JP5585095B2 - 現像剤担持体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触現像方式に用いる現像剤担持体の製造方法及び現像剤担持体に関し、特に現像剤を飛翔させるための電界を発生させるための複数の電極を有する現像剤担持体の製造方法及び現像剤担持体に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真による画像出力装置の現像プロセスにおいて、感光体などの潜像担持体に現像剤を供給する際に、現像剤担持体上の現像剤と潜像担持体とを直接接触させることなく行う方式はいわゆる非接触現像方式として知られている。この方式は潜像担持体の潜像形成部のみに現像剤を供給することができるために高品位な出力画像を得ることができる。
その実現のために、従来より互いに異なる電圧が印加される複数の電極を備えた現像剤担持体を有する現像装置が知られている。この現像装置の一例としては、現像剤担持体上の一成分現像剤(トナー)をクラウド化させることによって現像剤を潜像担持体上に供給する方式を採用するものがある。この方式に使用される現像剤担持体は、外周面に沿って複数種類の電極が所定のピッチで配置され、その複数種類の電極の外周面側を保護層で覆ったものである。この複数種類の電極に対し、時間的に変化する互いに異なる電圧をそれぞれ印加して、時間的に変化する電界を互いに近接する複数種類の電極間に形成すると、この電界により現像剤担持体上の現像剤を互いに近接する複数種類の電極間で飛翔させることができる。これにより、現像剤担持体の外周面近傍の空間で現像剤がクラウド化した状況となる。
この方式の現像装置において、現像剤が現像剤担持体の外周面に固着することなく飛翔するためには、現像剤担持体の外周面において、互いに近接する複数種類の電極間に形成される飛翔用電界から現像剤が受ける力F1と、現像剤と現像剤担持体の外周面との間の付着力F2との大小関係が重要となってくる。F1<F2の関係では、現像剤は現像剤担持体外周面との付着力から逃れることができず、飛翔しない。F1>F2の関係が成り立てば、現像剤を飛翔させることができる。これにより現像剤担持体に非接触な現像剤による潜像剤担持体上への現像が可能となる。
例えば特許文献1には、現像剤担持体を駆動させて現像剤を潜像担持体に搬送する現像装置において、現像剤担持体によって搬送される現像剤を予備荷電する予備荷電手段を設けると共に、この現像剤担持体上に電界カーテンを作用させる電界カーテン発生手段を設けた現像装置が提案されている。
また特許文献2には、互いに絶縁された状態で所定方向に並ぶ複数の電極を有する電極パターンを備えた、表面移動可能な現像剤担持体を具備し、前記複数の電極における所定の電極を起点にした奇数番目の電極の集合体である奇数番目電極群と偶数番目の電極の集合体である偶数番目電極群との間に電位差を生起せしめることで、前記現像剤担持体の表面上の現像剤を電極間で移動させながら前記現像剤担持体の表面移動によって潜像担持体との対向位置まで搬送して前記潜像担持体上の潜像に付着させる現像装置において、奇数番目の電極と偶数番目の電極とにそれぞれ互いに位相ズレしたパルス電圧を印加することで前記現像剤担持体の表面上の現像剤を電極間で移動させるようにした現像装置が提案されている。
また、特許文献3においては、現像剤担持ローラのローラ部表面の法線方向に互いに重なるように積層した第1電極層と第2電極層とを設け、それらの電極層のうち、ローラ表面により近い上層の位置に存在する第2電極層に、ローラ表面移動方向と、これに直交する方向である移動直交方向とにそれぞれマトリクス状に独立して並ぶ複数の開口を、移動直交方向における感光体の潜像担持可能領域の全域に渡って設け、ローラ部表面上の現像剤を、ローラ周方向に一様に形成された第1電極層の全領域のうち、第2電極層における複数の開口のそれぞれ直下に存在している複数の開口直下箇所と、第2電極層における複数の開口のそれぞれ間に存在している複数の開口間箇所との間でホッピングさせるようにした現像装置が提案されている。
これら提案されている装置を実現するためにはいずれも現像剤担持体として、表面に電極パターンが形成されたローラ状部品が必要となり、その実現には特に電極パターンの形成技術が重要である。
例えば特許文献2においては、絶縁体であるアクリル樹脂の円筒に軸穴を設け、ステンレス製の電極軸を円筒の軸穴に圧入して電極軸を奇数番目電極群、偶数番目電極群にそれぞれ接続する。次いで、現像剤担持体の表面を外周旋削によって平滑に仕上げ、溝のピッチが100[μm]、溝幅が50[μm]となるように溝の切削を行う。溝切削を行ったローラに無電解ニッケルのメッキを施し、無電解ニッケルのメッキを施したローラの外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。その後、ローラにシリコン系樹脂をコーティングすることでローラの表面を平滑にし、同時に表面保護層を形成して現像剤担持体を製作している。
その他に実現可能性のある公知の技術としてスクリーン印刷に代表される有版印刷法がある。
これは、電極パターンが形成された版を用いて印刷用インクの代わりに導電性ペーストを基板に印刷した後加熱焼成を行うことにより電極パターンとするものである。有版印刷法は、版を必要とするため、少量多品種の生産には向かないが、大量生産では低コスト化が見込める方法である。
