JP2011209481A - 信号処理装置、表示装置、電子機器、信号処理方法およびプログラム - Google Patents

信号処理装置、表示装置、電子機器、信号処理方法およびプログラム Download PDF

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Junichi Yamashita
淳一 山下
Hiroshi Hasegawa
洋 長谷川
Kazuo Nakamura
和夫 中村
Tetsuo Yamamoto
哲郎 山本
Katsuhide Uchino
勝秀 内野
Kiwamu Miura
究 三浦
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Abstract

【課題】発光素子を用いた表示装置の焼き付きを精度よく補正する。
【解決手段】変換効率劣化特性生成部450は、ダミー画素回路を特定電流で測定した結果に基づいて変換効率劣化特性を生成する。変換効率劣化情報積算部220は、変換効率劣化特性を用いて変換効率劣化情報を生成する。変換効率劣化補正パターン生成部230は、変換効率劣化情報を用いて変換効率劣化値を生成する。電流量減少特性生成部480は、ダミー画素回路を特定電流で測定した結果および駆動電流で測定した結果に基づいて、電流量減少特性を生成する。電流量減少情報積算部240は、電流量減少特性を用いて電流量減少情報を生成する。電流量減少補正パターン生成部250は、電流量減少情報を用いて電流量劣化値を生成する。補正演算部260は、変換効率劣化値および電流量劣化値に基づいて画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する。
【選択図】図12

Description

本発明は、信号処理装置に関し、特に焼き付きを補正する信号処理装置、表示装置、電子機器および信号処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
近年、発光素子として有機EL(Electroluminescence)素子を用いた平面自発光型の表示装置の開発が盛んに行われている。この有機EL素子は表示対象となる画像データに応じて発光量を変えることにより階調を表現するため、有機EL素子の劣化の度合いが表示装置の表示画面を構成する画素回路ごとに異なる。このように劣化の度合いが画素回路ごとに異なるため、時間の経過に応じて、劣化の大きい画素と、劣化の少ない画素とが表示画面に混在することになる。このように、表示画面において劣化の大きい画素と、劣化の少ない画素とが混在すると、劣化の大きい画素が、周辺の画素よりも暗くなることにより、直前に表示されていた画像が残っているように見える現象(いわゆる、焼き付き現象)が生じる。
この焼き付きを防止する機能を備える表示装置として、例えば、未使用期間中に劣化の度合いの小さい発光素子の劣化を進行させて、劣化の度合いの大きい発光素子の劣化の度合いと均一にする表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−176274号公報(図1)
上述の従来技術では、表示装置の未使用期間中に劣化の度合いを均一にする処理を行うことにより、焼き付きを補正することができる。しかしながら、上述の従来技術では、焼き付きの補正を行うたびに劣化の度合いの小さい発光素子の劣化を、劣化の度合いの大きい発光素子に合わせて進行させるため、発光素子全体の劣化を進行させるおそれがある。また、表示装置の未使用期間に焼き付きの補正をするため、表示装置の使用中には補正をすることができない。そこで、表示装置の使用中に、発光素子自体の劣化を考慮して、映像信号の階調値を変更することにより、焼き付きを補正する方法が考えられる。
例えば、映像信号を表示させる画素回路の劣化の度合いに合わせて映像信号の階調値を変更し、その変更した映像信号を用いて発光素子を発光させる補正方法が考えられる。しかしながら、発光素子の輝度の劣化の度合いは画素回路ごとに異なるとともに、画素回路に供給される映像信号も表示対象ごとに異なるため、いかなる映像信号に対しても精度よく階調値の変更をする(焼き付きの補正をする)ことは難しい。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、発光素子を用いた表示装置の焼き付きを精度よく補正することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、特定の階調値で発光させる特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、上記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成部と、画素回路における発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、上記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された上記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、上記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成部と、上記測定した結果と、上記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、上記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成部と、上記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された上記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と上記生成された電流量減少特性とに基づいて、上記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成部と、上記変換効率劣化値および上記電流量減少値に基づいて、上記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正部とを具備する信号処理装置、表示装置、電子機器、および信号処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、特定の階調値で発光させる特定発光素子の輝度値を特定電流および駆動電流で測定した結果に基づいて変換効率劣化特性および電流量減少特性を生成することによって、画素回路に入力される映像信号の階調値が補正されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記変換効率劣化値生成部は、上記生成された変換効率劣化特性と、上記補正前に上記画素回路について生成された変換効率劣化情報と、当該画素回路に入力される上記映像信号の階調値とに基づいて順次加算される情報を、新たな変換効率劣化情報として生成する変換効率劣化情報生成部と、所定状態における上記画素回路の発光時における変換効率に関する変換効率情報を基準にして、上記生成された変換効率劣化情報を用いて上記画素回路ごとの変換効率劣化に関する変換効率劣化値を算出する変換効率劣化値算出部とを備えるようにしてもよい。これにより、変換効率劣化情報を用いて変換効率劣化値が算出されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、電流量減少値生成部は、上記生成された電流量減少特性と、上記補正前に上記画素回路について生成された電流量減少情報と、当該画素回路に入力される上記映像信号の階調値とに基づいて順次加算される情報を、新たな電流量減少情報として生成する電流量減少情報生成部と、所定状態における上記画素回路の発光時における電流量に関する電流量情報を基準にして、上記生成された電流量減少情報を用いて上記画素回路ごとの電流量減少に関する電流量減少値を算出する電流量減少値算出部と
を備えるようにしてもよい。これにより、電流量減少情報を用いて電流量減少値が算出されるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記駆動電流で輝度を測定する駆動電流モードと、上記定電流で輝度を測定する定電流モードとを、上記特定発光素子を発光させるためのモードとして決定する発光モード決定部をさらに具備し、上記特定発光素子を備える特定画素回路は、表示対象となる映像の情報を含む上記映像信号に相当する電圧を保持するための保持容量と、上記映像信号を上記特定画素回路に供給するための走査信号のオン電位に基づいて上記映像信号を上記保持容量に書き込み、上記走査信号のオフ電位が供給されている場合には非導通状態となる書込みトランジスタと、上記駆動電流モードにおいて上記保持容量に書き込まれた上記映像信号に相当する電圧に応じた電流を出力する駆動トランジスタと、上記定電流モードにおいて上記特定発光素子のアノード端子に定電流を供給する定電流供給トランジスタとを備え、上記特定発光素子は、上記駆動電流モードにおいて上記駆動トランジスタから出力される上記電流に応じて発光し、上記定電流モードにおいて上記定電流に応じて発光するようにしてもよい。これにより、特定発光素子のアノード端子に定電流を供給させるという作用をもたらす。また、この場合において、上記定電流供給トランジスタは、上記駆動トランジスタが非導通状態である場合にのみ、定電流を供給するようにしてもよい。これにより、駆動トランジスタが非導通状態である場合にのみ、定電流を供給させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記駆動電流で輝度を測定する駆動電流モードと、上記定電流で輝度を測定する定電流モードとを、上記特定発光素子を発光させるためのモードとして決定する発光モード決定部をさらに具備し、上記特定発光素子を備える特定画素回路は、表示対象となる映像の情報を含む上記映像信号に相当する電圧を保持するための保持容量と、上記映像信号を上記複数の画素回路に供給するための走査信号のオン電位に基づいて上記映像信号を上記保持容量に書き込み、上記走査信号のオフ電位が供給されている場合には非導通状態になる書込みトランジスタと、上記駆動電流モードにおいて上記保持容量に書き込まれた上記映像信号に相当する電圧に応じた電流を出力する駆動トランジスタと、上記駆動電流モードにおいて電源信号を上記駆動トランジスタのドレイン端子に供給する電源信号選択トランジスタと、上記定電流モードにおいて定電流を上記駆動トランジスタのドレイン端子に供給する定電流選択トランジスタとを備え、上記特定発光素子は、上記駆動電流モードにおいて上記駆動トランジスタから出力される上記電流に応じて発光し、上記定電流モードにおいて上記定電流に応じて発光する特定発光素子と
を備えるようにしてもよい。これにより、駆動トランジスタのドレイン端子に供給された定電流に応じて特定発光素子を発行させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記所定状態は、上記輝度の劣化が上記画素回路に生じていない状態であるようにしてもよい。これにより、輝度の劣化が生じていない状態の画素回路を基準にさせるという作用をもたらす。
本発明によれば、発光素子を用いた表示装置の焼き付きを、表示装置の使用中に精度よく補正することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の第1の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態における画素回路600乃至605の一構成例を模式的に示す回路図である。 図2の構成における画素回路600の基本動作の一例に関するタイミングチャートである。 TP6、TP1およびTP2の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。 TP3乃至TP5の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。 TP6の期間に対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。 本発明の第1の実施の形態において所定の階調値の映像信号で発光させた画素回路600の使用時間と、画素回路の輝度の劣化量との間の関係を示す図である。 変換効率の劣化の補正のみを行う場合における焼き付き補正部200に入力される階調と輝度との関係を示す図である。 変換効率の劣化の補正のみを行う場合における映像信号の補正の効果を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素アレイ部300の一構成例を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態における輝度センサ312のダミー画素回路500に対する位置の一例を模式的に示す断面図および配置図である。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の機能構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における劣化特性供給部400の機能構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路500の一構成例を模式的に示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における定電流モードのダミー画素回路500の動作の一例に関するタイミングチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるエージングモードおよび駆動電流モードのダミー画素回路500の動作の一例に関するタイミングチャートである。 図15において示した発光期間TP6dcおよび図16において示した発光期間TP6ddにそれぞれ対応するダミー画素回路500の動作状態を模式的に示す回路図である。 定電流劣化情報保持部430および駆動電流劣化情報保持部440に保持されるダミー画素劣化情報(定電流劣化情報および駆動電流劣化情報)の一例を模式的に示すグラフが示されている。 本発明の第1の実施の形態において変換効率劣化特性生成部450および電流量減少特性生成部480により生成される変換効率劣化特性および電流量減少特性の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電流量減少情報更新部241による電流量減少情報の生成例を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態における電流量減少補正値算出部253による電流量減少補正パターンの生成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における変換効率劣化補正値算出部233による変換効率劣化補正パターンの生成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200に入力される階調と輝度との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における映像信号の補正の効果を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態における劣化特性供給部400の劣化特性生成処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素劣化情報保持処理(ステップS910)の処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における変換効率劣化特性生成処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における電流量減少特性生成処理(ステップS930)の処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の変換効率劣化情報積算部220による変換効率劣化情報の更新処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の電流量減少情報積算部240による電流量減少情報の更新処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の変換効率劣化補正パターン生成部230による変換効率劣化補正パターンの生成処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の電流量減少補正パターン生成部250による電流量減少補正パターンの生成処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の補正演算部260による映像信号の補正処理手順例を示すフローチャートである。この例では、1つのフレームに関する映像信号の補正処理の例を示す。 本発明の第1の実施の形態における、定電流線および定電流接続線(CCL)に共通線を設けないで複数の画素を同一の階調値で発光させる例と、共通線を設けて複数の画素を同一の階調値で発光させる例とを示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路、定電流接続トランジスタ、定電流線および定電流接続線(CCL)のレイアウト例を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素回路770の一構成例を模式的に示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態における定電流モードのダミー画素回路770の動作の一例に関するタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるエージングモードおよび駆動電流モードのダミー画素回路770の動作の一例に関するタイミングチャートである。 発光期間TP6dcおよび発光期間TP6ddにそれぞれ対応するダミー画素回路500の動作状態を模式的に示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態における、定電流線および電源選択線(PSL)に共通線を設けて複数の画素を同一の階調値で発光させる例とを示す図である。 本発明の実施の形態のテレビジョンセットへの適用例である。 本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラへの適用例である。 本発明の実施の形態のノート型パーソナルコンピュータへの適用例である。 本発明の実施の形態の携帯端末装置への適用例である。 本発明の実施の形態のビデオカメラへの適用例である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(表示制御:ダミー画素回路において定電流を発光素子のアノード端子に供給する例)
2.第2の実施の形態(表示制御:ダミー画素回路において定電流を駆動トランジスタのドレイン端子(d)に供給する例)
3.本発明の適用例(表示制御:電子機器の例)
<1.第1の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。表示装置100は、焼き付き補正部200と、ライトスキャナ(WSCN:WriteSCaNner)110と、水平セレクタ(HSEL:Horizontal SELector)120とを備える。また、この表示装置100は、電源スキャナ(DSCN:Drive SCaNner)130と、画素アレイ部140と、ダミー画素発光モード決定部150と、ダミー画素アレイ部300と、定電流源接続スキャナ350とを備える。画素アレイ部140は、n×m(mおよびnは2以上の整数)個の二次元マトリックス状に配列された画素回路600乃至605を備える。ここでは、便宜上、1行目、2行目およびm行目における1列目およびn列目に配置された6個の画素回路600乃至605が示されている。
また、表示装置100には、画素回路600乃至605とライトスキャナ(WSCN)110との間を接続する走査線(WSL:Write Scan Line)160が設けられている。なお、走査線(WSL)160は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路とライトスキャナ(WSCN)110との間も接続している。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の走査線(WSL)161乃至163が示されている。
さらに、表示装置100には、画素回路600乃至605と水平セレクタ(HSEL)120との間を接続するデータ線(DTL:DaTa Line)170が設けられている。なお、データ線(DTL)170は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路と水平セレクタ(HSEL)120との間も接続している。ここでは、便宜上、第1列目および第n列目のデータ線(DTL)171および172と、ダミー画素回路に接続されるデータ線(DTL)173が示されている。
さらに、表示装置100には、画素回路600乃至605と電源スキャナ(DSCN)130との間を接続する電源線(DSL:Drive Scan Line)180が設けられている。なお、電源線(DSL)は、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路と電源スキャナ(DSCN)130との間も接続している。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の電源線(DSL)181乃至183が示されている。
また、表示装置100には、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路と定電流源接続スキャナ350との間を接続する定電流接続線(CCL:Constant current Connect Line)360が設けられている。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の定電流接続線(CCL)361乃至363が示されている。
焼き付き補正部200は、画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いに合わせて映像信号の階調値を変更することによって、焼き付きを補正するものである。この焼き付き補正部200は、信号線390を介して供給されるダミー画素回路の劣化の輝度と、信号線159を介して供給されるダミー画素回路の発光のモードに関するモード情報と、信号線209を介して供給する映像信号とを用いて画素回路のそれぞれの劣化の度合いを算出する。ここで、モード情報に関しては、ダミー画素発光モード決定部150において説明する。そして、この焼き付き補正部200は、その算出された画素回路600乃至605のそれぞれの劣化の度合いに基づいて、信号線201を介して供給された映像信号の階調値を変更する。ここで、映像信号の階調値とは、発光の輝度の大きさの段階を指定する映像信号の階調の値である。また、ダミー画素回路とは、実際には表示されない画素であって、画素回路の劣化の度合いを測定するための画素である。
ここで、発光の輝度の大きさが256段階(階調)で表現される場合を想定する。また、画素回路600の劣化により、階調値が「100」の映像信号に基づく発光の輝度が200nitから100nitに劣化し、階調値が「200」の映像信号に基づく発光の輝度が300nitから200nitに劣化したこととする。この場合において、焼き付き補正部200は、200nitで画素回路を発光させるために映像信号の階調値を「100」から「200」に変更することによって焼き付きを補正する。
この焼き付き補正部200は、その補正した映像信号(補正階調値)を、信号線209を介して水平セレクタ(HSEL)120に供給する。なお、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200については、図18乃至図25等を参照して詳細に説明する。
ライトスキャナ(WSCN)110は、行単位により画素回路600乃至605を順次走査する線順次走査を行うものである。このライトスキャナ(WSCN)110は、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号を、画素回路600乃至605に書き込むタイミングを行単位により制御する。また、このライトスキャナ(WSCN)110は、ダミー画素アレイ部300のダミー画素回路に対しても線順次走査を行い、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号をダミー画素回路に書き込むタイミングを行単位により制御する。このライトスキャナ(WSCN)110は、データ信号を書き込むためのオン電位、データ信号の書き込みを停止させるためのオフ電位を走査信号として生成する。このライトスキャナ(WSCN)110は、その生成した走査信号を走査線(WSL)160に供給する。
