JP5591976B1 - 点火プラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグにおける横飛火による着火不良の発生を抑える。
【解決手段】点火プラグは、主体金具およびその先端部に溶接された接地電極27を有する。前記主体金具は、外周面に燃焼装置の取付孔に螺合するためのねじ部を有する。主体金具となるべき主体金具中間体に筒状部が形成された主体金具筒状中間体MI2の先端部に接地電極を溶接した後、当該主体金具筒状中間体MI2に、転造ダイスの加工面との間で前記主体金具筒状中間体MI2を挟み込む受け部材RCが挿入された状態で前記ねじ部を形成する転造加工が施される。
【選択図】図11

Description

本発明は、点火プラグの製造方法に関する。
内燃機関等の燃焼装置に使用される点火プラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外側に組付けられる円筒状の主体金具とを備える。また、主体金具の先端部には接地電極が接合され、中心電極と接地電極との間には、火花放電を生じさせるための間隙(火花放電間隙)が形成される。加えて、主体金具の内周面には、径方向内側に突出形成され絶縁体の外周面が係止される突条部が設けられ、一方で、主体金具の外周面には、燃焼装置の取付孔に螺合するためのねじ部が形成される(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1には、端面および内周面を主体金具に成形した後、主体金具の端面に接地電極を溶接することが記載されている。特許文献1には、さらに、主体金具に接地電極を溶接した後、主体金具の表面にはみ出た溶接ダレを除去することが記載されている。
特開2003−223968号公報
しかし、特許文献1の技術では、主体金具の内周面にはみ出た溶接ダレを除去する際、内周面の損傷を防止するために、溶接ダレの除去範囲は制限される。そのため、内周面には、溶接ダレのはみ出しが残留する。特許文献1の技術では、主体金具の内周面からの溶接ダレのはみ出しが完全に存在しない状態にすることができず、内周面にはみ出た溶接ダレによる中心電極の先端部と主体金具の先端部との間の径方向の間隙距離の縮小に起因する着火不良(例えば、内周面に火花放電が発生する横飛火)になるおそれがあった。この課題は、スパークプラグを小型化する程、顕著になる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、着火不良の発生を抑えることができる点火プラグの製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火プラグの製造方法は、
軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
自身の外周面に燃焼装置の取付孔に螺合するためのねじ部を有し、前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置され、前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備える点火プラグの製造方法であって、
前記主体金具となるべき主体金具中間体に筒状部が形成された主体金具筒状中間体を形成する主体金具筒状中間体形成工程と、
前記主体金具中間体の先端部に前記接地電極を溶接する接地電極溶接工程と、
前記接地電極溶接工程の後に、前記主体金具筒状中間体に対して転造ダイスを用いて転造加工を施すことにより、前記ねじ部を形成する転造工程とを有し、
前記転造工程は、
前記接地電極が溶接された前記主体金具筒状中間体に、前記転造ダイスの加工面との間で前記主体金具筒状中間体を挟み込む自由回転可能な受け部材が挿入された状態で前記転造加工を施すことを特徴とする。
上記構成1によれば、接地電極が溶接された主体金具筒状中間体に対して受け部材を挿入した上で転造加工が施される。このため、転造加工時に、主体金具筒状中間体の内周面が転造ダイスにより押圧されることで、接地電極溶接工程により主体金具の内周面に生じた溶融突起部(いわゆる「溶接ダレ」)が潰れ変形することとなる。これにより、主体金具の内周面にはみ出た溶融突起部による中心電極の先端部と主体金具の先端部との間の径方向の間隙距離の縮小を抑え、ひいては横飛火等による着火不良の発生を抑えることができる。
