JP5587466B1 - 許容される倒壊方向を有する塔状構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことのできる許容される倒壊方向を有する塔状構造物を提供する。
【解決手段】複数の主柱材101、102、103、104と、主柱材どうしを結合する複数の横架材251、252、253、254、271、272、273、274とを備え、横架材によって囲まれる架構面と、架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層355が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、複数の層のうち所定の層355において、主柱材および横架材によって縦横に囲まれる複数の側面のうち、倒壊を許容する方向以外の側面に、水平に延びる補剛材11、12,13が設置される。
【選択図】図2
【解決手段】複数の主柱材101、102、103、104と、主柱材どうしを結合する複数の横架材251、252、253、254、271、272、273、274とを備え、横架材によって囲まれる架構面と、架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層355が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、複数の層のうち所定の層355において、主柱材および横架材によって縦横に囲まれる複数の側面のうち、倒壊を許容する方向以外の側面に、水平に延びる補剛材11、12,13が設置される。
【選択図】図2
Description
本発明は、許容される倒壊方向を有する塔状構造物に関する。具体的には、万一、設計強度を超える外力を受けた場合に、倒壊する方向が予め設定されている塔状構造物に関する。
鉄塔構造物等の塔状構造物は、風の影響、地震の影響を考慮して設計される。従来より、骨組み構造体において、構造体があらゆる方向の外力に対して剛性を有することが記載された文献がある(特許文献1参照)。塔状構造物において、座屈長さを短くして、小断面であっても十分な座屈強度を確保することが記載された文献がある(特許文献2参照)。ブレース構造を有する建物において、斜めに交差する架構に水平の架構が接続されることが記載された文献がある(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1〜3のいずれの文献にも、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことについての記載はない。
本発明は、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことのできる許容される倒壊方向を有する塔状構造物を提供することを目的とする。
本発明は、複数の主柱材と、前記主柱材どうしを結合する複数の横架材とを備え、前記横架材によって囲まれる架構面と、前記架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、前記複数の層のうち所定の層において、前記主柱材および前記横架材によって縦横に囲まれる複数の側面のうち、倒壊を許容する方向以外の側面に、水平に延びる補剛材が設置される、許容される倒壊方向を有する塔状構造物に関する。
本発明によれば、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明による第1実施形態の塔状構造物1を示す。塔状構造物1は、主柱材100と、横架材200と、ブレース300とを備える。ここで、主柱材の符号100、横架材の符号200、ブレースの符号300は、いずれも総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。図1に関する以下の説明において、図示されない部分の符号については、括弧をつけて示す。
図1は、本発明による第1実施形態の塔状構造物1を示す。塔状構造物1は、主柱材100と、横架材200と、ブレース300とを備える。ここで、主柱材の符号100、横架材の符号200、ブレースの符号300は、いずれも総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。図1に関する以下の説明において、図示されない部分の符号については、括弧をつけて示す。
主柱材100は、4本設けられる。4本の主柱材101、(102、103、)104は、下端部111、(112、113、)114を有する。主柱材101、(102、103、)104は、下端部111、(112、113、)114から所定の高さに、第1高さ位置131、(132、133、)134を有する。下端部111、(112、113、)114から第1高さ位置131、(132、133、)134までの部分を、第1主柱部材121、(122、123、)124と称する。主柱材101、(102、103、)104は、第1高さ位置131、(132、133、)134から所定の高さに、第2高さ位置151、(152、153、)154を有する。第1高さ位置131、(132、133、)134から第2高さ位置151、(152、153、)154までの部分を、第2主柱部材141、(142、143、)144と称する。主柱材101、(102、103、)104は、第2高さ位置151、(152、153、)154から所定の高さに、第3高さ位置171、(172、173、)174を有する。第2高さ位置151、(152、153、)154から第3高さ位置171、(172、173、)174までの部分を、第3主柱部材161、(162、163、)164と称する。主柱材101、(102、103、)104は、第3高さ位置171、(172、173、)174から所定の高さに、第4高さ位置191、(192、193、)194を有する。第3高さ位置171、(172、173、)174から第4高さ位置191、(192、193、)194までの部分を、第4主柱部材181、(182、183、)184と称する。
横架材200は、主柱材101、(102、103、)104の各高さ位置に、それぞれ4本ずつ設けられる。
