線(DTL)170からの映像信号の電位を保持してその保持した電位に応じて所定の期間発光するものである。このダミー画素回路311には、走査線(WSL)164、データ線(DTL)173および電源線(DSL)184が接続されている。なお、本発明の第1の実施の形態において、このダミー画素回路311は、図2において示した画素回路600と同様の構成である。なお、ダミー画素回路311は、特許請求の範囲に記載の特定画素回路の一例である。
このダミー画素回路311は、特定の階調値でのみ発光する。例えば、輝度検出ユニット310のダミー画素回路311は階調値「200」で発光し、輝度検出ユニット320のダミー画素回路は階調値「150」で発光し、輝度検出ユニット330のダミー画素回路は階調値「100」で発光する。
輝度センサ312は、ダミー画素回路311の輝度を測定するためのセンサである。この輝度センサ312は、例えば、ダミー画素回路311の発光のみを受光するためダミー画素回路311の近くに配置され、かつ、ダミー画素回路311以外の光は受光しないようにダミー画素回路311と共に外部の光から遮光される。この輝度センサ312は、ダミー画素の輝度に関する情報(ダミー画素輝度情報)を、信号線391を介して焼き付き補正部200に供給する。
このように、ダミー画素アレイ部300を設けることによって、所定の階調値に基づく発光による画素回路の輝度の劣化(輝度劣化)を、画像を表示する画素回路600と同様の温度条件において測定することができる。
なお、この図9では輝度検出ユニットを3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、輝度検出ユニットの数を増やし計測する階調値を多くすることにより、劣化を測定する階調値の数を増やすことができる。
また、この図9では輝度検出ユニットを1列とし、ダミー画素アレイ部300用の走査線(WSL)、データ線(DTL)および電源線(DSL)184を配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画素アレイ部140の信号線と共用させることによる回路の簡略化などが考えられる。
[輝度センサおよびダミー画素回路の配置例]
図10は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路311および輝度センサ312の配置構成例を模式的に示す断面図および配置図である。
図10(a)には、輝度センサ312およびダミー画素回路311の断面構成が模式的に示されている。この図10(a)には、ダミー画素回路311を構成する回路として、発光素子640およびTFT(Thin Film Transistor)画素回路197が示されている。さらに、この図10(a)には、輝度センサ312と、樹脂198と、ガラス199とが示されている。例えば、ガラス199上にTFT画素回路197が配置され、このTFT画素回路197上に発光素子640が配置される。また、発光素子640が樹脂198で覆われ、この樹脂198上に輝度センサ312が配置される。すなわち、輝度センサ312は、樹脂198を介して、発光素子640上に配置される。
この図10(a)に示すように、輝度センサ312は、発光素子640からの光を効率よく受光できる位置に配置される。
図10(b)には、表示装置100を備えるディスプレイにおける輝度センサ312およびダミー画素回路311のディスプレイ内部における配置構成例が模式的に示されている。この図10(b)には、ディスプレイのフレーム部位であるフレーム領域191と、画面を表示する部位である表示領域192とが示されている。また、フレーム領域191の領域内にダミー画素領域193、TFT画素回路197および輝度センサ312が示されている。
この図10(b)に示すように、輝度センサおよびダミー画素回路は、ディスプレイ等における表示されない領域に配置される。
[焼き付き補正部の構成例]
図11は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の機能構成例を示すブロック図である。この焼き付き補正部200は、輝度劣化情報積算部220と、輝度劣化補正パターン生成部230と、輝度劣化補正演算部240と、輝度劣化特性供給部400とを備える。
ここで、本発明の第1の実施の形態では、劣化が起きていない初期状態の画素回路の輝度を補正の基準として、劣化が起きた画素回路600乃至605の輝度がその基準と一致するように映像信号を補正することを想定する。
また、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200は、便宜上、輝度劣化情報積算部220に保持されている情報を、各フレームの補正された映像信号を1分間隔で取得することによって更新するものとする。さらに、便宜上、輝度劣化情報積算部220に保持されている情報が更新されるごとに、輝度劣化補正パターン生成部230は新たな補正パターンを生成するものとする。
輝度劣化特性供給部400は、ダミー画素回路の輝度から輝度特性を生成し、その生成した輝度特性を供給するものである。この輝度劣化特性供給部400は、温度センサ141から信号線208を介して供給される温度情報と、輝度センサ312から信号線390を介して供給されるダミー画素輝度情報とに基づいて、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性を生成する。この輝度劣化特性供給部400は、その生成した劣化特性を、信号線401を介して輝度劣化情報積算部220に供給する。また、輝度劣化特性供給部400は、その生成した劣化特性を、信号線402を介して輝度劣化補正パターン生成部230に供給する。なお、輝度劣化特性供給部400は、特許請求の範囲に記載の輝度劣化特性生成部の一例である。
輝度劣化情報積算部220は、画素回路600乃至605における画素回路の劣化に基づく輝度の劣化に関する情報(輝度劣化情報)を保持し、この輝度劣化情報を順次更新するものである。また、輝度劣化情報積算部220は、画素回路600乃至605の輝度劣化に関する新たな劣化の量をその輝度劣化情報に順次加算することにより、輝度劣化情報を更新する。ここで、輝度劣化情報とは、例えば、画素回路600乃至605の輝度劣化の量を、特定の階調値の映像信号による発光時間に換算した値である。この輝度劣化情報積算部220は、輝度劣化情報更新部221と、輝度劣化情報保持部222とを備える。なお、輝度劣化情報積算部220は、特許請求の範囲に記載の加算部の一例である。また、輝度劣化特性供給部400および輝度劣化情報積算部220は、特許請求の範囲に記載の輝度劣化情報生成部の一例である。
輝度劣化情報更新部221は、輝度劣化情報保持部222に保持されている輝度劣化情報を、画素回路600乃至605の輝度の新たな劣化の量を加算することによって更新するものである。この輝度劣化情報更新部221は、例えば、輝度劣化補正演算部240から供給された補正後の映像信号に基づいて、画素回路600乃至605の輝度の新たな劣化に関する情報を、信号線401を介して供給された劣化特性を用いて算出する。
そして、この輝度劣化情報更新部221は、その新たな劣化に関する情報を輝度劣化情報に順次加算することによって、更新された輝度劣化情報を生成する。この輝度劣化情報更新部221は、その更新された輝度劣化情報を輝度劣化情報保持部222に供給する。なお、更新された輝度劣化情報の生成の一例については、図16を参照して詳細に説明する。
輝度劣化情報保持部222は、輝度劣化情報を保持するものであり、画素回路600乃至605のそれぞれの輝度劣化情報を画素回路ごとに保持する。また、この輝度劣化情報保持部222は、輝度劣化情報更新部221により更新された輝度劣化情報が供給される毎に、その更新された輝度劣化情報を順次保持する。この輝度劣化情報保持部222は、保持している輝度劣化情報を、輝度劣化情報更新部221および輝度劣化補正パターン生成部230に供給する。なお、この輝度劣化情報の一例については、図17を参照して説明する。
輝度劣化補正パターン生成部230は、輝度劣化を補正するためのパターン(輝度劣化補正パターン)を生成するものである。ここで、輝度劣化補正パターンとは、画素回路600乃至605のそれぞれに対する輝度劣化の補正値(輝度劣化補正値)により構成される補正パターンであり、輝度劣化を補正するための補正情報である。この輝度劣化補正パターン生成部230は、基準輝度特性情報供給部231と、対象輝度特性情報生成部232と、輝度劣化補正値算出部233と、輝度劣化補正パターン保持部234とを備える。なお、輝度劣化補正パターン生成部230は、特許請求の範囲に記載の輝度劣化値算出部の一例である。
基準輝度特性情報供給部231は、輝度劣化の補正の基準となる画素回路に関する輝度特性情報を基準輝度特性情報として供給するものである。ここで、輝度特性情報とは、画素回路に供給される映像信号と、その映像信号に基づく発光の輝度との相関の特性(輝度特性)に関する情報である。例えば、この基準輝度特性情報供給部231は、本発明の第1の実施の形態においては、劣化が起きていない状態(初期状態)の画素回路に関する輝度特性情報を保持する。そして、この基準輝度特性情報供給部231は、その保持している輝度特性情報を基準輝度特性情報として、輝度劣化補正値算出部233に供給する。なお、輝度特性、輝度特性情報および基準輝度特性情報の一例に関しては、図18を参照して説明する。
対象輝度特性情報生成部232は、輝度劣化補正値の生成対象となる画素回路の輝度特性情報を対象輝度特性情報として供給するものである。例えば、この対象輝度特性情報生成部232は、画素回路600乃至605に関する輝度劣化情報を輝度劣化情報保持部222から順次取得する。そして、この対象輝度特性情報生成部232は、例えば、特定の階調値における発光時間が輝度劣化情報である場合には、輝度劣化特性供給部400から供給された劣化特性を用いて、取得した輝度劣化情報から画素回路の劣化量を算出する。そして、この対象輝度特性情報生成部232は、算出した劣化量から輝度特性情報を算出し(例えば、劣化量と効率係数との相関関係を示す数式を用いて算出)、その算出した輝度特性情報を対象輝度特性情報として輝度劣化補正値算出部233に供給する。なお、対象輝度特性情報の一例に関しては、図18を参照して説明する。
輝度劣化補正値算出部233は、輝度劣化補正パターンを生成するため、基準輝度特性情報および対象輝度特性情報に基づいて画素回路600乃至605ごとの輝度劣化補正値を算出するものである。この輝度劣化補正値算出部233は、例えば、対象輝度特性情報を分子とし、基準輝度特性情報を分母とする除算により輝度劣化補正値を算出する。この輝度劣化補正値算出部233は、画素回路600乃至605の全てに関して輝度劣化補正値を生成する。この輝度劣化補正値算出部233は、生成した輝度劣化補正値を輝度劣化補正パターン保持部234に供給する。なお、輝度劣化補正値については、図18を参照して説明する。
輝度劣化補正パターン保持部234は、輝度劣化補正値算出部233から供給された輝度劣化補正値を画素回路ごとに保持するものである。この各画素回路により構成される輝度劣化補正値を輝度劣化補正パターンとして以下では説明する。この輝度劣化補正パターン保持部234は、保持している輝度劣化補正パターンを輝度劣化補正演算部240に供給する。なお、この輝度劣化補正パターンの一例については、図17を参照して説明する。
輝度劣化補正演算部240は、輝度劣化補正パターン保持部234から供給された輝度劣化補正パターンに基づいて、信号線201を介して入力された映像信号の階調値を変更することによって、輝度劣化を補正するものである。また、この輝度劣化補正演算部240は、その階調値を補正した映像信号(補正階調値)を、信号線209を介して輝度劣化情報積算部220と、水平セレクタ(HSEL)120とに供給する。なお、この輝度劣化補正演算部240の補正内容の一例については、図18を参照して詳細に説明する。なお、輝度劣化補正演算部240は、特許請求の範囲に記載の補正部の一例である。
このように、輝度劣化特性供給部400を焼き付き補正部200に設けることによって、輝度センサ312から供給されるダミー画素輝度情報を用いて、画素回路の劣化に基づく輝度の劣化を補正することができる。
なお、ここでは、各フレームについて補正された映像信号を1分間隔で取得することにより、輝度劣化情報積算部220に保持されている情報を更新したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補正された映像信号を10分間隔で取得し、その取得した映像信号によって10分間発光するものと想定して輝度劣化情報を更新するようにしてもよい。このように、輝度劣化情報の更新間隔を比較的長い時間とすることにより、演算量をさらに軽減することができる。また、輝度劣化情報積算部220において、各フレームについて補正された映像信号の取得間隔を短くすることにより、さらに精度よく輝度劣化情報を更新することも考えられる。
また、輝度劣化補正パターン生成部230は、輝度劣化情報が更新されるごとに、保持している輝度劣化補正パターンを更新したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、輝度劣化補正パターンは、短い間隔での更新では、急激に異なるパターンに更新されるものではない。これは、輝度が画素回路ごとにバラついたとしても、劣化の進行はゆっくり進行するためである。そこで、例えば、輝度劣化情報を1時間間隔で取得し、その取得した情報に基づいて補正パターンを1時間間隔で更新するなどにより、演算量を軽減することが考えられる。
また、ここでは、輝度劣化情報は特定の階調値の映像信号による発光時間に換算した値を想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。この輝度劣化情報は、画素回路の劣化に基づく輝度の劣化の度合いを示す値であるため、例えば、初期状態に対する劣化の割合などが考えられる。また、輝度特性情報を算出して輝度劣化情報として保持する場合なども考えられる。