構成2.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成1において、
前記接地電極溶接工程の後かつ前記転造工程の前に、前記接地電極溶接工程により前記主体金具の内周面に生じた溶融突起部に対し、せん断加工又は切削加工を行う除去工程を有することを特徴とする。
上記構成2によれば、主体金具の内周面にはみ出た溶融突起部に対し、せん断加工又は切削加工を行った後に前記転造加工を施す。せん断加工又は切削加工を行う際、内周面の損傷を防止するために、溶融突起部の除去範囲は制限される。そのため、内周面には溶融突起部のはみ出しが残留する。除去工程後の溶融突起部のはみ出しに対して、前記転造加工を施すことにより、主体金具の内周面にはみ出た溶融突起部をより確実に存在しない状態にすることができ、ひいては横飛火等による着火不良の発生を抑えることができる。
構成3.本構成の点火プラグの製造方法は、上記構成1又は2において、前記ねじ部のねじ径がM12以下であることを特徴とする。
ねじ部のねじ径が小径である場合には、中心電極の先端部と主体金具の先端部との間の
径方向に沿った距離が比較的小さなものとされる。従って、横飛火等による着火不良がより課題となる。
この点、上記構成1等を採用することで、溶融突起部に起因する横飛火等の発生を抑えることができ、特に有意である。
点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 主体金具中間体の構成を示す斜視図である。 主体金具筒状中間体形成工程の一過程を示す断面図である。 主体金具筒状中間体形成工程の一過程を示す断面図である。 主体金具筒状中間体形成工程の一過程を示す断面図である。 主体金具筒状中間体形成工程の一過程を示す断面図である。 第4ワークの構成を示す一部破断正面図である。 (a)は、主体金具筒状中間体の構成を示す一部破断正面図であり、(b)は、接地電極の接合された主体金具筒状中間体の構成を示す一部破断正面図である。 主体金具筒状中間体に挿入された受け部材を示す断面図である。 転造ダイスへの主体金具筒状中間体の搬送態様を示す拡大正面図である。 転造工程の一過程を示す断面図である。 (a)は、第一筒状部と第一構成部との径差を説明するための部分拡大断面図であり、(b)は、第二筒状部と第二構成部との径差を説明するための部分拡大断面図である。 主体金具の構成を示す正面図である。 (a),(b)は、別の実施形態における受け部材の構成を示す断面図である。 別の実施形態における転造ダイスの構成を示す平面図である。 別の実施形態における点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、点火プラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
点火プラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼(例えば、炭素成分が0.5質量%以下)等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて膨出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。
尚、本実施形態においては、点火プラグ1の小径化を図るべく、主体金具3の小径化が図られている。そのため、ねじ部15のねじ径はM12以下(本実施形態では、M10以下)とされており、また、軸線CL1に沿った座部16の先端から主体金具3の先端までの長さ(いわゆるネジリーチ)Lが20mm以上とされている。加えて、主体金具3は、軸線CL1に沿った自身の長さが自身の外径よりも大きなものとなっている。尚、主体金具3の小径化に伴い、主体金具3の先端内周と絶縁碍子2の先端部との間の軸線CL1と直交する方向に沿った距離が比較的小さなもの(例えば、1.0mm以下)とされている。
