JP5594039B2 - 鉛蓄電池用極板およびこれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、エキスパンド格子を用いた鉛蓄電池用極板およびこの極板を用いた鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池用極板に用いる格子としてエキスパンド格子が広く用いられている。エキスパンド格子は、鉛合金をスラブ状に鋳造し、このスラブを圧延して所定厚み、所定幅寸法のシートを作成し、その後、シートに千鳥状のスリットを形成して伸展する手法によって製造される。近年では、エキスパンド格子の集電効率の向上を目的とし、エキスパンド網目のマス目をより細かくする傾向がある。マス目を細かくするには、スリットの長さを小さくするのが一般的である。
エキスパンド格子の製造方法は大きく二分される。レシプロ方式は、形成するスリットに対応したダイス刃を往復運動させることによって、シートにスリットを形成するとともに、スリット部を伸展し、エキスパンド網目を形成する。ロータリ方式は、回転運動する円板状カッターでシートにスリットを形成しエキスパンド網目を形成する。
レシプロ方式の場合、エキスパンド網目の生産速度は、ダイス刃の数(一格子におけるスリットの数)に反比例し、ダイス刃の往復速度に比例する。すなわちマス目を細かくするためにスリットの長さを小さくすると、ダイス刃の数が増えて、ダイス刃の一往復運動毎に送られるシートの長さが小さく(送りピッチが短く)なり、結果として、単位時間当たりのエキスパンド網目の生産量が減る(生産性が低下する)。生産性を維持するには、送りピッチが短くなった分だけダイス刃の時間当たりの往復回数を増加させればよいが、ダイス刃の質量とダイス刃を駆動するプレス機の能力を鑑みれば、この往復回数は1500回/分程度が実質的な上限であった。
特許文献1および2は、格子単量とのバランスを考えて極板の上部ほど単位面積当たりの重量を大きくする技術(具体的には、上部ほど格子マス目の縦/横比を小さくしてマス目を細かくする方法)を開示している。レシプロ方式でこの技術を用いれば、スリットの長さを小さくせずに必要な箇所のみエキスパンド網目のマス目を細かくできるため好ましいと考えられる。
ロータリ方式の場合、円板状カッターでシートにスリットを形成するとともに、スリットに挟まれた線状部をシート面に対して上下方向に突出するよう変形させた後、シートを幅方向に展開するだけなので、エキスパンド網目の生産速度は、円板状カッターの回転速度にのみ依存する。すなわちレシプロ方式のように、マス目を細かくすることによって生産性が低下することはない。
ロータリ方式においてシートを幅方向に展開する際、シートの中央部(2列取りのためエキスパンド格子における上枠骨に相当)をシート幅方向に移動しないようにしつつシート長手方向に送りだす間に、側部(エキスパンド格子における下枠骨に相当)を把持してシート長手方向に送りだすとともにシート幅方向に拡張する。この拡張の際に、上下枠骨と格子骨同士の結節部にクラックが入ることが多い。
特許文献3は、上下枠骨と格子骨同士の結節部の幅を、網目部を形成する格子の交差部の幅より大きくする技術を開示している。ロータリ方式でこの技術を用いれば、マス目を細かくしつつ上述したクラックの発生を抑制できる(高出力で長寿命の鉛蓄電池を提供できる)ため好ましいと考えられる。
実開平04−006164号公報 特開2001−243958号公報 特開2001−006687号公報
近年、市場において、充放電の繰り返しに伴って格子が伸び、セパレータ上部に格子がはみ出すことによって発生する短絡などが原因で、突然電池としての機能を失う「突然死」が課題視されている。集電効率を向上させる特許文献1や2の構成や、生産時のクラック発生を抑制する特許文献3の構成では、上述した正極格子の伸びに起因する短絡(突然死)を抑止できない上に、突然死を招く前に徐々に集電機能を失わせるなどして使用者に寿命到達を知らせる術も持たない。
本発明は上記課題についてなされたものであり、格子の伸びなどが原因で発生する「突然死」を抑制しつつ、使用者が寿命到達を認知しやすい鉛蓄電池を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、鉛あるいは鉛合金からなる格子に鉛および鉛化合物を含む活物質ペーストを充填してなる鉛蓄電池用極板であって、格子は少なくとも上枠骨と、上枠骨の上部に突出させた耳部と、上枠骨の下部に展開させた格子骨と、格子骨同士が交差する交差部とからなり、格子の上方から75%以上の箇所から下部における交差部の幅を格子の上部における交差部の幅よりも小さくしたことを