また他の公知技術としてフォトエッチング法が挙げられる。フォトエッチング法は絶縁基材全面に金属膜を作製しその上にフォトリソグラフィーにより耐エッチング性の材料でパターン形成を行った後にエッチングにより不要な金属部を除去することにより電極パターンを形成する方法であり電気伝導性が良好で精度の高い導電パターンを形成できる方法である。
さらに、絶縁性樹脂表面に金属膜を形成する手段として無電解めっき法がある。この方法は絶縁樹脂表面にめっき析出反応の触媒となる材料を付着させた後、無電解めっき液に浸漬処理することで触媒を開始点として析出反応が進行し金属膜が得られる。形状によらず均一膜厚で金属膜を形成可能なプロセスである。ただし密着力確保が課題であり、一般には絶縁性樹脂表面を高濃度のクロム酸によりエッチング処理することにより凹凸を形成し表面積の増大及び投錨効果により密着力を確保している。しかしながらクロム酸が生体に対して有害であることから、例えば特許文献4においては、無電解めっき前処理として紫外線を照射することにより密着力が向上させるという発明を開示している。
現像剤担持体の構造に関しては、特許文献1及び特許文献2に記載されている現像剤担持体はいずれも同一表面上に2相の電極を有している。実用的な電圧で現像剤を飛翔させるためには電極間隔を小さくする必要があり、かつ同一の工程内で作製するために短絡が生じる可能性が生じる。このような構造においては隣接するいずれの電極間で短絡が生じてもすべての電極間で電位差が生じなくなり現像剤をホッピングさせることができなくなるという問題がある。
これに対して特許文献3記載の構造は第1電極層と第2電極層が現像剤担持体の法線方向に互いに異なる層に絶縁層を介して形成されているので、異なる工程で作製することができるために作製する上でも短絡の可能性を大幅に低減させることができる。また、第2電極パターンにおいては短絡が生じてもその機能には影響が無いために望ましい構造である。
しかしながらこれら現像剤担持体の作製方法に関して有効な技術はこれまで無かった。例えば特許文献3においては現像剤担持体の作製方法が開示されていない。また、特許文献2において開示されている方法において、第1の電極と第2の電極を異なる層に設ける構成とするためには第1の電極の表面に形成された絶縁層薄膜に対して機械加工で溝を形成する必要があり、その際の加工応力により絶縁層の剥離や破壊が生じてしまう。また、確実に機械加工を行うために絶縁層の厚さを厚くすると第1の電極と第2の電極との間の間隔が広くなり現像剤を飛翔させるためには多くのエネルギー(電力)が必要になる問題がある。
また、公知の技術として記載した有版印刷法により導電性ペーストのパターン形成を行う方法やインクジェット法により導電性インクのパターン形成を行う方法においては十分な電気伝導性を得るためには200℃以上の加熱焼成処理が必要となる。
しかしながら絶縁層にこの温度に対する耐性がある材料を用いると非常に高価なものになってしまうという問題がある。また、この加熱処理が不十分であると電気伝導性にばらつきが生じ伝導性の低い領域においては現像剤の飛翔が不十分になったり、局部的な放電現象により電極が損傷してしまったりするという問題がある。電極厚さを厚くすることで焼成温度が低くてもある程度の電気伝導性を得ることができるがインクジェット法においては、厚膜化は多重印刷の必要がありプロセス時間の延長、コスト増大につながるという問題がある。また、有版印刷法においては比較的容易に可能では有るがその結果として現像剤担持体表面に凸部が形成され、電極表面を覆う保護層の磨耗が著しくなり耐久性に劣るという問題がある。また、フォトエッチング法は一般に金属膜の形成に真空プロセスが用いられ、現像剤担持体のような円筒形状に均一な膜厚で成膜するためには大型で特殊な設備が必要となる。また、設備の大型化に伴い真空への排気時間が長くなる。また、金属膜形成後もパターン化するために多くの設備で長い工程が必要であり、結果として製造コストの増大を招くという問題がある。
一方無電解めっき法は形状によらず均一膜厚で金属膜を形成可能なプロセスであるが、絶縁性樹脂上に同方法により金属膜を密着強度を確保して形成するためには適切な前処理を施す必要がある。一般には絶縁性樹脂表面を高濃度のクロム酸によりエッチング処理することにより凹凸を形成し表面積の増大及び投錨効果により密着力を確保している。しかしながらこの際に用いるクロム酸は生体に対して有害な物質である。さらに形成される凹凸が数μm以上と大きく、本発明の現像剤担持体の製造に用いた場合には第1の電極層と第2の電極層間の絶縁耐圧の低下さらには短絡の原因となることから適用することができない。
