JP5589231B2 - サポートロールの背面冷却方法 - Google Patents
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Description
0.60 ≦ W1/W0 ・・・(1)
0.30 ≦ 2L1/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
(但し、W1は、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
W0は、鋳片幅[m]
L1は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
Ld1は、反基準側ロールの直径[m])
前記反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X1[Nm3/h・m2]を、下記(3)式を満たすように設定する。
0.20 ≦X1 ≦ 0.80・・・(3)
また、前記基準側ロールの冷却において、前記基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W2及び噴霧長さL2が、それぞれ下記(4)式及び下記(5)式を満たすように設定し、
0.60 ≦ W2/W0 ・・・(4)
0.20 ≦ 2L2/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
(但し、W2は、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
W0は、鋳片幅[m]
L2は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
Ld2は、基準側ロールの直径[m])
前記基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X2[Nm3/h・m2]を、下記(6)式を満たすように設定する。
1.0 ≦ X2/X1 ≦ 1.60・・・(6)
図1に示すように、連続鋳造機100は、垂直曲げ型のブルーム用の連続鋳造機であって、タンディッシュ1と、タンディッシュ1の底部に連結して設けられた浸漬ノズル2と、浸漬ノズル2の下部が配置された鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って設けられたサポートロール群4とを有する。鋳型3は、上面視が略矩形状であって、アスペクト比が2以下のブルームを鋳造できるように構成されている。
本実施形態では、図3及び図4(a)に示すように、冷却水が、反基準側ロール41の所定の噴霧範囲(噴霧幅W1、噴霧長さL1)に、所定の冷却水量密度(X1)で噴霧される場合について説明する。ここで、図4(a)に示すように、噴霧幅W1 は、鋳片幅方向についての最大長さであり、噴霧長さL1は、反基準側ロール41の周面に沿った鋳造方向についての最大長さである。また、図4(a)では、長軸が噴霧幅W1であり、短軸が噴霧長さL1 である略楕円形状の噴霧領域S1 に、冷却水が噴霧される場合を示している。
反基準側ロール41の一部に冷却水を噴霧することにより、反基準側ロール41内で、冷却熱が熱伝導し、冷却効果が広がる。そして、噴霧幅W1が鋳片の幅W0の60%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧幅W1が鋳片の幅W0の60%以上(噴霧幅比W1/W0が0.6以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。これにより、反基準側ロール41の摩耗による劣化及び反基準側ロール41へのスケールの付着を防止できる。したがって、噴霧幅W1 の下限を鋳片の幅W0の60%とする(下記式(1))。
0.60 ≦ W1/W0・・・(1)
W1/W0 ≦ 1.0・・・(A)
0.60 ≦ W1/W0 ≦ 1.0・・・(B)
噴霧幅W1の下限の設定と同様に、反基準側ロール41内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧長さL1が反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧長さL1が反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%以上(噴霧長さ比2L1/πLd1が0.30以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、噴霧長さL1の下限を反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%とする(下記式(C))。
0.30 ≦ 2L1/πLd1 ・・・(C)
ここで、「Ld1」は、反基準側ロール41の直径である。また、「反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2」とは、図3及び図5(a)に示すように、反基準側ロール41の中心軸c1と、ミストノズル21から噴霧されるミストの中心噴霧線m1との交点X1において、中心噴霧線m1を中心に反基準側ロール41の周方向に±90度の範囲(計180度)の半円形R1の周長さ(図3、図4(a)及び図5(a)に示す「πLd1/2」)である。ここで、中心噴霧線m1は、ミストノズル21から噴霧されるミストの中心噴霧方向を直線で示したものであり、半円形R1は、ミストノズル21側の領域である。
2L1/πLd1 ≦ 1.0・・・(D)
0.30 ≦ 2L1/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
冷却水量が少なすぎる場合、冷却が不足し、反基準側ロール41に高温部が発生する。そして、冷却水量密度X1が0.20[Nm3/h・m2]未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、冷却水量密度X1が0.20[Nm3/h・m2]以上である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、冷却水量密度X1の下限を0.20[Nm3/h・m2]とする(下記式(E))。
0.20 ≦X1・・・(E)
X1 ≦ 0.80・・・(F)
0.20 ≦X1 ≦ 0.80・・・(3)
本実施形態では、図4(b)に示すように、冷却水が、基準側ロール42の所定の噴霧範囲(噴霧幅W2、噴霧長さL2)に、所定の冷却水量密度(X2)で噴霧される場合について説明する。図4(b)に示すように、噴霧幅W2 は、鋳片幅方向についての最大長さであり、噴霧長さL2は、基準側ロール42の周面に沿った鋳造方向についての最大長さである。図4(b)では、長軸が噴霧幅W2であり、短軸が噴霧長さL2である略楕円形の噴霧領域S2に、冷却水が噴霧される場合を示している。
反基準側ロール41の噴霧幅W1の下限と同様に、反基準側ロール41内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧幅W2が鋳片の幅W0の60%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧幅W2が鋳片の幅W0の60%以上(噴霧幅比W1/W0が0.6以上)である場合は、基準側ロール42に高温部が発生しないようにすることができる。そこで、噴霧幅W2の下限を鋳片の幅W0の60%とする(下記式(4))。
0.60 ≦ W2/W0・・・(4)
W2/W0 ≦ 1.0・・・(G)
0.60 ≦ W2/W0 ≦ 1.0・・・(H)