また、画素アレイ部140とダミー画素アレイ部300とにおける温度は同一であることを想定し、1つの温度情報を信号線208を介して輝度劣化情報更新部221および輝度劣化特性供給部400に供給したが、本発明はこれに限定されるものではない。輝度劣化特性供給部400は、ダミー画素回路の温度を取得できればよい。また、輝度劣化情報更新部221は、各画素回路における温度を取得できればよい。例えば、温度が場所によって異なる場合には、輝度劣化情報更新部221は画素回路に隣接した温度センサからの温度情報を取得し、輝度劣化特性供給部400はダミー画素回路に隣接した温度センサからの温度情報を取得することなどが考えられる。
[輝度劣化特性供給部の構成例]
図12は、本発明の第1の実施の形態における輝度劣化特性供給部400の機能構成例を示すブロック図である。この輝度劣化特性供給部400は、ダミー画素劣化情報生成部410と、ダミー画素劣化情報保持部420と、温度情報取得部430と、温度条件変換部440と、劣化特性生成部460と、劣化特性保持部470とを備える。
ダミー画素劣化情報生成部410は、輝度センサから信号線390を介して供給されたダミー画素輝度情報に基づいて、ダミー画素回路の輝度の劣化量に関する情報(ダミー画素劣化情報)を生成するものである。例えば、このダミー画素劣化情報生成部410は、ダミー画素回路311の初期状態における輝度を予め保持する。そして、このダミー画素劣化情報生成部410は、輝度センサ312による輝度の測定結果(ダミー画素輝度情報)と、ダミー画素回路311の初期状態における輝度とを比較して、ダミー画素回路の劣化量(ダミー画素劣化量)を生成する。このダミー画素劣化情報生成部410は、その生成したダミー画素劣化量をダミー画素劣化情報として、ダミー画素劣化情報保持部420に供給する。
ダミー画素劣化情報保持部420は、ダミー画素劣化情報を保持するものである。このダミー画素劣化情報保持部420は、例えば、輝度検出ユニットが3つ(310、320、330)である場合には、それぞれの輝度検出ユニットにおけるダミー画素に関するダミー画素劣化情報を保持する。このダミー画素劣化情報保持部420は、保持しているダミー画素劣化情報を、温度条件変換部440に供給する。なお、このダミー画素劣化情報保持部420に保持されるダミー画素劣化情報の一例については、図13を参照して説明する。
温度情報取得部430は、温度センサ141から信号線208を介して供給される温度情報を取得して、その取得した温度情報を保持するものである。この温度情報取得部430は、例えば、ダミー画素劣化情報生成部410がダミー画素劣化情報を生成するタイミングに合わせて温度情報を取得し、その取得した温度情報を保持する。この温度情報取得部430は、その保持した温度情報を温度条件変換部440に供給する。
温度条件変換部440は、ダミー画素劣化情報および温度情報に基づいて、所定の温度における劣化特性を算出するものである。この温度条件変換部440は、所定の温度における劣化特性を算出するために、測定期間の劣化から、所定の温度条件において同一の劣化をするための時間を算出し、その時間に関する情報(算出期間情報)を生成する。この温度条件変換部440は、例えば、測定時の温度を示す温度情報が「20℃」であるダミー画素劣化情報を用いて、温度「30℃」において同一量の劣化をするために要する時間を算出する。この時間の算出は、例えば、温度による劣化特性の差を数式化した情報を温度条件変換部440が予め保持し、算出する際にこの数式を用いることにより行われる。この温度条件変換部440は、生成した算出期間情報を、ダミー画素劣化情報とともに、劣化特性生成部460に供給する。なお、この温度条件変換部440による算出期間情報の生成の一例については、図14(a)を参照して説明する。
劣化特性生成部460は、算出期間情報およびダミー画素劣化情報に基づいて、所定の温度における画素回路の劣化特性を生成するものである。例えば、この劣化特性生成部460は、温度を「30℃」として算出された算出期間情報と、その算出期間情報の算出に用いられたダミー画素劣化情報を用いて、温度条件が「30℃」で一定である場合における画素回路の劣化特性を生成する。この劣化特性生成部460は、生成した劣化特性を、劣化特性保持部470に供給する。なお、この劣化特性生成部460による劣化特性の生成の一例については、図14(b)を参照して説明する。
劣化特性保持部470は、劣化特性生成部460から供給された劣化特性を保持するものである。この劣化特性保持部470は、その保持した劣化特性を、信号線401を介して輝度劣化情報更新部221に供給する。また、この劣化特性保持部470は、その保持した劣化特性を、信号線402を介して対象輝度特性情報生成部232に供給する。
なお、本発明の第1の実施の形態では、温度条件変換部440は算出期間情報を算出することを想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。この温度条件変換部440は、劣化特性生成部460において劣化特性が生成できるような情報を生成するものであればよい。例えば、温度条件変換部440は、ダミー画素輝度情報の取得間隔が長い場合などにおいて、算出期間における特性の傾きを算出する例なども考えられる。
また、この図12において、ダミー画素輝度情報の輝度と初期状態における輝度とを比較してダミー画素劣化量を生成したが、本発明はこれに限定されるものではない。ダミー画素劣化量は、劣化に関する情報であればよい。
[輝度測定例とダミー画素劣化情報の一例と温度情報の一例]
図13は、本発明の第1の実施の形態における3つの輝度センサによる輝度測定例と、ダミー画素劣化情報の一例と、温度情報の一例とを示す図である。
また、この図13では、便宜上、輝度センサによる輝度の測定回数は3回であることおよびダミー画素回路は所定の発光信号で発光していることを想定する。
図13(a)には、異なる3つの階調値(100、150および200)で発光する3つのダミー画素回路の輝度の劣化の測定例を示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を発光時間を示す軸として、所定の発光信号(階調値「100、150、200」)で発光させたダミー画素回路の輝度の測定結果である測定劣化特性411、412および413が示されている。なお、この図13(a)で示すグラフの縦軸では、縦軸と横軸が交差する原点に近いほど初期状態のダミー画素回路に近い状態(劣化が小さい状態)を示し、縦軸の下方に向かうほど輝度が弱い状態(劣化が大きい状態)を示す。
また、この図13(a)では、輝度を測定した期間として、1回目の測定を示す測定期間(1)T1、2回目の測定を示す測定期間(2)T2、および、3回目の測定を示す測定期間(3)T3が示されている。また、この図13(a)では、測定期間(1)T1におけるダミー画素回路の温度は20℃であり、測定期間(2)T2におけるダミー画素回路の温度は40℃であり、測定期間(3)T3におけるダミー画素回路の温度は30℃であることを想定する。
測定劣化特性(階調値100)411は、階調値「100」の発光信号で発光させたダミー画素回路の輝度の測定結果を模式的に示す劣化特性である。この測定劣化特性(階調値100)411には、ダミー画素回路の温度が測定期間ごとに異なるため、劣化の特性が測定期間ごとに異なることが示されている。この測定劣化特性(階調値100)411のうちの測定期間(1)「T1」における特性は、温度20℃における劣化の特性(例えば、図8の劣化特性(温度20℃)694)に従ってダミー画素回路が劣化したことに起因する特性である。また、この測定劣化特性(階調値100)411のうちの測定期間(2)「T2」における特性は、温度40℃における劣化の特性(例えば、図8の劣化特性(温度40℃)696)に従ってダミー画素回路が劣化したことに起因する特性である。さらに、この測定劣化特性(階調値100)411のうちの測定期間(3)「T3」における特性は、温度30℃における劣化の特性(例えば、図8の劣化特性(温度30℃)695)に従ってダミー画素回路が劣化したことに起因する特性である。
測定劣化特性(階調値150)412は、階調値「150」の発光信号で発光させたダミー画素回路の輝度の測定結果を模式的に示す劣化特性である。この測定劣化特性(階調値150)412には、階調値「150」の発光信号による劣化は階調値「100」の発光信号による劣化よりも急激に劣化が進行することが示されている。なお、この測定劣化特性(階調値150)412における測定期間ごとの特性については、測定劣化特性(階調値100)411の説明と同様であるため、ここでの説明を省略する。
測定劣化特性(階調値200)413は、階調値「200」の発光信号で発光させたダミー画素回路の輝度の測定結果を模式的に示す劣化特性である。この測定劣化特性(階調値200)413には、階調値「200」の発光信号による劣化は階調値「150」の発光信号による劣化よりも急激に劣化が進行することが示されている。
この図13(a)に示すように、ダミー画素回路の劣化は、発光時における温度の影響を受ける。
図13(b)には、図13(a)の測定期間(3)T3の終了時にダミー画素劣化情報保持部420に保持されるダミー画素劣化情報の一例を模式的に示す表が示されている。
なお、この図13(b)では、測定時の輝度(ダミー画素輝度情報)の強度を、初期状態のダミー画素回路に対する割合(%)で模式的に示したものをダミー画素劣化情報として示す。なお、本発明の実施の形態では、図13(b)等の表内に示す各値として、説明の容易のため、簡略化した値を例示し、実際の測定値の記載を省略する。
この図13(b)の列421には、測定期間(1)T1における輝度の測定結果に基づいて生成され、測定期間(1)T1の間にダミー画素劣化情報保持部420に保持されたダミー画素劣化情報が示されている。同様に、列422には測定期間(2)T2の間に保持されたダミー画素劣化情報が示され、列423には測定期間(3)T3の間に保持されたダミー画素劣化情報が示されている。
また、この図13(b)の行424には、階調値「100」の発光信号に基づいて発光させたダミー画素回路の輝度の測定結果に基づいて生成されたダミー画素劣化情報が示されている。同様に、行425には階調値「150」で発光させたダミー画素回路のダミー画素劣化情報が示され、行426には階調値「200」で発光させたダミー画素回路のダミー画素劣化情報が示されている。
この図13(b)には測定期間(3)T3の終了時におけるダミー画素劣化情報を示したが、この後、4回目の測定期間(図示せず)が終了すると、この測定期間における輝度に基づくダミー画素劣化情報がダミー画素回路ごとに保持される。
この図13(b)に示すように、ダミー画素劣化情報保持部420には、ダミー画素回路ごとに生成されたダミー画素劣化情報が、測定期間ごとに順次保持される。
図13(c)には、図13(a)の測定期間(3)T3の終了時に温度情報取得部430に保持される温度情報の一例を模式的に示す表が示されている。
この図13(c)の列431には、図13(a)の測定期間(1)T1において温度センサ141が検出し、測定期間(1)T1の間に温度情報取得部430に保持された温度情報(20℃)が示されている。同様に、列432には測定期間(2)T2の間に保持された温度情報(40℃)が示され、列433には測定期間(3)T3の間に保持された温度情報(30℃)が示されている。
この図13(c)には測定期間(3)T3の終了時における温度情報を示したが、この後、4回目の測定期間(図示せず)が終了すると、この測定期間において検出された温度を示す温度情報が温度情報取得部430に保持される。
この図13(c)に示すように、温度情報取得部430には、測定期間ごとの温度情報が、測定期間ごとに順次保持される。
[温度条件変換および劣化特性生成の一例]
図14は、本発明の第1の実施の形態における温度条件変換部440による温度条件変換の一例および劣化特性生成部460による劣化特性生成の一例を示す図である。
図14(a)には、温度条件変換部440による温度条件変換の一例を模式的に示すグラフが示されている。なお、この図14では、ダミー画素回路の温度が「30℃」である場合における劣化特性を生成することを想定して説明する。
このグラフでは、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を劣化に要する時間を示す軸として、図13(a)において示した測定劣化特性を温度条件変換したものである変換特性441乃至449が実線の曲線で示されている。また、図13(a)において示した測定劣化特性411乃至413が破線の曲線で示されている。
なお、このグラフに示されている算出期間(1)T11には、図13(a)における測定期間(1)T1の特性と同程度に劣化をするために必要な時間の量(算出期間情報)が示されている。すなわち、この算出期間(1)T11は、「30℃」において変換特性441乃至443の劣化に必要な時間の量を示す。同様に、算出期間(2)T12では測定期間(2)T2の特性と同程度に劣化をするために必要な時間の量が示され、算出期間(3)T13では測定期間(3)T3の特性と同程度に劣化をするために必要な時間の量が示されている。
変換特性441乃至443は、図13(a)において示した測定劣化特性411乃至413における測定期間(1)T1の間の特性を温度条件変換したものを示す曲線である。この変換特性441乃至443は、測定劣化特性411乃至413における測定期間(1)T1の間の特性の温度条件を、「20℃」から「30℃」に変換することにより生成される。この変換特性441乃至443の傾きは、測定時の温度が「20℃」より「30℃」の方が劣化が速く進むために、測定劣化特性411乃至413における測定期間(1)T1の特性の傾きよりも大きくなる。また、測定時の温度は「20℃」であるため、算出期間(1)T11は、測定期間(1)T1の時間よりも短くなる。
