JP5596993B2 - ピロール系化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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本発明は、ピロール系化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
無機化合物と比較して多様な分子構造をとりうる有機化合物は、様々な機能を分子に与えることができる。また、従来のシリコンを中心としたエレクトロニクスデバイスと比較してプロセス温度が低いことから環境への負荷が抑えられるため、近年、機能性有機化合物を使用した有機エレクトロニクスデバイスの研究がさかんに行われている(非特許文献1)。
機能性有機材料を用いた有機エレクトロニクスデバイスの例として、有機太陽電池や有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略す。)素子、有機メモリ、有機電界効果トランジスタ(Field effect transistor:FET)等が挙げられる。これらは有機化合物の電気物性および光物性を利用したデバイスであり、特に有機EL素子はめざましい発展を見せている。
有機EL素子は自発光体であるために視野角が広いこと、応答速度が速いこと、直流電流で駆動すること、および水銀などの環境に有害な物質を含まないことから液晶やプラズマの次の世代の表示ディスプレイ、ならびに蛍光灯に変わる照明光源として注目を集めている。しかし既存のディスプレイや蛍光灯などに取って代わるには、消費電力の低減および有機EL素子の長寿命化が必須の課題として挙げられている。
そこでこの問題を解決する目的で、近年リン光材料による有機EL素子の検討がなされている。
リン光材料を使用した場合、電荷の再結合で生成する一重項励起子のほか、この時同時に生成する三重項励起子も発光に寄与することで、蛍光材料に比べてより効率の高い有機EL素子の作成が可能になる。すなわち再結合で生成した励起子が100%発光に関係するため、取り出し効率を考えても外部量子効率が最大で20%になり、エネルギーを効率よく利用することができる。
リン光材料を有機EL素子に最初に用いたのはプリンストン大のBaldoらで、白金錯体を用いることで、高効率の赤色発光が可能なことが報告されている(非特許文献2)。その後、室温で緑色発光するイリジウム錯体等が開発され(非特許文献3、非特許文献4)、リン光材料の開発は活発になってきた。前記有機EL素子の特徴は、発光層としてゲストであるリン光材料とこれにエネルギーを与えるホスト材料の混合物を使用したものである。この時使用されたホスト材料は、アミン系の材料の4,4′−N,N′−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)であった。ホスト材料に重要なことはリン光材料に十分なエネルギーを与えることができる能力を持つことであり、この割合を見積もるためにはホスト材料のもつHOMOとLUMOの間のバンドギャップ値が目安にされる。
この値によると、CBPでは比較的長波長の緑から赤にかけては十分な機能をするが、エネルギーレベルの高い青色系のリン光材料にとってはこれを機能させるには十分なエネルギーは持ち合わせておらず、ホスト材料のワイドバンドギャップ化(以下、ワイドギャップ化と略す。)が重要であったため、種々ワイドギャップホスト材料を開発することにより青色リン光有機EL素子の外部量子効率は向上した(非特許文献5)。さらに発光層に隣接するホール(正孔)輸送層や電子輸送層に含まれる材料もワイドギャップ化することにより青色リン光有機EL素子の効率はさらに向上した(特許文献1〜6)。
ワイドギャップな材料を用いることにより青色リン光有機EL素子の高効率化は着実に成されてきているが、実用化の観点から鑑みると未だ不十分といえるので新規材料の開発が求められる。
特許文献7ではピロール環を有した化合物をホスト材料、あるいは電子輸送層へのホールの着き抜けを阻止するホールブロック層として使用しているが、ピロール環の特徴である6π電子系5員環のホール輸送能力を生かしきれてはいない。
特許文献8ではピロール環を有した化合物をホスト材料として使用しているが、これも同様にピロール環の特徴である6π電子系5員環のホール輸送能力を生かしきれてはいない。
特開2005−320227号公報 特開2005−220088号公報 特開2007−15993号公報 特開2008−120696号公報 特開2008−127326号公報 特開2009−35524号公報 特開2004−146368号公報 特開2005−232159号公報
有機デバイスの最新動向、東レリサーチセンター、2009年2月発行 Nature,Vol.395,p151(1998) Appl.Phys.Lett.,Vol.75,p4(1999) Appl.Phys.Lett.,Vol.77,p904(2000) Appl.Phys.Lett.,Vol.83,p569(2003)
本発明の目的は、高効率な有機EL素子を提供するために必要なピロール系化合物、それを用いた有機EL素子を提供する点にある。
本発明の第1は、下記一般式(1)で示されるピロール系化合物に関する。
Figure 0005596993
(式中、Rは、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基あるいは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を有する芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれた基であり、
〜Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基あるいは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を有する芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれた基であるが、R〜Rすべてが水素原子であることはなく、
Lは、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基で置換されていてもよいビフェニレン基よりなる群から選ばれた基である。)
本発明の第は、請求項1に記載のピロール系化合物を用いた有機EL素子に関する。
本発明の第、前記ピロール系化合物がホール輸送層に含有されることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子に関する。
本発明の第は、前記ピロール系化合物が発光層に含有されることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子に関する。
本発明により、新規なピロール系化合物、それよりなる電荷輸送材料、それを用いた有機EL素子を提供することができた。
本発明のピロール系化合物は青色リン光用電荷輸送材料として有用であり、青色リン光用ホール輸送材料として知られるN,N,N′″,N′″−Tetra−p−tolyl−[1,1′;2′,1″;2″,1′″]quaterphenyl−3,3′″−diamine(3DTAPBP)の代替として使用すると高い発光効率かつ長寿命で有機EL素子を発光させることができる。ゆえに本発明のピロール系化合物を用いることで、高発光効率な有機EL素子が提供される。よって本発明のピロール系化合物は、工業的に極めて重要なものである。
本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機EL素子の一例を示す断面図である。 Pyr1のH−NMRスペクトル(測定溶媒:C)を示す。 Pyr1のMSスペクトルを示す。 Pyr2のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr2のMSスペクトルを示す。 Pyr3のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr3のMSスペクトルを示す。 Pyr4のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr4のMSスペクトルを示す。 Pyr5のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr5のMSスペクトルを示す。 Pyr6のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr6のMSスペクトルを示す。 Pyr7のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr7のMSスペクトルを示す。 Pyr8のH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)を示す。 Pyr8のMSスペクトルを示す。 実施例1〜3、比較例1のELスペクトルを示す。 実施例1〜3、比較例1の電流密度−電圧特性を示す。 実施例1〜3、比較例1の輝度−電圧特性を示す。 実施例1〜3、比較例1の電流効率−電流密度特性を示す。 実施例1〜3、比較例1の輝度−電流密度特性を示す。 実施例1〜3、比較例1の素子寿命特性を示す。 実施例4のCIE色度座標を示す。 実施例4の電流効率−電流密度特性を示す。 実施例4の電流密度−電圧特性を示す。 実施例4の輝度−電圧特性を示す。
本発明におけるR〜Rとしての炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチルなどの基を挙げることができる。なお、アルキル基の炭素数が6を超える場合には、化合物の融点、ガラス転移点などの熱物性に低下傾向が見られる場合もあり、その結果として結晶化や膜形状の変化など有機EL素子として好ましくない影響を発現することがある。
