JP2017016866A - シート部材の塗工システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シート部材の所定の継ぎを行いつつスラリー塗工を行う場合においてシート部材における各部位の位置や部位の間隔を高精度に検出する塗工システムを提供する。【解決手段】ロール状に巻回されたシート部材2Aの繰り出し装置1と、繰り出されたシート部材2Aを巻取る巻取り装置3との間にシート部材2を走行させつつ、途中で繰り出されたシート部材2の表面にダイヘッド5、6を介してスラリーを塗布するもので、シート部材2の終端部に新たなロール状に巻回されたシート部材2Bの先端部を継ぐことで供給源を切替えてロール状に巻回された複数本のシート部材2A、2Bに対する連続的な塗工を行う塗工システムであり、繰り出されたシート部材2の走行距離を検出するエンコーダ13と、エンコーダ13が送出する走行距離を表す走行距離信号を処理して、塗工開始位置から塗工終了位置まで所定の塗工が行われるよう制御する制御部12と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明はシート部材の塗工システムに関し、特に電池の電極板を形成するため、電極を構成するためのスラリー状の電極活物質をシート状の金属箔に塗布する場合に適用して有用なものである。
電池の電極板を形成するため、シート部材としてのシート状の金属箔の表裏面に、スラリー状の電極活物質(以下、単にスラリーと称する)を塗布する塗工工程を有する。かかる塗工工程では、先ず、ロール状に巻き取られたシート部材である金属箔を繰り出し装置によって繰り出し、金属箔の表面に、塗工装置によりスラリーを塗布する。続いて、表面に塗布したスラリーを乾燥炉により乾燥させた後、さらに表面にスラリーが塗布された金属箔の裏面に、他の塗工装置により表面に塗布したスラリーと同様のスラリーを塗布する。そして、再び乾燥炉により、裏面に塗布したスラリーを乾燥させた後、巻取り装置によりロール状に巻き取る。
ここで、繰り出し装置から繰り出すロール状の金属箔の残量が少なくなり、ロール状に巻回された新規の金属箔からの繰り出しを行う際、これらの金属箔の端部を粘着テープ等によって互いに継ぎ合わせることで、両者を接続する(箔継ぎする)「箔継ぎ作業」が実施される。かかる箔継ぎ作業を実施する場合には、予め定められた品質を満足する電極板の生産量を極力維持するとともに生産効率を維持するため、金属箔に対するスラリーの塗工作業を継続しつつ実施される。
箔継ぎ作業を実施可能な、電池の製造方法を開示する公知技術として特許文献1が存在する。特許文献1に示すような「箔継ぎ作業」を実施しつつ塗工作業を連続的に行う場合には、金属箔における塗工開始位置および塗工終了位置を正確に特定して金属箔の所定の領域にスラリーを正確に塗工する必要がある。最終的にはスラリーが塗布されたシート状の金属箔を所定の長さに切断し個片化して金属箔とスラリーとが一体となった複数の電極板とする必要があるからである。
特開2012−9281号公報
ところで特許文献1では、箔継ぎ箇所の検出に関し、『箔継ぎ箇所が第一通過位置を通過したか否かの判断は、例えば、光センサーやマグネットセンサーなどの検出器を用いて、箔継ぎ箇所を直接検出することで判断してもよいし、あるいは、制御装置5に格納されるプログラム内にタイマー回路を設け、集電体シート50が箔継ぎ装置22を出てから第一通過位置に到達するまでの時間(以下、「到達時間T1」と記す)を、前記タイマー回路に予め入力しておき、到達時間T1の経過によって、箔継ぎ箇所が第一通過位置を通過したと判断してもよい』(特許文献1の段落〔0093〕)と記載しており、光センサーやマグネットセンサーなどの検出器を用いるか、またはタイマーを利用して検出する手段を開示している。
しかしながら、特許文献1の如き検出器やタイマーを利用して箔継ぎ箇所を検出する場合には、繰り出し装置と巻取り装置の間を移動する金属箔における箔継ぎ箇所を高精度に検出するのが難しく、またタイマーを利用した場合には、金属箔の移動速度の変動の影響が大きく、この点においても箔継ぎ箇所を高精度に検出するのが難しいという問題を有している。
さらに、この種の電池の製造方法においては、上述の如き塗工工程の後に、通常プレス工程やスリット工程等の別工程が続く。かかる別工程において、所定の処理を高精度で確実に行うためには金属箔の走行方向において、金属箔に塗工された複数の塗工部位の間隔、つまり、先の塗工部位における塗工終了位置と先の塗工部位に続く塗工部位における塗工開始位置との間隔が所定の関係を維持していることが必須になる。しかしながら、上記特許文献1には隣り合う塗工部位の間隔を所定の通りに維持するための構成は何ら開示も示唆もされていない。
本発明は、上記従来技術に鑑み、シート部材の所定の継ぎを行いつつ連続的にスラリーの塗工を行う場合においてシート部材における各部位の位置や部位の間隔を高精度に検出することができるシート部材の塗工システムを提供する。