主柱材101、(102、103、)104の第1高さ位置131、(132、133、)134には、第1高さの横架材(231、232、233、)234が設けられる。横架材(231)の一端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。横架材(231)の他端部は、主柱材(102)の第1高さ位置(132)に結合される。横架材(232)の一端部は、主柱材(102)の第1高さ位置(132)に結合される。横架材(232)の他端部は、主柱材(103)の第1高さ位置(133)に結合される。横架材(233)の一端部は、主柱材(103)の第1高さ位置(133)に結合される。横架材(233)の他端部は、主柱材104の第1高さ位置134に結合される。横架材234の一端部は、主柱材104の第1高さ位置134に結合される。横架材234の他端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。第1高さの4本の横架材(231、232、233、)234によって囲まれる平面を、第1架構面235と称する。
主柱材101、(102、103、)104の第1高さ位置131、(132、133、)134には、第1高さの横架材(231、232、233、)234が設けられる。横架材(231)の一端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。横架材(231)の他端部は、主柱材(102)の第1高さ位置(132)に結合される。横架材(232)の一端部は、主柱材(102)の第1高さ位置(132)に結合される。横架材(232)の他端部は、主柱材(103)の第1高さ位置(133)に結合される。横架材(233)の一端部は、主柱材(103)の第1高さ位置(133)に結合される。横架材(233)の他端部は、主柱材104の第1高さ位置134に結合される。横架材234の一端部は、主柱材104の第1高さ位置134に結合される。横架材234の他端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。第1高さの4本の横架材(231、232、233、)234によって囲まれる平面を、第1架構面235と称する。
主柱材101、(102、103、)104の第2高さ位置151、(152、153、)154には、第2高さの横架材(251、252、253、)254が設けられる。横架材(251)の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。横架材(251)の他端部は、主柱材(102)の第2高さ位置(152)に結合される。横架材(252)の一端部は、主柱材(102)の第2高さ位置(152)に結合される。横架材(252)の他端部は、主柱材(103)の第2高さ位置(153)に結合される。横架材(253)の一端部は、主柱材(103)の第2高さ位置(153)に結合される。横架材(253)の他端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。横架材254の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。横架材254の他端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。第2高さの4本の横架材(251、252、253、)254によって囲まれる平面を、第2架構面255と称する。
主柱材101、(102、103、)104の第3高さ位置171、(172、173、)174には、第3高さの横架材(271、272、273、)274が設けられる。横架材(271)の一端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。横架材(271)の他端部は、主柱材(102)の第3高さ位置(172)に結合される。横架材(272)の一端部は、主柱材(102)の第3高さ位置(172)に結合される。横架材(272)の他端部は、主柱材(103)の第3高さ位置(173)に結合される。横架材(273)の一端部は、主柱材(103)の第3高さ位置(173)に結合される。横架材(273)の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。横架材274の一端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。横架材274の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。第3高さの4本の横架材(271、272、273、)274によって囲まれる平面を、第3架構面275と称する。
主柱材101、(102、103、)104の第4高さ位置191、(192、193、)194には、第4高さの横架材(291、292、293、)294が設けられる。横架材(291)の一端部は、主柱材101の第4高さ位置191に結合される。横架材(291)の他端部は、主柱材(102)の第4高さ位置(192)に結合される。横架材(292)の一端部は、主柱材(102)の第4高さ位置(192)に結合される。横架材(292)の他端部は、主柱材(103)の第4高さ位置(193)に結合される。横架材(293)の一端部は、主柱材(103)の第4高さ位置(193)に結合される。横架材(293)の他端部は、主柱材104の第4高さ位置194に結合される。横架材294の一端部は、主柱材104の第4高さ位置194に結合される。横架材294の他端部は、主柱材101の第4高さ位置191に結合される。第4高さの4本の横架材(291、292、293、)294によって囲まれる平面を、第4架構面295と称する。
ブレース300は、隣接する2本の主柱材100および隣接する2本の横架材200によって囲まれる面に2本ずつ設けられる。但し、最下段については、主柱材100の接地面を仮想の横架材200とみなす。
主柱材101(、102)の第1主柱部材121(、122)と、主柱材101(、102)の接地面と、第1高さの横架材(231)とで囲まれる面には、2本のブレース(311、321)が設けられる。主柱材(102、103)の第1主柱部材(122、123)と、主柱材(102、103)の接地面と、第1高さの横架材(232)とで囲まれる面には、2本のブレース(312、322)が設けられる。主柱材(103、)104の第1主柱部材(123、)124と、主柱材(103、)104の接地面と、第1高さの横架材(233)とで囲まれる面には、2本のブレース(313、323)が設けられる。主柱材104、101の第1主柱部材124、121と、主柱材104、101の接地面と、第1高さの横架材234とで囲まれる面には、2本のブレース314、324が設けられる。ブレース(311、321、312、322、313、323、)314、324によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、接地面から第1架構面235までの高さ空間を、第1層315と称する。