また、Rとしての置換基を有しても良い炭素数7〜12のアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、クミル基、ナフチルメチル基などを挙げることができる。
また、R〜Rとしての炭素数6〜20の脂環式炭化水素基としては、ビシクロ、トリシクロ環などが挙げられ、具体例としては、(1)アダマンタン及びその誘導体、(2)ノルボルナン及びその誘導体、(3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体、(4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体、(5)シクロヘキサン及びその誘導体などを例示することができる。
以下はその具体的な構造式である。
Figure 0005596993
本発明におけるR〜Rとしての置換基を有しても良い芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−フェニル−1−ナフチル基、4−フェニル−2−ナフチル基、5−フェニル−1−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、10−フェニル−9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、1−フルオランテニル基、2−フルオランテニル基、3−フルオランテニル基、8−フルオランテニル基、2−トリフェニレニル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジブチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジヘキシルフルオレン−2−イル基、9,9−ジオクチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、o−テルフェニル−3−イル基、o−テルフェニル−4−イル基、4−(1−ナフチル)−1−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−tert−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−シアノフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メチル−1−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、10−メチル−9−アントリル基、10−メトキシ−9−アントリル基、4−フェニル−8−フルオランテニル基、7−ジメチルアミノ−9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、3′,5′−ジフェニルビフェニル−4−イル基などを挙げることができる。
本発明におけるLは、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基で置換されていてもよいビフェニレン基であり、前記炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、前記R〜R の説明で例示した基と同じ基を挙げることができる。
本発明のピロール系化合物の合成法について説明する。ここでは一例として下記一般式(2)で示されたピロール系化合物の合成法について述べる。
Figure 0005596993
一般式(2)で示された化合物は下記反応により合成することが出来る。以下の反応式中、R〜Rは前述のとおりである。Xは塩素、臭素、よう素等のハロゲン元素を示す。
Figure 0005596993
一般式(2)で表される化合物の第一反応はα水素をもつケトンとジハロゲン化ベンゼンを塩基存在下、パラジウム触媒を用いてカップリングさせる反応である。反応に使用するパラジウム触媒としてはPd(dba)(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)、Pd(PPh(PPh=トリフェニルホスフィン)等の0価のパラジウム触媒、酢酸パラジウム〔Pd(OAc)〕、PdCl(PPh、PdCl(dppf)などの2価のパラジウム化合物を使用することができる。なお、前記dppfは1,1′−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセンを指す。これに添加するためのリガンドとして、BINAP〔=2,2′−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1′−ビナフチル)〕、トリ(tert−ブチルホスフィン)〔P(t−Bu)〕、トリ(シクロヘキシルホスフィン)、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf等を使用することができる。
反応に使用する塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基性物質を使用することができる。
反応に使用する溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド等が使用出来、0〜200℃で1〜60時間かけて反応を行う。
第二反応は、得られたカップリング生成物とαハロゲン化ケトンを塩基存在下でカップリングさせる反応である。αハロゲン化ケトン以外にもαハロゲン化ケトン誘導体、例えばαハロゲン化アルデヒド、αハロゲン化ケタール、αハロゲン化アセタール等が利用できる。反応に使用する塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基性物質を使用することができる。反応に使用する溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等が使用出来、0〜100℃で1〜48時間かけて反応を行う。
第三反応は、得られた1,4−ジケトンと1級アミンを酸触媒存在下で脱水閉環させる反応である。反応に使用する酸触媒として塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸性物質を使用することができる。反応に使用する溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、酢酸等が使用出来、50〜150℃で1〜48時間かけて反応を行う。
第四反応は山本カップリング反応(Bull.Chem.Soc.Jpn.,Vol.72,p621,1999年)を用いて、ピロール系化合物のハロゲン元素部位同士をカップリングさせることにより目的物を得る反応である。具体的には窒素ガス等の不活性ガス中において、第三反応で得たピロール系化合物に対して1.0〜1.5当量の0価のニッケルであるビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル〔Ni(cod)〕と1.0〜1.5当量の2,2′−ビピリジン(2,2′−bpy)とをN,N−ジメチルホルムアミドを溶媒として反応させる。反応に使用する化合物としてはNi(cod)、2,2′−bpyの組み合わせのほかに塩化ニッケル(NiCl)、亜鉛、トリフェニルホスフィン、2,2′−bpyの組み合わせなども使用できる。溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドのほかにN,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、N−メチル−2−ピロリドン等が使用出来、0〜100℃で1〜48時間かけて反応を行う。
その他に、〔化5〕で示すような合成法で本発明のピロール系化合物を合成することができる。構造式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン化物を示す。すなわち構造式中にXを持つハロゲン化物と構造式中にB(OH)を持つ有機金属化合物とをパラジウムカップリング法により反応させ、目的とする化合物を得ることができる。反応に使用するパラジウム触媒としてはPd(dba)、Pd(dba)、Pd(PPh等の0価のパラジウム触媒、PdCl、PdCl(PPh、PdCl(dppf)などの2価のパラジウム化合物を使用することができる。これに添加するためのリガンドとして、BINAP、トリ(tert−ブチルホスフィン)、トリ(シクロヘキシルホスフィン)、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf等を使用することができる。
反応に使用する塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基性物質を使用することができる。
反応に使用する溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン等が使用出来、反応温度0〜200℃、好ましくは50℃〜150℃で反応時間1〜60時間、好ましくは5〜48時間かけて撹拌することにより、対応するカップリング化合物が合成できる。
Figure 0005596993
本発明の化合物の具体例を以下に例示する。なお、下記例示化合物においてメチル基は、他のアルキル基例えばエチル基やプロピル基などと置き換えることができる。
Figure 0005596993
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次に本発明の有機EL素子について説明するが、本発明の一般式(1)で示されるピロール系化合物は他の有機エレクトロニクスデバイスにも使用できる
本発明のピロール系化合物は、ホール輸送材料またはホスト材料として使用することができる。