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、ロール状に巻回されたシート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間に展張された前記シート部材を走行させつつ、途中で繰り出された前記シート部材の表面に塗工手段を介してスラリーを塗布するものであり、繰り出された前記シート部材の終端部に新たなロール状に巻回されたシート部材の先端部を継ぐことで前記シート部材の供給源を切替えてロール状に巻回された複数本の前記シート部材に対する連続的な塗工を行う機能を有するシート部材の塗工システムであって、繰り出された前記シート部材の走行距離を検出するエンコーダと、前記エンコーダが送出する前記走行距離を表す走行距離信号を処理して前記スラリーの前記シート部材に対する塗工開始位置および塗工終了位置を演算し、前記塗工開始位置から前記塗工終了位置まで所定の塗工が行われるよう制御する制御手段と、を有することを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、シート部材の走行距離を高精度に検出してこれに基づき演算により継ぎ合わせ部分をはじめ、塗工開始位置や塗工終了位置を検出しているので所定の塗工を高精度に行うことができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記制御手段は、前記塗工開始位置の上流側に所定の塗工前距離を確保した前記スラリーの無塗工部が形成されるとともに、前記塗工終了位置の下流側に所定の塗工後距離を確保した前記スラリーの無塗工部が形成されるように前記シート部材の走行を制御するものであることを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、塗工工程の次の工程においてロール状に巻回されたシート部材の巻出しに必要なリード部分を良好に確保することができる。この結果、走行するシート部材に対する所定の連続処理の実現に資することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記塗工後距離は、前記シート部材に対する前記スラリーの塗工工程の次の工程におけるロール状に巻回された前記シート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間の長さである次の工程のスパン長に基づいて設定したことを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、リード部分の長さを、次の工程のスパン長を考慮した合理的なものとすることができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記塗工前距離は、前記シート部材に対する前記スラリーの塗工工程の次の次の工程におけるロール状に巻回された前記シート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間の次の次の工程のスパン長に基づいて設定したことを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、次の次の工程におけるロール状に巻回されたシート部材の巻出しに必要な、リード部分を良好に確保することができる。この結果、走行するシート部材に対する所定の連続処理の実現に資することができる。
本発明の第5の態様は、第3又は第4の態様に記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記塗工後距離と、前記次の工程のスパン長との関係は、前記塗工後距離≧前記次の工程のスパン長となっていることを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、最終的に製品の構成要素とはならないリード部として機能する塗工後距離を最も合理的なものとすることができる。
本発明の第6の態様は、第4の態様に記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記塗工後距離と前記次の工程のスパン長との関係は、前記塗工後距離≧前記次の工程のスパン長となり、前記塗工前距離と前記次の次の工程のスパン長との関係は、前記塗工前距離≧前記次の次の工程のスパン長となっていることを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、最終的に製品の構成要素とはならないリード部として機能する塗工後距離とともに、塗工前距離を最も合理的なものとすることができる。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様の何れか一つに記載するシート部材の塗工システムにおいて、前記シート部材は、電池の電極となる電極箔であり、前記スラリーは前記電池の電極を構成する電極活物質であることを特徴とするシート部材の塗工システムにある。
本態様によれば、電極の製造に利用する金属箔にスラリーを迅速かつ高精度に塗布することができる。
本発明によれば、先行するシート部材の終端に、次のロール状に巻回されたシート部材の先端をつないで連続的に塗工を行うとともに、塗工工程における塗工開始、塗工終了のタイミングを、エンコーダで検出したシート部材の走行距離の情報に基づき所定のパラメータを記憶している制御手段における演算を行ってその演算結果により制御しているので、正確かつ高精度に行う位置制御を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るシート部材の塗工システムを示すブロック図である。 上記実施の形態における塗工工程におけると塗工領域を概念的に示す説明図及び各モードにおける動作範囲を示す説明図である。 図1に示す実施の形態の繰り出し装置における箔つなぎ動作を示す説明図である。 図1に示す実施の形態の箔つなぎ部での動作を示す説明図である。 図1に示す実施の形態の巻取り装置における箔巻取り動作を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシート部材の塗工システムを示すブロック図である。同図に示すように、繰り出し装置1は、ロール状に巻回された、本形態のシート部材であるシート状の金属箔(以下、ロール状に巻回された金属箔は、以下単に“ロール状金属箔”と称する)2Aは、回転シャフト51に取り付けられる。この回転シャフト51を回転させることでロール状金属箔2Aを巻戻し、シート状の金属箔2として巻取り装置3に向け走行させる。本形態における繰り出し装置1はターレット式の自動巻替装置を内蔵しており、複数個(図では2個)のロール状金属箔2A、2Bが装着されており、ロール状金属箔2Aから繰り出されて巻取り装置3に向けて供給する金属箔2の繰り出しが終了する直前に、ロール状金属箔2Aから繰り出された金属箔2の終端部に回転シャフト52に取り付けられたロール状金属箔2Bの先端部を継ぎ、その後、金属箔2の供給源を切替える。かくして、金属箔2の繰り出しを中断することなく自動的に所定の処理を継続させる。
