JP5596392B2 - 繊維シート及びこれを用いた吸収性物品 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の点に鑑み、液等の拡散性及び液透過性に優れ、吸収性物品等への使用に好適に対応できる十分な強度を有する繊維シートの提供を課題とする。
本実施形態における使い捨ておむつ10は、おむつの外形をなし平面視において略砂時計形状である外装体1と、液吸収保持性の吸収性コア31を複数の繊維シートで被覆してなる吸収性本体3とからなる。吸収性本体3は平面視において長方形である。その吸収性本体3を中央に配して覆うように外装体1がその非肌当接面側に配置されている。ここで吸収性本体3は前記外装体1の幅方向における端縁から少し隙間をあけた幅方向内方部分で該外装体1と接合されている。吸収性本体3の長手方向の前後両端縁の外方には、外装体1が延在するフロントフラップ部Ff及びリアフラップ部Frが形成され、リアフラップ部Frのそれぞれ幅方向外方縁部にはファスニングテープ4が配設されている。本実施形態において外装体1は、肌面側の液不透過性の多孔質層11と非肌面側の外層不織布12とからなる。上記多孔質層11と外層不織布12との間には、ウエスト開口部Woの近傍の縁部のウエスト弾性部材(図示せず)及びこれより股下側に位置する胴回り弾性部材(図示せず)が外装体1の内部に組み込まれて配設され、着用者の胴回りを適度に締め付け良好なフィット性を示す。また、レッグ開口部Loの縁部近傍には左右一対のレッグ弾性部材8が2本ずつ配設され、着用者の足の付け根回りをバランスよく適度に締め付けて良好な装着性とこの部分からの液等の漏れ防止性とを発揮する。
また、本願の繊維シートは、非水解性であることが好ましい。ここでいう水解性とは、多量の水に接触することにより繊維どうしがばらばらに分離してシートが細分化される性質のことをいい、本願の繊維シートは、このような性質を有さないことが好ましい。
本発明の繊維シートは、繊維状物を含有する。該繊維状物としては、湿式抄造可能なものを種々用いることができる。各種の繊維状物の中でも、エーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの定着性、得られる繊維シートの柔軟性、液の透過・吸収性、製造コスト等の点から、針葉樹晒しクラフトパルプ(以下、NBKPともいう)、広葉樹晒しクラフトパルプ(以下、LBKPともいう)、古紙パルプ等の木材パルプ、HBAやマーセル化パルプ、架橋パルプなどの嵩高性の化学処理パルプ、コットンが好ましい。各種の繊維状物は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、木材パルプを用いる場合、レーヨン、リヨセル、テンセル、ポリビニルアルコール等の親水性繊維や少量の熱可塑性繊維を混合してもよい。木材パルプは、使用する繊維状物中の80重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがより好ましい。
本発明の繊維シートは、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースを含有する。このエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースは、エーテル化度が0.2〜0.6でカルボキシメチル基が部分的にアルカリ金属塩に中和された、pH5.0以上のカルボキシメチルセルロースであることが好ましい。このようなエーテル化度及びpH値とすることで、吸水性の向上及び使用時の安全性の面から繊維シートのpHは弱酸性から中性となるので好ましい。本発明のエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースは、95%以上のカルボン酸基の水素が金属で置換されていることが好ましく(特開2002−78733号公報参照)、例えばキッコレート(商品名、ニチリン化学社製)、サンローズ(商品名、日本製紙ケミカル社製)などが挙げられる。本発明においては、エーテル化度が0.2〜0.6カルボキシメチルセルロースは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの添加量は、繊維状物100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
前記繊維シートに含まれる湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド、尿素ホルムアミド樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、グリオキサール変性ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂等を用いることができる。中でも特にポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂は、水に対する溶解度が比較的低いため、好ましい。この湿潤紙力増強剤によって湿潤強度を高めることは、繊維シートを例えば本実施形態のおむつ10の構成材料として用いる場合に、尿等によって該繊維シートが濡れても破断しづらくなるという観点から有利である。また前記繊維シートを加工機に組み込んで製品を製造する場合にもトラブルが一層発生しづらくなる。本発明においては、湿潤紙力増強剤は一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。湿潤紙力増強剤の添加量は、繊維状物100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
