JP5595092B2 - 運搬用台車のブレーキ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、荷物を載せて搬送する運搬用台車で、キャスターの回転を規制する運搬用台車のブレーキ構造に関する。
床フレームの下面にキャスターを取り付けた運搬用台車では、車輪の外周を押圧してブレーキを掛けていた。車輪の位置が固定された固定車輪では、床フレームに操作機構を設けて、自由にブレーキを設けることができた(例えば、特許文献1、2)。しかし、車輪が旋回する自在車輪では、車輪の位置が変化するために、床フレームにブレーキ操作機構を設けることができず、個々のキャスターで車輪の傍に足で操作するペダルを設けていた(特許文献3の従来例、図8、図9)。
この場合、キャスターの旋回に従って操作ペダルの位置が移動するために、操作者は、操作ペダルの位置を確認した後に操作ペダルを操作しなければならなかった。
また、上下動する操作体の下端をブレーキシューに押しつけて、ブレーキシューで車輪を押圧して車輪の回転を止めるタイプのブレーキ機構で、この不都合を解決するために、ブレーキシューを押圧する操作杆は車輪の座板の貫通孔に遊貫する構造が提案されている(特許文献3)。この場合、操作杆の上端を支持フレーム(床フレーム)Fの上方に位置させ、操作杆の上端を操作レバーのカムで押圧して、ブレーキを掛けていた。
特開平11−91305 特開2001−10501 特開2008−302903
前記従来の技術の場合、操作杆を床フレームの上方に平行に位置させる必要があった。従って、床フレームの厚さを厚くし、あるいは、床フレーム上に位置するパレット(運搬する荷物を載せる部材)に規制をうける問題点があった。
本発明は、床フレームの下面側にブレーキ作動部を設けるので、前記問題点を解決した。
即ち、この発明は、支柱を有するサイドパネルを立設した床フレームの下面側に、旋回する自在キャスターを設けた運搬用台車であって、以下のように構成したことを特徴とする運搬用台車のブレーキ構造である。
(1) 前記自在キャスターは、キャスター板に、キャスター支持具の上端部の旋回支持部を回転自在に取り付け、該キャスター支持具の下端部に車輪の軸を軸支して構成する。
(2) 前記旋回支持部にはキャスター支持具の回転軸と略同一方向に操作開口を有し、前記操作開口は、前記キャスター板の取付開口と連通し、かつ前記車輪の外周面に向けて開口させる。
(3) 前記操作開口内に、先端に操作押圧部を有するブレーキ棒を配置する。
前記ブレーキ棒は、操作開口内で軸方向に移動可能に取り付けし、前記操作押圧部が、作動位置で、前記車輪の外周を押圧して前記車輪の回動を規制し、かつ非作動位置で、前記車輪の外周面から離れるように形成する。
(4) 前記ブレーキ棒は、非作動位置側に付勢されている。
(5) 前記床フレームの下面であって、前記キャスター支持具から離れた位置に、昇降してブレーキ棒を昇降させるブレーキ作動部を配置する。
(6) 前記ブレーキ作動部の昇降を操作するブレーキ操作部を、前記床フレームの下面側に配置して前記ブレーキ棒を作動させる作動板と前記作動板と連結して作動板を操作する作用杆とから形成し前記作用杆を前記サイドパネルの枠内であって前記支柱に沿って配置する。
(7) 前記作用杆の上端部にハンドルを設け、前記ハンドルは、ブレーキ作動状態で前記支柱に沿った位置にあり、ブレーキ非作動状態で支柱から離れた位置にあり、かつ前記ハンドルは非作動状態側に付勢して構成した
また、前記において、ブレーキ作動部を以下のように構成したことを特徴とした運搬用台車のブレーキ構造である。
(1) 床フレームの下面側に、水平方向に面を合わせて配置した作動板を配置し、該作動板の中間部下面を、ブレーキ棒の上端に当接させる。
(2) 前記作動板の一端部を前記床フレームの下面から下方に向けて突出した係止突起に、緩く取り付け、前記作動板の他端に、ブレーキ操作部の操作により上下動する作用杆を連結する。
前記における床フレームは、運搬用台車の構造にかかわらず、荷物を載せる部材を指し、下面にキャスター板を取り付けられる部分を指す。
また前記におけるキャスター板は、キャスターを取り付ける部材を指すが、床フレームと一体又は床フレームと兼ねる場合も含む。