一方、巻取り装置3は、繰り出し装置1から繰り出されたシート状の金属箔2をロール状に巻取る。この巻取り装置3も回転シャフト53を有し、この回転シャフト53にシート状の金属箔2が巻き取られることとなる。さらに、巻取り装置3は繰り出し装置1と同様に、ターレット式の自動巻替装置も内蔵しており、本実施形態においては複数個(図では2個)のロール状金属箔として、この自動巻替装置により回転シャフト53に巻き取ったロール状金属箔2Aと、回転シャフト54に巻き取ったロール状金属箔2Bと、を作製する。なお、本形態においては、繰り出し装置1と巻取り装置3の回転シャフト51、52、53、54の回転速度は、搬送される金属箔2にたるみのない展張状態が保たれ、搬送速度が所定の速度に保たれるように調整される。例えば、繰り出し装置1においては、巻き戻し開始時は回転シャフト51、52の回転速度を遅くし、巻き戻した金属箔2の量が増えるのに応じて回転シャフト51、52の回転速度を速くしていくようにする。巻取り装置3においては、巻取り開始時は回転シャフト53、54の回転速度を速くし、巻き取った金属箔2の量が増えるのに応じて回転シャフト53、54の回転速度を遅くしている。回転シャフト51〜54の回転速度の調整は、例えば、後述する押圧ローラ7の回転数を検出するエンコーダ13の出力により種々の機構を制御する制御手段である制御部12により制御される。なお、図中の矢印はロール状金属箔2A、2Bの切替時の動作方向を示している。
金属箔2は、繰り出し装置1と巻取り装置3との間を、ローラ4A,4B、4Cに案内されて走行し、その途中に配設された塗工手段であるダイヘッド5、6により電極活物質であるスラリーを吐出させて金属箔2の表面および裏面に所定の塗工を行う。本形態では、ダイヘッド5が金属箔2の表面に、ダイヘッド6が金属箔2の裏面にスラリーを塗布する。かかる塗布は、押圧ローラ7、8で金属箔2をダイヘッド5、6に向けて所定の圧力で押圧した状態で行う。金属箔2の上流側のダイヘッド5と下流側のダイヘッド6との間、および下流側のダイヘッド6と巻取り装置3との間には、それぞれ乾燥装置9、10が配設してありダイヘッド5、6で金属箔2に塗布したスラリーを乾燥させる。シートカッタ11は、巻取り装置3の上流側に配設してあり、巻取り装置3のロール状に巻回されたロール状金属箔2A、2Bから巻戻した金属箔2を乾燥装置10の下流側の所定位置で切断する。
制御部12は当該システムの全体の動作を制御する。すなわち、エンコーダ13の出力信号が表わす金属箔2の走行距離に応じてダイヘッド5、6による塗工処理の開始および終了時点の制御をはじめ、繰り出し装置1および巻取り装置3におけるロール状金属箔2A、2Bの取替え処理、シートカッタ11による金属箔2の切断処理等に伴う所定の処理を行わせる。また、監視部15は金属箔2の走行に伴う異常を監視して、異常を検出した場合にはシステムの非常停止等を行わせる。
本形態におけるエンコーダ13は、ダイヘッド5の反対側から金属箔2の表面に当接される押圧ローラ7の回転数をエンコーダ13で検出することで当該塗工工程における金属箔2の走行距離を検出する。ここで、金属箔2はこれに作用する張力による走行方向に関する延びを生起することはなく、またスラリーが金属箔2に塗布されることにより金属箔2部分の厚さが変化する前の位置で押圧ローラ7の回転数を検出しているので、検出する走行距離は押圧ローラ7の直径(周長)に基づき一意に定まる長さに回転数を乗じた値として高精度に検出される。エンコーダ13の出力信号は、金属箔2が走行した距離を表わす走行距離信号であるので、この走行距離信号に基づき制御部12で所定の演算処理を行うことで塗工工程の所定の各処理を行う。この際、本形態では、塗工工程に続く他の工程、例えばプレス工程やスリット工程の各処理も考慮した処理を行っている。
図1に示す塗工システムにおける金属箔2を搬送するための駆動源としては、少なくともローラ22、23、24及び、繰り出し装置1におけるロール状金属箔2A、2Bの軸心となる回転シャフト51、52がある。これら駆動源の回転速度は、安定した塗工を行うため押圧ローラ7の回転速度を所定の回転速度としてこれを基準に、搬送される金属箔2にたるみが生じたり、過剰に引っ張ったりすることがないように、回転速度が調整される。この回転速度の調整は制御部12により行われる。
ここで、繰り出し装置1は、回転シャフト51、52に取り付けられたロール状金属箔2Aが、外周面に当接したローラ22の回転によって引き出される。引き出された金属箔2はスプライサー21を通り、ローラ44A〜44D、4Aに支持されながら本形態における塗工ヘッドであるダイヘッド5側へ搬送されていく。なお、図には示していないが、少なくとも図中の水平方向へ搬送される金属箔2はガイド部材により搬送がガイドされており、搬送される金属箔2が所望の方向へ搬送されるように、ローラ44A〜44D近傍にガイド部材を設けるか、もしくは金属箔2を挟んでローラ44A〜44Dと対向する位置に複数のガイド用ローラを配置して金属箔2を所望の方向へと誘導するようになっている。