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、格子としてエキスパンド格子を用いたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、請求項4の発明において、交差部の幅を、格子の上方から75〜90%の箇所から下部について小さくしたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、請求項の発明において、交差部の幅を、格子の上方から75%以上の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、請求項の発明において、交差部の幅を、格子の上方から75〜90%の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、少なくとも正極板に請求項1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用極板を用い、セパレータを介して負極板と対峙させたことを特徴とする鉛蓄電池に関する。
上述した突然死の最大の課題は、電池としての機能を十分に発揮している状態から、突然機能を失うことである。例えば自動車のセルスタータ用の鉛蓄電池が突然死すれば、使用者(車の運転者)は鉛蓄電池の寿命到達を予測できないため、前もって車検などの検査時に鉛蓄電池を交換する等のメンテナンスができない。
このような突然死に比べれば、電池としての機能が徐々に失われていく方が、使用者としてはメンテナンスのタイミングを適切に設定できるため、好ましい。具体的には、格子の上部よりも放電への寄与の少ない下部の方から徐々に集電機能を失わせることで、このような挙動を示すことができると考えられる。一例として、充放電の繰り返しによる格子の酸化腐食を活用して放電への寄与の少ない下部の格子を選択的に脆弱化すれば、格子が伸びる際の応力は、脆弱化した格子下部を破壊する力となるため、セパレータの上部にはみ出した格子の上部同士が接触することで発生する短絡と、それに引き続く突然死を回避しつつ、集電機能を失わせて電池の機能を徐々に低下させることができると考えられる。
しかし特許文献1、2および3などは上述した突然死を意識したものではなく、特に特許文献1および2の構成をベースにして突然死を回避して格子の下部から徐々に集電機能を失わせようとすれば、下部ほど格子骨が細くなるように設計せざるを得ない。このような設計では格子の物理的強度が低下するため、エキスパンド加工時に意図せぬ不具合(格子骨の切断や外部応力による格子変形など)が発生し、生産できなくなる場合がある。
図1は一般的なレシプロ方式によるエキスパンド格子の要部拡大図である。上記に加えてレシプロ方式の場合、格子骨A101の切り幅103およびそれに接合する格子骨B102の切り幅104を足し合わせた交差部の厚みが格子厚み105となる。したがって格子骨を細くした下部における交差部以外の箇所の厚みはさらに薄くなり、この厚みに比例する活物質充填量もまた少なくなるため、特性バランスを悪化させることになる。
発明者らが鋭意検討した結果、格子骨が交差する交差部の幅を、格子の上部よりも下部の方を小さくすることで、以下の3つの効果が得られることを知見した。第1に、格子の上部から下部にかけて格子骨の太さ自体は変えなくて済むため、エキスパンド加工時に格子骨の切断などの不具合が回避できるようになり、高い生産性を保つことができる。第2に、レシプロ方式において格子骨の太さ自体を変えないことで極板内の活物質充填量のバランスが良化し、特性バランスが保てるようになる。第3に、充放電の繰り返しによる格子の酸化腐食を活用して交差部の幅が小さい箇所(格子の下部)から徐々に格子が崩れていく構造とすることで、突然死につながる「伸びた格子がセパレータの上部からはみ出すこと」を抑制しつつ、集電機能を失わせて電池の機能を徐々に低下させることができるため、使用者に鉛蓄電池の交換時期を予測させることが可能になり、利便性が向上する。
本発明によれば、鉛蓄電池の突然死による利用者への不便を回避できるという、顕著な効果を奏する。
一般的なレシプロ方式によるエキスパンド格子の要部拡大図 参考形態の鉛蓄電池用極板に用いる格子の一態様を示す図 参考形態の鉛蓄電池用極板に用いる格子の一態様を示す図 本発明の鉛蓄電池用極板に用いる格子の一態様を示す図 本発明の鉛蓄電池用極板に用いる格子の一態様を示す図 本発明の鉛蓄電池の外観図 本発明の効果を示す特性評価図
以下に、本発明を実施するための形態について、図を用いて説明する。
参考形態1)
