JP5589242B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5589242B2
JP5589242B2 JP2010153951A JP2010153951A JP5589242B2 JP 5589242 B2 JP5589242 B2 JP 5589242B2 JP 2010153951 A JP2010153951 A JP 2010153951A JP 2010153951 A JP2010153951 A JP 2010153951A JP 5589242 B2 JP5589242 B2 JP 5589242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
coating
downstream
upstream
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010153951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012016641A (ja
Inventor
正明 辰谷
Original Assignee
株式会社暁機械製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社暁機械製作所 filed Critical 株式会社暁機械製作所
Priority to JP2010153951A priority Critical patent/JP5589242B2/ja
Publication of JP2012016641A publication Critical patent/JP2012016641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5589242B2 publication Critical patent/JP5589242B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、塗布液を保持して回転駆動するグラビアロールと長手方向に移動する帯状の基材とを接触させた状態で基材に塗布液を塗布する塗布装置に関する。
上記塗布装置は、横軸心周りの複数のガイドロールを備えて、長手方向に沿う送り方向に送り出される基材を巻回経路に沿って案内する巻回案内手段を備えている。そして、この巻回案内手段により案内される状態で送り出される基材と、塗布液供給手段により外周面に供給される塗布液を膜状に保持した状態で回転駆動するグラビアロールとを接触させることで、基材に塗布液が塗布され、基材の送り方向で接触箇所の下流側において基材に塗層が形成される。
また、上記塗布装置は、グラビアロールの外周面と基材とを接触させて接触箇所で塗布液を基材に塗布する塗布動作状態と、グラビアロールの外周面と基材とを離間させて塗布液を基材に塗布しない塗布停止状態とに切り換え自在な塗布状態切換手段が備えられている。これにより、例えば、塗布作業を開始するまでは塗布停止状態としておき、塗布作業を開始するときに塗布動作状態に切り換えて塗布作業を行い、塗布作業を終了するときに再び塗布停止状態に戻すといったように、塗布作業の開始及び終了を適切に行って、基材の所望の範囲に塗布液を塗布することができるようになっている。また、このような塗布作業の開始及び終了を繰り返すことで、帯状の基材に間欠的に塗布液を塗布できるようになっている。
従来の塗布装置では、塗布状態切換手段は、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触終了位置側から接触開始位置側へ向けて、グラビアロールと基材とを離間移動させるように構成されている(例えば、特許文献1(図1、図5)参照。)。従来の塗布装置では、図13(a)に示すように、一定位置の横軸心周りにグラビアロール3が回転駆動自在に支持されており、横軸心周りの複数のガイドロール101〜104により長手方向に沿う送り方向に送り出される帯状の基材2が、接触箇所の送り方向で下流側に位置する下流側ガイドローラ102をグラビアロール3に近接させることで、グラビアロール3に基材2が接触して塗布動作状態となっている。そして、図13(b)に示すように、下流側ガイドローラ102をグラビアロール3から上方に離間させるとともに、補助下流側ガイドローラ103を下方に移動させることで塗布停止状態としている。そのため、特許文献1の塗布装置では、塗布状態切換手段は、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触終了位置側から接触開始位置側へ向けて、グラビアロール3と基材2とが離間移動することになる。
また、上記塗布装置においては、塗布動作状態であると、図13に示すように、グラビアロール3の横軸心方向視で接触箇所の下流側箇所において液溜りが形成されている。これは、接触箇所における基材の送り方向とグラビアロールの回転方向とが逆方向に設定されていることから、グラビアロールの外周面に保持されている塗布液が接触箇所よりも下流側に滞留することで形成される。なお、接触箇所ではグラビアロールと基材との隙間に塗布液が介在することができる程度の接触状態となっており、グラビアロールの外周面に沿ってグラビアロールと基材との隙間を流動させることにより、グラビアロールと基材とが直接には接触しない状態を維持して、基材の損傷の防止を図っている。
ところで、グラビアロールと基材との接触により基材に塗布される塗布液の膜厚等の塗布状態は、上述した塗布液の液溜りの大きさ、形状、流動状態等を調整することで所望の状態に設定される。液溜りの大きさ、形状、流動状態等が適切に調整されていない場合、塗膜の膜厚にムラが生じたり、塗膜切れやピンホールが形成されたりといった諸々の問題が生じるおそれがある。そのため、基本的には、この液溜りは良好な塗布状態を維持できる最小の大きさに運転条件が設定される。
液溜りの大きさ、形状、流動状態等は、グラビアロールの外周面に保持させる塗布液の量、グラビアロールと基材との接触状態、接触箇所におけるグラビアロールの回転速度、基材の張力や送り出し速度、装置の設置姿勢、塗布時の気温や湿度などの様々な要素により決定する。そのため、上記塗布装置では、塗布動作状態で接触箇所の下流側箇所に適切な液溜りが形成されるように、各種の調整が予め行われる。
特開2009−262070号公報
上記従来の塗布装置では、上述の通り、基材の送り方向で接触箇所の下流側箇所に液溜りが形成された塗布動作状態で基材に対する塗布液の塗布が行われる。そして、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触終了位置側から接触開始位置側へ向けて、グラビアロールと基材とを離間移動させるので、図13(a)に示すように、塗布動作状態において液溜りを形成していた塗布液が、図13(b)に示すように、送り方向に移動する基材に付着したまま残留し、グラビアロールと基材とが離間する際に基材に付着した状態で送り方向で下流側に移動することになる。
この現象の発生原理は、次のように考えられる。すなわち、液溜りにおけるグラビアロールの外周面と基材との間に位置する表面部分は、メニスカス状に形成されている。塗布動作状態におけるメニスカス形状は、表面部分における基材側では、塗布液の表面張力と移動する基材により塗布液が引っ張られる力とがバランスした状態の形状となっていると考えられる。この状態から、送り方向で下流側の基材がグラビアロールから離間し始めると、メニスカス形状を形成せしめている表面張力が維持できなくなり、液溜りを形成している塗布液が基材側に付着すると考えられる。
そして、塗布動作状態から塗布停止状態への移行により、液溜りを形成していた塗布液が基材に付着すると、特許文献1の段落「0043」にも記載されている通り、塗布動作状態で塗布された塗布液の送り方向で下流側の端部に他の塗布部分より分厚い部分が形成され、乾燥後の塗膜の端部に突起が形成されることになり、塗膜の膜厚が均一とならず、品質上問題がある。例えば、従来の塗布装置で間欠塗工を行うと、各塗膜の下流側端部に突起が形成されることになり、塗膜形成後の基材を巻回構造に加工したり折り畳み構造に加工したりしてバッテリーを構成する場合等に、巻回構造や折り畳み構造において基材の積層方向で下側に位置する基材の塗膜の突起により上側に位置する基材が局所的に圧迫されて損傷するといった不都合が生じるおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、基材に塗布される塗布液の膜厚をできるだけ均一にすることができる塗布装置を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係る塗布装置の第1特徴構成は、帯状の基材に塗布する塗布液を外周面に保持した状態で横軸心周りに回転するグラビアロールと、横軸心周りの複数のガイドロールを備えて、長手方向に沿う送り方向に送り出される前記基材を巻回経路に沿って案内する巻回案内手段と、前記グラビアロールの外周面と前記基材とを接触させて接触箇所で前記塗布液を前記基材に塗布する塗布動作状態、及び、前記グラビアロールの外周面と前記基材とを離間させて前記塗布液を前記基材に塗布しない塗布停止状態に切り換え自在な塗布状態切換手段とが備えられ、前記接触箇所における前記基材の送り方向と前記グラビアロールの回転方向とが逆方向に設定された塗布装置において、