金属箔2は、ローラ23を駆動させて所定速度で回転させることで搬送され、ダイヘッド5上を通過していく。塗工準備段階においては速度調整、搬送される金属箔2の搬送位置調整、たるみや過引張の抑止調整のため、ダイヘッド5からの塗工は行われず(行われるとしても初期の調整用の塗工程度)にダイヘッド5を通過していく。その後、乾燥装置9、ローラ4B(及び4D)、4C(及び4E)、8、ダイヘッド6、乾燥装置10、ローラ44E〜44I、シートカッタ11を介して、ローラ24あるいは巻取り装置3の回転シャフト53、54を駆動して巻取り装置3にて巻き取られる。
押圧ローラ7の回転量はエンコーダ13により検出されており、エンコーダ13は検出した回転数の情報を出力信号として制御部12に出力する。制御部12はエンコーダ13が検出する押圧ローラ7の回転量に基づき金属箔2の位置を認識し、認識した位置に基づき、スプライサー21、ダイヘッド5、6及びシートカッタ11の各動作と、繰り出し装置1の切り換えと、巻取り装置3の切り換えとを制御する。繰り出し装置1によりロール状金属箔2Aから金属箔2が繰り出されて、その先端部が押圧ローラ7に到達すると、金属箔2の進行に伴って押圧ローラ7が回転をし、エンコーダ13により検出された押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12は金属箔2の先端部がどの位置まで到達したかを算出して認識する。例えば、本形態においては、押圧ローラ7の回転量から算出される金属箔2の先端位置が巻取り装置3に到達したと認識するまで(後述する図2の上段側における原反巻取長L1に相当)を塗工準備段階として、制御部12は各機構を制御する。この場合は、塗工準備段階に繰り出される金属箔2の長さが長くなる可能性がある一方で金属箔2の搬送を安定にすることができる。この塗工準備段階に繰り出される金属箔2の長さ(L1)は、塗工準備にかかる時間に応じて適宜必要な時間(必要な金属箔2の長さ)に設定すればよい。例えば、金属箔2の先端位置が押圧ローラ7に到達したと認識されるまでに必要となる金属箔2の長さ(金属箔2の先端位置が押圧ローラ7に達したと認識されるまでの時間)としてもよい。
かかる塗工工程の各処理を図2に基づき制御部12による制御の内容とともに、さらに詳細に説明する。図2の上段側は、上記塗工工程における塗工領域を概念的に示す説明図であり、図2の下段側は、同図の上段側の場合の各モードにおける動作範囲を示す説明図である。図2の上段側に示すように、繰り出し装置1におけるロール状金属箔2Aは、金属箔の繰り出し開始位置から巻取り装置3におけるロール状金属箔2Aの巻取り開始位置までの距離をパス長(図2中の原反巻取長L1)とし、最初の1回目巻取分として、繰り出し装置1からパス長だけ金属箔2のみを繰り出す。この結果、繰り出し装置1からダイヘッド5、乾燥装置9、ダイヘッド6および乾燥装置10を通り巻取り装置3に至る距離であるパス長に相当する金属箔2のみのシートが繰り出し装置1と巻取り装置3との間に展張される。このように、金属箔2のみをパス長分繰り出すことにより、金属箔2の走行速度の調整や金属箔2の走行位置の調整が行われ、繰り出し装置1と巻取り装置3との間で金属箔2にたるみ等が生じないよう展張させることができる。このパス長分の金属箔は1回目の巻取り分として巻取り装置3の回転シャフト(例えば、回転シャフト53)に巻き取られる。
かかる状態から開始される2回目巻取分として、所定の塗工前距離Aを走行した金属箔2がダイヘッド5の位置を通過した時点からダイヘッド5による金属箔2の表面へのスラリーの塗工を開始し、表面にスラリーが塗工された金属箔2がダイヘッド6の位置を通過した時点からダイヘッド6による金属箔2の裏面へのスラリーの塗工を開始して、予め設定してある塗工長L3の塗工処理を実施した後、所定の塗工後距離Bだけ金属箔2を走行させて巻取長L2の金属箔を形成する。すなわち、塗工前距離Aが、塗工開始位置の上流側におけるスラリーの無塗工部となっており、塗工後距離Bが、塗工終了位置の下流側におけるスラリーの無塗工部となっている。ここで、塗工長L3の図中左端が塗工開始位置、右端が塗工終了位置となっている。3回目巻取では2回目巻取と同様の処理を繰り返し、同様に巻取長L2の金属箔を形成する。さらに、4回目巻取でも3回目巻取と同様の処理を繰り返すが、4回目巻取の途中で1stロット(原反1巻)R1が終了するので、塗工後距離Bを確保した後、1stロットR1の金属箔2の終端に、次のロットである2ndロットR2の先端の原反つなぎ部Pを箔つなぎ工程において接続する。かかる箔つなぎ工程は、従来(例えば特許文献1参照)と同様の作業を行う工程である。例えば、1stロットR1の金属箔2の終端に2ndロットR2の先端の原反つなぎ部Pを粘着テープ等によって互いに継ぎ合わせる。このことで、金属箔2に対するスラリーの塗工作業は停止することなく継続して実施される。この結果、予め定められた塗工品質を満足する電極板の生産量および生産効率を高く維持することができる。
かくしてダイヘッド5、6による塗工工程の処理を停止させることなく連続的に2ndロットR2における同様の塗工処理に移行することができる。ここで、4回目巻取で形成される金属箔は巻取長L2に、原反つなぎ部Pから所定のつなぎ巻取長L4を加えた長さとなる。