また、前記のように、自在キャスターは、キャスター板に、キャスター支持具の上端部の旋回支持部を回転自在に取り付け、該キャスター支持具の下端部に車輪の軸を軸支して構成する。キャスター板と旋回支持部とは通常、円形のボールベアリング群を配置して、回転させている。前記におけるキャスター板の取付開口とは、このボールベアリング群の内側に形成される開口を指す。
この発明では、自在キャスターの旋回中心に形成された操作開口内にブレーキ棒を配置したので、車輪の旋回位置にかかわらず、旋回位置を確認することなく、サイドパネル又は床フレームの下面のブレーキ操作部で操作できる。
ブレーキ作動部をキャスター支持具から離れた位置で、かつ床フレームの下面側に設けたので、床フレームの上面側のパレットやサイドパネルの操作に支障が無い。
また、ブレーキ操作部をサイドパネルに沿った位置に設けた場合には、作業者は、自在キャスターのブレーキがONかOFFかを簡単に目視で確認できる。
図1はこの発明の実施例で、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図2はこの発明の実施例で、(a)は左側面図(ブレーキ非作動状態)、(b)は右側面図(ブレーキ作動状態)である。 図3はこの発明の実施例で、背面図を表す。 図4(a)は、パレットを外した状態の図1(b)のC−C線における拡大断面図を表し、図4(b)は、図1(b)または図6のD−D線における一部拡大断面図であって図4(a)のEの部分に相当し、作用杆、連結板、作動板、ブレーキ棒の位置関係を示す概略する図である 図5は、ブレーキ機構を表す拡大左側面図で(a)はブレーキの非作動時、(b)は作動時を表す。 図6は、ブレーキ機構を表す拡大正面図(図5(b)のF視図)で、ブレーキ作動時を表す。 図7は、(a)は図5(a)のA−A線の拡大断面図、(b)は図5(b)のB−B線の拡大断面図を表す。 図5は、ブレーキ操作部を表す拡大左側面図で(a)はブレーキの非作動時、(b)は作動時を表す。
図面に基づいて、この発明の実施態様を説明する。
1.運搬用台車70の全体構成
(1) 断面L型の鋼材(平面帯状)から3つのフレーム片、第1フレーム片1A、第2フレーム片1B、第3フレーム片1Cを形成する。第1フレーム片1Aの両端部2、2aの下面4にキャスター板12A、12Bを夫々固定して、第2フレーム片1Bの基端部3をキャスター板12Aの上面に、水平面内で回転可能に取り付ける。また、キャスター板12Bの上面に第3フレーム片1Cの基端部3を、水平面内で回転可能に取り付ける。第2フレーム片1Bの自由端3aの下面4にキャスター板12Cを固定し、第3フレーム片1Cの自由端3aの下面4にキャスター板12Dを固定する。
これにより、第1フレーム片1A、第2フレーム片1B、第3フレーム片1Cが平面コ字状に配置された床フレーム10を構成する。床フレーム10の四隅にキャスター板12A、12B、12C、12Dが配置される(図4(a))。
(2) 床フレーム10の第1フレーム片1Aの上面5に第1サイドパネル15Aを、第2フレーム片1Bの上面5に第2サイドパネル15Bを、第3フレーム片1Cの上面5に第3サイドパネル15Cを、夫々立設する(図4(a)、図1(a))。各サイドパネル15A、15B、15Cは、パイプ材を屈曲して、支柱16、17の上端を支柱連結材18で連結した「横コ字」状の枠材に形成し、その枠状の内側に横桟材19、19、縦桟材20、20を入れて、格子状に形成されている(図2(a)(b)、図3)。
第1サイドパネル15Aの支柱16はキャスター板12Aに、第1サイドパネル15Aの支柱17はキャスター板12Bに固定される。また、第2サイドパネル15の支柱16はキャスター板12Cに、第2サイドパネル15Bの支柱17は、キャスター板12Aに夫々固定される。また、第3サイドパネル15Cの支柱16はキャスター板12Dに、支柱17はキャスター板12Bに夫々固定される(図4(a))。
(3) キャスター板12A、12Bの下面13に、通常のブレーキ機構の無いキャスター24、24を取り付ける。キャスター板12C、12Dの下面13にこの発明のブレーキ機構を取り付けたキャスター22、22を取り付ける。キャスター22、24のいずれも自在キャスターである(図1(b)、図2、図3)。
(4) 床フレーム1上にパレット71を乗せ、開口部の第2サイドパネル15Bの支柱16と第3サイドパネル15Cの支柱16に、サイドバー72を取り付けて、運搬用台車70とする(図1〜図4)。