主柱材101(、102)の第1主柱部材121(、122)と、主柱材101(、102)の接地面と、第1高さの横架材(231)とで囲まれる面には、2本のブレース(311、321)が設けられる。主柱材(102、103)の第1主柱部材(122、123)と、主柱材(102、103)の接地面と、第1高さの横架材(232)とで囲まれる面には、2本のブレース(312、322)が設けられる。主柱材(103、)104の第1主柱部材(123、)124と、主柱材(103、)104の接地面と、第1高さの横架材(233)とで囲まれる面には、2本のブレース(313、323)が設けられる。主柱材104、101の第1主柱部材124、121と、主柱材104、101の接地面と、第1高さの横架材234とで囲まれる面には、2本のブレース314、324が設けられる。ブレース(311、321、312、322、313、323、)314、324によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、接地面から第1架構面235までの高さ空間を、第1層315と称する。
主柱材101(、102)の第2主柱部材141(、142)と、第1高さの横架材(231)と、第2高さの横架材(251)とで囲まれる面には、2本のブレース(331、341)が設けられる。主柱材(102、103)の第2主柱部材(142、143)と、第1高さの横架材(232)と、第2高さの横架材(252)とで囲まれる面には、2本のブレース(332、342)が設けられる。主柱材(103、)104の第2主柱部材(143、)144と、第1高さの横架材(233)と、第2高さの横架材(253)とで囲まれる面には、2本のブレース(333、343)が設けられる。主柱材104、101の第2主柱部材144、141と、第1高さの横架材234と、第2高さの横架材254とで囲まれる面には、2本のブレース334、344が設けられる。ブレース(331、341、332、342、333、343、)334、344によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第1架構面235から第2架構面255までの高さ空間を、第2層335と称する。
ここでは、後述するように第3層355について説明する。第3層355は、図2に示されているので、図1に加え図2も併せて参照しながら説明する。
主柱材101、102の第3主柱部材161、162と、第2高さの横架材251と、第3高さの横架材271とで囲まれる面には、2本のブレース351、361が設けられる。ブレース351の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース351の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。ブレース361の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース361の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。
主柱材102、103の第3主柱部材162、163と、第2高さの横架材252と、第3高さの横架材272とで囲まれる面には、2本のブレース352、362が設けられる。ブレース352の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース352の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。ブレース362の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース362の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。
主柱材103、104の第3主柱部材163、164と、第2高さの横架材253と、第3高さの横架材273とで囲まれる面には、2本のブレース353、363が設けられる。ブレース353の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース353の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。ブレース363の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース363の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。
主柱材104、101の第3主柱部材164、161と、第2高さの横架材254と、第3高さの横架材274とで囲まれる面には、2本のブレース354、364が設けられる。ブレース354の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース354の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。ブレース364の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース364の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。
ブレース351、361、352、362、353、363、354、364によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第2架構面255から第3架構面275までの高さ空間を、第3層355と称する。
主柱材101、102の第3主柱部材161、162と、第2高さの横架材251と、第3高さの横架材271とで囲まれる面には、2本のブレース351、361が設けられる。ブレース351の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース351の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。ブレース361の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース361の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。
