JP5589667B2 - 希土類焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)すなわち、本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、一種以上の希土類元素(以下「R」とも表す。)とホウ素(B)と鉄(Fe)を含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギーが前記磁石合金粉末中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(以下「Rm」とも表す。)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(以下「Rd」とも表す。)よりも大きい希土類元素である中間元素(以下「Rc」とも表す。)を、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備えることを特徴とする。
R2O3型酸化物の生成エネルギー(E2)がRmおよびRdよりも小さい希土類元素であるRcを、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法でもよい。
もし焼結体の内部で、Rdの酸化物よりも安定な別の酸化物(以下「安定酸化物」という。)が生成される状況にあると、Rdは焼結体の表面部等に捕捉されずに、より内部深くまで粒界拡散し得る。
(1)本発明は、上述した製造方法としてのみならず、その製造方法により得られた希土類焼結磁石としても把握される。また本発明は、その他、次のような希土類焼結磁石としても把握される。すなわち本発明は、一種以上のRとBとFeを含む磁石合金粒子が焼結した焼結体からなる希土類焼結磁石であって、前記焼結体の少なくとも表面部には、前記焼結した磁石合金粒子の外周囲に、R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギーが前記磁石合金粒子中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(Rm)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(Rd)よりも大きい希土類元素である中間元素(Rc)を含んだRc濃化部が存在することを特徴とする希土類焼結磁石であってもよい。
上述した本発明は、その一例として、RmをNdおよび/またはPr、RdをDyおよび/またはTb、RcをYとした場合、具体的には次のように表現される。先ず本発明は、Ndおよび/またはPrとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、Dyおよび/またはTbの拡散前の焼結体の少なくとも表面部にYを存在させる拡散予備工程を備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法と表現される。次に本発明は、Ndおよび/またはPrとBとFeを含む磁石合金粒子が焼結した焼結体からなる希土類焼結磁石であって、前記焼結体の少なくとも表面部には、前記焼結した磁石合金粒子の外周囲にYを含んだY濃化部が存在することを特徴とする希土類焼結磁石と表現される。
(1)本発明でいう各希土類元素の「R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギー(E1)」の大小は、希土類焼結磁石を構成するR2Fe14B型金属間化合物を電子線マイクロアナライザ(EPMA)で分析し、得られたEPMA像を各希土類元素について対比観察することにより判定できる。具体的にいえば、Raから主になるR2Fe14B型金属間化合物(主相)中に、少なくともRbが存在している様子がEPMA像から観察されるとき、E1の大小関係に基づき、主相中でRaとRbとの置換等が生じたと考えられるので、(RbのE1)<(RaのE1)と推定される。代表的な希土類元素の生成エネルギーE1の大小関係を挙げると、例えば、Y<Ho<Er<(Dy、Tb)<(Nd、Pr)となる。具体例を挙げると、E1の大小に関して、後述する図2A、図2Bおよび図5からY<Ndと推定でき、図3Aおよび図3BよりDy<Yと推定でき、図4Aおよび図4BよりDy<Ndと推定できる。これらを総合して、E1の大小は、Dy(Rd)<Y(Rc)<Nd(Rm)と推定される。
〈拡散予備工程〉
第一の拡散予備工程は、R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギーE1がRmとRdの中間であるRcを、焼結体の少なくとも表面部に存在させる工程である。第二の拡散予備工程は、R2O3 型酸化物の生成エネルギーE2がRmおよびRdよりも小さいRcを、焼結体の少なくとも表面部に存在させる工程である。両工程を併せて、適宜「拡散予備工程」という。Rcを焼結体の表面部へ存在させる方法は基本的に問わない。もっとも、希土類焼結磁石の製造から、拡散予備工程の具体的な方法として次のようなものが考えられる。