水平セレクタ(HSEL)120は、画素アレイ部140における画素回路600乃至605と、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路とに発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を供給するものである。この水平セレクタ(HSEL)120は、表示画素用セレクタ部121およびダミー画素用セレクタ部122を備える。
表示画素用セレクタ部121は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、画素回路600乃至605における発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を各列の画素回路600乃至605に供給するものである。この水平セレクタ(HSEL)120は、発光の輝度の大きさを設定するための映像信号の電位(信号電位)と、画素回路600乃至605を構成する駆動トランジスタの閾値電圧の補正(閾値補正)を行うための電位(基準電位)とをデータ信号として生成する。この水平セレクタ(HSEL)120は、その生成したデータ信号をデータ線(DTL)170に供給する。
ダミー画素用セレクタ部122は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、ダミー画素アレイ部300におけるダミー画素回路の発光輝度の大きさを設定するためのデータ信号を供給するものである。このダミー画素用セレクタ部122は、ダミー画素発光モード決定部150から供給される発光信号に基づいて、ダミー画素に供給する信号電位および基準電位をデータ信号として生成する。このダミー画素用セレクタ部122は、その生成したデータ信号をデータ線(DTL)170に供給する。
電源スキャナ(DSCN)130は、ライトスキャナ(WSCN)110による線順次走査に合わせて、画素回路600乃至605を駆動させるための電源信号を行単位により生成するものである。この電源スキャナ(DSCN)130は、画素回路600乃至605を駆動させるための電源電位と、画素回路600乃至605を初期化するための初期化電位とを電源信号として生成する。また、この電源スキャナ(DSCN)130は、画素回路600乃至605と同様に、ダミー画素回路に対しても、電源電位と初期化電位とを電源信号として生成する。この電源スキャナ(DSCN)130は、その生成した電源信号を電源線(DSL)180に供給する。
ダミー画素発光モード決定部150は、ダミー画素回路を発光させるモードを決定するものである。この本発明の第1の実施の形態では、このダミー画素回路を発光させるモードは3つある。1つ目は、電源信号の電源電位によりダミー画素回路に駆動電流を供給することによって劣化を進行させるモード(エージングモード)である。2つ目は、定電流源(図示せず)によりダミー画素回路に定電流を供給することによって劣化を測定するモード(定電流モード)である。3つ目は、電源信号の電源電位によりダミー画素回路に駆動電流を供給することによって劣化を測定するモード(駆動電流モード)である。なお、ダミー画素発光モード決定部150は、特許請求の範囲に記載の発光モード決定部の一例である。
このダミー画素発光モード決定部150は、決定したモードに応じた発光信号を、ダミー画素用セレクタ部122に供給する。また、このダミー画素発光モード決定部150は、決定したモードに応じて定電流をダミー画素回路に供給するか否かを決定し、その決定に関する情報を定電流源接続スキャナ350に供給する。また、このダミー画素発光モード決定部150は、決定したモードを示す情報(モード情報)を、信号線159を介して焼き付き補正部200に供給する。
ダミー画素アレイ部300は、ダミー画素回路を備える。このダミー画素アレイ部300については、図14を参照して詳細に説明する。
定電流源接続スキャナ350は、ダミー画素発光モード決定部150における決定に従って、ダミー画素回路に定電流を供給するための定電流切替信号を供給するものである。この定電流源接続スキャナ350は、ダミー画素回路に定電流を供給するための定電流オン電位と、ダミー画素回路に定電流を供給しないための定電流オフ電位とを定電流切替信号として生成する。この定電流源接続スキャナ350は、その生成した定電流切替信号を定電流接続線(CCL)360に供給する。
画素回路600乃至605は、走査線(WSL)160からの走査信号に基づいて、データ線(DTL)170からの映像信号の電位を保持してその保持した電位に応じて所定の期間発光するものである。ここで、画素回路600乃至605の構成例については、図2を参照して説明する。
[画素回路の構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における画素回路600乃至605の一構成例を模式的に示す回路図である。なお、画素回路600乃至605は、同一の構成であるため、この図2以降では、主に画素回路600について説明し、画素回路601乃至605についての一部の説明を省略する。
画素回路600は、書込みトランジスタ610と、駆動トランジスタ620と、保持容量630と、発光素子640とを備える。ここでは、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620がそれぞれnチャンネル型トランジスタである場合を想定する。
この画素回路600において、書込みトランジスタ610のゲート端子およびドレイン端子には、走査線(WSL)160およびデータ線(DTL)170がそれぞれ接続されている。また、書込みトランジスタ610のソース端子には、駆動トランジスタ620のゲート端子(g)および保持容量630の一方の電極(一端)が接続されている。ここでは、この接続部位を第1ノード(ND1)650とする。また、駆動トランジスタ620のドレイン端子(d)には、電源線(DSL)180が接続され、駆動トランジスタ620のソース端子(s)には、保持容量630の他方の電極(他端)および発光素子640のアノード電極が接続されている。ここでは、この接続部位を第2ノード(ND2)660とする。
書込みトランジスタ610は、走査線(WSL)160からの走査信号に従って、データ線(DTL)170からのデータ信号を第1ノード(ND1)650に供給するトランジスタである。この書込みトランジスタ610は、画素回路600の駆動トランジスタ620の閾値電圧のばらつきを取り除くために、データ信号の基準電位を保持容量630の一端に供給する。ここにいう基準電位とは、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧を保持容量630に保持させるための基準となる固定電位のことである。
また、書込みトランジスタ610は、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧が保持容量630に保持された後に、データ信号の信号電位を保持容量630の一端に順次書き込む。
駆動トランジスタ620は、発光素子640を発光させるために、信号電位に応じて保持容量630に保持された信号電圧に基づいて、駆動電流を発光素子640に出力するものである。この駆動トランジスタ620は、駆動トランジスタ620を駆動させるための電源電位が電源線(DSL)180から印加されている状態において、保持容量630に保持された信号電圧に応じた駆動電流を発光素子640に出力する。
保持容量630は、書込みトランジスタ610によって供給されたデータ信号に応じた電圧を保持するためのものである。すなわち、保持容量630は、書込みトランジスタ610によって書き込まれた信号電位に応じた信号電圧を保持する役割を果たす。
発光素子640は、駆動トランジスタ620から出力された駆動電流の大きさに応じて発光するものである。また、発光素子640は、出力端子がカソード線680に接続されている。このカソード線680からは、発光素子640の基準電位としてカソード電位(Vcat)が供給されている。この発光素子640は、例えば、有機EL素子により実現することができる。
なお、この例では、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620の各々がnチャンネル型トランジスタである場合を想定して説明したが、この組み合わせに限られるものではない。例えば、書込みトランジスタ610および駆動トランジスタ620の各々がpチェンネル型トランジスタである場合などにおいても適用できる。また、これらのトランジスタは、エンハンスメント型のものでもよく、デプレッション型やデュアルゲート型のものでもよい。
また、ここでは、2つのトランジスタ610および620および1つの保持容量630により発光素子640に駆動電流を供給する画素回路600の構成例について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、駆動トランジスタ620および発光素子640を含むものであれば適用できる。例えば、3つ以上のトランジスタにより発光が制御される画素回路600の場合においても、駆動トランジスタ620および発光素子640を含むものであれば適用ができる。次に、上述の画素回路600の動作例について、図3を参照して詳細に説明する。
[画素の基本動作の例]
図3は、図2の構成における画素回路600の基本動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
このタイミングチャートは、画素回路600の動作の遷移を、TP1乃至TP6の期間に便宜的に区切っている。まず、発光期間TP6では、発光素子640は発光状態にある。この発光期間TP6において、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定されている。また、この発光期間TP6において、電源線(DSL)180の電源信号の電位が電源電位(Vcc)に設定されている。
この後、線順次走査の新しいフィールドに入り、閾値補正準備期間TP1では、電源線(DSL)180の電位が、第2ノード(ND2)660を初期化するための初期化電位(Vss)に設定される。これにより、第2ノード(ND2)660の電位が初期化電位(Vss)まで低下する。また、第1ノード(ND1)650の電位は、この第2ノード(ND2)660の電位低下に倣うように、低下する。
続いて、閾値補正準備期間TP2では、走査線(WSL)160の電位がオン電位(Von)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650の電位が基準電位(Vofs)に初期化される。このように、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660がそれぞれ初期化されることによって、閾値補正動作の準備が完了する。
次に、閾値補正期間TP3では、画素回路600の駆動トランジスタ620における閾値電圧に対する補正を行うための閾値補正動作が行われる。このとき、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間に、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持される。すなわち、保持容量630には、閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持される。
この後、補正切替準備期間TP4では、走査線(WSL)160に供給される走査信号の電位がオフ電位(Voff)に遷移した後に、データ線(DTL)170のデータ信号が基準電位(Vofs)から信号電位(Vsig)に切り替えられる。これにより、書込み期間/移動度補正動作の準備が完了する。
そして、書込み期間/移動度補正期間TP5では、映像信号の書込み動作、および、駆動トランジスタ620における移動度に対する補正を行うための移動度補正動作が行われる。このとき、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオン電位(Von)に切り替えられることによって、第1ノード(ND1)650の電位が、信号電位(Vsig)まで上昇する。すなわち、書込みトランジスタ610により、信号電位(Vsig)が第1ノード(ND1)650に書き込まれる。
これに対して、第2ノード(ND2)660の電位は、閾値補正期間TP3において与えられた閾値電位(Vofs−Vth)に対し、信号電位(Vsig)に対応する駆動トランジスタ620の移動度に応じた上昇量(ΔV)だけ上昇する。すなわち、移動度補正動作により、第2ノード(ND2)660の電位が「ΔV」だけ上昇する。
このように、書込み期間/移動度補正期間TP5では、保持容量630の一端に、信号電位(Vsig)が印加され、保持容量630の他端に、閾値電位(Vofs−Vth)に上昇量(ΔV)を加えた電位((Vofs−Vth)+ΔV)が印加される。すなわち、保持容量630には、映像信号に応じた信号電圧(Vgs1)として、「Vsig−((Vofs−Vth)+ΔV)」が保持される。このようにして、保持容量630に保持された信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV)は、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)と、移動度補正動作による上昇量(ΔV)とによって補正される。このため、画素回路600ごとの駆動トランジスタ620における閾値電圧および移動度のばらつきの影響が取り除かれた信号電圧となる。
この後、発光期間TP6では、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定されることによって、第1ノード(ND1)650が浮遊状態となる。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、書込み期間/移動度補正期間TP5において与えられた電位(Vofs−Vth+ΔV)に対し「Vel」だけ上昇する。この第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)は、映像信号の電位(Vsig)が大きくなるほど、大きくなる。このとき、第2ノード(ND2)660の電位が、発光素子640の閾値電圧(Vthel)と、カソード線680のカソード電位(Vcat)とによって定まる発光電位(Vthel+Vcat)を超えるため、発光素子640が発光する。
これに対し、第1ノード(ND1)650の電位も、保持容量630を介したカップリングによって、第2ノード(ND2)660の電位上昇に倣うように、信号電位(Vsig)から「Vel'」だけ上昇する。このように、第2ノード(ND2)660の電位上昇に伴い、保持容量630に起因するカップリングによって、浮遊状態にある第1ノード(ND1)650の電位が上昇する動作をブートストラップ動作という。
このブートストラップ動作においては、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')が、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて抑制される。この第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)と、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')との関係は、次の式1により表わすことができる。
Vel'=Gb×Vel ・・・式1
ここで、Gbは、「1.0」未満の値であり、次の式2により表わすことができる。なお、ここでは、Gbをブートストラップ利得という。
Gb=Cs/(Cs+Cp) ・・・式2
ここで、Csは、保持容量630の容量値である。また、Cpは、書込みトランジスタ610のゲート・ソース端子間の寄生容量(書込みトランジスタgs寄生容量)と、駆動トランジスタ620のゲート・ドレイン端子間の寄生容量(駆動トランジスタgd寄生容量)との容量値の和である。なお、ここでは、ブートストラップ利得Gbを低下させる寄生容量は、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量のみを考慮している。
式2より、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpによって、ブートストラップ利得Gbが「1.0」未満の値となることがわかる。このブートストラップ利得Gbは、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpの大きさに応じて変化する。すなわち、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpが大きいほど、ブートストラップ利得Gbは小さくなる。また、この容量値Cpの大きさは画素回路600乃至605のそれぞれで異なるため、ブートストラップ利得Gbの大きさも画素回路600乃至605のそれぞれで異なる。
このように、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpにより、ブートストラップ利得Gbが「1.0」未満の値となるため、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて小さくなる。このため、発光期間TP6における信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5における信号電圧(Vgs1)よりも「Vel−Vel'=Vel・(1−Gb)」だけ小さくなる。なお、発光期間TP6の途中において、データ線(DTL)170のデータ信号が、信号電位(Vsig)から基準電位(Vofs)に切り替えられる。したがって、発光期間TP6では、信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV−(Vel−Vel'))に応じた輝度により、発光素子640が発光する。
[画素の動作状態の詳細]
次に、上述の画素回路600の動作の遷移例について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
図4乃至図6は、本発明の第1の実施の形態における画素回路600の動作の遷移例を模式的に示す図である。以下に示す図4乃至図6では、図3により示したタイミングチャートのTP1乃至TP6の期間に対応する画素回路600の動作状態が示されている。また、便宜上、発光素子640の寄生容量641を図示している。さらに、書込みトランジスタ610をスイッチとして図示しており、走査線(WSL)411については省略している。
図4(a)乃至(c)は、TP6、TP1およびTP2の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。まず、発光期間TP6では、図4(a)に示すように、書込みトランジスタ610がオフ(非導通)状態であり、電源線(DSL)180から電源電位(Vcc)が駆動トランジスタ620に加えられている状態である。そして、駆動トランジスタ620から駆動電流(Ids')が発光素子640に供給されているため、その駆動電流(Ids')に応じた輝度により発光素子640が発光している。
そして、閾値補正準備期間TP1では、図4(b)に示すように、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)から初期化電位(Vss)に遷移する。これにより、第2ノード(ND2)660の電位が低下するため、発光素子640は非発光状態となる。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、初期化電位(Vss)まで低下する。このとき、第1ノード(ND1)650は浮遊状態にあるため、第1ノード(ND1)650の電位も、第2ノード(ND2)660の電位低下に倣うように、低下する。
続いて、閾値補正準備期間TP2では、図4(c)に示すように、走査線(WSL)160(図2に示す)の電位がオン電位(Von)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオン(導通)状態となる。これにより、第1ノード(ND1)650の電位は、データ線(DTL)421からの基準電位(Vofs)に初期化される。これにより、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660の間の電位差は「Vofs−Vss」となる。なお、ここでは、電源線(DSL)180の初期化電位(Vss)が、基準電位(Vofs)よりも十分に低い電位に設定されていることを想定している。
図5(a)乃至(c)は、TP3乃至TP5の期間にそれぞれ対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。
閾値補正準備期間TP2に続いて、閾値補正期間TP3では、図5(a)に示すように、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)に遷移する。これにより、駆動トランジスタ620がオン状態となり、駆動トランジスタ620から第2ノード(ND2)660に電流が供給されることによって、第2ノード(ND2)660の電位が上昇する。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差が駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電位差(Vth)になるまで上昇する。
このようにして、駆動トランジスタ620の閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持容量630に保持される。すなわち、これが閾値補正動作である。なお、カソード線680のカソード電位(Vcat)、および、データ線(DTL)170からの基準電位(Vofs)は、駆動トランジスタ620からの電流が発光素子640に流れないように、予め設定しておく。
この後、補正切替準備期間TP4では、図5(b)に示すように、走査線(WSL)160から供給される走査信号がオフ電位(Voff)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオフ状態となる。そして、データ線(DTL)170のデータ信号の電位が、基準電位(Vofs)から映像信号の電位(Vsig)に遷移する。ここでは、このデータ線(DTL)170のトランジェント特性を考慮して、データ信号が映像信号の電位(Vsig)に達するまでの間、書込みトランジスタ610をオフ状態にしている。
続いて、書込み期間/移動度補正期間TP5では、図5(c)に示すように、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオン電位(Von)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオン状態となる。これにより、書込みトランジスタ610によって映像信号の電位(Vsig)が保持容量630の一端に書き込まれるため、第1ノード(ND1)650の電位が、映像信号の電位(Vsig)に設定される。
このとき、駆動トランジスタ620の移動度に応じた電流が駆動トランジスタ620から第2ノード(ND2)660に流れるため、保持容量630および寄生容量641が充電されて、第2ノード(ND2)660の電位が上昇する。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、閾値電位(Vofs−Vth)に対し、駆動トランジスタ620の移動度に応じた上昇量(ΔV)だけ上昇する。すなわち、これが移動度補正動作である。
これにより、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差である信号電圧(Vgs1)が「Vsig−Vofs+Vth−ΔV」となる。すなわち、保持容量630には、信号電圧(Vgs1)として、「Vsig−Vofs+Vth−ΔV」が保持される。
このようにして、書込み期間/移動度補正期間TP5において、映像信号の電位(Vsig)の書込み、および、移動度補正による上昇量(ΔV)の調整が行われる。このとき、映像信号の電位(Vsig)が大きいほど駆動トランジスタ620からの電流が大きくなるため、移動度補正による上昇量(ΔV)も大きくなる。したがって、輝度レベル(映像信号の電位)に応じた移動度補正を行うことができる。
また、画素回路600乃至605のそれぞれの映像信号の電位(Vsig)が一定である場合において、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600乃至605ほど、移動度補正による上昇量(ΔV)も大きくなる。すなわち、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600乃至605では、移動度が小さい画素回路に比べて、駆動トランジスタ620からの電流が大きくなり、その分だけ駆動トランジスタ620のゲート−ソース間電圧が小さくなる。したがって、駆動トランジスタ620の移動度が大きい画素回路600では、その駆動トランジスタ620から出力される駆動電流が、移動度の小さい画素回路600乃至605と同程度の大きさに調整されることになる。このようにして、画素回路600乃至605ごとの駆動トランジスタ620の移動度のばらつきが取り除かれる。
