JP5589331B2 - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両ボディに形成されたドア開口の開閉に係る車両ドアを駆動する車両用ドア開閉装置に関するものである。
従来、車両用ドア開閉装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用ドア開閉装置では、車両ボディ側に固定されたガイドレール(3)により、車両ドアが移動可能に支持されている。そして、車両ドア側に固定される駆動部材(6)により選択的に巻取り・繰出しされるケーブル(7)を備えており、該ケーブルの両端末は、ガイドレールの前端及び後端において車両ボディ側にそれぞれ連結されている。従って、駆動部材によりケーブルが選択的に巻取り・繰出しされると、車両ドアが開閉作動する。
特開2003−82927号公報
ところで、特許文献1の車両用ドア開閉装置では、車両ドア側から車両ボディ側へと引き込まれるケーブルを案内するために、車両ドア側に一対のプーリ(92,93)が回転自在に連結されている。これら両プーリは、車両幅方向に延びる互いに異なる回転軸を有して車両前後方向に並設されていることで、当該方向におけるこれら両プーリ全体の投影面積、即ち配置スペースの増大を余儀なくされている。また、両プーリは、個別の回転軸を中心に車両ドア側に回転自在に連結する必要があり、両プーリの周辺構造(回転軸等)が重複する分、部品点数の増大を余儀なくされている。
本発明の目的は、車両ドア側から車両ボディ側にケーブルを案内する一対のプーリの車両前後方向における配置スペースを削減し、且つ、部品点数を削減することができる車両用ドア開閉装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、前記車両ドア側に固定され、前記回転軸を支持する取付部材とを備え、前記第1及び第2プーリは、予め決められた所定面同士が対向するように前記回転軸の軸線方向に重ねられた状態で前記取付部材に回転自在に載置されており、前記第1及び第2プーリのいずれか一方からその軸線方向の範囲を超えて前記第1及び第2プーリのいずれか他方に向けて突設された凸部と、前記凸部に対向して前記第1及び第2プーリのいずれか他方に形成され、前記第1及び第2プーリの相対回転を許容する環状凹部とを備えたことを要旨とする。
同構成によれば、前記両端末をそれぞれ案内する前記第1及び第2プーリは、車両幅方向に並設されて、該車両幅方向に延びる共通の前記回転軸周りに回転自在に支持されていることで、例えば車両前後方向におけるこれら第1及び第2プーリ全体の投影面積、即ち配置スペースを削減することができる。また、前記第1及び第2プーリは、共通の前記回転軸周りに前記車両ドア側に回転自在に連結することができ、その分、部品点数を削減することができる。
同構成によれば、前記第1及び第2プーリは、予め決められた所定面同士が対向するように前記回転軸の軸線方向に重ねられた状態で前記取付部材に回転自在に載置されており、これら第1及び第2プーリのいずれか一方及び他方には、それらの相対回転を阻害することのない前記凸部及び前記環状凹部が配設されている。この場合、仮に前記凸部を有する第1又は第2プーリが逆向きに配置され、前記凸部が前記取付部材に向けて該取付部材に載置されたとする。このとき、前記凸部の突出分だけ、前記取付部材を基準にした前記第1及び第2プーリの前記回転軸の軸線方向の長さが長くなるため、前記回転軸の本来の長さではこれら第1及び第2プーリを支持できなくなってしまう。つまり、前記凸部を有する第1又は第2プーリが逆向きに配置されても、前記回転軸の長さ不足からその誤った組付けを認識することができ、信頼性を向上することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の車両用ドア開閉装置において、前記取付部材は、少なくとも該取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリの外周側に配置されるフランジを有し、前記取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリの有する案内溝の前記取付部材に近い側には、当該案内溝の前記取付部材から遠い側の外径及び前記取付部材から遠い側に配置される前記第1又は第2プーリの外径よりも外径の長く設定された大径部が設けられていることを要旨とする。
同構成によれば、仮に前記取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリが逆向きに配置され、前記大径部が前記取付部材から遠い側に配置されたとする。この場合、当該プーリの外周側に前記フランジが配置されることで、これらプーリ及びフランジ間の開放側から前記ケーブルを挿入して当該プーリに掛ける際に、前記ケーブルが前記大径部と干渉してこれを阻害又は不能にする。つまり、前記取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリが逆向きに配置されても、その後にケーブルを掛ける際の前記大径部との干渉からその誤った組付けを認識することができ、信頼性を更に向上することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の車両用ドア開閉装置において、前記取付部材に装着され、前記大径部を除く前記第1及び第2プーリの外周側を覆うカバー部材を備えたことを要旨とする。