変換特性444乃至446は、図13(a)において示した測定劣化特性411乃至413における測定期間(2)T2の間の特性を温度条件変換したものを示す曲線である。この変換特性444乃至446は、測定劣化特性411乃至413における測定期間(2)T2の間の特性の温度条件を、「40℃」から「30℃」に変換することにより生成される。この変換特性444乃至446の傾きは、測定時の温度が「40℃」より「30℃」の方が劣化が遅く進むために、測定劣化特性411乃至413における測定期間(2)T2の特性の傾きよりも小さくなる。また、測定時の温度は「40℃」であるため、算出期間(2)T12)は、測定期間(2)T2の時間よりも長くなる。
変換特性447乃至449は、図13(a)において示した測定劣化特性411乃至413における測定期間(3)T3の間の特性を温度条件変換したものを示す曲線である。この変換特性447乃至449は、測定劣化特性411乃至413における測定期間(3)T3の間の特性の温度条件が「30℃」であるため、測定劣化特性411乃至413における測定期間(3)T3の間の特性と同一のものである。また、算出期間(1)T11)の長さも、測定期間(1)T1の長さと同一である。
このように、温度条件変換部440によって、所定の温度の場合における劣化特性を生成するために、算出期間情報が生成される。
図14(b)には、劣化特性生成部460による劣化特性生成の一例を模式的に示すグラフが示されている。この図14(b)では、図14(a)において示した情報に基づいて劣化特性を生成する場合を想定して説明する。
このグラフでは、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を劣化に要する時間を示す軸として、図14(a)において示した変換特性441乃至449を連結したものである算出特性454乃至456が実線の曲線で示されている。また、劣化特性生成部460により生成される劣化特性464乃至466が破線の曲線で示されている。
算出特性(階調値100)454は、測定劣化特性(階調値100)411(図13(a)参照)に基づいて生成された変換特性441、444および447(図14(a)参照)を連結することにより算出された特性である。この算出特性(階調値100)454は、温度が「30℃」で一定の条件において、測定劣化特性(階調値100)411と同量(図13(b)の列423における行424に記された劣化量)の劣化をするまでの特性である。この算出特性(階調値100)454は、例えば、階調値「100」で発光させたダミー画素回路のダミー画素劣化情報が示す劣化量を、算出期間情報が示す期間の間隔で配置し、そしてフィッテングを行うことにより生成される。
算出特性(階調値150)455は、測定劣化特性(階調値150)412(図13(a)参照)に基づいて生成された変換特性442、445および448(図14(a))を連結することにより算出された劣化特性である。
算出特性(階調値200)456は、測定劣化特性(階調値200)413(図13(a)参照)に基づいて生成された変換特性443、446および449(図14(a))を連結することにより算出された劣化特性である。
なお、算出特性(階調値150)455および算出特性(階調値200)456は、階調値が「150」および「200」である以外は、算出特性(階調値100)454と同様のものであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
このように、劣化特性生成部460は、まず、温度条件変換部440により生成された変換特性を用いて、算出特性を生成する。そして、劣化特性生成部460は、この生成した算出特性を用いて、劣化特性を生成する。
劣化特性(階調値100)464は、算出特性(階調値100)454から算出された劣化特性である。この劣化特性(階調値100)464は、例えば、算出特性(階調値100)454を用いて近似曲線を生成することにより生成される。
劣化特性(階調値150)465は、算出特性(階調値150)455から算出された劣化特性である。
劣化特性(階調値200)466は、算出特性(階調値200)456から算出された劣化特性である。
なお、劣化特性(階調値150)465および劣化特性(階調値200)466は、階調値が「150」および「200」である以外は、劣化特性(階調値100)464と同様のものであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
[複数の温度における劣化特性の一例]
図15は、本発明の第1の実施の形態において劣化特性生成部460により生成される温度ごとの劣化特性の一例を模式的に示す図である。この図15では、「20℃」、「30℃」および「40℃」の温度条件における劣化特性を劣化特性生成部460が生成し、その生成された劣化特性を劣化特性保持部470が保持することを想定して説明する。この図15では、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を劣化に要する時間を示す軸とする3つのグラフ(「20℃」、「30℃」および「40℃」)が示されている。
図15(a)には、温度条件が「20℃」の劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、測定劣化特性411乃至413の各測定期間の劣化の温度条件を「20℃」にして生成された算出特性が、実線の曲線(算出特性451乃至453)で示されている。また、算出特性451乃至453から算出された劣化特性(劣化特性461乃至463)が破線の曲線で示されている。
なお、算出特性451乃至453は、温度条件が「20℃」である以外は、図14(b)において示した算出特性454乃至456と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。また、劣化特性461乃至463は、温度条件が「20℃」である以外は、図14(b)において示した劣化特性464乃至466と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
この図15(a)には、算出特性451乃至453の劣化量を示す劣化量D1乃至D3が示されている。なお、この劣化量D1乃至D3は、算出特性451乃至453の劣化量と測定劣化特性411乃至413の測定期間(3)T3の終了時の劣化量とが同量のため、図15(a)乃至(c)において同一の劣化量を示している。
また、この図15(a)には、温度条件「20℃」において劣化量D1乃至D3ほど劣化するために要する期間として、期間T21が示されている。なお、この期間T21は、温度条件を「20℃」として算出した算出期間を合算したものである。
この図15(a)に示す劣化特性461乃至463は、温度条件「20℃」における画素回路の劣化(輝度劣化情報)を算出するための劣化特性として、輝度劣化情報更新部221に供給される。
図15(b)には、温度条件が「30℃」の劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。この図15(b)において示すグラフは、図14(b)において示したグラフと同一のものである。また、この図15では、温度条件「30℃」において劣化量D1乃至D3ほど劣化するために要する期間として、期間T22が示されている。なお、温度条件「20℃」における劣化速度よりも温度条件「30℃」における劣化速度の方が速いため、この期間T22は、期間T21よりも短い期間となる。
この図15(b)に示す劣化特性464乃至466は、温度条件「30℃」における画素回路の劣化(輝度劣化情報)を算出するための劣化特性として、輝度劣化情報更新部221に供給される。
図15(c)には、温度条件が「40℃」の劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。この図15(c)において示す算出特性457乃至459および劣化特性467乃至469は、温度条件が「40℃」である以外は、図15(a)および(b)において示した算出特性および劣化特性と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。また、この図15(c)では、温度条件「40℃」において劣化量D1乃至D3ほど劣化するために要する期間として、期間T23が示されている。なお、温度条件「30℃」における劣化速度よりも温度条件「40℃」における劣化速度の方が速いため、この期間T23は、期間T22よりも短い期間となる。
この図15(c)に示す劣化特性467乃至469は、温度条件が「40℃」である場合における画素回路の劣化(輝度劣化情報)を算出するための劣化特性として、輝度劣化情報更新部221に供給される。
このように、劣化特性生成部460によって、温度条件の変換により生成した複数の算出特性に基づいて、複数の温度条件における劣化特性が生成される。
なお、この本発明の第1の実施の形態では、3つの温度条件(「20℃」、「30℃」および「40℃」)における3つの階調値(「100」、「200」および「300」)の劣化特性を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、より多くの温度条件や階調値に関して劣化特性を生成することにより、画素回路ごとの輝度劣化情報の生成の精度を向上させることなどが考えられる。
また、この本発明の第1の実施の形態では、劣化特性保持部470が保持するものを劣化特性としているが、実際に保持されるものとして、生成した劣化特性を数式で示したものが考えられる。
[輝度劣化情報の生成例]
次に、図15において示した劣化特性461乃至469を用いて輝度劣化情報を更新する例について、図16を参照して説明する。
図16は、本発明の第1の実施の形態における輝度劣化情報更新部221による輝度劣化情報の生成例を示す概念図である。
なお、この図16では、5回の輝度劣化情報の更新が行われたことを想定する。また、輝度劣化情報の更新は1分間間隔で行われることとする。この図16において示す輝度劣化情報が指し示す画素回路の最初(1回目)の1分間の発光は、温度が「30℃」である環境において階調値が「150」の発光信号による発光であることとする。2回目の発光は温度が「30℃」である環境において階調値が「200」の発光信号による発光であることとし、3回目の発光は温度が「40℃」である環境において階調値が「150」の発光信号による発光であることとする。また、4回目の発光は温度が「20℃」である環境において階調値が「200」の発光信号による発光であることとし、5回目の発光は温度が「40℃」である環境において階調値が「200」の発光信号による発光であることとする。
この図16では、縦軸を画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を劣化に要する時間を示す軸とする3つのグラフ(劣化特性471乃至473)が示されている。
劣化特性(20℃)471には、図15において示した劣化特性461乃至463が破線の曲線で示されている。また、この劣化特性(20℃)471には、4回目の輝度劣化情報の更新において加算する劣化量を算出するための時間が、劣化時間(4)T34として示されている。さらに、この劣化特性(20℃)471には、4回目の輝度劣化情報の更新において加算される新たな劣化量が、劣化量D34として示されている。また、劣化特性463における劣化量D34に相当する区間が実線の曲線で示されている。
劣化特性(30℃)472には、図15において示した劣化特性464乃至466が破線の曲線で示されている。この劣化特性(30℃)472には、1回目および2回目の輝度劣化情報の更新において加算する劣化量を算出するための時間が、劣化時間(1)T31および劣化時間(2)T32として示されている。さらに、この劣化特性(30℃)472には、1回目および2回目の輝度劣化情報の更新において加算される新たな劣化量が、劣化量D31およびD32として示されている。また、劣化特性466における劣化量D32に相当する区間と、劣化特性465における劣化量D31に相当する区間とが実線の曲線で示されている。
劣化特性(40℃)473には、図15において示した劣化特性467乃至469が破線の曲線で示されている。この劣化特性(40℃)473には、3回目および5回目の輝度劣化情報の更新において加算する劣化量を算出するための時間が、劣化時間(3)T33および劣化時間(5)T35として示されている。さらに、この劣化特性(40℃)473には、3回目および5回目の輝度劣化情報の更新において加算される新たな劣化量が、劣化量D33およびD35として示されている。また、劣化特性468における劣化量D33に相当する区間と、劣化特性469における劣化量D35に相当する区間とが実線の曲線で示されている。
ここで、輝度劣化情報更新部221による輝度劣化情報の更新について、1回目、2回目および3回目の更新を用いて簡単に説明する。
まず、1回目の更新では、輝度劣化情報更新部221は、階調値が「150」の発光信号と、「30℃」を示す温度情報と、劣化特性465と、輝度劣化情報(無劣化を示す)とから、劣化量D31を算出する。そして、この劣化量D31に関する情報が、輝度劣化情報として輝度劣化情報保持部222に保持される。
続いて、2回目の更新では、輝度劣化情報更新部221は、階調値が「200」の発光信号と、「30℃」を示す温度情報と、劣化特性466と、輝度劣化情報(劣化量D31を示す情報)とから、劣化量D32を算出する。そして、輝度劣化情報更新部221は、輝度劣化情報(劣化量D31を示す情報)に劣化量D32を加算した新たな輝度劣化情報(劣化量D31+D32を示す情報)を輝度劣化情報保持部222に保持させる。