図6は、TP6の期間に対応する画素回路600の動作状態を示す模式的な回路図である。
発光期間TP6では、図6に示すように、走査線(WSL)160から供給される走査信号の電位がオフ電位(Voff)に遷移することによって、書込みトランジスタ610がオフ状態となる。そして、第2ノード(ND2)660の電位は、書込み期間/移動度補正期間TP5において与えられた電位(Vofs−Vth+ΔV)に対して駆動トランジスタ620からの駆動電流の大きさに応じた電位(Vel)だけ上昇する。
これに対して、第1ノード(ND1)650の電位は、保持容量630に起因するブートストラップ動作によって、式1に示す割合により上昇する。このときの第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に「1.0」未満のブートストラップ利得Gbを乗じた値となる。すなわち、第1ノード(ND1)650の電位上昇量(Vel')は、書込みトランジスタgs寄生容量および駆動トランジスタgd寄生容量の容量値Cpに応じて抑制されるため、第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)に比べて小さくなる。
これにより、第1ノード(ND1)650と第2ノード(ND2)660との間の電位差である信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5の終了直前における信号電圧(Vgs1)に比べて、「Vel−Vel'」だけ小さくなる。すなわち、発光期間TP6の終了直前における信号電圧(Vgs2)は、書込み期間/移動度補正期間TP5における信号電圧(Vgs1)よりも小さい「Vgs1−(Vel−Vel')」となる。したがって、発光素子640は、発光期間TP6における信号電圧(Vgs2)に対応する駆動電流(Ids)に応じた輝度により、発光する。
ここまでの図3乃至6において示したように、本発明の第1の実施の形態における表示装置100の画素回路600は、データ線170を介して供給される信号電位に応じた駆動電流が発光素子640に供給されることにより、駆動電流に応じた輝度により発光する。すなわち、画素回路600を構成する駆動トランジスタ620や発光素子640などが劣化すると、駆動電流の量や発光の量の変化により、信号電位に対する輝度の値が初期の状態からズレてしまう。このズレは、全ての画素回路において同じ量のズレが発生するのであれば、直前に表示されていた画像が残っているように見える現象(いわゆる、焼き付き現象)が生じることはない。
しかしながら、有機EL素子は表示する画像データに応じて発光する量を変えることにより階調を表現するため、有機EL素子の劣化の度合いが表示画面の画素回路ごとに異なる。このため、劣化の大きい画素回路の表示が周辺の画素回路の表示より暗くなることによって、焼き付き現象が生じる。
[画素回路の劣化例]
次に、本発明の第1の実施の形態における画素回路の劣化の特性について図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態において所定の階調値の映像信号で発光させた画素回路600の使用時間と、画素回路の輝度の劣化量との間の関係を示す図である。
この図7では、縦軸を画素回路600の輝度の劣化量(輝度劣化量)を示す軸とし、横軸を画素回路600の使用時間(発光時間)とする3つの劣化特性(劣化特性691乃至693)が示されている。
劣化特性(階調値100)691は、階調値が「100」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値100)691には、階調値「100」の映像信号に基づく劣化は、使用開始直後の劣化は急激に進行し、使用開始から発光時間が経過すると劣化は緩やかに進行することが示されている。
劣化特性(階調値150)692は、階調値が「150」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値150)692には、階調値「150」の映像信号に基づく劣化は、階調値「100」の映像信号で発光させた画素回路600よりも急激に劣化が進行することが示されている。
劣化特性(階調値200)693は、階調値が「200」の映像信号で発光させた画素回路600の劣化を示す特性である。この劣化特性(階調値200)693には、階調値「200」の映像信号に基づく劣化は、階調値「150」の映像信号で発光させた画素回路600よりも急激に劣化が進行することが示されている。
この図7において示すように、画素回路600は、階調値が小さい映像信号で発光させると劣化は緩やかに進行し、一方、階調値が大きい映像信号で発光させると劣化が速く進行する。また、画素回路600の劣化は、画素回路600の使用開始直後は急激に劣化が進行し、使用開始から発光時間が経過すると緩やかに劣化が進行する。
次に、本発明の第1の実施の形態において、変換効率の劣化の補正のみを行う場合における焼き付きの補正の例について図8および9を参照して説明する。
[補正された映像信号の画素特性曲線例]
図8は、変換効率の劣化の補正のみを行う場合における焼き付き補正部200に入力される階調と輝度との関係を示す図である。この図8において示すグラフでは、横軸を焼き付き補正部200に入力される映像信号の階調の値(入力階調値)とし、縦軸を画素回路600乃至605における発光の輝度の値(輝度値)とする画素特性曲線を示す。また、入力階調値において各階調を表現する電圧は、便宜上、画素回路600乃至605に供給されるデータ信号の各階調を表現する電圧(Vsig−Vofs)と同じであるものとする。
また、この例では、発光素子640の変換効率の劣化に関する情報のみを用いて補正する場合を想定して説明する。また、この例では、劣化が起きていない初期状態の画素回路の画素特性を補正の基準として、映像信号を補正する場合を想定して説明する。すなわち、この例では、焼き付き補正部200は、劣化が起きていない初期状態の画素回路の画素特性を補正の基準として、表示装置100の使用に伴って劣化が起きた画素回路600乃至605の画素特性がその基準と一致するように映像信号を補正することを想定する。また、焼き付き補正部200は、画素回路600乃至605において表現される階調のうち、高階調における焼き付きについて精度よく補正するものを想定する。
図8(a)には、初期状態の画素回路に関する画素特性および劣化した画素回路に関する画素特性が示されている。
画素特性(初期)810は、初期状態の画素回路における入力階調値と輝度値との関係を示す曲線である。
ここで、画素特性(初期)810について説明する。この画素特性(初期)810は、例えば、次の式3に示す二次関数により表現される。
L=A×S ・・・式3
ここで、Lは、輝度値である。また、Aは、発光素子640の変換効率に応じて定まる係数(効率係数)である。また、Sは、初期状態の画素回路に供給されるデータ信号の階調値であり、電圧(Vsig−Vofs)である。
この式3において、Sは、駆動トランジスタ620のゲート−ソース間電圧に相当する値である。また、Sは、駆動トランジスタ620の2乗特性を用いて算出した値であって、発光素子640に供給される駆動電流に相当する値である。このように、駆動電流Sに発光素子640の変換効率Aを乗算することによって、輝度値Lを算出することができる。
画素特性(補正対象)820は、時間の経過により発光素子が劣化した場合の画素回路における入力階調値と輝度値との関係を示す曲線である。すなわち、この画素特性(補正対象)820は、入力階調値の補正をしない場合における画素回路(例えば、画素回路600乃至608のいずれかの画素回路)における入力階調値と輝度値との関係を示す曲線である。
この画素特性(補正対象)820は、発光素子640における駆動電流を輝度に変換する効率の劣化(変換効率劣化)が生じるため、画素特性(初期)810よりも曲線の傾きが緩やかになっている。また、この画素特性(補正対象)820は、画素特性(初期)810と比較して、横軸方向に駆動電流量減少成分R1の分だけ右側へシフトしている。
ここで、駆動電流量減少成分R1について説明する。この駆動電流量減少成分R1は、駆動電流の減少した量(駆動電流減少量)を示す成分である。この駆動電流量減少成分R1は、駆動トランジスタ620および発光素子640の劣化に起因して生じる。すなわち、駆動トランジスタ620が劣化すると、信号電圧(Vgs2)に応じて供給される駆動電流が減少する。また、発光素子640が劣化すると、発光素子640の閾値電圧(Vthel)が増加し、これにより発光期間TP6(図3に示す)における第2ノード(ND2)660の電位上昇量(Vel)が増加する。また、発光期間TP6における信号電圧(Vgs2)は、信号電圧(Vgs1)よりも「Vel−Vel'=Vel・(1−Gb)」だけ小さくなるため、発光素子640の閾値電圧(Vthel)の増加に応じて、信号電圧(Vgs2)は小さくなる。すなわち、発光素子640が劣化すると、信号電圧(Vgs2)が減少することにより、駆動電流の電流量が減少する。このように、駆動電流量減少成分R1は、信号電圧(Vgs2)に応じて供給される駆動電流の電流量の減少と、信号電圧(Vgs2)の減少とに起因して生じる。
次に、画素特性(補正対象)820について説明する。この画素特性(補正対象)820は、例えば、次の式4に示す二次関数により表現される。
=A×(S−ΔS) ・・・式4
ここで、Lは、補正対象となる画素回路の輝度値である。また、Aは、補正対象となる画素回路の発光素子640の変換効率に応じて定まる係数である。また、ΔSは、駆動電流量減少成分R1として示している駆動電流減少量である。
この式4において、(S−ΔS)は、駆動電流量減少成分R1が考慮された発光素子に供給される駆動電流を示す。このように、駆動電流量減少成分R1が考慮された駆動電流(S−ΔS)に、発光素子640の劣化した変換効率(A)を乗算することによって、劣化した輝度値(L)を算出することができる。
このように、表示装置100の使用に伴って画素回路が劣化すると、変換効率劣化および駆動電流の減少が生じることにより、映像信号の階調値に対する輝度値が低下する。なお、変換効率劣化は画素特性の傾きの劣化に相当し、駆動電流の減少は画素特性の階調のシフトに相当するため、高い輝度を画素回路に表現させる階調(高階調)では変換効率劣化の影響が大きくなる。一方、低い輝度を画素回路に表現させる階調(低階調)では駆動電流の減少の影響が大きくなる。
図8(b)には、画素特性(補正対象)820に示す画素特性を備える画素回路に供給される映像信号を補正した際の画素特性が、補正画素特性(補正対象)821として示されている。
補正画素特性(補正対象)821は、画素特性(補正対象)820に示す特性の画素回路に供給される映像信号を、画素特性(初期)810に示す特性を基準として補正した場合における画素特性である。この補正画素特性(補正対象)821は、低階調における画素特性では画素特性(補正対象)820に近い特性となっており、高階調における画素特性では画素特性(初期)810に近い特性となっている。すなわち、この補正画素特性(補正対象)821は、変換効率の劣化の補正のみを行うと、高階調の入力階調値においては精度よく補正されるが、低階調の入力階調値においてはほとんど補正されないことを示している。
ここで、変換効率の劣化の補正のみを行う場合における表示装置100の焼き付き補正部200の補正方法について説明する。焼き付き補正部200は、次の式5に基づいて映像信号の階調を変更する。
out=(ΔA)−1/2×Sin ・・・式5
ΔA=A/A ・・・式6
ここで、Soutは、焼き付き補正部200により補正された映像信号の階調値である。また、Sinは、焼き付き補正部200により補正される前の映像信号の階調値である。また、ΔAは、式6に示すように、補正対象画素回路の効率係数(A)を分子とし、初期状態の画素回路の効率係数(A)を分母とした変換効率の比を示す分数の値(変換効率劣化値)である。
この式5に基づいて映像信号の階調値を変更するために、焼き付き補正部200は、画素回路600乃至608のそれぞれの劣化についての情報を保持し、その劣化の情報から画素回路600乃至608のそれぞれの効率係数を算出する。そして、焼き付き補正部200は、ΔAを算出し、この算出したΔAに基づいて映像信号の階調を変更することによって、映像信号の補正された階調の値(補正階調値)を生成する。これにより、補正された映像信号による画素特性は、補正画素特性(補正対象)821に示すような画素特性になる。
上記の式5では、式4に示す駆動電流減少量ΔSの影響が考慮されていない。このため、変換効率劣化値ΔAのみを用いて補正する場合には、低階調あるいは高階調のいずれかにおける補正が不正確な補正になる。
また、特定の階調値の映像信号を用いて画素回路の輝度の劣化を測定することによって、駆動電流減少量ΔSおよび変換効率劣化値ΔAの影響を両方とも含む補正対象画素回路の変換効率劣化値ΔAを算出することができる。しかしながら、駆動電流減少量ΔSは画素特性の階調のシフトであり、変換効率劣化値ΔAは画素特性の傾きの変化であるため、この両方の影響を含む変換効率劣化値ΔAでは測定した階調値以外における補正において図8(b)と同様の誤差が生じる。
このように、変換効率の劣化の補正のみを行う場合には、低階調あるいは高階調のいずれかにおける輝度の差は補正できるが、他方における輝度の差は補正できない可能性がある。そこで、本発明の第1の実施の形態では、変換効率劣化値ΔAおよび駆動電流減少量ΔSの影響を考慮して補正を行う。
[補正後の表示例]
図9は、変換効率の劣化の補正のみを行う場合における映像信号の補正の効果を示す概念図である。ここでは、図8において示した方法により焼き付きが補正される場合における補正の効果を示す。また、ここでは、表示装置100の表示画面に、文字(ABCD)の焼き付きが生じていることを想定する。
図9(a)には、高階調の映像信号が供給される場合における表示画面の比較例が示されている。ここでは、高階調の映像信号を用いて、表示画面を均一な輝度で発光させる場合を想定する。
表示画面831は、補正されていない映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域832は、表示画面831において焼き付きが生じた画素回路(劣化の程度が大きい画素回路)に対応する領域を表している。図9(a)では、この焼き付き表示領域832には、文字「ABCD」が灰色で示されている。また、表示画面831における焼き付き表示領域832以外の領域(白色で表されている領域)は、ほとんど劣化していない画素回路に対応する領域である。このように、映像信号が補正されない場合には、劣化した画素回路の輝度が低くなるため、焼き付き表示領域832に「ABCD」が表示される。
表示画面833は、補正された映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域834は、表示画面831における焼き付き表示領域832に対応する領域を表している。ここで、焼き付き表示領域832には、変換効率の劣化の補正をしない場合には、表示画面831において灰色で示される「ABCD」が表示される。しかしながら、劣化が大きい画素回路による発光の輝度が初期状態の画素回路の輝度になるように補正されることにより、表示画面833のほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度と同一になる。このため、焼き付き表示領域834には「ABCD」が表示されない。なお、表示画面833のほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度も、初期状態の画素回路の輝度になるように補正される。
このように、高階調の映像信号を補正することにより、劣化が大きい画素回路による発光の輝度と、ほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度とが初期状態の画素回路の輝度となるように精度よく補正される。これにより、焼き付きを解消することができる。
図9(b)には、低階調の映像信号が供給される場合における補正後の表示画面の比較例が示されている。ここでは、低階調の映像信号を用いて、表示画面全体を均一な輝度で発光させる場合を想定する。
表示画面835は、補正されていない映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域836は、表示画面835において焼き付きが生じた画素回路(劣化の程度が大きい画素回路)に対応する領域を表している。図9(b)では、この焼き付き表示領域836には、文字「ABCD」が濃い灰色で示されている。また、表示画面835における焼き付き表示領域836以外の領域(僅かに濃い灰色で表されている領域)は、ほとんど劣化していない画素回路に対応する領域である。このように、映像信号が補正されない場合には、劣化した画素回路の輝度が低くなるため、図9(a)と同様に、焼き付き表示領域836に「ABCD」が表示される。
表示画面837は、補正された映像信号が供給される場合における表示例を表している。また、焼き付き表示領域838は、表示画面835における焼き付き表示領域836に対応する領域を表している。ここで、焼き付き表示領域838には、変換効率の劣化の補正をしない場合には、表示画面831において僅かに濃い灰色で示される「ABCD」が表示される。この焼き付き表示領域838は、映像信号が補正されたにも係わらず、劣化が大きい画素回路による発光の輝度が初期状態の画素回路の輝度になるように補正されない。このため、この焼き付き表示領域838には、「ABCD」が表示される。なお、表示画面837のほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度も、初期状態の画素回路の輝度になるように補正されないため、初期状態の画素回路の輝度よりも低い輝度になる。
このように、低階調の映像信号を補正することでは、劣化が大きい画素回路による発光の輝度と、ほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度とが初期状態の画素回路の輝度になるように補正されない。これにより、変換効率の劣化の補正のみを行う場合では、高階調における焼き付きについて精度よく補正すると、低階調の映像信号に起因する焼き付きは解消されない。
このように変換効率の劣化の補正のみを行うと、映像信号の全ての階調に対して、焼き付きの補正を精度よく行うことができない。そこで、本発明の第1の実施の形態では、ダミー画素回路の輝度を用いて画素回路の劣化の量を算出し、この算出した劣化量を用いることにより、映像信号の全ての階調に対して焼き付きの補正を精度よく行う例を示す。
[ダミー画素アレイ部の構成例]
図10は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素アレイ部300の一構成例を示す概念図である。なお、この本発明の第1の実施の形態では、3つの階調値の発光信号に基づく画素回路の劣化について測定するものとする。
この図10では、ダミー画素アレイ部300と、ライトスキャナ(WSCN)110と、画素アレイ部140と、電源スキャナ(DSCN)130と、定電流源接続スキャナ350とが示されている。また、ダミー画素アレイ部300に接続する走査線(WSL)160として走査線(WSL)164乃至166が示され、ダミー画素アレイ部300に接続するデータ線(DTL)170としてデータ線(DTL)173が示されている。さらに、ダミー画素アレイ部300に接続する電源線(DSL)180として電源線(DSL)184乃至186が示され、ダミー画素アレイ部300に接続される定電流接続線(CCL)360として定電流接続線(CCL)361乃至363が示されている。また、ダミー画素アレイ部300と焼き付き補正部200との間を接続する信号線390として、信号線391乃至393が示されている。この図9では、ダミー画素アレイ部300に着目して説明する。
ダミー画素アレイ部300は、実際には表示されない画素回路であって、画素回路の劣化の度合いを測定するためのダミー画素回路が配置された領域である。このダミー画素アレイ部300は、アレイ基板における表示されない部位(例えば、フレームで隠れる位置)に形成される。このダミー画素アレイ部300は、輝度検出ユニット310、320および330を備える。なお、この輝度検出ユニット310、320および330は、一列に配置されているものとする。
輝度検出ユニット310、320および330は、所定の階調値の発光信号に基づく画素回路の劣化を測定するためのものである。この輝度検出ユニット310、320および330は、1つのダミー画素回路および1つの輝度センサを備える。なお、輝度検出ユニット320および330は、輝度検出ユニット310と同一のものであるため、ここでは、輝度検出ユニット310のダミー画素回路500および輝度センサ312について説明する。
ダミー画素回路500は、画素回路600と同様に駆動電流に基づいて所定の期間発光する、または、定電流源(図示せず)から供給される所定量の定電流に基づいて所定の期間発光するものである。また、このダミー画素回路500には、走査線(WSL)164、データ線(DTL)173、電源線(DSL)184および定電流接続線(CCL)361が接続されている。
このダミー画素回路500は、駆動電流に基づいて発光するエージングモードおよび駆動電流モードにおいては、特定の階調値でのみ発光する。例えば、エージングモードおよび駆動電流モードにおいて、輝度検出ユニット310のダミー画素回路(ダミー画素回路(#1))は階調値「200」で発光し、輝度検出ユニット320のダミー画素回路(ダミー画素回路(#2))は階調値「150」で発光する。なお、この場合において、輝度検出ユニット330のダミー画素回路(ダミー画素回路(#3))は階調値「100」で発光する。
また、このダミー画素回路500は、定電流に基づいて発光する定電流モードにおいては、特定の電流量でのみ発光する。例えば、定電流モードにおいて、輝度検出ユニット310のダミー画素回路は、階調値「200」で初期状態の画素回路600が発光する際において、発光素子640に供給される駆動電流と同量の電流量(階調値「200」初期電流量)で発光する。同様に、輝度検出ユニット320のダミー画素回路は、階調値「150」によって初期状態の画素回路600の発光素子640に供給される駆動電流と同量の電流量(階調値「150」初期電流量)で発光する。輝度検出ユニット330のダミー画素回路は、階調値「150」によって初期状態の画素回路600の発光素子640に供給される駆動電流と同量の電流量(階調値「100」初期電流量)で発光する。なお、このダミー画素回路500については、図14乃至図17を参照して説明する。なお、ダミー画素回路500は、特許請求の範囲に記載の特定画素回路の一例である。
輝度センサ312は、ダミー画素回路500の輝度を測定するためのセンサである。この輝度センサ312は、例えば、ダミー画素回路500の発光のみを受光するためにダミー画素回路500の近くに配置され、かつ、ダミー画素回路500以外の光は受光しないようにダミー画素回路500と共に外部の光から遮光される。この輝度センサ312は、ダミー画素の輝度に関する情報(ダミー画素輝度情報)を、信号線391を介して焼き付き補正部200に供給する。
このように、ダミー画素アレイ部300を設けることによって、所定の階調値に基づく発光による画素回路の輝度の劣化と、所定の電流量に基づく発光による画素回路の輝度の劣化とを測定することができるダミー画素回路500を表示装置100に設けることができる。
なお、この図10では輝度検出ユニットを3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、輝度検出ユニットの数を増やし計測する階調値を多くすることにより、劣化を測定する階調値の数を増やすことができる。
また、この図10では輝度検出ユニットを1列とし、ダミー画素アレイ部300用の走査線(WSL)、データ線(DTL)および電源線(DSL)184を配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画素アレイ部140の信号線と共用させることによる回路の簡略化などが考えられる。
[輝度センサおよびダミー画素回路の配置例]
図11は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路500および輝度センサ312の配置構成例を模式的に示す断面図および配置図である。
