JP5117249B2 - インナー吸収性物品 - Google Patents
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Description
インナーパッドのおむつ本体に対する取付けは、面ファスナなどのファスニング部材が用いられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、インナーパッドの裏面の長手方向両端部に配設された面ファスナのフック部をおむつ本体の内面に係止させることにより、インナーパッドが取り付けられるようになっている
また、股下部が浮いたような状態でインナーパッドがおむつ本体に取り付けられることもあり、フィット性が低下してしまうといった問題もあった。
透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配設された吸収体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の立体ギャザーとを備え、おむつ本体に取り付けられて使用されるインナー吸収性物品であって、
前記おむつ本体は、
吸収体と、前記吸収体を固定する外装体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の本体側立体ギャザーとを備え、
前記おむつ本体に取り付けられた状態で、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設され、
前記一対の立体ギャザーの股下部の表面には、前記一対の本体側立体ギャザーの内面に着脱自在に止着される第1の止着部材が設けられ、
前記バックシートの腹側部及び背側部の裏面には、前記おむつ本体の内面に着脱自在に止着される第2の止着部材がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
前記第1の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴としている。
前記第2の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴としている。
前記貫通穴は、幅方向に対して略直交する方向に延在するようにスリット状に形成されていることを特徴としている。
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつの股下部の収縮や弛緩が繰り返されても、股下部の収縮や弛緩といった動きに従ってインナー吸収性物品が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナー吸収性物品が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナー吸収性物品の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
図1は、本発明を適用した実施形態1の紙おむつ100の展開図であり、図2は、紙おむつ100を組み立てた斜視図である。また、図3は、図1のIII−III線における紙おむつ100の要部断面図である。
なお、以下の説明にあっては、インナーパッド1がおむつ本体2に取り付けられた状態で人体の背側から股下を通って腹側に亘る方向を長手方向Xとし、長手方向Xに略直交する方向を幅方向Yとする。
外装体22は、不透液性を有する不織布からなる外面シート22aと、外面シート22aに貼設される内面シート22bとにより構成され、本体側吸収体23の裏面側(装着時における外部側)を覆う形状に形成されている。
また、本体側トップシート21及び外面シート22aを形成する不織布の素材としては、天然繊維、合成繊維のいずれを用いても良い。天然繊維としては、例えば、綿、セルロース(木材パルプ)、羊毛、絹等が挙げられる。また、合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエステル(PET)、アクリル等が挙げられる。また、PE/PP混合不織布、PE/PET混合不織布、上記素材を適宜組み合わせたバイコンポーネント繊維(混合繊維)も本体側トップシート21及び外面シート22aとして用いることができる。
即ち、図2に示すように、腹周り構成部25の幅方向Y側の各端部と背周り構成部26の幅方向Y側の各端部がそれぞれ固着されて脇部を形成することで、紙おむつ100がパンツ型の形状に成形されるようになっている。
また、腹周り構成部25及び背周り構成部26における外面シート22aと内面シート22bとの間には、弾性部材としての複数本の糸ゴム25a、26aが挟み込まれて固着されている。これにより、紙おむつ100の使用の際に、着用者の胴周りおよび腰周りで、紙おむつ100が伸縮自在となるように構成されている。
脚周り部28は、着用者の脚周りに対応させて形成された脚周り用開口部の縁部に沿って、着用者の脚の周りに接触する一対の脚周りギャザー28a、28aが設けられている。
さらに、吸収体コア23aは、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて、腹周り構成部25側及び背周り構成部26側に対して本体側股下部27側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
防水フィルム29は、遮水性を有し、クレープ紙23bを通過した水様分が外装体22側に漏れることを防止する働きをなす。
また、本体側ギャザーシート24は、不透液性の不織布のシートを二つ折りにし、折り合わされた面を、例えば、ホットメルトや、ヒートシール、超音波シール等により固着させることにより形成されている。また、本体側ギャザーシート24は、不織布のシートを二つ折りにした状態で、その基端部が本体側トップシート21と外面シート22aとの間に挟まれるように固着されることにより固定されている。そして、不織布のシートが折り合わされた面間に、複数本の糸ゴム24a、…が挟み込まれている。
このような構造の本体側ギャザーシート24が紙おむつ100に固着されて備えられた状態において、当該本体側ギャザーシート24の自由端部が起立することにより本体側立体ギャザー24bが形成される。そして、本体側ギャザーシート24は、糸ゴム24aによって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形することで、着用者の身体に密着するようになっている。
図4は、インナーパッド1を模式的に示す斜視図である。また、図5は、インナーパッド1を示す裏面図である。
股下部13の幅方向Y側の両縁部は、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて内側に凹むように形成されている。