また、主体金具3の内周面には、径方向内側に膨出する突条部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の突条部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、段部14と突条部21との間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、間隙としての火花放電間隙28が形成されており、当該火花放電間隙28において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。尚、本実施形態では、火花放電間隙28の大きさ(中心電極5及び接地電極27間の最短距離)Gが0.4mm以上2.0mm以下(例えば、1.1mm)と比較的大きなものとされている。
次に、上記のように構成されてなる点火プラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、図2に示すように、S17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材等からなる円柱状の主体金具中間体MI1を用意する。そして、主体金具筒状中間体形成工程において、主体金具中間体MI1に対し、複数の金型を用いて冷間にて段階的に押出成形加工を施す。
詳述すると、まず、図3に示す第1金型M1等を用いて、主体金具中間体MI1を冷間にて押出成形する。すなわち、第1金型M1は、軸線CL1方向に延び、後端側が大径に形成される一方で、先端側が小径に形成されたキャビティC1を有している。そして、キャビティC1に主体金具中間体MI1を挿入し、キャビティC1の先端側に、筒状のスリーブS1と、当該スリーブS1に挿入され、スリーブS1のキャビティC1側の面よりも後端側に先端部が突出するピンPI1とを配置する。その上で、キャビティC1の大径部分とほぼ同一の外径を有するパンチPU1をキャビティC1の後方側から挿入し、主体金具中間体MI1を軸線CL1方向先端側へと押出成形する。これにより、先端側が小径に形成されるとともに、先端部に穴部HA1を有する第1ワークW1が得られる。
次に、図4に示す第2金型M2を用いて、第1ワークW1を冷間にて押出成形する。すなわち、第2金型M2は、後端側が大径に形成される一方で、先端側が小径に形成されたキャビティC2を有している。そして、第1ワークW1をキャビティC2に後方側から挿入するとともに、キャビティC2の先端側に、筒状のスリーブS2と当該スリーブS2に挿入され、スリーブS2のキャビティC2側の面よりも後端側に先端部が突出するピンPI2とを配置する。その上で、キャビティC2の大径部分の内径よりも小さい外径を有するパンチPU2をキャビティC2の後方側から挿入する。これにより、第1ワークW1が押出成形され、先端側に穴部HA2を有し、後端側に穴部HB2を有する第2ワークW2が得られる。
次いで、図5に示す第3金型M3を用いて、第2ワークW2を冷間にて押出成形する。すなわち、第3金型M3は、後端側が大径に形成される一方で、先端側が小径に形成されたキャビティC3を有している。そして、キャビティC3に対して後方側から第2ワークW2を挿入するとともに、キャビティC3の先端側に、筒状のスリーブS3と、先端部がスリーブS3よりも後端側に突出するピンPI3とを配置する。そして、キャビティC3の大径部分の内径よりも小さい外径を有し、外周に段差を有するパンチPU3をキャビティC3の後方側から挿入する。これにより、第2ワークW2が押出成形され、先端側に穴部HA3を有し、後端側に穴部HB3を有する第3ワークW3が得られる。
次に、図6に示す第4金型M4を用いて、第3ワークW3を冷間にて押出成形する。すなわち、第4金型M4は、筒状の先端側金型M41と、筒状の後端側金型M42とが同軸状に一体化されてなり、軸線CL1方向に延びるキャビティC4を有している。ここで、後端側金型M42の内周部分は、先端側が大径に形成される一方で、後端側が小径に形成されている。そして、大径部分の内周面は、前記座部16の形状に対応した円筒状に形成されている。一方で、小径部分の内周面のうち少なくとも先端側は、工具係合部19に対応する形状とされている。製造方法の説明に戻り、上述したキャビティC4に後方側から第3ワークW3を挿入するとともに、キャビティC4の先端側にスリーブS4と、先端部が前記スリーブS4よりも後端側に突出するピンPI4とを配置する。その上で、外周に段差を有するパンチPU4をキャビティC4の後方側から挿入し、第3ワークW3の外周面を第4金型M4の内周面に圧接させる。これにより、図7に示すように、工具係合部19と同一の断面形状を有する多角柱部MGと、両穴部HA3,HB3が連通されてなり軸線CL1方向に延びる貫通孔H4とを有する第4ワークW4が得られる。尚、第4ワークW4の内周面には、軸線CL1を中心とする環状の突出部P4(前記突条部21となる部位)が径方向内側に膨出形成される。
