JP5589231B2 - サポートロールの背面冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直曲げ型又は曲げ型のブルーム連続鋳造機において、鋳片を支持するサポートロールを冷却する方法に関する。
連続鋳造において、鋳片を支持するサポートロールは、鋳片から受ける高温の熱により、摩耗による劣化やスケールが付着するという問題がある。そこで、従来から、サポートロールに冷却水を吹き付けてサポートロールを冷却する方法が検討されている(例えば、特許文献1−3)。
特許第3519682号公報 特開2000−343189号公報 特開平04−279260号公報
しかしながら、サポートロールを冷却するための冷却水が、サポートロール間を搬送される鋳片にかかると、鋳片に表面割れが発生することがある。そして、上述した方法では、サポートロールの摩耗による劣化やスケールが付着することを防止できるが、鋳片に表面割れが発生するおそれがある。
そこで、本発明は、摩耗による劣化及びスケールが付着することを防止できるとともに、鋳片の表面割れを防止できるサポートロールの冷却方法を提供することを目的とする。
本発明のサポートロールの背面冷却方法は、垂直曲げ型又は曲げ型のブルーム連続鋳造機の鋳造経路において、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までの間に配置されたサポートロールを冷却するロール背面冷却方法であり、前記サポートロールは、鋳片を挟んで互いに反対側に配置された反基準側ロール及び基準側ロールを備え、前記反基準側ロールの冷却において、前記反基準側ロールにミストノズルを用いて冷却水を噴霧し、前記反基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W及び噴霧長さLが、それぞれ下記(1)式及び下記(2)式を満たすように設定し、
0.60 ≦ W/W・・・(1)
0.30 ≦ 2L/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
(但し、Wは、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
は、鋳片幅[m]
は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
d1は、反基準側ロールの直径[m])
前記反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X[Nm/h・m]を、下記(3)式を満たすように設定する。
0.20 ≦X ≦ 0.80・・・(3)
また、前記基準側ロールの冷却において、前記基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W及び噴霧長さLが、それぞれ下記(4)式及び下記(5)式を満たすように設定し、
0.60 ≦ W/W・・・(4)
0.20 ≦ 2L/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
(但し、Wは、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
は、鋳片幅[m]
は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
d2は、基準側ロールの直径[m])
前記基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X[Nm/h・m]を、下記(6)式を満たすように設定する。
1.0 ≦ X/X ≦ 1.60・・・(6)
本発明によると、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までの領域に配置された基準側ロール及び反基準側ロールに所定量の冷却水を所定の範囲に噴霧することによって、サポートロールの摩耗による劣化及びサポートロールへのスケールの付着を防止できるとともに、鋳片に表面割れが生じることを防止できる。
また、基準側ロール及び反基準側ロールの冷却において、冷却水量密度比X/Xを1.0以上1.60以下とすることにより、鋳片の基準側ロールに対応する側が反基準側ロールに対応する側よりも過冷却されることを防止できる。これにより、鋳片に異常な変形が生じることを防止できる。
本発明のサポートロールの背面冷却方法によると、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までの領域に配置された基準側ロール及び反基準側ロールに所定量の冷却水を所定の範囲に噴霧することにより、サポートロールの摩耗による劣化及びサポートロールへのスケールの付着を防止できるとともに、鋳片に表面割れが生じることを防止できる。
連続鋳造機の構成を示す模式図である。 (a)図1に示す空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置されたロールスタンドの構成を示す図であり、(b)は図2(a)のIIB−IIB線に沿った断面図である。 図2に示すロール及び噴霧ノズルの拡大模式図である。 図2に示すロールの拡大模式図であり、(a)は反基準側ロールを示し、(b)は基準側ロールを示している。 図2に示すロール及び噴霧ノズルの拡大模式図であり、(a)は反基準側ロールを示し、(b)は基準側ロールを示している。 反基準側ロールの摩耗量及び基準側ロールの摩耗量の算出方法を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔連続鋳造機100〕