図11(a)には、輝度センサ312およびダミー画素回路500の断面構成が模式的に示されている。この図11(a)には、ダミー画素回路500を構成する回路として、発光素子196およびTFT(Thin Film Transistor)画素回路197が示されている。さらに、この図11(a)には、輝度センサ312と、樹脂198と、ガラス199とが示されている。例えば、ガラス199上にTFT画素回路197が配置され、このTFT画素回路197上に発光素子196が配置される。また、発光素子196が樹脂198で覆われ、この樹脂198上に輝度センサ312が配置される。すなわち、輝度センサ312は、樹脂198を介して、発光素子196上に配置される。
この図11(a)に示すように、輝度センサ312は、発光素子196からの光を効率よく受光できる位置に配置される。
図11(b)には、表示装置100を備えるディスプレイにおける輝度センサ312およびダミー画素回路500のディスプレイ内部における配置構成例が模式的に示されている。この図11(b)には、ディスプレイのフレーム部位であるフレーム領域191と、画面を表示する部位である表示領域192とが示されている。また、フレーム領域191の領域内にダミー画素領域193、TFT画素回路197および輝度センサ312が示されている。
この図11(b)に示すように、輝度センサおよびダミー画素回路は、ディスプレイ等における表示されない領域に配置される。
[焼き付き補正部の構成例]
図12は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の機能構成例を示すブロック図である。この焼き付き補正部200は、変換効率劣化情報積算部220と、変換効率劣化補正パターン生成部230と、電流量減少情報積算部240と、電流量減少補正パターン生成部250と、補正演算部260と、劣化特性供給部400とを備える。
ここで、本発明の第1の実施の形態では、劣化が起きていない初期状態の画素回路における画素特性を補正の基準として、劣化が起きた画素回路600乃至605の画素特性がその基準と一致するように映像信号を補正することを想定する。
また、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200は、便宜上、変換効率劣化情報積算部220および電流量減少情報積算部240に保持されている情報を、各フレームの補正された映像信号を1分間隔で取得することによって更新するものとする。さらに、便宜上、変換効率劣化情報積算部220および電流量減少情報積算部240に保持されている情報が更新されるごとに、変換効率劣化補正パターン生成部230および電流量減少補正パターン生成部250は新たな補正パターンを生成するものとする。
劣化特性供給部400は、変換効率劣化特性および電流量減少特性を生成し、その生成した2つの劣化特性を供給するものである。ここで、変換効率劣化特性とは、画素回路の使用時間と変換効率劣化の度合いとの相関を表す特性であり、図7において示した劣化特性691乃至693のような特性である。また、電流量減少特性とは、画素回路の使用時間と電流量の減少(図8において示した駆動電流減少量)の度合いとの相関を表す特性であり、図7において示した劣化特性691乃至693のような特性である。
この劣化特性供給部400は、輝度センサ312から信号線390を介して供給されるダミー画素輝度情報と、ダミー画素発光モード決定部150から信号線159を介して供給されるモード情報とに基づいて、変換効率劣化特性および電流量減少特性を生成する。この劣化特性供給部400は、その生成した変換効率劣化特性を、信号線468および469を介して変換効率劣化補正パターン生成部230および変換効率劣化情報積算部220に供給する。また、この劣化特性供給部400は、その生成した電流量減少特性を、信号線498および信号線499を介して電流量減少補正パターン生成部250および電流量減少情報積算部240に供給する。
変換効率劣化情報積算部220は、画素回路600乃至605の輝度の変換効率の劣化に関する情報(変換効率劣化情報)を保持し、この変換効率劣化情報を順次更新するものである。また、変換効率劣化情報積算部220は、画素回路600乃至605の変換効率の新たな劣化の量をその変換効率劣化情報に順次加算することにより、変換効率劣化情報を更新する。ここで、変換効率劣化情報とは、例えば、画素回路600乃至605の変換効率劣化の量を、特定の階調値の映像信号による発光時間に換算した値である。この変換効率劣化情報積算部220は、変換効率劣化情報更新部221と、変換効率劣化情報保持部222とを備える。なお、変換効率劣化情報積算部220は、特許請求の範囲に記載の変換効率劣化値生成部および変換効率劣化情報生成部の一例である。
変換効率劣化情報更新部221は、変換効率劣化情報保持部222に保持されている変換効率劣化情報を、画素回路600乃至605の変換効率の新たな劣化の量を加算することによって更新するものである。この変換効率劣化情報更新部221は、例えば、補正演算部260から供給された補正後の映像信号に基づいて、画素回路600乃至605の変換効率の新たな劣化に関する情報を、信号線469を介して供給された変換効率劣化特性を用いて算出する。
そして、この変換効率劣化情報更新部221は、その新たな劣化に関する情報を変換効率劣化情報に順次加算することによって、更新された変換効率劣化情報を生成する。この変換効率劣化情報更新部221は、その更新された変換効率劣化情報を変換効率劣化情報保持部222に供給する。なお、更新された変換効率劣化情報の生成の一例については、図20を参照して詳細に説明する。
変換効率劣化情報保持部222は、変換効率劣化情報を保持するものであり、画素回路600乃至605のそれぞれの変換効率劣化情報を画素回路ごとに保持する。また、この変換効率劣化情報保持部222は、変換効率劣化情報更新部221により更新された変換効率劣化情報が供給される毎に、その更新された変換効率劣化情報を順次保持する。この変換効率劣化情報保持部222は、保持している変換効率劣化情報を、変換効率劣化情報更新部221および変換効率劣化補正パターン生成部230に供給する。
変換効率劣化補正パターン生成部230は、変換効率劣化を補正するためのパターン(変換効率劣化補正パターン)を生成するものである。ここで、変換効率劣化補正パターンとは、画素回路600乃至605のそれぞれに対する変換効率劣化の補正値(変換効率劣化補正値)により構成される補正パターンであり、変換効率劣化を補正するための補正情報である。この変換効率劣化補正パターン生成部230は、基準変換効率値供給部231と、対象変換効率値生成部232と、変換効率劣化補正値算出部233と、変換効率劣化補正パターン保持部234とを備える。なお、変換効率劣化補正パターン生成部230は、特許請求の範囲に記載の変換効率劣化値生成部および変換効率劣化値算出部の一例である。
基準変換効率値供給部231は、変換効率劣化の補正の基準となる画素回路の効率係数を基準変換効率値として供給するものである。例えば、この基準変換効率値供給部231は、本発明の第1の実施の形態においては、劣化が起きていない状態(初期状態)の画素回路に関する効率係数を保持し、その保持している効率係数を基準変換効率値として供給する。この基準変換効率値供給部231は、基準変換効率値を変換効率劣化補正値算出部233に供給する。
対象変換効率値生成部232は、変換効率劣化補正値の生成対象となる画素回路の効率係数を対象変換効率値として供給するものである。例えば、この対象変換効率値生成部232は、画素回路600乃至605に関する変換効率劣化情報を変換効率劣化情報保持部222から順次取得する。そして、この対象変換効率値生成部232は、例えば、特定の階調値における発光時間が変換効率劣化情報である場合には、その階調値に関する変換効率劣化特性を、信号線468を介して取得する。続いて、この対象変換効率値生成部232は、その取得した変換効率劣化特性を用いて、変換効率劣化情報から画素回路の変換効率の劣化の度合い(変換効率劣化量)を算出する。そして、この対象変換効率値生成部232は、算出した変換効率劣化量から効率係数を算出し(例えば、変換効率劣化量と効率係数との相関関係を示す数式を用いて算出)、その算出した効率係数を対象変換効率値として変換効率劣化補正値算出部233に供給する。
変換効率劣化補正値算出部233は、変換効率劣化補正パターンを生成するため、基準変換効率値および対象変換効率値に基づいて画素回路600乃至605ごとの変換効率劣化補正値を算出するものである。この変換効率劣化補正値算出部233は、対象変換効率値と基準変換効率値とに基づいて、図8において説明したΔA(変換効率劣化値)を算出する。例えば、対象変換効率値を分子とし、基準変換効率値を分母とする除算により変換効率劣化値が算出される。この変換効率劣化補正値算出部233は、画素回路600乃至605の全てに関して変換効率劣化値を生成する。この変換効率劣化補正値算出部233は、生成した変換効率劣化値を変換効率劣化補正値として変換効率劣化補正パターン保持部234に供給する。
変換効率劣化補正パターン保持部234は、変換効率劣化補正値算出部233から供給された変換効率劣化補正値を画素回路ごとに保持するものである。この各画素回路により構成される変換効率劣化補正値を変換効率劣化補正パターンとして以下では説明する。この変換効率劣化補正パターン保持部234は、保持している変換効率劣化補正パターンを補正演算部260に供給する。なお、この変換効率劣化補正パターンの一例については、図22を参照して説明する。
電流量減少情報積算部240は、画素回路600乃至605の駆動電流の電流量の減少に関する情報(電流量減少情報)を保持し、この電流量減少情報を順次保持するものである。また、この電流量減少情報積算部240は、画素回路600乃至605の電流量の新たな減少の量をその電流量減少情報に順次加算することにより、電流量減少情報を更新する。ここで、電流量減少情報とは、例えば、画素回路600乃至605の駆動電流の減少量を、特定の階調値の映像信号による発光時間に換算した値である。この電流量減少情報積算部240は、電流量減少情報更新部241および電流量減少情報保持部242を備える。なお、電流量減少情報積算部240は、特許請求の範囲に記載の電流量減少値生成部および電流量減少情報生成部の一例である。
電流量減少情報更新部241は、電流量減少情報保持部242に保持されている電流量減少情報を、画素回路600乃至605の駆動電流の新たな減少量を加算することによって更新するものである。この電流量減少情報更新部241は、例えば、補正演算部260から供給された補正後の映像信号に基づいて、画素回路600乃至605の電流量の新たな減少量に関する情報を、信号線499を介して供給された電流量減少特性を用いて算出する。
そして、この電流量減少情報更新部241は、その新たな減少量に関する情報を電流量減少情報に順次加算することによって、更新された電流量減少情報を生成する。この電流量減少情報更新部241は、その更新された電流量減少情報を電流量減少情報保持部242に供給する。なお、更新された電流量減少情報の生成の一例については、図20を参照して詳細に説明する。
電流量減少情報保持部242は、電流量減少情報を保持するものであり、画素回路600乃至605のそれぞれの電流量減少情報を画素回路ごとに保持する。また、この電流量減少情報保持部242は、電流量減少情報更新部241により更新された電流量減少情報が供給される毎に、その更新された電流量減少情報を順次保持する。この電流量減少情報保持部242は、保持している電流量減少情報を、電流量減少情報更新部241および電流量減少補正パターン生成部250に供給する。
電流量減少補正パターン生成部250は、駆動電流減少量を補正するためのパターン(電流量減少補正パターン)を生成するものである。ここで、電流量減少補正パターンとは、画素回路600乃至605のそれぞれに対する駆動電流減少量の補正値(電流量減少補正値)により構成される補正パターンであり、駆動電流減少量を補正するための補正情報である。この電流量減少補正パターン生成部250は、対象電流量減少値生成部252と、電流量減少補正値算出部253と、電流量減少補正パターン保持部254とを備える。なお、電流量減少補正パターン生成部250は、特許請求の範囲に記載の電流量減少値生成部および電流量減少値算出部の一例である。
対象電流量減少値生成部252は、電流量減少補正値の生成対象となる画素回路の電流量の減少値(電流量減少値)を対象電流量減少値として供給するものである。例えば、この対象電流量減少値生成部252は、画素回路600乃至605に関する電流量減少情報を電流量減少情報保持部242から順次取得する。そして、この対象電流量減少値生成部252は、例えば、特定の階調値における発光時間が電流量減少情報である場合には、その階調値に関する電流量減少特性を、信号線498を介して取得する。続いて、この対象電流量減少値生成部252は、その取得した電流量減少特性を用いて、電流量減少情報から画素回路の駆動電流減少量(図7において示した駆動電流減少量ΔS)を算出する。この対象電流量減少値生成部252は、その算出した駆動電流減少量(電流量減少値)を対象電流量減少値として電流量減少補正値算出部253に供給する。
電流量減少補正値算出部253は、電流量減少補正パターンを生成するため、対象電流量減少値に基づいて画素回路600乃至605ごとの電流量減少補正値を算出するものである。例えば、この電流量減少補正値算出部253は、駆動電流減少量が対象電流量減少値として供給された場合には、その駆動電流減少量を電流量減少補正値として供給する。ここで、電流量減少補正値とは、駆動電流減少量の補正対象となる画素回路に供給される映像信号の階調値を変更することによって、補正対象の画素回路と補正基準の画素回路と間の駆動電流減少量の差を無くすための値である。例えば、初期状態の画素回路が基準である本発明の第1の実施の形態において、電流量減少補正値は、図8において示した駆動電流減少量ΔSの値である。この電流量減少補正値算出部253は、画素回路600乃至605の全てに関して電流量減少補正値を生成する。この電流量減少補正値算出部253は、生成した電流劣化補正値を電流量減少補正パターン保持部254に供給する。
電流量減少補正パターン保持部254は、電流量減少補正値算出部253から供給された電流量減少補正値を画素回路ごとに保持するものである。この各画素回路により構成される電流量減少補正値を電流量減少補正パターンとして以下では説明する。この電流量減少補正パターン保持部254は、保持している電流量減少補正パターンを補正演算部260に供給する。なお、この電流量減少補正パターンの一例については、図21を参照して詳細に説明する。
補正演算部260は、信号線201を介して入力された映像信号を補正するものであり、補正された映像信号を、信号線209を介して変換効率劣化情報積算部220と、電流量減少情報積算部240と、水平セレクタ(HSEL)120とに供給する。この補正演算部260は、変換効率劣化補正演算部261および電流量減少補正演算部262を備える。なお、この補正演算部260の補正内容の一例については、図23を参照して説明する。なお、補正演算部260は、特許請求の範囲に記載の補正部の一例である。
変換効率劣化補正演算部261は、変換効率劣化補正パターン保持部234から供給された変換効率劣化補正パターンに基づいて、信号線201を介して入力された映像信号の階調値を変更することによって、変換効率劣化を補正するものである。また、この変換効率劣化補正演算部261は、その補正した映像信号を電流量減少補正演算部262に供給する。
電流量減少補正演算部262は、電流量減少補正パターン保持部254から供給された電流量減少補正パターンに基づいて、変換効率劣化補正演算部261から出力された映像信号の階調値を変更することによって、駆動電流減少量を補正するものである。また、この電流量減少補正演算部262は、その補正した映像信号を、信号線209を介して、変換効率劣化情報積算部220と、電流量減少情報積算部240と、水平セレクタ(HSEL)120とに供給する。
このように、劣化特性供給部400を焼き付き補正部200に設けることによって、輝度センサ312から供給されるダミー画素輝度情報を用いて、画素回路600乃至605における駆動電流の減少の補正および変換効率の劣化の補正をすることができる。
なお、ここでは、各フレームについて補正された映像信号を1分間隔で取得することにより、変換効率劣化情報積算部220および電流量減少情報積算部240に保持されている情報を更新したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補正された映像信号を10分間隔で取得し、その取得した映像信号によって10分間発光するものと想定して変換効率劣化情報を更新するようにしてもよい。このように、変換効率劣化情報の更新間隔を比較的長い時間とすることにより、演算量をさらに軽減することができる(電流量減少情報も同様)。また、変換効率劣化情報積算部220および電流量減少情報積算部240において、各フレームについて補正された映像信号の取得間隔を短くすることにより、さらに精度よく情報を更新することも考えられる。
また、変換効率劣化補正パターン生成部230および電流量減少補正パターン生成部250は、変換効率劣化情報および電流量減少情報が更新されるごとに、保持している補正パターンを更新したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、変換効率劣化補正パターンおよび電流量減少補正パターンは、短い間隔での更新では、急激に異なるパターンに更新されるものではない。これは、輝度が画素回路ごとにバラついたとしても、劣化の進行はゆっくり進行するためである。そこで、例えば、変換効率劣化情報および電流量減少情報を1時間間隔で取得し、その取得した情報に基づいて補正パターンを1時間間隔で更新するなどにより、演算量を軽減することが考えられる。
また、ここでは、変換効率劣化情報および電流量減少情報は特定の階調値の映像信号による発光時間に換算した値を想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。この変換効率劣化情報および電流量減少情報は、変換効率劣化および駆動電流減少量の劣化の度合いを示す値であるため、例えば、初期状態に対する劣化の割合などが考えられる。また、効率係数および駆動電流減少量を算出して変換効率劣化情報および電流量減少情報として保持する場合なども考えられる。
[劣化特性供給部の構成例]
図13は、本発明の第1の実施の形態における劣化特性供給部400の機能構成例を示すブロック図である。この劣化特性供給部400は、ダミー画素劣化情報生成部410と、ダミー画素劣化情報分類部420と、定電流劣化情報保持部430と、駆動電流劣化情報保持部440とを備える。さらに、この劣化特性供給部400は、変換効率劣化特性生成部450と、変換効率劣化特性保持部460と、電流量減少量算出部470と、電流量減少特性生成部480と、電流量減少特性保持部490とを備える。
ダミー画素劣化情報生成部410は、輝度センサから信号線390を介して供給されたダミー画素輝度情報に基づいて、ダミー画素回路の輝度の劣化量に関する情報(ダミー画素劣化情報)を生成するものである。例えば、このダミー画素劣化情報生成部410は、ダミー画素回路500の初期状態における輝度を予め保持する。そして、このダミー画素劣化情報生成部410は、輝度センサ312による輝度の測定結果(ダミー画素輝度情報)と、ダミー画素回路500の初期状態における輝度とを比較してダミー画素回路の劣化量(ダミー画素劣化量)を生成する。このダミー画素劣化情報生成部410は、その生成したダミー画素劣化量をダミー画素劣化情報として、ダミー画素劣化情報分類部420に供給する。
ダミー画素劣化情報分類部420は、信号線159から供給されるモード情報に基づいて、ダミー画素劣化情報を分類するものである。このダミー画素劣化情報分類部420は、モード情報に基づいて、ダミー画素劣化情報生成部410から供給されたダミー画素劣化情報が、定電流モードにおける発光によるものか、または、駆動電流モードにおける発光によるものかについて判別する。そして、このダミー画素劣化情報分類部420は、定電流モードのダミー画素劣化情報を、定電流劣化情報として定電流劣化情報保持部430に供給する。また、このダミー画素劣化情報分類部420は、駆動電流モードのダミー画素劣化情報を、駆動電流劣化情報として駆動電流劣化情報保持部440に供給する。
定電流劣化情報保持部430は、ダミー画素劣化情報分類部420から供給された定電流劣化情報を保持するものである。この定電流劣化情報保持部430は、例えば、輝度検出ユニットが3つ(310、320、330)である場合には、それぞれの輝度検出ユニットにおけるダミー画素回路に関する定電流劣化情報を保持する。この定電流劣化情報保持部430は、保持している定電流劣化情報を、変換効率劣化特性生成部450および電流量減少量算出部470に供給する。
駆動電流劣化情報保持部440は、ダミー画素劣化情報分類部420から供給された駆動電流劣化情報を保持するものである。この駆動電流劣化情報保持部440は、例えば、輝度検出ユニットが3つ(310、320、330)である場合には、それぞれの輝度検出ユニットにおけるダミー画素回路に関する駆動電流劣化情報を保持する。この駆動電流劣化情報保持部440は、保持している駆動電流劣化情報を、電流量減少量算出部470に供給する。
変換効率劣化特性生成部450は、定電流劣化情報保持部430から供給される定電流劣化情報に基づいて、変換効率劣化特性を生成するものである。この本発明の第1の実施の形態では、ダミー画素を定電流で発光させることにより、発光素子540の変換効率の劣化を測定することができる。このため、変換効率劣化特性生成部450は、定電流劣化情報に基づいて変換効率劣化特性を生成する。この変換効率劣化特性生成部450は、生成した変換効率劣化特性を変換効率劣化特性保持部460に供給する。なお、定電流による発光と発光素子540の変換効率の劣化との関係については、図17を参照して説明する。また、この変換効率劣化特性生成部450により生成される変換効率劣化特性の一例については、図19(a)を参照して説明する。
変換効率劣化特性保持部460は、変換効率劣化特性生成部450から供給された変換効率劣化特性を保持するものである。この変換効率劣化特性保持部460は、その保持した変換効率劣化特性を、信号線468を介して対象変換効率値生成部232に供給する。また、この変換効率劣化特性保持部460は、その保持した変換効率劣化特性を、信号線469を介して変換効率劣化情報更新部221に供給する。
電流量減少量算出部470は、駆動電流劣化情報保持部440から供給される駆動電流劣化情報と、定電流劣化情報保持部430から供給される定電流劣化情報とに基づいて、電流量減少量を算出するものである。例えば、この電流量減少量算出部470は、駆動電流劣化情報が示す劣化量から定電流劣化情報が示す劣化量を減算することにより、電流量減少に関する減少量を算出する。この電流量減少量算出部470は、算出した減少量を、算出電流量減少量情報として電流量減少特性生成部480に供給する。なお、この算出電流量減少量情報の生成については、図19(b)を参照して説明する。
電流量減少特性生成部480は、電流量減少量算出部470から供給される算出電流量減少量情報に基づいて、電流量減少特性を生成するものである。この電流量減少特性生成部480は、生成した電流量減少特性を電流量減少特性保持部490に供給する。なお、この電流量減少特性生成部480による電流量減少特性の生成の一例については、図19(b)を参照して説明する。
電流量減少特性保持部490は、電流量減少特性生成部480から供給された電流量減少特性を保持するものである。この電流量減少特性保持部490は、その保持した電流量減少特性を、信号線498を介して対象電流量減少値生成部252に供給する。また、この電流量減少特性保持部490は、その保持した電流量減少特性を、信号線499を介して電流量減少情報更新部241に供給する。
なお、この図13において、ダミー画素輝度情報の輝度と初期状態における輝度とを比較してダミー画素劣化量を生成したが、本発明はこれに限定されるものではない。ダミー画素劣化量は、劣化に関する情報であれば何であってもよく、例えば、ダミー画素輝度情報を保持し、変換効率劣化特性生成部450および電流量減少量算出部470は、このダミー画素輝度情報を用いて変換効率劣化特性および電流量減少量を生成する場合等も考えられる。
[ダミー画素回路の構成例]
図14は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路500の一構成例を模式的に示す回路図である。
ダミー画素回路500は、書込みトランジスタ510と、駆動トランジスタ520と、保持容量530と、発光素子540と、定電流接続トランジスタ590とを備える。なお、書込みトランジスタ510、駆動トランジスタ520および保持容量530は、画素回路600(図2参照)における書込みトランジスタ610、駆動トランジスタ620および保持容量630と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。また、この図14において示す発光素子540、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560は、画素回路600における発光素子640、第1ノード(ND1)650および第2ノード(ND2)660と同様のものであるため説明を省略する。