続いて、3回目の更新では、輝度劣化情報更新部221は、階調値が「150」の発光信号と、「40℃」を示す温度情報と、劣化特性468と、輝度劣化情報(劣化量D31+D32)とから、劣化量D33を算出する。そして、輝度劣化情報更新部221は、輝度劣化情報(劣化量D31+D32を示す情報)に劣化量D33を加算した新たな輝度劣化情報(劣化量D31+D32+D33を示す情報)を輝度劣化情報保持部222に保持させる。
このように、輝度劣化情報更新部221によって、各劣化期間の劣化量が加算されることにより輝度劣化情報が生成される。
なお、この図16では、劣化特性461乃至469を用いて輝度劣化情報の生成をしたが、より多くの温度条件や階調値に関する劣化特性を用いることにより、輝度劣化情報の精度(正確性)を向上させることができる。
[輝度劣化補正パターンの生成例]
図17は、本発明の第1の実施の形態における輝度劣化補正値算出部233による輝度劣化補正パターンの生成例を示す図である。この図17では、輝度劣化情報保持部222に保持されている輝度劣化情報に基づいて輝度劣化補正パターン保持部234の輝度劣化補正パターンが生成されるまでの流れを模式的に説明する。なお、ここでは、便宜上、表示装置100に備えられている画素回路を、1乃至tにより識別するものとする。また、この図17では、輝度劣化情報は、温度条件「30℃」における階調値「100」による発光時間に劣化量を換算した値とする。
輝度劣化情報(n−1)260は、輝度劣化情報保持部222に保持されている輝度劣化情報である。図17に示す例では、輝度劣化情報として、n−1(nは2以上の整数)回目の1分間の間の表示に基づいて輝度劣化情報保持部222に保持される輝度劣化情報を示す。この輝度劣化情報(n−1)は、n回目の1分間の間の表示を補正する輝度劣化補正パターン(n)270を生成するために用いられる。この輝度劣化情報(n−1)260における左側のカラム(画素番号261)には、画面を構成する画素回路の番号である画素番号「1」、「2」、「i」および「t」が示されている。
また、輝度劣化情報(n−1)260における右側のカラム(劣化情報262)には、画素番号の画素回路に関する輝度劣化情報(劣化情報)が示されている。ここで、画素番号261「i」に対応する画素回路は、劣化が比較的大きい画素回路であり、画素番号261「1」、「2」および「t」に対応する画素回路は、劣化が比較的小さい画素回路であるものとする。例えば、画素番号261「i」に対応する輝度劣化情報として、「160」時間が保持され、画素番号261「1」、「2」および「t」に対応する輝度劣化情報として、「100」時間が保持されているものとする。
また、輝度劣化情報(n−1)260に保持されている劣化情報262(点線263内に示す)は、輝度劣化情報更新部221により更新されて対象輝度特性情報生成部232に取得される。
このような輝度劣化情報(n−1)260が輝度劣化情報保持部222に保持されている場合において、輝度劣化補正パターン生成部230は、n回目の輝度劣化補正パターンの更新を行う。
ここで、一例として、画素番号261「1」の対象輝度特性情報が輝度劣化補正値算出部233に供給される過程について説明する。まず、対象輝度特性情報生成部232によって、画素番号261「1」の劣化情報262の「100」時間が取得され、劣化特性を用いて画素回路の劣化量が算出される。そして、対象輝度特性情報生成部232は、その算出した劣化量から輝度特性情報(ここでは、「h」とする)を生成し、その生成した輝度特性情報「h」を対象輝度特性情報として輝度劣化補正値算出部233に供給する。
その後、輝度劣化補正値算出部233によって、基準輝度特性情報と対象輝度特性情報とに基づいて画素回路ごとの輝度劣化補正値が生成される。例えば、基準輝度特性情報供給部231から基準輝度特性情報として「g」が供給されている場合には、輝度劣化補正値として「h/g」が生成される。なお、この輝度劣化補正値については、図18を参照して詳細に説明する。
次に、輝度劣化補正値算出部233によって生成された画素回路ごとの輝度劣化補正値により構成される輝度劣化補正パターンについて説明する。
輝度劣化補正パターン(n)270は、輝度劣化補正値算出部233により生成される輝度劣化補正パターンを模式的に表すものである。図17に示す例では、輝度劣化補正値算出部233により生成された画素回路ごとの輝度劣化補正値を、表示画面を構成する画素の配置に合わせて配置した場合における輝度劣化補正パターンを模式的に表す。具体的には、輝度劣化補正パターン(n)270は、輝度劣化情報(n−1)に基づいて生成された輝度劣化補正値により構成される補正パターンの一例である。また、この輝度劣化補正パターン(n)270は、更新がn回目の輝度劣化補正パターンであり、n回目の1分間の間に表示される各フレームに関する映像信号を補正するための輝度劣化補正パターンである。
この輝度劣化補正パターン(n)270における輝度劣化補正値C1は、輝度劣化情報(n−1)260において示した画素番号261「1」に対応する画素回路を補正するための輝度劣化補正値である。また、輝度劣化補正パターン(n)270における輝度劣化補正値C1の位置は、画素番号261「1」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。また、輝度劣化補正値C2、CiおよびCtも輝度劣化補正値C1と同様に、輝度劣化情報(n−1)260において示した画素番号2、iおよびtに対応する画素回路に供給される映像信号を補正するための輝度劣化補正値である。また、輝度劣化補正パターン(n)270における輝度劣化補正値C2、CiおよびCtの位置は、画素番号261「2」、「i」および「t」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。
また、この輝度劣化補正パターン(n)270における画素領域271乃至274は、画素領域271乃至274以外の画素回路よりも映像信号の階調値を大きくする輝度劣化補正値が配置されている領域を表している。また、画素領域271乃至274以外の画素回路は、映像信号の階調値を僅かに大きくする輝度劣化補正値が配置されている領域を表している。すなわち、画素領域271乃至274は、劣化の大きい画素回路に関する輝度劣化補正値が配置されている領域を示し、画素領域271乃至274以外の画素回路は、劣化の小さい画素回路に関する輝度劣化補正値が配置されている領域を示す。
このように、輝度劣化補正値算出部233によって、画素回路ごとの輝度の劣化の度合いに応じてその画素回路で表示される映像信号の階調値を変更するための輝度劣化補正値が生成される。そして、この輝度劣化補正値が全ての画素回路について生成されることによって、表示画面を構成する各画素回路の補正を適切に行うことができる。
[画素回路の輝度劣化の補正例]
図18は、温度ごとの劣化特性を生成しない場合における画素回路の輝度劣化の補正の一例と、本発明の第1の実施の形態における画素回路の輝度劣化の補正の一例とを示す図である。
図18(a)には、温度ごとの劣化特性を生成しない場合における画素回路の輝度劣化の補正の一例を模式的に示すグラフが示されている。この図18(a)では、輝度劣化特性供給部400は、温度条件変換部440において変換特性を生成しないで劣化特性を生成することを想定する。すなわち、この図18(a)では、図13において示した測定劣化特性411乃至413をそのままフィッテングした結果が劣化特性として輝度劣化情報更新部221に供給されることとする。また、この図18(a)では、この不正確な劣化特性に基づいて不正確な輝度劣化情報が生成され、そして、この不正確な輝度劣化情報に基づいて不正確な輝度劣化補正値が生成されることを想定する。
この図18(a)では、横軸を焼き付き補正部200に入力される映像信号の階調の値(入力階調値)とし、縦軸を画素回路による発光の輝度の値(輝度値)とする2つのグラフ(補正前輝度特性グラフ281および補正後輝度特性グラフ282)を示す。
補正前輝度特性グラフ(誤差有)281は、温度ごとの劣化特性を生成しない場合における画素回路の輝度劣化の補正の一例を示すグラフである。この補正前輝度特性(誤差有)グラフ281には、基準輝度特性285と、補正対象輝度特性(誤差有)286と、補正対象輝度特性(実際)287とが示されている。
基準輝度特性285は、補正の基準となる初期状態の画素回路の輝度特性を示す曲線である。なお、この基準輝度特性285は、図18(a)および(b)において示されるグラフにおいて同一のものであるため、これ以降での説明を省略する。
補正対象輝度特性(誤差有)286は、補正対象の画素回路の輝度特性であり、温度ごとの劣化特性が無いことによる不正確な輝度劣化情報に基づく輝度特性を示す曲線である。すなわち、この補正対象輝度特性(誤差有)286は、焼き付き補正部200において補正に用いられる対象輝度特性情報が示す輝度特性を示す。
また、この補正対象輝度特性(誤差有)286は、基準輝度特性285よりも曲線の傾きが緩やかになっている。この傾きの変化は、画素回路の劣化が生じるため(主に、発光素子640における駆動電流を輝度に変換する効率の劣化が生じるため)に発生する。
補正対象輝度特性(実際)287は、補正対象の画素回路の実際の輝度特性を示す。なお、焼き付き補正部200において補正に用いられる対象輝度特性情報の正確性が高ければ、対象輝度特性情報が示す輝度特性(補正対象輝度特性(誤差有)286)は、この補正対象輝度特性(実際)287に近い輝度特性となる。
この図18(a)の補正対象輝度特性(誤差有)286に示すような輝度特性に基づいて輝度劣化補正値が算出され、映像信号の階調値の変更が行われる。具体的には、入力階調値に対する発光の輝度が基準輝度特性285と同様になるように、画素回路に供給する映像信号の階調値が変更される。
ここで、輝度特性および補正方法について説明する。
まず、輝度特性について説明する。この輝度特性は、例えば、次の式3に示す二次関数により表現される。
L=A×S2 ・・・式3
ここで、Lは、輝度値である。また、Aは、発光素子640における電流を輝度に変換する効率に応じて定まる係数(効率係数)である。
この式3において、Sは、駆動トランジスタ620のゲート−ソース間電圧に相当する値である。また、S2は、駆動トランジスタ620の2乗特性を用いて算出した値であって、発光素子640に供給される駆動電流に相当する値である。このように、駆動電流S2に発光素子640の変換効率Aを乗算することによって、輝度値Lを算出することができる。
次に、焼き付き補正部200の補正方法について説明する。焼き付き補正部200は、次の式4に基づいて映像信号の階調を変更する。
Sout=(ΔA)−1/2×Sin ・・・式4
ΔA=Ad/A ・・・式5
ここで、Soutは、焼き付き補正部200により補正された映像信号の階調値である。また、Sinは、焼き付き補正部200により補正される前の映像信号の階調値である。また、ΔAは、式5に示すように、補正対象画素回路の効率係数(Ad)を分子とし、初期状態の画素回路の効率係数(A)を分母とした変換効率の比を示す分数の値(輝度劣化補正値)である。なお、補正対象画素回路の効率係数(Ad)は、対象輝度特性情報生成部232(図11を参照)が供給する対象輝度特性情報の一例である。また、初期状態の画素回路の効率係数(A)は、基準輝度特性情報供給部231(図11を参照)が供給する基準輝度特性情報の一例である。
この式4に基づいて映像信号の階調値を変更するために、焼き付き補正部200は、画素回路のそれぞれの劣化についての情報(輝度劣化情報)を保持し、その劣化の情報から画素回路のそれぞれの効率係数を算出する。そして、焼き付き補正部200は、輝度劣化補正値ΔAを算出し、この算出した輝度劣化補正値ΔAに基づいて映像信号の階調を変更することによって、映像信号の補正された階調の値(補正階調値)を生成する。
補正後輝度特性グラフ(誤差有)282は、温度ごとの劣化特性を生成しない場合における画素回路の輝度劣化の補正結果の一例を示すグラフである。この補正後輝度特性グラフ282には、基準輝度特性285と、補正後輝度特性(実際)288とが示されている。
補正後輝度特性(実際)288は、補正対象輝度特性(誤差有)286に基づいて補正が行われた場合における補正対象の画素回路の補正結果を示す輝度特性である。この補正後輝度特性(実際)288は、基準輝度特性285よりも曲線の傾きが僅かながらに緩やかになっている。この傾きの違いは、輝度劣化補正値が補正対象輝度特性(誤差有)286に関する輝度特性情報から生成されるために発生する。すなわち、補正対象輝度特性(誤差有)286の輝度特性と、補正対象の画素回路の実際の輝度特性との間に誤差があるため、補正後の輝度特性が基準輝度特性285からこの誤差の分だけズレてしまう。
このように、温度ごとの劣化特性を生成しない場合には、輝度劣化情報が不正確になることにより、画素回路の輝度劣化の補正が不正確になる。
図18(b)には、本発明の第1の実施の形態における画素回路の輝度劣化の補正の一例を模式的に示すグラフが示されている。この図18(b)では、横軸を入力階調値を示す軸とし、縦軸を輝度値を示す軸とする2つのグラフ(補正前輝度特性グラフ283および補正後輝度特性グラフ284)を示す。
補正前輝度特性グラフ(誤差無)283は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200による画素回路の輝度劣化の補正の一例を示すグラフである。この補正前輝度特性(誤差無)グラフ283には、基準輝度特性285と、補正対象輝度特性(誤差無)289とが示されている。