前記塗布動作状態において、前記基材と前記グラビアロールとが、前記接触箇所で、前記基材の送り方向で接触開始位置から接触終了位置までの間で線接触する線状接触面を形成する状態で接触し、前記塗布状態切換手段は、前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、前記接触開始位置側から前記接触終了位置側へ向けて、前記グラビアロールと前記基材とを離間移動させるように構成され、前記巻回案内手段は、前記接触開始位置より前記基材の移動方向で上流側に配設される上流側ガイドロール及び前記接触終了位置より前記基材の移動方向で下流側に配設される下流側ガイドロールの夫々を前記グラビアロールに対して移動自在に備えて構成され、前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを移動させて前記巻回案内手段による前記巻回経路の形状を変更する巻回経路変更手段が設けられ、前記塗布状態切換手段は、前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、移行期間の一部又は全部において、前記接触開始位置が前記グラビアロールから離間する上流側離間速度を前記接触終了位置が前記グラビアロールから離間する下流側離間速度よりも大きくする形態で、前記巻回経路変更手段により前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを移動させて、前記グラビアロールと前記基材とを離間移動させるように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、基材とグラビアロールとが、接触箇所で、基材の送り方向で接触開始位置から接触終了位置までの間で線接触する線状接触面を形成する状態で接触することで、塗布動作状態において接触箇所の送り方向で下流側箇所に液溜りを形成して、所望の膜厚で塗布液を基材に塗布することができる。
そして、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触開始位置側から接触終了位置側へ向けて、グラビアロールと基材とを離間移動させるので、接触終了位置側での基材とグラビアローラとの離間移動を抑制して、液溜りが形成された状態を維持できる。そのため、液溜りを形成している塗布液が接触終了位置側で基材に付着したまま残留して送り方向で下流側に基材とともに移動する現象を防止できる。なお、接触開始位置側から接触終了位置側へ向けて、グラビアロールと基材とを離間移動させる形態として、接触箇所の送り方向で下流側箇所に液溜りを形成した状態を維持する範囲で、接触終了位置側においてグラビアロールと基材とを離間移動させるものも含む。その場合、接触開始位置側よりも先行して接触終了位置側においてグラビアロールと基材との離間移動を開始させることも含む。
一方で、接触開始位置側での基材とグラビアローラとの離間移動を行うことで、グラビアロールに対する線状接触面の巻回角度が徐々に小さくなり、基材のテンションが基材をグラビアロールに押し付ける力は徐々に低下する。これにより、液溜りを形成していた多量の塗布液が、基材とグラビアロールとの間を移動できる状態が現出するので、塗布動作状態から塗布停止状態への移行の過程で、液溜りを形成していた塗布液をグラビアロールと基材との間を移動させることができる。
そして、このように塗布液が移動する際には、塗布液は、液溜りを形成していたときよりもグラビアロールの周方向に広い範囲に分散することから、基材に対して多量の塗布液がまとまって付着することを防止して、グラビアロールの外周面に残留させたまま、グラビアロールの回転及びグラビアロールと基材との離間移動により、液溜りを形成していた塗布液を基材から遠ざかる方向に移動させることができる。そして、グラビアロールの外周面に残留した塗布液は、グラビアロールの回転に伴って回転方向で下流側に移動され回収される。
このように、本特徴構成によれば、接触箇所の接触終了位置側で液溜りを形成していた塗布液が基材に付着して基材とともに下流側に送り出されることを防止して、塗布動作状態で塗布された塗布液の送り方向で下流側の端部が他の塗布部分より分厚くならないようにすることができる。したがって、基材に塗布される塗布液の膜厚をできるだけ均一にすることができる塗布装置を得るに至った。
また、本特徴構成によれば、グラビアロールに対して移動自在な上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールの夫々を巻回経路変更手段により移動させることにより、巻回案内手段による巻回経路の形状を変更させて、グラビアロールと基材とが接触する塗布作動状態と塗布停止状態に切り換えることができる。
そして、塗布動作状態から塗布停止状態への移行期間の一部又は全部において、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを離間させる場合の上流側ガイドロールの離間速度を下流側ガイドロールの離間速度よりも大きくすることで、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールの双方をグラビアロールから離間移動させて塗布停止状態に移行させる場合に、接触終了位置側の基材のグラビアロールに対する離間状態が接触開始位置側の基材のグラビアロールに対する離間状態よりも進行する状態となることを極力防止して、液溜りを形成している塗布液が接触終了位置側で基材に付着したまま残留して送り方向で下流側に基材とともに移動する現象を防止できる。そして、接触開始位置側の基材のグラビアロールに対する離間状態を接触終了位置側の基材のグラビアロールに対する離間状態より進行させることができるので、液溜りを形成している塗布液をグラビアロールと基材との間を通過させることができる。
しかも、接触終了位置側及び接触開始位置側の双方で基材をグラビアロールから離間させることで、グラビアロールに接触箇所で線状接触面を形成しる状態で接触している基材を極力短時間でグラビアロールから離間させることができるので、塗布動作状態から塗布停止状態への移行を迅速に行うことができる。
本発明に係る塗布装置の第2特徴構成は、前記接触開始位置は、前記接触終了位置の下方に位置している点にある。
本特徴構成によれば、塗布液を基材とグラビアロールとの間を通過させる場合に、グラビアロールの外周方向に沿って接触開始位置よりも上方に位置する接触終了位置から下方側の接触開始位置へ向けて塗布液を移動させることになるので、グラビアロールの回転による搬送作用に加えて、塗布液の自重を利用することができる。そのため、塗布動作状態から塗布停止状態への移行の過程で、液溜りを形成していた塗布液は、グラビアロールと基材との間を移動し易くなり、塗布停止状態への移行のより早い段階で、塗布液をグラビアロールと基材との間で通過させることができる。これにより、液溜りを形成していた塗布液をグラビアロールの外周面に残留させることをより確実に行うことができる。
本発明に係る塗布装置の第特徴構成は、前記巻回案内手段は、前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを互いに接近離間移動自在に備え、前記塗布状態切換手段は、前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを互いに離間させながら、前記送り方向で前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールの間に位置する基材部分を前記グラビアロールから離間させ、かつ、前記塗布停止状態から前記塗布動作状態への移行に際して、前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを互いに接近させながら、前記基材部分を前記グラビアロールに接近させるように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、塗布動作状態から塗布停止状態への移行する場合は、塗布状態切換手段が巻回経路変更手段により上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを移動させることで、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールが互いに離間しながらこれらのガイドロールの間に位置する基材部分がグラビアロールから離間する。これにより、巻回案内手段による巻回経路は、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールの間に位置する基材部分での経路長が短縮されると同時に、上流側ガイドロールよりも送り方向で上流側部分の経路長及び下流側ガイドロールよりも送り方向で下流側部分の経路長が伸張される。したがって、巻回案内手段による巻回経路の形状を変更することで塗布動作状態から塗布停止状態への移行する場合に、経路長の短縮と伸張とが同時に行われ、経路長の短縮量と伸張量とで互いに相殺される分だけ経路長の変動を抑えることができる。これにより、塗布動作状態から塗布停止状態への移行の過程で、基材の巻回経路の形状を変化させても基材の張力の変動を抑制することができる。塗布停止状態から塗布動作状態への移行の場合についても同様に、基材の巻回経路の形状を変化させても基材の張力の変動を抑制することができる。したがって、基材の張力を極力変動させることなく基材の巻回経路形状を変化させて塗布動作状態と塗布停止状態とに切り換えることができる。