この構成において、定電流接続トランジスタ590は、そのゲート端子に定電流接続線(CCL)360が接続され、そのソース端子に定電流線598が接続させる。なお、定電流線598は、定電流源599に接続されている。また、定電流接続トランジスタ590のドレイン端子には、第2ノード(ND2)560(駆動トランジスタ620のソース端子(s)、保持容量630の他端および発光素子640のアノード電極)が接続される。
定電流接続トランジスタ590は、定電流接続線(CCL)360から供給される定電流切替信号に従って、定電流源599からの定電流を第2ノード(ND2)560に供給するトランジスタである。この定電流接続トランジスタ590は、定電流接続線(CCL)360から定電流オン電位が供給されている場合には、定電流源599が供給する定電流を第2ノード(ND2)560に供給する。
[ダミー画素回路の定電流モードにおける動作の例]
図15は、本発明の第1の実施の形態における定電流モードのダミー画素回路500の動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、定電流接続線(CCL)360、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
また、このタイミングチャートにおける走査線(WSL)160および電源線(DSL)180の電位変化は、図3のタイミングチャートにおいて示した電位変化と同一であることを想定する。
このタイミングチャートは、ダミー画素回路500の定電流モードにおける動作の遷移を、TP1dc乃至TP6dcの期間に便宜的に区切っている。また、このタイミングチャートには、比較対象として、図3において示した画素回路600の基本動作の期間(TP1乃至TP6)が示されている。
まず、発光期間TP6dcでは、発光素子540は発光状態にある。この発光期間TP5dcにおいて、定電流接続線(CCL)360の定電流切替信号の電位が定電流オン電位(Vccon)に設定されている。なお、この発光期間TP5dcにおける走査線(WSL)160の走査信号の電位および電源線(DSL)180の電源信号の電位は、画素回路600の発光期間TP6と同様である。
この後、線順次走査の新しいフィールドに入り、消光期間TP1dcでは、定電流接続線(CCL)360の電位が、定電流オフ電位(Vccoff)に設定される。これにより、第2ノード(ND2)560の電位が発光素子540の閾値電位(Vthel+Vcat)まで低下する。また、保持容量530によるカップリングの影響を受けることにより、第2ノード(ND2)560の電位の低下に伴い、第1ノード(ND1)550の電位も低下する。
続いて、閾値補正準備期間TP2dcでは、電源線(DSL)180の電位が、第2ノード(ND2)560を初期化するための初期化電位(Vss)に設定される。これにより、第2ノード(ND2)560の電位が初期化電位(Vss)まで低下する。また、第1ノード(ND1)550の電位は、この第2ノード(ND2)560の電位低下に倣うように、低下する。この閾値補正準備期間TP2dcは、図3において示した閾値補正準備期間TP1と同様の期間であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
続いて、閾値補正準備期間TP3dcでは、走査線(WSL)160の電位がオン電位(Von)に設定されることによって、第1ノード(ND1)550の電位が基準電位(Vofs)に初期化される。この閾値補正準備期間TP3dcは、図3において示した閾値補正準備期間TP2と同様の期間であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
次に、閾値補正期間TP4dcでは、電源線(DSL)180の電源信号が電源電位(Vcc)に設定される。この閾値補正期間TP4dcは、図3において示した閾値補正期間TP3と同様の期間であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
この後、発光待機期間TP5dcでは、定電流接続線(CCL)360の電位が定電流オフ電位(Vccoff)のままに設定される。これにより、保持容量530には、駆動トランジスタ520の閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持されたままになり、駆動トランジスタ520がカットオフ状態のままとなる。また、この発光待機期間TP5dcにおいて、データ線(DTL)170のデータ信号の電位が基準電位(Vofs)のままに設定される。これにより、画素回路600の書込み期間/移動度補正期間TP5に相当する期間においても、保持容量530に閾値電圧に相当する電圧(Vth)が保持されたままになる。
そして、発光期間TP6dcでは、定電流接続線(CCL)360の電位が定電流オン電位(Vccon)に設定されることによって、第2ノード(ND2)560に定電流が供給される。そして、第2ノード(ND2)560の電位は、発光待機期間TP5dcにおいて与えられた電位(Vofs−Vth)に対し、「Vel2」だけ上昇する。このとき、第2ノード(ND2)560の電位が、発光素子540の閾値電圧(Vthel)と、カソード線580のカソード電位(Vcat)とによって定まる発光電位(Vthel+Vcat)を超えるため、発光素子540が発光する。
これに対し、第1ノード(ND1)550の電位も、保持容量530を介したカップリングによって、第2ノード(ND2)560の電位上昇に倣うように、基準電位(Vofs)から「Vel2'」だけ上昇する。この電位上昇は、図3において示したブートストラップ動作と同様の期間であるため、ここでの詳細な説明を省略する。この発光期間TP6dcにおいて、発光素子540は定電流に基づいて発光するため、この第1ノード(ND1)550と第2ノード(ND2)560との間の電位差は、発光素子540の発光に影響しない。また、駆動トランジスタ520の劣化も、発光素子540の発光に影響しない。このように、発光期間TP6dcでは、定電流源599から供給される定電流に応じた輝度により、発光素子540が発光する。
なお、この図15では、発光待機期間TP5dcを備える一例を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。発光期間TP6dcを開始するタイミングは、閾値補正が終了した後(駆動トランジスタ520がカットオフ状態になったあと)であればよい。このため、例えば、閾値補正期間TP4dcが終了した直後に、発光期間TP6dcを開始する場合なども考えられる。
[ダミー画素回路のエージングモードおよび駆動電流モードにおける動作の例]
図16は、本発明の第1の実施の形態におけるエージングモードおよび駆動電流モードのダミー画素回路500の動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、定電流接続線(CCL)360、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
このタイミングチャートは、ダミー画素回路500のエージングモードおよび駆動電流モードにおける動作の遷移を、TP1dd乃至TP6ddの期間に便宜的に区切っている。また、このタイミングチャートには、比較対象として、図3において示した画素回路600の基本動作の期間(TP1乃至TP6)が示されている。
また、このタイミングチャートにおける走査線(WSL)160、電源線(DSL)180およびデータ線(DTL)170の電位変化は、図3のタイミングチャートにおいて示した電位変化と同一であることを想定する。
この図16に示すように、ダミー画素回路500のエージングモードおよび駆動電流モードにおいて、期間TP1dd乃至TP6ddにおける定電流接続線(CCL)360の定電流切替信号の電位は、常に定電流オフ電位(Vccoff)に設定される。すなわち、ダミー画素回路500に定電流が供給される期間はない。
また、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180およびデータ線(DTL)170の電位変化が画素回路600の電位変化と同様であるため、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560の電位変化も画素回路600と同様になる。
このように、ダミー画素回路500の期間TP1dd乃至TP6ddにおける定電流接続信号線(CCL)360以外の各信号の電位変化は、図2において示した画素回路600の期間TP1乃至TP6と同様の電位変化になる。したがって、発光期間TP6ddでは、信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV−(Vel−Vel'))に応じた輝度により、発光素子540が発光する。
[ダミー画素回路の発光状態の詳細]
次に、上述のダミー画素回路500の発光期間における動作について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
図17は、図15において示した発光期間TP6dcおよび図16において示した発光期間TP6ddにそれぞれ対応するダミー画素回路500の動作状態を模式的に示す回路図である。
図17(a)には、図15において示した発光期間TP6dcにおけるダミー画素回路500の動作状態を模式的に示す回路図が示されている。
この図17(a)が示す発光期間TP6dcでは、定電流接続線(CCL)360の定電流切替信号の電位が定電流オフ電位(Vccoff)から定電流オン電位(Vccon)に遷移する。このことにより、第2ノード(ND2)560に定電流(Icc)が供給され、発光素子540が定電流(Icc)に応じた輝度により、発光する。
なお、この発光期間TP6dcにおいて、保持容量530に保持されている電圧が駆動トランジスタ520の閾値電圧(Vth)であるため、駆動トランジスタ520はカットオフ状態である。このため、電源線(DSL)180の電源電位(Vcc)は、第2ノード(ND2)560に供給されない。
図17(b)には、図16において示した発光期間TP6ddにおけるダミー画素回路500の動作状態を模式的に示す回路図が示されている。
この図17(b)が示す発光期間TP6ddでは、図6において示した画素回路600の発光期間TP6と同様の動作によって、発光素子540が発光する。すなわち、発光素子540は、駆動電流(Ids)に応じた輝度により、発光する。なお、エージングモードおよび駆動電流モードでは定電流接続線(CCL)360の定電流切替信号の電位が定電流オフ電位(Vccoff)に常に設定されるため、定電流は第2ノード(ND2)560に供給されない。
[ダミー画素回路の劣化の測定例]
図18には、定電流劣化情報保持部430および駆動電流劣化情報保持部440に保持されるダミー画素劣化情報(定電流劣化情報および駆動電流劣化情報)の一例を模式的に示すグラフが示されている。
このグラフでは、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を発光時間を示す軸として、所定の発光信号(階調値「100、150、200」)で発光させたダミー画素回路のダミー画素劣化情報(Dcm1乃至9およびDdm1乃至9)が示されている。なお、この図18で示すグラフの縦軸では、縦軸と横軸が交差する原点に近いほど初期状態のダミー画素回路に近い状態(劣化が小さい状態)を示し、縦軸の下方に向かうほど輝度が弱い状態(劣化が大きい状態)を示す。
また、この図18では、ダミー画素回路を発光させた期間として、期間T1乃至T18が示されている。なお、この図18では、期間T1乃至T4、期間T7乃至T9および期間T13乃至T16を、エージングモードによる発光の期間であることとする。また、期間T5、T11およびT17を、定電流モードによる発光の期間であることとする。さらに、期間T6、T12およびT18を、駆動電流モードによる発光の期間であることとする。この図18では、エージングモードによる発光を3回行った後に、定電流モードによる輝度の測定を1回行い、そして、駆動電流モードによる輝度の測定を1回行うこととする。また、この図18では、そのモードのサイクルを繰り返すことを想定する。
また、本発明の第1の実施の形態では、輝度検出ユニット310のダミー画素回路(#1)は階調値「200」で発光し、輝度検出ユニット320のダミー画素回路(#2)は階調値「150」で発光することを想定する。また、輝度検出ユニット330のダミー画素回路(#3)は階調値「100」で発光することを想定する。
定電流劣化情報Dcm1乃至Dcm9は、定電流モードにおけるダミー画素回路の輝度の測定結果に関するダミー画素劣化情報を模式的に示す曲線である。定電流劣化情報Dcm1、Dcm4およびDcm7は、階調値「100」の発光信号で発光させたダミー画素回路(ダミー画素回路(#3))の輝度の測定結果を示す。また、定電流劣化情報Dcm2、Dcm5およびDcm8は階調値「150」による発光の測定結果を示し、定電流劣化情報Dcm3、Dcm6およびDcm9は階調値「200」による発光の測定結果を示す。この定電流劣化情報Dcm1乃至Dcm9には、ダミー画素回路の劣化が使用時間に応じて進行するために、輝度の測定のたびに徐々に劣化が大きくなることが示されている。
駆動電流劣化情報Ddm1乃至Ddm9は、駆動電流モードにおけるダミー画素回路の輝度の測定結果に関するダミー画素劣化情報を模式的に示す曲線である。駆動電流劣化情報Ddm1、Ddm4およびDdm7は、階調値「100」の発光信号で発光させたダミー画素回路(ダミー画素回路(#3))の輝度の測定結果を示す。また、駆動電流劣化情報Ddm2、Ddm5およびDdm8は、階調値「150」による発光の測定結果を示し、駆動電流劣化情報Ddm3、Ddm6およびDdm9は、階調値「200」による発光の測定結果を示す。
ここで、ダミー画素劣化情報生成部410と、ダミー画素劣化情報分類部420との役割について、期間T1乃至T6を用いて説明する。
まず、期間T1においては、ダミー画素発光モード決定部150がモードをエージングモードに決定し、ダミー画素回路は、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号に基づいて発光する。すなわち、ダミー画素回路(#1)は、階調値「200」で発光し、ダミー画素回路(#2)は、階調値「150」で発光し、ダミー画素回路(#1)は、階調値「100」で発光する。
そして、輝度センサは、ダミー画素回路の発光の輝度を検出し、ダミー画素輝度情報としてダミー画素劣化情報生成部410に供給する。次に、ダミー画素劣化情報生成部410は、供給されたダミー画素輝度情報からダミー画素劣化情報を生成し、ダミー画素劣化情報分類部420に供給する。そして、ダミー画素劣化情報分類部420は、信号線159を介して供給されるモード情報(エージングモードを示す)を用いて、ダミー画素劣化情報生成部410から供給されたダミー画素劣化情報は不要であると判定する。このダミー画素劣化情報分類部420は、ダミー画素劣化情報を定電流劣化情報保持部430および駆動電流劣化情報保持部440に保持しないで、このダミー画素劣化情報を破棄する。そして、次の期間が開始される。
なお、期間T2乃至T4における動作は、期間T1と同様であるため、説明を省略する。
そして、期間T5においては、ダミー画素発光モード決定部150がモードを定電流モードに決定し、ダミー画素回路は、定電流線598から供給される定電流に基づいて発光する。すなわち、ダミー画素回路(#1)は、初期状態の画素回路が階調値「200」で発光する際に供給される電流量(階調値「200」初期電流量)の定電流に基づいて発光する。また、ダミー画素回路(#2)は、階調値「150」初期電流量の定電流で発光し、ダミー画素回路(#3)は、階調値「100」初期電流量の定電流で発光する。そして、輝度センサは、ダミー画素輝度情報をダミー画素劣化情報生成部410に供給する。続いて、ダミー画素劣化情報生成部410は、供給されたダミー画素輝度情報からダミー画素劣化情報を生成し、ダミー画素劣化情報分類部420に供給する。そして、ダミー画素劣化情報分類部420は、モード情報(定電流モードを示す)を用いて判定し、ダミー画素劣化情報生成部410から供給されたダミー画素劣化情報を定電流劣化情報として定電流劣化情報保持部430に供給する。
続く期間T6においては、ダミー画素発光モード決定部150がモードを駆動電流モードに決定し、ダミー画素回路は、データ線(DTL)170から供給されるデータ信号に基づいて発光する。なお、この発光した後の期間T5における動作は、ダミー画素劣化情報がダミー画素劣化情報分類部420に供給されるまで、エージングモードと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。そして、ダミー画素劣化情報分類部420は、モード情報(駆動電流モードを示す)を用いて判定し、ダミー画素劣化情報生成部410から供給されたダミー画素劣化情報を駆動電流劣化情報として駆動電流劣化情報保持部440に供給する。
このようにして、定電流劣化情報保持部430には定電流劣化情報が保持され、駆動電流劣化情報保持部440には駆動電流劣化情報が保持される.
なお、この図18では、1つのサイクルにおけるエージングモードの回数を4回として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。駆動電流で発光させる回数と比較して、定電流で発光させる回数が少ないほど、発光素子540の定電流による劣化を減少させることができる。このため、エージングモードの回数は多いほど望ましい。
また、エージングモードと駆動電流モードとは、ダミー画素回路を発光させるための動作が同一のものであるため、エージングモードの代わりに駆動電流モードを繰り返す場合なども考えられる。
[変換効率劣化特性および電流量減少特性の一例]
図19は、本発明の第1の実施の形態において変換効率劣化特性生成部450および電流量減少特性生成部480により生成される変換効率劣化特性および電流量減少特性の一例を模式的に示す図である。この図15では、縦軸をダミー画素回路の劣化量を示す軸とし、横軸を劣化に要する時間を示す軸とする変換効率劣化特性および電流量減少特性が示されている。
図19(a)には、変換効率劣化特性生成部450により生成される変換効率劣化特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、定電流劣化情報保持部430から供給された定電流劣化情報を示す測定劣化特性451乃至453が太い破線で示され、この測定劣化特性451乃至453から生成される変換効率劣化特性461乃至463が細い破線で示されている。
測定劣化特性451乃至453は、定電流劣化情報により示されるダミー画素回路の劣化の特性を模式的に示す特性である。図18において示すように、定電流劣化特性は、所定の間隔で取得される。そのため、変換効率劣化特性生成部450は、この所定の間隔に基づいて定電流劣化情報が示す劣化量をプロットする。この図19(a)では、このプロットした結果を、測定劣化特性451乃至453として示している。
変換効率劣化特性461乃至463は、測定劣化特性451乃至453に基づいて生成される変換効率劣化特性を模式的に示す特性である。この変換効率劣化特性461乃至463は、例えば、測定劣化特性451乃至453を用いて近似曲線を作成することにより生成される。
ここで、変換効率と定電流との間の関係について説明する。
定電流を供給して発光素子540を発光させる場合には、劣化した発光素子540に供給される電流量は、初期状態の発光素子540に供給される電流量と同一である。発光素子540の発光における輝度は、図8の式3において説明したように、発光素子540の変換効率(式4の変換効率A)と、発光素子540に供給される電流(式4の駆動電流S)によって輝度の大きさが決まる。すなわち、駆動電流の代わりに定電流を発光素子540に供給して輝度を測る(式3の駆動電流S2に相当する値を一定にして輝度を測る)ことにより、変換効率の劣化を測定することができる。例えば、この本発明の第1の実施の形態では、ダミー画素輝度情報とダミー画素回路500の初期状態における輝度とを比較した値がダミー画素劣化情報であるため、定電流劣化情報が変換効率の劣化を示す値となる。
このように、変換効率劣化特性生成部450によって、定電流モードにおけるダミー画素回路の輝度から変換効率劣化特性が生成される。
図19(b)には、電流量減少特性生成部480により生成される電流量減少特性を模式的に示すグラフが示されている。このグラフには、駆動電流劣化情報と定電流劣化情報とを用いて算出される算出電流量減少特性481乃至483が太い破線で示され、この算出電流量減少特性481乃至483から生成される電流量減少特性491乃至493が細い破線で示されている。
算出電流量減少特性481乃至483は、電流量減少量算出部470において駆動電流劣化情報と定電流劣化情報とにより算出された電流量減少量より生成される電流量減少特性を模式的に示す特性である。
電流量減少特性491乃至493は、算出電流量減少特性481乃至483に基づいて生成される電流量減少特性を模式的に示す特性である。この電流量減少特性491乃至493は、例えば、算出電流量減少特性481乃至483を用いて近似曲線を生成することにより生成される。
ここで、この算出電流量減少特性481乃至483の算出について説明する。
定電流劣化情報保持部430から供給される定電流劣化情報は、図19(a)において説明したように、発光素子540の変換効率の劣化を示す。一方、駆動電流劣化情報は、画素回路全体の劣化(変換効率劣化および電流量減少による劣化)を示す。そのため、駆動電流劣化情報と定電流劣化情報とを比較することにより、電流量減少特性を算出するための電流量減少量を算出することができる。
このように、劣化特性供給部400を備えることによって、変換効率劣化特性と電流量減少特性を生成することができる。
なお、この図19では、ダミー画素劣化情報を用いて変換効率劣化特性および電流量減少特性を生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、定電流を用いて測定した輝度と、駆動電流を用いて測定した輝度とから変換効率劣化特性と電流量減少特性を生成するものであればよい。例えば、定電流の輝度および定電流の電流量から図8の式3を用いて(輝度が輝度値L、定電流が駆動電流S)、変換効率Aを算出する。そして、算出された変換効率A、駆動電流の輝度および初期状態の駆動電流の電流量から図8の式4を用いて、電流量減少量を算出する。このようにして算出された変換効率および電流量減少量を用いて変換効率劣化特性および電流量減少特性を生成することもできる。
[電流量減少情報の生成例]
図20は、本発明の第1の実施の形態における電流量減少情報更新部241による電流量減少情報の生成例を示す概念図である。
この図20では、電流量減少情報の更新が4回行われたことを想定して説明する。また、この図20では、1分間の発光が4回行われたことを想定する。なお、この図20では、1回目の更新は階調値が「100」の映像信号により更新され、2回目の更新は階調値が「200」の映像信号により更新されるものとする。そして、3回目の更新は階調値が「150」の映像信号により更新され、4回目の更新は階調値が「200」の映像信号により更新されるものとする。
図20(a)には、4回の更新の過程を模式的に示すグラフが示されている。この図20(a)には、横軸を時間を示す軸とし、縦軸を駆動電流減少量を示す軸として、電流量減少特性491乃至493が破線で示され、加算対象値285乃至287が実線で示されている。また、この図20(a)には、電流量減少情報の各更新における期間を示す発光期間T31乃至T34と、1回乃至4回の発光による画素回路の電流量減少量を示す駆動電流減少量D1乃至D4が示されている。
電流量減少特性491乃至493は、電流量減少特性保持部490から供給された電流量減少特性である。
加算対象値285乃至287は、電流量減少情報更新部241により更新ごとに算出された新たな電流量減少量である。この加算対象値285乃至287は、電流量減少情報の各更新における期間(発光期間T31乃至T34)と、それまでの画素回路の電流量減少量(初期状態および駆動電流減少量D1乃至D3)と、電流量減少特性491乃至493とを用いて算出される。
ここで、この加算対象値285乃至287の算出について、1回目の電流量減少情報の更新から順に説明する。
まず、1回目の1分間では、階調値が「100」の映像信号が供給される。そこで、電流量減少情報更新部241は、この階調値「100」の映像信号、減少量特性(階調値100)491、発光期間(1)T31および駆動電流減少情報(無劣化を示す)に基づいて、加算対象値(1)285を算出する。この発光期間(1)T31における発光の前では、画素回路は初期状態であるため、駆動電流減少量の値は「0」である。そこで、この1回目の1分間の間の劣化(加算対象値(1)285)を、電流量減少量特性(階調値100)491において駆動電流減少量「0」から発光期間(1)T31ほど劣化の時間を進ませることにより算出する。なお、この1回目の1分間の終了後における画素回路の電流量減少量は、加算対象値(1)285が示す電流量減少量である駆動電流減少量(1)D1である。1回目の電流量減少情報の更新では、電流量減少情報が、初期状態を示す情報からこの駆動電流減少量(1)D1を示す情報に更新される。