粉末混合法は、Rcを含むRc含有粒子からなるRc含有粉末を原料粉末中に混在させる混在工程により、拡散予備工程を行う方法である。これによりRc含有粒子をほぼ均一に分散させた成形体が得られ、その成形体を焼結させると、Rcが少なくとも表面部に存在する焼結体が得られる。なおRc含有粒子については後でまとめて説明する。
成形体付着法は、Rcを含むRc含有粒子を成形体の表面に付着させる成形体付着工程により、拡散予備工程を行う方法である。この工程後の成形体を焼結させることにより、焼結体の少なくとも表面部へRcを効率的に存在させ得る。Rc含有粒子を付着させる成形体の表面は、Rdの拡散方法やRdの拡散面などを考慮して定めるとよい。
焼結体付着法は、Rcを含むRc含有粒子を焼結体の表面に付着させる焼結体付着工程により拡散予備工程を行う方法である。この場合も成形体付着法の場合と同様、Rdの拡散方法やRdの拡散面などを考慮しつつ、Rdが集中し易い焼結体の少なくとも表面部へRcを効率的に存在させると好ましい。またRc含有粒子の焼結体への付着方法等は、前述したように成形体付着法の場合と同様に行える。
加熱工程を単独で行う場合であれば、例えば、600〜1000℃さらには700〜900℃で加熱すればよい。加熱温度が過小ではRcが焼結体内へ十分に導入されず、過大では加熱効率や磁気特性の低下を招く。
上述したRc含有粒子は、酸化物粒子、フッ化物粒子など種々あり得る。もっとも、Rc含有粒子は、RcF3またはRcF2等からなるRcフッ化物粒子であると好ましい。Rdの拡散前に、その拡散経路中にあるOが安定な酸フッ化物(安定酸化物の一種)として除去され得るからである。安定酸フッ化物として、例えば、Rc酸フッ化物(YOF等)またはRm酸フッ化物(NdOF等)がある。これらを適宜「R酸フッ化物」という。
Rcは、RmおよびRdの生成エネルギーE1または生成エネルギーE2を考慮して定められる。もっとも、希土類焼結磁石のRmはNdが一般的であり、RdにはDyやTbなどが多用されている。そうすると、Rcは、例えば、Y、スカンジウム(Sc)、エルビウム(Er)またはTbの一種以上であると好ましい。Y、Sc、Erなどは、通常、RmであるNdに対して飽和磁化も異方性磁界も小さいため、これまで希土類焼結磁石に用いられたことはないが、Rcとしては有効である。特に、RmがNdで、RdがDyで、RcがYであると、希土類焼結磁石の磁気特性もあまり低下しないので好ましい。
拡散工程は、焼結体内へ、DyやTb等のRdを拡散させる工程である。Rdの拡散には、磁石合金粒子または結晶粒の粒界へRdが拡散する粒界拡散と、主相内部にRdが拡散(固溶を含む)する内部拡散(体拡散)とがある。Rd量を抑制しつつ保磁力を向上させるには、体拡散を抑制しつつ粒界拡散を促進させることが必要となる。
(1)調製工程は原料粉末を調製する工程である。原料粉末は磁石合金粉末のみでも、Rc含有粉末(Rcフッ化物粉末を含む)やRcを含まないフッ化物粉末(第二フッ化物粉末)等を含んでいてもよい。複数種の粉末は、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー、ライカイ機、スパルタンリューザ(高速攪拌装置)などにより、酸化防止雰囲気中で均一に混合するとよい。
磁石合金粒子は、希土類元素の一種以上であるRとBと残部であるFeおよび不可避不純物を含む。磁石合金粒子は改質元素を含んでいてもよい。
原料粉末は、さらにRcフッ化物粒子とは別のフッ化物粒(第二フッ化物粒子)を含むと好適である。これにより、Rdの拡散経路上のOがRmOFなどとなって捕捉され、Rcの拡散性やRdの拡散性が一層向上する。
第二フッ化物粉末は種々あり得るが、Rmフッ化物粉末(RmF3またはRmF2)粉末が好適である。具体的には、磁石合金粉末が一般的なNdFeB系粉末である場合、ネオジムフッ化物(NdF3またはNdF2)粉末が好ましい。以下、その理由を具体的に説明する。
NdF3 +Nd2O3 → 3NdOF
(1)成形工程
成形工程は、原料粉末を加圧成形して成形体を得る工程である。成形圧力は問わないが、高密度で磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るために成形圧力は5〜50MPaであると好ましい。
焼結工程は、成形体を加熱して焼結体を得る工程である。この工程は、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気などの酸化防止雰囲気等でなされる。焼結温度は700〜1150℃さらには900〜1100℃であると好ましい。焼結温度が過小では焼結効率が低下し、焼結温度が過大では、溶融などの障害を生じ、磁気特性の低下等を招く。
本発明の希土類焼結磁石は、前述したように素材であっても最終製品またはそれに近い希土類焼結磁石であってもよい。この希土類焼結磁石の用途や形態は問わない。本発明の希土類焼結磁石は、例えば、電動機のロータまたはステータなどの各種電磁機器、磁気ディスクなどの磁気記録媒体、リニアアクチュエータ、リニアモータ、サーボモータ、スピーカー、発電機等に用いられる。
《試験1:EPMA観察》
異方性磁界(Ha)の高い拡散元素(Rd)を表面から拡散導入した種々のNdFeB系希土類焼結磁石(以下「焼結磁石」という。)を製造して試料とした。これら試料内における各元素の分布状況をEPMA観察した。それらの試料の製造方法とEPMA観察した結果について以下に詳しく説明する。