同構成によれば、仮に前記大径部の設けられた前記第1又は第2プーリが前記取付部材から遠い側に配置されたとする。この場合、当該プーリの前記大径部が、前記取付部材に装着される前記カバー部材と干渉してその装着を阻害又は不能にする。従って、前記大径部の設けられた前記第1又は第2プーリが前記取付部材から遠い側に配置されても、その後に前記カバー部材を装着する際の前記大径部との干渉からその誤った組付けを認識することができ、信頼性を更に向上することができる。
請求項4に記載の発明は、車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、前記ドラム並びに前記第1及び第2プーリを一体的に収納するカバー部材とを備え、前記カバー部材は、車両幅方向に開口して前記ドラムと前記第1プーリとの間に掛け渡される前記ケーブル及び前記ドラムと前記第2プーリとの間に掛け渡される前記ケーブルを個別に収納する溝状の第1ケーブルカバー部及び第2ケーブルカバー部を有し、前記第1ケーブルカバー部の溝部及び前記第2ケーブルカバー部の溝部の各々は、前記第1プーリ及び前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルの各々の車両幅方向の位置に合わせて互いに異なる深さに設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、前記両端末をそれぞれ案内する前記第1及び第2プーリは、車両幅方向に並設されて、該車両幅方向に延びる共通の前記回転軸周りに回転自在に支持されていることで、例えば車両前後方向におけるこれら第1及び第2プーリ全体の投影面積、即ち配置スペースを削減することができる。また、前記第1及び第2プーリは、共通の前記回転軸周りに前記車両ドア側に回転自在に連結することができ、その分、部品点数を削減することができる。
同構成によれば、前記ドラム並びに前記第1及び第2プーリが、同一の前記カバー部材に一体的に収納されることで、一体性が増す分、これらドラム並びに第1及び第2プーリをよりコンパクトに配置することができる。そして、装置全体として前記車両ドア内における占有スペースを削減することができ、あるいは前記車両ドアにおける配置自由度を向上することができる。また、前記カバー部材に一体的に収納された前記ドラムと前記第1及び第2プーリとの間に掛け渡される前記ケーブルを直線状に配索することができるため、該ケーブルを案内するためのケーシングを割愛することができる。従って、部品点数及び組付工数を削減することができる。
同構成によれば、前記第1プーリ及び前記第2プーリに前記ケーブルが車両幅方向に入れ替わった位置で掛けられると、本来の車両幅方向の位置に合わせて深さの設定された前記第1及び第2ケーブルカバー部のいずれか一方が前記ケーブルと干渉して該ケーブルを収納不能となる。従って、前記第1プーリ及び前記第2プーリに前記ケーブルが車両幅方向に入れ替わった位置で掛けられていることを容易に認識することができ、該ケーブルの誤組付けを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、前記第1及び第2プーリを収納するカバー部材とを備え、前記カバー部材は、前記ドラムから巻取り・繰出しされ前記第1プーリに掛けられる前記ケーブル及び前記ドラムから巻取り・繰出しされ前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルを個別に収納する第1ケーブルカバー部及び第2ケーブルカバー部を有し、前記第1ケーブルカバー部における前記ケーブルの収納空間及び前記第2ケーブルカバー部における前記ケーブルの収納空間の各々は、前記第1プーリ及び前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルの各々の車両幅方向の位置に対応して車両幅方向の長さが互いに異なるように設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、前記両端末をそれぞれ案内する前記第1及び第2プーリは、車両幅方向に並設されて、該車両幅方向に延びる共通の前記回転軸周りに回転自在に支持されていることで、例えば車両前後方向におけるこれら第1及び第2プーリ全体の投影面積、即ち配置スペースを削減することができる。また、前記第1及び第2プーリは、共通の前記回転軸周りに前記車両ドア側に回転自在に連結することができ、その分、部品点数を削減することができる。
本発明では、車両ドア側から車両ボディ側にケーブルを案内する一対のプーリの車両前後方向における配置スペースを削減し、且つ、部品点数を削減することができる車両用ドア開閉装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図。 同実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す模式図。 同実施形態の誤組付け回避態様を説明する断面図。 本発明の第2の実施形態を示す正面図。 図5のA−A線に沿った断面図。 同実施形態の正面図。 (a)(b)は、図7のB−B線に沿った断面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図3は、本実施形態に係る車両用ドア開閉装置を示す模式図である。同図に示すように、車両ボディ10には、その側部に形成されたドア開口10aの上縁及び下縁に沿ってアッパレール11及びロアレール12が設置されるとともに、ドア開口10aの後方のクォータパネル10bにおいて前後方向に延在するセンターレール13が設置されている。そして、これらアッパレール11、ロアレール12及びセンターレール13には、ガイドローラユニット14を介して車両ドアとしてのスライドドア20が前後方向に移動可能に支持されている。このスライドドア20は、前後方向への移動に伴ってドア開口10aを開閉する。なお、クォータパネル10bには、センターレール13の下縁に沿ってその全長に亘ってケーブルガイド15が設置されている。