続いて、2回目の1分間では、階調値が「200」の映像信号が供給される。そこで、電流量減少情報更新部241は、この映像信号、電流量減少量特性(階調値200)493、発光期間(2)T32および駆動電流減少量(1)D1に基づいて、加算対象値(2)286を算出する。この発光期間(2)T32における発光の前では、画素回路の駆動電流減少量の値は、駆動電流減少量(1)D1を示す値である。そこで、2回目の1分間の間の劣化(加算対象値(2)286)を、電流量減少量特性(階調値200)493において、駆動電流減少量(1)D1ほど劣化するのに要する時間から発光期間(2)T32ほど劣化の時間を進ませることにより算出する。なお、この2回目の1分間の終了後における画素回路の電流量減少量は、駆動電流減少量(1)D1に加算対象値(1)285が示す電流量減少量が加算された値である駆動電流減少量(2)D2である。2回目の電流量減少情報の更新では、電流量減少情報が、駆動電流減少量(1)D1を示す情報からこの駆動電流減少量(2)D2を示す情報に更新される。
続く3回目および4回目の1分間でも、2回目の1分間と同様にして、加算対象値(3)286および加算対象値(4)287が算出され、そして、電流量減少情報が生成される。
図20(b)には、駆動電流減少量(4)D4に基づいて電流量減少情報(4)T41を生成する例が示されている。
ここでは、電流量減少情報保持部242に保持される電流量減少情報が、階調値「150」の映像信号が画素回路に供給された場合における発光時間であることを想定して説明する。
この図20(b)には、横軸を時間を示す軸とし、縦軸を駆動電流減少量を示す軸として、電流量減少特性(階調値100)492が破線で示され、加算結果値289が実線で示されている。また、この図20(b)には、4回目の電流量減少情報の更新の際に電流量減少情報として保持される電流量減少情報が電流量減少情報(4)T41として模式的に示されている。
加算結果値289は、駆動電流減少量(4)D4と、階調値「150」の映像信号による発光期間(電流量減少情報(4)T41)との相関を示す。すなわち、この加算結果値289は、加算対象値(1)285乃至(4)至287が示す駆動電流減少量を全て加算した値と、階調値「150」の映像信号による発光期間との相関を示す。この加算結果値289より算出された電流量減少情報(4)T41が電流流減少情報として、電流量減少情報保持部242に保持される
このように、各期間の駆動電流の減少量を加算することによって、駆動電流減少量および電流量減少情報が生成される。
なお、この図20では、説明の便宜上、駆動電流減少量(4)D4を算出してから電流量減少情報(4)T41を算出する例について説明した。しかしながら、電流量減少情報更新部241は、駆動電流減少量を一度算出する必要はない。本発明の第1の実施の形態では、電流量減少情報更新部241は、加算対象値を階調値「150」の発光時間に換算し、その発光時間を電流量減少情報に順次加算することによって、更新された電流量減少情報を生成することを想定してもよい。
なお、この図20では、電流量減少特性491乃至493を用いる例について説明したが、多くのダミー画素回路を用いて多くの階調値における劣化を測定することにより、輝度劣化情報の精度(正確性)を向上させることができる。また、電流量減少特性保持部490から電流量減少特性が供給されない階調値については、供給された電流量減少特性から予測の電流量減少特性を生成するようにすることもできる。
なお、変換効率劣化情報更新部221が生成する変換効率劣化情報については、図20において示した生成例と略同様である。図20において示すグラフを、横軸を時間を示す軸とし、縦軸を変換効率劣化量を示す軸とし、曲線を各階調の変換効率劣化に関する特性とすることにより、変換効率劣化情報は説明できるため、ここでの説明を省略する。
[電流量減少補正パターンの生成例]
図21は、本発明の第1の実施の形態における電流量減少補正値算出部253による電流量減少補正パターンの生成例を示す図である。この図21では、電流量減少情報保持部242に保持されている電流量減少情報に基づいて電流量減少補正パターン保持部254の電流量減少パターンが生成されるまでの流れを模式的に説明する。なお、ここでは、便宜上、表示装置100に備えられている画素回路を、1乃至tにより識別するものとする。
電流量減少情報(n−1)243は、電流量減少情報保持部242に保持されている電流量減少情報である。図21に示す例では、電流量減少情報として、n−1(nは2以上の整数)回目の1分間の間の表示に基づいて電流量減少情報保持部242に保持される電流量減少情報を示す。この電流量減少情報(n−1)は、n回目の1分間の間の表示を補正する電流量減少補正パターン(n)を生成するために用いられる。この電流量減少情報(n−1)243における左側のカラム(画素番号244)には、画面を構成する画素回路の番号である画素番号「1」、「2」、「i」および「t」が示されている。また、電流量減少情報(n−1)243における右側のカラム(減少情報245)には、画素番号の画素回路に関する電流量減少情報(減少情報)が示されている。ここで、画素番号244「i」に対応する画素回路は、劣化が比較的大きい画素回路であり、画素番号244「1」、「2」および「t」に対応する画素回路は、劣化が比較的小さい画素回路であるものとする。例えば、画素番号244「i」に対応する電流量減少情報として、「160」時間が保持され、画素番号244「1」、「2」および「t」に対応する電流量減少情報として、「100」時間が保持されているものとする。
また、電流量減少情報(n−1)243に保持されている減少情報245(点線553内に示す)は、電流量減少情報更新部241により更新されて対象電流量減少値生成部252に取得される。
このような電流量減少情報(n−1)243が電流量減少情報保持部242に保持されている場合において、電流量減少補正パターン生成部250は、n回目の電流量減少補正パターンの更新を行う。
まず、対象電流量減少値生成部252によって、補正対象となる画素回路に関する電流量減少情報が取得され、劣化特性供給部400から取得した電流量減少特性を用いてその補正対象の画素回路の電流量減少量が算出される。そして、その算出された電流量減少量が対象電流量減少値として電流量減少補正値算出部253に供給される。
ここで、一例として、画素番号244「1」の対象電流量減少値が電流量減少補正値算出部253に供給される過程について説明する。まず、対象電流量減少値生成部252によって、画素番号244「1」の減少情報245「100」時間が取得され、電流量減少特性を用いて駆動電流減少量(ここでは、「j」とする)が算出される。そして、この算出された駆動電流減少量「j」が対象電流量減少値として電流量減少補正値算出部253に供給される。
その後、電流量減少補正値算出部253によって、画素回路ごとの電流量減少補正値が生成される。例えば、対象電流量減少値生成部252から対象電流量減少値として「j」が供給された場合には、電流量減少補正値として「j」が生成される。
次に、電流量減少補正値算出部253によって生成された画素回路ごとの電流量減少補正値により構成される電流量減少補正パターンについて説明する。
電流量減少補正パターン(n)255は、電流量減少補正値算出部253により生成される電流量減少パターンを模式的に表すものである。図21に示す例では、電流量減少補正値算出部253により生成された画素回路ごとの電流量減少補正値を、表示画面を構成する画素の配置に合わせて配置した場合における電流量減少補正パターンを模式的に表す。具体的には、電流量減少補正パターン(n)255は、電流量減少情報(n−1)に基づいて生成された電流量減少補正値により構成される補正パターンの一例である。また、この電流量減少補正パターン(n)255は、更新がn回目の電流量減少補正パターンであり、n回目の1分間の間に表示される各フレームに関する映像信号を補正するための電流量減少補正パターンである。
この電流量減少補正パターン(n)255における電流量減少補正値C1は、電流量減少情報(n−1)243において示した画素番号244「1」に対応する画素回路を補正するための電流量減少補正値である。また、電流量減少補正パターン(n)255における電流量減少補正値C1の位置は、画素番号244「1」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。また、電流量減少補正値C2、CiおよびCtも電流量減少補正値C1と同様に、電流量減少情報(n−1)243において示した画素番号2、iおよびtに対応する画素回路に供給される映像信号を補正するための電流量減少補正値である。また、電流量減少補正パターン(n)255における電流量減少補正値C2、CiおよびCtの位置は、画素番号244「2」、「i」および「t」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。
また、この電流量減少補正パターン(n)255における画素領域256乃至259は、画素領域256乃至259以外の画素回路よりも映像信号の階調値を大きくする電流量減少補正値が配置されている領域を表している。また、画素領域256乃至259以外の画素回路は、映像信号の階調値を僅かに大きくする電流量減少補正値が配置されている領域を表している。すなわち、画素領域256乃至259は劣化の大きい画素回路に関する電流量減少補正値が配置されている領域を示し、画素領域256乃至259以外の画素回路は、劣化の小さい画素回路に関する電流量減少補正値が配置されている領域を示す。
このように、電流量減少補正値算出部253によって、画素回路ごとの駆動電流減少量の度合いに応じてその画素回路で表示される映像信号の階調値を変更するための電流量減少補正値が生成される。そして、この電流量減少補正値が全ての画素回路について生成されることによって、表示画面を構成する各画素回路の補正を適切に行うことができる。
[変換効率劣化補正パターンの生成例]
図22は、本発明の第1の実施の形態における変換効率劣化補正値算出部233による変換効率劣化補正パターンの生成例を示す図である。この図では、変換効率劣化情報保持部222に保持されている変換効率劣化情報に基づいて変換効率劣化補正パターン保持部234の変換効率劣化補正パターンが生成されるまでの流れを模式的に説明する。なお、ここでは、便宜上、表示装置100に備えられている画素回路を、1乃至tにより識別するものとする。
変換効率劣化情報(n−1)223は、変換効率劣化情報保持部222に保持されている変換効率劣化情報である。図22に示す例では、変換効率劣化情報として、n−1(nは2以上の整数)回目の1分間の間の表示に基づいて変換効率劣化情報保持部222に保持される変換効率劣化情報を示す。この変換効率劣化情報(n−1)は、n回目の1分間の間の表示を補正する変換効率劣化補正パターン(n)235を生成するために用いられる。この変換効率劣化情報(n−1)223における左側のカラム(画素番号224)には、画面を構成する画素回路の番号である画素番号「1」、「2」、「i」および「t」が示されている。
また、変換効率劣化情報(n−1)223における右側のカラム(劣化情報225)には、画素番号の画素回路に関する変換効率劣化情報(劣化情報)が示されている。ここで、画素番号224「i」に対応する画素回路は、劣化が比較的大きい画素回路であり、画素番号224「1」、「2」および「t」に対応する画素回路は、劣化が比較的小さい画素回路であるものとする。例えば、画素番号224「i」に対応する変換効率劣化情報として、「160」時間が保持され、画素番号224「1」、「2」および「t」に対応する変換効率劣化情報として、「100」時間が保持されているものとする。
また、変換効率劣化情報(n−1)223に保持されている劣化情報225(点線553内に示す)は、変換効率劣化情報更新部221により更新されて対象変換効率値生成部232に取得される。
このような変換効率劣化情報(n−1)223が変換効率劣化情報保持部222に保持されている場合において、変換効率劣化補正パターン生成部230は、n回目の変換効率劣化補正パターンの更新を行う。
まず、対象変換効率値生成部232によって、補正対象となる画素回路に関する変換効率劣化情報が取得され、この取得された変換効率劣化情報に基づいて、対象変換効率値が変換効率劣化補正値算出部233に供給される。ここで、一例として、画素番号224「1」の対象変換効率値が変換効率劣化補正値算出部233に供給される過程について説明する。まず、対象変換効率値生成部232によって、画素番号224「1」の劣化情報225の「100」時間が取得され、劣化特性供給部400から供給された変換効率劣化特性を用いて効率係数(ここでは、「h」とする)が算出される。そして、この算出された効率係数「h」が対象変換効率値として変換効率劣化補正値算出部233に供給される。
その後、変換効率劣化補正値算出部233によって、基準変換効率値と対象変換効率値とに基づいて画素回路ごとの変換効率劣化補正値が生成される。例えば、基準変換効率値供給部231から基準変換効率値として「g」が供給されている場合には、変換効率劣化補正値として「h/g」が生成される。
次に、変換効率劣化補正値算出部233によって生成された画素回路ごとの変換効率劣化補正値により構成される変換効率劣化補正パターンについて説明する。
変換効率劣化補正パターン(n)235は、変換効率劣化補正値算出部233により生成される変換効率劣化補正パターンを模式的に表すものである。図22に示す例では、変換効率劣化補正値算出部233により生成された画素回路ごとの変換効率劣化補正値を、表示画面を構成する画素の配置に合わせて配置した場合における変換効率劣化補正パターンを模式的に表す。具体的には、変換効率劣化補正パターン(n)235は、変換効率劣化情報(n−1)に基づいて生成された変換効率劣化補正値により構成される補正パターンの一例である。また、この変換効率劣化補正パターン(n)235は、更新がn回目の変換効率劣化補正パターンであり、n回目の1分間の間に表示される各フレームに関する映像信号を補正するための変換効率劣化補正パターンである。
この変換効率劣化補正パターン(n)235における変換効率劣化補正値C1は、変換効率劣化情報(n−1)223において示した画素番号224「1」に対応する画素回路を補正するための変換効率劣化補正値である。また、変換効率劣化補正パターン(n)235における変換効率劣化補正値C1の位置は、画素番号224「1」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。また、変換効率劣化補正値C2、CiおよびCtも変換効率劣化補正値C1と同様に、変換効率劣化情報(n−1)223において示した画素番号2、iおよびtに対応する画素回路に供給される映像信号を補正するための変換効率劣化補正値である。また、変換効率劣化補正パターン(n)235における変換効率劣化補正値C2、CiおよびCtの位置は、画素番号224「2」、「i」および「t」に対応する画素回路の表示画面における位置に対応する。
また、この変換効率劣化補正パターン(n)235における画素領域236乃至239は、画素領域236乃至239以外の画素回路よりも映像信号の階調値を大きくする変換効率劣化補正値が配置されている領域を表している。また、画素領域236乃至239以外の画素回路は、映像信号の階調値を僅かに大きくする変換効率劣化補正値が配置されている領域を表している。すなわち、画素領域236乃至239は、劣化の大きい画素回路に関する変換効率劣化補正値が配置されている領域を示し、画素領域236乃至239以外の画素回路は、劣化の小さい画素回路に関する変換効率劣化補正値が配置されている領域を示す。
このように、変換効率劣化補正値算出部233によって、画素回路ごとの変換効率の劣化の度合いに応じてその画素回路で表示される映像信号の階調値を変更するための変換効率劣化補正値が生成される。そして、この変換効率劣化補正値が全ての画素回路について生成されることによって、表示画面を構成する各画素回路の補正を適切に行うことができる。
[補正された映像信号の画素特性曲線例]
図23は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200に入力される階調と輝度との関係を示す図である。この図23において示すグラフでは、図8と同様に、横軸を焼き付き補正部200に入力される映像信号の階調の値(入力階調値)を示す軸とし、縦軸を画素回路600における発光の輝度の値(輝度値)を示す軸とする画素特性曲線を示す。また、入力階調値についても、図8と同様のものとする。
図23(a)には、初期状態の画素回路に関する画素特性および劣化した画素回路に関する画素特性が示されている。
基準画素特性263は、初期状態の画素回路における入力階調値と輝度値との関係を示す曲線である。この基準画素特性263は、図8において示した画素特性(初期)810と同じ特性のものであるため、ここでの説明を省略する。
補正対象画素特性264は、時間の経過により発光素子が劣化した場合の画素回路における入力階調値と輝度値との関係を示す曲線である。この補正対象画素特性264は、発光素子640における駆動電流を輝度に変換する効率の劣化(変換効率劣化)が生じるため、基準画素特性263よりも曲線の傾きが緩やかになっている。また、この補正対象画素特性264は、基準画素特性263と比較して、階調値を示す横軸方向に駆動電流量減少成分R2の量だけシフトしている。この補正対象画素特性264および駆動電流量減少成分R2は、図8において示した画素特性(補正対象)820および駆動電流量減少成分R1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
図23(b)には、変換効率劣化補正演算部261による変換効率劣化の補正内容を示す画素特性が、変換効率補正内容曲線265として示されている。
変換効率補正内容曲線265は、補正対象画素特性264に示す画素特性を備える画素回路に供給される映像信号における変換効率劣化の補正内容を示す画素特性である。この変換効率補正内容曲線265は、補正対象画素特性264の傾きを、基準画素特性263の傾きに略一致させたような画素特性になっている。また、この変換効率補正内容曲線265は、傾きは基準画素特性263と同一だが、階調値を示す横軸方向に駆動電流量減少成分R2だけシフトしている画素特性になっている。
このように、変換効率劣化補正演算部261による補正は、画素特性の傾きの補正に相当する補正となる。
図23(c)には、変換効率劣化補正演算部261による補正の後における、電流量減少補正演算部262による駆動電流減少量の補正内容が示されている。ここでは、画素特性の傾きの補正に相当する補正の後に変換効率補正内容曲線265の駆動電流量減少成分R2だけシフトさせることによって、入力階調値に対する画素特性は基準画素特性263と同一になることが示されている。
ここで、本発明の第1の実施の形態における変換効率劣化補正演算部261および電流量減少補正演算部262による補正内容について説明する。変換効率劣化補正演算部261および電流量減少補正演算部262による補正は、次の式7に示す階調の変更により行われる。
out=(ΔA)−1/2×Sin+ΔS ・・・式7
ここで、SoutおよびSinは、図8(b)において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。また、ΔAは、補正対象画素特性264を示す補正対象画素回路の効率係数(A)を分子とし、基準画素特性263を示す初期状態の画素回路の効率係数(A)を分母とした変換効率の比を示す分数の値(A/A=ΔA)である。すなわち、このΔAは、変換効率劣化補正値算出部233が生成する変換効率劣化値(変換効率劣化補正値)である。
また、ΔSは、補正対象画素特性264を示す補正対象画素回路の駆動電流量減少成分R2として示している駆動電流減少量である。すなわち、このΔSは、電流量減少補正値算出部253が生成する電流量減少補正値である。
この式7を用いた演算により補正をすることによって、焼き付き補正部200は、変換効率劣化および駆動電流減少量についてそれぞれ独立して補正を行い、初期の画素回路の画素特性に合わせた補正を精度良く行うことができる。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、どの入力階調値に対しても画素特性が基準画素の画素特性と同一になるように映像信号を補正することができる。
なお、ここでは、式7を計算することによって映像信号の階調値を変更する例について説明したが、本発明はこれに限定するものではない。変換効率の劣化に関する情報および駆動電流量の減少に関する情報の2つの要素を用いて他の演算方法により焼き付きを補正するようにしてもよい。
[補正後の表示例]
図24は、本発明の第1の実施の形態における映像信号の補正の効果を示す概念図である。ここでは、図9において示した変換効率の劣化の補正のみを行う場合における補正の効果との違いについて説明する。
図24(a)には、本発明の第1の実施の形態において、高階調の映像信号が供給される場合における補正の効果が示されている。この図24(a)における表示画面271は図9における表示画面831と、焼き付き表示領域272は焼き付き表示領域832と、表示画面273は表示画面833と、焼き付き表示領域274は焼き付き表示領域834と同様のものを表している。従って、各表示の詳細な説明は省略する。
この図24(a)には、図9(a)と同様に、高階調の映像信号を補正する場合には、劣化が大きい画素回路による発光の輝度と、ほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度とが初期状態の画素回路の輝度となるように補正された様子が示されている。
図24(b)には、本発明の第1の実施の形態において、低階調の映像信号が供給される場合における補正の効果が示されている。この図24(b)における表示画面275は図9における表示画面835と、焼き付き表示領域276は焼き付き表示領域836と、表示画面277は表示画面837と同様のものを表している。従って、各表示の詳細な説明は省略する。
焼き付き表示領域278は、図9における焼き付き表示領域838と同様に、表示画面837において焼き付きが生じた画素回路の位置に相当する領域を表している。しかし、この焼き付き表示領域278は、焼き付き表示領域838とは異なり、劣化が大きい画素回路による発光の輝度が初期状態の画素回路の輝度になるように補正され、ほとんど劣化していない画素回路による発光の輝度と同一になった様子が示されている。
このように、劣化した画素回路による発光の輝度が、初期状態の画素回路による発光の輝度となるように精度よく補正されることによって、焼き付きを精度よく解消することができる。
[焼き付き補正部の動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の動作について図面を参照して説明する。
図25は、本発明の第1の実施の形態における劣化特性供給部400の劣化特性生成処理手順例を示すフローチャートである。
まず、ダミー画素劣化情報生成部410、ダミー画素劣化情報分類部420、定電流劣化情報保持部430および駆動電流劣化情報保持部440により、定電流劣化情報および駆動電流劣化情報が保持されるダミー画素劣化情報保持処理が行われる(ステップS910)。なお、ステップS910については、図26を参照して説明する。
次に、新たな定電流劣化情報および駆動電流劣化情報が定電流劣化情報保持部430および駆動電流劣化情報保持部440に保持されたか否かが、変換効率劣化特性生成部450および電流量減少量算出部470により判断される(ステップS901)。そして、新たな劣化情報が保持されたと判断された場合には(ステップS901)、定電流劣化情報を用いて、変換効率劣化特性生成処理が行われる(ステップS920)。そして、ステップS920に続いて、定電流劣化情報および駆動電流劣化情報を用いて、電流量減少特性生成処理が行われる(ステップS930)。なお、ステップS920については図27を参照して説明し、ステップS930については図28を参照して説明する。なお、ステップS920は特許請求の範囲に記載の変換効率劣化特性生成手順の一例である。また、ステップS930は特許請求の範囲に記載の電流量減少特性生成手順の一例である。
一方、新たな劣化情報が保持されていないと判断された場合には(ステップS901)、新たな劣化特性を生成しないで劣化特性生成処理手順は終了する。
なお、この図25では、ステップS920をステップS930より先に処理するフローチャートを示したが、このステップS920およびステップS930は、順序は関係なく、どちらが先であってもかまわない。