(1)表1に示す組成(Fe−x%R−1%B:単位は質量%)の磁石合金を鋳造した。この磁石合金を水素粉砕した後、さらにジェットミルで粉砕した。こうして得られた磁石合金粉末の組成および平均粒径D50(メジアン径)を表1に示した。なおジェットミルによる粉砕は窒素雰囲気で行った。
(1)表1に示す磁石合金粉末を前述した方法により用意した。この磁石合金粉末のみを用いて、前述した方法と同様にして成形体を得た。この成形体の表面に、表1に示すRcフッ化物粉末をスプレー塗布した(成形体塗布工程、成形体付着工程)。この際の塗布液として、Rcフッ化物粉末をアセトンに分散させた懸濁液(スラリー)を用いた。Rcフッ化物粒子(Rc含有粒子)の塗布量は表1に粉末換算で示した。
(1)表1に示す磁石合金粉末を前述した方法により用意した。この磁石合金粉末のみを用いて、前述した方法と同様にして成形体を得た。この成形体を前述した方法と同様に加熱して焼結体を得た。この焼結体を7x7x7mmの立方体に加工・研磨した。この加工後の焼結体の表面に前述したRcフッ化物粉末をスプレー塗布した(焼結体塗布工程、焼結体付着工程)。この際の塗布液として、Rcフッ化物粉末をアルコール(C2H6O)に分散させた懸濁液(スラリー)を用いた。Rcフッ化物粒子(Rc含有粒子)の塗布量は表1に粉末換算で示した。
(1)表1に示す磁石合金粉末を前述した方法により用意した。この磁石合金粉末に前述したNdF3粉末(第二フッ化物粉末)を加えてよく混合した。NdF3粉末の配合量は表1に示した。
この焼結体へ、さらに、Rdの拡散処理を施した(第二拡散工程)。この処理方法は前述した通りであり、加熱条件は表1に示した。
(1)Rdの拡散前の焼結体(粉末混合法)の場合、図2Aおよび図2Bに示すように、RcであるYが、Nd2Fe14B型結晶(主相)からなる磁石合金粒子の界面を被包するように、粒界に濃く分布している。また隣接する磁石合金粒子により形成される間隙部(三重点)でもYが濃く分布している。これらが本発明でいうRc濃化部に相当する。
一方、Yを導入しない焼結体へDyを拡散させた焼結磁石の場合、図4Aおよび図4Bに示すように、Dyがその表面部に過度に集中しており、内部には殆ど拡散していない。しかもその表面部では、Dyが主相内にまで侵入する体拡散が生じていた。つまり、Dyが保磁力の向上のために有効な粒界拡散をしていないことがわかった。
〈試料の製造〉
上述した方法を用いて、試料となるRdを拡散させた種々の希土類焼結磁石を製造し、それらの磁気特性(保磁力)を測定した。各試料の製造条件および磁気特性は表2に併せて示した。表2に示していない条件は、Rcの導入方法に関して対応する試料No.A1〜A4またはC1のいずれかと同様である。なお、Rdの拡散後に10−4Paの真空雰囲気で480℃x1時間の時効処理を行った。
(1)表2および図6より、希土類焼結磁石の保磁力は、Rdの拡散量が同じでも原料粉末中にRcを含むフッ化物粒子(Rc含有粉末)が混在することにより大幅に向上する。この傾向は、拡散処理時間(加熱時間)に応じてRdの拡散量が変化しても同様である。もっとも、Rc含有粉末による保磁力の向上効果は、Rdの拡散量が少ない場合ほど顕著である。従って、少量のRc含有粉末を原料粉末に混在させれば、Rdの使用量を抑制しつつ、希土類焼結磁石の保磁力を大幅に増加させることが可能となった。
Claims (15)
- 一種以上の希土類元素(以下「R」とも表す。)とホウ素(B)と鉄(Fe)を含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギー(E1)が前記磁石合金粉末中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(以下「Rm」とも表す。)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(以下「Rd」とも表す。)よりも大きい希土類元素である中間元素(以下「Rc」とも表す。)を、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記原料粉末中に混在させる混在工程であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - RとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R 2 Fe 14 B型金属間化合物の生成エネルギー(E1)が前記磁石合金粉末中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(Rm)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(Rd)よりも大きい希土類元素である中間元素(Rc)を、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記成形体の表面に付着させる成形体付着工程であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - 前記Rc含有粒子は、前記Rcのフッ化物(RcF 3 またはRcF 2 )からなるRcフッ化物粒子である請求項1または2に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- RとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R 2 Fe 14 B型金属間化合物の生成エネルギー(E1)が前記磁石合金粉末中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(Rm)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(Rd)よりも大きい希土類元素である中間元素(Rc)を、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記焼結体の表面に付着させる焼結体付着工程を含み、
該Rc含有粒子は、前記Rcのフッ化物(RcF 3 またはRcF 2 )からなるRcフッ化物粒子であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - 前記Rcは、R2O3型酸化物の生成エネルギー(E2)が前記Rmおよび前記Rdよりも小さい希土類元素である請求項1〜4のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- 前記Rmはネオジム(Nd)であり、
前記Rdはジスプロシウム(Dy)またはTbであり、
前記Rcはイットリウム(Y)である請求項1〜5のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。 - 前記原料粉末は、前記Rcと異なる希土類元素のフッ化物からなる第二フッ化物粒子をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- さらに、前記焼結体へ前記Rdを拡散させる拡散工程を備える請求項1〜7のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- RとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R2O3型酸化物の生成エネルギー(E2)がRmおよびRdよりも小さい希土類元素であるRcを、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記原料粉末中に混在させる混在工程であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - RとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R 2 O 3 型酸化物の生成エネルギー(E2)がRmおよびRdよりも小さい希土類元素であるRcを、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記成形体の表面に付着させる成形体付着工程であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - RとBとFeを含む磁石合金粉末を用いて原料粉末を調製する調製工程と、
該原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
該成形体を焼結させて焼結体を得る焼結工程とを備え、
該焼結体からなる希土類焼結磁石の製造方法であって、
R 2 O 3 型酸化物の生成エネルギー(E2)がRmおよびRdよりも小さい希土類元素であるRcを、該Rdの拡散前の焼結体の少なくとも表面部に存在させる拡散予備工程を備え、
該拡散予備工程は、該Rcを含むRc含有粒子を前記焼結体の表面に付着させる焼結体付着工程を含み、
該Rc含有粒子は、該Rcのフッ化物(RcF 3 またはRcF 2 )からなるRcフッ化物粒子であることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - 一種以上のRとBとFeを含む磁石合金粒子が焼結した焼結体からなる希土類焼結磁石であって、
前記焼結体の少なくとも表面部には、前記焼結した磁石合金粒子の外周囲に、R2Fe14B型金属間化合物の生成エネルギーが前記磁石合金粒子中に最も多く含まれる希土類元素である主元素(Rm)よりも小さく前記焼結体へ拡散させる希土類元素である拡散元素(Rd)よりも大きい希土類元素である中間元素(Rc)を含んだRc濃化部が存在し、
該Rc濃化部は、Rc酸フッ化物を含むことを特徴とする希土類焼結磁石。 - Rc酸フッ化物は、イットリウム酸フッ化物(YOF)である請求項12に記載の希土類焼結磁石。
- さらに、Rc濃化部は、ネオジム酸フッ化物(NdOF)を含む請求項12または13に記載の希土類焼結磁石。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする希土類焼結磁石。
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