2ndロットR2では、原反つなぎ部Pから所定のつなぎ巻取長L4を介して5回目巻取が開始され、先端側に塗工前距離Aを、後端側に塗工後距離Bをそれぞれ確保した塗工長L3で巻取長L2の金属箔が形成される。以下、同様の処置により、図示していないが、本形態の場合は、さらに巻取長L2(塗工長L3)の金属箔2が2つ分形成される。ここで、塗工後距離Bは、次の工程(例えばプレス工程)におけるロール状金属箔2A、2Bの繰り出し装置と巻取り装置との間の距離である次の工程のスパン長以上に設定され、塗工前距離Aは、次の次の工程(例えばスリット工程)におけるロール状金属箔2A、2Bの繰り出し装置と巻取り装置との間の距離である次の次の工程のスパン長以上に設定される。なお、プレス工程などの次の工程は、本形態の塗工システムの巻取り装置3から取り外したロール状金属箔2A、2Bを次の工程を行うシステム(例えば、プレス装置を有するプレス加工システム)の繰り出し装置に装着して実施される。このため、次の工程の繰り出し装置と巻取り装置との間の距離である次の工程のスパン長とは、本形態の塗工システムの繰り出し装置1と巻取り装置3との間の距離とは別のものである。同様に、スリット工程などの次の次の工程は、次の工程のシステムの巻取り装置から取り外したロール状金属箔2A、2Bを次の次の工程を行うシステム(例えば、スリット加工装置を有するスリット加工システム)の繰り出し装置に装着して実施される。このため、次の次の工程の繰り出し装置と巻取り装置との間の距離である次の次の工程のスパン長とは、本形態の塗工システムの繰り出し装置1と巻取り装置3との間の距離とは別のものである。もちろん、本形態の塗工システムのスパン長と、次の工程のスパン長と、次の次の工程のスパン長とは、同じ長さであってもよい。そして、図1の巻取り装置3では塗工前距離A部分から巻取り始めることになるから、巻き取られたロール状金属箔の外側には塗工後距離B部分が位置することになる。このため、図1の巻取り装置3にて巻き取られたロール状金属箔に対する次の工程での巻き出しは塗工後距離B部分が先に巻き出されるため、塗工後距離Bを次の工程のスパン長以上に設定することとしている(塗工後距離B≧次の工程のスパン長)。同様に、次の工程の巻取り装置では塗工後距離B部分から巻取り始めることになるから、巻き取られたロール状金属箔の外側には塗工前距離A部分が位置することになる。このため、次の工程の巻取り装置にて巻き取られたロール状金属箔に対する次の次の工程での巻き出しは塗工前距離A部分が先に巻き出されるため、塗工前距離Aを次の次の工程のスパン長以上に設定することとしている(塗工前距離A≧次の次の工程のスパン長)。何れの場合も、ロットの取替工程を挟んでも次の工程、次の次の工程においても連続的な処理作業を行えるようにするためである。また、つなぎ巻取長L4は箔のつなぎ工程で用いられる箔つなぎ装置の性能に基づき必要となる長さが予め設定される。
また、図2の上段側の場合の各モードにおける動作範囲について説明する。図2の下段側に示すように、動作範囲Iが金属箔2に関する1回目巻取りと、最初の塗工工程における塗工を行う2回目巻取りまでを行う第1の動作モード、動作範囲IIが1stロットR1の全体に対する塗工として1回目巻取りから1stロットR1の金属箔2がなくなるまでの間の塗工(2〜4回目巻取りまで)を行う第2の動作モード、動作範囲IIIが複数ロットに跨いで連続的に全体の塗工を行う第3の動作モードである。
上述の如き本形態においては、先行するロットの金属箔2の終端に、次のロットの金属箔2の先端をつないで連続的に所定の塗工を行うことを可能とするとともに、塗工工程における塗工開始、塗工終了のタイミングを、エンコーダ13で検出する金属箔2の走行距離の情報に基づき制御部12により制御しているので、正確かつ高精度に行うことができる。また、複数ロットに跨いで連続的な塗工を行うことを可能としたので、塗工品質を満足する電極板の生産量および生産効率を高く維持することができる。さらに、塗工工程に続く、次の工程および次の次の工程も金属箔2を連続走行させつつ所定の処理を高効率かつ高精度に実施することができる。
さらに詳言すると、図2における動作範囲Iの動作モードの場合、前述の塗工準備段階の後に、金属箔2が塗工前距離Aの長さだけ進んだことを、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12にて認識される。この認識に基づいて制御部12はダイヘッド5へスラリーの吐出開始を指示する信号を出力する。ダイヘッド5は制御部12からの信号に基づき、搬送されている金属箔2の表面に塗工を行う。この塗工は、金属箔2の表面への塗工を開始してから金属箔2が塗工長L3だけ進んだことを、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12が認識するまで行われる。金属箔2の表面に塗工開始してから金属箔2が塗工長L3だけ進んだことを制御部12が認識すると、制御部12はダイヘッド5へスラリーの吐出終了を指示する信号を出力する。ダイヘッド5は制御部12からの信号に基づき、搬送されている金属箔2の表面への塗工を終了する。金属箔2の表面への塗工を終了してから塗工後距離Bの長さだけ進んだことを、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12が認識すると、制御部12における動作範囲Iの動作モードに基づくダイヘッド5への制御は完了する。