図26は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素劣化情報保持処理(ステップS910)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、輝度センサ312により生成されたダミー画素輝度情報が、ダミー画素劣化情報生成部410により取得される(ステップS911)。続いて、その取得したダミー画素輝度情報からダミー画素劣化情報がダミー画素劣化情報生成部410により生成される(ステップS912)。
次に、ダミー画素発光モード決定部150より供給されるモード情報が、ダミー画素劣化情報分類部420により取得される(ステップS913)。その後、その取得されたモード情報に基づいて、ダミー画素劣化情報が駆動電流モードにおける発光に関するダミー画素劣化情報であるか否かが、ダミー画素劣化情報分類部420により判断される(ステップS914)。そして、駆動電流モードにおける発光に関するダミー画素劣化情報であると判断された場合には(ステップS914)、そのダミー画素劣化情報が駆動電流劣化情報として駆動電流劣化情報保持部440に保持される(ステップS915)。その後、ステップS918に進む。
一方、駆動電流モードのダミー画素劣化情報で無いと判断された場合には(ステップS914)、そのダミー画素劣化情報が定電流モードのダミー画素劣化情報であるか否かが、ダミー画素劣化情報分類部420により判断される(ステップS916)。そして、定電流モードのダミー画素劣化情報であると判断された場合には(ステップS916)、そのダミー画素劣化情報が定電流劣化情報として定電流劣化情報保持部430に保持される(ステップS917)。その後、ステップS918に進む。
一方、定電流モードのダミー画素劣化情報でないと判断された場合には(ステップS916)、全てのダミー画素回路のダミー画素輝度情報について取得され、保持部への保持が判断されたか否か判断される(ステップS918)。そして、全てのダミー画素回路のダミー画素輝度情報について取得されていないと判断された場合には(ステップS918)、ステップS911に戻り、未だ取得されていないダミー画素輝度情報の保持処理が行われる。
一方、全てのダミー画素回路のダミー画素輝度情報について取得された場合には(ステップS918)、劣化特性供給部400によるダミー画素劣化情報保持処理は終了する。
図27は、本発明の第1の実施の形態における変換効率劣化特性生成処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、定電流劣化情報保持部430に保持されている定電流劣化情報が、変換効率劣化特性生成部450により取得される(ステップS921)。次に、その取得された定電流劣化情報に基づいて、変換効率劣化特性が生成される(ステップS922)。その後、その生成された変換効率劣化特性が、変換効率劣化特性保持部460により保持される(ステップS923)。
続いて、生成予定の全ての変換効率劣化特性が生成されたか否かが判断される(ステップS924)。そして、生成予定の全ての変換効率劣化特性が生成されていないと判断された場合には(ステップS924)、ステップS921に戻る。
一方、生成予定の全ての変換効率劣化特性が生成されたと判断された場合には(ステップS924)、劣化特性供給部400による変換効率劣化特性の生成処理手順は終了する。
図28は、本発明の第1の実施の形態における電流量減少特性生成処理(ステップS930)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、定電流劣化情報保持部430に保持されている定電流劣化情報が、電流量減少量算出部470により取得される(ステップS931)。次に、駆動電流劣化情報保持部440に保持されている駆動電流劣化情報が、電流量減少量算出部470により取得される(ステップS932)。
その後、その取得された定電流劣化情報および駆動電流劣化情報に基づいて、算出電流量減少量情報が電流量減少量算出部470により算出される(ステップS933)。続いて、算出された算出電流量減少情報に基づいて、電流量減少特性が電流量減少特性生成部480により生成される(ステップS934)。その後、その生成された電流量減少特性が、電流量減少特性保持部490により保持される(ステップS935)。
続いて、生成予定の全ての電流量減少特性が生成されたか否かが判断される(ステップS936)。そして、生成予定の全ての電流量減少特性が生成されていないと判断された場合には(ステップS936)、ステップS931に戻る。
一方、生成予定の全ての電流量減少特性が生成されたと判断された場合には(ステップS936)、劣化特性供給部400による電流量減少特性の生成処理手順は終了する。
図29は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の変換効率劣化情報積算部220による変換効率劣化情報の更新処理手順例を示すフローチャートである。
まず、劣化特性供給部400により生成された変換効率劣化特性が変換効率劣化情報更新部221により取得される(ステップS941)。次に、補正演算部260により補正された映像信号が変換効率劣化情報更新部221に入力される(ステップS942)。次に、その映像信号に基づいて、変換効率劣化情報更新部221により、変換効率劣化情報が生成される(ステップS943)。そして、変換効率劣化情報保持部222に保持されている変換効率劣化情報が更新される(ステップS944)。すなわち、変換効率劣化情報更新部221により生成された変換効率劣化情報を変換効率劣化情報保持部222に保持させることにより、変換効率劣化情報が更新される。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について変換効率劣化情報が更新されたか否かが判断される(ステップS945)。そして、全ての画素回路について更新されていないと判断された場合には、ステップS941に戻り、まだ変換効率劣化情報が更新されていない画素回路に関する変換効率劣化情報の更新処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について更新がされたと判断された場合には(ステップS945)、変換効率劣化情報積算部220による変換効率劣化情報の更新処理は終了する。
図30は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の電流量減少情報積算部240による電流量減少情報の更新処理手順例を示すフローチャートである。
まず、劣化特性供給部400により生成された電流量減少特性が電流量減少情報更新部241により取得される(ステップS951)。次に、補正演算部260により補正された映像信号が電流量減少情報更新部241に入力される(ステップS952)。次に、その映像信号に基づいて、電流量減少情報更新部241により、電流量減少情報が生成される(ステップS953)。そして、電流量減少情報保持部242に保持されている電流量減少情報が更新される(ステップS954)。すなわち、電流量減少情報更新部241により生成された電流量減少情報を電流量減少情報保持部242に保持させることにより、電流量減少情報が更新される。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について電流量減少情報が更新されたか否かが判断される(ステップS955)。そして、全ての画素回路について更新されていないと判断された場合には、ステップS952に戻り、まだ電流量減少情報が更新されていない画素回路に関する電流量減少情報の更新処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について更新がされたと判断された場合には(ステップS955)、電流量減少情報積算部240による電流量減少情報の更新処理は終了する。
図31は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の変換効率劣化補正パターン生成部230による変換効率劣化補正パターンの生成処理手順例を示すフローチャートである。
まず、変換効率劣化特性が対象変換効率値生成部232により取得される(ステップS961)。
続いて、変換効率劣化情報保持部222に保持されている変換効率劣化情報のうち、変換効率劣化補正値の生成対象の画素回路の変換効率劣化情報が対象変換効率値生成部232により取得される(ステップS962)。この変換効率劣化情報の取得時に、対象変換効率値生成部232により、取得された変換効率劣化情報から対象変換効率値が生成される。
次に、基準変換効率値と、対象変換効率値とに基づいて変換効率劣化補正値が変換効率劣化補正値算出部233により生成される(ステップS963)。そして、生成された変換効率劣化補正値が変換効率劣化補正パターン保持部234に保持される(ステップS964)。なお、ステップS963は、特許請求の範囲に記載の変換効率劣化値生成手順の一例である。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について変換効率劣化補正値が生成されたか否かが判断される(ステップS965)。そして、全ての画素回路については生成されていないと判断された場合には、ステップS962に戻り、まだ生成されていない変換効率劣化補正値の生成処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について変換効率劣化補正値が生成され、変換効率劣化補正パターンが保持されたと判断された場合には(ステップS965)、変換効率劣化補正パターン生成部230による変換効率劣化補正パターンの生成処理は終了する。
図32は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の電流量減少補正パターン生成部250による電流量減少補正パターンの生成処理手順例を示すフローチャートである。
まず、電流量減少特性が対象電流量減少値生成部252により取得される(ステップS971)。
そして、電流量減少情報保持部242に保持されている電流量減少情報のうち、電流量減少補正値の生成対象の画素回路の電流量減少情報が対象電流量減少値生成部252により取得される(ステップS972)。この電流量減少情報の取得時に、対象電流量減少値生成部252により、取得された電流量減少情報から対象電流量減少値が生成される。
次に、電流量減少補正値算出部253により、対象電流量減少値に基づいて電流量減少補正値が生成される(ステップS973)。そして、生成された電流量減少補正値が電流量減少補正パターン保持部254により保持される(ステップS974)。なお、ステップS973は、特許請求の範囲に記載の電流量減少値生成手順の一例である。
その後、表示画面を構成する全ての画素回路について電流量減少補正値が生成されたか否かが判断される(ステップS975)。そして、全ての画素回路については生成されていないと判断された場合には、ステップS972に戻り、まだ電流量減少補正値が生成されていない画素回路の電流量減少補正値の生成処理が行われる。
一方、表示画面を構成する全ての画素回路について電流量減少補正値が生成され、電流量減少補正パターンが保持されたと判断された場合には(ステップS975)、電流量減少補正パターン生成部250による電流量減少補正パターンの生成処理は終了する。
図33は、本発明の第1の実施の形態における焼き付き補正部200の補正演算部260による映像信号の補正処理手順例を示すフローチャートである。この例では、1つのフレームに関する映像信号の補正処理の例を示す。
まず、変換効率劣化補正パターン保持部234に保持されている変換効率劣化補正パターンが変換効率劣化補正演算部261により取得される(ステップS981)。また、電流量減少補正パターン保持部254に保持されている電流量減少補正パターンが電流量減少補正演算部262により取得される(ステップS982)。
そして、信号線201を介して映像信号が変換効率劣化補正演算部261に入力される(ステップS983)。次に、変換効率劣化補正演算部261により、変換効率劣化補正パターンにおける変換効率劣化補正値を用いて、映像信号の補正が画素回路ごとに行われる(ステップS984)。その後、電流量減少補正演算部262により、電流量減少補正パターンにおける映像信号を表示させる画素回路の電流量劣化値を用いて、映像信号の補正が行われる(ステップS985)。そして、補正された映像信号が出力される(ステップS986)。なお、ステップS984およびステップS985は、特許請求の範囲に記載の補正手順の一例である。
その後、表示させる1つのフレームを構成する全ての映像信号が補正されたか否かが判断される(ステップS987)。そして、全ての画素回路について映像信号が補正されていないと判断された場合には、ステップS983に戻り、まだ補正されていない映像信号の補正処理が行われる。
一方、表示させる1つのフレームを構成する全ての画素回路に対する映像信号が補正された場合には(ステップS987)、補正演算部260による映像信号の補正処理は終了する。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、劣化した画素回路における発光の輝度が初期状態の画素回路における発光の輝度に一致するように、映像信号の階調値を精度よく変更することができる。このことにより、どのような階調値の映像信号に対しても精度よく焼き付きの補正することができる。
なお、第1の実施の形態においては初期状態の画素回路を基準にしたが、劣化した画素回路を基準にして焼き付きの補正を行う方法も考えられる。
[複数の画素を同一の階調値で発光させる例]
なお、ここまでは、1つのダミー画素回路に対して1つの輝度センサを設ける例について説明した。このように輝度検出ユニットを設けることにより、少ないダミー画素回路で多くの階調値における劣化を測定することができる。しかしながら、輝度センサの感度等の理由により、複数の画素を同一の階調値で発光させ、その発光による輝度を測定するほうが精度よく輝度を測定することができる。この複数の画素を同一の階調値で発光させる場合においては、複数の画素を用いるため、定電流線および定電流接続線(CCL)が多くなることが考えられる。そこで、少ない本数の定電流線および定電流接続線(CCL)を用いて複数の画素を同一の階調値で発光させる例について、図34を参照して説明する。
図34は、本発明の第1の実施の形態における、定電流線および定電流接続線(CCL)に共通線を設けないで複数の画素を同一の階調値で発光させる例と、共通線を設けて複数の画素を同一の階調値で発光させる例とを示す図である。この図34では、一例として、4つのダミー画素回路の発光を1つの輝度センサで測定することを想定して説明する。
図34(a)には、定電流線および定電流接続線(CCL)に共通線を設けないで複数の画素を同一の階調値で発光させる輝度検出ユニット314が示されている。この図34(a)には、輝度検出ユニット314に接続される定電流線(定電流線370)として、4本の定電流線(定電流線371乃至374)が示されている。また、輝度検出ユニット314に接続される定電流接続線(定電流接続線(CCL)360)として、2本の定電流接続線(定電流接続線(CCL)364乃至365)が示されている。
このように、定電流線および定電流接続線に共通線を設けないことにより、複数の定電流線および定電流接続線が必要になる。
図34(b)には、定電流線および定電流接続線(CCL)に共通線を設けて複数の画素を同一の階調値で発光させる輝度検出ユニット315が示されている。この図35(b)には、輝度検出ユニット315に接続される定電流線(定電流線370)として、1本の定電流線(定電流線375)が示されている。また、輝度検出ユニット315に接続される定電流接続線(定電流接続線(CCL)360)として、1本の定電流接続線(定電流接続線(CCL)366)が示されている。
このように、定電流線および定電流接続線に共通線を設けることにより、定電流線および定電流接続線の本数を減少させることができ、製造時における回路の形成を容易にすることができる。
[定電流線および定電流接続線(CCL)のレイアウト例]
ここで、ダミー画素アレイ部300における定電流線および定電流接続線(CCL)のレイアウトの一例について、図35を参照して説明する。
図35は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路、定電流接続トランジスタ、定電流線および定電流接続線(CCL)のレイアウト例を模式的に示す図である。この図35には、ダミー画素アレイ部300においてダミー画素回路500が位置する領域としてダミー画素領域501が示されている。また、定電流接続トランジスタ590、定電流線377乃至379および定電流接続線(CCL)367が位置する領域として、配線領域502が示されている。
この図35において示す配線領域502は、画素アレイ部140においては、画素回路600乃至605が配置される領域である。同様に、ダミー画素領域501も、画素アレイ部140においては、画素回路600乃至605が配置される領域である。
この図35に示すように、ダミー画素領域501と配線領域502とを交互に配置することにより、ダミー画素回路は、画素アレイ部140における画素回路と同一のものにすることができる。
また、図35に示すように、配線領域502とダミー画素領域501とを上下に配置することにより、定電流接続線(CCL)367を行方向に配置することができる。これにより、ダミー画素回路をRGB画素構成にする場合において、配線接続が容易になる。
<2.本発明の第2の実施の形態>
ここまでの本発明の第1の実施の形態では、定電流を第2ノード(ND2)560に供給する例について説明した。なお、定電流を発光素子540に供給する方法としては、駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)に定電流を供給する方法も考えられる。
そこで、駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)に定電流を供給する本発明の第2の実施の形態について、図36乃至図42を参照して説明する。
[表示装置の構成例]
図36は、本発明の第2の実施の形態における表示装置100の一構成例を示す概念図である。この表示装置100は、図1において示した表示装置100の定電流源接続スキャナ350に代えて、電源選択スキャナ750を備えている。また、この表示装置100では、ダミー画素発光モード決定部150は、モード情報を、焼き付き補正部200、ライトスキャナ(WSCN)110、電源スキャナ(DSCN)130および電源選択スキャナ750に供給する。
なお、本発明の第2の実施の形態における表示装置100では、ダミー画素アレイ部700におけるダミー画素回路と電源選択スキャナ750との間を接続する電源選択線(PSL:Power Select Line)760が設けられている。ここでは、便宜上、第1行目、第2行目および第m行目の電源選択線(PSL)761乃至763が示されている。
また、本発明の第2の実施の形態における表示装置100では、ダミー画素アレイ部700におけるダミー画素回路の構成が、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路の構成と異なる。このダミー画素回路については、図37を参照して説明する。
ここでは、本発明の第1の実施の形態の表示装置100との違いについて、簡単に説明する。
電源選択スキャナ750は、ダミー画素発光モード決定部150から供給されたモード情報に従って、ダミー画素回路に供給する電源を選択する電源選択信号を供給するものである。この電源選択スキャナ750は、ダミー画素回路を電源線(DSL)180に接続するための電源信号選択電位と、ダミー画素回路を定電流源(図示せず)に接続するための定電流選択電位とを電源選択信号として生成する。この定電流源接続スキャナ350は、その生成した電源選択信号を電源選択線(PSL)760に供給する。
この本発明の第2の実施の形態におけるライトスキャナ(WSCN)110は、信号線159を介して供給されたモード情報に基づいて、ダミー画素回路に供給する走査線(WSL)160の走査信号の電位の遷移パターンを決定する。また、電源スキャナ(DSCN)130も同様に、信号線159を介して供給されたモード情報に基づいて、ダミー画素回路に供給する電源線(DSL)180の電源信号の電位の遷移パターンを決定する。なお、このライトスキャナ(WSCN)110および源スキャナ(DSCN)130の画素回路600乃至605に対する動作は、図1において示した本発明の第1の実施の形態の各構成と同様の動作である。この走査信号および電源信号については、図38および図39を参照して説明する。
[ダミー画素回路の構成例]
図37は、本発明の第2の実施の形態におけるダミー画素回路770の一構成例を模式的に示す回路図である。
ダミー画素回路770は、本発明の第1の実施の形態におけるダミー画素回路500(図14参照)の定電流接続トランジスタ590に代えて、電源信号選択トランジスタ771および定電流選択トランジスタ772を備える。ここでは、電源信号選択トランジスタ771はpチャネル型トランジスタであり、定電流選択トランジスタ772はnチャンネル型トランジスタである場合を想定する。
なお、ダミー画素回路770の電源信号選択トランジスタ771および定電流選択トランジスタ772以外の構成は、ダミー画素回路500と同様のものであるため、同一の符号を付してここでの説明を省略する。
また、この図37では、ダミー画素回路に定電流を供給する定電流源779および定電流線778が示されている。
この構成において、定電流選択トランジスタ772は、そのゲート端子に電源選択線(PSL)760および電源信号選択トランジスタ771のゲート端子が接続される。また、定電流選択トランジスタ772のドレイン端子には定電流線778が接続され、そのソース端子には駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)および電源信号選択トランジスタ771のドレイン端子が接続される。また、電源信号選択トランジスタ771は、そのソース端子に電源線(DSL)180が接続される。
電源信号選択トランジスタ771は、電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位に従って、電源線(DSL)180の電源信号をダミー画素回路770に供給するものである。この電源信号選択トランジスタ771は、電源選択信号の電源信号選択電位が供給されている場合には、電源信号を駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)に供給する。また、この電源信号選択トランジスタ771は、電源選択信号の定電流選択電位が供給されている場合には、カットオフ状態になる。
定電流選択トランジスタ772は、電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位に従って、定電流線778の定電流をダミー画素回路770に供給するものである。この定電流選択トランジスタ772は、電源選択信号の定電流選択電位が供給されている場合には、定電流を駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)に供給する。また、この定電流選択トランジスタ772は、電源選択信号の電源信号選択電位が供給されている場合には、カットオフ状態になる。
[ダミー画素回路の定電流モードにおける動作の例]
図38は、本発明の第2の実施の形態における定電流モードのダミー画素回路770の動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、電源選択線(PSL)760、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
このタイミングチャートは、ダミー画素回路770の定電流モードにおける動作の遷移を、TP1dc乃至TP5dcの期間に便宜的に区切っている。
なお、ここでは、書き込み期間TP2dcを詳しく説明するため、第1ノード(ND1)550と第2ノード(ND2)560との間の電位差(信号電圧(Vgs5))が小さい発光期間5dcを模式的に示して説明する。
また、この図38では、定電流モードにおける電源線(DSL)180の電源信号の電位は常に初期化電位(Vss)に設定され、データ線(DTL)170の電位は最も高い階調値の信号電位(Vsig)に常に設定されていることを想定する。
まず、発光期間TP5dcでは、発光素子540は発光状態にある。この発光期間TP5dcにおいて、電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位が定電流選択電位(Vston)に設定されている。また、この発光期間TP6において、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定され、電源線(DSL)180の電源信号の電位が電源電位(Vcc)に設定されている。さらに、この発光期間TP6において、データ線(DTL)170の電位が信号電位(Vsig)に設定されている。