これに対して、特許文献4にはエッチングに代わる前処理法が開示されている。しかしながら同方法によれば対象部材の全面にめっき膜を形成することは可能であるが、部位選択的に形成する技術は開示されていない。したがって電極パターンを形成するためには一度全面に金属膜を形成した後に不要部を除去する必要があり上述したフォトエッチング法を利用することとなり同様の問題点がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、良好な電気伝導性を有する金属膜からなる電極パターンを、選択的に形成可能であり、かつ表面を平滑として耐久性に優れた現像剤担持体を安価に製造可能な方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、電導性を有する筒状部材である第1の電極に、絶縁層と、該絶縁層上に設けた所定のパターンを有する第2の電極と、該第2の電極及び前記絶縁層を覆う保護層と、を順次積層してなる現像剤担持体の製造方法であって、少なくとも、前記筒状部材の最表面に、前記絶縁層としての樹脂層を設ける第1のステップと、前記絶縁層表面の前記第2の電極を形成すべき領域に紫外線を照射する第2のステップと、前記筒状部材をアルカリ性溶液に接触させる第3のステップと、前記筒状部材に無電解めっきの触媒を付着させる第4のステップと、前記筒状部材をアルカリ性溶液に再び接触させる第5のステップと、前記筒状部材を無電解めっき液に浸漬して、前記絶縁層表面の紫外線を照射した箇所に前記第2の電極としての金属を析出させる第6のステップと、前記第2の電極及び前記絶縁層を覆うように前記保護層を形成する第7のステップと、を含む現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記絶縁層として、構造中にアミノ基を有する高分子材料を用いる請求項1に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記第2のステップにおける紫外線照射は、酸素含有雰囲気中で低圧水銀ランプにより行う請求項1又は2に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記第2のステップにおいて、前記絶縁層と前記低圧水銀ランプとの間にマスク層を配する請求項3に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項5発明は、前記マスク層は可とう性かつ紫外線を透過しない材料よりなり、当該マスク層は前記第2の電極を形成すべき領域に対応して形成され、前記絶縁層に接触固定さる請求項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項6の発明は、前記マスク層が紫外線を透過する材料よりなり、当該マスク層は前記絶縁層における前記第2の電極を形成しない領域に対応して紫外線遮光処理を施された請求項4に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項7の発明は、前記第4のステップにおいて、センシタイザ−アクチベータ法によって前記筒状部材を無電解めっきの触媒に付着させる請求項1乃至6の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項8の発明は、前記第4のステップ及び前記第5のステップを、一連の工程として少なくとも2回以上繰り返し行う請求項1乃至7の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項9の発明は、前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液としてpH8以上のめっき液を用いる請求項1乃至8の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする
また、請求項10の発明は、前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液として無電解銅めっき液を用いる請求項1乃至9の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
また、請求項11の発明は、前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液として無電解ニッケルめっき液を用いニッケルを析出させた後、析出したニッケルを電極として電気銅めっき処理を施す請求項1乃至9の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法を特徴とする。
本発明によれば、絶縁性樹脂層表面に紫外線を部位選択的に照射することにより照射領域にOH基、COOH基のような親水性の官能基が導入され改質される。また、続くアルカリ性溶液との接触により官能基の導入が促進されると共にエッチングにより極微細な凹凸が形成される。この後無電解めっき触媒を付着させることにより親水化された領域に紫外線非照射領域に対して多くの触媒が付着する。続くアルカリ処理により紫外線非照射領域に付着した触媒及び紫外線照射領域に付着した余剰な触媒が除去される。続いて無電解めっきを行うことにより触媒の付着している紫外線照射領域にのみ選択的に金属膜による第2の電極パターンが形成できる。続いて保護膜を形成することにより現像剤担持体が得られる。このようにして良好な電気伝導性を有する金属膜からなる電極パターンを選択的に形成することができる。