本発明のピロール系化合物は単一の化合物での使用はもちろんのこと、2種類以上の化合物を組み合わせて使用することができる。
本発明のピロール系化合物を有機EL素子のホスト材料として使用する場合、適当な発光材料と組み合わせて使用することができる。
次に本発明の有機EL素子について説明する。本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機化合物を積層した素子であり、該有機化合物層の少なくとも一層が本発明のピロール系化合物を含有する。有機EL素子が一層の場合、陽極と陰極間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有しそれに加えて陽極から注入した正孔もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送するのが目的で、ホール注入材料もしくは電子注入材料を含有していても良い。多層型の有機EL素子の構成例としては、例えばITO(インジウム−スズ酸化物)/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層されたものがあげられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
正孔(ホール)輸送層、電子輸送層、および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であっても良い。また正孔輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(正孔(ホール)注入層及び電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(正孔輸送層および電子輸送層)を別々に設けることもできる。
本発明の有機EL素子は、上記構成例に限らず、種々の構成とすることができる。即ち、必要に応じて、正孔輸送層成分と発光層成分を混合した層、電子輸送層成分と発光層成分を混合した層、それぞれを正孔輸送性発光層、電子輸送性発光層とすることができる。
以下、本発明の有機EL素子の構成要素に関して、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として取り上げて詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、基板に支持されていることが好ましい。
基板の素材については特に制限はなく、従来の有機EL素子に慣用されているものであれば良く、例えばガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
本発明の有機EL素子の陽極としては、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。陽極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリング、塗布などの方法により基板上に形成することができる。陽極のシート電気抵抗は100Ω/□以下が好ましく、50Ω/□以下がより好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
陰極としては、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さな金属同士の合金(4eV以下)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。陰極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。本発明の有機EL素子の発光を効率良く取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は、透明もしくは半透明であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の正孔輸送層は、正孔輸送材料からなるもので、陽極より注入された正孔を発光層に輸送する機能を有している。電界を与えた2つの電極間に正孔輸送材料が配置されて陽極から正孔が注入された場合、少なくとも1.0×10−6/V・秒以上、より好ましくは1.0×10−5/V・秒以上の正孔移動度を有する正孔輸送材料が好ましい。本発明の有機EL素子の正孔輸送層に使用する正孔輸送材料は、本発明のピロール系化合物を用いることが好ましいが、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来から光導電材料において正孔注入材料、正孔輸送材料として慣用されているものや有機EL素子の正孔注入層、正孔輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。本発明のピロール系化合物は単独あるいは他の化合物と混合して使用しても良い。すなわち、ピロール系化合物単独、その他の正孔輸送材料単独、ピロール系化合物とその他の正孔輸送材料を混合、積層、共蒸着して使用するといった使用方法が挙げられる。
前記の公知の正孔輸送材料としては、例えば銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(α−NPD)、ビス〔4−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕ジフェニルシラン(DTASi)、1,3,5−トリス〔3−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル〕ベンゼン(m−DTATPB)、1,1−ビス〔4−ビス(4−トリル)アミノフェニル〕シクロヘキサン(TAPC)等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体が挙げられる。
正孔注入材料としては、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)やN,N′−ビス〔4−(ジ−m−トリルアミノ)フェニル〕−N,N′−ジフェニルビフェニル−4,4′−ジアミン(DNTPD)などを挙げることができる。さらに、公知の正孔輸送材料に、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、トリニトロフルオレノン(TNF)等の有機系酸化性ドーパント、酸化バナジウム、酸化モリブデン(MoO)、酸化タングステン、酸化アルミニウム等の無機系酸化性ドーパントを作用させることによりラジカルカチオンを形成させて正孔注入層として用いることもできる。この正孔注入層中の酸化性ドーパント濃度は、特に限定されないが、0.1〜99重量%程度であることが好ましい。
Figure 0005596993
本発明の有機EL素子の電子輸送層は、電子輸送材料からなるもので、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に電子輸送材料が配置されて陰極から電子が注入された場合、少なくとも1.0×10−8/V・秒以上、より好ましくは1.0×10−7/V・秒以上の電子移動度を有する電子輸送材料が好ましい。本発明の有機EL素子の電子輸送層に使用する電子輸送材料は、前記の好ましい性能を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において電子の注入材料あるいは電子の輸送材料として慣用されているものや有機EL素子の電子注入層、電子輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
前記の電子輸送材料としては、たとえばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)のようなキノリン錯体、1−N−フェニル−2−(p−ビフェニルイル)−5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TAZ)のようなトリアジン誘導体、1,4−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(DPB)のようなフェナントロリン誘導体などが挙げられる。電子輸送層は、これらの他の電子輸送材料の一種または二種以上からなる一層で構成されたものでよく、前記の電子輸送材料とは別の化合物からなる電子輸送層を積層したものでも良い。
Figure 0005596993
本発明の有機EL素子は、電子注入性をさらに向上させる目的で、陰極と電子輸送層の間に電子注入層をさらに設けても良い。ここで使用される電子注入層としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用することが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム等が挙げられる。また、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム錯体(Liq)、特開2008−106015号公報に掲げるフェナントロリン誘導体のリチウム錯体(LiPB、LiPBPy)や特開2008−195623号公報に掲げるフェノキシピリジンのリチウム錯体(LiPP)を用いることもできる。
Figure 0005596993
本発明の有機EL素子の発光層の発光物質については特に制限されることはなく、従来の公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