スライドドア20の内部下部には、駆動部材21が設置されている。この駆動部材21は、駆動モータ22、該駆動モータ22により回転駆動されるドラム23並びに該ドラム23に巻回されたケーブルとしての第1ケーブル24及び第2ケーブル25を有する。これら第1及び第2ケーブル24,25は、一方の端末がドラム23にそれぞれ係止された状態で該ドラム23に巻回されている。第1及び第2ケーブル24,25は、駆動部材21により選択的に巻取り・繰出しされる。
第1及び第2ケーブル24,25は、それぞれ、スライドドア20のドアインナパネルに、例えばボルト−ナットによる締結で固定された中継プーリ26と、センターレール13を移動するガイドローラユニット14に連結された案内プーリ27とを経てスライドドア20側から車両ボディ10側へと渡され、ケーブルガイド15に沿って前後方向に配索されている。なお、中継プーリ26及び案内プーリ27は、ドアベルトライン付近の後方位置及び更にその後方位置にそれぞれ配置されている。中継プーリ26は、ドアインナパネルを挟んだその車室内側及び車外側間で第1及び第2ケーブル24,25を液密的に渡すためのものである。
そして、第1ケーブル24は、ケーブルガイド15に案内されて前側に配索され、他方の端末に連結されたテンショナー28を介して、ケーブルガイド15の前端側で車両ボディ10側に、例えばボルト−ナットによる締結で連結されている。また、第2ケーブル25は、ケーブルガイド15に案内されて後側に配索され、他方の端末に連結されたテンショナー29を介して、ケーブルガイド15の後端側で車両ボディ10側に、例えばボルト−ナットによる締結で連結されている。
このような構成にあって、例えば駆動部材21により第1ケーブル24を繰り出しつつ第2ケーブル25を巻き取ると、スライドドア20はドア開口10aを開放すべく後方に移動する。一方、駆動部材21により第1ケーブル24を巻き取りつつ第2ケーブル25を繰り出すと、スライドドア20はドア開口10aを閉鎖すべく前方に移動する。
次に、中継プーリ26について更に説明する。
図1は、中継プーリ26を示す分解斜視図であり、図2は、その縦断面図である。図1に示されるように、中継プーリ26は、例えば金属板にて略P字状に成形された取付部材としてのベースプレート31を備える。このベースプレート31は、車両高さ方向に延在して前記ドラム23から延びる第1及び第2ケーブル24,25の出入口を構成するガイド壁31aを有するとともに、該ガイド壁31aの上端に連続して略D字状に広がる支持壁31bを有し、更に該支持壁31b及びガイド壁31aの繋がる上端縁に連続して車両幅方向外側(支持壁31bに直交する上側)に延出するフランジ31cを有する。なお、ベースプレート31は、その略P字の外側に舌片状に延出する複数の取付部31dを有する。ベースプレート31は、これら取付部31dを貫通するボルトによって、スライドドア20のドアインナパネルに締結される。
図2に示されるように、前記支持壁31bには、その直交方向(即ち車両幅方向)に延びる略円柱状の回転軸32が抜け止め・固定されている。すなわち、回転軸32は、支持壁31bに対向する軸線方向一側の端部が縮径されてなる縮径部32aを有するとともに、支持壁31bを貫通する縮径部32aの先端部がカシメにより圧潰されてなる拡径部32bを有する。これにより、回転軸32は、縮径部32a基端の段差及び拡径部32bにて支持壁31bを挟み込む態様で該支持壁31bに固定されている。
また、回転軸32は、支持壁31bから離隔する軸線方向他側の先端から径方向外側に延出されてなる円盤状の係止フランジ32cを有する。そして、この回転軸32には、支持壁31b及び係止フランジ32c間に挟まれる状態でその軸線方向(即ち車両幅方向)に並設された第1プーリ33及び第2プーリ34が、ベアリング35,36を介して回転自在に支持されている。なお、ベアリング35,36は、いわゆる転がり軸受であって、各々の内輪(内レース)が回転軸32に圧入され、支持壁31b及び係止フランジ32cに係止されることで回転軸32に抜け止め・支持されている。
第1プーリ33は、ベースプレート31(支持壁31b)に近い側に配置されたベアリング35の外輪(外レース)に圧入されており、その案内溝33aにはドラム23から巻取り・繰出しされる第1ケーブル24が案内される態様で掛けられている。そして、案内溝33aのベースプレート31に近い側には、当該案内溝33aのベースプレート31から遠い側の外径よりも外径の長く設定された大径部33bが設けられている。この大径部33bと前記フランジ31cとにより形成される隙間は、第1ケーブル24の侵入を阻害又は不能にする幅に設定されている。また、第1プーリ33には、その軸線方向の範囲を超えて第2プーリ34に向けて突設された円環状の凸部33cが形成されている。さらに、第1プーリ33には、ベアリング35の外輪のベアリング36に対向する端面に沿って内周側に延出する円環状の内側フランジ33dが形成されている。なお、前記フランジ31cは、案内溝33aの外周側に配置されている。
