JP5117249B2 - インナー吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、おむつやおむつの外装体等に取り付けられるインナー吸収性物品に関する。
従来、おむつやおむつの外装体等のおむつ本体に取付けられて使用されるインナーパッドが知られている。
インナーパッドのおむつ本体に対する取付けは、面ファスナなどのファスニング部材が用いられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、インナーパッドの裏面の長手方向両端部に配設された面ファスナのフック部をおむつ本体の内面に係止させることにより、インナーパッドが取り付けられるようになっている
特許第3764010号公報
しかしながら、上記特許文献1のような構造のインナーパッドの場合、おむつ使用時に大腿部を動作させると、おむつの股下部の収縮や弛緩が繰り返されて、インナーパッドが収縮した状態で保持されてしまい、吸収性能が低下して体液漏れをおこしてしまう虞があった。
また、股下部が浮いたような状態でインナーパッドがおむつ本体に取り付けられることもあり、フィット性が低下してしまうといった問題もあった。
そこで、本発明の課題は、人体に対するフィット性の低下を防止して、これにより、体液漏れを防止することができるインナー吸収性物品を提供することである。
請求項1に記載の発明は、
透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配設された吸収体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の立体ギャザーとを備え、おむつ本体に取り付けられて使用されるインナー吸収性物品であって、
前記おむつ本体は、
吸収体と、前記吸収体を固定する外装体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の本体側立体ギャザーとを備え、
前記おむつ本体に取り付けられた状態で、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設され、
前記一対の立体ギャザーの股下部の表面には、前記一対の本体側立体ギャザーの内面に着脱自在に止着される第1の止着部材が設けられ、
前記バックシートの腹側部及び背側部の裏面には、前記おむつ本体の内面に着脱自在に止着される第2の止着部材がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインナー吸収性物品において、
前記第1の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインナー吸収性物品において、
前記第2の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載のインナー吸収性物品において、
前記貫通穴は、幅方向に対して略直交する方向に延在するようにスリット状に形成されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、一対の立体ギャザーの股下部の表面に、一対の本体側立体ギャザーの内面に着脱自在に止着される第1の止着部材がそれぞれ設けられ、さらに、バックシートの腹側部及び背側部の裏面に、おむつ本体の内面に着脱自在に止着される第2の止着部材がそれぞれ設けられているので、インナー吸収性物品の裏面の腹側部及び背側部だけでなく、長手方向略中央部に位置する股下部をおむつ本体の内面に確実に取り付けることができ、人体に対するフィット性の低下を防止することができる
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつの股下部の収縮や弛緩が繰り返されても、股下部の収縮や弛緩といった動きに従ってインナー吸収性物品が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナー吸収性物品が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナー吸収性物品の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1の止着部材に、その表裏を連通させる貫通穴が形成されているので、インナー吸収性物品の収縮に応じて止着部材を収縮させ易くすることができ、おむつの装着者に違和感を生じさせ難くすることができるとともに、人体に対するフィット性を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第2の止着部材に、その表裏を連通させる貫通穴が形成されているので、インナー吸収性物品の収縮に応じて止着部材を収縮させ易くすることができ、おむつの装着者に違和感を生じさせ難くすることができるとともに、人体に対するフィット性を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項又はに記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、貫通穴は、幅方向に対して略直交する方向に延在するようにスリット状に形成されているので、スリット状の貫通穴によって、インナー吸収性物品の収縮に応じて止着部材をより収縮させ易くすることができ、人体に対するフィット性をより向上させることができる。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の紙おむつ100の展開図であり、図2は、紙おむつ100を組み立てた斜視図である。また、図3は、図1のIII−III線における紙おむつ100の要部断面図である。