発光材料としては、ペリレン誘導体、ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体(例えばクマリン1、クマリン540、クマリン545など)、ピラン誘導体(例えばDCM−1、DCM−2、DCJTBなど)、有機金属錯体[トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Almq)等の蛍光材料やビス〔2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C′〕イリジウム(III)ピコリネート(FIrpic)、トリス{1−〔4−(トリフルオロメチル)フェニル〕−1H−ピラゾラート,N,C′}イリジウム(III)(Irtfmppz3)、ビス〔2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C′〕イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)、fac−イリジウム(III)トリス〔2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン〕[Ir(FPPy)]、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)〔Ir(ppy)〕などのリン光材料]などを挙げることができる。
Figure 0005596993
発光層は、ホスト材料と発光材料(ドーパント)から形成される[Appl.Phys.Lett.,65 3610(1989)]。特にリン光材料を発光層に使用する場合、リン光材料にエネルギーを与えることの出来るホスト材料の使用が必要であり、この時使用されるホスト材料としては本発明のピロール系化合物を用いることができる。その他既存のホスト材料である4,4′−ジ(N−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル(CBP)、1,4−ジ(N−カルバゾリル)ベンゼン−2,2′−ジ〔4″−(N−カルバゾリル)フェニル〕−1,1′−ビフェニル(4CzPBP)、トリス−(4−カルバゾリル−9−イル−フェニル)−アミン(TCTA)、1,3−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)等を使用したり、本発明のピロール系化合物と併用することもできる。
Figure 0005596993
発光材料は、ホスト材料に対して好ましくは0.01〜40重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明のピロール系化合物を含む素子の正孔注入層、正孔輸送層の形成方法については特に限定されるものではない。例えば乾式成膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式成膜法〔例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法などの溶液塗布法〕を使用することができる。発光層、電子輸送層、電子注入層などの形成方法については、乾式成膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法)が好ましい。なぜならば、湿式成膜法を使用すると下層が溶出する恐れがあるからである。なお、素子の作製については上記の成膜方法を併用しても構わない。
真空蒸着法により正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の各層を形成する場合、真空蒸着条件は、特に限定されるものではない。通常10−4Pa程度以下の真空下で50〜500℃程度のボート温度(蒸着源温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.01〜50nm/sec.程度蒸着することが好ましい。正孔輸送層、発光層、電子輸送層の各層を複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れた各ボートをそれぞれ温度制御しながら共蒸着することが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層を溶媒塗布法で形成する場合、各層を構成する成分を溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(例えばN,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。溶媒は単独で使用しても良く、複数の溶媒を併用しても良い。
正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
本発明の有機EL素子は、酸素や水分等との接触を遮断する目的で保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。
不活性物質としては、パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。
保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、通常直流駆動の素子として使用できる。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として電圧を通常1.5〜20V程度印加すると発光が観測される。また、本発明の有機EL素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。本発明の有機EL素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイ、照明などの面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示素子、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
図1〜9に、本発明の有機EL素子の好ましい例を示す。
図1は、本発明の有機EL素子における1つの例を示す断面図である。図1は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、発光層3および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層は電子輸送性の機能を有している場合に有用である。
図2は、本発明の有機EL素子における他の例を示す断面図である。図2は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6および陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリア輸送と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すために、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。
図3は、本発明の有機EL素子における他の例を示す断面図である。図3は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、ホール注入層7を設けることにより、陽極2とホール輸送層5の密着性を高め、陽極からのホールの注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
図4は、本発明の有機EL素子における他の例を示す断面図である。図4は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陰極4から電子の注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
図5は、本発明の有機EL素子における他の例を示す断面図である。図5は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陽極2からホールの注入を良くし、陰極4から電子注入を良くし、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
図6〜図9は素子の中にホールブロック層9を挿入したものの断面図である。ホールブロック層9は、陽極から注入されたホール、あるいは発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4に抜けることを防止する効果があり、有機EL素子の発光効率の向上に効果がある。ホールブロック層9については、発光層3と陰極4の間もしくは発光層3と電子輸送層6の間あるいは発光層3と電子注入層8の間に挿入することができる。より好ましいものは発光層3と電子輸送層6の間である。
図1〜図9で、ホール輸送層5、ホール注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、ホールブロック層9のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であっても良い。
図1〜図9は、あくまでも基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機EL素子の構成はこれに限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
合成例1
3,3′−ビス(1,2−ジフェニル−1H−ピロール−3−イル)ビフェニル(Pyr1)の合成
Figure 0005596993