一方、第2プーリ34は、ベースプレート31(支持壁31b)から遠い側に配置されたベアリング36の外輪に圧入されており、その案内溝34aにはドラム23から巻取り・繰出しされる第2ケーブル25が案内される態様で掛けられている。第2プーリ34の外径は、前記案内溝33aのベースプレート31から遠い側の外径と同等に設定されている。また、第2プーリ34には、前記凸部33cに対向して円環状の環状凹部34bが形成されている。第1及び第2プーリ33,34は、環状凹部34bに凸部33cが遊挿されることで、互いに干渉することなく相対回転が許容されている。つまり、第1及び第2プーリ33,34は、凸部33c及び環状凹部34bの形成された予め決められた所定面同士が対向するように回転軸32の軸線方向に重ねられた状態で、ベースプレート31に回転自在に載置されている。さらに、第2プーリ34には、前記内側フランジ33d上でベアリング36の外輪のベアリング35に対向する端面に沿って内周側に延出する円環状の内側フランジ34cが形成されている。
従って、第1及び第2プーリ33,34は、回転軸32に抜け止めされたベアリング35,36の両外輪間に内側フランジ33d,34cが挟まれることで回転軸32に抜け止め・固定されている。なお、第1及び第2プーリ33,34は、内側フランジ33d,34cにおいて摺接又は近接するものの、案内溝33a,34aの形成された外周部間に間隙が設定されて、円滑な相対回転が許容されている。
図1に示されるように、第1及び第2プーリ33,34等の組み付けられたベースプレート31には、例えば樹脂材からなるカバー部材37が装着される。このカバー部材37は、ベースプレート31の外形に合わせて略P字状に成形された天板部37aを有するとともに、該天板部37aの幅方向両側縁部からベースプレート31に向けて立設された側壁部37b,37cを有する。カバー部材37は、これら側壁部37b,37cがフランジ31c及び取付部31dの内側に配置される状態でベースプレート31に重ねられ、回転軸32の軸線方向に沿って天板部37aを貫通するねじ38が回転軸32に形成されたねじ穴39に締め付けられることで固定される。このとき、図1に示されるように、カバー部材37の側壁部37bは、前記大径部33bを除く第1及び第2プーリ33,34の外周側を覆う。これにより、カバー部材37は、ベースプレート31のフランジ31cと協働して、第1及び第2プーリ33,34に掛けられた第1及び第2ケーブル24,25の案内溝33a,34aからの外れ等を防止する。
このような構成を有する中継プーリ26の組付けに際しては、先ず、第1プーリ33の内側フランジ33dがベアリング35の外輪に係止されるまで第1プーリ33をベアリング35に圧入するとともに、第2プーリ34の内側フランジ34cがベアリング36の外輪に係止されるまで第2プーリ34をベアリング36に圧入する。
続いて、ベアリング36に圧入された第2プーリ34を、環状凹部34b及び内側フランジ34cが係止フランジ32cの反対側に来るように配置して、ベアリング36(内輪)を、回転軸32の縮径部32a側から係止フランジ32cに係止されるまで回転軸32に圧入する。そして、ベアリング35に圧入された第1プーリ33を、凸部33c及び内側フランジ33dが第2プーリ34側に来るように配置して、ベアリング35(内輪)を、回転軸32の縮径部32a側から内側フランジ33d,34cが当接又は近接するまで回転軸32に圧入する。
この状態で、ベースプレート31(支持壁31b)に回転軸32等を載置するとともに、該回転軸32の支持壁31bを貫通する縮径部32aの先端部をカシメにより圧潰して拡径部32bを形成する。これにより、回転軸32は、ベースプレート31から抜け止めされ、支持壁31b及び係止フランジ32c間に挟んだベアリング35,36を介して第1及び第2プーリ33,34を回転自在に支持する。
次いで、第1及び第2プーリ33,34に第1及び第2ケーブル24,25を掛ける。そして、第1及び第2プーリ33,34並びに第1及び第2ケーブル24,25等の組み付けられたベースプレート31に前記カバー部材37を装着・固定する。このとき、前記大径部33bを除く第1及び第2プーリ33,34の外周側は、カバー部材37の側壁部37bに覆われる。従って、第1及び第2プーリ33,34に掛けられた第1及び第2ケーブル24,25は、前記フランジ31c及び側壁部37bの協働によって案内溝33a,34aからの外れ等が防止される。
なお、図4に示されるように、仮に第1及び第2プーリ33,34及びベアリング35,36全体が上下逆向きで回転軸32(及びベースプレート31)に誤組付けされたとする。このとき、第1プーリ33の大径部33bは、ベースプレート31から最も離れた位置、即ちベースプレート31に装着されるカバー部材37に最も近い位置に配置される。この場合、カバー部材37は、側壁部37bが大径部33bと干渉してベースプレート31に装着不能又は困難になることで、前述の誤組付けが認識される。従って、このように誤組付けされた不良品が発見されることなく出荷等されることを回避することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第1及び第2ケーブル24,25の端末をそれぞれ案内する第1及び第2プーリ33,34は、車両幅方向に並設されて、該車両幅方向に延びる共通の回転軸32周りに回転自在に支持されていることで、例えば車両前後方向におけるこれら第1及び第2プーリ33,34全体の投影面積、即ち配置スペースを削減することができる。また、第1及び第2プーリ33,34は、共通の回転軸32周りにスライドドア20側に回転自在に連結することができ、カバー部材37及びねじ38とともに単品で済む分、部品点数を削減することができる。