実施形態1の紙おむつ100は、例えば、人体の股下側を腹側から背側にかけて覆うものであり、具体的には、図1〜図3に示すように、インナーパッド(インナー吸収性物品)1と、インナーパッド1が取り付けられるおむつ本体2とを備えている。
なお、以下の説明にあっては、インナーパッド1がおむつ本体2に取り付けられた状態で人体の背側から股下を通って腹側に亘る方向を長手方向Xとし、長手方向Xに略直交する方向を幅方向Yとする。
おむつ本体2は、当該紙おむつ100の着用者の身体と接する接触面に配される本体側トップシート21と、使用装着時に外部側に設けられる外装体22と、本体側トップシート21と外装体22との間に介装される本体側吸収体23と、本体側吸収体23の幅方向Y両側縁部に設けられた本体側ギャザーシート24、24とを備えて構成されている。
本体側トップシート21は、透液性を有する不織布からなり、本体側吸収体23の表面側(身体側)を覆う形状に形成されている。
外装体22は、不透液性を有する不織布からなる外面シート22aと、外面シート22aに貼設される内面シート22bとにより構成され、本体側吸収体23の裏面側(装着時における外部側)を覆う形状に形成されている。
本体側トップシート21及び外面シート22aは、例えば、透液性の不織布等により形成されている。
また、本体側トップシート21及び外面シート22aを形成する不織布の素材としては、天然繊維、合成繊維のいずれを用いても良い。天然繊維としては、例えば、綿、セルロース(木材パルプ)、羊毛、絹等が挙げられる。また、合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエステル(PET)、アクリル等が挙げられる。また、PE/PP混合不織布、PE/PET混合不織布、上記素材を適宜組み合わせたバイコンポーネント繊維(混合繊維)も本体側トップシート21及び外面シート22aとして用いることができる。
外装体22の一方の端部には、当該紙おむつ100の着用者の腹周りを被覆する腹周り構成部25が形成され、他方の端部には、着用者の背周りを被覆する背周り構成部26が形成されているとともに、腹周り構成部25と背周り構成部26との間に、着用者の股間部を被覆する本体側股下部27が形成されている。
即ち、図2に示すように、腹周り構成部25の幅方向Y側の各端部と背周り構成部26の幅方向Y側の各端部がそれぞれ固着されて脇部を形成することで、紙おむつ100がパンツ型の形状に成形されるようになっている。
腹周り構成部25及び背周り構成部26は、略等しい幅を有する略矩形状に形成されている。
また、腹周り構成部25及び背周り構成部26における外面シート22aと内面シート22bとの間には、弾性部材としての複数本の糸ゴム25a、26aが挟み込まれて固着されている。これにより、紙おむつ100の使用の際に、着用者の胴周りおよび腰周りで、紙おむつ100が伸縮自在となるように構成されている。
また、外装体22の幅方向Y側の両縁部の各々には、腹周り構成部25の幅方向Y側の各端部から本体側股下部27を通り背周り構成部26の幅方向Y側の各端部に亘って、紙おむつ100の着用者の脚の周りを囲む一対の脚周り部28、28が形成されている。
脚周り部28は、着用者の脚周りに対応させて形成された脚周り用開口部の縁部に沿って、着用者の脚の周りに接触する一対の脚周りギャザー28a、28aが設けられている。
脚周りギャザー28aには、外面シート22aと内面シート22bとの間に、紙おむつ100の使用の際に着用者の股間部やそけい部等に対する外装体22の密着性を向上させるための複数本の糸ゴム28b、…が配設されている。
本体側吸収体23は、紙おむつ100の使用時に体液としての尿等の水様成分を吸収するものである。具体的には、本体側吸収体23は、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体コア23aと、吸収体コア23aを覆う透液性のクレープ紙23bとを備えている。
吸収体コア23aは、例えば、その長手方向Xがおむつ本体2の長手方向Xと略等しくなるように腹周り構成部25から本体側股下部27を通って背周り構成部26に亘って配設されている。
さらに、吸収体コア23aは、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて、腹周り構成部25側及び背周り構成部26側に対して本体側股下部27側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
クレープ紙23bは、吸収体コア23aを全体的に包装しており、透液性を有して体液を吸収する働きをなす。