参考形態1は、鉛あるいは鉛合金からなる格子に鉛および鉛化合物を含む活物質ペーストを充填してなる鉛蓄電池用極板であって、格子は少なくとも上枠骨と、上枠骨の上部に突出させた耳部と、上枠骨の下部に展開させた格子骨と、格子骨同士が交差する交差部とからなり、格子の下部における交差部の幅を格子の上部における交差部の幅よりも小さくしたことを特徴とする。
図2は参考形態1の鉛蓄電池用極板に用いる格子を示す図である。格子1は少なくとも上枠骨2と、上枠骨2の上部に突出させた耳部3と、上枠骨2の下部に展開させた格子骨4と、格子骨4同士が交差する交差部5a、5b、5c・・・5x、5y、5zとからなる。参考形態1の特徴は、格子1の下部における交差部5x、5yおよび5zの幅Bを、格子1の上部における交差部5a、5bおよび5cの幅Aよりも小さくしたことにある。
格子1は鋳造格子とエキスパンド格子とに大別できるが、請求項2に示すようにエキスパンド工法によって得られるエキスパンド格子を用いる方が、交差部5が加工時の応力などによって酸化腐食されやすい(脆弱化しやすい)構造となるため、本願発明の効果を発揮しやすくなる。
上述したように、充放電の繰り返しによる格子1の酸化腐食を活用して放電への寄与の少ない下部の格子1を選択的に脆弱化すれば、格子1が伸びる際の応力は、脆弱化した格子1の下部を破壊する力となるため、セパレータの上部にはみ出した格子1の上部同士が接触することで発生する短絡と、それに引き続く突然死を回避しつつ、集電機能を失わせて電池の機能を徐々に低下させることができると考えられる。
そこで交差部5を、格子の上部(5a、5bおよび5c)における幅Aよりも下部(5x、5yおよび5z)における幅Bの方を小さくすることで、格子骨4の太さ自体を変えなくて済むメリット(エキスパンド加工時に格子骨4が切断する不具合の回避と、極板内の活物質充填量のバランス良化に伴う特性バランスの良化)が発揮できる上に、充放電の繰り返しによる格子1の酸化腐食を活用して交差部5の幅が小さい格子1の下部(5x、5yおよび5z)から徐々に格子1が崩れるようにできる。格子1が下部から崩れる形であれば、上述したような格子1が伸びる際の応力が脆弱化した格子1の下部を破壊する力となるため、伸びた格子1の上部同士がセパレータの上部にはみ出すことはなく、格子1同士が接触することで発生する短絡と、それに引き続く突然死が回避できる。さらに格子1が下部から徐々に崩れることで鉛蓄電池の機能も徐々に低下するため、使用者は鉛蓄電池の交換時期を予測できるようになる。
参考形態2)
参考形態2は、参考形態1において、交差部5の幅を、格子1の上部から下部にかけて徐々に小さくしたことを特徴とする。
図3は参考形態2の鉛蓄電池用極板に用いる格子を示す図である。図3のように、交差部5の幅Cを格子1の上部から下部にかけて徐々に小さくする(5a>5b>5c>・・・>5x>5y>5z)ことで、図2に示す請求項1の態様に比べてより確実に、下部から徐々に格子1を脆弱化させていくことができる。
(本発明の実施形態
請求項に記載の発明は、参考形態1において、交差部5の幅を、格子1の上方から75%以上の箇所から下部について小さくしたことを特徴とする。また請求項に記載の発明は、請求項の発明において、交差部の幅を、格子の上方から75〜90%の箇所から下部について小さくしたことを特徴とする。
図4は本発明の請求項およびの鉛蓄電池用極板に用いる格子を示す図である。格子1はその材質や形状にも依存するが、充放電の繰り返しによって伸びる。そしてこのような格子1を用いた鉛蓄電池は、その設計条件や使用条件にもよるが、格子1の伸び率αが11%以上になるまで充放電を繰り返すと格子1が相対する極板と接触して短絡が発生するようになり、伸び率αが33%以上になるまで充放電を繰り返すと殆ど全ての鉛蓄電池が短絡するようになる。そこで鉛蓄電池の設計条件や使用条件を勘案して、鉛蓄電池の使用終了時点での伸び率αを予め見積もり、この伸び率αに見合うだけの領域が格子1の下部において充放電の繰り返しによって崩れるように、交差部5の幅を小さくする境界βを、計算式(β=10000/(100+α))で百分率として求め、この境界βから下部の交差部5yおよび5zの幅Eを、境界βおよびこれより上方にある交差部5a、5bおよび5cの幅Dより小さくすれば、セパレータから格子1の上部がはみ出すことを阻止しつつ、過度に交差部5の幅が小さい箇所を設けることによるデメリット(放電への寄与が大きい格子1の上部における交差部5a、5b、5cの早期崩壊に伴う短寿命化)を回避できるようになる。そしてこの境界βは、格子1の上方から75%以上(よく用いられる条件下では75〜90%)の箇所に相当する。
(本発明の実施形態