(2)本実施形態では、第1及び第2プーリ33,34は、予め決められた所定面同士が対向するように回転軸32の軸線方向に重ねられた状態でベースプレート31に回転自在に載置されており、これら第1及び第2プーリ33,34には、それらの相対回転を阻害することのない凸部33c及び環状凹部34bが配設されている。この場合、仮に第1プーリ33が表裏逆向きに配置され、凸部33cがベースプレート31に向けて該ベースプレート31に載置されたとする。このとき、凸部33cの突出分だけ、ベースプレート31を基準にした第1及び第2プーリ33,34の回転軸方向の長さが長くなるため、回転軸32の本来の長さではこれら第1及び第2プーリ33,34を支持できなくなってしまう。すなわち、ベースプレート31(支持壁31b)を貫通する縮径部32aの出代が不足して拡径部32bを成形できなくなる。従って、第1プーリ33が表裏逆向きに配置されても、回転軸32の長さ不足からその誤組付けを認識することができ、信頼性を向上することができる。特に、拡径部32bの成形前に誤組付けを認識することができるため、構成部品の損失を軽減することができる。
なお、このような回転軸32の長さ不足による誤組付けの認識は、正常に配置された第1プーリ33に対し、第2プーリ34が表裏逆向きに配置された場合であっても、同様に可能である。
(3)本実施形態では、第1プーリ33の有する案内溝33aのベースプレート31に近い側に大径部33bが設けられていることで、仮に第1プーリ33が表裏逆向きに配置され、大径部33bがベースプレート31から遠い側に配置されると、第1プーリ33の外周側にフランジ31cが配置されることで、これら第1プーリ33及びフランジ31c間の開放側から第1ケーブル24を挿入して第1プーリ33に掛ける際に、第1ケーブル24が大径部33bと干渉してこれを阻害又は不能にする。つまり、第1プーリ33が表裏逆向きに配置されても、その後に第1ケーブル24を掛ける際の大径部33bとの干渉からその誤った組付けを認識することができ、信頼性を更に向上することができる。
(4)本実施形態では、ベースプレート31に、大径部33bを除く第1及び第2プーリ33,34の外周側を覆うカバー部材37が装着されることで、仮に第1プーリ33がベースプレート31から遠い側に配置されると、大径部33bがカバー部材37(側壁部37b)と干渉してその装着を阻害又は不能にする。従って、第1プーリ33がベースプレート31から遠い側に配置されても、その後にカバー部材37を装着する際の大径部33bとの干渉からその誤った組付けを認識することができ、信頼性を更に向上することができる。
(5)本実施形態では、第1プーリ33の外周側にフランジ31cが配置されることで、案内溝33aに第1及び第2ケーブル24,25が重なって掛けられることをフランジ31cによって抑制することができる。一方、案内溝34aに第1及び第2ケーブル24,25が重なって掛けられると、カバー部材37(側壁部37b)が干渉してベースプレート31に装着できなくなり、その不具合を認識することができる。
(6)本実施形態では、ドアベルトライン付近の後方位置に配置される中継プーリ26(第1及び第2プーリ33,34)の車両前後方向における配置スペースを削減したことで、該中継プーリ26の外部への露出をより確実に防止することができる。特に、中継プーリ26をスライドドア20の窓枠を構成するドアフレームの基端部付近に配置できれば、該ドアフレームを装飾するガーニッシュが比較的小面積であっても中継プーリ26を確実に隠すことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、ドラム及び中継プーリ(第1及び第2プーリ)を単独のカバー部材に一体的に収納したことが前記第1の実施形態と異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態では、スライドドア20のドアインナパネルに取着されるドア側ユニット40を備える。このドア側ユニット40は、例えば金属板からなり、概ね車両高さ方向に延在するブラケット41を備える。このブラケット41は、例えばボルト−ナットによる締結でドアインナパネルに固定されており、その上部後端部に後方に向かうに従ってドア厚さ方向(紙面に直交する手前側)に変位する傾斜部41aを有する。
ブラケット41の下端部には、例えばボルト−ナットによる締結で前記駆動部材21が固定されている。この駆動部材21は、前記ドラム23がブラケット41の下部に配置される態様で該ブラケット41に取着されている。そして、ドラム23にケーブルとしての第1ケーブル61及び第2ケーブル62が巻回されている。すなわち、これら第1及び第2ケーブル61,62は、一方の端末がドラム23にそれぞれ係止された状態で該ドラム23に巻回されている。第1及び第2ケーブル61,62は、駆動部材21により選択的に巻取り・繰出しされる。
一方、駆動部材21近傍の上側となるブラケット41の上端部には、前記傾斜部41aの前側で中継プーリ50が取着されている。すなわち、この中継プーリ50は、例えば金属板にて略皿状に成形され、ボルト−ナットによる締結でブラケット41に固定されたベースプレート51を備える。図6に図5のA−A線に沿った断面図を示したように、ベースプレート51には、その直交方向(即ち車両幅方向)に延びる略円柱状の回転軸52がブラケット41ともども挿通されている。この回転軸52には、その軸線方向(即ち車両幅方向)に並設された第1プーリ53及び第2プーリ54が回転自在に支持されている。これら第1及び第2プーリ53,54は、回転軸52の軸線方向に重ねられた状態で相対回転が許容されており、各々の外径は互いに同等に設定されている。なお、回転軸52のブラケット41を貫通する一方の端部は、略鍋形に拡径された係止フランジ52aを有しており、第2プーリ54を貫通する他方の端部は、カシメにより圧潰されてなる略円錐台状の拡径部52bを有する。従って、第1及び第2プーリ53,54は、係止フランジ52a(ベースプレート51)及び拡径部52b間に挟まれる態様で、回転軸52に抜け止め・支持されている。