なお、吸収体103は、上記のように複数層に分かれた構造であっても良いし、単層構造であっても良い。
さらに、吸収体103は、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて、腹側部11及び背側部12に対して股下部13側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
不透液性と通気性とを具備するシート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
また、トップシート101及びバックシート102の折り返された部分(折り返し部)102aに立体ギャザー104を構成するギャザーシート105が貼り付けられている。
また、立体ギャザー104の吸収体103の長手方向Xに沿って配設された部分は、自由端部を固定することなく配されているが、インナーパッド1の長手方向X両端部に対応する部分は、立体ギャザー104の自由端部ごとトップシート101側に折り畳まれてトップシート101に固定されている。
また、裏面側糸ゴム106の股下部13に配設された部分は、複数箇所で切断されており、これにより、糸ゴム106の股下部13側の長手方向Xの引張力が腹側部11及び背側部12側の長手方向Xの引張力よりも小さくされている。
なお、裏面側糸ゴム106の切断されている箇所は、模式的に一点鎖線で表している(図4及び図5参照)。
これにより、インナーパッド1は、バックシート102側に配設された裏面側糸ゴム106による長手方向Xの引張力によって、トップシート101における腹側部11と背側部12が離れる方向への付勢力が常時生じている。従って、トップシート101の腹側部11と背側部12が対向するように二つ折り形状に折り畳まれた状態であっても、当該付勢力により腹側部11と背側部12が股下部13を中心として開くように回動し易くなっており、インナーパッド1のおむつ本体2に対する取付作業を簡便なものとすることができる。
なお、インナーパッド1のおむつ本体2に対する取付作業については後述する。
面ファスナ107は、おむつ本体2の本体側トップシート21の腹周り構成部25、背周り構成部26及び本体側股下部27の所定位置に着脱自在に止着されるものである。具体的には、面ファスナ107は、裏側から視て略矩形状に形成され、バックシート102の裏面の所定位置に所定の接着剤を介して固着されている。そして、面ファスナ107の表面に形成された複数のフック部(図示略)が本体側トップシート21の表面に係止されることで止着される。
なお、面ファスナ107と本体側トップシート21の止着を解除する場合には、面ファスナ107が設けられているインナーパッド1をおむつ本体2から引き剥がすようにインナーパッド1とおむつ本体2を相対的に移動させることにより、容易に止着解除を行うことができる。
ここで、インナーパッド1は、おむつ本体2に対する取付前にて、トップシート101側が内側となるように、即ち、腹側部11と背側部12が対向するように二つ折り形状に折り畳まれたものを用いるものとする。
そして、インナーパッド1の対向する腹側部11と背側部12の間に指を挿入して、腹側部11と背側部12の間を押し広げる。このとき、裏面側糸ゴム106による長手方向Xの引張力によって生じる腹側部11と背側部12が離れる方向への付勢力により、腹側部11と背側部12の間を押し広げるわずかな力で腹側部11及び背側部12が股下部13を中心として開くように容易に回動して、インナーパッド1の腹側部11がおむつ本体2の腹周り構成部25に、且つ、インナーパッド1の背側部12がおむつ本体2の背周り構成部26に対向するように配設される。
これにより、おむつ本体2に対するインナーパッド1の取付作業が完了する。
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27の収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド1が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド1が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナーパッド1の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
図6は、変形例1のインナーパッド201を示す裏面図である。
なお、変形例1のインナーパッド201は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図6に示すように、変形例1のインナーパッド201は、バックシート102の裏面の股下部13における幅方向Y両端部に2つの短尺面ファスナ207a、207aが設けられ、腹側部11及び背側部12における幅方向Y中央部に長尺面ファスナ207bが設けられている。
即ち、短尺面ファスナ207aと長尺面ファスナ207bを組み合わせたものの幅が、上記実施形態1における一の面ファスナ107の幅と略等しくなっている。
図7は、変形例2のインナーパッド301を示す裏面図である。
なお、変形例2のインナーパッド301は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図7に示すように、変形例2のインナーパッド301は、バックシート102の裏面の股下部13に2つの面ファスナ307、307が交差するように重ね合わされたものが設けられている。
これにより、インナーパッド301が収縮や弛緩を繰り返す際に、当該インナーパッド301の幅方向Yに対して交差する方向の動きに対しても追従することができる。
以下に、実施形態2の紙おむつについて図8を参照して説明する。
図8は、本発明を適用した実施形態2の紙おむつを構成するインナーパッド401の裏面図である。
なお、実施形態2の紙おむつに係るインナーパッド401は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
具体的には、面ファスナ407は、腹側部11から股下部13を通って背側部12にかけて延在する吸収体103の幅方向Y両側縁部に沿うように配設されている。即ち、面ファスナ407は、バックシート102における股下部13に設けられている。
さらに、着用者の脚周りに接触する一対の脚周りギャザー28a、28aが設けられた紙おむつ、即ち、脚周り部28の収縮性に富んだ紙おむつであっても、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド401が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド401が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナーパッド401の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