補正対象輝度特性(誤差無)289は、補正対象の画素回路の輝度特性であり、温度ごとの劣化特性を用いて正確に(精度よく)生成された輝度劣化情報に基づく輝度特性を示す曲線である。すなわち、この補正対象輝度特性(誤差無)289は、焼き付き補正部200において補正に用いられる対象輝度特性情報が示す輝度特性を示す。また、この図18では、補正対象輝度特性(誤差無)289は、図18(a)において示した補正対象輝度特性(実際)287と同様の特性であることとする。
この図18(b)に示す本発明の第1の実施の形態では、補正対象輝度特性(誤差無)289に示すような正確な輝度特性に基づいて輝度劣化補正値が算出され、映像信号の階調値の変更が行われる。
補正後輝度特性グラフ(誤差無)284は、温度ごとの劣化特性を用いた場合における画素回路の輝度劣化の補正結果の一例を示すグラフである。この補正後輝度特性グラフ(誤差無)284では、補正対象輝度特性(誤差無)289に基づいて映像信号を補正することにより、劣化した画素回路における入力値に対する輝度値が、基準輝度特性285のものと同様になることが示されている。
このように、焼き付き補正部200において温度ごとの劣化特性を用いることによって、画素回路ごとの劣化した輝度特性を精度よく算出することができる。そして、焼き付き補正部200においてその精度よく算出された輝度特性を用いることにより、補正を精度よく行うことができる。
なお、本発明の第1の実施の形態では、劣化が起きていない初期状態の画素回路の輝度を補正の基準とする例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、劣化が最も大きい画素回路の輝度を補正の基準とする場合なども考えられる。
[補正後の表示例]
図19は、本発明の第1の実施の形態における映像信号の補正の効果を示す概念図である。
ここでは、図18(a)において示した温度ごとの劣化特性を生成しない場合における補正の効果を図19(a)に示し、図18(b)において示した本発明の第1の実施の形態における補正の効果を図19(b)に示す。また、ここでは、表示装置100の表示画面に、文字(ABCD)の焼き付きが生じていることを想定する。
図19(a)には、温度ごとの劣化特性を生成しない場合における表示画面の比較例が示されている。ここでは、高階調の映像信号を用いて、表示画面を均一な輝度で発光させる場合を想定する。
表示画面291は、補正されていない映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域292は、表示画面291において焼き付きが生じた画素回路(劣化の程度が大きい画素回路)に対応する領域を表している。図19(a)では、この焼き付き表示領域292には、文字「ABCD」が灰色で示されている。また、表示画面291における焼き付き表示領域292以外の領域(白色で表されている領域)は、ほとんど劣化していない画素回路に対応する領域である。このように、映像信号が補正されない場合には、劣化した画素回路の輝度が低くなるため、焼き付き表示領域292に「ABCD」が表示される。
表示画面293は、補正された映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域294は、表示画面291における焼き付き表示領域292に対応する領域を表している。この焼き付き表示領域294には、図19(a)に示すように不正確に補正されたため、表示画面291における焼き付き表示領域292以外の領域よりも低い輝度だが補正する前よりも高い輝度で「ABCD」が表示される。なお、表示画面293のほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度も、表示画面291における焼き付き表示領域292以外の領域よりも低い輝度だが補正する前よりも高い輝度になるように補正される。
図19(b)には、本発明の第1の実施の形態における補正後の表示画面の比較例が示されている。
表示画面295は、補正されていない映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域296は、表示画面295において焼き付きが生じた画素回路(劣化の程度が大きい画素回路)に対応する領域を表している。図19(b)では、この焼き付き表示領域296には、文字「ABCD」が灰色で示されている。また、表示画面295における焼き付き表示領域296以外の領域(白色で表されている領域)は、ほとんど劣化していない画素回路に対応する領域である。このように、映像信号が補正されない場合には、劣化した画素回路の輝度が低くなるため、図19(a)と同様に、焼き付き表示領域296に「ABCD」が表示される。
表示画面297は、補正された映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域298は、表示画面295における焼き付き表示領域296に対応する領域を表している。この焼き付き表示領域298には、図19(b)に示すように正確に補正され、ほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度と同一になったため、「ABCD」が表示されない。なお、表示画面297のほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度も、初期状態の画素回路の輝度になるように補正される。
このように、劣化した画素回路による発光の輝度が、初期状態の画素回路による発光の輝度となるように精度よく補正されることによって、焼き付きを精度よく解消することができる。
[焼き付き補正部の動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の動作について図面を参照して説明する。
図20は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の輝度劣化特性供給部400による劣化特性の生成処理手順例を示すフローチャートである。この図20では、1つの測定期間(例えば、図13(a)の測定期間(3)T3におけるダミー画素輝度情報の取得から、そのダミー画素輝度情報を用いた劣化特性の生成まで)の処理手順例を示す。
まず、温度センサ141により生成された温度情報が温度情報取得部430により取得され、その取得された温度情報が保持される(ステップS911)。次に、輝度センサ312により生成されたダミー画素の輝度の情報(ダミー画素輝度情報)がダミー画素劣化情報生成部410により取得される(ステップS912)。
そして、その取得されたダミー画素輝度情報に基づいて、ダミー画素劣化情報生成部410により、ダミー画素の劣化の情報(ダミー画素劣化情報)が生成される(ステップS913)。次に、その生成されたダミー画素劣化情報が、ダミー画素劣化情報保持部420により保持される(ステップS914)。
その後、全てのダミー画素回路についてのダミー画素劣化情報が保持されたか否かが判断される(ステップS915)。そして、全てのダミー画素回路について保持されていないと判断された場合には、ステップS912に戻り、まだダミー画素劣化情報が保持されていないダミー画素回路に関するダミー画素劣化情報の生成処理が行われる。
一方、全てのダミー画素回路についてのダミー画素劣化情報が保持されたと判断された場合には(ステップS915)、温度情報とダミー画素劣化情報とに基づいて、ダミー画素劣化情報の温度条件の変換が温度条件変換部440により行われる(ステップS916)。このステップS916により、算出期間情報が生成される。そして、ダミー画素劣化情報および算出期間情報に基づいて、劣化特性生成部460により、劣化特性が生成される(ステップS917)。続いて、その生成された劣化特性が、劣化特性保持部470により保持される(ステップS918)。
その後、劣化特性の生成対象の温度および輝度に対する劣化特性が全て生成されたか否かが判断される(ステップ919)。そして、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性が全て生成されていないと判断された場合には、ステップS916に戻り、まだ生成されていない劣化特性の生成処理が行われる。
一方、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性が全て生成されたと判断された場合には(ステップS919)、輝度劣化特性供給部400による劣化特性の生成処理手順は終了する。
図21は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の輝度劣化情報積算部220による輝度劣化情報の更新処理手順例を示すフローチャートである。
まず、輝度劣化特性供給部400により生成された劣化特性が輝度劣化情報更新部221により取得される(ステップS921)。次に、温度センサ141により生成された温度情報が輝度劣化情報更新部221により取得される(ステップS922)。
そして、輝度劣化補正演算部240により補正された映像信号が輝度劣化情報更新部221に入力される(ステップS923)。次に、映像信号、温度情報および劣化特性に基づいて、輝度劣化情報更新部221により、輝度劣化情報が生成される(ステップS924)。そして、輝度劣化情報保持部222に保持されている輝度劣化情報が更新される(ステップS925)。すなわち、輝度劣化情報更新部221により生成された輝度劣化情報を輝度劣化情報保持部222に保持させることにより、輝度劣化情報が更新される。なお、ステップS924は、特許請求の範囲に記載の輝度劣化情報生成手順の一例である。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について輝度劣化情報が更新されたか否かが判断される(ステップS926)。そして、全ての画素回路について更新されていないと判断された場合には、ステップS923に戻り、まだ輝度劣化情報が更新されていない画素回路に関する輝度劣化情報の更新処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について更新がされたと判断された場合には(ステップS926)、輝度劣化情報積算部220による輝度劣化情報の更新処理は終了する。
図22は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の輝度劣化補正パターン生成部230による輝度劣化補正パターンの生成処理手順例を示すフローチャートである。
まず、輝度劣化情報から画素回路の劣化の度合いを算出するために必要な劣化特性が、対象輝度特性情報生成部232により取得される(ステップS931)。
そして、輝度劣化情報保持部222に保持されている輝度劣化情報のうち、輝度劣化特製情報の生成対象の画素回路の輝度劣化情報が対象輝度特性情報生成部232により取得される(ステップS932)。この輝度劣化情報の取得時に、対象輝度特性情報生成部232により、取得された輝度劣化情報から対象輝度特性情報が生成される。
次に、基準輝度特性情報と、対象輝度特性情報とに基づいて輝度劣化補正値が輝度劣化補正値算出部233により生成される(ステップS933)。そして、生成された輝度劣化補正値が輝度劣化補正パターン保持部234に保持される(ステップS934)。なお、ステップS933は、特許請求の範囲に記載の輝度劣化値算出手順の一例である。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について輝度劣化補正値が生成されたか否かが判断される(ステップS935)。そして、全ての画素回路については生成されていないと判断された場合には、ステップS932に戻り、まだ生成されていない輝度劣化補正値の生成処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について輝度劣化補正値が生成され、輝度劣化補正パターンが保持されたと判断された場合には(ステップS935)、輝度劣化補正パターン生成部230による輝度劣化補正パターンの生成処理は終了する。
図23は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の輝度劣化補正演算部240による映像信号の補正処理手順例を示すフローチャートである。この例では、1つのフレームに関する映像信号の補正処理の例を示す。
まず、輝度劣化補正パターン保持部234に保持されている輝度劣化補正パターンが、輝度劣化補正演算部240により取得される(ステップS941)。
そして、信号線201を介して、映像信号が輝度劣化補正演算部240に入力される(ステップS942)。次に、輝度劣化補正演算部240によって、輝度劣化補正パターンにおける輝度劣化補正値を用いて、映像信号の補正が画素回路ごとに行われる(ステップS943)。そして、補正された映像信号が出力される(ステップS944)。なお、ステップS943は、特許請求の範囲に記載の補正手順の一例である。
その後、表示させる1つのフレームを構成する全ての映像信号が補正されたか否かが判断される(ステップS945)。そして、全ての画素回路について映像信号が補正されていないと判断された場合には、ステップS942に戻り、まだ補正されていない映像信号の補正処理が行われる。
一方、表示させる1つのフレームを構成する全ての画素回路に対する映像信号が補正された場合には(ステップS945)、輝度劣化補正演算部240による映像信号の補正処理は終了する。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、劣化した画素回路における発光の輝度が初期状態の画素回路における発光の輝度に一致するように、映像信号の階調値を精度よく変更することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態においては初期状態の画素回路を基準にしたが、劣化した画素回路を基準にして焼き付きの補正を行う方法も考えられる。