2.ブレーキ機構の構成
(1) キャスター22は、キャスター板12C、12Dの下面13に固定するベース材30の下面にキャスター支持具34の上端部の旋回支持部41を形成して、取りつけて構成する。
ベース材30は、水平板31の両端部を上方に屈曲して縦板32、32を形成した横コ字状(略U字状)に形成してある。また、ベース材30の縦板32は高さHで形成され、高さHは後述するブレーキ棒45のストローク(上下の移動範囲)より大きく形成してある(図7)。
キャスー支持具34は、旋回支持部41の下方に二股に分かれた支持板35、35を有し、支持板35、35には車輪37の車軸39(横方向)を回転自在に軸支してある。
また、キャスター支持具34の旋回支持部41は、ベース材30の水平板31の下面31bとの間にボールベアリング43、43で縦軸に対して旋回自在に形成された、旋回支持部41の中心(平面円形に配置されたボールベアリング43、43群の内周側)に、旋回回転軸の方向に取付開口42を形成してある(図7鎖線図示42、43)。
(2) 取付開口42に、ブレーキ棒45を、軸を縦にして上下動可能に配置する。ブレーキ棒45は、その上端部を、ベース材30の水平板31の上面31aより上方に突出させ、下端部にはブレーキシュー48が形成され、ブレーキシュー48は車輪37の外周38付近に位置させる。ブレーキ棒45の上端部に大径の膨出部46が形成され、膨出部46の上端47は、ベース材30の水平板31の下面31bに固定された支持筒52内を通過して、ベース材30の水平板31の上面31aより上方に突出している。また、ブレーキ棒45の上端部外周にスプリング51が取付けられ、スプリング51は膨出部46の下縁と支持筒52の下縁との間に配置されている。
ブレーキ棒45はスプリング51により上方に向けて付勢され、ブレーキ棒45が下位置にあるときは、ブレーキ棒45の下端のブレーキシュー48が車輪37の外周面38を押圧し、車輪37の回転を規制する(図7(b))。また、ブレーキ棒45が上位置にあるときは、ブレーキ棒45の下端のブレーキシュー48が車輪37の外周面38から離れ、車輪37は自由に回転できる(図7(a))。ブレーキ棒45の上位置下位置にかかわらず、車輪37は旋回回転軸周り(即ちブレーキ棒45周り、取付開口42周りに)に旋回できる。
(3) ベース材30内で、水平板31の上面31a側に作動板55を配置して、作動板55の下面56中央部59をブレーキ棒45の上端47に位置させる(図7)。 キャスター板12C、12Dの下面13に、下方に向けて係止突起60を突設する。係止突起60は、作動板55の一端部の係止孔57に緩くはまり、係止突起60の先端に膨出部が形成され、係止突起60は作動板55の係止孔57から抜けない。
作動板55の他端部は下方に屈曲して下方屈曲部58が形成されている。従って、作動板55の下方屈曲部58が下降することにより、作動板55は一端部(係止孔57、係止突起60)が支点として、下方屈曲部58が力点、中央部59が作用点として「てこ」として作用して、作動板55の中央部59がブレーキ棒55の上端57を下方に押し下げる(図7(a)(b))。
(4) 第1サイドパネル15Bの開口側の支柱16に沿って、上下動可能に作用杆61を配置して、作用杆61の上端部62aに、作用杆61の上下動操作をするハンドル63を取りつけ、作用杆61の下端62を床フレーム10(フレーム片1B)の下面4より下方に突出させる(図5)。
作用杆61の下端部62と、作動板55の下方屈曲部58とは、水平方向で所定距離Lだけ離れて配置されている。作用杆61の下端部62と、作動板55の下方屈曲部58とを、略水平方向に配置した連結板65の両端部66、66aに夫々連結する。連結板65の中央部67は、キャスター板1Cの下面13に下方に向けて突出した固定部材68に回転自在に支持する。従って、連結板65は、中央部67を固定部材68に回転自在に連結され、一端部66を作動板55の下方屈曲部58に回転自在に連結され、他端部66aを作用杆61の下端部62に回転自在に連結されている。
よって、作用杆61の上昇により、連結板65は中央部67の軸廻りに回動して、作動板55の下方屈曲部58を下降されるように作用する(図5(b)、図7(b))。これにより、作動板55の中央部59の下面56がブレーキ棒45の上端47を押して、ブレーキ棒45を下降させる。これにより、ブレーキ棒45のブレーキシュー48が車輪37の外周面38を押圧して、車輪37の回転を止める。