押圧ローラ7の回転量に基づき、金属箔2における表面にスラリーが塗工された部分が乾燥装置9を介してダイヘッド6まで到達したことを制御部12が認識すると、制御部12はダイヘッド6へスラリーの吐出開始を指示する信号を出力する。ダイヘッド6は制御部12からの信号に基づき、搬送されている金属箔2の裏面に塗工を行う。この塗工は、金属箔2の裏面への塗工を開始してから金属箔2が塗工長L3だけ進んだことを、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12が認識するまで行われる。金属箔2の裏面に塗工開始してから金属箔2が塗工長L3だけ進んだことを制御部12が認識すると、制御部12はダイヘッド6へスラリーの吐出終了を指示する信号を出力する。ダイヘッド6は制御部12からの信号に基づき、搬送されている金属箔2の裏面への塗工を終了する。さらに、金属箔2の裏面への塗工を終了してから金属箔2が塗工後距離Bの分だけ進んだことを、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12が認識すると、制御部12における動作範囲Iの動作モードに基づくダイヘッド6への制御は完了する。
押圧ローラ7の回転量に基づき、金属の塗工準備終了部分(図2の上段側の原反巻取長L1と巻取長L2との境界部分)がシートカッタ11に到達したことを制御部12が認識すると、制御部12はシートカッタ11に金属箔2のカットを指示する信号を出力する。シートカッタ11は制御部12からの信号に基づき金属箔2をカットする。これにより、繰り出された金属箔2が、原反巻取長L1の金属箔2にカットされることとなる。この原反巻取長L1分の金属箔2は不要なため廃棄とすることができるが、本形態では、ここでカットせずにこの後に続くスラリーの塗工された部分とともに巻き取られることとしている。よって、第1の動作モードでは原反巻取長L1分とスラリーが表裏面に塗工された巻取長L2分との金属箔2が巻取り装置3にて巻き取られることとなる。
図2における第2の動作モードにおいては、第1の動作モードにおける、金属箔2の表面への塗工、金属箔2の裏面への塗工が3回繰り返して行われるように制御部12が、ダイヘッド5、6を制御する。
図2の第3の動作モードにおいては、第2の動作モードと同様に、第1の動作モードにおける、金属箔2の表面への塗工、金属箔2の裏面への塗工が3回繰り返して行われるように制御部12が、ダイヘッド5、6を制御する。第3の動作モードでは、さらに連続して金属箔2の表裏面への塗工を行うものとしており、塗工処理に必要となる金属箔2の長さが1stロットR1分(ロール状金属箔2Aの金属箔2の全長)では足りないこととになる。このため、繰り出し装置1では、ロール状金属箔2Aから繰り出された金属箔2の終端に次のロール状金属箔2Bの金属箔2の先端を接続する箔つなぎを行う。
ここで、繰り出し装置1における箔つなぎの動作について図3及び図4を用いて説明する。
図3(a)において、ローラ22の回転に従ってロール状金属箔2Aから金属箔2が繰り出され、スプライサー21、ローラ44A、44B、44C等を介してダイヘッド5の方向へ搬送される。押圧ローラ7の回転量に基づき、ロール状金属箔2Aの金属箔2が全て繰り出されたと制御部12によって認識された場合に、図3(b)のように、金属箔2の終端部分をスプライサー21内で保持される。具体的には、図4(a)に示されるように、スプライサー21内において、保持部材21Bが下降してテーブル21Aとの間に、ロール状金属箔2Aから繰り出された金属箔2の終端近傍を挟み込む。この時、金属箔2同士を接着する接着部材21Dやもう1つの保持部材21Cはテーブル21Aから離間した位置で待機したままである。なお、保持部材21B、21C、接着部材21Dの動作制御も、押圧ローラ7の回転量に基づいて制御部12により制御可能である。金属箔2は、図1に示すローラ23の駆動により搬送されるが、上下方向に移動可能なテンションローラ44Cが下に移動することで、ローラ23より下流側では金属箔2は搬送が継続される。このため、箔つなぎのために金属箔2の搬送が止まることがない。ローラ22は回転シャフト51から離間する方向に移動し、回転シャフト51と回転シャフト52の位置が入れ替わる。これにより、回転シャフト52に取り付けられていたロール状金属箔2Bがローラ22と当接可能な繰り出し位置に配置されることとなる。この時も金属箔2はローラ23の駆動により搬送されるが、上下方向に移動可能なテンションローラ44Cが下に移動することで、ローラ23より下流側では金属箔2は搬送が継続される。
ロール状金属箔2Bがローラ22と当接可能な繰り出し位置に配置されると、図3(c)のように、ローラ22をもとの位置へ戻す。これによりローラ22の駆動でロール状金属箔2Bから新たな金属箔2が繰り出されることとなる。
この後、図3(d)のように、ロール状金属箔2Bから繰り出された金属箔2の先端部分がスプライサー21内部に入り、スプライサー21にて保持しているロール状金属箔2Aから繰り出された金属箔2とロール状金属箔2Bから繰り出された金属箔2とが接続される。この接続が行われた後、テンションローラ44Cは次の箔つなぎのために元の位置へと戻り、箔つなぎ時の金属箔2の搬送を安定にするためのマージンを確保する。この時もローラ23は回転駆動し、金属箔2の搬送は継続されるが、箔つなぎの接続が行われた後(後述する図4(d)のタイミングで)ローラ22が金属箔2を送り出す速さをローラ23が金属箔2を送り出す速さより早くすることでテンションローラ44によりマージン確保が可能となる。図3(d)におけるスプライサー21内での動作は、具体的には、図4(b)のように、ロール状金属箔2Bから繰り出された金属箔2BAの先端近傍を保持部材21Cで挟み込む。この挟み込みの後、金属箔2BAが必要以上に繰り出されないようにローラ22の駆動を一時的に止める。このように保持部材21Bに保持された金属箔2AAの後端部の上に保持部材21Cにて保持された金属箔2BAの先端部が重なるようにして維持される。この状態で、図4(c)のように、接着部材21Dを下降させて金属箔2AAと金属箔2BAとを接着する。この接着は例えば溶接により行われる。この溶接の後、図4(d)のように、保持部材21B、21C、接着部材21Dを上昇して金属箔2AA、2BAを開放するとともにローラ22の駆動を再開させることで、箔つなぎがなされた金属箔が搬送される。この時、上述したようにローラ22が金属箔2を繰り出す速さをローラ23より早くすることで、次の箔つなぎのためのマージンが確保される。