図1に示すように、連続鋳造機100は、垂直曲げ型のブルーム用の連続鋳造機であって、タンディッシュ1と、タンディッシュ1の底部に連結して設けられた浸漬ノズル2と、浸漬ノズル2の下部が配置された鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って設けられたサポートロール群4とを有する。鋳型3は、上面視が略矩形状であって、アスペクト比が2以下のブルームを鋳造できるように構成されている。
鋳造経路Qは、鋳型3の下端から下方に延びた垂直経路部と、垂直経路部に連接した曲げ経路部と、曲げ経路部に連接した円弧状の円弧経路部と、円弧経路部の下流に設けられた矯正経路部と、矯正経路部の下流において水平方向に延在した水平経路部とを有する。矯正経路部は、円弧経路部と水平経路部とを滑らかに接続する領域であって、鋳造方向の全長に亘って曲率を有する。
また、本実施形態では、鋳造経路Qの垂直経路部及び曲げ経路部の一部に、鋳型3の直下から複数の冷却スプレー5が設けられており、冷却スプレー5から冷却水が鋳片に直接噴霧される。そして、冷却スプレー5が設けられた領域を二次冷却帯と呼び、冷却スプレー5等によって冷却水が鋳片に直接噴霧されない領域を空冷帯と呼ぶ。本実施形態の二次冷却帯は、図1に示すように、鋳型3の下端から曲げ経路部の途中までの領域である。また、空冷帯は、曲げ経路部の途中から水平経路部の終端までの領域であって、曲げ経路部の一部、円弧経路部、矯正経路部及び水平経路部を有する。
サポートロール群4は、鋳片を支持する複数のサポートロールから構成されており、鋳片を挟んで互いに反対側に配置された反基準側ロール41と基準側ロール42とを有する。反基準側ロール41は、鋳造経路Qの一方側(鋳片の上側に対応した側)に配置され、基準側ロール42は、鋳造経路Qの他方側(鋳片の下側に対応した側)に配置されている。そして、互いに対向するように配置された反基準側ロール41及び基準側ロール42により、一対のサポートロール対40が構成されている。サポートロール対40は、鋳造経路Qに沿って並設された複数のロールスタンドに設けられている。
次に、本発明に係るサポートロールの背面冷却方法について説明する。
本発明は、図1に示す空冷帯のロール背面冷却領域Rに設けられたサポートロール(反基準側ロール41及び基準側ロール42)を冷却する方法である。空冷帯のロール背面冷却領域Rは、空冷帯に設けられた領域であって、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までの領域である。そして、本実施形態の空冷帯のロール背面冷却領域Rは、図1に示すように、曲げ経路部の一部と円弧経路部と矯正経路部とを含む。空冷帯のロール背面冷却領域Rには、本発明に係るサポートロールの背面冷却方法を実施できる冷却設備が設けられている。また、本実施形態では、図1に示す二次冷却帯(垂直経路部及び水平経路部の一部)にも、同様な冷却設備が設けられている。したがって、本実施形態では、空冷帯のロール背面冷却領域Rと二次冷却帯とにおいて、本発明に係るサポートロールの背面冷却方法を実施する。
図2には、空冷帯のロール背面冷却領域Rに並設された1つのロールスタンド10を示している。空冷帯のロール背面冷却領域Rには、図2に示すロールスタンド10と同様な構成のロールスタンドが鋳造方向に沿って並設されている。なお、図2(b)では、断面を示すハッチングを省略している。
図2(a)に示すように、ロールスタンド10は、反基準側のフレーム11と、基準側のフレーム12と、複数のサポートロール対40とを有する。反基準側のフレーム11には、複数の反基準側ロール41と、反基準側ロール41に向けてミストを噴霧する複数のミストノズル21が設けられている。また、基準側のフレーム12には、複数の基準側ロール42と、基準側ロール42に向けてミストを噴霧する複数のミストノズル22が設けられている。
図2(b)に示すように、反基準側のフレーム11に設けられたミストノズル21は、水供給路21aと、空気供給路21bとを有する。ミストノズル21の内部において、水供給路21aを通過した冷却水と空気供給路21bを通過したエアとが、混合され、ミスト状(水及び空気の混合流体)になって、反基準側ロール41に噴霧される。そして、図2(a),(b)では、冷却水が鋳造方向に対して略垂直な方向に噴出される構成を示している。
同様に、図2(b)に示すように、基準側のフレーム12に設けられたミストノズル22は、水供給路22aと、空気供給路22bとを有する。水供給路22aを通過した冷却水と空気供給路22bを通過したエアとは、混合され、ミスト状になって基準側ロール42に噴霧される。