請求項に記載の発明は、請求項の発明において、交差部5の幅を、格子1の上方から75%以上の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする。また請求項に記載の発明は、請求項の発明において、交差部の幅を、格子の上方から75〜90%の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする。 図5は本発明の請求項およびの鉛蓄電池用極板に用いる格子を示す図である。図5のように、格子1の上方から75%以上(よく用いられる条件下では75〜90%)の箇所から下部の交差部5yおよび5zの幅Gを徐々に小さくする(5y>5z)ことで、図4に示す請求項の態様に比べてより確実に、下部から徐々に格子1を脆弱化させていくことができる。
なお本発明の実施形態1〜の格子1には、鉛や鉛合金などの材質のものを用いることができる。そしてこの格子1に正極板および負極板に相応した活物質ペーストを充填することで、本発明の鉛蓄電池用極板を作製することができる。
なおレシプロ方式のエキスパンドの際、鉛(あるいは鉛合金)からなるシートに対する切断刃の刃先角度を大きくし、切断刃の切込み量を大きくすることで交差部5の幅を小さくすることができる。反対に、鉛(あるいは鉛合金)からなるシートに対する切断刃の角度を小さくし、切断刃の切込量を小さくすることで交差部5の幅を大きくすることができる。この原理に基づいて、格子1の上部の切断刃の切込量を小さくして下部の切断刃の切込量を大きくすれば、本発明の実施形態1〜に示した格子1を自在に調整することができる。
(本発明の実施形態
請求項に記載の発明は、少なくとも正極板に請求項1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用極板を用い、セパレータを介して負極板と対峙させた鉛蓄電池に関する。
図6は本発明の鉛蓄電池の外観図である。正極板6に本発明の実施形態1〜のいずれかに記載の鉛蓄電池用極板を用い、負極板7とセパレータ8を介して対峙させることで極板群9を構成する。そして複数の極板群9を、電槽10を複数の隔壁10aで区切って構成した複数のセル室10bに収納し、その後でセル間接続体11によって接続する。さらに電槽10を蓋12で覆い、併せて両端のセル室10bに収納された極板群9の正極極柱と負極極柱にそれぞれ正極端子13aと負極端子13bとを接続し、液口栓14から電解液を注入することで、本発明の鉛蓄電池を作製することができる。
正極板6の格子1に充填する活物質ペーストとして、鉛および鉛酸化物を含むものを用いることができる。また負極板7の格子1に充填する活物質ペーストとして、鉛および鉛酸化物、さらには硫酸バリウムやカーボンブラック、およびリグニン化合物を含むものを用いることができる。
セパレータ8として、ポリエチレンなどを用いることができる。また電槽10や蓋12として、ポリプロピレン(PP)やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)を用いることができる。
セル間接続体11、正極端子、負極端子、正極極柱13aおよび負極極柱13bとして、鉛や種々の鉛合金を用いることができる。
液口栓14として、防爆などの機能を有するものを用いることができる。また電解液として、比重が1.2〜1.4g/mlの希硫酸を用いることができる。
(比較例)
鉛−カルシウム系合金をスラブ状に鋳造し、圧延することでシートを製作し、その後レシプロ方式の切断刃で格子の交差部5が格子上下に亘り略均等となるように千鳥状に切れ目を入れながら伸展させ、格子1を作製した。この格子1を正極の格子として用い、鉛および鉛酸化物(Pb、PbO、Pb34)の混合粉を主体とした原料鉛粉に硫酸と精製水とを加えて作製した活物質ペーストを充填することで、正極板6を作製した。
上述した正極板6と常法による負極板7とを用いて、本発明の実施形態の記載に準じた自動車用鉛蓄電池(55D23)を作製した。
この鉛蓄電池を用いて、JIS規格(D5301)で規定される軽負荷寿命試験を雰囲気温度75℃の気相中で実施した。その際の480サイクル毎の判定放電における5秒目電圧の推移を図7に示す。図7で明らかなように、比較例の鉛蓄電池は2880サイクル以降で急激に端子電圧が低下している(いわゆる「突然死」)。この時点で比較例の鉛蓄電池を分解したところ、セパレータ8からはみ出す形で、全体の15%に相当する正極板6の格子1の伸びが観測された。この伸びた格子1同士が接触することで短絡が発生し、突然死に至ったものと推測される。
参考例1)
参考形態1に示す格子1(詳細は(表1)に記載)に鉛および鉛酸化物(Pb、PbO、Pb34)の混合粉を主体とした原料鉛粉に硫酸と精製水とを加えて作製した活物質ペーストを充填することで、正極板6を作製した。