本体側吸収体23の外装体22側には、防水フィルム29が配設されている。
防水フィルム29は、遮水性を有し、クレープ紙23bを通過した水様分が外装体22側に漏れることを防止する働きをなす。
本体側ギャザーシート24は、紙おむつ100における本体側トップシート21側において、本体側吸収体23の幅方向Y両側縁部に、吸収体コア23aの腹側端部から背側端部にわたり、股下両端部に相当する位置に備えられている。
また、本体側ギャザーシート24は、不透液性の不織布のシートを二つ折りにし、折り合わされた面を、例えば、ホットメルトや、ヒートシール、超音波シール等により固着させることにより形成されている。また、本体側ギャザーシート24は、不織布のシートを二つ折りにした状態で、その基端部が本体側トップシート21と外面シート22aとの間に挟まれるように固着されることにより固定されている。そして、不織布のシートが折り合わされた面間に、複数本の糸ゴム24a、…が挟み込まれている。
このような構造の本体側ギャザーシート24が紙おむつ100に固着されて備えられた状態において、当該本体側ギャザーシート24の自由端部が起立することにより本体側立体ギャザー24bが形成される。そして、本体側ギャザーシート24は、糸ゴム24aによって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形することで、着用者の身体に密着するようになっている。
なお、本体側ギャザーシート24を形成する不織布は、上記した本体側トップシート21及び外面シート22aを形成する不織布と略等しい素材から構成され、また、これら不織布の製造方法もほぼ等しくなっている。
次に、インナーパッド1について図4及び図5を参照して詳細に説明する。
図4は、インナーパッド1を模式的に示す斜視図である。また、図5は、インナーパッド1を示す裏面図である。
図4及び図5に示すように、インナーパッド1は、人体の腹側に配される腹側部11と、背側に配される背側部12と、腹側部11と背側部12との間にて股下を覆う股下部13とを備えている。
股下部13の幅方向Y側の両縁部は、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて内側に凹むように形成されている。
また、インナーパッド1は、人体と接する接触面に配される透液性のトップシート101と、トップシート101の裏面側に配されるセカンドシート108と、トップシート101と反対側の面に位置して使用装着時に外部側に設けられる不透液性のバックシート102と、トップシート101とバックシート102との間に介装される吸収体103と、トップシート101側に、吸収体103の幅方向Y両側部に設けられた一対の立体ギャザー104、104とを備えて構成されている。
吸収体103は、使用時に体液としての尿等の水様成分を吸収する働きをなすものであり、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体コア(図示略)が、透液性のクレープ紙(図示略)により覆われて構成されている。
なお、吸収体103は、上記のように複数層に分かれた構造であっても良いし、単層構造であっても良い。
また、吸収体103は、例えば、その長手方向Xがインナーパッド1の長手方向Xと略等しくなるように腹側部11から股下部13を通って背側部12に亘って配設されている。
さらに、吸収体103は、例えば、おむつ本体2の形状に対応させて、腹側部11及び背側部12に対して股下部13側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
トップシート101の素材は、おむつ本体2に備わる本体側トップシート21と略同様であり、その説明を省略する。
バックシート102は、例えば、ポリエチレン等の不透液性(防水性)を有するとともに、ムレ防止の観点から通気性を有するシート材である。
不透液性と通気性とを具備するシート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
トップシート101及びバックシート102は、図4等に示すように、吸収体103よりも幅広に形成され、吸収体103よりも幅方向Y外側の部分が所定の接着剤により接着されている。そして、トップシート101及びバックシート102の吸収体103よりも幅方向Y外側の部分は、所定位置を起点として人体側に折り返されている。
また、トップシート101及びバックシート102の折り返された部分(折り返し部)102aに立体ギャザー104を構成するギャザーシート105が貼り付けられている。
立体ギャザー104は、折り返し部102aのトップシート101と反対の面に、不織布であるギャザーシート105を貼り付けることによって形成されている。ギャザーシート105は、折り返し部102aの自由端部よりも延出されてなり、立体ギャザー104の自由端部側はギャザーシート105一層のみからなり、外向きに折り返されている。
また、立体ギャザー104の吸収体103の長手方向Xに沿って配設された部分は、自由端部を固定することなく配されているが、インナーパッド1の長手方向X両端部に対応する部分は、立体ギャザー104の自由端部ごとトップシート101側に折り畳まれてトップシート101に固定されている。