反基準側ロール41の噴霧長さL1の下限と同様に、基準側ロール42内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧長さL2が基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧長さL2が基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%以上(噴霧長さ比2L2/πLd2が0.20以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、噴霧長さL2の下限を基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%とする(下記式(I))。
0.20 ≦ 2L2/πLd2・・・(I)
ここで、「Ld2」は、基準側ロール42の直径である。また、「基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2」とは、図3及び図5(b)に示すように、基準側ロール42の中心軸c2 と、ミストノズル22から噴霧されるミストの中心噴霧線m2との交点X2において、中心噴霧線m2を中心に基準側ロール42の周方向に±90度の範囲(計180度)の半円形R2の周長さ(図3、図4(b)及び図5(b)に示す「πLd2/2」)である。ここで、中心噴霧線m2は、ミストノズル22から噴霧されるミストの中心噴霧方向を直線で示したものであり、半円形R2は、ミストノズル22側に配置された領域である。
2L2/πLd2 ≦ 1.0・・・(J)
0.20 ≦ 2L2/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
反基準側ロール41の冷却水量密度X1の下限と同様に、冷却水量密度X2が0.20[Nm3/h・m2]未満である場合は、冷却が足りず、基準側ロール42に高温部が発生するのに対して、冷却水量密度X2が0.20[Nm3/h・m2]以上である場合は、基準側ロール42に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、冷却水量密度X2の下限を0.20[Nm3/h・m2]とする(下記式(K))。
0.20 ≦X2 ・・・(K)
X1 ≦ X2 ・・・(L)
X2/X1 ≦ 1.60・・・(M)
1.0 ≦ X2/X1 ≦ 1.60 ・・・(6)
(鋳型3の上端における内径)
(長辺)430mm×(短辺)300mm
(鋳造速度)
0.70m/min以上1.05m/min以下
(比水量(2次冷却帯))
0.15l/kg・s以上0.40l/kg・s以下
(サポートロール(反基準側ロール41及び基準側ロール42))
・直径300mm
・幅(ロールの軸方向長さ)500mm
・材質:12Cr鋼
(C:0.12%、Si:0.52%、Mn:1.05%、Ni:1.22%、Cr:11.68%、Mo:0.69%)
(溶鋼)
下記の成分を主要成分とする低炭素普通鋼、高炭素普通鋼、低合金低炭素鋼、低合金炭素鋼等を鋳造することができる。
C :0.05%以上0.55%以下
Si:0.10%以上2.00%以下
Mn:0.30%以上1.90%以下
P :0.05%以上0.070%以下
S :0.003%以上0.120%以下
また、図1に示す連続鋳造機100には、2ストランドのブルーム連続鋳造機を用いることができる。
図1に示す垂直曲げ型の連続鋳造機を用いたブルームの連続鋳造において、空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置された反基準側ロールの冷却条件及び基準側ロールの冷却条件を変えたときの反基準側ロール及び基準側ロールの摩耗量と鋳片の表面の欠陥の有無とを調べた。
(測定方法)
<「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」>
図6に示すように、連続鋳造開始前のロール直径(図5(a)の右図に示すdx)と、連続鋳造開始から1ヶ月後のロールの直径(ロールの最大摩耗部の直径であり、例えば、図5(b)の右図に示すdy)とを測定した。そして、下記式から摩耗量[mm]を求め、この摩耗量[mm]を表1に示す「鋳造量[ton]」で除して得られた摩耗量[mm/ton]を「単位鋳造量当たりのロール摩耗量」(表1に示す摩耗量[mm/ton])とした。
なお、比較例1,3,5では、鋳造開始から1ヶ月を経過するまでに鋳片の表面にスケール疵が発生したことから、ロールの温度が上昇し、相当の摩耗が生じたものと考えられる。
鋳片の表面における割れ(表面割れ)とスケール疵との発生の有無を確認した。
「表面割れ」の評価においては、鋳片を鋼片まで分塊した後、鋼片表面に磁粉探傷試験(JIS規格G−0565)を行うことにより、「表面割れ」の有無を評価した。
また、「スケール疵」の評価においては、鋳造された鋳片の表面を目視により観察し、疵の有無を確認した。
2 浸漬ノズル
3 鋳型
4 サポートロール群
10 ロールスタンド
21,22 ミストノズル
41 反基準側ロール
42 基準側ロール
40 サポートロール対
100 連続鋳造機
Claims (1)
- 垂直曲げ型又は曲げ型のブルーム連続鋳造機の鋳造経路において、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までに配置されたサポートロールを冷却するロール背面冷却方法であり、
前記サポートロールは、鋳片を挟んで互いに反対側に配置された反基準側ロール及び基準側ロールを備えており、
前記反基準側ロールの冷却において、
前記反基準側ロールにミストノズルを用いて冷却水を噴霧し、
前記反基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W1及び噴霧長さL1が、それぞれ下記(1)式及び下記(2)式を満たすように設定し、
0.60 ≦ W1/W0 ・・・(1)
0.30 ≦ 2L1/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
(但し、W1は、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
W0は、鋳片幅[m]
L1は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
Ld1は、反基準側ロールの直径[m])
前記反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X1[Nm3/h・m2]を、下記(3)式を満たすように設定し、
0.20 ≦X1 ≦ 0.80 ・・・(3)
前記基準側ロールの冷却において、
前記基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W2及び噴霧長さL2が、それぞれ下記(4)式及び下記(5)式を満たすように設定し、
0.60 ≦ W2/W0 ・・・(4)
0.20 ≦ 2L2/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
(但し、W2は、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
W0は、鋳片幅[m]
L2は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
Ld2は、基準側ロールの直径[m])
前記基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X2[Nm3/h・m2]を、下記(6)式を満たすように設定することを特徴とするサポートロールの背面冷却方法。
1.0 ≦ X2/X1 ≦ 1.60・・・(6)
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