ところで、反基準側のフレーム11では、冷却水は、下方向に噴霧されるため、重力の影響を受ける。したがって、反基準側のフレーム11では、基準側のフレーム12と比べて、冷却水が蒸発する前に鋳片に達しやすい。そこで、反基準側のフレーム11では、スプレーノズルを用いて冷却するのでなく、ミストノズル21を用いて反基準側ロール41に細かい水粒子(冷却水)を噴霧する。これにより、反基準側のフレーム11において、冷却水が、早期に蒸発し、鋳片にかかることを抑止できる。
ミストノズル21,22から噴霧されるミストの気水比は、10以上400以下に調整されている。気水比が10未満である場合は、ミスト状にならず、エアを含まない場合(例えば、冷却水を、圧力を加えて噴霧した場合)と同様になるため、気水比を10以上とする。また、気水比が400を超える場合は、エア量が多すぎてミストが連続して噴霧されないため、気水比を400以下とする。
次に、鋳片に表面割れが発生することを防止するため、反基準側ロール41と基準側ロール42との冷却方法を評価した。その結果、空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置された反基準側ロール41及び基準側ロール42について、冷却水の噴霧範囲及び冷却水量密度を所定の範囲に設定することにより、反基準側ロール41及び基準側ロール42の摩耗による劣化及びスケールの付着(スケール疵の発生)を防止できるとともに、鋳片に表面割れが発生するのを防止できることを見出した。
ここで、ロールの「摩耗による劣化」とは、鋳片から受けた高温の熱により、ロールが摩耗し、劣化することである。また、「スケール疵」とは、ロールに付着したスケールが鋳片に押し込まれることによって、鋳片表面に生じる疵である。さらに、「表面割れ」とは、鋳片に垂れた冷却水によって生じた熱応力により発生するものである。
図3には、空冷帯のロール背面冷却領域Rに並設された一対のサポートロール対40を示している。また、図4(a)には、図3に示す反基準側ロール41をミストノズル21側からみた図を示し、図4(b)には、図3に示す基準側ロール42をミストノズル22側からみた図を示している。また、図5(a)には、図3に示す反基準側ロール41のVA−VA線に沿った断面図を示し、図5(b)には、図3に示す基準側ロール42のVB−VB線に沿った断面図を示している。なお、図5では、断面を示すハッチングを省略している。空冷帯のロール背面冷却領域Rには、図3に示すサポートロール対40と同様な構成を有する複数のサポートロール対40が並設されている。
〔反基準側ロール41の冷却〕
本実施形態では、図3及び図4(a)に示すように、冷却水が、反基準側ロール41の所定の噴霧範囲(噴霧幅W、噴霧長さL)に、所定の冷却水量密度(X)で噴霧される場合について説明する。ここで、図4(a)に示すように、噴霧幅Wは、鋳片幅方向についての最大長さであり、噴霧長さLは、反基準側ロール41の周面に沿った鋳造方向についての最大長さである。また、図4(a)では、長軸が噴霧幅Wであり、短軸が噴霧長さLである略楕円形状の噴霧領域Sに、冷却水が噴霧される場合を示している。
<噴霧幅W>
反基準側ロール41の一部に冷却水を噴霧することにより、反基準側ロール41内で、冷却熱が熱伝導し、冷却効果が広がる。そして、噴霧幅Wが鋳片の幅Wの60%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧幅Wが鋳片の幅Wの60%以上(噴霧幅比W/Wが0.6以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。これにより、反基準側ロール41の摩耗による劣化及び反基準側ロール41へのスケールの付着を防止できる。したがって、噴霧幅Wの下限を鋳片の幅Wの60%とする(下記式(1))。
0.60 ≦ W/W・・・(1)
また、図4(a)に示すように、反基準側ロール41は、鋳片と接触する部分から熱を受ける。したがって、噴霧幅Wの上限を鋳片の幅Wとする(噴霧幅比W/Wの上限を1.0とする)(下記式(A))。
/W ≦ 1.0・・・(A)
以上より、反基準側ロール41への冷却水の噴霧幅Wを鋳片の幅Wの60%以上100%以下に設定する(下記式(B))。
0.60 ≦ W/W ≦ 1.0・・・(B)
<噴霧長さL>
噴霧幅Wの下限の設定と同様に、反基準側ロール41内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧長さLが反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧長さLが反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%以上(噴霧長さ比2L/πLd1が0.30以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、噴霧長さLの下限を反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%とする(下記式(C))。
0.30 ≦ 2L/πLd1 ・・・(C)
ここで、「Ld1」は、反基準側ロール41の直径である。また、「反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2」とは、図3及び図5(a)に示すように、反基準側ロール41の中心軸cと、ミストノズル21から噴霧されるミストの中心噴霧線mとの交点Xにおいて、中心噴霧線mを中心に反基準側ロール41の周方向に±90度の範囲(計180度)の半円形Rの周長さ(図3、図4(a)及び図5(a)に示す「πLd1/2」)である。ここで、中心噴霧線mは、ミストノズル21から噴霧されるミストの中心噴霧方向を直線で示したものであり、半円形Rは、ミストノズル21側の領域である。