本発明の実施形態に係るデジタル複写機の概略構成図。 現像剤担持体表面近傍の断面および電気力線の様子を示す図。 本発明の現像剤担持体の概略図。 本実施形態における第2の電極のパターン形状を平面展開した図。 本実施形態の現像剤担持体の作製フローを示す図。 露光手段を用いてローラ状組立体を露光する様子の例を示した図。 ローラ状組立体に対して露光を行う際に用いる第1の露光用データを示す図。 ローラ状組立体に対して露光を行う際に用いる第2の露光用データを示す図。 ローラ状組立体に対して露光を行う際に用いる第3の露光用データを示す図。
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態についての詳細な説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタル複写機の概略構成図である。
この構成は、画像処理装置としての複写機100であり、この複写機100の上面にはコンタクトガラス206が設けられている。また、複写機100の上部には自動原稿送り装置(以下、単にADFという)201が設けられており、このADF1はコンタクトガラス206を開閉するように複写機100に図示しないヒンジ等を介して連結されている。このADF201は、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ202と、原稿トレイ202に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離してコンタクトガラス206に向かって搬送する分離・搬送手段と、分離・搬送手段によってコンタクトガラス206に向かって搬送された原稿をコンタクトガラス206上の読取位置に搬送・停止させるとともに、コンタクトガラス206の下方に配設された複写機100の読取手段(公知の露光ランプ251、ミラー252、255、256、レンズ253、CCD254等)250により読み取りが終了した原稿をコンタクトガラス206から搬出する。給紙モータはコントローラからの出力信号によって駆動されるようになっており、コントローラは複写機100から給紙スタート信号が入力されると、給紙モータを正・逆転駆動するようになっている。給紙モータが正転駆動されると、給送ローラ203が時計方向に回転して原稿束から最上位に位置する原稿が給紙され、コンタクトガラス206に向かって搬送される。この原稿の先端が原稿セット検知センサ207によって検知されると、コントローラは原稿セット検知センサ207からの出力信号に基づいて給紙モータを逆転駆動させる。これにより、後続する原稿が進入するのを防止して分離されないようになっている。
また、コントローラは原稿セット検知センサ207が原稿の後端を検知したとき、この検知時点からの搬送ベルトモータの回転パルスを計数し、回転パルスが所定値に達したときに、給送ベルト204の駆動を停止して給送ベルト204を停止することにより、原稿をコンタクトガラス206読取位置に停止させる。また、コントローラは原稿セット検知センサ7によって原稿の後端が検知された時点で、給紙モータを再び駆動し、後続する原稿を上述したように分離してコンタクトガラス206に向かって搬送し、この原稿が原稿セット検知センサ207によって検知された時点からの給紙モータのパルスが所定パルスに到達したときに、給紙モータを停止させて次原稿を先出し待機させる。そして、原稿がコンタクトガラス206の読取位置に停止したとき、複写機100によって原稿の読み取りおよび露光が行なわれる。この読み取りおよび露光が終了すると、コントローラには複写機100から信号が入力されるため、コントローラはこの信号が入力すると、搬送ベルトモータを正転駆動して、搬送ベルト216によって原稿をコンタクトガラス206から排送ローラ205に搬出する。
上記のように、ADF201にある原稿トレイ202に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部上のプリントキーが押下されると、一番上の原稿からコンタクトガラス206上の所定の位置に給送される。給送された原稿は、読み取りユニット250によってコンタクトガラス206上の原稿の画像データを読み取り後、給送ベルト204および反転駆動コロによって排出口A(原稿反転排出時の排出口)に排出される。さらに、原稿トレイ202に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス206上に給送される。
第1トレイ208、第2トレイ209、第3トレイ210に積載された転写紙は、各々第1給紙ユニット211、第2給紙ユニット212、第3給紙ユニット213によって給紙され、縦搬送ユニット214によって感光体215に当接する位置まで搬送される。読み取りユニット250にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット257からのレーザによって感光体215に書き込まれ、現像ユニット227を通過することによってトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体215の回転と等速で搬送ベルト216によって搬送されながら、感光体215上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット217にて画像を定着させ、排紙ユニット218に搬送される。排紙ユニット218に搬送された転写紙は、ステープルモードを行わない場合は、排紙トレイ219に排紙される。