その後、多角柱部MGの先端側や突出部P4よりも先端側の内周面などに切削加工を施すことにより、図8(a)に示すように、座部16や工具係合部19、突条部21等を有する筒状の(すなわち、筒状部CYを備える)主体金具筒状中間体MI2が得られる。
尚、主体金具筒状中間体MI2は、突条部21の先端から軸線CL1方向先端側に延びる円筒状の第一筒状部CY1と、突条部21の後端から軸線CL1方向後端側に延びる円筒状の第二筒状部CY2とを備えている。第一筒状部CY1及び第二筒状部CY2は、それぞれの内径が突条部21の内径よりも大きくされており、結果として、第一筒状部CY1と第二筒状部CY2との間には、両者の内径よりも小さい内径の部位(すなわち、突条部21)が形成されている。また、第一筒状部CY1の径方向に沿った肉厚、及び、第二筒状部CY2の径方向に沿った肉厚は、それぞれ比較的小さなもの(例えば、5mm以下)とされている。
加えて、第一筒状部CY1の内周面は、押出成形後に切削加工を施すことで成形されており、第二筒状部CY2の内周面は、押出成形により成形されている。
製造方法の説明に戻り、図8(b)に示すように、得られた主体金具筒状中間体MI2の先端部に、直棒状の接地電極27を抵抗溶接する(「接地電極溶接工程」に相当する)。尚、当該溶接により溶融突起部(いわゆる「溶接ダレ」)が生じるため、その溶融突起部をせん断加工又は切削加工により除去した後、転造工程において、主体金具筒状中間体MI2のうち第一筒状部CY1から第二筒状部CY2にかけての外周面にねじ部15を形成する。
転造工程においては、まず、図9に示すように、主体金具筒状中間体MI2に対して、主体金具筒状中間体MI2よりも硬度の高い所定の金属材料〔例えば、焼き入れ鋼(炭素鋼)や工具鋼など〕からなる棒状の受け部材RCを挿入する。受け部材RCは、外径の異なる第一構成部RC1、中間構成部RC3、及び、第二構成部RC2がそれぞれの中心軸が一致するようにしてこの順序で直列的に接続されており、各構成部RC1,RC2,RC3はそれぞれ分離可能とされている。受け部材RCの先端(第一構成部RC1の先端)は接地電極の後端よりも先端側に位置している。また、受け部材RCの先端(第一構成部RC1の先端)は、主体金具筒状中間体MI2の先端部に溶接された接地電極の軸線方向の中点よりも先端側に位置しているのがより好ましい。
第一構成部RC1は、中実円柱状をなすとともに、自身の外周面が第一筒状部CY1の内周面に沿った形状とされ、自身の端部に突部RP1を備えている。また、第二構成部RC2は、中実円柱状をなすとともに、自身の外周面が第二筒状部CY2の内周面に沿った形状とされ、自身の端部に突部RP2を備えている。中間構成部RC3は、筒状をなし、第一、第二構成部RC1,RC2の突部RP1,RP2が嵌合可能とされている。
受け部材RCを主体金具筒状中間体MI2に挿入する際には、主体金具筒状中間体MI2の先端側から第一構成部RC1が挿入される一方で、主体金具筒状中間体MI2の後端側から第二構成部RC2が挿入され、両構成部RC1,RC2の少なくとも一方の挿入前に、突条部21の内周に中間構成部RC3が配置され、主体金具筒状中間体MI2の内部において、各構成部RC1,RC2,RC3が接続される。例えば、中間構成部RC3を第二構成部RC2から分離し、主体金具筒状中間体MI2の先端側から中間構成部RC3が接続された第一構成部RC1を挿入する一方で、主体金具筒状中間体MI2の後端側から第二構成部RC2を挿入し、主体金具筒状中間体MI2の内部にて、第二構成部RC2と中間構成部RC3とを接続することで、主体金具筒状中間体MI2に受け部材RCを挿入することができる。尚、本実施形態では、軸線CL1と直交する断面において、主体金具筒状中間体MI2の内径と受け部材RCの外径との径差が0.002mm以上とされており、主体金具筒状中間体MI2に対して受け部材RCを容易に挿入可能となっている。
受け部材RCが挿入された主体金具筒状中間体MI2は、図10に示すように、外周面に周方向に沿って間欠的に複数の凹部COを有してなる回転搬送装置CAを用いて、複数(本実施形態では、一対)の転造ダイスD1,D2のそれぞれの加工面同士の間に配置される。具体的には、凹部COに主体金具筒状中間体MI2を載置した状態で、回転搬送装置CAを自身の中心軸を回転軸として回転させることで、主体金具筒状中間体MI2が転造ダイスD1,D2間に配置される。