主柱材102、103の第3主柱部材162、163と、第2高さの横架材252と、第3高さの横架材272とで囲まれる面には、2本のブレース352、362が設けられる。ブレース352の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース352の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。ブレース362の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース362の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。
主柱材103、104の第3主柱部材163、164と、第2高さの横架材253と、第3高さの横架材273とで囲まれる面には、2本のブレース353、363が設けられる。ブレース353の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース353の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。ブレース363の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース363の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。
主柱材104、101の第3主柱部材164、161と、第2高さの横架材254と、第3高さの横架材274とで囲まれる面には、2本のブレース354、364が設けられる。ブレース354の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース354の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。ブレース364の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース364の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。
ブレース351、361、352、362、353、363、354、364によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第2架構面255から第3架構面275までの高さ空間を、第3層355と称する。
主柱材101(、102)の第4主柱部材181(、182)と、第3高さの横架材(271)と、第4高さの横架材(291)とで囲まれる面には、2本のブレース(371、381)が設けられる。主柱材102(、103)の第4主柱部材182(、183)と、第3高さの横架材(272)と、第4高さの横架材(292)とで囲まれる面には、2本のブレース(372、382)が設けられる。主柱材(103、)104の第4主柱部材(183、)184と、第3高さの横架材(273)と、第4高さの横架材(293)とで囲まれる面には、2本のブレース(373、383)が設けられる。主柱材104、101の第4主柱部材184、181と、第3高さの横架材274と、第4高さの横架材294とで囲まれる面には、2本のブレース374、384が設けられる。ブレース(371、381、372、382、373、383、)374、384によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第3架構面275から第4架構面295までの高さ空間を、第4層375と称する。
上記のような塔状構造物1において、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい層(例えば、第3層355)に対して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めが施される。図2〜図5は、第3層335を示す。図2〜図5を参照して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めについて説明する。
図3において、第2架構面255は、比較的密度の細かいドットを付けて示し、第3架構面275は、比較的密度の粗いドットを付けて示す。図3に示すように、第3層335は、第2架構面255と、第3架構面275とによって、上下方向に境界づけられる。第2架構面255と、第3架構面275とは、主柱材101、102、103、104の第3主柱部材161、162、163、164によって間隔を保持される。
図4にドットを付けて示すように、第3主柱部材161、162と、第2高さの横架材251と、第3高さの横架材271とによって縦横に囲まれる領域を、側面261と称する。側面261には、ブレース351、361が配置される(図2参照)。第3主柱部材162、163と、第2高さの横架材252と、第3高さの横架材272とによって縦横に囲まれる領域を、側面262と称する。側面262には、ブレース352、362が配置される(図2参照)。第3主柱部材163、164と、第2高さの横架材253と、第3高さの横架材273とによって縦横に囲まれる領域を、側面263と称する。側面263には、ブレース353、363が配置される(図2参照)。第3主柱部材164、161と、第2高さの横架材254と、第3高さの横架材274とによって縦横に囲まれる領域を、側面264と称する。側面264には、ブレース354、364が配置される(図2参照)。
図5において、塔状構造物1が万一倒壊すると仮定した場合に、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向を側面263の方向D3とし、相対的に倒壊を許容する方向を側面261の方向D1とする。この場合、倒壊を許容する方向D1の側面261以外の側面262、263、264に、水平に延びる補剛材10が設けられる。ここで、補剛材の符号10は、総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。
具体的には、側面262(方向D2)には、第1補剛材11が設けられる。第1補剛材11の一端部は、第3主柱部材162の中間高さに結合される。第1補剛材11の他端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。第1補剛材11の中間部は、ブレース352、362の交差部に結合される。
