JP5590939B2 - インナーパッド - Google Patents
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Description
このインナーパッドには、装着物に取り付けるのにメカニカルテープを備えたものと、接着層を備えたものとがある。このうち、メカニカルテープを用いたものは、接着層を備えたものより接着強度が高く、折れにくいが、例えばパンツ式紙おむつなどの装着物に装着する場合、装着物の胴周り部は縮こまっているため、適した取り付け位置ではなくこの胴周り部などに接着してしまい易く、装着ミスを起こしやすい。このため、インナーパッドの装着時や交換時には、メカニカルテープを適した位置に取り付け直すなどの手間がかかるものであった。
具体的に、特許文献1のおむつは、おむつ本体の前身頃及び後身頃に設けられた一対の第1連結片と、吸収体の長手方向両端側に設けられた一対の第2連結片とからなる連結部を備え、第2連結片を第1連結片に係合することで吸収体がおむつ本体に設置される。また、連結部は伸縮性を有し、連結部が伸びた状態で着用者に装着されることにより、吸収体を着用者の股間に付勢させるようになっている。
本発明の課題は、簡単な構成でありながら装着が容易であって、且つ人体へのフィット感を維持することができるインナーパッドを提供することである。
透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介装される吸収体と、を有する物品本体部を備え、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設されるインナーパッドにおいて、
前記物品本体部の長手方向両端部には、前記吸収体よりも長手方向に延出する腹側延出部及び背側延出部が備えられ、
前記腹側延出部の前端部及び前記背側延出部の後端部には、前記インナーパッドを人体に装着される装着物に装着する際に係止する係止部が備えられ、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮可能に構成され、
前記係止部が配され、伸縮しない非伸縮領域である係止領域と、
前記係止領域の前記物品本体部側の端部と連続し、伸縮しない非伸縮領域の第1領域と、
前記第1領域の前記物品本体部側の端部と連続し、伸縮可能な伸縮領域の第2領域と、
を備えることを特徴とする。
前記表面シート側における前記インナーパッドの幅方向両側部に、前記腹側延出部から前記背側延出部に亘って設けられる一対のギャザーシートを備え、
前記一対のギャザーシートには、前記インナーパッドの長手方向に沿うように弾性部材が配され、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記弾性部材によって前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮することを特徴とする。
前記腹側延出部及び前記背側延出部には、複数箇所に切り込みが形成され、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記切り込みによって前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮することを特徴とする。
前記切り込みは、前記短手方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする。
また、腹側延出部及び背側延出部は、物品本体部に掛かる尿などによる加重や人体の動きに応じて伸縮するので、人体へのフィット感を維持することができる。
また、インナーパッドは、物品本体部の長手方向両端部に、吸収体よりも長手方向に延出し伸縮可能な腹側延出部及び背側延出部を備えたのみであるので、簡単な構成である。
よって、簡単な構成でありながら、装着が容易であって、且つ人体へのフィット感を維持することができるインナーパッドとすることができる。
まず、第1実施形態における吸収性物品について説明する。
吸収性物品は、例えば、夜用又は長時間用の尿などを吸収するインナーパッドであり、おむつやおむつカバー、パンツなどの人体に装着される装着物に着脱・交換可能に取り付けられて使用される。
以下の説明においては、吸収性物品として、パンツ型の使い捨て紙おむつ(装着物)の内側に装着されるインナーパッドを例示して説明する。
また、以下の説明では、吸収性物品を展開した状態において、装着時に着用者(人体)の腹側に位置する側を前側、背側に位置する側を後側、着用者と接触する側を上側、着用者と接触する側の反対側を下側とし、前後方向と上下方向との双方に直交する方向を左右方向とする。