本発明の繊維シートにおいて、前述の成分に加えてアニオン性高分子化合物を含有させることで、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とが吸着したパルプ同士が集まり凝集体(フロック)が形成される。このアニオン性高分子化合物の添加により、繊維シートの抄紙工程において湿潤紙力増強剤を介した前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの繊維状物に対する定着性を向上させることができる。このアニオン性高分子化合物としては、アクリル系高分子化合物が好ましく、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。アニオン性高分子化合物を繊維シートに添加する場合、その添加量は、繊維状物100質量部に対して0.001〜1.0質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。本発明においては、前記アニオン性高分子化合物は一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アニオンコロイド等量値(meq/g)は、−0.1〜−10.0が好ましい。コロイド等量は以下の方法で測定することができる。
〔コロイド当量値の測定方法〕
50ppm水溶液(純水で希釈)に希釈したアニオン性高分子化合物を100mlメスシリンダーに採取して200mlビーカーに移す。回転子を入れて攪拌しながら2N水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)社製)0.5mlをホールピペットで加えた後、N/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬工業(株)社製)5mlをホールピペットで加える。トルイジンブルー指示薬(和光純薬工業(株)社製)を2〜3滴入れ、N/400ポリビニルアルコール硫酸カリウム溶液(和光純薬工業(株)社製)で滴定する。青色が赤紫色に変わり数秒経っても赤紫色が消えない点を終点とする。同様に純水にて空試験を行う(ブランク)。
コロイド当量値(meq/g)=〔アニオン性高分子化合物の測定値(ml)−空試験の滴定量(ml)〕/2
[アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液粘度の測定方法]
アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液粘度の測定は、アニオン性高分子化合物をイオン交換水で0.1%水溶液に調整した水溶液をB型粘度計BL型(東京計器株式会社製)を用いて測定する。なお、調整および測定に用いる水溶液の温度は25℃のものを用いる。
[平均分子量の測定方法]
アニオン性高分子化合物を1N塩化ナトリウム溶液で0.1%溶液に調整した溶液を、メートルグラスを用いて20mlとり、B型粘度計BL型(商品名、東京計器株式会社製)のBLアダプターを入れて粘度を測定する。粘度計の回転数は60rpmで3分後の粘度を読み取る。なお、調整および測定に用いる溶液の温度は25℃のものを用いる。
粘度測定値から(1)式を用いて固有粘度を求める。求めた固有粘度から(2)式を用いてアニオン性高分子化合物の平均分子量を算出する。
固有粘度[η] η(m・Pa・s)=3.83×粘度測定値+0.64 (1)
平均分子量 MW={[η]÷(3.73×10−4)}1.515 (2)
前記繊維シートは、前述の繊維状物、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、湿潤紙力増強剤、及びアニオン性高分子化合物に加えて、乾燥紙力増強剤、歩留まり向上剤、濾水向上剤、分散剤(粘剤)、機能性の粒子、サイズ剤、微生物に対するスライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、キレート剤、剥離剤等を含んでいてもよい。
機能性の粒子としては、消臭、抗菌性能を有する粉体等、この種の物品に通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。例えば、抗菌性を有する金属、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、酸化亜鉛、天然あるいは合成の各種アルミノ珪酸塩(セピオライト、セピオライト、ミズカナイト、ゼオライト、ハイシリカゼオライト)、カンクリナイト様鉱物等、抗菌性を有する金属を含む架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる消臭粒子を用いることが好ましい。
本発明の繊維シートは、前記繊維状物、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、湿潤紙力増強剤、及び水を含むスラリー組成物の調製工程と湿式抄造方法による抄紙工程とによって製造することができる。
○スラリー組成物の調製工程
本発明の繊維シートの原料となるスラリー組成物は、その調製の手順に特に制限はないが、前記繊維状物、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、前記湿潤紙力増強剤、及び前記水を攪拌して混合し、水で希釈して調製される。この希釈工程においては、前述のアニオン性の高分子化合物を必要により混合する。希釈後のスラリー組成物(丸網抄紙機においては抄紙機のバット(抄き槽)のスラリー組成物)中の繊維状物の濃度は、0.05〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.3質量%がより好ましい。このようにして抄造に用いるスラリー組成物を調整する際には、必要に応じて、サイズ剤、着色剤、填料、機能性の粒子、増粘剤、pHコントロール剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を添加することもできる。