一方、噴霧長さLが長すぎる場合、冷却水が鋳片にかかり、鋳片が過冷却されて、鋳片に表面割れが生じる。そして、噴霧長さLが反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2を超える場合は、鋳片に冷却水がかかるのに対して、噴霧長さLが反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2以下(噴霧長さ比2L/πLd1が1.0以下)である場合は、鋳片に冷却水がかからないようにすることができる。したがって、噴霧長さLの上限を反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2とする(下記式(D))。
2L/πLd1 ≦ 1.0・・・(D)
以上より、反基準側ロール41への冷却水の噴霧長さLを反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%以上100%以下に設定する(下記式(2))。
0.30 ≦ 2L/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
<冷却水量密度X>
冷却水量が少なすぎる場合、冷却が不足し、反基準側ロール41に高温部が発生する。そして、冷却水量密度Xが0.20[Nm/h・m]未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、冷却水量密度Xが0.20[Nm/h・m]以上である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、冷却水量密度Xの下限を0.20[Nm/h・m]とする(下記式(E))。
0.20 ≦X・・・(E)
一方、冷却水量が多すぎる場合、冷却水が、反基準側ロール41上で全て蒸発せず、鋳片に垂れる。その結果、鋳片が過冷却される。冷却水量密度Xが0.80[Nm/h・m]を超える場合は、冷却水が反基準側ロール41上で全て蒸発しないのに対して、冷却水量密度Xが0.80[Nm/h・m]以下である場合は、冷却水が、反基準側ロール41上で全て蒸発し、鋳片に垂れないようにすることができる。したがって、冷却水量密度Xの上限を0.80[Nm/h・m]とする(下記式(F))。
≦ 0.80・・・(F)
以上より、冷却水量密度Xを0.20[Nm/h・m]以上0.80[Nm/h・m]以下に設定する(下記式(3))。
0.20 ≦X ≦ 0.80・・・(3)
〔基準側ロール42の冷却〕
本実施形態では、図4(b)に示すように、冷却水が、基準側ロール42の所定の噴霧範囲(噴霧幅W、噴霧長さL)に、所定の冷却水量密度(X)で噴霧される場合について説明する。図4(b)に示すように、噴霧幅Wは、鋳片幅方向についての最大長さであり、噴霧長さLは、基準側ロール42の周面に沿った鋳造方向についての最大長さである。図4(b)では、長軸が噴霧幅Wであり、短軸が噴霧長さLである略楕円形の噴霧領域Sに、冷却水が噴霧される場合を示している。
<噴霧幅W>
反基準側ロール41の噴霧幅Wの下限と同様に、反基準側ロール41内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧幅Wが鋳片の幅Wの60%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧幅Wが鋳片の幅Wの60%以上(噴霧幅比W/Wが0.6以上)である場合は、基準側ロール42に高温部が発生しないようにすることができる。そこで、噴霧幅Wの下限を鋳片の幅Wの60%とする(下記式(4))。
0.60 ≦ W/W・・・(4)
また、反基準側ロール41の噴霧幅Wの上限と同様に、基準側ロール42は、鋳片と接触する部分から熱を受ける。したがって、噴霧幅Wの上限を鋳片の幅Wとする(噴霧幅比W/Wの上限を1.0とする)(下記式(G))。
/W ≦ 1.0・・・(G)
以上より、基準側ロール42への冷却水の噴霧幅Wを鋳片の幅Wの60%以上100%以下に設定する(式(H))。
0.60 ≦ W/W ≦ 1.0・・・(H)
<噴霧長さL>
反基準側ロール41の噴霧長さLの下限と同様に、基準側ロール42内で冷却熱が熱伝導する。そして、噴霧長さLが基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%未満である場合は、冷却が足りず、反基準側ロール41に高温部が発生するのに対して、噴霧長さLが基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%以上(噴霧長さ比2L/πLd2が0.20以上)である場合は、反基準側ロール41に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、噴霧長さLの下限を基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%とする(下記式(I))。