なお、ギャザーシート105の自由端部側には、例えば、複数本の糸ゴム105a、…が長手方向Xに亘って配設されており、これによって、立体ギャザー104が着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形することとなって、着用者にフィットしやすい構造となっている。
また、バックシート102と吸収体103の間には、吸収体103の幅方向Y両側縁部の各々に沿って裏面側糸ゴム106がそれぞれ2本ずつ配設されている。具体的には、裏面側糸ゴム106は、腹側部11にて長手方向Xに沿って略直線状に配設され、股下部13にて吸収体103の内側に凹んだ形状に沿うように湾曲して形成され、背側部12にて長手方向Xに沿って略直線状に配設されている。即ち、裏面側糸ゴム106は、インナーパッド1の腹側部11から股下部13を通って背側部12にかけて延在するように配設されている。
また、裏面側糸ゴム106の股下部13に配設された部分は、複数箇所で切断されており、これにより、糸ゴム106の股下部13側の長手方向Xの引張力が腹側部11及び背側部12側の長手方向Xの引張力よりも小さくされている。
なお、裏面側糸ゴム106の切断されている箇所は、模式的に一点鎖線で表している(図4及び図5参照)。
さらに、これら複数の裏面側糸ゴム106、…による長手方向Xの引張力は、立体ギャザー104に配設された糸ゴム105aによる長手方向Xの引張力よりも大きくなっている。
これにより、インナーパッド1は、バックシート102側に配設された裏面側糸ゴム106による長手方向Xの引張力によって、トップシート101における腹側部11と背側部12が離れる方向への付勢力が常時生じている。従って、トップシート101の腹側部11と背側部12が対向するように二つ折り形状に折り畳まれた状態であっても、当該付勢力により腹側部11と背側部12が股下部13を中心として開くように回動し易くなっており、インナーパッド1のおむつ本体2に対する取付作業を簡便なものとすることができる。
なお、インナーパッド1のおむつ本体2に対する取付作業については後述する。
また、図5に示すように、バックシート102の腹側部11及び背側部12並びに股下部13の裏面(おむつ本体側の面)に、面ファスナ(止着部材)107が設けられている。
面ファスナ107は、おむつ本体2の本体側トップシート21の腹周り構成部25、背周り構成部26及び本体側股下部27の所定位置に着脱自在に止着されるものである。具体的には、面ファスナ107は、裏側から視て略矩形状に形成され、バックシート102の裏面の所定位置に所定の接着剤を介して固着されている。そして、面ファスナ107の表面に形成された複数のフック部(図示略)が本体側トップシート21の表面に係止されることで止着される。
なお、面ファスナ107と本体側トップシート21の止着を解除する場合には、面ファスナ107が設けられているインナーパッド1をおむつ本体2から引き剥がすようにインナーパッド1とおむつ本体2を相対的に移動させることにより、容易に止着解除を行うことができる。
次に、インナーパッド1のおむつ本体2に対する取付作業について説明する。
ここで、インナーパッド1は、おむつ本体2に対する取付前にて、トップシート101側が内側となるように、即ち、腹側部11と背側部12が対向するように二つ折り形状に折り畳まれたものを用いるものとする。
先ず、インナーパッド1のおむつ本体2に対する向きを調整する。具体的には、インナーパッド1を開いた際に、その長手方向Xとおむつ本体2の長手方向Xが揃うとともに、インナーパッド1の腹側部11がおむつ本体2の腹周り構成部25側に、且つ、インナーパッド1の背側部12がおむつ本体2の背周り構成部26側になるようにインナーパッド1及びおむつ本体2の向きを調整する。
そして、おむつ本体2の一対の本体側立体ギャザー24b、24bの内側であって、本体側股下部27にインナーパッド1の股下部13を対向させるように配設することにより、股下部13の裏面側の面ファスナ107が本体側股下部27における本体側トップシート21の表面に接触することにより当該表面に止着された状態となって、おむつ本体2に対してインナーパッド1が長手方向X及び幅方向Yに位置決めされる。
そして、インナーパッド1の対向する腹側部11と背側部12の間に指を挿入して、腹側部11と背側部12の間を押し広げる。このとき、裏面側糸ゴム106による長手方向Xの引張力によって生じる腹側部11と背側部12が離れる方向への付勢力により、腹側部11と背側部12の間を押し広げるわずかな力で腹側部11及び背側部12が股下部13を中心として開くように容易に回動して、インナーパッド1の腹側部11がおむつ本体2の腹周り構成部25に、且つ、インナーパッド1の背側部12がおむつ本体2の背周り構成部26に対向するように配設される。
そして、腹側部11の裏面側に設けられた面ファスナ107が腹周り構成部25における本体側トップシート21の表面に接触することにより当該表面に止着されるとともに、背側部12の裏面側に設けられた面ファスナ107が背周り構成部26における本体側トップシート21の表面に接触することにより当該表面に止着された状態となる。