(5) この場合、連結板65の他端部66aと作用杆61の下端部62との取付は、ねじ69により取り外し容易に取り付けられている。また、作用杆61の中間部には、ボルトとナットとを組み合わせた長さ調整機構64が設けられており、作用杆61の下端部62側を回転すれば、作用杆61の全体長さを容易に調整できるようになっている(図5)。従って、ねじ69を外して、連結板65と作用杆61との取付を解除して、作用杆61の下端部62を上方(ハンドル63側)に対して相対的に回転させれば、長さを調節できる。
(6) 前記において、連結板65と作動板55とは平面視で、ほぼ直角に配置されている。連結板65は、サイドパネル15Bの面のほぼ下方に位置している(図4(b))。従って、作動板55の下方屈曲部58もサイドパネル15Bの下方に位置している。
(7) 前記(4)における作用杆61へのハンドル63の取りつけは、以下のように構成する。
支柱16に、内側に向けて(パネルBの枠内)取付突片74を固定する。取付突片74にハンドル63の基端部63aを、水平軸75で回転自在に取り付ける。ハンドルの基端部63aで、水平軸75より先端側に水平方向の回転軸78を設け、回転軸78に「く」字状のハンドル操作部材76の上端部を回転自在に取り付ける。ハンドル操作部材76の下端部を水平方向の回転軸77で、作用杆61の上端部62aと回転自在に連結する(図5(a)(b)、図8(a)(b))。
この際、回転軸75と回転軸77とを結ぶ直線79を仮想した場合、ブレーキ作動時にハンドル63は略垂直状態(立てた位置。先端部が上に位置。支柱16に沿った位置)にあり、回転軸78が仮想直線79よりも支柱16側(ハンドル63の回転方向と反対側)に位置し(図5(b)、図8(b))、ハンドル63はこの位置に維持されるように、支柱16側に付勢される。また、ブレーキ非作動時に、ハンドル63は水平位置(横に寝た位置。先端部が水平方向に位置。支柱16から離れた位置)にあり、回転軸78が仮想直線79よりも支柱16から離れた側(ハンドル63の回転方向側)に位置し(図5(a)、図8(a))、ハンドル63はこの位置に維持されるように、下方に向けて(支柱16から離れる方向に)付勢されている。以上のような仮想直線79、回転軸78の関係を確保できるように、ハンドルの形状、特に基端部63aの屈曲形状、ハンドル操作部材76の屈曲形状及び作用杆61の平面位置が決定されている。
従って、ハンドル63を、ブレーキ非作動位置(図5(a)、図8(a)。横位置)とブレーキ作動位置(図5(b)、図8(b)。縦位置)との間で、位置変化させる際には、若干、力を作用させる必要がある。
(8) ここで、作動板55の本体部分(下方屈曲部58以外の部分)は水平板31に沿って略水平に配置された板材から形成され、また作用杆61(連結板65)と連結するための下方屈曲部58をベース材30の外に配置できる。従って、ベース材30の縦板32の高さHを、ブレーキ棒45のストローク分と作動板55の本体部分の厚さ分との程度に少なくでき、ベース材30を極めて薄く形成できた。
(9) 上記(1)〜(8)と同様に、サイドパネル15C側でも同様に自由端側の支柱16に沿って、同様に作用杆61を配置して、連結板65、作動板55で、ブレーキ棒45を押圧してキャスター22の車輪37の回転を止めるようになっている(図5〜図8)。
3.運搬用台車70(ブレーキ機構)の作動
(1) この運搬用台車70は、従来のものと同様に、パレット71上に荷物を載せて、走行できる。この際、4輪が自在キャスター22、24であるので、小廻りが効く搬送ができる。また、サイドパネル15A、15B、15C及びサイドバー72により、荷崩れが防止できる。また、サイドバー72を外して、開口側から荷物の積み卸しをする。
この走行状態では、ハンドル63は水平状態にあり、作用杆61は下降位置にあり、連結板65は他端66a(作用杆61側)が下がり、一端66(作動板55側)が上がった位置にある(図5(a)、図8(b))。従って、連結板65の一端66に連結された作動板55の下方屈曲部58も上がった位置にあり、作動板55の全体がスプリング51に付勢されて、ベース材30の水平板31の上面31aに当接した状態にある(図7(a))。よって、ブレーキ棒45もスプリング51により付勢されて上昇下位置にある(図7(a))ので、ブレーキシュー48は車輪37から離れた位置にある。