インナーパッド1は、人体の股部を腹側から背側にかけて覆うように、一方の端部に腹側部14が形成され、他方の端部に背側部15が形成されている。また、腹側部14と背側部15との間が股下部16となっており、股下部16の両縁部は、装着された際に装着者の脚の周りを囲む脚周り部17となっている。
透液性シートとしては、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の糸を平織り等したネット状のシート素材、多数の透孔を形成したフィルムシート材、ポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムシート材、透液性を有する織布、不織布が適し、特に不織布が適する。不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等の適宜の加工法によって加工したものを用い得る。
不透液性シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの少なくとも遮水性を有するシート材であって、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。またその他にも、不透液性を有するフィルム層と、通気性を有する不織布層と、からなるラミ不織布を用いても良い。ラミ不織布とは、例えばポリエチレンシート等に不織布を積層した、ラミネート不織布と呼ばれる不織布のことであり、不透液性と通気性を併せ持つ不織布である。
なお、裏面シート12は、不透液性のシートであれば、不透湿性であっても良い。
裏面シート12は、例えば、吸収体13の底面を覆い、さらに吸収体13の側面を覆って、吸収体13上面の長手両側部において表面シート11側(内側)に折り返されている。
表面シート11の内側に折り返された部分と、裏面シート12の内側に折り返された部分とは、例えば、ホットメルト接着剤等によって互いに接着されている。
この吸収体13は、インナーパッド1の使用時に体液としての尿等の水様成分を吸収する役割を果たすものであり、例えば、綿やパルプなどの吸収性素材、高吸水性樹脂(SAP;Super Absorbent Polymer)、繊維やフィルムなどのシート状基材等を組み合わせて形成されている。
ギャザーシート20,20は、表面シート11の上面側において、吸収体13の長手方向(前後方向)に沿った両側縁部に、腹側部14から背側部15に亘ってそれぞれ備えられている。
ギャザーシート20,20の幅方向(左右方向)外側の部分は、裏面シート12の内側に折り返された部分における表面シート11側とは反対側の面に貼り付けられて固定された固定端となっている。また、ギャザーシート20,20の幅方向内側の部分は自由端となっており、その長手方向に沿って複数の糸ゴム等の弾性部材21…が略平行に備えられて、断面略く字状及び逆く字状に立ち上がって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な立体ギャザーが形成されている。
液が透過しにくい不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布−メルトブローン不織布−スパンボンド不織布、スパンボンド不織布−メルトブローン不織布−メルトブローン不織布−スパンボンド不織布、ヒートロール不織布、不透液性不織布、エアースルー不織布等が挙げられる。
不織布31a,31bを構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿などの天然繊維等を用いることができる。また、不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。
2枚の不織布31a,31bの間には、その長手方向(前後方向)に沿って複数の糸ゴム等の伸縮部材32…が略平行に配されており、伸縮部材32を備えることによって、腹側延出部30は、前後方向に伸縮可能となっている。
伸縮部材32は、例えば、1.0〜2.0kgfの力で100%伸長できる伸縮力を有するものを用いるのが好ましい。1.0kgfより小さいとずれやすく、2.0kgfより大きいと伸びにくいためである。
また、腹側延出部30の後端部においては、2枚の不織布31a,31bにより物品本体部10の前端部を狭持して固着している。
不織布41a,41bを構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿などの天然繊維等を用いることができる。また、不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。
2枚の不織布41a,41bの間には、その長手方向(前後方向)に沿って複数の糸ゴム等の伸縮部材42…が略平行に配されており、伸縮部材42を備えることによって、背側延出部40は、前後方向に伸縮可能となっている。
伸縮部材42は、例えば、1.0〜2.0kgfの力で100%伸長できる伸縮力を有するものを用いるのが好ましい。1.0kgfより小さいとずれやすく、2.0kgfより大きいと伸びにくいためである。
また、背側延出部40の後端部においては、2枚の不織布41a,41bにより物品本体部10の前端部を狭持して固着している。
ここで、インナーパッド1を装着する装着物であるパンツ型の使い捨て紙おむつ(以下、紙おむつという)100の構成について説明する。
紙おむつ100は、例えば、図5に示すように、装着時に人体の股部を腹側から背側にかけて覆うように形成されており、一方の端部が人体の腹側に位置する腹側部Fを形成し、他方の端部が人体の背側に位置する背側部Bを形成し、腹側部Fと背側部Bとの間が人体の股下に位置する股下部Mを形成している。
紙おむつ100は、腹側部Fの幅方向側の各端部T1,T1と背側部Bの幅方向側の各端部T2,T2がそれぞれ固着されて脇部を形成することで、パンツ型の形状に成形されるようになっている。
また、紙おむつ100には、人体との接触面側に配される透液性のトップシート100aと、使用装着時に外部側に配される外装体100bと、トップシート100aと外装体100bとの間に介装される吸収性本体(図示省略)と、が備えられている。
なお、紙おむつ100の腹側部F及び背側部Bに、ファスニングテープ33、43を貼り付けるための被止着部材を設けることとしても良い。また、この場合、ファスニングテープ33、43と被止着部材との寸法を合わせることが好ましい。また、紙おむつ100と、インナーパッド1の前後方向の長さを揃えることも好ましい。
着用者が装着した紙おむつ100に対してインナーパッド1を装着する場合には、まず、紙おむつ100を着用者の膝下付近まで下ろす。
次に、インナーパッド1の腹側延出部30のファスニングテープ33を紙おむつ100の腹側部Fの所定箇所に係止させ、インナーパッド1の背側延出部40のファスニングテープ43を紙おむつ100の背側部Bの所定箇所に係止させる。
このとき、インナーパッド1の物品本体部10を紙おむつ1の股下部Mにあてがうなどの作業なしに、腹側延出部30のファスニングテープ33及び背側延出部40のファスニングテープ33を紙おむつ100の腹側部F及び背側部Bの所定箇所に係止させるだけでよい。
次に、紙おむつ100を元の位置まで引き上げると、図6に示すように、腹側延出部30及び背側延出部40は着用者に胴周りに合わせて伸縮し、物品本体部10が好適な位置に配置されることとなる。
また、腹側延出部30及び背側延出部40は伸縮可能であるため、着用者が動いた場合には、腹側延出部30及び背側延出部40はその動きに追従して伸縮し、インナーパッド1が着用者に好適にフィットした状態が保たれる。
また、装着時にインナーパッド1に尿等により加重が掛かった場合にも、腹側延出部30及び背側延出部40は加重の大きさに応じて伸長し、インナーパッド1が着用者に好適にフィットした状態が保たれる。
このため、腹側延出部30及び背側延出部40のファスニングテープ33、43を所定の位置に係止するだけでインナーパッド1の物品本体部10が好適な位置に配されることとなり、ファスニングテープ33、43が所望としない位置などに誤って貼り付くなどの装着ミスが生じることがなく、インナーパッド1の装着や交換を容易に行うことができる。
また、腹側延出部30及び背側延出部40は、物品本体部10に掛かる尿などによる加重や人体の動きに応じて伸縮するので、人体へのフィット感を維持することができる。
また、インナーパッド1は、物品本体部10の長手方向両端部に、吸収体13よりも長手方向に延出し伸縮可能な腹側延出部30及び背側延出部40を備えたのみであるので、簡単な構成である。
よって、簡単な構成でありながら、装着が容易であって、且つ人体へのフィット感を維持することができるインナーパッド1とすることができる。
このため、装着時に係止部が縮こまることがなく、インナーパッド1がよれるのを防止することができる。
次に、第2実施形態における吸収性物品について、第1実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
腹側延出部30A及び背側延出部40Aには、複数箇所に左右方向に略平行な切り込み34、44・・・がそれぞれ形成されており、腹側延出部30A及び背側延出部40Aは、この切り込み34、44・・・によって前後方向に伸縮可能となっている。
このような構成により、吸収性物品2は、第1実施形態のインナーパッド1と同様の効果が得られるのは勿論のこと、伸縮部材を使用しないため低コストで腹側延出部30A及び背側延出部40Aが伸縮可能な構成とすることができる。