(a)3方コックを装着した300ミリリットルの4口フラスコにナトリウムtert−ブトキシド(NaO−tBu)25.4g(264mmol)、酢酸パラジウム0.27g(1.2mmol)を加え、脱気、窒素置換を3回繰り返した。つづいて脱水テトラヒドロフラン(THF)120ミリリットル、P(t−Bu)0.32ミリリットル(1.2mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、3−ブロモクロロベンゼン23.0g(120mmol)、アセトフェノン14.4g(120mmol)を順次加え反応を開始した。系内はオレンジ色から赤褐色へと変化していった。20時間後反応を停止した。溶液を酢酸溶液(酢酸14ミリリットル、水100ミリリットル)に滴下し中和した後、トルエン160ミリリットルを加え飽和NaCl水溶液で分液を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させエバポレーターで濃縮することにより茶色のオイルを得た。この粗製生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い2−(3−クロロフェニル)−1−フェニルエタノン18.0g(78.2mmol、65.1%)を得た。
(b)次に、500ミリリットルの4口フラスコに脱水N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)250ミリリットル、上記で得られた2−(3−クロロフェニル)−1−フェニルエタノン18.0g(78.2mmol)、NaO−tBu(ナトリウムtertブトキシド)9.01g(93.8mmol)を加え、室温で攪拌している所へブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール18.5g(93.8mmol)を滴下した。滴下後、昇温した(65〜70℃)。24時間後、エバポレーターでDMFを留去し、クロロホルム200ミリリットル、塩化アンモニウム水溶液100ミリリットル×2、水100ミリリットル×1で分液洗浄を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮することにより油状物をえた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−フェニル−ブタン−1−オン12.8g(36.8mmol、47.1%)を得た。
(c)続いて、100ミリリットルの2口フラスコに前記で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−フェニル−ブタン−1−オン3.83g(12.0mmol)、アニリン1.12g(12.0mmol)、p−トルエンスルホン酸(PTSA)1水和物0.11g(0.6mmol)、トルエン50ミリリットルを加え還流温度まで昇温した。18時間後反応を停止し、反応溶液をエバポレータで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、3−(3−クロロフェニル)−1,2−ジフェニル−1H−ピロール2.91g(8.82mmol、73.5%)を得た。
(d)次に50ミリリットルの2口フラスコに上記で得られた3−(3−クロロフェニル)−1,2−ジフェニル−1H−ピロール1.2g(3.63mmol)、Ni(cod)1.52g(5.24mmol)、2,2′−ビピリジン0.82g(5.24mmol)、脱水DMF20ミリリットルを加え55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。19時間後、原料が完全に消失したため、反応を停止した。
反応溶液にクロロホルム200ミリリットルを加え溶解させたところへ1M−HClaq100ミリリットル、水100ミリリットル×3で分液洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。シリカゲルを75g敷きつめたキリヤマロートでろ過を行いクロロホルム50ミリリットルでシリカゲルを洗浄した。ろ液を濃縮した後、n−ヘキサン50ミリリットルで攪拌洗浄した。不溶物をろ過、乾燥させることにより3,3′−ビス(1,2−ジフェニル−1H−ピロール−3−イル)ビフェニル(Pyr1)0.99g(1.68mmol,92.6%)を微黄色固体で得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図10にH−NMRスペクトル、図11にMSスペクトルを記す。
合成例2
3,3′−ビス〔2−フェニル−1−(4−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr2)の合成
Figure 0005596993
100ミリリットルの2口フラスコに合成例1で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−フェニル−ブタン−1−オン5.05g(15.84mmol)、p−トルイジン1.70g(15.84mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.15g(0.8mmol)、トルエン70ミリリットルを加え還流温度まで昇温した。16時間後反応を停止し、反応溶液をエバポレータで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、3−(3−クロロフェニル)−2−フェニル−1−(4−トリル)−1H−ピロール4.4g(12.80mmol,80.8%)を得た。
続いて、50ミリリットルの2口フラスコに上記で得られた3−(3−クロロフェニル)−2−フェニル−1−(4−トリル)−1H−ピロール1.2g(3.48mmol)、Ni(cod)1.52g(5.24mmol)、2,2′−ビピリジン0.82g(5.24mmol)、脱水DMF 20ミリリットルを加え、55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。19時間後、原料が完全に消失したため、反応を停止した。
反応溶液にクロロホルム200ミリリットルを加え溶解させたところへ1M−HCl aq100ミリリットル、水100ミリリットル×3で分液洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。シリカゲルを75g敷きつめたキリヤマロートでろ過を行い、クロロホルム50ミリリットルでシリカゲルを洗浄した。ろ液を濃縮した後、n−ヘキサン50ミリリットルで攪拌洗浄した。不溶物をろ過、乾燥させることにより3,3′−ビス〔2−フェニル−1−(4−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr2)0.99g(1.61mmol,92.5%)を微黄色固体で得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図12にH−NMRスペクトル、図13にMSスペクトルを記す。
合成例3
3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr3)の合成
Figure 0005596993
200ミリリットルの2口フラスコに合成例1で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−フェニル−ブタン−1−オン5.02g(14.47mmol)、4−tert−ブチルアニリン2.16g(14.47mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.14g(0.72mmol)、トルエン70ミリリットルを加え還流温度まで昇温した(108〜109℃)。19時間後反応を停止し、反応溶液をエバポレータで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−フェニル−1H−ピロール5.1g(13.21mmol,91.3%)を得た。
続いて、100ミリリットルの2口フラスコに上記で得られた1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−フェニル−1H−ピロール2.0g(5.18mmol)、Ni(cod)2.25g(7.77mmol)、2,2′−ビピリジン1.21g(7.77mmol)、脱水DMF30ミリリットルを加え55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。2.5時間後、原料が完全に消失したため、反応を停止した。
反応溶液にクロロホルム200ミリリットルを加え溶解させたところへ1M−HClaq100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルで分液洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させろ過した。シリカゲルを75g敷きつめたキリヤマロートでろ過を行いクロロホルム400ミリリットルでシリカゲルを洗浄した。ろ液を濃縮した後、n−ヘキサン50ミリリットルで攪拌洗浄した。不溶物をろ過、乾燥させることにより3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr3)1.40g(2.0mmol,77.2%)を微黄色固体で得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図14にH−NMRスペクトル、図15にMSスペクトルを記す。
合成例4
3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(4−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr4)の合成
Figure 0005596993