これにより、おむつ本体2に対するインナーパッド1の取付作業が完了する。
以上のように、実施形態1の紙おむつ100によれば、バックシート102の裏面の腹側部11及び背側部12並びに股下部13に、おむつ本体2の本体側トップシート21の表面に着脱自在に止着される面ファスナ107がそれぞれ設けられているので、インナーパッド1の裏面の長手方向X両端側となる腹側部11及び背側部12だけでなく、長手方向X略中央部に位置する股下部13をおむつ本体2の内面に確実に取り付けることができ、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27の収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド1が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド1が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナーパッド1の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
<変形例1>
図6は、変形例1のインナーパッド201を示す裏面図である。
なお、変形例1のインナーパッド201は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図6に示すように、変形例1のインナーパッド201は、バックシート102の裏面の股下部13における幅方向Y両端部に2つの短尺面ファスナ207a、207aが設けられ、腹側部11及び背側部12における幅方向Y中央部に長尺面ファスナ207bが設けられている。
即ち、短尺面ファスナ207aと長尺面ファスナ207bを組み合わせたものの幅が、上記実施形態1における一の面ファスナ107の幅と略等しくなっている。
従って、2つの短尺面ファスナ207a、207aをインナーパッド201のズレやヨレが生じやすい幅方向Y両端部に設けることで、インナーパッド201が収縮や弛緩を繰り返しても当該インナーパッド201が収縮した状態で保持されてしまうことを適正に防止することができるとともに、実施形態1における面ファスナ107を2つ設けるものと実質的に略同等のコストとすることができ、インナーパッド201のコストダウンを図ることができる。
<変形例2>
図7は、変形例2のインナーパッド301を示す裏面図である。
なお、変形例2のインナーパッド301は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図7に示すように、変形例2のインナーパッド301は、バックシート102の裏面の股下部13に2つの面ファスナ307、307が交差するように重ね合わされたものが設けられている。
これにより、インナーパッド301が収縮や弛緩を繰り返す際に、当該インナーパッド301の幅方向Yに対して交差する方向の動きに対しても追従することができる。
[実施形態2]
以下に、実施形態2の紙おむつについて図8を参照して説明する。
図8は、本発明を適用した実施形態2の紙おむつを構成するインナーパッド401の裏面図である。
なお、実施形態2の紙おむつに係るインナーパッド401は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図8に示すように、実施形態2の紙おむつのインナーパッド401には、バックシート102の裏面の幅方向Y両側縁部の各々に沿って、おむつ本体2の本体側トップシート21の内面に着脱自在に止着される面ファスナ(第1の止着部材)407が設けられている。
具体的には、面ファスナ407は、腹側部11から股下部13を通って背側部12にかけて延在する吸収体103の幅方向Y両側縁部に沿うように配設されている。即ち、面ファスナ407は、バックシート102における股下部13に設けられている。
従って、実施形態2の紙おむつによれば、バックシート102の裏面の幅方向Y両側縁部の各々に沿って、おむつ本体2の本体側トップシート21の表面に着脱自在に止着される面ファスナ407がそれぞれ設けられているので、インナーパッド401の裏面の幅方向Y両側縁部をおむつ本体2の内面に確実に取り付けることができ、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
さらに、着用者の脚周りに接触する一対の脚周りギャザー28a、28aが設けられた紙おむつ、即ち、脚周り部28の収縮性に富んだ紙おむつであっても、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド401が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド401が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
これにより、インナーパッド401の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
<変形例3>
図9は、変形例3のインナーパッド501を示す裏面図である。