側面263(方向D3)には、第2補剛材12が設けられる。第2補剛材12の一端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。第2補剛材12の他端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。第2補剛材12の中間部は、ブレース353、363の交差部に結合される。
側面264(方向D4)には、第3補剛材13が設けられる。第3補剛材13の一端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。第3補剛材13の他端部は、第3主柱部材161の中間高さに結合される。第3補剛材13の中間部は、ブレース354、364の交差部に結合される。
具体的には、側面262(方向D2)には、第1補剛材11が設けられる。第1補剛材11の一端部は、第3主柱部材162の中間高さに結合される。第1補剛材11の他端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。第1補剛材11の中間部は、ブレース352、362の交差部に結合される。
側面263(方向D3)には、第2補剛材12が設けられる。第2補剛材12の一端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。第2補剛材12の他端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。第2補剛材12の中間部は、ブレース353、363の交差部に結合される。
側面264(方向D4)には、第3補剛材13が設けられる。第3補剛材13の一端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。第3補剛材13の他端部は、第3主柱部材161の中間高さに結合される。第3補剛材13の中間部は、ブレース354、364の交差部に結合される。
すなわち、側面263の第3主柱部材163は、第1補剛材11によって第1補剛材11の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮されるとともに、第2補剛材12によって第2補剛材12の長手方向(D2−D4方向)に座屈する座屈長さを短縮される。側面263の第3主柱部材164は、第2補剛材12によって第2補剛材12の長手方向(D2−D4方向)に座屈する座屈長さを短縮されるとともに、第3補剛材13によって第3補剛材13の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮される。
これに対して、側面261の第3主柱部材161は、第3補剛材13によって第3補剛材13の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮されるだけであり、D2−D4方向に座屈する座屈長さは短縮されない。側面261の第3主柱部材162は、第1補剛材11によって第1補剛材11の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮されるだけであり、D2−D4方向に座屈する座屈長さは短縮されない。
つまり、側面263の第3主柱部材163、164は、D1−D3方向およびD2−D4方向の両方向への座屈長さを短縮されるのに対して、側面261の第3主柱部材161、162は、D1−D3方向への座屈長さだけ短縮され、D2−D4方向への座屈長さは短縮されない。そのため、側面263の方向に比べて、側面261の方向の座屈長さを相対的に長くすることができる。
これに対して、側面261の第3主柱部材161は、第3補剛材13によって第3補剛材13の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮されるだけであり、D2−D4方向に座屈する座屈長さは短縮されない。側面261の第3主柱部材162は、第1補剛材11によって第1補剛材11の長手方向(D1−D3方向)に座屈する座屈長さを短縮されるだけであり、D2−D4方向に座屈する座屈長さは短縮されない。
つまり、側面263の第3主柱部材163、164は、D1−D3方向およびD2−D4方向の両方向への座屈長さを短縮されるのに対して、側面261の第3主柱部材161、162は、D1−D3方向への座屈長さだけ短縮され、D2−D4方向への座屈長さは短縮されない。そのため、側面263の方向に比べて、側面261の方向の座屈長さを相対的に長くすることができる。
したがって、図5において、塔状構造物1が万一倒壊すると仮定した場合に、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向D3の側面263にある第3主柱部材163、164(主柱材103、104)の座屈長さは、D1−D3方向およびD2−D4方向の両方向共に短い。つまり、座屈しにくい。
反対に、相対的に倒壊を許容する方向D1の側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)の座屈長さは、D1−D3方向には短いが、D2−D4方向には元の長さのままである。つまり、座屈しやすい。
反対に、相対的に倒壊を許容する方向D1の側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)の座屈長さは、D1−D3方向には短いが、D2−D4方向には元の長さのままである。つまり、座屈しやすい。
側面261には、第1テンションワイヤ21および第2テンションワイヤ22が設けられる。第3主柱部材161には、第1テンションワイヤ21が取り付けられる。第1テンションワイヤ21の下端部は、主柱材101の第2高さ位置151に取り付けられる。第1テンションワイヤ21の上端部は、主柱材101の第3高さ位置171に取り付けられる。第3主柱部材162には、第2テンションワイヤ22が取り付けられる。第2テンションワイヤ22の下端部は、主柱材102の第2高さ位置152に取り付けられる。第2テンションワイヤ22の上端部は、主柱材102の第3高さ位置172に取り付けられる。
第1テンションワイヤ21および第2テンションワイヤ22は、主柱材101、102の第2高さ位置151、152と第3高さ位置171、172との距離が第3主柱部材161、162の長さよりも実質的に大きくなることを防止する。
第1テンションワイヤ21および第2テンションワイヤ22は、主柱材101、102の第2高さ位置151、152と第3高さ位置171、172との距離が第3主柱部材161、162の長さよりも実質的に大きくなることを防止する。