また、この際、作用杆61のハンドル63は水平状態にあるが、サイドパネル15B、15Cの枠内(支柱16、17、支柱連結材18を含む垂直面内)にあるので、運搬用台車70の走行や荷物の積み卸し作業に支障がない。
また、前記のようにハンドル63と作用杆61とをハンドル操作部材76で連結して、かつ回転軸78と仮想直線79との関係を定めて取り付けたので、荷物の積み卸し作業中に荷物がハンドル63に当たっても、ハンドル63が切り替わることを防止できる(図5(a)、図8(a))。
(2) 走行中又は積み卸し作業などの際に、運搬用台車70を停止して動かないようにする為には、作業者は、サイドパネル15B、15C側で、支柱16、16を持ちながらハンドル63を握り、ハンドル63を水平状態から、支柱16に沿った垂直状態に切り換える。この際、作業者は、キャスター22、24の車輪37の旋回位置によらず、旋回位置を確認する必要なく、ハンドル63を操作できる。
ハンドル63の垂直状態にすることにより、作用杆61は上昇して、作用杆61の下端62が連結された連結板65の他端66aも上がり、連結板65の一端66(作動板55側)は下がった状態になる(図5(b)、図8(b))。従って、連結板65の一端66に連結された作動板55の下方屈曲部58も下がり、作動板55は係止孔57側(係止突起60側)が上がった斜めになる(図7(b))。
よって、作動板55の下面56がブレーキ棒45の上端47を押して、スプリング51の付勢に抗して、ブレーキ棒45を押し下げる(図7(b)、図6)。従って、ブレーキシュー48が車輪37の外周面38を押圧するので、キャスター22、22で車輪37、37の回転を止め、運搬用台車70はその位置に留まる。この際、運搬用台車70が多少振れて、キャスター22、22の車輪37が旋回した場合であっても、車輪37はブレーキシュー48により押圧された状態で旋回するので、回転が規制された状態を維持できる。
また、この状態で、作用杆61のハンドル63は垂直状態にあるが、サイドパネル15B、15Cの枠内(支柱16、17、支柱連結材18を含む垂直面内)にあるので、運搬用台車70の走行や荷物の積み卸し作業に支障がない。
また、前記のようにハンドル63と作用杆61とをハンドル操作部材76で連結して、かつ回転軸78と仮想直線79との関係を定めて取り付けたので、同様に、荷物の積み卸し作業中に荷物がハンドル63に当たっても、ハンドル63が切り替わることを防止できる(図5(b)、図8(b))。
(3) 運搬用台車70の停止状態から、走行状態に戻す際には、ハンドル63を水平状態に戻せば、作用杆61、作動板55、連結板65は元に戻り、ブレーキ棒45のブレーキシュー48は車輪37の外周面から離れる(図5(a)、(図7(a))。
(4) この運搬用台車70では、パレット71を起こしてサイドパネル15Aに重ねて、支柱17廻りにサイドパネル15Bを回転させてサイドパネル15A側(起こしたパレット71)に重ねて、更に、支柱17廻りにサイドパネル15Cを回転させて、サイドパネル15A側(回転させたサイドパネル15B、起こしたパレット71側)に重ねることができる。この状態でも、ハンドル63を操作して、車輪22、22の回転、回転停止を操作できる。
4.他の実施形態
(1) 前記実施形態において、キャスター板12C、12Dの直上に作用杆61、作動板55、連結板65を配置して、これらがキャスター板12C、12Dと共に移動するように取り付けたが、サイドパネル15B、15Cが移動しない構造であれば、作用杆61はキャスター板12C、12Dから離れた位置に設けることもできる(図示していない)。
(2) また、前記実施形態において、キャスター22において、ベース材30の縦板32(高さH)の分だけキャスター22が、従来より高くなるので、これに伴い車輪37を小さくしなければならない。この場合、作動板55を使用したので、高さHはブレーキ棒45のストローク程度にすることができるので、縦板32の高さHをできるだけ小さくすることができるが、高さHを高く設定できる場合には、作動板55の構造は限定しない(図示していない)