0.20 ≦ 2L/πLd2・・・(I)
ここで、「Ld2」は、基準側ロール42の直径である。また、「基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2」とは、図3及び図5(b)に示すように、基準側ロール42の中心軸cと、ミストノズル22から噴霧されるミストの中心噴霧線mとの交点Xにおいて、中心噴霧線mを中心に基準側ロール42の周方向に±90度の範囲(計180度)の半円形Rの周長さ(図3、図4(b)及び図5(b)に示す「πLd2/2」)である。ここで、中心噴霧線mは、ミストノズル22から噴霧されるミストの中心噴霧方向を直線で示したものであり、半円形Rは、ミストノズル22側に配置された領域である。
ところで、基準側ロール42の噴霧長さLの下限は、基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%であるのに対して、噴霧長さLの下限は、反基準側ロール41の半周の長さ(πLd1)/2の30%である。そして、反基準側ロール41の直径Ld1と、基準側ロール42の直径Ld2とが同一である場合(Ld1=Ld2)、基準側ロール42の噴霧長さLの下限は、反基準側ロール41の噴霧長さLの下限より小さい。これは、以下の理由のよるものである。図1に示すように、空冷帯のロール背面冷却領域Rでは、略円弧状に湾曲した鋳片の内側に反基準側ロール41が配置され、外側に基準側ロール42が配置されている。略円弧状の鋳片の内側では鋳片の外側よりも熱が対流しているため、鋳片の内側に配置された反基準側ロール41は、外側に配置された基準側ロール42よりも鋳片から多くの対流伝熱を受ける。したがって、鋳片の外側に配置された基準側ロール42は、内側に配置された反基準側ロール41よりも、鋳片から受ける対流伝熱量が少ないため、鋳片の外側に配置された基準側ロール42の冷却量は、内側に配置された反基準側ロール41の冷却量より少なくてよい。よって、基準側ロール42の噴霧長さLの下限を反基準側ロール41の噴霧長さLの下限よりも小さく設定することができる。
また、反基準側ロール41の噴霧長さLの上限と同様に、噴霧長さLが基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2を超える場合は、鋳片に冷却水がかかるのに対して、噴霧長さLが反基準側ロール41の半周の長さ(πLd2)/2以下(噴霧長さ比2L/πLd2が1.0以下)である場合は、鋳片に冷却水がかからないようにすることできる。したがって、噴霧長さLの上限を基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2(噴霧長さ比2L/πLd2を1.0)とする(下記式(J))。
2L/πLd2 ≦ 1.0・・・(J)
以上より、基準側ロール42への冷却水の噴霧長さLを基準側ロール42の半周の長さ(πLd2)/2の20%以上100%以下に設定する(下記式(5))。
0.20 ≦ 2L/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
<冷却水量密度X>
反基準側ロール41の冷却水量密度Xの下限と同様に、冷却水量密度Xが0.20[Nm/h・m]未満である場合は、冷却が足りず、基準側ロール42に高温部が発生するのに対して、冷却水量密度Xが0.20[Nm/h・m]以上である場合は、基準側ロール42に高温部が発生しないようにすることができる。したがって、冷却水量密度Xの下限を0.20[Nm/h・m]とする(下記式(K))。
0.20 ≦X ・・・(K)
ところで、空冷帯のロール背面冷却領域Rでは、冷却水が反基準側ロール41に向けて上方向に噴霧され、基準側ロール42上で蒸発しなかった冷却水は、鋳片と反対側に落下し、鋳片に垂れない。したがって、基準側ロール42の冷却水量密度Xを、基準側ロール42の冷却水量密度X以上としてもよい。これにより、冷却効果を向上させることができる(下記式(L))。
≦ X・・・(L)
一方、基準側ロール42の冷却水量密度Xが、反基準側ロール41の冷却水量密度Xよりも非常に多い場合、鋳片の基準側ロール42に対応する側が反基準側ロール41に対応する側よりも過冷却される。これにより、鋳片の基準側ロール42に対応する側の抜熱量が鋳片の反基準側ロール41に対応する側の抜熱量より非常に多くなり、鋳片の基準側ロール42に対応する側と鋳片の反基準側ロール41に対応する側との温度差が大きくなる。その結果、鋳片の基準側ロール42に対応する側が反基準側ロール41に対応する側に比べて異常に収縮し、それが原因で操業の停止を要することがある。
そして、基準側ロール42の冷却水量密度Xが反基準側ロール41の冷却水量密度Xの160%超える場合、鋳片の基準側ロール42に対応する側が反基準側ロール41に対応する側に比べて過冷却されるのに対して、基準側ロール42の冷却水量密度Xが反基準側ロール41の冷却水量密度Xの160%以下である場合は、鋳片の基準側ロール42に対応する側が反基準側ロール41に対応する側よりも過冷却されないようにすることができる。したがって、基準側ロール42の冷却水量密度Xが反基準側ロール41の冷却水量密度Xの160%以下である場合は、鋳片が異常に変形することを防ぐことができ、長期間、操業を続けることができる。そこで、基準側ロール42の冷却水量密度Xの上限を反基準側ロール41の冷却水量密度Xの160%(X=1.60×X)とする(下記式(M))。