(a)3方コックを装着した300ミリリットルの4口フラスコにNaO−tBu21.5g(223.7mmol)、酢酸パラジウム0.21g(0.9mmol)を加え、脱気、窒素置換を3回繰り返した。つづいて脱水THF100ミリリットル、P(t−Bu)0.25ミリリットル(0.9mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、3−ブロモクロロベンゼン17.8g(93.2mmol)、4−トリルエタノン12.5g(93.2mmol)を順次加え反応を開始した。系内はオレンジ色から赤褐色へと変化していった。40時間後反応を停止した。溶液を酢酸溶液(酢酸14.6ミリリットル、水200ミリリットル)に滴下し中和した後、トルエン100ミリリットルを加え飽和NaCl水溶液で分液を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させエバポレーターで濃縮することにより2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)エタノンを茶色のオイルで得た。
(b)続いて、500ミリリットルの4口フラスコに脱水DMF200ミリリットル、前記で得られた未精製の2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)エタノン22.8g(93.2mmol)、NaO−tBu10.7g(111.8mmol)を加え、60℃付近まで昇温した。56℃の時点でブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール22.0g(111.8mmol)を滴下した。滴下後、80〜85℃で23時間反応を行った〔TLC(薄層クロマトグラフィー)(ヘキサン/クロロホルム=1/3)で反応の終了を確認〕。エバポレーターでDMFを留去し、クロロホルム300ミリリットル、水100ミリリットル×4で分液洗浄を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮することにより油状物をえた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−(4−トリル)−ブタン−1−オン9.01g(25.0mmol,26.8%)を褐色油状物で得た。
(c)次に、100ミリリットルの2口フラスコに上記で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−(4−トリル)−ブタン−1−オン3.0g(8.31mmol)、4−tert−ブチルアニリン1.24g(8.31mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.08g(0.42mmol)、トルエン50ミリリットルを加え還流温度まで昇温した。4時間後TLCで反応をチェックしたところ原料が消失していたため反応を停止した。反応溶液をエバポレータで濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−(4−トリル)−1H−ピロール2.47g(6.18mmol,74.4%)を得た。
(d)続いて、100ミリリットルの2口フラスコに前記で得られた1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−(4−トリル)−1H−ピロール2.47g(6.18mmol)、Ni(cod)2.55g(9.27mmol)、2,2′−ビピリジン1.45g(9.27mmol)、脱水DMF30ミリリットルを加え55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。18時間後、反応を停止しクロロホルム200ミリリットルに溶解させ、1M−HClaq100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルの順に分液洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥させエバポレータで濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた目的物をヘキサン200ミリリットルで洗浄し、60℃で減圧乾燥することで3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(4−トルイル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr4)1.55g(2.13mmol,68.9%)を得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図16にH−NMRスペクトル、図17にMSスペクトルを記す。
合成例5
3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(3−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr5)の合成
Figure 0005596993
(a)3方コックを装着した300ミリリットルの4口フラスコにNaO−tBu21.5g(223.7mmol)、酢酸パラジウム0.21g(0.9mmol)を加え、脱気、窒素置換を3回繰り返した。つづいて脱水THF100ミリリットル、P(t−Bu)0.25ミリリットル(0.9mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、3−ブロモクロロベンゼン17.8g(93.2mmol)、3−トリルエタノン12.5g(93.2mmol)を順次加え反応を開始した。系内はオレンジ色から赤褐色へと変化していった。16時間後、TLCをチェックしたところ、原料がほぼ消失したため反応を停止した。溶液を酢酸溶液(酢酸13.4ミリリットル、水200ミリリットル)に滴下し中和した後、トルエン100ミリリットルを加え飽和NaCl水溶液で分液を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させエバポレーターで濃縮することにより2−(3−クロロフェニル)−1−(3−トリル)エタノンを茶色のオイルで得た。
(b)続いて、500ミリリットルの4口フラスコに脱水DMF200ミリリットル、上記で得られた未精製の2−(3−クロロフェニル)−1−(3−トリル)エタノン21.9g(89.3mmol)、NaO−tBu10.3g(107.2mmol)を加え、60℃付近まで昇温した。60℃の時点でブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール21.1g(107.2mmol)を滴下した。滴下後、60〜65℃で18時間反応を行った。エバポレーターでDMFを留去し、クロロホルム300ミリリットル、水100ミリリットル×4で分液洗浄を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮することにより油状物をえた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ-1−(3-トリル)−ブタン−1−オン5.31g(14.7mmol,16.5%)を褐色油状物で得た。
(c)次に、100ミリリットルの2口フラスコに前記で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−(3−トリル)−ブタン−1−オン3.0g(8.31mmol)、4−tert−ブチルアニリン1.24g(8.31mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.08g(0.42mmol)、トルエン50ミリリットルを加え還流温度まで昇温した。20時間後TLCで反応をチェックしたところ原料が消失していたため反応を停止した。反応溶液をエバポレータで濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで2回精製することにより1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−(3−トリル)−1H−ピロール2.5g(6.25mmol,75.2%)を得た。
(d)続いて、100ミリリットルの2口フラスコに1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−2−(3−トリル)−1H−ピロール2.50g(6.25mmol)、Ni(cod)1.90g(6.9mmol)、2,2′−ビピリジン1.08g(6.9mmol)、脱水DMF30ミリリットルを加え55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。19時間後、反応を停止しクロロホルム300ミリリットルに溶解させ、1M−HClaq100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルで分液洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥させエバポレータで濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(3−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr5)1.81g(2.48mmol,79.4%)を得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図18にH−NMRスペクトル、図19にMSスペクトルを記す。
合成例6
3,3′−ビス(1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル)ビフェニル(Pyr6)の合成
Figure 0005596993