箔つなぎがなされた金属箔2に対してダイヘッド5、6にて4回目の塗工がなされるが、制御部12では、箔つなぎがなされた部分(図4(c)における金属箔2AAと金属箔2BAとの接続箇所とその近傍)を認識し、箔つなぎがなされた部分を避けて4回目の塗工を行う。つまり、ダイヘッド5にて金属箔の表面に対する3回目の塗工が行われた後に塗工後距離Bの長さ分に相当する分の押圧ローラ7の回転量(押圧ローラ7が回転開始してから1stロットR1の長さに相当する分の回転量)になったことを、エンコーダ13を介して制御部12は認識する。制御部12は、押圧ローラ7の回転量が、この認識からさらに金属箔2のつなぎ部分に相当する長さ(図2のつなぎ巻取長L4に相当)と塗工前距離Aの長さに相当する量になるまで(金属箔の4回目の塗工の開始位置がダイヘッド5に到達するまで)ダイヘッド5に対してスラリーの吐出指示の信号を出さない。つなぎ巻取長L4の長さは、溶接等の金属箔間接続を行う箇所の幅α前後に所定の長さβ分を足した長さとしている(つまり、つなぎ巻取長L4は、α+2βとなる)。この後に、押圧ローラ7の回転量に基づき制御部12が金属箔の4回目の塗工の開始位置がダイヘッド5に到達したと認識されると、制御部12はダイヘッド5にスラリーの吐出を指示する信号をだす。このようにして、箔つなぎがなされた金属箔2の表面にスラリーが塗工される。以降同様に、制御部12により、つなぎ巻取長L4を考慮したタイミングで、ダイヘッド6に対してもスラリーの吐出指示の信号が出される。このようにして、制御部12における第3の動作モードに基づくダイヘッド6への制御が行われる。
ここで、巻取り装置3による巻取りによって、スラリーが塗工されたロール状の金属箔2が形成されるが、このロール状の金属箔2の大きさ(1つのロールとして巻き取る金属箔2の長さ)が所定の長さになった場合、別のロールとするために巻取りの切り換えを行う必要がある。つまり、回転シャフト53にて巻き取った金属箔2の長さが所定の長さ分になった場合には、回転シャフト53への巻取りは終了して、新たな回転シャフト54へ巻取ることが必要となる。この巻取りの切り換え動作について図5を用いて説明する。
回転シャフト53の駆動により金属箔2の巻取りが行われ、巻き取った金属箔2の長さが所定の長さに近づくと、制御部12は事前に回転シャフト53の位置と回転シャフト54の位置を変更して回転シャフト54への巻取り準備を開始する。この所定の長さに近づいたか否かの判断は、押圧ローラ7の回転量に基づいて行うこともできるし、巻取りを開始してからの回転シャフト53の回転数などに基づいて行うこともできる。まず、図5(a)のように、回転シャフト53に金属箔2が巻き取られ、ロール状金属箔2Aが形成されている。この後、図5(b)のように、回転シャフト53と回転シャフト54が時計方向に移動する。この時、ローラ24A、24Bも回転シャフト53、54との位置関係を保ったまま時計方向に移動する。この移動により、回転シャフト53は図5(a)における回転シャフト54の位置に移動し、回転シャフト54は図5(a)における回転シャフト53の位置に移動する。回転シャフト53の移動とともにローラ24Bも図5(a)におけるローラ24Aの位置へと移動するため、移動が終了した時には、回転シャフト53で巻き取っている金属箔2はローラ44J、24Bに支持された状態となる。この回転シャフト53の移動動作により回転シャフト53で巻取られている金属箔2が回転シャフト53の移動に伴い回転シャフト53の移動方向に引っ張られることになるが、図5(b)のように、テンションローラ44Gが下降することで、必要な金属箔2の供給がなされるので、巻取り装置3より上流側での金属箔2の搬送に影響を与えることが抑えられる。次に、押圧ローラ7の回転量から、搬送されている金属箔2のカット箇所がシートカッタ11に到達したことを制御部12により認識されると、制御部12からの指示により回転シャフト53の駆動が停止される。この時、図5(c)のように、巻取り装置3の上流側での金属箔2の搬送を円滑に進めるためテンションローラ44Gが上昇する。このようにすることで、巻取り装置3での金属箔2の巻取りは停止しているものの、搬送されてくる金属箔2をテンションローラ44Gで吸収することができる。金属箔2におけるカット位置がシートカッタ11の位置まできたところで搬送が停止した金属箔2に対し、図5(d)のように、制御部12からの指示を受けたシートカッタ11により金属箔2がカットされる。このカットがなされた後に、回転シャフト53の駆動が開始されてロール状金属箔2Aとして巻き取るべき金属箔2が巻き取られ、ローラ24をローラ44Iに対向するように移動することで、カットされた後に上流側にある金属箔2を挟み込んで、ローラ24の駆動により金属箔2を巻取り装置3の方向へ搬送する。さらに、図5(e)のように、サポートローラ25が回転駆動している回転シャフト54側へ移動し、回転シャフト54に新たに搬送されてくる金属箔2の先端部を押しつけて回転シャフト54に巻き付くようにする。金属箔2は回転駆動する回転シャフト54によって巻き取られていくので、ローラ24を駆動させる必要はなくなるためローラ24は離間する。金属箔2の巻取り初期段階では巻取り速度と上流側での金属箔2の搬送速度とが若干ずれるのでこの調整が制御部12にて行われる間は、テンションローラ44Gの下降等により搬送速度のずれを吸収するようにしている。