/X ≦ 1.60・・・(M)
以上より、基準側ロール42の冷却水量密度Xを反基準側ロール41の冷却水量密度Xの100%以上160%以下に設定する(下記式(6))。
1.0 ≦ X/X ≦ 1.60 ・・・(6)
ここで、本実施形態の操業条件の一例を説明する。なお、成分を示す「%」は「質量%」を示す。
(鋳型3の上端における内径)
(長辺)430mm×(短辺)300mm
(鋳造速度)
0.70m/min以上1.05m/min以下
(比水量(2次冷却帯))
0.15l/kg・s以上0.40l/kg・s以下
(サポートロール(反基準側ロール41及び基準側ロール42))
・直径300mm
・幅(ロールの軸方向長さ)500mm
・材質:12Cr鋼
(C:0.12%、Si:0.52%、Mn:1.05%、Ni:1.22%、Cr:11.68%、Mo:0.69%)
(溶鋼)
下記の成分を主要成分とする低炭素普通鋼、高炭素普通鋼、低合金低炭素鋼、低合金炭素鋼等を鋳造することができる。
C :0.05%以上0.55%以下
Si:0.10%以上2.00%以下
Mn:0.30%以上1.90%以下
P :0.05%以上0.070%以下
S :0.003%以上0.120%以下
また、図1に示す連続鋳造機100には、2ストランドのブルーム連続鋳造機を用いることができる。
以上に述べたように、本実施形態のサポートロールの背面冷却方法によると、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までの空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置された反基準側ロール41及び基準側ロール42に所定量(X,X)の冷却水を所定の範囲(噴霧幅W,W、噴霧長さL,L)に噴霧することにより、反基準側ロール41及び基準側ロール42の摩耗による劣化及び反基準側ロール41及び基準側ロール42へのスケールの付着を防止できるとともに、鋳片に表面割れが生じることを防止できる。
また、空冷帯のロール背面冷却領域Rの反基準側ロール41及び基準側ロール42の冷却において、冷却水量密度比 X/X を1.0以上1.60以下とすることにより、鋳片の基準側ロール42に対応する側が反基準側ロール41に対応する側よりも過冷却されることを防止できる。これにより、鋳片に異常な変形が生じることを防止できる。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
(実施例1〜15,比較例1〜10)
図1に示す垂直曲げ型の連続鋳造機を用いたブルームの連続鋳造において、空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置された反基準側ロールの冷却条件及び基準側ロールの冷却条件を変えたときの反基準側ロール及び基準側ロールの摩耗量と鋳片の表面の欠陥の有無とを調べた。
表1には、空冷帯のロール背面冷却領域Rに配置された反基準側ロールの冷却条件及び基準側ロールの冷却条件と、鋳造量とを示している。表1に示す「鋳造量」は、鋳造開始から1ヶ月間に鋳造した量(1ストランドあたりの鋳造量)である。ここで、比較例1,3,5では、鋳造開始から1ヶ月を経過するまでに操業条件を変更したため、鋳造開始から操業条件変更までの鋳造量を示している。
また、本実施例及び比較例では、本実施形態の連続鋳造機及びロールスタンドと同様な構成の連続鋳造機及びロールスタンドを用いており、本実施形態で例示した操業条件と同じ条件で操業した。そして、空冷帯のロール背面冷却領域Rでのミストノズルの気水比を60以上180以下に制御した。また、基準側ロールの直径Ld1と反基準側ロールの直径Ld2とが同一であるものを使用した(Ld1=Ld2=L)。
実施例1〜15及び比較例1〜10の評価結果を表1に示す。評価結果として、「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」と、「鋳片の表面の欠陥の有無」とを表1に示している。
以下に、表1の評価結果の測定方法を説明する。
(測定方法)
<「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」>
図6に示すように、連続鋳造開始前のロール直径(図5(a)の右図に示すd)と、連続鋳造開始から1ヶ月後のロールの直径(ロールの最大摩耗部の直径であり、例えば、図5(b)の右図に示すd)とを測定した。そして、下記式から摩耗量[mm]を求め、この摩耗量[mm]を表1に示す「鋳造量[ton]」で除して得られた摩耗量[mm/ton]を「単位鋳造量当たりのロール摩耗量」(表1に示す摩耗量[mm/ton])とした。
Figure 0005589231

なお、比較例1,3,5では、鋳造開始から1ヶ月を経過するまでに鋳片の表面にスケール疵が発生したことから、ロールの温度が上昇し、相当の摩耗が生じたものと考えられる。
<「鋳片の表面の欠陥の有無」>
鋳片の表面における割れ(表面割れ)とスケール疵との発生の有無を確認した。