塗布動作状態と塗布停止状態との切り換え時の基材の張力の変動が少ないので、塗布開始位置及び塗布終了位置を精度良く制御できるので、基材の送り方向で所望の位置に対して精度良く塗布できる。また、基材の張力の変動が少ないので、塗布開始位置から送り方向で上流側部分及び塗布終了位置から送り方向で下流側部分での膜厚が安定する。
また、塗布動作状態では、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールが互いに接近した状態でグラビアロールに接近しているので、塗布動作状態では、これらのロールは軸心方向視で密集した状態となり、送り方向で上流側から下流側に掛けてロールの間隔が短くなる。そのため、基材の幅方向の端部が波打っていているような場合でも、接触箇所において基材の端部の浮き上がりを極力防止できるので、基材に塗布された塗布液の基材の横幅方向での端部が送り方向に直線状となり、良好な塗布状態を得ることができる。
このように、本特徴構成によれば、基材に対して精度良く所定の位置に良好に塗布液を塗布でき、しかも、塗布液の膜厚の変動を極力防止できる。
本発明に係る塗布装置の第特徴構成は、前記巻回経路変更手段が、前記上流側ガイドロールを先端部に回転自在に支持して後端部との間に設定された第1横軸心周りに揺動自在な第1操作具と、前記下流側ガイドロールを先端部に回転自在に支持して後端部との間に設定された第2横軸心周りに揺動自在でかつ横軸心方向視で前記第1操作具と交差するように配置された第2操作具と、前記第1操作具の後端部に当接する上流ロール操作用カム面及び前記第2操作具の後端部に当接する下流ロール操作用カム面を備えて第3横軸心周り回転自在な回転体とを備えて構成され、前記下流ロール操作用カム面は、前記回転体の単位回転量に対する前記第2操作具の揺動操作量を、前記単位回転量に対する前記上流ロール操作用カム面による前記第1操作具の揺動操作量よりも小さくする操作抑制部分を備えており、前記塗布状態切換手段は、前記巻回経路変更手段における前記回転体を正逆に回転作動させて前記塗布動作状態及び前記塗布停止状態に切り換える点にある。
本特徴構成によれば、塗布状態切換手段が、巻回経路変更手段における回転体を第3横軸心周りに正逆に回転作動させることで、上流ロール操作用カム面及び下流ロール操作用カム面が第3横軸心周りに回動する。そして、上流ロール操作用カム面に後端部が当接している第1操作具が第1横軸心周りに揺動操作され、下流ロール操作用カム面に後端部が当接している第2操作具が第2横軸心周りに揺動操作される。これにより、第1操作具の先端部に支持された上流側ガイドロールが第1横軸心周りに揺動操作され、第2操作具の先端部に支持された下流側ガイドロールが第2横軸心周りに揺動操作される。このように、回転体を回転作動させるだけで、上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを上流ロール操作用カム面及び下流ロール操作用カム面の形状に応じて各別にグラビアロールに対して接近離間移動させることができる。したがって、構成の簡素化を図りながら、グラビアロールに対して基材を好適な態様で接近離間移動させることができる。
本発明に係る塗布装置の第特徴構成は、前記塗布状態切換手段は、前記塗布動作状態及び前記塗布停止状態に周期的に切り換える間欠塗布処理を実行自在に構成されている制御手段を備えて構成されている点にある。
本特徴構成によれば、制御手段に間欠塗布処理を実行させることで、塗布動作状態及び塗布停止状態に周期的に切り換えられる。したがって、塗布終了位置に液溜りの塗布液が付着する不都合のない良好な状態での間欠的な塗布作業を自動的に連続して行うことができる。
塗布装置の塗布動作状態における全体側面図 塗布装置の塗布動作状態における要部拡大縦断側面図 間欠塗布ユニットの概観斜視図 カムブロックの全体図 塗布動作状態を示す図 塗布動作状態から塗布停止状態への移行過程を示す図 塗布動作状態から塗布停止状態への移行過程を示す図 塗布動作状態から塗布停止状態への移行過程を示す図 塗布停止状態を示す図 (a)従来の塗布装置による塗膜形成状態を示す図(b)本実施形態の塗布装置による塗膜形成状態を示す図 別実施形態におけるカムブロックの全体図 別実施形態における塗布動作状態から塗布停止状態への移行を示す図 従来の塗布装置を示す図
本発明に係る塗布装置の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の塗布装置は、二次電池の電極板となる基材としてのアルミ箔や銅箔などの金属製の帯状シート2に電極活物質やセラミックなどの多孔質絶縁膜などの塗布材を膜状に塗布する塗布装置である。
塗布装置は、図1に示すグラビアコーター1の他、図外の巻き出し装置、ドライヤー、検査装置、巻き取り装置などを直線状に配置して構成されている。巻き出し装置は、コアに対してロール状に巻き取られた金属シート2を図中矢印で示すシート送り出し方向に巻き出す。巻き出し装置の送り出し作動を駆動するシート送り用電動モータとしてのACサーボモータやパウダクラッチ等を併用した精度のよいトルク制御により巻き出し装置が金属シート2を送り出す速度が制御される。これによりロール状の金属シート2は、テンションを一定に保ちながら長手方向に沿う送り方向に帯状に巻き出され、グラビアコーター1において、横軸心周りの複数のガイドロール101〜108を備えた巻回案内手段10により、巻回経路に沿って案内された状態で送り方向に送り出される。
塗布装置は、グラビアコーター1におけるグラビアロール3の外周面と金属シート2とを接触させて接触箇所Zで塗布液を金属シート2に塗布する塗布動作状態(図1、図2及び図5に示す状態)、及び、グラビアロール3の外周面と金属シート2とを離間させて塗布液を金属シート2に塗布しない塗布停止状態(図9に示す状態)に切り換え自在な塗布状態切換手段を備えている。これにより、巻回案内手段10により巻回経路に沿って送り方向に送り出される帯状の金属シート2に対して送り方向に間欠的に、塗布材を溶媒に溶かした流動性のある塗布液を塗布することができるようになっている。
ドライヤーは、温調機能付きの複数の恒温槽を連続して接続して構成されており、グラビアコーター1にて塗布された塗布液を徐々に乾燥させる。検査装置は、金属シート2に対して塗布材が適正な位置及び領域に適正な厚みで塗布されているかを検査する。巻き取り装置は、塗布材が連続状態又は間欠状態で塗布された金属シートをコアに巻き取る。
グラビアコーター1は、金属シート2に塗布される塗布液を保持する金属性のグラビアロール3、グラビアロール3に塗布液を充填する塗布液充填装置としてのグラビアチャンバーヘッド6(以下単に、チャンバーヘッド6と略称する)、チャンバーヘッド6に連続して塗布液を加圧供給する塗布液供給手段としての塗布液循環装置7などを備えて構成されている。
グラビアロール3は、横軸心YG周りに回転自在に支持されている。図示は省略するが、金属シート2の幅方向で左右一対の装置フレームが床面に固定されており、この一対の装置フレームの夫々に取り付けられた横軸心YGの軸受けにより、グラビアロール3の中心軸の両端部が回転自在に支持されている。また、グラビアロール3の外周面には、塗布液が充填される微細な凹状のセル4(図2参照)がレーザー加工等により多数個形成されている。グラビアロール3の一方側の端部には、カップリングを介してグラビアロール3を図1で時計回りに回転駆動させるグラビアロール用ACサーボモータが接続されている。グラビアロール用ACサーボモータの回転速度は、塗布用の一定速度に制御されており、グラビアロール3は一定速度で回転作動する。これにより、チャンバーヘッド6の貯留部D(図2参照)からグラビアロール3の外周面に塗布液が移動し、グラビアロール3の外周面に所望量の塗布液が保持される。
図1に示すように、チャンバーヘッド6は、ヘッド取り付けブラケット17にボルトにて固定されている。チャンバーヘッド6の背面側には、塗布液循環装置7から供給される塗布液の供給口18が下側に、チャンバーヘッド6から塗布液循環装置7により回収される塗布液の排出口19が上側に位置する状態で上下に並んで形成されている。ヘッド取り付けブラケット17は、ヘッド取り付け台20との間に設けられたリニアガイドにて直動案内される状態で、かつ、当該ヘッド取り付け台20に対する平面視姿勢及び位置が調節できる状態で設けられている。これにより、チャンバーヘッド6のグラビアロール3に対する姿勢及び距離を調節自在となっている。