以上のように、本形態では制御部12の制御により金属箔2を安定して搬送し、金属箔2の表面や裏面の所望の位置に電極スラリーを塗工することができる。
なお、上記実施の形態では、金属箔2の片面のみならず、反対側の面にもスラリーを塗布するようにしたが、必ずしも両面に塗布する必要はない。片面でも構わない。
また、エンコーダ13は金属箔2に当接して回転する押圧ローラ7の回転数に基づくものに限定するものではない。エンコーダ13が検出する金属箔2の走行距離を表す走行距離信号を送出する構造であれば、それ以上の限定はない。走行距離信号に基づき制御部12における演算処理により塗工開始位置、塗工終了位置等を特定してダイヘッド5、6の動作等を制御し得る構造となっていれば良い。
さらに、シート部材を金属箔2に限定する必要もない。印刷等の分野で対象とされる紙等にスラリー状の液体を塗工する場合にも同様に適用できる。
本発明は、金属箔の表面にスラリー状の活物質を塗布して電極を作製する塗工工程を有する、例えばリチウムイオン電池の製造を行う産業分野において有効に利用することができる。
1 繰り出し装置、
2 金属箔(シート部材)
2A、2B ロール状金属箔
3 巻取り装置
5、6 ダイヘッド
9、10 乾燥装置
12 制御部
13 エンコーダ
51〜54 回転シャフト

Claims (7)

  1. ロール状に巻回されたシート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間に展張された前記シート部材を走行させつつ、途中で繰り出された前記シート部材の表面に塗工手段を介してスラリーを塗布するものであり、繰り出された前記シート部材の終端部に新たなロール状に巻回されたシート部材の先端部を継ぐことで前記シート部材の供給源を切替えてロール状に巻回された複数本の前記シート部材に対する連続的な塗工を行う機能を有するシート部材の塗工システムであって、
    繰り出された前記シート部材の走行距離を検出するエンコーダと、
    前記エンコーダが送出する前記走行距離を表す走行距離信号を処理して前記スラリーの前記シート部材に対する塗工開始位置および塗工終了位置を演算し、前記塗工開始位置から前記塗工終了位置まで所定の塗工が行われるよう制御する制御手段と、を有することを特徴とするシート部材の塗工システム。
  2. 請求項1に記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記制御手段は、前記塗工開始位置の上流側に所定の塗工前距離を確保した前記スラリーの無塗工部が形成されるとともに、前記塗工終了位置の下流側に所定の塗工後距離を確保した前記スラリーの無塗工部が形成されるように前記シート部材の走行を制御するものであることを特徴とするシート部材の塗工システム。
  3. 請求項2に記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記塗工後距離は、前記シート部材に対する前記スラリーの塗工工程の次の工程におけるロール状に巻回された前記シート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間の長さである次の工程のスパン長に基づいて設定したことを特徴とするシート部材の塗工システム。
  4. 請求項3に記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記塗工前距離は、前記シート部材に対する前記スラリーの塗工工程の次の次の工程におけるロール状に巻回された前記シート部材を繰り出す繰り出し装置と、繰り出された前記シート部材を巻取る巻取り装置との間の次の次の工程のスパン長に基づいて設定したことを特徴とするシート部材の塗工システム。
  5. 請求項3又は請求項4に記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記塗工後距離と、前記次の工程のスパン長との関係は、前記塗工後距離≧前記次の工程のスパン長となっていることを特徴とするシート部材の塗工システム。
  6. 請求項4に記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記塗工後距離と前記次の工程のスパン長との関係は、前記塗工後距離≧前記次の工程のスパン長となり、前記塗工前距離と前記次の次の工程のスパン長との関係は、前記塗工前距離≧前記次の次の工程のスパン長となっていることを特徴とするシート部材の塗工システム。
  7. 請求項1〜請求項6に何れか一つに記載するシート部材の塗工システムにおいて、
    前記シート部材は、電池の電極となる電極箔であり、前記スラリーは前記電池の電極を構成する電極活物質であることを特徴とするシート部材の塗工システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018041687A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 株式会社Screenホールディングス 塗工装置およびフィルム回収方法
JP2019121536A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 トヨタ自動車株式会社 搬送装置

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