「表面割れ」の評価においては、鋳片を鋼片まで分塊した後、鋼片表面に磁粉探傷試験(JIS規格G−0565)を行うことにより、「表面割れ」の有無を評価した。
また、「スケール疵」の評価においては、鋳造された鋳片の表面を目視により観察し、疵の有無を確認した。
表1の評価結果において、「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」が2.0×10−6[mm/ton]以下である場合は、反基準側ロール及び基準側ロールの健全性を1年間維持できると評価でき、摩耗量の判定を「○」とした。一方、「反基準側ロールの摩耗量」が2.0×10−6[mm/ton] を超える場合は反基準側ロールの健全性を1年間維持できないと評価して、また、「基準側ロールの摩耗量」が2.0×10−6[mm/ton] を超える場合は基準側ロールの健全性を1年間維持できないと評価して、「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」の少なくとも一方が2.0×10−6[mm/ton] を超える場合は、摩耗量の判定を「×」とした。
また、鋳片に「表面割れ」及び「スケール疵」が発生しなかった場合は、鋳片に厳しい加工を施しても製品として使用できると評価でき、「鋳片の表面の欠陥の有無」を「無」とした。一方、鋳片に「表面割れ」が発生した場合は、鋳片に厳しい加工を施すと、製品に割れが発生するため製品として使用できないと評価して、表1に「表面割れ有」と示している。また、鋳片に「スケール疵」が発生した場合は、鋳片の表面に疵が残るため、製品として使用できないと評価して、表1に「スケール疵有」と示している。
表1の総合判定では、摩耗量の判定が「○」であり且つ鋳片の表面の欠陥が「無」の場合に、総合判定を「○」とした。一方、摩耗量の判定が「×」である場合や鋳片の表面に割れ又はスケール疵が生じた場合には、総合判定を「×」とした。
Figure 0005589231
表1から、実施例1〜15では、「反基準側ロールの摩耗量」及び「基準側ロールの摩耗量」が2.0×10−6[mm/ton] 以下であり、鋳片の表面に割れ及びスケール疵が発生しなかった。
一方、比較例1では、反基準側ロールへの冷却水の噴霧幅比W/Wが0.5(0.6未満)であったため、反基準側ロールに高温部が発生し、鋳片の反基準側ロールに対応する側にスケール疵が生じたと考えられる。
また、比較例2では、反基準側ロールへの冷却水の噴霧長さ比2L/πLが1.1であった(1.0を超える)ため、反基準側ロールに噴霧した冷却水が鋳片にかかった。これにより、鋳片が過冷却され、鋳片の反基準側ロールに対応する側に表面割れが生じたと考えられる。
さらに、比較例3では、反基準側ロールへの冷却水の噴霧長さ比2L/πLが0.2(0.3未満)であったため、反基準側ロールに高温部が発生し、鋳片の反基準側ロールに対応する側にスケール疵が生じたと考えられる。
そして、比較例4では、反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度Xが0.9であった(0.8を超えた)ため、冷却水が、反基準側ロール上で全て蒸発せず、鋳片に垂れた。これにより、鋳片が過冷却され、鋳片の反基準側ロールに対応する側に表面割れが生じたと考えられる。
また、比較例5では、反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度Xが0.1(0.2未満)であったため、反基準側ロールに高温部が発生し、鋳片の反基準側ロールに対応する側にスケール疵が生じたと考えられる。
さらに、比較例6では、基準側ロールへの冷却水の噴霧幅比W/Wが0.5(0.6未満)であったため、反基準側ロールに高温部が発生し、反基準側ロールの摩耗量が2.0×10−6[mm/ton] を超えたと考えられる。
そして、比較例7では、基準側ロールへの冷却水の噴霧長さ比2L/πLが1.1であった(1.0を超えた)ため、基準側ロールへ噴霧した冷却水が鋳片にかかった。これにより、鋳片が過冷却され、鋳片の基準側ロールに対応する側に表面割れが生じたと考えられる。
また、比較例8では、基準側ロールへの冷却水の噴霧長さ比2L/πLが0.1(0.3未満)であったため、基準側ロールに高温部が発生し、基準側ロールの摩耗量が2.0×10−6[mm/ton] を超えたと考えられる。
さらに、比較例9では、基準側ロールに噴霧される冷却水量密度比X/Xが1.7であった(1.6を超えた)ため、鋳片の基準側ロールに対応する側が過冷却され、鋳片の基準側ロールに対応する側に表面割れが生じたと考えられる。
そして、比較例10では、基準側ロールに噴霧される冷却水量密度比X/Xが0.9(1.0未満)であったため、基準側ロールに高温部が発生し、基準側ロールの摩耗量が2.0×10−6[mm/ton] を超えたと考えられる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、本実施形態では、二次冷却帯の終端が曲げ経路部の途中に位置する場合について説明したが(図1参照)、二次冷却帯の終端は、垂直経路部、円弧経路部又は矯正経路部に位置してもよく、これらの経路部の境界に位置してもよい。このように、本発明のサポートロールの背面冷却方法は、二次冷却帯の終端の位置に関わらず、空冷帯において有効に利用できる。