100ミリリットルの4口フラスコに合成例1で得られた2−(3−クロロフェニル)−4,4−ジエトキシ−1−フェニル−ブタン−1−オン5.1g(16.0mmol)、シクロヘキシルアミン4.75g(47.9mmol)、12M−HClaq2ミリリットル(23.9mmol)、トルエン80ミリリットル、酢酸5.8g(95.8mmol)を加え、還流温度まで昇温した。32時間後TLCで反応をチェックしたところ目的物と思われるスポットが出現していたため反応を停止した。反応溶液にトルエン200ミリリットルを追加し、水100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルの順に分液水洗を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、3−(3−クロロフェニル)−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−ピロール1.21g(3.60mmol,22.5%)を得た。
続いて、100ミリリットルの2口フラスコに上記で得られた3−(3−クロロフェニル)−1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−ピロール1.52g(4.53mmol)、Ni(cod)1.37g(4.98mmol)、2,2′−ビピリジン0.78g(4.98mmol)、脱水DMF20ミリリットルを加え55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。21時間後、反応を停止しクロロホルム200ミリリットルに溶解させ、1M−HClaq100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルの順に分液洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレータで濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3,3′−ビス(1−シクロヘキシル−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル)ビフェニル(Pyr6)1.26g(2.10mmol,92.8%)を得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図20にH−NMRスペクトル、図21にMSスペクトルを記す。
合成例7
3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メチル−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr7)の合成
Figure 0005596993
100ミリリットルの4口フラスコに脱水DMF40ミリリットル、合成例1で得られた2−(3−クロロフェニル)−1−フェニルエタノン2.0g(8.67mmol)、NaO−tBu0.85g(8.67mmol)を加えた。ついでブロモアセトン1.46g(9.54mmol,90%)のDMF(20ミリリットル)溶液を5分で滴下した。3時間後にTLCで反応をチェックしたところ、原料は消失していたため反応を停止した。反応系内に水200ミリリットル、クロロホルム50ミリリットル加え分液抽出を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレータで濃縮することにより、粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトで精製することにより、2−(3−クロロフェニル)−1−フェニル−ペンタン−1,4−ジオン2.14g(7.46mmol,86.0%)を得た。
続いて、ディーンスターク管を装着した300ミリリットルのナスフラスコに上記で得られた2−(3−クロロフェニル)−1−フェニル−ペンタン−1,4−ジオン2.14g(7.46mmol)、4−tert−ブチルアニリン1.11g(7.46mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.07g(0.37mmol)、トルエン35ミリリットルを加え還流温度まで昇温した。18時間後、TLCをチェックしたところ、ほぼ原料が消失していたため反応溶液をエバポレータで濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトにより精製を行い、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−フェニル−1H−ピロール2.74g(6.85mmol,91.8%)を得た。
次に、100ミリリットルの2口フラスコに前記で得られた1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−フェニル−1H−ピロール2.74g(6.85mmol)、Ni(cod)2.45g(8.91mmol)、2,2′−ビピリジン1.39g(8.91mmol)、脱水DMF30ミリリットルを加え、55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。16時間後、TLCで原料が消失したのを確認した後、反応を停止し、エバポレータで溶媒を回収した。残渣へクロロホルム100ミリリットルを加えて溶解させ、1M−HClaq100ミリリットル、重曹水100ミリリットル、水100ミリリットルの順に分液洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレータで濃縮することにより粗生成物を得た。これにトルエン70ミリリットルを加え、60℃まで加熱して溶解させ、シリカゲル25gを加えて分散攪拌を30分、60℃で行った。その後、シリカゲルをろ過し、熱(50〜60℃)トルエン70ミリリットルで濾滓を洗浄した。トルエン溶液をエバポレータで濃縮し、得られた残渣をトルエンで再結晶することにより3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メチル−2−フェニル−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr7)1.64g(2.26mmol,65.9%)を白色微結晶で得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図22にH−NMRスペクトル、図23にMSスペクトルを記す。
合成例8
3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メチル−2−(4−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr8)の合成
Figure 0005596993
(a)3方コックを装着した300ミリリットルの4口フラスコにNaO−tBu17.9g(178.8mmol)、酢酸パラジウム0.17g(0.745mmol)を加え、脱気、窒素置換を3回繰り返した。つづいて脱水THF85ミリリットル、3−ブロモクロロベンゼン14.3g(74.5mmol)、4−トリルエタノン10g(74.5mmol)を加え、5分間攪拌した。その後P(t−Bu)0.2ミリリットル(0.745mmol)を加え、反応を開始した。系内はオレンジ色から赤褐色へと変化していった。1時間後、系内を50℃まで昇温した。反応開始3時間後にTLCで反応を確認したところ、アセトフェノンがほぼ消失したため反応を停止した。溶液を酢酸溶液〔酢酸10.3ミリリットル(180mmol)、水350ミリリットル〕に滴下し、中和した後、トルエン200ミリリットルを加え、分液水洗を行った。続いて重曹水200ミリリットル、水200ミリリットルで分液を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレーターで濃縮することにより、茶色のオイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)エタノン10.0g(40.9mmol、54.9%)をロウ状の白色固体で得た。
(b)続いて、100ミリリットルの4口フラスコに脱水DMF30ミリリットル、前記で得られた2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)エタノン2.5g(10.2mmol)、NaO−tBu1.0g(10.2mmol)を加えた。ついでブロモアセトン1.7g(11.2mmol,90%)のDMF(20ミリリットル)溶液を5分で滴下した。18時間後にTLCで反応をチェックしたところ、原料は消失していたので反応を停止した。反応系内に水100ミリリットル、クロロホルム50ミリリットル加え、分液抽出を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレータで濃縮することにより、粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)−ペンタン−1,4−ジオン2.33g(7.75mmol,76.0%)を無色油状物で得た。
(c)次に、ディーンスターク管を装着した300ミリリットルナスフラスコに上記で得られた2−(3−クロロフェニル)−1−(4−トリル)−ペンタン−1,4−ジオン2.33g(7.75mmol)、4−tert−ブチルアニリン1.16g(7.75mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.08g(0.4mmol)、トルエン35ミリリットルを加え、還流温度まで昇温した。24時間後、TLCをチェックしたところ、ほぼ原料が消失していたため、反応溶液をエバポレータで濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−(4−トリル)−1H−ピロール2.90g(7.01mmol,90.5%)を得た。