ヘッド取り付け台20には、ヘッド位置調整用エアシリンダ11が設けられている。ヘッド位置調整用エアシリンダ11を伸張させると、ヘッド取り付けブラケット17がヘッド取り付け台20に対してグラビアロール3から離間する側にリニアガイドのガイドレール12に沿って移動されて、ヘッド位置調整用エアシリンダ11を縮退させると、ヘッド取り付けブラケット17がグラビアロール3に接近する側にリニアガイドのガイドレール12に沿って移動される。ヘッド取り付け台20は支持シャフト22に固定されており、支持シャフト22は、装置のフレーム側に固定状態で設けられた図外の軸受けにより横軸心YH周りに回転自在に支持されている。この支持シャフト22の一方側の端部には、支持シャフト22をその横軸心YH周りに回転操作して、ヘッド取り付け台20を回動させる図外の回転操作機構が設けられている。そして、ヘッド位置調整用エアシリンダ11及びこの回転操作機構により、チャンバーヘッド6は、グラビアロール3に対して装着される前面側が斜め上方を向く姿勢で装着される装着位置と、グラビアロール3への装着側部分が鉛直方向で上方に開口する姿勢でグラビアロール3から離間されるメンテナンス位置とに位置切り換え自在となっている。
塗布液循環装置7は、塗布液が収容された塗布液タンク13と、この塗布液タンク13とチャンバーヘッド6の背面部左右中央箇所の下部に形成された供給口18とを接続して、塗布液タンク13の塗布液をチャンバーヘッド6の供給口18に供給する供給チューブ14と、チャンバーヘッド6の背面部左右中央箇所の上部に形成された排出口19と塗布液タンク13とを接続して、チャンバーヘッド6の排出口19から排出された塗布液を塗布液タンク13に回収する回収チューブ15とを備えている。供給チューブ14と回収チューブ15とは、ヘッド取り付けブラケット17の上面に設けられたチューブ支持ブラケット21により支持されている。供給チューブ14の支持ブラケット21よりも上流側箇所には、塗布液タンク13内の塗布液を吸引してチャンバーヘッド6に塗布液を加圧給送する図外の供給ポンプが設けられている。また、チャンバーヘッド6に設けられた液受け16から排出される塗布液を回収するドレンチューブも塗布液タンク13に接続されている。なお、チャンバーヘッド6の排出口19や液受け16から供給ポンプまでの循環経路途中に塗布液中に含まれる不純物や凝固物を取り除くフィルタを設けてもよい。
チャンバーヘッド6は、図2に示すように、装着位置でグラビアロール3側となる前面側において、ヘッド本体23の下方側部分にシール用の入口ドクターブレード8が設けられ、上方側部分にはグラビアロール3に対する塗布液の充填量を設定する出口ドクターブレード9が設けられている。入口ドクターブレード8及び出口ドクターブレード9は、基端側がヘッド本体23にボルト固定されるドクターサポータ24の先端側部分と、ヘッド本体23において横軸心YG方向に沿って設定されたドクターブレード取付部分とにより、基端部が挟み込まれた状態で互いに先端部が対向する姿勢で、かつ、装着位置においてグラビアロール3の外周面に対して夫々が所定の接触角度を為す状態で取り付けられている。入口ドクターブレード8のドクターサポータ24には、グラビアロール3の下方に位置する前述の液受け16が横軸心Y3方向に沿って形成されている。
また、チャンバーヘッド6の前面側から背面側に向けて凹入する形状でヘッド本体23に形成された凹入部には、グラビアロールの横軸心YG方向に沿う貯留部形成体25が、ヘッド本体23の背面側からボルト固定されて設けられている。これにより、貯留部Dがグラビアロールの横軸心YG方向に沿って形成されている。貯留部形成体25は、グラビアロール3の回転方向に関して下手側ほどグラビアロール3の外周面に近づく傾斜面を備えており、塗布液が貯留部Dを傾斜面40sに沿って上昇流動することで、塗布液のグラビアロール3の外周面に対する接触圧が高められ、セル4に詰まっている空気と塗布液との気液交換が行われ易くなり、セル4に対する塗布液の充填が促進される。
さらに、グラビアロール3側に貯留部Dを形成しかつグラビアロール3とは反対側に排出塗布液が流入するオーバーフロー溝を形成する堰25aがグラビアロール3の横軸心YG方向に沿って設けられている。チャンバーヘッド6の貯留部Dに、塗布液循環装置7から塗布液が加圧供給されることで、貯留部Dの塗布液が堰25aを回り込むようにして乗り越えてグラビアロール3から離れる側にオーバーフロー流路aに沿ってオーバーフローする。このオーバーフロー流路aに沿った塗布液の流れにより、セル4に対する塗布液の充填時の気液交換により発生する気泡が搬送されることで、貯留部Dの上面に気泡が滞留することを防止して、グラビアロール3に対して塗布液を充填するときに気泡が混入することを防止できる。
図2に示すように、巻回案内手段10を構成する横軸心周りの複数のガイドロール101〜108のうち、ガイドロール105〜108は、図外の左右一対の装置フレームに設けられた軸受けにより横軸心が位置固定状態で回転自在に支持されており、上流側ガイドロール101及び下流側ガイドロール102は、横軸心の姿勢を維持した状態で、互いに接近離間移動自在に、かつ、グラビアロール3に対して移動自在に、間欠塗布ユニット5に設けられている。つまり、巻回案内手段10は、接触箇所Zにおける接触開始位置Zsより金属シート2の移動方向で上流側に配設される上流側ガイドロール101及び接触箇所Zにおける接触終了位置Zeより金属シート2の移動方向で下流側に配設される下流側ガイドロール102の夫々をグラビアロール3に対して移動自在に備えて構成されている。
間欠塗布ユニット5は、ガイドロール101〜104により巻回案内される金属シート2がグラビアロール3の外周面に接触する塗布動作用形状と金属シート2がグラビアロール3の外周面から離間する塗布停止用形状とに亘って、金属シート2の巻回経路を変更自在となっており、本発明の巻回経路変更手段として機能する。塗布装置を塗布動作状態にするには、間欠塗布ユニット5を塗布動作用形状にし、塗布装置を塗布停止状態にするには、間欠塗布ユニット5を塗布停止用形状にする。
間欠塗布ユニット5におけるガイドロール101〜104の支持構造は、これらのロールの両端部で同様の構造となっているので、一方側の端部について間欠塗布ユニット5におけるガイドロール101〜104の支持構造を説明する。なお、図1、図2、図5〜図9は、横軸心方向視の縦断断面図であり、チャンバーヘッド6の背面から前面に向かう方向視で左側に位置するガイドロール101〜104の支持構造が図示されている。
間欠塗布ユニット5は、図2及び図3に示すように、塗布動作状態において接触箇所Zにおける接触開始位置Zsよりも金属シート2の送り方向で上流側に位置する上流側ガイドロール101(以下、上流ロール101と言う。)と、接触箇所Zにおける接触終了位置Zeよりも金属シート2の送り方向で下流側に位置する下流側ガイドロール102(以下、下流ロール102と言う。)とを備えている。
上流ロール101は、第1横軸心YU周りに揺動自在な第1操作具としての上流ロール操作リンク26におけるロール支持部26cの先端部に横軸心Y1周りに回転自在に支持されている。ロール支持部26cの先端部には、金属シート2の送り方向で上流側に隣接する状態で補助上流ロール103が横軸心Y3周りに回転自在に支持されている。第1横軸心YUは、上流ロール操作リンク26の先端部と後端部との間に設けられたボス部26bに設定されている。ボス部26bには、第1横軸心YU方向での位置を金属シート2から離間する側に異ならせて、第1横軸心YUに沿う方向視でロール支持部26cに対して屈曲する方向に沿って直線状のアーム部26aが、ボス部26b及びロール支持部26cと一体揺動自在に設けられている。アーム部26aのボス部26bが接続された端部とは反対側の端部には、上流用カムローラ28Uが横軸心周りに回転自在に支持されている。
下流ロール102は、第2横軸心YL周りに揺動自在な第2操作具としての下流ロール操作リンク27におけるロール支持部27cの先端部に横軸心Y2周りに回転自在に支持されている。ロール支持部27cの先端部には、金属シート2の送り方向で下流側に隣接する状態で補助下流ロール104が横軸心Y4周りに回転自在に支持されている。第2横軸心YLは、下流ロール操作リンク27の先端部と後端部との間に設けられたボス部27bに設定されている。ボス部27bには、第2横軸心YL方向での位置を金属シート2から離間する側に異ならせて、第2横軸心YLに沿う方向視でロール支持部27cに対して屈曲する方向に沿って直線状のアーム部27aが、ボス部27b及びロール支持部27cと一体揺動自在に設けられている。アーム部27aのボス部27bが接続された端部とは反対側の端部には、下流用カムローラ28Lが横軸心周りに回転自在に支持されている。
上流ロール操作リンク26と下流ロール操作リンク27とは、横軸心方向の位置が異なっており、横軸心方向視で交差するように配置されている。また、上流ロール操作リンク26と下流ロール操作リンク27とは、コイルスプリング等の図外の付勢手段により後端部側が互いに接近する方向に揺動方向が付勢されている。これにより、上流用カムローラ28U及び下流用カムローラ28Lは、カムブロック29において対向配置された後述する夫々のカム面に当接した状態が維持されている。上流ロール操作リンク26におけるアーム部26aと下流ロール操作リンク27におけるアーム部26aとは横軸心方向の位置が揃っており、これらのアーム部26a・27bに挟まれる位置に、回転体としてのカムブロック29が第3横軸心YB周りに回転自在に設けられている。カムブロック29は、カム操作用ACサーボモータM(図1参照)により、第3横軸心YB周りに正逆に回転駆動される。