次に、上記のように構成された塔状構造物1の作用について説明する。
塔状構造物1は、設計強度の範囲内の外力を受ける限り、倒壊することなく通常の使用に耐える。塔状構造物1が、万一、例えば巨大地震等で想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、塔状構造物1は、つぎのように挙動する。
第3層355は、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい。そのため、塔状構造物1が想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、第3層355である。
図5に示すように、第3層355において、側面263にある第3主柱部材163、164(主柱材103、104)の座屈長さは、D1−D3方向およびD2−D4方向の両方向共に短い。側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)の座屈長さは、D1−D3方向には短いが、D2−D4方向には長い。
そのため、第3層355において、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)であり、座屈の方向は、D2−D4方向である。したがって、塔状構造物1は、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起こるように導かれる。そして、その結果、塔状構造物1は、方向D1を中心とするある範囲内の方向に倒壊する。
塔状構造物1は、設計強度の範囲内の外力を受ける限り、倒壊することなく通常の使用に耐える。塔状構造物1が、万一、例えば巨大地震等で想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、塔状構造物1は、つぎのように挙動する。
第3層355は、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい。そのため、塔状構造物1が想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、第3層355である。
図5に示すように、第3層355において、側面263にある第3主柱部材163、164(主柱材103、104)の座屈長さは、D1−D3方向およびD2−D4方向の両方向共に短い。側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)の座屈長さは、D1−D3方向には短いが、D2−D4方向には長い。
そのため、第3層355において、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)であり、座屈の方向は、D2−D4方向である。したがって、塔状構造物1は、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起こるように導かれる。そして、その結果、塔状構造物1は、方向D1を中心とするある範囲内の方向に倒壊する。
ところで、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起きても、塔状構造物1は、少し変形しただけで動き止まり、直ぐには破断しない場合も考えられる。このとき、反対方向(方向D3)への揺り戻しを受けると、塔状構造物1は、今度は方向D3に倒壊する危険が生じる。
しかしこの危険は、第1テンションワイヤ21および第2テンションワイヤ22によって防止される。すなわち、第1テンションワイヤ21は、主柱材101の第2高さ位置151と第3高さ位置171との距離が第3主柱部材161の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3方向に傾く)ことを防止する。同様に、第2テンションワイヤ22は、主柱材102の第2高さ位置152と第3高さ位置172との距離が第3主柱部材162の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3方向に傾く)ことを防止する。
したがって、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起きた後、反対方向(方向D3)への揺り戻しを受けた場合でも、塔状構造物1が方向D3に倒壊する危険は、回避される。
しかしこの危険は、第1テンションワイヤ21および第2テンションワイヤ22によって防止される。すなわち、第1テンションワイヤ21は、主柱材101の第2高さ位置151と第3高さ位置171との距離が第3主柱部材161の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3方向に傾く)ことを防止する。同様に、第2テンションワイヤ22は、主柱材102の第2高さ位置152と第3高さ位置172との距離が第3主柱部材162の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3方向に傾く)ことを防止する。
したがって、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起きた後、反対方向(方向D3)への揺り戻しを受けた場合でも、塔状構造物1が方向D3に倒壊する危険は、回避される。
第1実施形態の塔状構造物1によれば、倒壊を許容する方向の側面261において座屈長さを長くすることができる。そのため、想定を超える外力が作用して塔状構造物1が倒壊に至ることを避けられない場合に、倒壊を許容する方向D1に塔状構造物1を導くことができ、したがって、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向への倒壊を回避することができる。
図6は、本発明による第2実施形態の塔状構造物2を示す。塔状構造物2は、各層(第3層355以外は図示省略)において、ブレース(ブレース351、361、352、362、353、363、354、364以外は図示省略)の交差部を通る高さ位置に、水平に延びる4本の座屈止め材(座屈止め材451、452、453、454以外は図示省略)が既に設置されている。
すなわち、第3層355において、側面261、262、263、264には、第1、2、3、4座屈止め材451、452、453、454が既に設けられている。これらの座屈止め材451、452、453、454の設置方法は、第1実施形態における補剛材11、12、13の設置方法と、実質的に同じである。