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、温度ごとの劣化特性を算出するため、温度条件変換部440を用いて温度条件変換を行うことにより算出期間情報を生成する例について説明した。温度条件変換部440では、予め保持している温度による劣化特性の差(図8参照)を用いて、ダミー画素劣化情報および温度情報に基づいて算出期間情報を算出する。すなわち、本発明の第1の実施の形態では、温度ごとの劣化特性を生成するために、温度による劣化特性の差に関する情報を予め保持している必要がある。そのため、この劣化特性の差に関する情報が実際の値と誤差がある場合には、劣化特性が不正確になる恐れがある。そこで、温度条件変換部440を用いないで、温度ごとのダミー画素劣化情報を取得することにより温度ごとの劣化特性を算出する表示装置が考えられる。
次に、本発明の第2の実施の形態では、所定の温度でのみ劣化するダミー画素回路を用いて温度ごとのダミー画素劣化情報を取得する例について説明する。
[表示装置の構成例]
図24は、本発明の第2の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。この図24では、図1において示した本発明の第1の実施の形態における表示装置100との違いについて説明する。
この表示装置100は、ダミー画素アレイ部500、ダミー画素発光信号生成部540および焼き付き補正部545以外の構成は、図1において示した表示装置100の構成と同一のものである。このため、この図24では、ダミー画素発光信号生成部540および焼き付き補正部545について説明する。なお、ダミー画素アレイ部500については、図25を参照して説明する。
この表示装置100は、図1において示したダミー画素アレイ部300よりダミー画素回路の数が多いため、一例として、データ線(DTL)173に加えてデータ線(DTL)174および175を備えている。
ダミー画素発光信号生成部540は、図1において示したダミー画素発光信号生成部150と同様に、発光信号を生成するものである。このダミー画素発光信号生成部540は、信号線208を介して供給される温度情報に基づいて、ダミー画素アレイ部500におけるダミー画素回路の発光の有無を決定する。このダミー画素発光信号生成部540は、その決定に応じて発光信号を生成し、その生成した発光信号をダミー画素用セレクタ部122に供給する。
焼き付き補正部545は、図1において示した焼き付き補正部200と同様に、画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いに合わせて映像信号の階調値を変更することによって焼き付きを補正するものである。この焼き付き補正部545は、焼き付き補正部200における輝度劣化特性供給部400の代わりに、輝度劣化特性供給部550を備える。なお、この輝度劣化特性供給部550については、図26乃至29を参照して説明する。また、輝度劣化特性供給部550以外の各構成については、図11において示した焼き付き補正部200の各構成と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
このように、ダミー画素発光信号生成部540によって、ダミー画素回路の環境温度に基づいて、ダミー画素回路の発光の有無が決定される。
[ダミー画素アレイ部の構成例]
図25は、本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素アレイ部500の一構成例を示す概念図である。なお、この本発明の第2の実施の形態では、3つの階調値の発光信号に基づく画素回路600の劣化について測定するものとする。
この図25には、9つの輝度検出ユニット(輝度検出ユニット511乃至513、521乃至523および531乃至533)と、輝度検出ユニットを分類する3つの発光領域(第1発光領域510、第2発光領域520および第3発光領域530)が示されている。
輝度検出ユニット511乃至513、521乃至523および531乃至533は、図9において示した輝度検出ユニット310と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。なお、この図25では、輝度検出ユニット511乃至513、521乃至523および531乃至533におけるダミー画素回路を、ナンバー(#1乃至#9)を付して示すものとする。
第1発光領域510は、特定の温度(第1温度)においてのみ発光し、その発光に基づく劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット511乃至513)を示す領域である。例えば、第1温度が「20±2℃」である場合において、この第1発光領域510におけるダミー画素回路(#1乃至#3)には、温度情報が「20±2℃」を示す場合においてのみ発光するように、データ信号が供給される。
第2発光領域520は、第1温度とは異なる特定の温度(第2温度)においてのみ発光し、その発光に基づく劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット521乃至523)を示す領域である。例えば、第2温度が「30±2℃」である場合において、この第2発光領域520におけるダミー画素回路(#4乃至#6)には、信号線208を介して供給される温度情報が「30±2℃」を示す場合においてのみ発光するように、データ信号が供給される。
第3発光領域530は、第1温度および第2温度とは異なる特定の温度(第3温度)においてのみ発光し、その発光に基づく劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット531乃至533)を示す領域である。例えば、第3温度が「40±2℃」である場合において、この第3発光領域530におけるダミー画素回路(#7乃至#9)には、信号線208を介して供給される温度情報が「40±2℃」を示す場合においてのみ発光するように、データ信号が供給される。
このように、ダミー画素アレイ部500に多くのダミー画素回路および輝度センサを設けることによって、特定の温度においてのみ発光するダミー画素回路をダミー画素アレイ部500に備えることができる。
[輝度劣化特性供給部の構成例]
図26は、本発明の第2の実施の形態における輝度劣化特性供給部550の機能構成例を示すブロック図である。この輝度劣化特性供給部550は、ダミー画素劣化情報生成部410と、ダミー画素劣化情報保持部570と、劣化特性生成部590と、劣化特性保持部470とを備える。なお、ダミー画素劣化情報生成部410および劣化特性保持部470は、図12において示した劣化特性保持部470と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
ダミー画素劣化情報保持部570は、図12において示したダミー画素劣化情報保持部420と同様に、ダミー画素劣化情報を保持するものである。このダミー画素劣化情報保持部570は、例えば、それぞれのダミー画素回路に関するダミー画素劣化情報を保持する。このダミー画素劣化情報保持部570は、保持しているダミー画素劣化情報を、劣化特性生成部590に供給する。なお、このダミー画素劣化情報保持部570に保持されるダミー画素劣化情報の一例については、図27および図28を参照して説明する。
劣化特性生成部590は、ダミー画素劣化情報に基づいて特定の温度における劣化特性を算出するものである。この劣化特性生成部590は、例えば、図25において示した第1発光領域510におけるダミー画素回路のダミー画素劣化情報から、第1温度(20±2℃)の劣化特性を算出する。この劣化特性生成部590は、算出した劣化特性を劣化特性保持部470に保持する。なお、この劣化特性生成部590による劣化特性の生成の一例については、図29を参照して説明する。
[輝度測定例]
図27は、本発明の第2の実施の形態における9つの輝度センサによる輝度測定例を示す図である。
この図27には、連続した5つの測定期間(測定期間(1)T41乃至(5)T45)における温度を示す模式図が、縦軸を温度を示す軸とし、横軸を測定期間を示す軸とするグラフによって示されている。また、この図27には、この5つの測定期間において発光するダミー画素が、輝度検出ユニット511乃至513、521乃至523および531乃至533を示す矩形によって示されている。さらに、この図27には、各測定期間における各ダミー画素回路の劣化量を模式的に示すグラフ(20℃劣化特性561、30℃劣化特性562および40℃劣化特性563)が示されている。
なお、この図27では、1回目の測定期間(測定期間(1)T41)における温度は「31℃」とし、2回目の測定期間(測定期間(2)T42)における温度は「39℃」とし、3回目の測定期間(測定期間(3)T43)における温度は「35℃」とする。さらに、4回目の測定期間(測定期間(4)T44)における温度は「30℃」とし、5回目の測定期間(測定期間(5)T45)における温度は「20℃」とする。
ここで、本発明の第2の実施の形態における輝度の測定について、1乃至3回目の測定期間T41乃至T43を参照して説明する。
まず、測定期間(1)T41においては、信号線208を介して「31℃」を示す温度情報がダミー画素発光信号生成部540に供給される。そして、ダミー画素発光信号生成部540により、第2温度(30±2℃)においてのみ発光するダミー画素回路(輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路(#4乃至#6))に対して、所定の階調値の発光信号が供給される。なお、他のダミー画素回路に対しては、無発光状態にするため、階調値「0」の発光信号が供給される。これにより、輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路は所定の階調値に基づいて発光し、一方、輝度検出ユニット511乃至513および531乃至533のダミー画素回路は発光しない。
この発光状態を示す模式図として、この図27には、階調値「200」で発光した輝度検出ユニット521が白色の矩形で示され、階調値「150」で発光した輝度検出ユニット522が薄い灰色の矩形で示されている。また、階調値「100」で発光した輝度検出ユニット523が濃い灰色の矩形で示され、発光しなかった輝度検出ユニット511乃至513および531乃至533が黒色の矩形で示されている。
また、この図27には、輝度検出ユニット511乃至513のダミー画素回路の劣化の状態を示すグラフとして、20℃劣化特性561が示されている。そして、輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路の劣化の状態を示すグラフとして、30℃劣化特性562が示されている。さらに、輝度検出ユニット531乃至533のダミー画素回路の劣化の状態を示すグラフとして、40℃劣化特性563が示されている。
輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路はこの測定期間(1)T41において劣化するため、測定期間(1)T41において示されている30℃劣化特性562には、測定されたダミー画素回路の劣化を示す実線が示されている。
一方、輝度検出ユニット511乃至513のダミー画素回路はこの測定期間(1)T41において劣化しないため、測定期間(1)T41において示されている20℃劣化特性561には、測定されたダミー画素回路の劣化を示す実線が示されていない。また、輝度検出ユニット531乃至533のダミー画素回路もこの測定期間(1)T41において劣化しないため、測定期間(1)T41において示されている40℃劣化特性563には、測定されたダミー画素回路の劣化を示す実線が示されていない。
続いて、測定期間(2)T42においては、「39℃」を示す温度情報に基づいて、第3温度(40±2℃)においてのみ発光するダミー画素回路(輝度検出ユニット531乃至533のダミー画素回路)に対して、所定の階調値の発光信号が供給される。これにより、輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路は所定の階調値に基づいて発光する(白色、薄い灰色および濃い灰色の矩形)。一方、輝度検出ユニット511乃至513および531乃至533のダミー画素回路は発光しない(黒色の矩形)。
この測定期間(2)T42における発光の結果、輝度検出ユニット531乃至533のダミー画素回路はこの測定期間(2)T42において劣化する(測定期間(2)T42の40℃劣化特性563における実線の付加)。一方、輝度検出ユニット511乃至513のダミー画素回路はこの測定期間(2)T42において劣化しない(測定期間(2)T42の20℃劣化特性561が測定期間(1)T41のものと同じ)。また、輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路もこの測定期間(2)T42において劣化しない(測定期間(2)T42の30℃劣化特性562が測定期間(1)T41のものと同じ)。
続いて、測定期間(3)T43においては、温度情報が「35℃」を示す。この「35℃」は、第1温度(20±2℃)、第2温度(30±2℃)および第3温度(40±2℃)のいずれにも属さない温度である。このため、ダミー画素発光信号生成部540は、ダミー画素回路を無発光状態にする発光信号(階調値「0」)を全てのダミー画素回路に供給する。これにより、輝度検出ユニット511乃至513、521乃至523および531乃至533のダミー画素回路は発光しない(黒色の矩形)。
この測定期間(3)T43においては全てのダミー画素回路が発光しないため、劣化するダミー画素回路は存在しない(測定期間(3)T43の3つの劣化特性(561乃至563が測定期間(2)T42の劣化特性と同じ)。
このように、特定の温度においてのみ発光するダミー画素回路を用いることによって、ダミー画素回路の温度ごとの劣化を測定することができる。