図4に示すように、カムブロック29は、上流ロール操作リンク26の後端部を構成する上流用カムローラ28Uに当接する上流ロール操作用カム面SU、及び、下流ロール操作リンク27の後端部を構成する下流用カムローラ28Lに当接する下流ロール操作用カム面SLを備えている。塗布動作状態(図1、図2及び図5参照)において、上流用カムローラ28U及び下流用カムローラ28Lは、ともに操作半径がr0となる位置に当接している。塗布動作状態から塗布停止状態への移行に伴って、カムブロック29が第3横軸心YB周りに図4で反時計回りに回転作動することで、上流用カムローラ28Uと上流ロール操作用カム面SUとの当接箇所は、図4で右側に移動し、逆に、下流用カムローラ28Lと下流ロール操作用カム面SLとの当接箇所は、図4で左側に移動する。
上流ロール操作用カム面SUは、塗布動作状態において上流用カムローラ28Uが当接するときの操作半径r0から、塗布停止状態において上流用カムローラ28Uが当接するときの操作半径r1まで、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に伴って操作半径が単調に増加するような、第3横軸心YB方向視で直線状の平面に形成されている。
下流ロール操作用カム面SLは、塗布動作状態において下流用カムローラ28Lが当接するときの操作半径r0から、半径r2を経由して、塗布停止状態において下流用カムローラ28Lが当接するときの操作半径r3まで、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に伴って操作半径が単調に増加するような、第3横軸心YB方向視で円弧状の曲面(下流ロール用第1カム面SL1及び下流ロール用第2カム面SL2)と同方向視で直線状の平面(下流ロール用第3カム面SL3)が連続した面に形成されている。下流ロール用第1カム面SL1の第3横軸心YB方向視での円弧は、第3横軸心YBよりも上流ロール操作用カム面SU側の異なる位置に中心c1が設定され、塗布動作状態において下流用カムローラ28Lが当接するときの操作半径r0よりも長い半径となっている。
このように、本実施形態では、下流ロール操作用カム面SLの全範囲において、カムブロック29の単位回転量に対する下流ロール操作リンク27の揺動操作量を、カムブロック29の単位回転量に対する上流ロール操作用カム面SUによる上流ロール操作リンク26の揺動操作量よりも小さくする。つまり、下流ロール操作用カム面SLの全範囲が本願の操作抑制部分として機能している。
図1、図2、図5等に示す塗布動作状態において、以上のように構成されたカムブロック29を同図中で反時計回りに回転作動させると、図5〜図9に順次示すように上流ロール操作リンク26及び下流ロール操作リンク27が揺動操作されて、上流ローラ101及び下流ローラ102が互いに離間しながら、グラビアローラ3から離間する。これにより、間欠塗布ユニット5が金属シート2の巻回経路を塗布動作用形状から塗布停止用形状に変更する。このように、間欠塗布ユニット5は、本発明の巻回経路変更手段として機能する。
なお、カムブロック29は、上流ロール操作部分29Uと下流ロール操作部分29Lとの2つの部材を結合して構成されている。これにより、上流ロール操作部分29Uと下流ロール操作部分29Lとの形状を各別に変更できるので、上流ロール操作リンク26及び下流ロール操作リンク27についての揺動操作態様の様々な組み合わせを容易に現出することができる。
塗布装置には、CPUを主構成要素として構成された制御手段としてのコントローラ30(図1参照)を備えている。コントローラ30は、ソフトウェア形式で構成された間欠塗布処理用プログラムPを実行することにより、カム操作用ACサーボモータMの正逆の回転作動が自動制御されて、間欠塗布ユニット5における回転体29が正逆に回転作動され、ガイドロール101〜104により巻回案内される金属シート2の巻回経路が周期的に変更される。これにより、塗布装置が塗布動作状態と塗布停止状態とに周期的に切り換えられる。つまり、本実施形態では、コントローラ30、間欠塗布処理用プログラムP、及び、間欠塗布ユニット5により本願の塗布状態切換手段が構成されている。塗布状態切換手段は、巻回経路変更手段としての間欠塗布ユニット5における回転体29を正逆に回転作動させて塗布動作状態及び塗布停止状態に切り換える。
ちなみに、グラビアロール用ACサーボモータ、及び、シート送り用電動モータの作動もコントローラ30により制御される。コントローラ30は、グラビアロール3の回転駆動速度、金属シート2のシート厚、送り出し速度及びテンション、塗布部分の送り方向の長さ、非塗布部分の送り方向の長さなどの各種設定情報を入力自在なタッチパネル形式の入力操作部を備えており、作業者が塗布条件に応じて数値等を入力して塗布装置の調整作業を行うことができるようになっている。
そして、塗布動作状態においては、外周面に設定量の塗布液を保持した状態で設定回転速度にて回転駆動するグラビアロール3と、設定テンションを維持した状態で設定送り速度で送り出される金属シート2とが、接触箇所Zにおける金属シート2の送り方向とグラビアロール3の回転方向とが逆方向に設定された状態で、かつ、接触開始位置Zsから接触終了位置Zeまでの間で線接触する線状接触面を形成する状態で接触することで、接触箇所Zの接触終了位置Zeに隣接する箇所に、外径が0.5mm〜1.0mm程度の塗布液の液溜りEが形成される状態(図1、図2及び図5に示す状態)で、かつ、接触箇所Zの接触終了位置Zeから接触開始位置Zsに向けて塗布液がグラビアロール3の外周面と金属シート2との線状接触面に沿う微小な隙間を流動する状態で、塗布液が金属シート2に塗布されるようになっている。なお、グラビアロール3の外周面と金属シート2との線状接触面を塗布液が流動する状態とすることで、金属製のグラビアロール3と金属シート2とが直接触れて擦れ合うことにより金属シート2の塗布面が損傷することを防止している。
本実施形態の塗布装置では、塗布動作状態から塗布停止状態へ移行させるに際して、上流ロール101及び下流ロール102の双方をグラビアロール3から離間移動させて、グラビアロール3と金属シート2との接触箇所Zを液溜りEが通過する液溜り通過行程を行う。具体的には、上流ロール101を第1横軸心YU周りに図2等で反時計回りに、また、下流ロール102を第2横軸心YL周りに図2等で時計回りに揺動させる。この液溜り通過行程では、図5から図9にかけて示すように、接触箇所Zよりも上流側の金属シート2の部分を積極的に移動させることで、接触箇所Zに対応するグラビアロール3と金属シート2との間を液溜りEが通過することになる。
液溜り通過行程を行う場合に、まず、図5から図6にかけて示すように、上流ロール101及び下流ロール102の離間移動を開始して接触箇所Zにおけるグラビアロール3の外周方向に沿う長さを短くする接触箇所短縮行程を行う。これは、上流ロールカム面SU及び下流ロール用第1カム面SL1により上流ロール操作リンク26及び下流ロール操作リンク27が揺動操作されることにより行われる。接触箇所短縮行程を行うことにより、金属シート2のグラビアロール3に対する巻き付け角度を小さくして、金属シート2のテンションにより金属シート2がグラビアロール3の外周面に押し付けられる力を小さくできるので、液溜りEを形成していた塗布液がグラビアロール3と金属シート2との隙間を通過し易い状態とすることができる。
この状態で、図7に示すように、下流ロール102の離間移動速度を抑制しつつ上流ロール101を離間移動させる上流ロール優先移動行程を行う。図7では、塗布動作状態における上流ローラ101及び下流ローラ102を二点鎖線の仮想線で示している。下流ローラ102は、接触箇所短縮行程も含めて塗布動作状態から僅かに移動するだけであるが、上流側ロール101は塗布動作状態から大きく移動している。上流ロール優先移動行程は、上流ロールカム面SU及び下流ロール用第1カム面SL1により上流ロール操作リンク26及び下流ロール操作リンク27が揺動操作されることにより行われる。上流ロール優先移動行程によりグラビアロール3と金属シート2との間を液溜りEが通過した後は、図8から図9にかけて示すように、下流ロールの離間速度を上昇させ、塗布動作状態から塗布停止状態への移行を早期に完了させる。これは、下流ロール用第2カム面SL2及び第3カム面SL3により下流ロール操作リンク27が揺動操作されることにより行われる。
このように、本実施形態の塗布装置では、塗布状態切換手段は、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、下流ロール操作用カム面SLの全範囲を操作抑制部として構成することで、移行期間の全部において、接触開始位置Zsがグラビアロール3から離間する上流側離間速度を接触終了位置Zeがグラビアロール3から離間する下流側離間速度よりも大きくする形態で上流ロール101及び下流ロール102を移動させて、グラビアロール3と金属シート2とを離間移動させるように構成されている。
このように構成することで、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触開始位置Zs側から接触終了位置Ze側へ向けて、グラビアロール3と金属シート2とを離間移動させることができ、これにより、液溜りEを形成する多量の塗布液がグラビアロール3と金属シート2との間を通過するようになっている。このとき、塗布液は、塗布動作状態における液溜りEよりもグラビアロール3の周方向に長い範囲に分散してグラビアロール3の外周面に保持されることから、金属シート2がグラビアロール3から離間することが進行しても、金属シート2へは移動せず、グラビアロール3の外周面に保持されたまま、金属シート2から分離すると考えられる。