すなわち、第3層355において、側面261、262、263、264には、第1、2、3、4座屈止め材451、452、453、454が既に設けられている。これらの座屈止め材451、452、453、454の設置方法は、第1実施形態における補剛材11、12、13の設置方法と、実質的に同じである。
上記のような塔状構造物2において、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい層(例えば、第3層355)に対して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めが施される。
具体的に、側面262には、第1補剛材31および第2補剛材32が設けられる。第1補剛材31の一端部は、第3主柱部材163において、その下端部(第2高さ位置153)と第2座屈止め材452の結合部との中間高さに結合される。第1補剛材31の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース362に結合される。第2補剛材32の一端部は、第3主柱部材163において、その上端部(第3高さ位置173)と第2座屈止め材452の結合部との中間高さに結合される。第2補剛材32の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース352に結合される。
側面263には、第3、4、5、6補剛材33、34、35、36が設けられる。第3補剛材33の一端部は、第3主柱部材163において、その下端部(第2高さ位置153)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第3補剛材33の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース353に結合される。第4補剛材34の一端部は、第3主柱部材163において、その上端部(第3高さ位置173)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第4補剛材34の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース363に結合される。第5補剛材35の一端部は、第3主柱部材164において、その下端部(第2高さ位置154)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第5補剛材35の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース363に結合される。第6補剛材36の一端部は、第3主柱部材164において、その上端部(第3高さ位置174)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第6補剛材36の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース353に結合される。
側面264には、第7補剛材37および第8補剛材38が設けられる。第7補剛材37の一端部は、第3主柱部材164において、その下端部(第2高さ位置154)と第4座屈止め材454の結合部との中間高さに結合される。第7補剛材37の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース354に結合される。第8補剛材38の一端部は、第3主柱部材164において、その上端部(第3高さ位置174)と第4座屈止め材454の結合部との中間高さに結合される。第8補剛材38の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース364に結合される。
具体的に、側面262には、第1補剛材31および第2補剛材32が設けられる。第1補剛材31の一端部は、第3主柱部材163において、その下端部(第2高さ位置153)と第2座屈止め材452の結合部との中間高さに結合される。第1補剛材31の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース362に結合される。第2補剛材32の一端部は、第3主柱部材163において、その上端部(第3高さ位置173)と第2座屈止め材452の結合部との中間高さに結合される。第2補剛材32の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース352に結合される。
側面263には、第3、4、5、6補剛材33、34、35、36が設けられる。第3補剛材33の一端部は、第3主柱部材163において、その下端部(第2高さ位置153)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第3補剛材33の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース353に結合される。第4補剛材34の一端部は、第3主柱部材163において、その上端部(第3高さ位置173)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第4補剛材34の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース363に結合される。第5補剛材35の一端部は、第3主柱部材164において、その下端部(第2高さ位置154)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第5補剛材35の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース363に結合される。第6補剛材36の一端部は、第3主柱部材164において、その上端部(第3高さ位置174)と第3座屈止め材453の結合部との中間高さに結合される。第6補剛材36の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース353に結合される。
側面264には、第7補剛材37および第8補剛材38が設けられる。第7補剛材37の一端部は、第3主柱部材164において、その下端部(第2高さ位置154)と第4座屈止め材454の結合部との中間高さに結合される。第7補剛材37の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース354に結合される。第8補剛材38の一端部は、第3主柱部材164において、その上端部(第3高さ位置174)と第4座屈止め材454の結合部との中間高さに結合される。第8補剛材38の他端部は、その一端部から水平に延びてブレース364に結合される。