転造ダイスD1,D2間に主体金具筒状中間体MI2が配置されると、図11に示すように、転造ダイスD1,D2の回転により主体金具筒状中間体MI2に対して転造加工が施される。尚、転造加工時において、受け部材RCは支持されることなく、自身の中心軸を回転軸として自由回転可能な状態となっている。また、図12(a)に示すように、受け部材RCの挿入された主体金具筒状中間体MI2の第一筒状部CY1の径方向に沿った断面において、主体金具筒状中間体MI2(第一筒状部CY1)の内径と受け部材RC(第一構成部RC1)の外径との径差R1が0.8mm以下とされている。さらに、図12(b)に示すように、受け部材RCの挿入された主体金具筒状中間体MI2の第二筒状部CY2の径方向に沿った断面において、主体金具筒状中間体MI2(第二筒状部CY2)の内径と受け部材RC(第二構成部RC2)の外径との径差R2が0.8mm以下とされている。
加えて、転造加工では、少なくとも第一筒状部CY1と第二筒状部CY2とに対して同時に加工が施され、第一筒状部CY1及び第二筒状部CY2の外周面にねじ部15が形成される。その結果、図13に示すように、接地電極27が溶接されてなる主体金具3が得られる。
次いで、主体金具3の表面に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され外形を整形した上で、焼成加工が施されることにより絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10の表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして最後に、接地電極27の略中間部分を屈曲させるとともに、火花放電間隙28の大きさGを調整する加工が実施されることで、上述の点火プラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、主体金具筒状中間体MI2に対して受け部材RCを挿入した上で、転造加工が施されている。このため、転造加工時に、主体金具筒状中間体の内周面が転造ダイスにより押圧されることで、接地電極溶接工程により主体金具の内周面に生じた溶融突起部(いわゆる「溶接ダレ」)が潰れ変形することとなる。これにより、主体金具の内周面にはみ出た溶融突起部による中心電極の先端部と主体金具の先端部との間の径方向の間隙距離の縮小を抑え、ひいては横飛火による着火不良の発生を抑えることができる。また、前記接地電極溶接工程により主体金具の内周面に生じた溶融突起部に対し、せん断加工又は切削加工を行った後に前記転造工程を施すこととされている。これにより、溶融突起部をより確実に存在しない状態にすることができ、ひいては横飛火等による着火不良の発生を抑えることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、前記接地電極溶接工程により主体金具の内周面に生じた溶融突起部に対し、せん断加工又は切削加工を行う除去工程の後に前記転造工程を施すこととされているが、前記除去工程を行わずに、前記接地電極溶接工程の後に前記転造加工を施すこととしてもよい。
(b)上記実施形態では、ねじ部15のねじ径がM12以下とされているが、ねじ部15のねじ径は特に限定されるものではなく、ねじ部15のねじ径がM12を超えていてもよい。
(c)上記実施形態では、受け部材RCが中間構成部RC3を備えているが、図14(a),(b)に示すように、第一構成部RC1又は第二構成部RC2の端部に、突条部21の内周に挿通可能な小径部SD1,SD2を設け、中間構成部RC3を省略してもよい。また、この場合には、両構成部RC1,RC2のうちの一方の端部に突部を設けるとともに、両構成部RC1,RC2のうちの他方の端部に前記突部を嵌合可能な穴部を設け、前記突部を前記穴部に嵌合することにより、両構成部RC1,RC2を接続可能としてもよい。