図3は、このスラリー組成物調製において想定される各成分の分散・希釈した状態を模式化して示した説明図である。図3においては、スラリー中の繊維状物21とエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23と湿潤紙力増強剤22の様子が示されている。この図のとおり、プラス荷電をもつ湿潤紙力増強剤22を介してマイナス荷電をもつエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23が前記繊維状物21に吸着され、凝集物(フロック)28を形成する。吸着された繊維状物21は、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23や湿潤紙力増強剤22とともにある程度の嵩を有して抄紙網25から抜けにくくなる。
図4においては、前述の成分にさらにマイナス荷電をもつ前記アニオン性の高分子化合物24を混合し希釈した後、抄紙する様子が示されている。この図のとおり、該アニオン性の高分子化合物24を介してエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23を抱え込むように繊維状物21同士が集まり凝集体(フロック)26が形成される。このようにして形成された凝集体(フロック)26は、抱え込んだエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23とともに抄紙網25からより抜けにくくなり好ましい。
本発明の繊維シートは、前記工程で得られたスラリー組成物を原料として湿式抄造方法によって成形することができる。該湿式抄造方法には、例えば連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いることができる。また手漉きによるバッチ方式を用いてもよい。前記のスラリー組成物と、該スラリー組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによって繊維シートを成形することもできる。また、前記のスラリー組成物を抄造して得られた繊維シートどうしを多層に貼り合わせたり、該繊維シートに前記のスラリー組成物と異なる組成を有する組成物から得られた繊維シートを貼り合わせることによって、多層の繊維シートを成形することもできる。
以下の方法で繊維シートの坪量を測定することができる。
サンプルは25℃、65%RHの恒温室で12時間以上調湿したサンプルを用いる。各領域を適当な形状に切り出し、重量を測定し面積で除して坪量を算出した。この時、面積の総和Sが50cm2を超えるまで、サンプリングを繰り返す。サンプリングは、正方形や長方形に切り出すことを基本とするが、試料の制約上困難な場合に不定形となってしまった場合の面積は、画像解析処理ソフト イメージプロ プラス(Image−Pro plus)(商品名、Media Cybernetics社製)を用いて算出する。
繊維シート中の粉体含有量の測定は、以下の方法により行う。
紙の断面構造を電子顕微鏡で観察し、得られた画像を、画像解析処理ソフト イメージプロ プラス(Image−Pro plus)(商品名、Media Cybernetics社製)を用いて処理し、画像毎に粒子の占める面積(即ち、個々の粒子の断面積の総和)を算出する。測定は5点の平均とする。
(参考例1)
水に未叩解の針葉樹クラフトパルプ(CSF 740ml)を添加し、エーテル化度が0.42のカルボキシメチルセルロースであるキッコレートLD−A(商品名 ニチリン化学社製)を添加し、これらを食品用ミキサーMX−V350(商品名、パナソニック社製)を用いて十分に混合・攪拌してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、キッコレートLD−Aの濃度はパルプに対して10%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名 星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.8g/m2であった。
参考例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、キッコレートLD−Aの濃度はパルプに対して10%であった。さらに食品用ミキサーによる攪拌を停止した後、得られたスラリーの希釈を行い、希釈工程の途中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物アコフロックA95(商品名、MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド 質量平均分子量1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力増強剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.1%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は21.8g/m2であった。
(参考例2)
参考例1において、キッコレートLD−Aの代わりにサンローズSLD−S(商品名、日本製紙ケミカル社製)を用いた以外は参考例1と同様にして中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、エーテル化度が0.28のカルボキシメチルセルロースであるサンローズSLD−S(商品名、日本製紙ケミカル社製)の濃度はパルプに対して10%であった。さらに参考例1と同様にして0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.6g/m2であった。
エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースを添加せずに、参考例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は19.5g/m2であった。
水に叩解した針葉樹クラフトパルプ(CSF 350ml)を添加し、比較例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.3g/m2であった。