なお、変形例3のインナーパッド501は、以下に説明する以外の点で上記実施形態2におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図9に示すように、変形例3のインナーパッド501は、バックシート102の裏面の幅方向Y両側縁部の各々に、上記実施形態2における一の面ファスナ407よりも短尺な面ファスナ507が設けられるとともに、バックシート102の裏面の長手方向X両端部に実施形態1におけるものと略同等の面ファスナ(第2の止着部材)107が設けられている。
即ち、面ファスナ407は、バックシート102の股下部13の幅方向Y両側縁部の各々に設けられている。さらに、面ファスナ107は、バックシート102の腹側部11及び背側部12の裏面の長手方向X両端部に設けられている。
これにより、面ファスナ507、107によって、インナーパッド501の幅方向Y両側縁部及び長手方向X両側縁部の全てをおむつ本体2の本体側トップシート21の表面に確実に止着することができる。
従って、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27や脚周りギャザー28aの収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド501が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド501が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
よって、インナーパッド501の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを防止することができる。
なお、面ファスナ107は、図10(a)に示すように、その表裏を連通させ、インナーパッドの幅方向Yに対して略直交する方向に延在するスリットA1(貫通穴)が複数形成されていても良い。
また、図10(a)におけるスリットA1の形状は適宜任意に変更することができ、例えば、菱形状に形成された貫通穴A2を設けるようにしても良い(図10(b)参照)。
これにより、インナーパッドの収縮に応じて面ファスナ107を収縮させ易くすることができ、おむつの装着者に違和感を生じさせ難くすることができるとともに、人体に対するフィット性を向上させることができる。
特に、スリットA1は、インナーパッドの幅方向Yに対して略直交する方向に延在するように形成されているので、インナーパッドの収縮に応じて面ファスナ107をより収縮させ易くすることができ、人体に対するフィット性をより向上させることができる。
ここで、図10(a)及び図10(b)にあっては、面ファスナ107として、幅方向Yに長尺なものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、実施形態2や変形例3のように、インナーパッドの長手方向Xに長尺な面ファスナ407、507であっても良い。この場合、図10(a)におけるスリットA1は、幅方向Yに対して略直交する方向に延在するように、即ち、長手方向Xと略等しい方向に延在するように形成されることとなる。
[実施形態3]
以下に、実施形態3の紙おむつ600について図11及び図12を参照して説明する。
図11は、本発明を適用した実施形態3の紙おむつを構成するインナーパッド601を模式的に示す斜視図である。また、図12は、図11の紙おむつ600の要部断面図である。
なお、実施形態3の紙おむつ600は、以下に説明する以外の点で上記実施形態1、2におけるものと同様であるので、その説明を省略する。
図11及び図12に示すように、実施形態3の紙おむつ600のインナーパッド601には、一対の立体ギャザー604、604の表面に、おむつ本体2の一対の本体側立体ギャザー624b、624bの内面に着脱自在に止着される一対の面ファスナ607、607が設けられている。
即ち、面ファスナ607は、一対の立体ギャザー604、604の股下部13における表面に設けられており、インナーパッド601がおむつ本体2の一対の本体側立体ギャザー624b、624bの内側に配設された状態で、本体側立体ギャザー624bの内面に止着させることができる。
これにより、大腿部の動作によりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩に対して、立体ギャザー604と本体側立体ギャザー624bを一体として追従させることができる。
従って、実施形態3の紙おむつ600によれば、一対の立体ギャザー604、604の表面に、一対の本体側立体ギャザー624b、624bの内面に着脱自在に止着される面ファスナ607がそれぞれ設けられているので、インナーパッド601の立体ギャザー604の表面をおむつ本体2の本体側立体ギャザー624bの内面に確実に取り付けることができ、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
さらに、おむつ使用時に、大腿部を動作させることによりおむつ本体2の本体側股下部27の収縮や弛緩が繰り返されても、本体側股下部27の収縮や弛緩といった動きに従ってインナーパッド601が収縮や弛緩を繰り返すこととなり、インナーパッド601が収縮した状態で保持されてしまうことがなくなって、人体に対するフィット性の低下を防止することができる。