(d)続いて、100ミリリットルの2口フラスコに前記で得られた1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−(4−トリル)−1H−ピロール2.90g(7.01mmol)、Ni(cod)2.50g(9.10mmol)、2,2′−ビピリジン1.42g(9.10mmol)、脱水DMF30ミリリットルを加え、55〜60℃で窒素気流下、加熱攪拌した。16時間後、TLCで原料が消失したのを確認した後、反応を停止した。反応溶液をクロロホルム150ミリリットルで希釈し、1M−HClaq50ミリリットル、重曹水50ミリリットル、水50ミリリットルの順に分液洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレータで濃縮することにより、粗生成物を得た。これにトルエン150ミリリットルを加え60℃まで加熱して溶解させ、シリカゲル50gを加えて分散攪拌を30分、60℃で行った。その後、シリカゲルをろ過し、熱トルエン70ミリリットルで濾滓を洗浄した。トルエン溶液をエバポレータで濃縮し、得られた残渣をトルエンで再結晶することにより3,3′−ビス〔1−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メチル−2−(4−トリル)−1H−ピロール−3−イル〕ビフェニル(Pyr8)1.98g(2.62mmol,74.6%)を白色微結晶で得た。
構造確認はH−NMR、MSスペクトルにより行った。図24にH−NMRスペクトル、図25にMSスペクトルを記す。
原料の化合物を適宜選択することにより、上記の合成例に準じた方法で、本発明の他のピロール系化合物を合成することができる。
実施例1〜3及び比較例1に係る有機EL素子を作製し、それぞれ、1A/m、25A/m時の外部量子効率(%)、視感効率(lm/W)、エネルギー変換効率(%)の測定を行った。以下、実施例1〜3及び比較例1について詳細に説明する。
作製した実施例1〜3及び比較例1に係る有機EL素子における、各層の材料構成を下記表1に示す。
Figure 0005596993
表1において、KLET−03はケミプロ化成(株)社製電子輸送材料であり、3DTAPBPはN,N,N3′″,N3′″−テトラ−p−トリル−[1,1′;2′,1″;2″,1′″]クォーターフェニル−3,3′″−ジアミン、FIrpicはビス〔2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C′〕イリジウム(III)ピコリネート、TCTAはトリス−(4−カルバゾリル−9−イル−フェニル)−アミン、Liqは8−ヒドロキシキノリノラトリチウムである。
Figure 0005596993
実施例1
Pyr4(合成例4.参照)をホール輸送材料として用いた青色リン光素子の評価を行った。また、ホール注入材料にはMoOが20wt%ドープされたPyr4、ホスト材料にはTCTA(〔化89〕参照)、電子輸送材料にはKLET−03、電子注入材料にはLiq(〔化87〕参照)を用いた。具体的な素子作成手順は以下のとおりである。
まず、パターニング済みのITO(インジウム・スズ酸化物)ガラス基板(ITO膜厚110nm)を純水と界面活性剤による超音波洗浄、純水による流水洗浄、純水とイソプロピルアルコールの1:1混合溶液による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる煮沸洗浄の順で洗浄した。この基板を沸騰中のイソプロピルアルコールからゆっくり引き上げ、イソプロピルアルコール蒸気中で乾燥させ、最後にUVオゾン洗浄を行った。
洗浄済みの基板を真空チャンバー内に配置し、1×10−6Torrまで真空排気し、該真空チャンバー内には蒸着材料をそれぞれ充填した各モリブテン製ボートと、所定のパターンで製膜するための蒸着用マスクを設置しておき、前記ボートを通電過熱して順次所定の蒸着材料を蒸発させることにより各有機層を製膜した。
最後に、真空チャンバーを真空に保ったまま、マスクを交換し陰極蒸着用のマスクを設置して、アルミニウム層を形成した。そして、真空チャンバーを大気圧に戻し、上記により各層を蒸着した基板を取りだし、窒素置換されたグローブボックスに移し、UV硬化樹脂を用いて、ガラス板により封止することにより有機EL素子を得た。
作成した素子の構成を以下に記す。
ガラス基板/ITO(110nm、陽極)/MoO:Pyr4(20nm、20:80、ホール注入層)/Pyr4(20nm、ホール輸送層)/TCTA:FIrpic(10nm、84:16、発光層)/KLET−03(70nm、電子輸送層)/Liq(0.5nm、電子注入層)/Al(100nm、陰極)
実施例2
実施例1にてホール輸送材料として用いたPyr4の代わりにPyr5をホール輸送材料として用いた青色リン光素子の評価を行った。
実施例3
実施例1にてホール輸送材料として用いたPyr4の代わりにPyr6をホール輸送材料として用いた青色リン光素子の評価を行った。
比較例1
実施例1にてホール輸送材料として用いたPyr4の代わりに、3DTAPBPをホール輸送材料として用いた青色リン光素子の評価を行った。
図26は実施例1〜3、比較例1のELスペクトル、図27は実施例1〜3、比較例1の電流密度−電圧特性、図28は実施例1〜3、比較例1の輝度−電圧特性、図29は実施例1〜3、比較例1の電流効率−電流密度特性、図30は実施例1〜3、比較例1の輝度−電流密度特性を示す。なお、Firpicの発光色は青色であり、そのELスペクトルである比較例1と同じ形状のELスペクトルが実施例1〜3で得られていることから実施例1〜3の素子は青色発光を得ている。下記表2は素子評価結果をまとめたものである。
Figure 0005596993
実施例3の1A/m、25A/mにおいて、比較例1の外部量子効率、視感効率、エネルギー変換効率を上回ることができた。一方、実施例1、2においては比較例1の外部量子効率、視感効率、エネルギー変換効率を若干下回ったが、FIrpic由来の青色発光を得ることができたので、本発明化合物がホール輸送材料として機能したことが明らかである。
実施例1〜3の有機EL素子の25A/mでの発光輝度が半分になるまでの時間(半減寿命)を測定し、比較例1の半減寿命と比較した。図31は実施例1〜3、比較例1の素子寿命特性を示す。その結果、実施例1〜3いずれも比較例の半減寿命を上回った。したがって本発明化合物が素子寿命を向上させる効果があることは明らかである。
実施例4
本発明のピロール系化合物であるPyr1をホスト材料として用いた白色リン光素子の評価を行った。具体的な素子構成はITO(110nm、陽極)/MoO:α−NPD(20nm、20:80、ホール注入層)/KLHT−03(15nm、ホール輸送層)/Pyr1:FIrpic(4.5nm、80:20、発光層)/Pyr1:PQ2Ir(dpm)(1nm、95:5、発光層)/Pyr1:FIrpic(4.5nm、80:20、発光層)/KLET−03(70nm、電子輸送層)/Liq(1nm、電子注入層)/Al(100nm、陰極)である。
上記、KLHT−03はケミプロ化成(株)社製ホール輸送材料、PQ2Ir(dpm)はイリジウム(III)ビス−(2−フェニルキノリノラト−N,C2′)ジピバロイルメタンである。
Figure 0005596993
図32は実施例4で作成した有機EL素子のCommission Internationale d′Eclairage(CIE)色度座標、図33は実施例4の電流効率−電流密度特性、図34は実施例4の電流密度−電圧特性、図35は実施例4の輝度−電圧特性を示す。下記表3は素子評価結果をまとめたものである。
Figure 0005596993
実施例4において、CIE色度座標から明らかなように青、オレンジの2波長による白色発光を得ることができた。すなわち、本発明化合物が青色リン光ドーパントおよびオレンジ色リン光ドーパントのホストとして機能したことが明らかである。
1 基板
2 陽極(ITO)
3 発光層
4 陰極
5 正孔(ホール)輸送層
6 電子輸送層
7 正孔(ホール)注入層
8 電子注入層
9 正孔(ホール)ブロック層

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示されるピロール系化合物。
    Figure 0005596993
    (式中、Rは、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基あるいは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を有する芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれた基であり、
    〜Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基、未置換または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基あるいは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基を有する芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれた基であるが、R〜Rすべてが水素原子であることはなく、
    Lは、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基で置換されていてもよいビフェニレン基よりなる群から選ばれた基である。)
  2. 請求項1に記載のピロール系化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記ピロール系化合物がホール輸送層に含有されることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記ピロール系化合物が発光層に含有されることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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