水に未叩解の針葉樹クラフトパルプ(CSF 740ml)を添加し、親水性繊維であるVPB107−1(ポリビニルアルコール、クラレ社製)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、VPB107−2×3の濃度はパルプに対して10%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤(WS4024 星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は21.2g/m2であった。
[クレム吸水量の測定方法]
この測定方法はJIS P 8141に準じた。繊維シートを15mm×150mmの矩形形状に裁断しこれを試料とした。試料の短辺から5mm内方に離間した位置に、該短辺と平行な直線(標線)を鉛筆で引いた。そして、試料の長辺が垂直になるように該試料を電子天秤の下部に吊り下げ、この吊り下げ状態を保持したままで該試料を前記標線まで素早く測定液中に入れた。そして、試料を測定液中に入れてから30秒後の該試料の重量増加分を電子天秤で測定し、その測定値をクレム吸水量(g/30秒 15mm幅)とした。クレム吸水量が多いほど高評価である。前記電子天秤には、市販の電子天秤データ取り込みソフトRsCom Ver2.40(商品名 (株)エー・アンド・デイ社製)がインストールされたコンピュータが電気的に接続されており、これにより試料の重量変化を記録することができた。
繊維シートを400mm×400mmの矩形形状に裁断したものを試料とし、内径35mmの上部円筒(ガラス製)と内径35mmの下部円筒(ガラス製)との間に、上下に2つのシリコン製パッキンで繊維シートを挟み込み、上部円筒の下端及び下部円筒の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップを嵌合させ、上下の円筒を固定した。この際、前記2つの円筒は水平な作業台に対し垂直方向となるように配置した。試験液として濃度0.9%の食塩水40gを、上方の円筒状の上部より一度に入れて、この水溶液が前記試料を透過する秒数を測定した。
注入開始から繊維シート上から液がなくなるまでの時間を測定した。その測定値を、通液時間として示した。
[乾燥引張強度]
繊維シートを幅25mm、長さ200mmの短冊状に縫断した後、速やかに万能圧縮引張試験機RTM−25(商品名 オリエンティック社製)を用いて、引張速度300mm/min、試験片つかみ間隔50mmの条件で破断時の強度を測定した。
[湿潤引張強度]
繊維シートを幅25mm、長さ200mmの短冊状に縫断した後、大量の水に5秒間浸した後、10秒間水を切ってから、乾燥引張強度と同様の方法で破断時の強度を測定した。
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クレム吸水量 液透過性 引張り強度(cN/25mm)
(g/30秒.15mm) (秒) 乾燥強度 湿潤強度
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実施例1 0.273 4.6 550 55
参考例1 0.254 4.4 480 52
参考例2 0.238 5.2 510 53
比較例1 0.222 2.0 120 25
比較例2 0.204 27.0 2130 380
比較例3 0.218 3.9 1860 470
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3 吸収性本体
3a 吸収体
3b 表面シート
3c 裏面シート
31 吸収性コア
32、33 被覆シート
10 展開型使い捨ておむつ
21 繊維状物
22 湿式紙力増強剤
23 エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース
24 アニオン性高分子化合物
Claims (6)
- 繊維状物とエーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とを含有し、さらに質量平均分子量800万〜2000万のアニオン性高分子化合物を含有し、前記カルボキシメチルセルロースの添加量は前記繊維状物100質量部に対して1〜20質量部であり、前記湿潤紙力増強剤の添加量は前記繊維状物100質量部に対して0.01〜5質量部である繊維シート。
- 前記アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液の粘度が50〜500mPa・s(25℃)である請求項1記載の繊維シート。
- 前記繊維シートは、繊維状物が凝集した高坪量領域と、低坪量領域とを有する請求項1または2に記載の繊維シート。
- 消臭性能又は抗菌性能を有する機能性の粒子を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維シート。
- 前記繊維状物及び前記カルボキシメチルセルロースを水中で混合してスラリーを得て、該スラリーを希釈し、前記湿潤紙力増強剤を添加した後、前記アニオン性高分子化合物を添加することにより得られる請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維シート。
- 液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シートと該両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間に請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維シートが介在配置されている吸収性物品。
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JP2011208330A (ja) | 2011-10-20 |
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