しかも、本実施形態の塗布装置では、接触開始位置Zsは、接触終了位置Zeの下方に位置しているため、塗布動作状態において液溜りEを形成していた塗布液に作用する重力により塗布液を下方に移動させる力を利用することができるので、塗布液がグラビアロール3と金属シート2との間を通過し易い。
さらに、本実施形態の塗布装置では、液溜り通過行程において、まず、接触箇所短縮行程を行うことで、塗布動作状態から塗布停止状態への移行の初期の時点で接触箇所Zよりも下流側の金属シート部分をも液溜りEがグラビアローラ3の外周面から分離しない程度に適量だけグラビアロール3から離間させる。これにより、液溜りEの外表面における表面張力が、グラビアローラ3の外周面側に液溜りEを引っ張る引力を上回る状態を維持しながら、液溜りEを形成する多量の塗布液が、グラビアロール3の外周面と金属シート2との間を通過し易い状態を現出している。
本実施形態の塗布装置によれば、コントローラ30が間欠塗布処理プログラムPを実行することで、金属シート2に塗布液が間欠的に塗布される。そして、従来のように、接触箇所Zの下流側の金属シート部分をグラビアローラ3から離間移動させるものであると、金属シート2に塗布される塗布液の金属シート2の送り方向で下流側の端部は、図10(a)に示すような液溜りEの転写による突起Tが形成され、塗膜の他の部分における膜厚より厚い部分が形成されてしまうのであるが、本実施形態の塗布装置によれば、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、接触開始位置Zs側から接触終了位置Ze側へ向けて、グラビアロール3と金属シート2とを離間移動させることで、金属シート2に塗布される塗布液の下流側の端部には、図10(b)に示すように、液溜りEの転写による突起Tは形成されず、下流側端部においても他の部分と同様の膜厚の塗膜を形成することができる。塗膜の下流側端部における突起の形成を防止することで、例えば、巻回構造に加工したり折り畳み構造に加工したりしてバッテリーを構成する場合に、従来よりも小型高容量のバッテリーとすることができる。また、塗膜端部に突起Tが形成されない分、巻回構造や折り畳み構造において金属シートの積層方向で下側に位置する金属シートに塗布されている塗膜の突起Tにより上側に位置する金属シートが局所的に圧迫されて損傷するといった不都合も生じ難い。
なお、図10では、説明の便宜上、金蔵シート2に塗布される塗布液の状態を誇張して図示している。実際には、金蔵シート2は、厚さが10μm程度であり、それに塗布される塗膜は乾燥前で8〜10μm程度であり、乾燥後で4μm程度である。そして、突起Tの塗膜底部からの高さ(厚さ)は、塗膜の他の部分の高さ(厚さ)の1.5倍〜2.5倍程度の高さであると考えられる。
ところで、上流ロール101及び補助上流ロール103が第1横軸心YU周りに揺動し、下流ロール102及び補助下流ロール104が第2横軸心YL周りに揺動することで、間欠塗布ユニット5における金属シート2の巻回経路の形状は変化するが、これらのガイドロールの配置並びに揺動中心の位置及び揺動範囲は、間欠塗布ユニット5の上流側に位置するガイドロール105から、間欠塗布ユニット5の下流側に位置するガイドロール106までの巻回経路長を極力変化させないように設定されており、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して金属シート2のテンションの変動を極力抑えている。
そのために、本実施形態では、塗布状態切換手段は、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、上流ロール101及び下流ロール102を互いに離間させながら、上流ロール101及び下流ロール102の間に位置する金属シート部分をグラビアロール3から離間させ、かつ、塗布停止状態から塗布動作状態への移行に際して、上流ロール101及び下流ロール102を互いに接近させながら、金属シート部分をグラビアロール3に接近させるように構成されている。
説明を加えると、上流ロール101と下流ロール102の離間することにより伸びた上流ロール101と下流ロール102との間の経路長の伸長量が、補助上流ロール103がガイドロール105に接近することで縮まる補助上流ロール103とガイドロール105との間の経路長の短縮量と、補助下流ロール104がガイドロール106に接近することで縮まる補助下流ロール104とガイドロール106との間の経路長の短縮量との和に相当する量となるように、ガイドロール101〜106の配置、第1横軸心YU及び第2横軸心YL並びに、上流ロール操作リンク26及び下流ロール操作リンク27の揺動範囲を定めている。
具体的には、上流ロール101の横軸心Y1及び補助上流ロール103の横軸心Y3は、第1横軸心YUから等距離に配置されている。つまり、上流ロール101と補助上流ロール103との揺動半径は等しくなっている。塗布動作状態における上流ロール101と下流ロール102との並び方向とこれに直交する方向とを座標軸とする直交座標系において、第1横軸心YU周りの上流ロール101及び補助上流ロール103の揺動についての夫々の揺動半径の中間に位置する代表揺動半径(上流ロール操作リンク26のロール支持部26cの長手方向に沿う方向となっている。)は、上記直交座標系において座標軸と略45度を為す角度に設定されている。
代表揺動半径が第1横軸心YU周りにある角度だけ回転したときの代表揺動半径の先端部の上記直交座標系でのX軸方向への移動量ΔXL及びY軸方向への移動量ΔYLは、代表揺動半径の長さに揺動角度についての正弦の変化量及び余弦の変化量を乗じた量となる。そのため、塗布動作状態での代表揺動半径が直交座標系において座標軸と略45度を為すように設定することで、座標軸と略45度を為す付近での代表揺動半径の揺動角度に対する正弦値の変化量及び余弦値の変化量が近似するため、移動量ΔXL及び移動量ΔYLを略同量とすることができる。したがって、上流ロール101及び補助上流ロール103を第1横軸心YU周りに揺動させたときには、上流ロール101と下流ロール102との並び方向での上流ロール101の移動量と、上流ロール101と下流ロール102との並び方向に直交する方向での補助上流ロール103の移動量とが略同量となる。間欠塗布ユニット5は、補助上流ロール103とガイドロール105の並び方向が上流ロール101と下流ロール102との並び方向に直交する方向とは若干異なるように配置されているものの、上流ロール101及び補助上流ロール103を第1横軸心YU周りに揺動させると、上流ロール101と下流ロール102との並び方向に直交する方向での補助上流ロール103の移動量に相当する量だけ、補助上流ロール103とガイドロール105との間隔が短縮することになる。そのため、上流ロール101と下流ロール102とが離間することにより伸張される上流ロール101と下流ロール102との間の経路長の伸長量のうち上流ロール101の移動が寄与する伸張量と略同量だけ、補助上流ロール103とガイドロール105との間の経路長が短縮される。
同様に、下流ロール102の横軸心Y2及び補助下流ロール104の横軸心Y4は、第2横軸心YLから等距離に配置されている。つまり、下流ロール102と補助下流ロール104との揺動半径は等しくなっている。塗布動作状態における上流ロール101と下流ロール102との並び方向とこれに直交する方向とを座標軸とする直交座標系において、第2横軸心YL周りの下流ロール102及び補助下流ロール104の揺動についての夫々の揺動半径の中間に位置する代表揺動半径(下流ロール操作リンク27のロール支持部27cの長手方向に沿う方向となっている。)は、上記直交座標系において座標軸と略45度を為す角度に設定されている。これにより、上流ロール101と下流ロール102とが離間することにより伸張される上流ロール101と下流ロール102との間の経路長の伸長量のうち下流ロール102の移動が寄与する伸張量と略同量だけ、補助下流ロール104とガイドロール106との間の経路長が短縮される。
このように、上流ロール101と下流ロール102の離間することにより伸びた上流ロール101と下流ロール102との間の経路長の伸長量を、補助上流ロール103がガイドロール105に接近することで縮まる補助上流ロール103とガイドロール105との間の経路長の短縮量と、補助下流ロール104がガイドロール106に接近することで縮まる補助下流ロール104とガイドロール106との間の経路長の短縮量とで相殺することで、間欠塗布ユニット5における金属シート2の巻回経路の形状を変化させても、間欠塗布ユニット5の上流側に位置するガイドロール105から、間欠塗布ユニット5の下流側に位置するガイドロール106までの巻回経路長は殆ど変化しない。
〔別の実施形態〕