ベースプレート51(ブラケット41)に近い側に配置された第1プーリ53には、ドラム23から巻取り・繰出しされる第1ケーブル61が案内される態様で掛けられている。また、ベースプレート51(ブラケット41)から遠い側に配置された第2プーリ54には、ドラム23から巻取り・繰出しされる第2ケーブル62が案内される態様で掛けられている。図5に示すように、第1及び第2ケーブル61,62は、共に第1及び第2プーリ53,54の前側から図示時計回転方向に掛けられており、ドラム23と第1及び第2プーリ61,62との間において、回転軸52の軸方向に見て略逆V字をなすように配置されている。つまり、ドラム23と第1及び第2プーリ53,54との間に掛け渡される第1及び第2ケーブル61,62は、ケーシングによって案内されることなく剥き出しのまま、直線状に配索されている。そして、図6に示すように、第1及び第2ケーブル61,62は、前記傾斜部41aに形成された透孔41b及び筒状のケーブル挿通部材44を通ってスライドドア20側から車両ボディ10側へと渡される。
ここで、透孔41b(ケーブル挿通部材44の開口部)には、該透孔41bを閉塞する態様で、例えばゴム材からなる有底筒状のシール部材45が挿入・装着されている。従って、ブラケット41の傾斜部41aを挟んだその前側の空間(即ち第1及び第2プーリ53,54の配置空間)は、透孔41b、シール部材45の装着されたケーブル挿通部材44等を経てスライドドア20の外側、即ち車両ボディ10側に連通している。そして、第1及び第2プーリ53,54に掛けられた第1及び第2ケーブル61,62は、透孔41b及びケーブル挿通部材44等を経てスライドドア20の外側に導かれている。この際、シール部材45には、第1及び第2ケーブル61,62が液密的に貫通することで第1及び第2プーリ53,54の配置空間側(ブラケット41側)への浸水が抑制されている。
なお、スライドドア20の外側に導かれた第1及び第2ケーブル61,62が、前記案内プーリ27を経てスライドドア20側から車両ボディ10側へと渡され、ケーブルガイド15に沿って前後方向に配索等されることは前記第1の実施形態と同様である。ドア側ユニット40(第1及び第2プーリ53,54等)が、センターレール13の車両高さ位置に基づいて配置されていることはいうまでもない。そして、例えば駆動部材21により第1ケーブル61を繰り出しつつ第2ケーブル62を巻き取ると、スライドドア20はドア開口10aを開放すべく後方に移動する。一方、駆動部材21により第1ケーブル61を巻き取りつつ第2ケーブル62を繰り出すと、スライドドア20はドア開口10aを閉鎖すべく前方に移動する。
図7に示すように、ドラム23及び第1及び第2プーリ53,54等の組み付けられたブラケット41には、例えば樹脂材からなるカバー部材57が取着されている。このカバー部材57は、基本的にブラケット41に対向する車両幅方向(紙面に直交する奥側)に開口しており、ドラム23を回転自在に収容する略有蓋円筒状のドラムカバー部57aと、第1及び第2プーリ53,54を回転自在に収容する略有蓋円筒状のプーリカバー部57bと、ドラム23及び第1プーリ53間で第1ケーブル61を収容する略U字溝状の第1ケーブルカバー部57cと、ドラム23及び第2プーリ54間で第2ケーブル62を収容する略U字溝状の第2ケーブルカバー部57dとを一体的に有する。これらドラムカバー部57a、プーリカバー部57b、第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dは、配策される第1及び第2ケーブル61,62と干渉しないように相互に連通している。また、カバー部材57は、ドラムカバー部57aのプーリカバー部57bから離隔する外周側に延出する取付片57eを有するとともに、ドラムカバー部57a近傍で第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dから互いの相反する側に延出する取付片57f,57gを有する。
回転軸52の軸線方向(即ち車両幅方向)にブラケット41等に重ねられたカバー部材57は、例えばねじにより、取付片57eにおいて駆動部材21に締結され、取付片57f,57gにおいてブラケット41に締結され、プーリカバー部57bの中心部において回転軸52に締結されることで固定される。そして、ドラム23、第1及び第2プーリ53,54、並びにドラム23と第1及び第2プーリ53,54との間に掛け渡される第1及び第2ケーブル61,62は、ブラケット41に取着されるカバー部材57によって全体が覆われることで、これらの一体性が増している。また、カバー部材57は、プーリカバー部57bにおいて第1及び第2プーリ53,54の外周側を覆うことで、該第1及び第2プーリ53,54に掛けられた第1及び第2ケーブル61,62の外れ等を抑制するとともに、第1及び第2ケーブルカバー部57c,57d内に第1及び第2ケーブル61,62を配索することで、各々の横ぶれ等を抑制する。
なお、プーリカバー部57bの蓋壁には、第1及び第2ケーブル61,62が交差する第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dの近傍で、略逆V字状の覗き窓58が開口する。従って、第1及び第2ケーブル61,62の交差異常(絡まりなど)が覗き窓58を通じて視認可能となっている。
ここで、図8(a)に図7のB−B線に沿った断面図を示したように、第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dの各々が形成する溝部S1,S2は、特にプーリカバー部57bの近傍で回転軸52の軸線方向に高低差を有して配索される第1及び第2ケーブル61,62に合わせた深さ(開口端からの距離)D1,D2を有する。すなわち、ブラケット41に近い第1プーリ53に掛けられる第1ケーブル61を収容する溝部S1の深さD1は、ブラケット41から遠い第2プーリ54に掛けられる第2ケーブル62を収容する溝部S2の深さD2よりも小さく設定されている。また、溝部S1の深さD1は、第2プーリ54に掛けられる第2ケーブル62のブラケット41からの距離Lよりも小さく設定されている。従って、図8(b)に示したように、仮に第1及び第2ケーブル61,62が上下で入れ替わって第2及び第1プーリ54,53にそれぞれ掛けられたとすると、溝部S1の底面がベースプレート51から距離Lで配置される第1ケーブル61と干渉して、カバー部材57が距離Δ分だけ不完全な装着となる。これにより、中継プーリ50(第1及び第2プーリ53,54)に対する第1及び第2ケーブル61,62の誤組付けが認識される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ドラム23並びに第1及び第2プーリ53,54が、同一のカバー部材57に一体的に収納されることで、一体性が増す分、これらドラム23並びに第1及び第2プーリ53,54をよりコンパクトに配置することができる。そして、装置全体としてスライドドア20内における占有スペースを削減することができ、あるいはスライドドア20における配置自由度を向上することができる。また、カバー部材57に一体的に収納されたドラム23と第1及び第2プーリ53,54との間に掛け渡される第1及び第2ケーブル61,62を直線状に配索することができるため、該ケーブル61,62を案内するためのケーシングを割愛することができる。従って、部品点数及び組付工数を削減することができ、ひいてはコストを削減することができる。
(2)本実施形態では、第1及び第2ケーブルカバー部57c,57d(溝部S1,S2)の各々は、第1及び第2プーリ53,54に掛けられる第1及び第2ケーブル61,62の各々の車両幅方向の位置に合わせて互いに異なる深さD1,D2に設定されている。従って、第1及び第2プーリ53,54に第1及び第2ケーブル61,62が車両幅方向に入れ替わった位置で掛けられると、本来の車両幅方向の位置に合わせて深さD1,D2の設定された第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dのうち、第1ケーブルカバー部57cが第1ケーブル61と干渉して該第1ケーブル61を収納不能となる。従って、第1及び第2プーリ53,54に第1及び第2ケーブル61,62が車両幅方向に入れ替わった位置で掛けられていることを容易に認識することができ、該ケーブル61,62の誤組付けを抑制することができる。
(3)本実施形態では、例えばドラム23、第1及び第2プーリ53,54等をそれぞれ個別のカバー部材で覆う場合に比べて部品点数を削減することができる。
(4)本実施形態では、上下方向(車両高さ方向)に並設された駆動部材21並びに第1及び第2プーリ53,54が、同一のブラケット41に集約して設置されることで、これらの一体性を更に増すことができる。
(5)本実施形態では、ドラム23、第1及び第2プーリ53,54、並びにドラム23と第1及び第2プーリ53,54との間に掛け渡される第1及び第2ケーブル61,62は、ドラムカバー部57a、プーリカバー部57b、並びに第1及び第2ケーブルカバー部57c,57dにより個別に覆われることで、例えば第1及び第2ケーブル61,62の絡まりを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1の実施形態において、第1プーリ33の凸部は、該第1プーリ33の所定角度位置に一つ以上配設したものであってもよい。ただし、第1プーリ33の周方向に等角度間隔に配設した複数の凸部であることがより好ましい。
・前記第1の実施形態において、第1プーリ33に環状凹部を設け、第2プーリ34に凸部を設けてもよい。
・前記第2の実施形態において、ドラム23、第1及び第2プーリ53,54、並びにドラム23と第1及び第2プーリ53,54との間に掛け渡される第1及び第2ケーブル61,62を全体的に覆う箱形のカバー部材であってもよい。
・前記各実施形態においては、第1ケーブル24(61)及び第2ケーブル25(62)の2本のケーブルを使用しているが、ドラム23で繋がる1本のケーブルであってもよい。
10…車両ボディ、10a…ドア開口、20…スライドドア(車両ドア)、21…駆動部材、22…駆動モータ(駆動源)、23…ドラム、24,61…第1ケーブル(ケーブル)、25,62…第2ケーブル(ケーブル)、31…ベースプレート(取付部材)、31c…フランジ、32,52…回転軸、33,53…第1プーリ、33a,34a…案内溝、33b…大径部、33c…凸部、34,54…第2プーリ、34b…環状凹部、37,57…カバー部材。

Claims (5)

  1. 車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、
    前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、
    前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、
    前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、
    前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、
    前記車両ドア側に固定され、前記回転軸を支持する取付部材を備え、
    前記第1及び第2プーリは、予め決められた所定面同士が対向するように前記回転軸の軸線方向に重ねられた状態で前記取付部材に回転自在に載置されており、
    前記第1及び第2プーリのいずれか一方からその軸線方向の範囲を超えて前記第1及び第2プーリのいずれか他方に向けて突設された凸部と、
    前記凸部に対向して前記第1及び第2プーリのいずれか他方に形成され、前記第1及び第2プーリの相対回転を許容する環状凹部とを備えたことを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  2. 請求項に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記取付部材は、少なくとも該取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリの外周側に配置されるフランジを有し、
    前記取付部材に近い側に配置される前記第1又は第2プーリの有する案内溝の前記取付部材に近い側には、当該案内溝の前記取付部材から遠い側の外径及び前記取付部材から遠い側に配置される前記第1又は第2プーリの外径よりも外径の長く設定された大径部が設けられていることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  3. 請求項に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記取付部材に装着され、前記大径部を除く前記第1及び第2プーリの外周側を覆うカバー部材を備えたことを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  4. 車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、
    前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、
    前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、
    前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、
    前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、
    前記ドラム並びに前記第1及び第2プーリを一体的に収納するカバー部材とを備え、
    前記カバー部材は、車両幅方向に開口して前記ドラムと前記第1プーリとの間に掛け渡される前記ケーブル及び前記ドラムと前記第2プーリとの間に掛け渡される前記ケーブルを個別に収納する溝状の第1ケーブルカバー部及び第2ケーブルカバー部を有し、
    前記第1ケーブルカバー部の溝部及び前記第2ケーブルカバー部の溝部の各々は、前記第1プーリ及び前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルの各々の車両幅方向の位置に合わせて互いに異なる深さに設定されていることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  5. 車両ボディに形成されたドア開口を開閉する車両ドア側に固定され、駆動源、該駆動源により回転駆動されるドラム及び該ドラムに巻回されたケーブルを有する駆動部材を備え、
    前記車両ボディ側に両端末の連結された前記ケーブルを前記駆動部材により選択的に巻取り・繰出しすることで前記車両ドアを開閉作動させる車両用ドア開閉装置において、
    前記車両ドア側に固定され、車両幅方向に延びる回転軸と、
    前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される一方の前記端末を案内する第1プーリと、
    前記第1プーリに車両幅方向で並設されて前記回転軸周りに回転自在に支持され、前記ドラムから巻取り・繰出しされる前記ケーブルが掛けられて前記車両ボディ側に連結される他方の前記端末を案内する第2プーリと、
    前記第1及び第2プーリを収納するカバー部材とを備え、
    前記カバー部材は、前記ドラムから巻取り・繰出しされ前記第1プーリに掛けられる前記ケーブル及び前記ドラムから巻取り・繰出しされ前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルを個別に収納する第1ケーブルカバー部及び第2ケーブルカバー部を有し、
    前記第1ケーブルカバー部における前記ケーブルの収納空間及び前記第2ケーブルカバー部における前記ケーブルの収納空間の各々は、前記第1プーリ及び前記第2プーリに掛けられる前記ケーブルの各々の車両幅方向の位置に対応して車両幅方向の長さが互いに異なるように設定されていることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
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