従って、装着時のよれを低減し、より好適に人体へのフィット感を維持することができる。
次に、第3実施形態における吸収性物品について、第1実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
ギャザーシート50,50の幅方向(左右方向)外側の部分は固定端となっている。また、ギャザーシート50,50の幅方向内側の部分は自由端となっており、その長手方向に沿って複数の糸ゴム等の弾性部材51…が略平行に備えられて、断面略く字状及び逆く字状に立ち上がって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な立体ギャザーが形成されている。
そして、腹側延出部30B及び背側延出部40Bは、ギャザーシート50,50に備えられた弾性部材51…によって前後方向に伸縮可能となっている。
次に、第4実施形態における吸収性物品について、第1実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
また、背側延出部40Cも、ファスニングテープ43が備えられる係止領域K、係止領域Kの物品本体部10側の端部と連続し、伸縮しない非伸縮領域の第1領域S1、及び第1領域S1の物品本体部10側の端部と連続し、伸縮可能な伸縮領域の第2領域S2、を備えている。
なお、本実施形態の第2領域S2は、その長手方向(前後方向)に沿って複数の糸ゴム等の伸縮部材32及び42が略平行に配されることによって、前後方向に伸縮可能となっているが、これ以外にも、例えば、切り込みによって前後方向に伸縮可能としても良い。或いは、ギャザーシート20,20を第2領域S2まで延出させ、このギャザーシート20に配される弾性部材によって前後方向に伸縮可能としても良い。
また、第1領域S1及び第2領域S2の長さは、適宜設定可能である。また、本実施形態では、係止領域Kは、非伸縮領域となっている。
このとき、係止領域Kと第1領域S2とは、非伸縮であるのでこしを持つため、折り返しやすくすることができる。
10 物品本体部
11 表面シート
12 裏面シート
13 吸収体
14 腹側部
15 背側部
16 股下部
17 脚周り部
20,20 ギャザーシート
21 弾性部材
30 腹側延出部
31a,31b 不織布
32 伸縮部材
33 ファスニングテープ(係止部)
40 背側延出部
41a,41b 不織布
42 伸縮部材
43 ファスニングテープ(係止部)
100 紙おむつ(装着物)
Claims (4)
- 透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介装される吸収体と、を有する物品本体部を備え、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設されるインナーパッドにおいて、
前記物品本体部の長手方向両端部には、前記吸収体よりも長手方向に延出する腹側延出部及び背側延出部が備えられ、
前記腹側延出部の前端部及び前記背側延出部の後端部には、前記インナーパッドを人体に装着される装着物に装着する際に係止する係止部が備えられ、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮可能に構成され、
前記係止部が配され、伸縮しない非伸縮領域である係止領域と、
前記係止領域の前記物品本体部側の端部と連続し、伸縮しない非伸縮領域の第1領域と、
前記第1領域の前記物品本体部側の端部と連続し、伸縮可能な伸縮領域の第2領域と、
を備えることを特徴とするインナーパッド。 - 前記表面シート側における前記インナーパッドの幅方向両側部に、前記腹側延出部から前記背側延出部に亘って設けられる一対のギャザーシートを備え、
前記一対のギャザーシートには、前記インナーパッドの長手方向に沿うように弾性部材が配され、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記弾性部材によって前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮することを特徴とする請求項1に記載のインナーパッド。 - 前記腹側延出部及び前記背側延出部には、複数箇所に切り込みが形成され、
前記腹側延出部及び前記背側延出部は、前記切り込みによって前記物品本体部の長手方向に沿う方向に伸縮することを特徴とする請求項1に記載のインナーパッド。 - 前記切り込みは、前記短手方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインナーパッド。
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