以上、本発明を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。以下、本発明の別実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、塗布状態切換手段が、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、まず、上流ロール101及び下流ロール102の離間移動を開始して接触箇所におけるグラビアロール3の外周方向に沿う長さを短くする接触箇所短縮行程を行うものを例示したが、これに限らず、塗布状態切換手段が、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、まず、下流ロール102の離間移動を抑制する状態(停止状態も含む)で上流ロール101の離間移動を開始して、接触箇所における接触終了位置を接触開始位置側にグラビアロール3の外周方向に沿って移動させる接触終了位置移動行程を行うことにより接触箇所短縮行程の初期行程を行うものであってもよい。
具体的には、上記実施形態では、上流ロール操作部分29Uにおける上流ロールカム面SUが、カムブロック29の回転横軸芯YB方向視で直線状になる平面状に形成されたものを例示したが、図11に示すように、上流ロールカム面SUが、横軸芯YB方向視の形状が上流ロールカム面SUの外側に凸で中心が回転横軸芯YBで半径がr0である円弧状となる曲面状の第1カム面SU1、同方向視の形状が上流ロールカム面SUの内側に凸で中心が上流ロールカム面SUよりも外側に位置する円弧状となる曲面状の第2カム面SU2、同方向視の形状が直線状となる平面状の第3カム面SU3からなるものであってもよい。
第1カム面SU1は、横軸芯YB方向視で中心が回転横軸芯YBで半径がr0の円弧状の曲面であるため、カムブロック29が塗布動作状態用位置から塗布停止状態用位置へ向けて回転しても、その回転初期において上流側カムローラ28Uが第1カム面SU1に当接案内されている間は、上流ロール操作リンク26は揺動操作されず、下流ロール102の離間移動は行われない。その後、カムブロック29の回転位相が進行して上流側カムローラ28Uが第2カム面SU2及びその後に続く第3カム面SU3に当接案内されている間に、上流ロール操作リンク26が揺動操作され、下流ロール102の離間移動が行われる。
(2)上記実施形態では、第2カム面の全部が操作抑制部分であるものを例示したが、第2カム面の一部に操作抑制部分を備えたものであってもよい。例えば、図4におけるカムブロック29の下流ロール操作用カム面SLの下流ロール用第1カム面SL1を、塗布動作状態において上流用カムローラ28Uが当接する始端部分から設定長さだけ第3横軸心YB方向視で直線状となるように、曲面形状の下流ロール用第1カム面SL1の一部を平面に構成して、カムブロック29の単位回転量に対する下流ロール操作リンク27の揺動操作量とカムブロック29の単位回転量に対する上流ロール操作リンク26の揺動操作量とが同じになるカム面部分を形成する等して、曲面形状の下流ロール用第1カム面SL1の平面部分を除く部分を操作抑制部分として構成してもよい。なお、操作抑制部分として、横軸心YB方向視で中心が横軸心YBに位置し、操作半径が一定となる無操作カム面部分を設けて、上流ロール優先移動行程では下流ロール102の離間移動速度をゼロにして下流ロール102を停止させてもよい。
(3)上記実施形態では、塗布状態切換手段が、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、基材の接触開始位置側及び接触終了位置側の双方を離間移動させるものを例示したが、これに代えて、塗布動作状態から塗布停止状態への移行に際して、基材の接触開始位置側を離間移動させず、基材の接触終了位置側だけを離間移動させるものであってもよい。具体的には、上記実施形態では、経路案内手段は、上流ロール101及び下流ロール102の双方を移動自在に備えて、塗布状態切換手段が、上流ロール101及び下流ロール102の双方をグラビアロール3から離間移動させて金属シート2の巻回経路を変更するものを例示したが、これに代えて、経路案内手段は、下流ロール102を固定状態で設け、上流ロール101を移動自在に設け、塗布状態切換手段が、下流ロール102を移動させず、上流ロール101をグラビアロール3から離間移動させて金属シート2の巻回経路を変更するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、塗布状態切換手段が、基材の巻回経路を変更することで塗布動作状態及び塗布停止状態に切り換えるように構成されたものを例示したが、これに代えて、塗布状態切換手段が、グラビアロールを移動することで塗布動作状態及び塗布停止状態に切り換えるように構成されたものであってもよい。
この場合、接触開始位置側から接触終了位置側へ向けて、グラビアロールと基材とを離間移動させるためのグラビアロールの移動態様は、例えば、図12に示すように、グラビアロール3の横軸芯YGが、上流ロール101と下流ロール102との並び方向で下流ロール102側、かつ、前記並び方向に直交する方向で上流ロール101及び下流ロール102から離間する側に位置する箇所に移動するように、グラビアロール3の横軸芯YGを並行に維持したまま移動させればよい。移動軌跡としては、直線移動又は曲線移動若しくはこれらが混在する移動軌跡が可能である。このようにグラビアロール3を移動させることで、接触開始位置Zs側から接触終了位置Ze側へ向けて、グラビアロール3と基材としての金属シート2とが離間移動することになる。
また、塗布状態切換手段が、グラビアロールの移動と基材の巻回経路の変更とを組み合わせて塗布動作状態と塗布停止状態とに切り換えるように構成されたものでもよい。
(5)上記実施形態では、基材としてロール状に巻き取られた金属シート2を例示したが、これに限らず、基材としては、プラスチックフィルムや紙やこれらが積層された積層材料であってもよい。
(6)上記実施形態では、塗布液として、流動性を持たせた電極活物質や多孔質絶縁物質を例示したが、塗布液としてはこれに限られるものではない。
(7)上記実施形態において、塗布動作状態のときに上流側ガイドロールが下流側ガイドロールよりも下方に配置されたものを例示したが、塗布動作状態のときに上流側ガイドロールと下流側ガイドロールとを横方向に並ぶ状態に配置されたものでもよい。この場合、チャンバーヘッド6を装着位置において背面が下向きになる横姿勢にてグラビアロール3の下方に位置するように配設すればよい。なお、チャンバーヘッド6は、必ずしも入口ドクターブレード8を備えていなくてもよい。
(8)上記実施形態において、カムブロック29がカム操作用ACサーボモータMにより正逆に回転駆動されるものを例示したが、これに代えて、カムブロック29がカム操作用エアシリンダの伸縮作動により正逆に回転駆動されるものであってもよい。
(9)上記実施形態において、上流ロール操作リンク26と下流ロール操作リンク27とが付勢手段により後端部側が互いに接近する方向に揺動方向が付勢されることで、上流用カムローラ28U及び下流用カムローラ28Lは、カムブロック29において対向配置された上流ロール操作用カム面SU、及び、下流ロール操作用カム面SLに当接した状態が維持されるものを例示したが、これに代えて、カムブロック29に、上流ロール操作用カム面SUに相当する上流ロール操作用カム溝、及び、下流ロール操作用カム面SLに相当する下流ロール操作用カム溝を凹入形成し、これらのカム溝の夫々に上流用カムローラ28U及び下流用カムローラ28Lを嵌入させることで、カムローラをカム溝で拘束する構成としてもよい。
2 基材
3 グラビアロール
5 巻回経路変更手段(塗布状態切換手段)
10 巻回案内手段
101〜108 ガイドロール
101 上流側ガイドロール
102 下流側ガイドロール
26 第1操作具
26a 後端部
26c 先端部
27 第2操作具
27a 後端部
27c 先端部
29 回転体
30 制御手段(塗布状態切換手段)
YG グラビアロールの横軸心
YB 第3横軸心
YU 第1横軸心
YL 第2横軸心
Y1〜Y4 ガイドロールの横軸心
SU 上流ロール操作用カム面
SL 下流ロール操作用カム面(操作抑制部分)
Z 接触箇所
Zs 接触開始位置
Ze 接触終了位置
P 塗布状態切換手段

Claims (5)

  1. 帯状の基材に塗布する塗布液を外周面に保持した状態で横軸心周りに回転するグラビアロールと、
    横軸心周りの複数のガイドロールを備えて、長手方向に沿う送り方向に送り出される前記基材を巻回経路に沿って案内する巻回案内手段と、
    前記グラビアロールの外周面と前記基材とを接触させて接触箇所で前記塗布液を前記基材に塗布する塗布動作状態、及び、前記グラビアロールの外周面と前記基材とを離間させて前記塗布液を前記基材に塗布しない塗布停止状態に切り換え自在な塗布状態切換手段とが備えられ、
    前記接触箇所における前記基材の送り方向と前記グラビアロールの回転方向とが逆方向に設定された塗布装置であって、
    前記塗布動作状態において、前記基材と前記グラビアロールとが、前記接触箇所で、前記基材の送り方向で接触開始位置から接触終了位置までの間で線接触する線状接触面を形成する状態で接触し、
    前記塗布状態切換手段は、
    前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、前記接触開始位置側から前記接触終了位置側へ向けて、前記グラビアロールと前記基材とを離間移動させるように構成され
    前記巻回案内手段は、