次に、上記のように構成された塔状構造物2の作用について説明する。
万一、例えば巨大地震等で想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合、塔状構造物2は、つぎのように挙動する。
第3層355は、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい。そのため、塔状構造物1が想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、第3層355である。
第3層355において、側面263の第3主柱部材163、164は、第1〜8補剛材31〜38によって座屈長さを短縮される。これに対して、側面261の第3主柱部材161、162は、第1〜8補剛材31〜38により座屈長さを短縮されない。
そのため、第3層355において、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)である。したがって、塔状構造物2は、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起こるように導かれる。そして、その結果、塔状構造物2は、側面261を中心とするある範囲内の方向に倒壊する。
万一、例えば巨大地震等で想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合、塔状構造物2は、つぎのように挙動する。
第3層355は、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい。そのため、塔状構造物1が想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、第3層355である。
第3層355において、側面263の第3主柱部材163、164は、第1〜8補剛材31〜38によって座屈長さを短縮される。これに対して、側面261の第3主柱部材161、162は、第1〜8補剛材31〜38により座屈長さを短縮されない。
そのため、第3層355において、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)である。したがって、塔状構造物2は、側面261にある第3主柱部材161、162(主柱材101、102)に圧縮座屈が起こるように導かれる。そして、その結果、塔状構造物2は、側面261を中心とするある範囲内の方向に倒壊する。
第2実施形態の塔状構造物2によれば、倒壊を許容する方向の側面261において座屈長さを長くすることができる。そのため、想定を超える外力が作用して塔状構造物1が倒壊に至ることを避けられない場合に、倒壊を許容する方向(側面261の方向)に塔状構造物1を導くことができ、したがって、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向への倒壊を回避することができる。
なお、上記の実施形態では、塔状構造物1を4層構造として説明した。しかしながら、塔状構造物1、2は、例えば、5層以上の構造としてもよく、または3層以下の構造としてもよい。
また、第1実施形態において、側面262の第1補剛材11は、第3主柱部材162と163との間を延び、側面264の第3補剛材13は、第3主柱部材164と161との間を延びる。しかしながら、側面262の第1補剛材11は、第3主柱部材163とブレース352、362の交差部との間を延びてもよく、側面264の第3補剛材13は、第3主柱部材164とブレース354、364の交差部との間を延びてもよい。
また、第1実施形態において、側面262の第1補剛材11は、第3主柱部材162と163との間を延び、側面264の第3補剛材13は、第3主柱部材164と161との間を延びる。しかしながら、側面262の第1補剛材11は、第3主柱部材163とブレース352、362の交差部との間を延びてもよく、側面264の第3補剛材13は、第3主柱部材164とブレース354、364の交差部との間を延びてもよい。
1、2…塔状構造物
11、12、13、31、32、33、34…補剛材
21、22…テンションワイヤ
101、102、103、104…主柱材
161、162、163、164…主柱部材
251、252、253、254、271、272、273、274…横架材
261、262、263、264…側面
235、255、275、295…架構面
315、335、355、375…層
11、12、13、31、32、33、34…補剛材
21、22…テンションワイヤ
101、102、103、104…主柱材
161、162、163、164…主柱部材
251、252、253、254、271、272、273、274…横架材
261、262、263、264…側面
235、255、275、295…架構面
315、335、355、375…層
Claims (4)
- 複数の主柱材と、前記主柱材どうしを結合する複数の横架材とを備え、前記横架材によって囲まれる架構面と、前記架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、
前記複数の層のうち所定の層において、前記主柱材および前記横架材によって縦横に囲まれる複数の側面のうち、倒壊を許容する方向以外の側面に、水平に延びる補剛材が設置される、許容される倒壊方向を有する塔状構造物。 - ブレースをさらに備え、
前記補剛材は、前記倒壊を許容する方向以外の側面において、前記ブレースの交差部を通って設置される、請求項1に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。 - 前記所定の層において、前記倒壊を許容する方向の前記主柱材の外側に、テンションワイヤが取り付けられる、請求項1または2に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
- 前記所定の層は、前記複数の層のうち、外力により座屈を受けやすい層が選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
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