また、面ファスナ607を介して立体ギャザー604と本体側立体ギャザー624bが一体とされているので、紙おむつ600全体に対してより長大な立体ギャザーが設けられていることとなるため、人体に対するフィット性をより向上させることができる。
この結果、インナーパッド601の吸収性能が低下することがなくなって、体液漏れを確実に防止することができる。
なお、上記実施形態3にあっては、バックシート102の裏面の所定位置に実施形態1、2と同様の面ファスナ107を設けるようにしても良い。即ち、バックシート102の腹側部11及び背側部12の裏面の長手方向X両端部に、面ファスナ107を設けるようにしても良い。
また、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態にあっては、おむつ本体22として、いわゆるパンツ型の紙おむつ100、600を例示して説明したが、これに限られるものではなく、テープ式のものであっても良いし、トランクス型のものであっても良い。
さらに、おむつ本体2として、本体側吸収体23を備えるものを例示したが、これに限られるものではなく、本体側吸収体23を備えるか否かは適宜任意に変更することができ、本体側吸収体23を備えない外装体の表面にインナーパッド1、201、301、401、501、601を取り付けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、止着部材として、本体側トップシート21や本体側立体ギャザー624bの表面に係止されるフック部が形成された面ファスナ107、207a、207b、307、407、507、607を例示したが、これに限られるものではなく、おむつ本体2に着脱自在に止着されるものであれば如何なる構成のものであっても良い。
なお、面ファスナ107、207a、207b、307、407、507、607の形状は、略矩形状に限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。
本発明を適用した実施形態1の紙おむつの展開図である。 図1の紙おむつを組み立てた斜視図である。 図1のIII−III線における紙おむつの要部断面図である。 図1の紙おむつを構成するインナーパッドを模式的に示す斜視図である。 図4のインナーパッドを示す裏面図である。 変形例1のインナーパッドを示す裏面図である。 変形例2のインナーパッドを示す裏面図である。 本発明を適用した実施形態2の紙おむつを構成するインナーパッドの裏面図である。 変形例3のインナーパッドを示す裏面図である。 面ファスナの変形例を模式的に示す図である。 本発明を適用した実施形態3の紙おむつを構成するインナーパッドを模式的に示す斜視図である。 図11の紙おむつの要部断面図である。
符号の説明
100、600 紙おむつ
2 紙おむつ本体
28a 脚周りギャザー
624b 本体側立体ギャザー
1、201、301、401、501、601 インナーパッド(インナー吸収性物品)
11 腹側部
12 背側部
13 股下部
101 トップシート
102 バックシート
103 吸収体
104、604 立体ギャザー
107 面ファスナ(第2の止着部材)
407、507、607 面ファスナ(第1の止着部材)
A1 スリット(貫通穴)
A2 貫通穴

Claims (4)

  1. 透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配設された吸収体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の立体ギャザーとを備え、おむつ本体に取り付けられて使用されるインナー吸収性物品であって、
    前記おむつ本体は、
    吸収体と、前記吸収体を固定する外装体と、前記吸収体の幅方向両側部に設けられた一対の本体側立体ギャザーとを備え、
    前記おむつ本体に取り付けられた状態で、人体の腹側から股下を通って背側を覆うように配設され、
    前記一対の立体ギャザーの股下部の表面には、前記一対の本体側立体ギャザーの内面に着脱自在に止着される第1の止着部材が設けられ、
    前記バックシートの腹側部及び背側部の裏面には、前記おむつ本体の内面に着脱自在に止着される第2の止着部材がそれぞれ設けられていることを特徴とするインナー吸収性物品。
  2. 前記第1の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項に記載のインナー吸収性物品。
  3. 前記第2の止着部材には、その表裏を連通させる貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項に記載のインナー吸収性物品。
  4. 前記貫通穴は、幅方向に対して略直交する方向に延在するようにスリット状に形成されていることを特徴とする請求項又はに記載のインナー吸収性物品。
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