    前記接触開始位置より前記基材の移動方向で上流側に配設される上流側ガイドロール及び前記接触終了位置より前記基材の移動方向で下流側に配設される下流側ガイドロールの夫々を前記グラビアロールに対して移動自在に備えて構成され、
    前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを移動させて前記巻回案内手段による前記巻回経路の形状を変更する巻回経路変更手段が設けられ、
    前記塗布状態切換手段は、
    前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、移行期間の一部又は全部において、前記接触開始位置が前記グラビアロールから離間する上流側離間速度を前記接触終了位置が前記グラビアロールから離間する下流側離間速度よりも大きくする形態で、前記巻回経路変更手段により前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを移動させて、前記グラビアロールと前記基材とを離間移動させるように構成されている塗布装置。
  2. 前記接触開始位置は、前記接触終了位置の下方に位置している請求項1記載の塗布装置。
  3. 前記巻回案内手段は、
    前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを互いに接近離間移動自在に備え、
    前記塗布状態切換手段は、
    前記塗布動作状態から前記塗布停止状態への移行に際して、前記巻回経路変更手段により前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールを互いに離間させながら、前記送り方向で前記上流側ガイドロール及び下流側ガイドロールの間に位置する基材部分を前記グラビアロールから離間させ、かつ、前記塗布停止状態から前記塗布動作状態への移行に際して、前記巻回経路変更手段により前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールを互いに接近させながら、前記基材部分を前記グラビアロールに接近させるように構成されている請求項1又は2記載の塗布装置。
  4. 前記巻回経路変更手段が、
    前記上流側ガイドロールを先端部に回転自在に支持して後端部との間に設定された第1横軸心周りに揺動自在な第1操作具と、
    前記下流側ガイドロールを先端部に回転自在に支持して後端部との間に設定された第2横軸心周りに揺動自在でかつ横軸心方向視で前記第1操作具と交差するように配置された第2操作具と、
    前記第1操作具の後端部に当接する上流ロール操作用カム面及び前記第2操作具の後端部に当接する下流ロール操作用カム面を備えて第3横軸心周りに回転自在な回転体とを備えて構成され、
    前記下流ロール操作用カム面は、前記回転体の単位回転量に対する前記第2操作具の揺動操作量を、前記単位回転量に対する前記上流ロール操作用カム面による前記第1操作具の揺動操作量よりも小さくする操作抑制部分を備えており、
    前記塗布状態切換手段は、前記巻回経路変更手段における前記回転体を正逆に回転作動させて前記塗布動作状態及び前記塗布停止状態に切り換える請求項記載の塗布装置。
  5. 前記塗布状態切換手段は、前記塗布動作状態及び前記塗布停止状態に周期的に切り換える間欠塗布処理を実行自在に構成されている制御手段を備えて構成されている請求項1〜の何れか1項記載の塗布装置。
JP2010153951A 2010-07-06 2010-07-06 塗布装置 Expired - Fee Related JP5589242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010153951A JP5589242B2 (ja) 2010-07-06 2010-07-06 塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010153951A JP5589242B2 (ja) 2010-07-06 2010-07-06 塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012016641A JP2012016641A (ja) 2012-01-26
JP5589242B2 true JP5589242B2 (ja) 2014-09-17

Family

ID=45602294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010153951A Expired - Fee Related JP5589242B2 (ja) 2010-07-06 2010-07-06 塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5589242B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5824253B2 (ja) * 2011-06-21 2015-11-25 富士機械工業株式会社 間欠塗工装置
US10370197B2 (en) * 2014-12-23 2019-08-06 Geico S.P.A. Plants for immersion of bodyworks
JP2017212172A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 株式会社豊田自動織機 塗料の塗工方法及びグラビア塗工装置
JP7425624B2 (ja) * 2020-02-18 2024-01-31 株式会社ヒラノテクシード 搬送塗工装置
CN117399234B (zh) * 2023-10-16 2024-03-12 山东力强钢板有限公司 一种高耐蚀水性彩涂板及其生产装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1345617A (en) * 1972-07-12 1974-01-30 Ilford Ltd Web guiding device
JPH0529106Y2 (ja) * 1986-10-17 1993-07-26
JP3772669B2 (ja) * 2000-12-11 2006-05-10 ソニー株式会社 塗料の塗布装置及び塗布方法
JP2009262070A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Panasonic Corp 被膜形成装置、被膜形成方法、電池用極板、並びに非水電解液二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012016641A (ja) 2012-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5589242B2 (ja) 塗布装置
TWI378025B (ja)
TWI555582B (zh) Intermittent coating device
CN1321868C (zh) 片材分割卷取装置
WO2006095669A1 (ja) 塗布装置、塗布方法および塗膜を有するウェブの製造方法
WO2006064646A1 (ja) 薄膜の間欠塗工方法
JP6068702B2 (ja) セパレータ洗浄方法、セパレータ製造方法、およびフィルム洗浄方法
TW201144194A (en) Processing device and transfer device for a strip-shaped sheet substrate
JP5581849B2 (ja) 電池の製造方法および電池の製造装置
JP5201261B2 (ja) 塗工ダイ及びそれを具備する塗工装置
US11174116B2 (en) Sheet-feeding system and sheet-feeding method
KR102117768B1 (ko) 도공 장치 및 도공 방법
CN110270764A (zh) 极片模切设备
TW201217064A (en) Coating head and coating machine using the same
KR102184054B1 (ko) 도공 장치 및 도공 방법
JP2007326080A (ja) ロッド塗布方法及び装置
US11390480B2 (en) Sheet supply device and sheet supply method
JP5417725B2 (ja) パターン塗布装置およびそれを用いたパターン塗布方法
JP2022155714A (ja) 塗布装置
JP6868898B2 (ja) ウエブ巻取装置
JP6532790B2 (ja) 巻取装置
JP6051350B1 (ja) 資材供給装置、及び、吸収性物品の製造装置
JP2020163259A (ja) 塗工装置および塗工方法
JP6754181B2 (ja) ウエブ巻取装置
JP2009202132A (ja) 塗布装置、塗布方法及び塗膜ウェブの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5589242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees