JP5586137B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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本発明は、一方の端部が閉塞板で閉塞された筒状の筐体、および閉塞板の内面に筐体の筒長方向に沿って延出するように立設された放射導体を備えて、放射導体の先端近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置に関するものである。
この種のプラズマ処理装置として、下記特許文献1に開示されたプラズマ処理装置(マイクロ波プラズマ発生器)が知られている。このプラズマ処理装置は、円筒状の外管の上端に蓋体を固定して構成された共振器と、外管の上端寄りに配設された同軸線路と、蓋体の中央に固着された内部導体とを備えている。また、同軸線路の導体(中心導体)は、外管内で蓋体方向に屈折して先端が蓋体に接続されている。また、内部導体は、その長さが(λ/2)×n+(λ/4)に設定されている。また、外管には、ガス導入口が形成されている。このプラズマ処理装置では、共振器に同軸モードに変換したマイクロ波を同軸線路を経由して内部導体に伝送して、内部導体の先端部分に高電界を生じさせることにより、プラズマを発生させる。このため、このプラズマ処理装置では、インピーダンス整合器の必要がなくなると共に、反射板等も不必要となるため、装置全体の小形化が可能となっている。
特開平6−188094号公報(第2−3頁、第2図)
ところが、本願発明者等が上記した従来のプラズマ処理装置について鋭意研究した結果、このプラズマ処理装置には以下の問題点が存在していることを見出した。すなわち、このプラズマ処理装置では、発生するプラズマ自体が導電性を持つため、内部導体の見かけ上の長さ(電気長)がプラズマ発生前とプラズマ発生後とで変化し、これによってプラズマの発生前後での内部導体の共振周波数が変化する。したがって、このプラズマ処理装置では、プラズマ発生前の共振周波数を基準として内部導体の長さを規定した場合には、プラズマ発生後において不整合状態となる。したがって、このプラズマ処理装置には、高周波信号の反射が増大することに起因して、プラズマの発生を維持させるために大きな電力の高周波信号を供給する必要がある結果、電力効率が低下しているという問題点が存在している。
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、プラズマ発生前後において整合状態を維持し得るプラズマ処理装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のプラズマ処理装置は、グランド電位が付与されると共に一方の端部が閉塞板で閉塞され、かつ他方の端部が開放端に形成された筒状の筐体と、前記閉塞板の内面に前記筐体の筒長方向に沿って延出するように立設された棒状の放射導体とを備え、当該放射導体における前記開放端側の先端近傍にプラズマ放電用ガスが供給された状態において、当該放射導体が供給された高周波信号を放射することによって前記先端近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、前記放射導体における前記閉塞板に固定された基端部から先端に向けて所定距離だけ離間した給電位置に接続されて前記高周波信号を当該放射導体に供給する給電導体を備え、前記所定距離は、前記高周波信号の波長をλとしたときに、λ/10以下でかつ零よりも長く規定され、前記給電導体は、前記筐体に形成された貫通孔側に位置する一端側に供給される前記高周波信号を、前記給電位置に接続された他端側から前記放射導体に直接供給する。
また、請求項2記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記放射導体は筒状に形成され、前記放射導体の前記先端から突出する状態で当該放射導体内に配設された絶縁管を備え、前記プラズマ放電用ガスは前記絶縁管によって前記放射導体の前記先端近傍に供給されて、前記プラズマは当該絶縁管内における当該先端近傍に発生させられる。
また、請求項3記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記放射導体は筒状に形成され、前記閉塞板には、当該放射導体の内部に連通する貫通孔が形成され、前記プラズマ放電用ガスは前記閉塞板の前記貫通孔内および前記放射導体内に挿通された処理対象管によって前記放射導体の前記先端近傍に供給されて、前記プラズマは当該処理対象管内における当該先端近傍に発生させられる。
請求項1記載のプラズマ処理装置によれば、放射導体における閉塞板に固定された基端部から先端に向けてλ/10以下でかつ零よりも長い所定距離だけ離間した給電位置に、筐体に形成された貫通孔側に一端側が位置し、かつ給電位置に他端側が接続された棒状の給電導体を介して高周波信号を直接供給する構成としたことにより、プラズマ発生前後において整合状態(良好でほぼ一定のVSWR状態)に維持することができる。したがって、プラズマ発生時の電力効率およびプラズマ発生後(プラズマの発生状態を維持する際)の電力効率の双方を良好な状態にできる結果、プラズマ処理の電力効率を十分に向上させることができる。
請求項2記載のプラズマ処理装置によれば、放射導体を筒状に形成すると共に、この放射導体の先端から突出する状態で放射導体内に絶縁管を配設し、かつプラズマ放電用ガスを絶縁管によって放射導体の先端近傍に供給して、プラズマを絶縁管内における放射導体の先端近傍に発生させることにより、プラズマ処理の電力効率を十分に向上させつつ、プラズマの直径を絶縁管の内径で規定することができる。このため、例えば、絶縁管の内径を小さくすることにより、処理対象体の表面における狭い範囲のみを表面処理することができる。
請求項3記載のプラズマ処理装置によれば、放射導体を筒状に形成し、閉塞板に放射導体の内部に連通する貫通孔を形成すると共に、プラズマ放電用ガスを貫通孔内および放射導体内に挿通された処理対象管によって放射導体の先端近傍に供給して、プラズマを処理対象管内における先端近傍に発生させるようにしたことにより、プラズマ処理の電力効率を十分に向上させつつ、処理対象管の内面を表面処理することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るプラズマ処理装置の最良の形態について説明する。
図1に示すプラズマ処理装置1は、高周波電源2、プラズマ発生部3およびテーブル4を備えている。また、このプラズマ処理装置1は、高周波電源2において生成された高周波信号S1をプラズマ発生部3に同軸ケーブル5を介して供給することによってプラズマ発生部3内にプラズマを発生させると共に、発生させたプラズマをテーブル4に載置された処理対象体6に放射してその表面をプラズマ処理可能に構成されている。一例として、このプラズマ処理装置1は、樹脂などの有機材料で形成された部材(例えば、シート状や板状の部材)を処理対象体6として、その表面の殺菌処理、洗浄処理、および親水性の向上処理などを実行する。
高周波電源2は、準マイクロ波帯(1GHz〜3GHz)またはマイクロ波帯(3GHz〜30GHz)の高周波信号(一例として、2.45GHz程度の準マイクロ波)S1を所定の電力で生成して、プラズマ発生部3に出力する高周波信号生成部として機能する。なお、本例では、高周波電源2が、準マイクロ波を高周波信号S1として出力する構成を採用しているが、マイクロ波を高周波信号S1として出力する構成を採用することもできる。また、高周波電源2からプラズマ発生部3に対する高周波信号S1の供給効率を高めるため、高周波電源2とプラズマ発生部3との間に整合器を配設することもできる。
プラズマ発生部3は、一例として図1に示すように、筐体11、同軸コネクタ12、給電導体13、および本発明における放射導体としての放射器(アンテナ)14を備えている。筐体11は、一例として、両端が開口する導電性の筒体11a、導電性の閉塞板11bおよび絶縁管11cを備え、一方の端部(図1中の上端部)が閉塞され、かつ他方の端部(図1中の下端部)が開放端に形成されてトーチ型筐体に構成されると共に、グランド電位が付与されている。
具体的には、図1に示すように、筐体11は、その筒体11aにおける一方の端部(図1中の上端部)が、この一方の端部に密着して配設された閉塞板11bによって閉塞されて、他方の端部が開口端となるトーチ型筐体として構成されている。また、筒体11aは、図2に示すように、中心軸Xと直交する平面に沿った外周面の断面形状が四角形(つまり、外形が四角筒体)であるが、この平面に沿った内周面の断面形状が円形であるため、実質的には円筒体として機能する。また、筒体11aは、図1に示すように、その長さ(筒長)が放射器14の長さL1よりも長く規定されて、放射器14の先端が筒体11aの開放端から突出しない構成となっている。絶縁管11cは、図1に示すように、筒体11aの内周面に配設されて、高周波信号S1の出力電力を高めたときに、放射器14から筐体11への不要な放電を発生させないように機能する。
また本例では、図1に示すように、筒体11aには、筐体11内に高周波信号S1を導入するための貫通孔21が形成されている。また、一例として、閉塞板11bには、プラズマ放電用ガスG(以下、「放電用ガスG」ともいう)を筒体11a内に供給する供給管7を接続するための貫通孔22が形成されている。この場合、貫通孔22の位置は、図1,2に示すように、筒体11aの中心軸Xから外れた位置(具体的には、後述するように中心軸Xに配設された放射器14と干渉しない位置)に規定されている。なお、供給管7を接続するための貫通孔22は、閉塞板11bに代えて、筒体11aに形成することもできる。また、本例では一例として、電離電圧が低くプラズマが発生し易いガス(例えば、アルゴンガスやヘリウムガスなど)を放電用ガスGとして使用する。
同軸コネクタ12は、図1に示すように、高周波電源2に接続された同軸ケーブル5の先端に装着された状態で、筒体11aの外周面に、貫通孔21を閉塞するようにして取り付けられている。給電導体13は、高導電性の線材を用いて、一例として、図1,2に示すように、棒状(ほぼ真っ直ぐな棒状)に形成されて、一端側が同軸コネクタ12の芯線12aに接続されると共に、他端側が放射器14の給電位置Aに接続されている。この場合、給電位置Aは、放射器14における閉塞板11bに固定された基端部から先端に向けて所定距離L2だけ離間した位置に規定されている。ここで、所定距離L2は、高周波信号S1の波長をλとしたときに、λ/10≧L2>0の範囲に規定するのが好ましい。これにより、放射器14と、これに接続される閉塞板11bおよび給電導体13とで逆F形のアンテナが構成されて、後述するように、プラズマ発生(着火)前後でのVSWRの変化を低減し得る構成となる。なお、所定距離L2がλ/10を超える構成では、後述するようにプラズマ発生前のVSWRが悪化し始める(つまり、プラズマの着火性が低下し始める)。このため、L2はλ/10以下とするのが好ましい。
放射器14は、導電性材料を用いて1本の棒状に形成されている。具体的には、放射器14は、長さL1が((1/4+n/2)×λ)に規定された1本の導電性の柱状体(本例では円柱体)で構成されている。ここで、nは、0以上の整数であり、本例では一例としてn=0に設定されて、放射器14の長さL1は(λ/4。高周波信号S1の周波数が一例として2.45GHzであるため、122.45mm/4=30.6mm)に規定されている。なお、放射器14は、柱状体に限定されず、直方体や樋状体(ハーフパイプ状体)などの板状体で構成することもできる。また、放射器14は、図1に示すように、筐体11の内部に筐体11の筒長(長手)方向に沿って配設されている。本例では、一例として、放射器14は、筒体11aの内部に筒体11aの中心軸X上に位置した状態で(筐体11の筒長方向に沿って延出した状態で)、閉塞板11bの内面に立設(電気的に接続された状態で立設)されている。
テーブル4は、図1に示すように、筐体11における他方の端部(開口端)に対向して配設されて、その筐体11側の表面(載置面)に処理対象体6を載置可能に構成されている。本例では、一例としてテーブル4の載置面は、筒体11aの中心軸Xと直交する平面に形成されている。
次に、プラズマ処理装置1の動作について説明する。なお、テーブル4上には処理対象体6が載置されているものとする。
プラズマ処理装置1では、処理対象体6に対するプラズマ処理の実行に際して、まず、不図示のガス供給部から供給管7を介して筐体11内に放電用ガスGが供給される。次いで、この放電用ガスGの供給状態において、高周波電源2が高周波信号S1のプラズマ発生部3への出力を開始する。高周波電源2から出力された高周波信号S1は、同軸ケーブル5、同軸コネクタ12および給電導体13を介して、放射器14にその給電位置Aから供給される。これにより、λ/4の長さL1に規定されている放射器14が、高周波信号S1によって共振する。共振状態の放射器14は共振モノポールとして作動して、筐体11の開口端側に位置する先端(図1中の下端であって、本発明における先端)側で電圧が最大となる。このため、プラズマ発生部3内における放射器14の先端近傍(先端付近)で電界強度が最大となり、プラズマの発生し易い放電用ガスGが存在するプラズマ発生部3内(すなわち筐体11内)では、この先端近傍においてプラズマPが発生する。この場合、高周波電源2が高周波信号S1として準マイクロ波またはマイクロ波をプラズマ発生部3に供給するため、プラズマPは高密度な状態で発生する。また、供給管7から供給された放電用ガスGは筒体11a内を筒長方向に沿って流れて筐体11の開口端から外部に流出するため、発生したプラズマPは、図1に示すように、放射器14の先端から筒長方向に沿って(筒体11aの中心軸Xに沿って)延びて、筒体11aの開放端から処理対象体6に放射される。これにより、筐体11から放射されるプラズマPにより、処理対象体6が表面処理される。
この際に、プラズマP自体が導電性を持つことに起因して、放射器14の見かけ上の長さ(電気長)が、プラズマ発生前(放射器14のみの長さ)とプラズマ発生後(放射器14の長さとプラズマPの長さの合計長)とで変化する。したがって、従来のプラズマ処理装置では、プラズマPの発生前後でのプラズマ発生部3の共振周波数が大きく変化する。このため、発明者による実験(高周波信号S1の周波数を2.45GHz、放射器14の長さL1をλ/4(=30.6mm)としたときの実験)によれば、図7に示すように、プラズマ発生前(着火前)の共振周波数を基準として放射器14の長さL1を規定した場合には、プラズマ発生後(着火後)において不整合状態となり、プラズマ発生前のVSWR(同図中の□印を付した値:12.4)と比較してプラズマ発生後のVSWR(同図中の○印を付した値:61.5)が大きく悪化することが確認された。
これに対して本発明に係るプラズマ処理装置1では、上記したように放射器14における閉塞板11bから所定距離L2だけ離間した位置に高周波信号S1の給電位置Aが規定されている。このため、図7に示すように、一例として所定距離L2を2mm(=λ/61.2),3mm(=λ/40.8),4mm(=λ/30.6)と変えてプラズマ発生前後でのVSWRの変化を測定した場合、測定された各所定距離L2でのプラズマ発生前のVSWRおよびプラズマ発生後のVSWRは、それぞれ(11.1,18.6)、(13.1,17.4)、(18.5,17)となり、少なくともλ/30.6≧L2≧λ/61.2の範囲においては、従来のプラズマ処理装置における整合状態でのVSWR(プラズマ発生前のVSWR)とほぼ同じ値(すべてのVSWRが20未満)であった。この結果、従来のプラズマ処理装置と比較して、プラズマ発生前後でのVSWRの変化がほぼ変化しないと言えるレベルまで、プラズマ発生前後でのVSWRの変化が大幅に低減されることが確認された。つまり、プラズマ処理装置1では、プラズマ発生前後で良好な整合状態が維持されることが確認された。この理由としては、給電位置Aから給電された高周波信号S1により、放射器14の基端部から放射器14の先端部への経路と、給電位置Aから放射器14の先端部へ伝わる経路の2つの経路で共振が発生しているため、放射器14のQがブロード(広帯域)となるのが原因の1つと考えられる。
なお、図7に示す実験の結果から、所定距離L2を2mm,3mm,4mmと長くするに従い、プラズマ発生後のVSWRは18.6から、17.4、17とほぼ一定に維持される(若干減少する)が、プラズマ発生前のVSWRは11.1から、13.1、18.5と次第に大きくなる(プラズマの着火性が低下する)傾向となる。このため、給電位置Aまでの所定距離L2を長くし過ぎると、プラズマ発生前のVSWRが一層大きくなって、プラズマの着火性が低下すると考えられる。このため、所定距離L2は、最長でもλ/10以下とするのが好ましいと考えられる。
このように、このプラズマ処理装置1によれば、放射器14における閉塞板11bに固定された基端部から所定距離L2だけ離間した給電位置Aに給電導体13を介して高周波信号S1を供給する構成としたことにより、プラズマ発生前後においてプラズマ発生部3を整合状態(良好でほぼ一定のVSWR状態)に維持することができる。したがって、プラズマ発生時の電力効率およびプラズマ発生後(プラズマの発生状態を維持する際)の電力効率の双方を良好な状態にできる結果、プラズマ処理装置1でのプラズマ処理の電力効率を十分に向上させることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、筒体11aの内周面に絶縁管11cを配設し、筒体11aの内部全体に供給管7から放電用ガスGを供給してプラズマPを筒体11aの内部で発生させる構成としたが、図3,4に示すプラズマ処理装置1Aのように、放射器14を筒状に形成すると共に放射器14の内部に絶縁管11cを配設して、この絶縁管11cを介して放電用ガスGを供給すると共に絶縁管11c内にプラズマPを発生させて、絶縁管11cから処理対象体6にプラズマPを放射する構成とすることもできる。以下、このプラズマ処理装置1Aについて説明する。
まず、プラズマ処理装置1Aの構成について説明する。なお、プラズマ処理装置1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違する構成についてのみ説明する。
図3に示すプラズマ処理装置1Aは、高周波電源2、プラズマ発生部3Aおよびテーブル4を備え、プラズマ発生部3Aがプラズマ処理装置1のプラズマ発生部3と相違している。また、本例では、プラズマ処理装置1における絶縁管11c同じ機能を有する絶縁管11cを放電用ガスGの供給管としても機能させることにより、供給管7が無い点においてもプラズマ処理装置1と相違している。
プラズマ発生部3Aは、図3,4に示すように、筐体11、同軸コネクタ12、給電導体13、および放射器(アンテナ)14を備えている。筐体11は、筒体11a、閉塞板11bおよび絶縁管11cを備え、一方の端部(図3中の上端部)が閉塞され、かつ他方の端部(図3中の下端部)が開放端に形成されてトーチ型筐体に構成されると共に、グランド電位が付与されている。具体的には、図3に示すように、筐体11は、その筒体11aにおける一方の端部(図1中の上端部)が、この一方の端部に密着して配設された閉塞板11bによって閉塞されて、他方の端部が開口端となるトーチ型筐体として構成されている。また、放電用ガスGの供給用として閉塞板11bに形成される貫通孔22は、本例では、その中心軸が筒体11aの中心軸Xと同軸となるように(つまり、閉塞板11bの中心に)形成されている。放射器14は、その内径が貫通孔22の内径以上に規定された筒状に形成されて、その中心軸が筒体11aの中心軸Xと同軸となるように閉塞板11bの内面に立設されている。これにより、放射器14の内部が貫通孔22と連通した状態となる。絶縁管11cは、その外径が貫通孔22の内径よりも小径に形成されて、図3,4に示すように、貫通孔22および放射器14に挿通され、かつ閉塞板11bの内面からの突出長が筒体11aの全長とほぼ同じ長さに規定されている。これにより、絶縁管11cにおける放射器14から突出した端部(筒体11aの開口端側の端部)は、この開口端と面一の状態となっている。
次に、プラズマ処理装置1Aの動作について説明する。
プラズマ処理装置1Aでは、処理対象体6に対するプラズマ処理の実行に際して、まず、不図示のガス供給部から絶縁管11c内に放電用ガスGが供給される。次いで、この放電用ガスGの供給状態において、高周波電源2が高周波信号S1のプラズマ発生部3Aへの出力を開始する。高周波電源2から出力された高周波信号S1は、給電導体13等を介して、放射器14にその給電位置Aから供給される。これにより、高周波信号S1の波長λに対して((1/4+n/2)×λ)の長さL1(一例としてλ/4)に規定されている放射器14が、共振モノポールとして作動して、その先端近傍で電界強度が最大となり、プラズマの発生し易い放電用ガスGが存在する絶縁管11cの内部では、放射器14の先端近傍に位置する領域においてプラズマPが発生する。また、このプラズマPは、放電用ガスGの流れに沿って延び、絶縁管11cの端部(図3の下端部)から処理対象体6に放射される。これにより、筐体11から放射されるプラズマPにより、処理対象体6が表面処理される。
このプラズマ処理装置1Aにおいても、筐体11、放射器14および給電導体13についての基本的な構成(逆F形のアンテナとなる構成)はプラズマ処理装置1と同じであるため、発生するプラズマPによって放射器14の見かけ上の長さ(電気長)がプラズマ発生前後で変化したとしても、プラズマPの発生前およびプラズマPの発生後の双方において整合状態を維持することができる。また、プラズマPの直径を絶縁管11cの内径で規定することができるため、絶縁管11cの内径を小さくすることにより、処理対象体6の表面における狭い範囲のみを表面処理することもできる。
なお、このプラズマ処理装置1Aでは、貫通孔22および筒状の放射器14に絶縁管11cを挿通させることにより、絶縁管11cを放電用ガスGの供給管としても機能させたが、図5に示すように、プラズマ処理装置1Bのように、供給管7を別途設け、この供給管7から筒状の放射器14内に放電用ガスGを供給し、放射器14の先端近傍に絶縁管11cを取り付けてプラズマ発生部3Bを構成することもできる。この場合、絶縁管11cは、放射器14の先端近傍の内周面に取り付けてもよいし、外周面に取り付けることもできる。本例では一例として、放射器14の内周面に絶縁管11cの外周面を密着させて絶縁管11cを取り付けている。このプラズマ処理装置1Bによって、絶縁管11c内における放射器14の先端近傍にプラズマPを発生させて、絶縁管11cの端部(筒体11aの開放端側の端部であって、この開放端と面一の状態となっている端部)からプラズマPを処理対象体6に放射することができ、プラズマ処理装置1Aと同様の作用効果を奏することができる。なお、プラズマ処理装置1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明は省略した。
また、上記した各プラズマ処理装置1,1A,1Bでは、絶縁管11cを筒体11a内に配設して、絶縁管11cの内部における放射器14の先端近傍でプラズマPを発生させると共に、発生させたプラズマPをテーブル4上に載置された処理対象体6に放射させる構成を採用したが、処理対象体6が管状の形状であり、かつその内周面がプラズマ処理の対象部位となる場合には、図6に示すプラズマ処理装置1Cのように、閉塞板11bおよび筒状の放射器14内に管状の処理対象体6を挿通させ、かつ処理対象体6を放電用ガスGの供給管としても機能させることで、このプラズマ処理装置1Cによって処理対象体6の内周面を絶縁管11cをプラズマPで処理することが可能となる。
以下、このプラズマ処理装置1Cについて、図6を参照して説明する。なお、プラズマ処理装置1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明は省略する。
このプラズマ処理装置1Cは、プラズマ処理装置1Aとほぼ同じ構成を備えており、プラズマ発生部3Cのみが相違している。プラズマ処理装置1Cのプラズマ発生部3Cは、図6に示すように、プラズマ処理装置1Aのプラズマ発生部3Aから絶縁管11cのみを省いた構成となっている。
次に、プラズマ処理装置1Cの動作について説明すると、プラズマ処理装置1Cでは、管状の処理対象体6に対するプラズマ処理の実行に際して、まず、処理対象体6を貫通孔22および筒状の放射器14に挿通させる。次いで、不図示のガス供給部から処理対象体6内への放電用ガスGの供給を開始させる。次いで、この放電用ガスGの供給状態において、高周波電源2が高周波信号S1のプラズマ発生部3への出力を開始する。これにより、プラズマ処理装置1Aと同様にして、放射器14が共振モノポールとして作動して、その先端近傍で電界強度が最大となり、プラズマの発生し易い放電用ガスGが存在する処理対象体6の内部では、放射器14の先端近傍に位置する領域においてプラズマPが発生する。この状態において、処理対象体6は一例として貫通孔22側から放射器14方向に移送される。これにより、処理対象体6の内周面が、処理対象体6内に発生しているプラズマPによって順次プラズマ処理される。
このプラズマ処理装置1Cにおいても、筐体11、放射器14および給電導体13についての基本的な構成(逆F形のアンテナとなる構成)は上記のプラズマ処理装置1,1A,1Bと同じであるため、上記した各プラズマ処理装置1等と同様にして、発生するプラズマPによって放射器14の見かけ上の長さ(電気長)がプラズマ発生前後で変化したとしても、プラズマの発生前およびプラズマの発生後の双方において整合状態を維持することができる。したがって、プラズマ処理の電力効率を十分に向上させつつ、処理対象管の内面を表面処理することができる。
プラズマ処理装置1の構成図(筐体11については中心軸Xに沿った断面図)である。 図1におけるW1−W1線断面図(同軸コネクタ12を除く断面図)である。 プラズマ処理装置1Aの構成図(筐体11については中心軸Xに沿った断面図)である。 図3におけるW2−W2線断面図(同軸コネクタ12を除く断面図)である。 プラズマ処理装置1Bの構成図(筐体11については中心軸Xに沿った断面図)である。 プラズマ処理装置1Cの構成図(筐体11については中心軸Xに沿った断面図)である。 プラズマ処理装置1および従来のプラズマ処理装置について測定したプラズマ発生前後でのVSWRの特性図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C プラズマ処理装置
2 高周波電源
3,3A,3B,3C プラズマ発生部
6 処理対象体
11 筐体
11b 閉塞板
13 給電導体
14 放射器
A 給電位置
G 放電用ガス
L2 給電位置Aまでの所定距離
P プラズマ
S1 高周波信号

Claims (3)

  1. グランド電位が付与されると共に一方の端部が閉塞板で閉塞され、かつ他方の端部が開放端に形成された筒状の筐体と、前記閉塞板の内面に前記筐体の筒長方向に沿って延出するように立設された棒状の放射導体とを備え、当該放射導体における前記開放端側の先端近傍にプラズマ放電用ガスが供給された状態において、当該放射導体が供給された高周波信号を放射することによって前記先端近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、
    前記放射導体における前記閉塞板に固定された基端部から先端に向けて所定距離だけ離間した給電位置に接続されて前記高周波信号を当該放射導体に供給する給電導体を備え
    前記所定距離は、前記高周波信号の波長をλとしたときに、λ/10以下でかつ零よりも長く規定され、
    前記給電導体は、前記筐体に形成された貫通孔側に位置する一端側に供給される前記高周波信号を、前記給電位置に接続された他端側から前記放射導体に直接供給するプラズマ処理装置。
  2. 前記放射導体は筒状に形成され、
    前記放射導体の前記先端から突出する状態で当該放射導体内に配設された絶縁管を備え、
    前記プラズマ放電用ガスは前記絶縁管によって前記放射導体の前記先端近傍に供給されて、前記プラズマは当該絶縁管内における当該先端近傍に発生させられる請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記放射導体は筒状に形成され、
    前記閉塞板には、当該放射導体の内部に連通する貫通孔が形成され、
    前記プラズマ放電用ガスは前記閉塞板の前記貫通孔内および前記放射導体内に挿通された処理対象管によって前記放射導体の前記先端近傍に供給されて、前記プラズマは当該処理対象管内における当該先端近傍に発生させられる請求項1記載のプラズマ処理装置。
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