(d)上記実施形態では、受け部材RCは金属材料により形成されているが、受け部材RCの構成材料は特に限定されるものではない。従って、例えば、受け部材RCをセラミックにより構成してもよい。セラミックにより受け部材RCを構成することとすれば、転造加工時に、受け部材RCの外周面と主体金具筒状中間体MI2との間で生じる摩擦力をより低減させることができる。その結果、受け部材RCから主体金具筒状中間体MI2に加えられる径方向に沿った力を増大させることができ、偏心の矯正効果をより向上させることができる。
(e)上記実施形態では、転造加工が一対の転造ダイスD1,D2により行われているが、転造ダイスの数は特に限定されるものではない。従って、例えば、図15に示すように、それぞれの回転軸同士が等間隔となるように配置された3つの転造ダイスD3,D4,D5を用いて、主体金具筒状中間体MI2に転造加工を施すこととしてもよい。
(f)上記実施形態では、主体金具3の内周面に突条部21が設けられており、主体金具筒状中間体MI2には、第一筒状部CY1と第二筒状部CY2との間に両者の内径よりも小さい内径の部位が設けられている。これに対して、図16に示すように、絶縁碍子2の大径部11が主体金具3のうち座部16の内周側に形成された段部29に係止される点火プラグ1Aでは、主体金具3の内周面に突条部21を設けないように構成してもよい。
(g)本発明の技術思想を用いて製造可能な主体金具3は、火花放電により混合気等へと着火する点火プラグに設けられるものだけに限定されるものではない。従って、例えば、プラズマを生成することで混合気等へと着火するプラズマジェット点火プラグに設けられる主体金具を製造する際に、本発明の技術思想を用いてもよい。
(h)上記実施形態では、回転搬送装置CAにより複数の主体金具筒状中間体MI2が転造ダイスD1,D2間へと連続的に搬送される構成となっているが、転造ダイス間への主体金具筒状中間体MI2の配置手法は特に限定されるものではない。従って、主体金具筒状中間体MI2を転造ダイス前に配置した上で、主体金具筒状中間体MI2及び転造ダイスのうちの一方が他方に対して接近することにより、転造ダイス間に主体金具筒状中間体MI2を配置してもよい。また、主体金具筒状中間体MI2に対する受け部材RCの挿入は転造加工前であればよく、受け部材RCの挿入タイミングは特に限定されるものではない。
1…点火プラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具(点火プラグ用主体金具)、5…中心電極、15…ねじ部、16…座部、27…接地電極、28…間隙(火花放電間隙)、CL1…軸線、CY…筒状部、CY1…第一筒状部、CY2…第二筒状部、D1,D2…転造ダイス、MI1…主体金具中間体、MI2…主体金具筒状中間体、RC…受け部材、RC1…第一構成部、RC2…第二構成部。

Claims (3)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
    自身の外周面に燃焼装置の取付孔に螺合するためのねじ部を有し、前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置され、前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備える点火プラグの製造方法であって、
    前記主体金具となるべき主体金具中間体に筒状部が形成された主体金具筒状中間体を形成する主体金具筒状中間体形成工程と、
    前記主体金具中間体の先端部に前記接地電極を溶接する接地電極溶接工程と、
    前記接地電極溶接工程の後に、前記主体金具筒状中間体に対して転造ダイスを用いて転造加工を施すことにより、前記ねじ部を形成する転造工程とを有し、
    前記転造工程は、
    前記接地電極が溶接された前記主体金具筒状中間体に、前記転造ダイスの加工面との間で前記主体金具筒状中間体を挟み込む自由回転可能な受け部材が挿入された状態で前記転造加工を施すことを特徴とする点火プラグの製造方法。
  2. 前記接地電極溶接工程の後かつ前記転造工程の前に、前記接地電極溶接工程により前記主体金具の内周面に生じた溶融突起部に対し、せん断加工又は切削加工を行う除去工程を有することを特徴とする請求項1に記載の点火プラグの製造方法。
  3. 前記ねじ部のねじ径がM12以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火プラグの製造方法。

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