この後、線順次走査の新しいフィールドに入り、消光期間TP1dcでは、電源選択線(PSL)760の電位が、電源信号選択電位(Vstoff)に設定される。これにより、第2ノード(ND2)560の電位が初期化電位(Vss)まで低下する。また、保持容量530によるカップリングの影響を受けることにより、第2ノード(ND2)560の電位の低下に伴い、第1ノード(ND1)550の電位も低下する。
続いて、書き込み期間TP2dcでは、走査線(WSL)160の電位がオン電位(Von)に設定されることによって、第1ノード(ND1)550の電位が信号電位(Vsig)に設定される。一方、第2ノード(ND2)560の電位は初期化電位(Vss)のままになる。これにより、第1ノード(ND1)550と第2ノード(ND2)560との間の電位差(信号電圧(Vgs6))として、「Vsig−Vss」が保持される。なお、この定電流モードにおいては、駆動トランジスタ520をスイッチングトランジスタとして用いるため、最も高い階調値の信号電位(Vsig)を供給することにより信号電圧(Vgs6)をできる限り大きくすることが望ましい。
この後、発光待機期間TP3dcでは、走査線(WSL)160の走査信号の電位がオフ電位(Voff)に設定される。これにより、第1ノード(ND1)550は浮遊状態となる。一方、第2ノード(ND2)560の電位は初期化電位(Vss)のままになる。
そして、発光期間TP4dcでは、電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位が定電流選択電位(Vston)に設定されることによって、第2ノード(ND2)560に定電流が供給される。そして、第2ノード(ND2)560の電位は、発光待機期間TP5dcにおいて与えられた電位(Vofs−Vth)に対し、「Vel3」だけ上昇する。このとき、第2ノード(ND2)560の電位が、発光素子540の閾値電圧(Vthel)と、カソード線580のカソード電位(Vcat)とによって定まる発光電位(Vthel+Vcat)を超えるため、発光素子540が発光する。
なお、この発光期間TP4dcにおける第1ノード(ND1)550の電位変化は、図15において示した本発明の第1の実施の形態の定電流モードにおける発光期間TP6dcとどうようのものであるため、ここでの説明を省略する。
なお、この図38では、電源線(DSL)180の電源信号の電位は常に電源電位(Vcc)に設定され、データ線(DTL)170の電位は最も高い階調値の信号電位(Vsig)に常に設定されていることを想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。この定電流モードでは、駆動トランジスタ520がスイッチングトランジスタとして機能するとともに、電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位の遷移によって発光素子540の発光が制御されればよい。そこで、例えば、走査線(WSL)160の走査信号およびデータ線(DTL)170のデータ信号を画素回路600における信号と同様にする場合なども考えられる。
[ダミー画素回路のエージングモードおよび駆動電流モードにおける動作の例]
図39は、本発明の第2の実施の形態におけるエージングモードおよび駆動電流モードのダミー画素回路770の動作の一例に関するタイミングチャートである。ここでは、横軸を共通の時間軸として、電源選択線(PSL)760、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180、データ線(DTL)170、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560における電位変化が示されている。なお、各期間を示す横軸の長さは模式的なものであり、各期間の時間長の割合を示すものではない。
このタイミングチャートは、ダミー画素回路770のエージングモードおよび駆動電流モードにおける動作の遷移を、TP1dd乃至TP6ddの期間に便宜的に区切っている。また、このタイミングチャートには、比較対象として、図3において示した画素回路600の基本動作の期間(TP1乃至TP6)が示されている。
また、このタイミングチャートにおける走査線(WSL)160、電源線(DSL)180およびデータ線(DTL)170の電位変化は、図3のタイミングチャートにおいて示した電位変化と同一であることを想定する。
この図39に示すように、ダミー画素回路770のエージングモードおよび駆動電流モードにおいて、期間TP1dd乃至TP6ddにおける電源選択線(PSL)760の電源選択信号の電位は、常に電源信号選択電位(Vstoff)に設定される。すなわち、ダミー画素回路770に定電流が供給される期間はない。
また、走査線(WSL)160、電源線(DSL)180およびデータ線(DTL)170の電位変化が画素回路600の電位変化と同様であるため、第1ノード(ND1)550および第2ノード(ND2)560の電位変化も画素回路600と同様になる。
このように、ダミー画素回路770の期間TP1dd乃至TP6ddにおける定電流接続信号線(CCL)360以外の各信号の電位変化は、図2において示した画素回路600の期間TP1乃至TP6と同様の電位変化になる。したがって、発光期間TP6ddでは、信号電圧(Vsig−Vofs+Vth−ΔV−(Vel−Vel'))に応じた輝度により、発光素子540が発光する。
[ダミー画素回路の発光状態の詳細]
次に、上述のダミー画素回路770の発光期間における動作について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
図40は、発光期間TP6dcおよび発光期間TP6ddにそれぞれ対応するダミー画素回路770の動作状態を模式的に示す回路図である。
図40(a)には、図38において示した発光期間TP6dcにおけるダミー画素回路770の動作状態を模式的に示す回路図が示されている。
この図40(a)が示す発光期間TP6dcでは、電源選択線(PSL)760の定電流切替信号の電位が電源信号選択電位(Vstoff)から定電流選択電位(Vston)に遷移する。このことにより、駆動トランジスタ520を介して第2ノード(ND2)560に定電流(Icc)が供給され、発光素子540が定電流(Icc)に応じた輝度により、発光する。
図40(b)には、図39において示した発光期間TP6ddにおけるダミー画素回路770の動作状態を模式的に示す回路図が示されている。
この図40(b)が示す発光期間TP6ddでは、図6において示した画素回路600の発光期間TP6および図17において示したダミー画素回路500の発光期間TP6ddと同様の動作によって、発光素子540が発光する。すなわち、発光素子540は、駆動電流(Ids)に応じた輝度により、発光する。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、駆動トランジスタ520のドレイン端子(d)に定電流を供給することにより、発光素子540に定電流を供給することができる。
[複数の画素を同一の階調値で発光させる例]
図41は、本発明の第2の実施の形態における、定電流線および電源選択線(PSL)に共通線を設けて複数の画素を同一の階調値で発光させる例とを示す図である。
この図41では、図34と同様に、4つのダミー画素回路の発光を1つの輝度センサで測定することを想定して説明する。
この図41では、輝度検出ユニット360に接続される定電流線(定電流線710)として、1本の定電流線(定電流線711)が示されている。また、輝度検出ユニット360に接続される電源選択線(電源選択線(PSL)760)として、1本の電源選択線(電源選択線(PSL)761)が示されている。
この図41に示すように、本発明の第2の実施の形態においても、本発明の第1の実施の形態と同様に、共通線を設けることにより、製造時における回路の形成を容易にすることができる。
また、本発明の第2の実施の形態においても、図35に示すように、ダミー画素領域および配線領域とを交互に設けることができる。
<3.本発明の適用例>
@ なお、本発明の第1乃至第2の実施の形態における表示装置は、フラットパネル形状を有し、様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラなどのディスプレイに適用することができる。また、電子機器に入力された映像信号や電子機器内で生成した映像信号を画像または映像として表示するあらゆる分野の電子機器のディスプレイに適用することができる。このような表示装置が適用された電子機器の例を以下に示す。
[電子機器への適用例]
図42は、本発明の実施の形態のテレビジョンセットへの適用例である。このテレビジョンセットは、例えば、本発明の第1乃至第2の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたテレビジョンセットである。このテレビジョンセットは、フロントパネル12、フィルターガラス13等から構成される映像表示画面11を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその映像表示画面11に用いることにより作製される。
図43は、本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラへの適用例である。このデジタルスチルカメラは、例えば、本発明の第1乃至第2の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたデジタルスチルカメラである。ここでは、上段にデジタルスチルカメラの正面図を示し、下段にデジタルスチルカメラの背面図を示す。このデジタルスチルカメラは、撮像レンズ15、表示部16、コントロールスイッチ、メニュースイッチ、シャッター19等を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその表示部16に用いることにより作製される。
図44は、本発明の実施の形態のノート型パーソナルコンピュータへの適用例である。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本発明の第1乃至第2の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、本体20には文字等を入力するとき操作されるキーボード21を含み、本体カバーには画像を表示する表示部22を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をその表示部22に用いることにより作製される。
図45は、本発明の実施の形態の携帯端末装置への適用例である。この携帯端末装置は、例えば、本発明の第1乃至第2の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用された携帯端末装置である。ここでは、左側に携帯端末装置の開いた状態を示し、右側に携帯端末装置の閉じた状態を示している。この携帯端末装置は、上側筐体23、下側筐体24、連結部(ここではヒンジ部)25、ディスプレイ26、サブディスプレイ27、ピクチャーライト28、カメラ29等を含む。また、この携帯端末装置は、本発明の実施の形態における表示装置100をそのディスプレイ26やサブディスプレイ27に用いることにより作製される。
図46は、本発明の実施の形態のビデオカメラへの適用例である。このビデオカメラは、例えば、本発明の第1乃至第2の実施の形態のうちのいずれかの実施の形態が適用されたビデオカメラである。このビデオカメラは、本体部30、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ34、撮影時のスタート/ストップスイッチ35、モニター36等を含み、本発明の実施の形態における表示装置100をそのモニター36に用いることにより作製される。
このように、本発明の実施の形態によれば、定電流を用いてダミー画素回路の輝度の劣化を測定することにより、変換効率劣化の測定をすることができる。また、この定電流による輝度の測定結果と、駆動電流による輝度の測定結果とを比較することにより、電流量減少量の測定をすることができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
100 表示装置
110 ライトスキャナ(WSCN)
120 水平セレクタ(HSEL)
121 表示画素用セレクタ部
122 ダミー画素用セレクタ部
130 電源スキャナ(DSCN)
140 画素アレイ部
150 ダミー画素発光モード決定部
200 焼き付き補正部
220 変換効率劣化情報積算部
221 変換効率劣化情報更新部
230 変換効率劣化補正パターン生成部
231 基準変換効率値供給部
232 対象変換効率値生成部
233 変換効率劣化補正値算出部
234 変換効率劣化補正パターン保持部
240 電流量減少情報積算部
241 電流量減少情報更新部
242 電流量減少情報保持部
250 電流量減少補正パターン生成部
252 対象電流量減少値生成部
253 電流量減少補正値算出部
254 電流量減少補正パターン保持部
260 補正演算部
261 変換効率劣化補正演算部
262 電流量減少補正演算部
300 ダミー画素アレイ部
400 劣化特性供給部
410 ダミー画素劣化情報生成部
420 ダミー画素劣化情報分類部
430 定電流劣化情報保持部
440 駆動電流劣化情報保持部
450 変換効率劣化特性生成部
460 変換効率劣化特性保持部
470 電流量減少量算出部
500 ダミー画素回路
510 トランジスタ
520 駆動トランジスタ
530 保持容量
540 発光素子
590 定電流接続トランジスタ
700 ダミー画素アレイ部
770 ダミー画素回路
771 電源信号選択トランジスタ
772 定電流選択トランジスタ

Claims (11)

  1. 特定の階調値で発光させる特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成部と、
    画素回路における発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、前記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成部と、
    前記測定した結果と、前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成部と、
    前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と前記生成された電流量減少特性とに基づいて、前記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成部と、
    前記変換効率劣化値および前記電流量減少値に基づいて、前記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正部と
    を具備する信号処理装置。
  2. 前記変換効率劣化値生成部は、
    前記生成された変換効率劣化特性と、前記補正前に前記画素回路について生成された変換効率劣化情報と、当該画素回路に入力される前記映像信号の階調値とに基づいて、前記画素回路の変換効率の劣化に関する新たな劣化量を変換効率劣化情報に順次加算して、新たな変換効率劣化情報を生成する変換効率劣化情報生成部と、
    所定状態における前記画素回路の発光時における変換効率に関する変換効率情報を基準にして、前記生成された変換効率劣化情報を用いて前記画素回路ごとの変換効率劣化に関する変換効率劣化値を算出する変換効率劣化値算出部と
    を備える請求項1記載の信号処理装置。
  3. 電流量減少値生成部は、
    前記生成された電流量減少特性と、前記補正前に前記画素回路について生成された電流量減少情報と、当該画素回路に入力される前記映像信号の階調値とに基づいて、前記画素回路の電流量減少に関する新たな劣化量を電流量減少情報に順次加算して、新たな電流量減少情報を生成する電流量減少情報生成部と、
    所定状態における前記画素回路の発光時における電流量に関する電流量情報を基準にして、前記生成された電流量減少情報を用いて前記画素回路ごとの電流量減少に関する電流量減少値を算出する電流量減少値算出部と
    を備える請求項1記載の信号処理装置。
  4. 前記駆動電流で輝度を測定する駆動電流モードと、前記定電流で輝度を測定する定電流モードとを、前記特定発光素子を発光させるためのモードとして決定する発光モード決定部をさらに具備し、
    前記特定発光素子を備える特定画素回路は、
    表示対象となる映像の情報を含む前記映像信号に相当する電圧を保持するための保持容量と、
    前記映像信号を前記特定画素回路に供給するための走査信号のオン電位に基づいて前記映像信号を前記保持容量に書き込み、前記走査信号のオフ電位が供給されている場合には非導通状態となる書込みトランジスタと、
    前記駆動電流モードにおいて前記保持容量に書き込まれた前記映像信号に相当する電圧に応じた電流を出力する駆動トランジスタと、
    前記定電流モードにおいて前記特定発光素子のアノード端子に定電流を供給する定電流供給トランジスタとを備え、
    前記特定発光素子は、前記駆動電流モードにおいて前記駆動トランジスタから出力される前記電流に応じて発光し、前記定電流モードにおいて前記定電流に応じて発光する
    請求項1記載の信号処理装置。
  5. 前記定電流供給トランジスタは、前記駆動トランジスタが非導通状態である場合にのみ、定電流を供給する請求項4記載の信号処理装置。
  6. 前記駆動電流で輝度を測定する駆動電流モードと、前記定電流で輝度を測定する定電流モードとを、前記特定発光素子を発光させるためのモードとして決定する発光モード決定部をさらに具備し、
    前記特定発光素子を備える特定画素回路は、
    表示対象となる映像の情報を含む前記映像信号に相当する電圧を保持するための保持容量と、
    前記映像信号を前記複数の画素回路に供給するための走査信号のオン電位に基づいて前記映像信号を前記保持容量に書き込み、前記走査信号のオフ電位が供給されている場合には非導通状態になる書込みトランジスタと、
    前記駆動電流モードにおいて前記保持容量に書き込まれた前記映像信号に相当する電圧に応じた電流を出力する駆動トランジスタと、
    前記駆動電流モードにおいて電源信号を前記駆動トランジスタのドレイン端子に供給する電源信号選択トランジスタと、
    前記定電流モードにおいて定電流を前記駆動トランジスタのドレイン端子に供給する定電流選択トランジスタとを備え、
    前記特定発光素子は、前記駆動電流モードにおいて前記駆動トランジスタから出力される前記電流に応じて発光し、前記定電流モードにおいて前記定電流に応じて発光する
    請求項1記載の信号処理装置。
  7. 前記所定状態は、前記輝度の劣化が前記画素回路に生じていない状態である請求項1記載の信号処理装置。
  8. 映像信号の階調値を補正する信号処理回路と、
    前記映像信号に応じた駆動電流が発光素子に供給されると前記駆動電流に応じた輝度で発光素子が発光する複数の画素回路と、
    特定の階調値の発光信号により発光素子が発光する特定画素回路と、
    を具備し、
    前記信号処理回路は、
    前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成部と、
    前記画素回路における前記発光素子に供給される前記駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、当該画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、前記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成部と、
    前記測定した結果と、前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成部と、
    前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と前記生成された電流量減少特性とに基づいて、前記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成部と、
    前記変換効率劣化値および前記電流量減少値に基づいて、前記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正部と
    を備える表示装置。
  9. 映像信号の階調値を補正する信号処理回路と、
    前記映像信号に応じた駆動電流が発光素子に供給されると前記駆動電流に応じた輝度で発光素子が発光する複数の画素回路と、
    特定の階調値の発光信号により発光素子が発光する特定画素回路と、
    を具備し、
    前記信号処理回路は、
    前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成部と、
    前記画素回路における前記発光素子に供給される前記駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、当該画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、前記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成部と、
    前記測定した結果と、前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成部と、
    前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と前記生成された電流量減少特性とに基づいて、前記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成部と、
    前記変換効率劣化値および前記電流量減少値に基づいて、前記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正部と
    を備える電子機器。
  10. 特定の階調値で発光させる特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成手順と、
    画素回路における発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、前記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成手順と、
    前記測定した結果と、前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成手順と、
    前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と前記生成された電流量減少特性とに基づいて、前記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成手順と、
    前記変換効率劣化値および前記電流量減少値に基づいて、前記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正手順と
    を具備する信号処理方法。
  11. 特定の階調値で発光させる特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を特定電流で測定した結果に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化の度合いとの相関に関する変換効率劣化特性を生成する変換効率劣化特性生成手順と、
    画素回路における発光素子に供給される駆動電流を輝度に変換する変換効率の劣化に関する変換効率劣化値を、前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記変換効率の劣化に関する変換効率劣化情報と、前記生成された変換効率劣化特性とに基づいて生成する変換効率劣化値生成手順と、
    前記測定した結果と、前記特定発光素子の発光時間の経過に応じて劣化する輝度値を駆動電流で測定した結果との相関関係に基づいて、前記特定発光素子の使用時間と当該特定発光素子に供給される駆動電流の劣化の度合いとの相関に関する電流量減少特性を生成する電流量減少特性生成手順と、
    前記画素回路における発光素子の発光時間の経過に応じて生成された前記駆動電流の劣化に関する電流量減少情報と前記生成された電流量減少特性とに基づいて、前記駆動電流の劣化に関する電流量減少値を生成する電流量減少値生成手順と、
    前記変換効率劣化値および前記電流量減少値に基づいて、前記画素回路に入力される映像信号の階調値を補正する補正手順と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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