[ダミー画素劣化情報の一例]
図28は、本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素劣化情報の一例を示す図である。
この図28には、図27において示した測定期間(5)T45の終了時にダミー画素劣化情報保持部570に保持されているダミー画素劣化情報の一例を模式的に示す表が示されている。なお、この図28では、図13(b)と同様に、測定時の輝度(ダミー画素輝度情報)の強度を、初期状態のダミー画素回路に対する割合(%)で示したものをダミー画素劣化情報として示す。
この図28の列571には、各ダミー画素回路の最初の測定期間に関するダミー画素劣化情報が示されている。また、列572には、各ダミー画素回路の2回目の測定期間に関するダミー画素劣化情報が示されている。
ここで、この図28の表における各ダミー画素劣化情報について説明する。
ダミー画素回路(#1乃至#3)の列571には、輝度検出ユニット511乃至513のダミー画素回路(#1乃至#3)による測定期間(5)T45(図27参照)における発光に基づく劣化量の一例が示されている。また、ダミー画素回路(#4乃至#6)には、輝度検出ユニット521乃至523のダミー画素回路(#4乃至#6)による測定期間(1)T41における発光に基づく劣化量の一例が示されている。そして、ダミー画素回路(#7乃至#9)の列571には、輝度検出ユニット531乃至533のダミー画素回路(#7乃至#9)による測定期間(2)T42における発光に基づく劣化量の一例が示されている。
なお、ダミー画素回路(#1乃至#3)およびダミー画素回路(#7乃至#9)の列572には、測定期間T41乃至T45において2回目の発光が無かったため、このダミー画素劣化情報はないことを示す「―」が示されている。また、ダミー画素回路(#4乃至#6)の列572には、図27において示した測定期間(4)T44における発光に基づく劣化量の一例が示されている。
このように、ダミー画素劣化情報保持部570には、各ダミー画素回路のダミー画素劣化情報が、各ダミー画素回路の発光回数に応じて保持される。
[複数の温度における劣化特性の一例]
図29は、本発明の第2の実施の形態において劣化特性生成部590により生成される温度ごとの劣化特性の一例を模式的に示す図である。
なお、この図29では、一例として、図28で示したダミー画素劣化情報に基づいて劣化特性を生成することを想定する。
図29(a)には、温度条件が「20±2℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第1温度(20±2℃)においてのみ発光するダミー画素回路(#1乃至#3)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性581乃至583)で示されている。また、測定劣化特性581乃至583から算出された劣化特性(劣化特性591乃至593)が破線の曲線で示されている。
さらに、この図29(a)には、ダミー画素回路(#1乃至#3)を発光させた期間である使用期間T51が示されている。
図29(b)には、温度条件が「30±2℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第2温度(30±2℃)においてのみ発光するダミー画素回路(#4乃至#6)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性584乃至586)で示されている。また、測定劣化特性584乃至586から算出された劣化特性(劣化特性594乃至596)が破線の曲線で示されている。
さらに、この図29(b)には、ダミー画素回路(#4乃至#6)を発光させた期間である使用期間T52が示されている。なお、図28の表に示すように、ダミー画素回路(#1乃至#3)よりダミー画素回路(#4乃至#6)の方が発光回数が多いため、この使用期間T52は、使用期間T51より長い期間で示されている。同様に、測定劣化特性584乃至586も、測定劣化特性581乃至583よりも長い実線で示されている。
図29(c)には、温度条件が「40±2℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第3温度(40±2℃)においてのみ発光するダミー画素回路(#7乃至#9)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性587乃至589)で示されている。また、測定劣化特性587乃至589から算出された劣化特性(劣化特性597乃至599)が破線の曲線で示されている。
さらに、この図29(c)には、ダミー画素回路(#7乃至#9)を発光させた期間である使用期間T53が示されている。
このように、劣化特性生成部590によって、複数の温度条件における測定劣化特性に基づいて、複数の温度条件における劣化特性が生成される。
[輝度劣化特性供給部の動作例]
次に、本発明の第2の実施の形態における輝度劣化特性供給部550の動作について図面を参照して説明する。
図30は、本発明の第2の実施の形態における焼き付き補正部545の輝度劣化特性供給部550による劣化特性の生成処理手順例を示すフローチャートである。
この図30では、1つの測定期間におけるダミー画素輝度情報の取得から、そのダミー画素輝度情報を用いた劣化特性の生成までの処理手順例を示す。
まず、輝度センサにより生成されたダミー画素の輝度情報(ダミー画素輝度情報)がダミー画素劣化情報生成部410により取得される(ステップS952)。
そして、その取得されたダミー画素輝度情報に基づいて、ダミー画素劣化情報生成部410により、ダミー画素の劣化情報(ダミー画素劣化情報)が生成される(ステップS953)。次に、その生成されたダミー画素劣化情報が、ダミー画素劣化情報保持部570により保持される(ステップS954)。
その後、発光させたダミー画素回路についてのダミー画素劣化情報が全て保持されたか否かが判断される(ステップS955)。そして、発光させたダミー画素回路についてのダミー画素劣化情報が全て保持されていないと判断された場合には、ステップS952に戻り、発光させたダミー画素回路のうちまだダミー画素劣化情報が保持されていないダミー画素劣化情報の生成処理が行われる。
一方、発光させたダミー画素回路についてのダミー画素劣化情報が全て保持されたと判断された場合には(ステップS955)、その保持されたダミー画素劣化情報に基づいて、劣化特性生成部590により劣化特性が生成される(ステップS957)。続いて、その生成された劣化特性が、劣化特性保持部470により保持される(ステップS958)。
その後、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性が全て生成されたか否かが判断される(ステップ959)。そして、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性が全て生成されていないと判断された場合には、ステップS957に戻り、まだ生成されていない劣化特性の生成処理が行われる。
一方、温度ごとおよび輝度ごとの劣化特性が全て生成されたと判断された場合には(ステップS959)、輝度劣化特性供給部550による劣化特性の生成処理手順は終了する。
[ダミー画素発光信号生成部の動作例]
次に、本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素発光信号生成部540の動作について図面を参照して説明する。
図31は、本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素発光信号生成部540による発光信号の生成処理手順例を示すフローチャートである。
まず、温度センサ141により生成された温度情報がダミー画素発光信号生成部540により取得される(ステップS961)。
次に、その取得された温度情報が示す温度は「20±2℃」であるか否かが、ダミー画素発光信号生成部540により判断される(ステップS962)。そして、取得された温度は「20±2℃」であると判断された場合には(ステップS962)、第1発光領域510のダミー画素回路を発光させる発光信号がダミー画素用セレクタ部122に供給される(ステップS963)。なお、このステップS963において、第2発光領域520および第3発光領域530のダミー画素回路に供給される発光信号は、これらのダミー画素回路を発光させない発光信号(階調値「0」)である。そして、ダミー画素発光信号生成部540による発光信号の生成処理手順例は終了する。
一方、取得された温度は「20±2℃」ではないと判断された場合には(ステップS962)、その取得された温度は「30±2℃」であるか否かが判断される(ステップS964)。そして、取得された温度は「30±2℃」であると判断された場合には(ステップS964)、第2発光領域520のダミー画素回路を発光させる発光信号がダミー画素用セレクタ部122に供給される(ステップS965)。なお、このステップS965において、第1発光領域510および第3発光領域530のダミー画素回路に供給される発光信号は、これらのダミー画素回路を発光させない発光信号(階調値「0」)である。そして、ダミー画素発光信号生成部540による発光信号の生成処理手順例は終了する。
一方、取得された温度は「30±2℃」ではないと判断された場合には(ステップS964)、その取得された温度は「40±2℃」であるか否かが判断される(ステップS966)。そして、取得された温度は「40±2℃」であると判断された場合には(ステップS966)、第3発光領域530のダミー画素回路を発光させる発光信号がダミー画素用セレクタ部122に供給される(ステップS967)。なお、このステップS967において、第1発光領域510および第2発光領域520のダミー画素回路に供給される発光信号は、これらのダミー画素回路を発光させない発光信号(階調値「0」)である。そして、ダミー画素発光信号生成部540による発光信号の生成処理手順例は終了する。
一方、取得された温度は「40±2℃」ではないと判断された場合には(ステップS966)、全てのダミー画素回路にこれらのダミー画素回路を発光させない発光信号(階調値「0」)を供給する(ステップS968)。そして、ダミー画素発光信号生成部540による発光信号の生成処理手順例は終了する。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、特定の温度でのみ劣化するダミー画素回路を用いることにより、温度ごとの劣化特性を精度よく生成することができる。
<3.第3の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態では、温度ごとの劣化特性を算出するため、特定の温度においてのみ発光するダミー画素回路を用いる例について説明した。この本発明の第2の実施の形態においては、ダミー画素回路の環境温度が特定の温度になった場合でのみ、その特定の温度における劣化を測定することができる。すなわち、本発明の第2の実施の形態では、表示装置100に関する周辺環境に応じて、頻繁に劣化が測定できる温度と、劣化がほとんど測定できない温度との差が発生してしまう。その結果、劣化がほとんど測定できない温度に関する劣化特性が不正確になる恐れがある。
次に、本発明の第3の実施の形態では、ダミー画素回路の温度を特定の温度に一定に保つことにより、特定の温度におけるダミー画素回路の劣化を常に測定する例について説明する。
[表示装置の構成例]
図32は、本発明の第3の実施の形態におけるダミー画素アレイ部700の一構成例を示す概念図である。この図32では、図25において示した本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素アレイ部500との違いについて説明する。なお、この図32では、輝度検出ユニット711乃至713、721乃至723および731乃至733におけるダミー画素回路を、ナンバー(#1乃至#9)を付して示すものとする。
なお、この本発明の第3の実施の形態の表示装置100の構成は、本発明の第2の実施の形態の表示装置100におけるダミー画素発光信号生成部540およびダミー画素アレイ部500以外は、本発明の第2の実施の形態の表示装置100と同様のものとする。この本発明の第3の実施の形態では、画素回路の環境温度に関係なくダミー画素回路が所定の階調値で発光するため、ダミー画素発光信号生成部540の代わりに、図1において示したダミー画素発光信号生成部150を備えるものとする。また、ダミー画素アレイ部300の代わりに、ダミー画素アレイ部700を備えるものとする。
ダミー画素アレイ部700は、本発明の第2の実施の形態において示したダミー画素アレイ部500(図25参照)と同様に、9つの輝度検出ユニット(輝度検出ユニット711乃至713、721乃至723および731乃至733)を備える。また、このダミー画素アレイ部700は、図25における3つの発光領域(第1発光領域510、第2発光領域520および第3発光領域530)の代わりに、3つの恒温領域(第1恒温領域710、第2恒温領域720および第3恒温領域730)を備えている。
また、3つの恒温領域(第1恒温領域710、第2恒温領域720および第3恒温領域730)は、温度を一定に保つための温度制御部として、温度制御部714、724および734を備えている。この温度制御部714、724および734については、図33を参照して説明する。
第1恒温領域710は、特定の温度(第1恒温)に温度が常に保たれる領域であり、この温度における劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット711乃至713)が配置される領域である。なお、本発明の第3の実施の形態では、第1恒温は「20℃」を想定する。この第1恒温領域710に配置される輝度検出ユニット711乃至713のダミー画素回路は、温度が「20℃」に常に保たれるとともに、所定の階調値に基づいて常に発光する。そして、その発光に関する輝度が、輝度センサにより測定される。