1A、1B、1C フレーム片
2 フレーム片1Aの一端
2a フレーム片1Aの他端
3 フレーム片1B、1Cの基端
3a フレーム片1B、1Cの自由端
4 フレーム片の下面
5 フレーム片の上面
10 床フレーム
12A、12B、12C、12D キャスター板
13 キャスター板の下面
15A、15B、15C サイドパネル
16、17 サイドパネルの支柱
18 サイドパネルの支柱連結材
19 サイドパネルの横桟材
20 サイドパネルの縦桟材
22 キャスター(ブレーキ付き)
24 キャスター(ブレーキ無し)
30 ベース材
31 ベース材の水平板
31a 水平板の上面
31b 水平板の下面
32 ベース材の縦板
34 キャスターのキャスター支持具
35 キャスター支持具の支持板
37 キャスターの車輪
38 車輪の外周面
39 車輪の車軸
41 キャスターの旋回支持部
42 旋回支持部の取付開口
43 旋回支持部のボールベアリング
45 ブレーキ棒
46 ブレーキ棒の膨出部(上端部)
47 ブレーキ棒の上端
48 ブレーキ棒のブレーキシュー(下端)
51 スプリング
52 支持筒
55 作動板(ブレーキ作動部)
56 作動板の下面
57 作動板の係止孔(一端部)
58 作動板の下方屈曲部(他端部)
59 作動板の中央部
61 作用杆(ブレーキ作動部)
62 作用杆の下端
62a 作用杆の上端部
63 作用杆のハンドル(ブレーキ操作部)
63a ハンドルの基端部
64 作用杆の長さ調整機構
65 連結板(ブレーキ作動部)
66 連結板の一端部
66a 連結板の他端部
67 連結板の中央部
68 固定部材
69 ねじ(連結板65と作用杆61の取付)
70 運搬用台車
71 パレット
72 サイドバー
74 ハンドル用の取付突片
75 ハンドル用の水平軸
76 ハンドル操作部材
77 回転軸(作用杆61とハンドル操作部材76)
78 回転軸(ハンドル63とハンドル操作部材76)
79 仮想直線

Claims (2)

  1. 支柱を有するサイドパネルを立設した床フレームの下面側に、旋回する自在キャスターを設けた運搬用台車であって、以下のように構成したことを特徴とする運搬用台車のブレーキ構造。
    (1) 前記自在キャスターは、キャスター板に、キャスター支持具の上端部の旋回支持部を回転自在に取り付け、該キャスター支持具の下端部に車輪の軸を軸支して構成する。
    (2) 前記旋回支持部にはキャスター支持具の回転軸と略同一方向に操作開口を有し、前記操作開口は、前記キャスター板の取付開口と連通し、かつ前記車輪の外周面に向けて開口させる。
    (3) 前記操作開口内に、先端に操作押圧部を有するブレーキ棒を配置する。
    前記ブレーキ棒は、操作開口内で軸方向に移動可能に取り付けし、前記操作押圧部が、作動位置で、前記車輪の外周を押圧して前記車輪の回動を規制し、かつ非作動位置で、前記車輪の外周面から離れるように形成する。
    (4) 前記ブレーキ棒は、非作動位置側に付勢されている。
    (5) 前記床フレームの下面であって、前記キャスター支持具から離れた位置に、昇降してブレーキ棒を昇降させるブレーキ作動部を配置する。
    (6) 前記ブレーキ作動部の昇降を操作するブレーキ操作部を、前記床フレームの下面側に配置して前記ブレーキ棒を作動させる作動板と前記作動板と連結して作動板を操作する作用杆とから形成し前記作用杆を前記サイドパネルの枠内であって前記支柱に沿って配置する。
    (7) 前記作用杆の上端部にハンドルを設け、前記ハンドルは、ブレーキ作動状態で前記支柱に沿った位置にあり、ブレーキ非作動状態で支柱から離れた位置にあり、かつ前記ハンドルは非作動状態側に付勢して構成した、。
  2. 前記ブレーキ作動部を以下のように構成したことを特徴とした請求項1記載の運搬用台車のブレーキ構造。
    (1) 床フレームの下面側に、水平方向に面を合わせて配置した作動板を配置し、該作動板の中間部下面を、ブレーキ棒の上端に当接させる。
    (2) 前記作動板の一端部を前記床フレームの下面から下方に向けて突出した係止突起に、緩く取り付け、前記作動板の他端に、ブレーキ操作部の操作により上下動する作用杆を連結する。
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