図9は、変形例3のインナーパッド501を示す裏面図である。
なお、変形例3のインナーパッド501は、以下に説明する以外の点で上記実施形態2におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図9に示すように、変形例3のインナーパッド501は、バックシート102の裏面の幅方向Y両側縁部の各々に、上記実施形態2における一の面ファスナ407よりも短尺な面ファスナ507が設けられるとともに、バックシート102の裏面の長手方向X両端部に実施形態1におけるものと略同等の面ファスナ(第2の止着部材)107が設けられている。
即ち、面ファスナ407は、バックシート102の股下部13の幅方向Y両側縁部の各々に設けられている。さらに、面ファスナ107は、バックシート102の腹側部11及び背側部12の裏面の長手方向X両端部に設けられている。
従って、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド501が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド501が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
よって、インナーパッド501の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
また、図10(a)におけるスリットA1の形状は適宜任意に変更することができ、例えば、菱形状に形成された貫通穴A2を設けるようにしても良い(図10(b)参照)。
特に、スリットA1は、インナーパッドの幅方向Yに対して略直交する方向に延在するように形成されているので、インナーパッドの収縮に応じて面ファスナ107をより収縮させ易くすることができ、人体に対するフィット性をより向上させることができる。
以下に、実施形態3の紙おむつ600について図11及び図12を参照して説明する。
図11は、本発明を適用した実施形態3の紙おむつを構成するインナーパッド601を模式的に示す斜視図である。また、図12は、図11の紙おむつ600の要部断面図である。
なお、実施形態3の紙おむつ600は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1、2におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
これにより、大腿部の動作によりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩に対して、立体ギャザー604と本体側立体ギャザー624bを一体として追従させることができる。
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27の収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド601が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド601が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
また、面ファスナ607を介して立体ギャザー604と本体側立体ギャザー624bが一体とされているので、紙おむつ600全体に対してより長大な立体ギャザーが設けられていることとなるため、人体に対するフィット性をより向上させることができる。
この結果、インナーパッド601の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを確実に防止することができる。
例えば、上記実施形態にあっては、おむつ本体22として、いわゆるパンツ型の紙おむつ100、600を例示して説明したが、これに限られるものではなく、テープ式のものであっても良いし、トランクス型のものであっても良い。
さらに、おむつ本体2として、本体側吸収体23を備えるものを例示したが、これに限られるものではなく、本体側吸収体23を備えるか否かは適宜任意に変更することができ、本体側吸収体23を備えない外装体の表面にインナーパッド1、201、301、401、501、601を取り付けるようにしても良い。
なお、面ファスナ107、207a、207b、307、407、507、607の形状は、略矩形状に限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。
2 紙おむつ本体
28a 脚周りギャザー
624b 本体側立体ギャザー
1、201、301、401、501、601 インナーパッド(インナー吸収性物品)
11 腹側部
12 背側部
13 股下部
101 トップシート
102 バックシート
103 吸収体
104、604 立体ギャザー
107 面ファスナ(第2の止着部材)
407、507、607 面ファスナ(第1の止着部材)
A1 スリット(貫通穴)
A2 貫通穴
Claims (4)
- 透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配設された吸収体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の立体ギャザーとを備え、おむつ本体に取り付けられて使用されるインナー吸収性物品であって、
前記おむつ本体は、
吸収体と、前記吸収体を固定する外装体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の本体側立体ギャザーとを備え、
前記おむつ本体に取り付けられた状態で、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設され、
前記一対の立体ギャザーの股下部の表面には、前記一対の本体側立体ギャザーの内面に着脱自在に止着される第1の止着部材が設けられ、
前記バックシートの腹側部及び背側部の裏面には、前記おむつ本体の内面に着脱自在に止着される第2の止着部材がそれぞれ設けられていることを特徴とするインナー吸収性物品。 - 前記第1の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインナー吸収性物品。
- 前記第2の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインナー吸収性物品。
- 前記貫通穴は、幅方向に対して略直交する方向に延在するようにスリット状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインナー吸収性物品。
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