上述した正極板6と常法による負極板7とを用いて、本発明の実施形態の記載に準じた自動車用鉛蓄電池(55D23)を作製した。
参考例2)
参考例1に対して、交差部5の幅を格子1の上部から下部にかけて徐々に小さく(5a>5b>5c>・・・>5x>5y>5z)して参考形態2に示す格子1を作製し(詳細は(表1)に記載)、これを正極板6に用いたこと以外は、参考例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例
参考例1に対して、比較例の結果(格子1の伸び率α=15%)に基づいて境界βを格子1の上方から87%の箇所とし(β=10000/(100+α))、ここから下部の交差部5の幅を小さくして本発明の実施形態に示す格子1を作製し(詳細は(表1)に記載)、これを正極板6に用いたこと以外は、参考例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例
参考例1に対して、格子1の上方から87%の箇所から下部の交差部5の幅を徐々に小さく(5x>5y>5z)して本発明の実施形態に示す格子1を作製し(詳細は(表1)に記載)、これを正極板6に用いたこと以外は、参考例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
Figure 0005594039
参考例1〜2および実施例1〜についても、比較例と同じ条件で充放電を繰り返し、その際の480サイクル毎の判定放電における5秒目電圧の推移を図7に併記する。いずれも比較例のような突然死を回避できていることがわかる。中でも格子1の伸びに基づいて算出した箇所から下部の交差部5の幅を小さくした実施例およびは、参考例1および2よりも端子電圧の維持率を高くすることができた。一方で交差部5の幅を所定箇所から一気に小さくした実施例1と比較して、交差部5の幅を所定箇所から徐々に小さくした実施例2の方が、緩やかな端子電圧の低下によって使用者に劣化を知らせることができるため、利便性が高いといえる。
なお本実施例では、比較例の結果(格子1の伸び率α=15%)に基づいて境界βを格子1の上方から87%の箇所と定めて、実施例およびの鉛蓄電池を作製したが、格子1の伸び率αはその材質や形状に依存し、この伸び率αから求められる境界βはさらに鉛蓄電池の設計条件や使用条件(使用終了条件を含む)に依存する。したがって境界βの値は、本発明の実施形態3および4に記したように、格子1の上方から75%以上(よく用いられる条件下では75〜90%)の箇所であることを前提に、種々の条件に基づいて決定することが好ましい。
本発明によれば、使用者が寿命到達を認知しやすくなるので、あらゆる用途の鉛蓄電池に利用することができる。
1 格子
2 上枠骨
3 耳部
4 格子骨
5、5a、5b、5c、5x、5y、5z 交差部
6 正極板
7 負極板
8 セパレータ
9 極板群
10 電槽
10a 隔壁
10b セル室
11 セル間接続体
12 蓋
13a 正極端子
13b 負極端子
14 液口栓
101 格子骨A
102 格子骨B
103 格子骨Aの切り幅
104 格子骨Bの切り幅
105 格子厚み

Claims (6)

  1. 鉛あるいは鉛合金からなる格子に鉛および鉛化合物を含む活物質ペーストを充填してなる鉛蓄電池用極板であって、
    前記格子は、少なくとも上枠骨と、上枠骨の上部に突出させた耳部と、上枠骨の下部に展開させた格子骨と、格子骨同士が交差する交差部とからなり、
    前記格子の上方から75%以上の箇所から下部における前記交差部の幅を、前記格子の上部における前記交差部の幅よりも小さくしたことを特徴とする鉛蓄電池用極板。
  2. 前記格子としてエキスパンド格子を用いたことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池用極板。
  3. 前記交差部の幅を、前記格子の上方から75〜90%の箇所から下部について小さくしたことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池用極板。
  4. 前記交差部の幅を、前記格子の上方から75%以上の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池用極板。
  5. 前記交差部の幅を、前記格子の上方から75〜90%の箇所から下部について徐々に小さくしたことを特徴とする、請求項4記載の鉛蓄電池用極板。
  6. 少なくとも正極板に請求項1〜5のいずれかに記載の鉛蓄電池用極板を用い、セパレータを介して負極板と対峙させたことを特徴とする鉛蓄電池。
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