また、本実施形態では、本発明のサポートロールの背面冷却方法を実施できる冷却設備を空冷帯のロール背面冷却領域R及び二次冷却帯に設け、空冷帯のロール背面冷却領域R及び二次冷却帯で本発明のサポートロールの背面冷却方法を実施する場合について説明したが、空冷帯のロール背面冷却領域Rだけに上記冷却設備を設け、空冷帯のロール背面冷却領域Rで本発明のサポートロールの背面冷却方法を実施してもよい。また、水平経路部にも上記冷却設備を設け、水平経路部でも本発明のサポートロールの背面冷却方法を実施してもよい。このように、本発明のサポートロールの背面冷却方法は、空冷帯のロール背面冷却領域Rのほかに二次冷却帯や水平経路部においても実施することができる。
さらに、本実施形態及び本実施例では、ミストノズル22を用いて基準側ロール42を冷却する場合について説明したが、基準側ロールの冷却はミストノズルを用いる場合に限られず、スプレーノズル(冷却水を、圧力をかけて噴出するノズル)等を用いて基準側ロールを冷却してもよい。
加えて、本実施形態では、反基準側ロール41及び基準側ロール42の冷却において、冷却水が噴霧される噴霧領域S,Sが略楕円形状である場合について説明したが、噴霧領域は、略楕円形状に限られず、略円形状や略矩形状であってもよい。
そして、本実施形態では、空冷帯のロール背面冷却領域Rに、図2に示すロールスタンド10と同様な構成を有するロールスタンドが並設されている場合について説明したが、空冷帯のロール背面冷却領域Rに並設される複数のロールスタンドはロールスタンド10と同様な構成でなくてもよい。例えば、図2では、冷却水が鋳造方向に対して略垂直な方向に噴霧されるようにミストノズルが配置されているが、反基準側ロール41の冷却において、冷却水がミストノズル21側に配置された半周面に噴霧され、基準側ロール42の冷却において、冷却水がミストノズル22側に配置された半周面に噴霧されるような構成であれば、冷却水が鋳造方向に対して傾斜した方向に噴霧されるように、ミストノズルを配置してもよい。
また、本実施形態では、反基準側ロール41と基準側ロール42とが同一の構成であり、反基準側ロールの直径(Ld1)と基準側ロールの直径(Ld2)とが同一(Ld1=Ld2)である場合について説明したが、反基準側ロールの直径と基準側ロールの直径とが異なっていてもよい(Ld1≠Ld2)。
さらに、本実施形態では、連続鋳造機100が垂直曲げ型の連続鋳造機である場合について説明したが、連続鋳造機は垂直曲げ型のものに限られず、垂直経路部を有さない曲げ型の連続鋳造機でもあってもよい。
本発明を利用すれば、サポートロールの摩耗による劣化及びサポートロールへのスケールの付着を防止できるとともに、鋳片の表面割れを防止できる。
1 タンディッシュ
2 浸漬ノズル
3 鋳型
4 サポートロール群
10 ロールスタンド
21,22 ミストノズル
41 反基準側ロール
42 基準側ロール
40 サポートロール対
100 連続鋳造機

Claims (1)

  1. 垂直曲げ型又は曲げ型のブルーム連続鋳造機の鋳造経路において、二次冷却帯の終端から矯正経路部の終端までに配置されたサポートロールを冷却するロール背面冷却方法であり、
    前記サポートロールは、鋳片を挟んで互いに反対側に配置された反基準側ロール及び基準側ロールを備えており、
    前記反基準側ロールの冷却において、
    前記反基準側ロールにミストノズルを用いて冷却水を噴霧し、
    前記反基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W及び噴霧長さLが、それぞれ下記(1)式及び下記(2)式を満たすように設定し、
    0.60 ≦ W/W・・・(1)
    0.30 ≦ 2L/πLd1 ≦ 1.0・・・(2)
    (但し、Wは、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
    は、鋳片幅[m]
    は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
    d1は、反基準側ロールの直径[m])
    前記反基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X[Nm/h・m]を、下記(3)式を満たすように設定し、
    0.20 ≦X ≦ 0.80 ・・・(3)
    前記基準側ロールの冷却において、
    前記基準側ロールへの冷却水の噴霧幅W及び噴霧長さLが、それぞれ下記(4)式及び下記(5)式を満たすように設定し、
    0.60 ≦ W/W・・・(4)
    0.20 ≦ 2L/πLd2 ≦ 1.0・・・(5)
    (但し、Wは、鋳片幅方向の噴霧幅[m]
    は、鋳片幅[m]
    は、鋳造方向の噴霧長さ[m]
    d2は、基準側ロールの直径[m])
    前記基準側ロールに噴霧される冷却水量密度X[Nm/h・m]を、下記(6)式を満たすように設定することを特徴とするサポートロールの背面冷却方法。
    1.0 ≦ X/X ≦ 1.60・・・(6)
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