第2恒温領域720は、第1恒温とは異なる特定の温度(第2恒温)に温度が常に保たれる領域であり、この温度における劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット721乃至723)が配置される領域である。なお、本発明の第3の実施の形態では、第2恒温は「30℃」を想定する。この第2恒温領域720に配置される輝度検出ユニット721乃至723のダミー画素回路は、温度が「30℃」に常に保たれるとともに、所定の階調値に基づいて常に発光する。そして、その発光に関する輝度が、輝度センサにより常に測定される。
第3恒温領域730は、第1恒温および第2恒温とは異なる特定の温度(第3恒温)に温度が常に保たれる領域であり、この温度における劣化の測定が行われる輝度検出ユニット(輝度検出ユニット731乃至733)が配置される領域である。なお、本発明の第3の実施の形態では、第3恒温は「40℃」を想定する。この第3恒温領域730に配置される輝度検出ユニット731乃至733のダミー画素回路は、温度が「40℃」に常に保たれるとともに、所定の階調値に基づいて常に発光する。そして、その発光に関する輝度が、輝度センサにより常に測定される。
このように、ダミー画素回路の温度を一定に保つことによって、特定の温度で常に発光するダミー画素回路をダミー画素アレイ部700に備えることができる。
[温度制御部の構成例およびフィルムヒータの配置例]
図33は、本発明の第3の実施の形態における温度制御部714の一構成例を示す模式図と、フィルムヒータ717のダミー画素回路に対する位置関係を示す上面図および断面図とを模式的に示す図である。なお、図32において示した温度制御部724および734は、温度制御部714と同様のものであるため、ここでは温度制御部714について説明し、他の温度制御部に関する説明を省略する。
図33(a)には、温度制御部714の一構成例を示す概念図が示されている。温度制御部714は、第1恒温領域710における温度を一定に保つものであり、温度センサ715と、ヒータ制御部716と、フィルムヒータ717を備える。
温度センサ715は、第1恒温領域710における温度を測定し、その測定した温度をヒータ制御部716に供給するものである。
ヒータ制御部716は、温度センサ715から供給された温度に基づいて、フィルムヒータ717への電源の供給を制御するものである。
フィルムヒータ717は、電源が供給されている場合には、発熱することにより第1恒温領域710に熱を供給し、第1恒温領域710における温度を上昇させるものである。
図33(b)には、フィルムヒータ717と、ダミー画素回路を示すTFT画素回路197と、輝度センサ194と、温度センサ715との位置関係を模式的に示す上面図が示されている。
図33(c)には、輝度センサ312、ダミー画素回路311およびフィルムヒータ717の断面構成が模式的に示されている。この図33(c)には、ダミー画素回路311を構成する回路として、発光素子196およびTFT画素回路197が示されている。さらに、この図33(c)には、輝度センサ312と、樹脂198と、ガラス199と、温度センサ715とが示されている。例えば、ガラス199上にTFT画素回路197が配置され、このTFT画素回路197上に発光素子196が配置される。また、発光素子196が樹脂198で覆われ、この樹脂198上に輝度センサ312および温度センサ715が配置される。
この図33(b)および(c)に示すように、フィルムヒータ717をダミー画素回路に隣接させることによって、ダミー画素回路の温度を一定に保つことができる。
[輝度測定例]
図34は、本発明の第3の実施の形態における9つの輝度センサによる輝度測定例を示す図である。
この図34には、連続した3つの測定期間(測定期間(1)T61乃至(3)T63)におけるダミー画素回路の環境温度を示す模式図が、縦軸を温度を示す軸とし、横軸を測定期間を示す軸とするグラフによって示されている。また、この図34には、この3つの測定期間において発光するダミー画素が、輝度検出ユニット711乃至713、721乃至723および731乃至733を示す矩形によって示されている。さらに、この図34には、各測定期間における各ダミー画素回路の劣化量を模式的に示すグラフ(20℃劣化特性761、30℃劣化特性762および40℃劣化特性763)が示されている。
なお、この図34では、測定期間(1)T61乃至(3)T63における画素回路の環境温度は、図27において示した測定期間(1)T41乃至T43の温度と同一であることとする。
この図34では、図27において示した測定期間(1)T41乃至(3)T43との違いについて説明する。
輝度検出ユニット711乃至713、721乃至723および731乃至733は、温度が所定の温度(20℃、30℃、40℃)で一定に保たれている。そのため、図27において示した本発明の第2の実施の形態のように、ダミー画素回路の環境温度に基づいて発光の有無を決定する必要が無い。このため、本発明の第3の実施の形態における9つの輝度検出ユニットは、測定期間(1)T61乃至(3)T63において所定の階調値で常に発光(白色の矩形、薄い灰色の矩形、濃い灰色の矩形)し、その発光に基づいて劣化が算出される。なお、この全ての輝度検出ユニットの劣化量が各測定期間において加算されることが、20℃劣化特性761、30℃劣化特性762および40℃劣化特性763において各測定期間における実線の付加によって示されている。
このように、ダミー画素回路の温度が特定の温度に保たれることによって、ダミー画素回路の温度ごとの劣化を全ての温度条件において常に測定することができる。
[ダミー画素劣化情報の一例]
図35は、本発明の第3の実施の形態におけるダミー画素劣化情報の一例を示す図である。
この図35には、図34において示した測定期間(3)T63の終了時にダミー画素劣化情報保持部570に保持されているダミー画素劣化情報の一例を模式的に示す表が示されている。なお、この図35では、図13(b)と同様に、測定時の輝度(ダミー画素輝度情報)の強度を、初期状態のダミー画素回路に対する割合(%)で示したものをダミー画素劣化情報として示す。
この図35の列771には、各ダミー画素回路の最初の測定期間(測定期間(1)T61)に関するダミー画素劣化情報が示されている。また、列772には各ダミー画素回路の2回目の測定期間(測定期間(2)T62)に関するダミー画素劣化情報が示され、列773には、各ダミー画素回路の3回目の測定期間(測定期間(3)T63)に関するダミー画素劣化情報が示されている。
この図35の表に示すように、各ダミー画素回路における劣化の測定回数(ダミー画素劣化情報の数)が全て同一になる。一方、図28において示した本発明の第2の実施の形態では、ダミー画素回路の環境温度に応じて劣化の測定回数が温度ごとに異なる。
このように、ダミー画素回路の温度が特定の温度に保たれることによって、各ダミー画素回路における劣化の測定回数を全て同一にすることができる。
[複数の温度における劣化特性の一例]
図36は、本発明の第3の実施の形態において劣化特性生成部590により生成される温度ごとの劣化特性の一例を模式的に示す図である。
なお、この図36では、一例として、図35で示したダミー画素劣化情報に基づいて劣化特性を生成することを想定する。
図36(a)には、温度条件が「20℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第1恒温(20℃)において発光するダミー画素回路(#1乃至#3)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性781乃至783)で示されている。また、測定劣化特性781乃至783から算出された劣化特性(劣化特性791乃至793)が破線の曲線で示されている。また、この図36(a)には、ダミー画素回路(#1乃至#3)を発光させた期間である使用期間T71が示されている。なお、この使用期間T71は、測定期間(1)T71乃至(3)T73を合わせた期間であり、図36(a)乃至(c)において共通の期間である。
図36(b)には、温度条件が「30℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第2恒温(30℃)において発光するダミー画素回路(#4乃至#6)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性784乃至786)で示されている。また、測定劣化特性784乃至786から算出された劣化特性(劣化特性794乃至796)が破線の曲線で示されている。
図36(c)には、温度条件が「40℃」である劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、第3恒温(40℃)において発光するダミー画素回路(#7乃至#9)の劣化に関する劣化特性が、実線の曲線(測定劣化特性787乃至789)で示されている。また、測定劣化特性787乃至789から算出された劣化特性(劣化特性797乃至799)が破線の曲線で示されている。
このように、劣化特性生成部590によって、使用期間が同一である測定劣化特性に基づいて、複数の温度条件における劣化特性が生成される。
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、ダミー画素回路の温度を特定の温度に一定に保つことにより、温度ごとの劣化特性を精度よく生成することができる。
なお、本発明の第1乃至第3の実施の形態における表示装置は、フラットパネル形状を有し、様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラなどのディスプレイに適用することができる。また、電子機器に入力された映像信号や電子機器内で生成した映像信号を画像または映像として表示するあらゆる分野の電子機器のディスプレイに適用することができる。このような表示装置が適用された電子機器の例を以下に示す。
<4.本発明の適用例>
[電子機器への適用例]
図37は、本発明の実施の形態のテレビジョンセットへの適用例である。このテレビジョンセットは、例えば、本発明の第1乃至第3の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたテレビジョンセットである。このテレビジョンセットは、フロントパネル12、フィルターガラス13等から構成される映像表示画面11を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその映像表示画面11に用いることにより作製される。
図38は、本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラへの適用例である。このデジタルスチルカメラは、例えば、本発明の第1乃至第3の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたデジタルスチルカメラである。ここでは、上段にデジタルスチルカメラの正面図を示し、下段にデジタルスチルカメラの背面図を示す。このデジタルスチルカメラは、撮像レンズ15、表示部16、コントロールスイッチ、メニュースイッチ、シャッター19等を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその表示部16に用いることにより作製される。
図39は、本発明の実施の形態のノート型パーソナルコンピュータへの適用例である。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本発明の第1乃至第3の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、本体20には文字等を入力するとき操作されるキーボード21を含み、本体カバーには画像を表示する表示部22を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその表示部22に用いることにより作製される。
図40は、本発明の実施の形態の携帯端末装置への適用例である。この携帯端末装置は、例えば、本発明の第1乃至第3の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用された携帯端末装置である。ここでは、左側に携帯端末装置の開いた状態を示し、右側に携帯端末装置の閉じた状態を示している。この携帯端末装置は、上側筐体23、下側筐体24、連結部(ここではヒンジ部)25、ディスプレイ26、サブディスプレイ27、ピクチャーライト28、カメラ29等を含む。また、この携帯端末装置は、本発明の実施の形態における表示装置100をそのディスプレイ26やサブディスプレイ27に用いることにより作製される。
図41は、本発明の実施の形態のビデオカメラへの適用例である。このビデオカメラは、例えば、本発明の第1乃至第3の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたビデオカメラである。このビデオカメラは、本体部30、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ34、撮影時のスタート/ストップスイッチ35、モニター36等を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をそのモニター36に用いることにより作製される。
このように、本発明の実施の形態によれば、ダミー画素回路の輝度を測定して温度ごとの劣化特性を生成することにより、焼き付きの補正を精度よく行うことができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。