次に、図1における現像ユニット227に含まれ、感光体215に現像剤を供給する現像剤担持体についての説明を行う。
現像剤担持体は、円筒形状の径方向の内側から第1の電極と、第1の電極を覆う絶縁層と、開口領域を有する第2の電極と、開口領域及び第2の電極を覆う絶縁性を有する保護層とからなる。以下に現像剤担持体を用いた現像剤の飛翔、帯電機能について、図を用いて説明する。
図2は現像剤担持体表面近傍の断面および電気力線の様子を示す図である。
現像剤担持体10は、円筒状の部材であり、径方向の内側から順に第1の電極11と、第1の電極11の全面を覆う絶縁層12と、絶縁層12の表面に形成された第2の電極13と、第2の電極13を覆う保護層14と、が積層された構造を有する。
また、第2の電極13は、所定の間隔で配置された電極部13aと、開口部13bを有する。
第1の電極11と第2の電極13とに互いに異なる電圧を印加したとき、第1の電極11と第2の電極13(電極部13a)とが対向している部分ではその間に電界が生じ、第2の電極13の開口部13bでは第1の電極11から現像剤担持体10表面を通り、隣に位置する第2の電極13の表面側に電気力線が向かう。
ここで、図1(a)に示すように、第2の電極13に与えられる電位が第1の電極11に与えられる電位に対してより負極性側であるとして、第2の電極13直上の保護層14と負極性に帯電した現像剤Dとが付着力F2で付着しているとする。
電界により現像剤Dは電気力線に沿って上向きの力F1を受ける。このときF1>F2の関係が成り立つと現像剤Dは保護層14との付着力に打ち勝ち電気力線に沿って飛翔し、第2の電極13の開口部13b直上へと移動する。
一方、図1(b)に示すように、第1の電極11に与えられる電位が第2の電極13に与えられる電位に対してより負極性側であるとして、第2の電極13の開口部13b直上の保護層14と負極性に帯電した現像剤Dとが付着力F2’で付着しているとする。
電界により現像剤Dは電気力線に沿って上向きの力F1’を受ける。このときF1’>F2’の関係が成り立つと現像剤は保護層との付着力に打ち勝ち電気力線に沿って飛翔し第2の電極13直上へと移動する。このようにして現像剤担持体10からの現像剤の飛翔を起こすことができる。
このF1>F2、F1’>F2’が成り立つような電圧を第1の電極11と第2の電極13に交互に印加することで現像剤Dは第2の電極13の電極部13a直上と開口部13b直上とを行き来することになる。その都度現像剤Dと保護層14とは衝突する。保護層14が現像剤に対して帯電序列においてより正電荷側であれば衝突回数を増すごとに現像剤Dの帯電量は増す。このようにして現像剤の飛翔と同時に帯電も同時にもたらすことができる。
次に、本実施形態に係る現像剤担持体の構造を詳細に説明する。
図3は、本発明の現像剤担持体の概略図であり、a)は斜視図、b)は円筒軸長方向における断面図、c)は円筒軸長方向に直交する方向における断面図である。
現像剤担持体10は基材となるローラ状組立体20の表面に、絶縁層12、第2の電極13、絶縁性を有する保護層14が順次形成されている。
ローラ状組立体20は、中空の円筒体21と、その長手方向(軸方向)両端部に設けた第1フランジ22及び第2のフランジ23と、両フランジ22、23にそれぞれ固定されて円筒体21と同軸となる軸部材24、25とから構成されている。
中空の円筒体21は現像剤担持体10の基材と第1の電極11とを兼ねているため、少なくともその表面は導電性を有する。
円筒体21の材質には、アルミニウム、SUS(ステンレス鋼:Stainless Steel)、鉄、銅、真鍮等の金属材料や、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等からなる樹脂ローラの表面にアルミニウムや銅などの導電層を形成したものを用いることができる。
本実施形態においてはSUS製の円筒体を用いた。円筒体21端部に接するフランジのうち第1のフランジ22は導電材料よりなり、第1の電極11と接することにより導通状態になっている。材質は円筒体21と同様のものを用いることができるが、本例においてはSUSを用いた。
第1のフランジ22中央には導電性部材よりなる軸部材24が固定されており、これを給電部材として電源と接続することにより、第1の電極11に電圧を印加することが可能になる。
第2のフランジ23は、絶縁材料からなる部分23aと、導電部材からなる部分23bとからなっている。導電性材料からなる部分23bは、第1の電極11との間に設けられている絶縁性樹脂からなる部分23aによって第1の電極と直接接することなく、電気的に絶縁されている。絶縁材料には絶縁性樹脂やセラミックスが使用できる。また、第2のフランジ23の軸部材25には、第1のフランジ22に使用したものと同様のものが使用できる。
ローラ状組立体20の最外層には、絶縁性12を有する保護層が形成され、少なくとも第2のフランジ23に設けた導電性部材の一部を除く領域は絶縁層12で覆われている。
絶縁層12の厚さは、薄すぎると第1の電極11と第2の電極13間との絶縁不良を起こし、また厚すぎると第1の電極11と第2の電極13により形成される現像剤担持体10表面における電界の強度が弱くなってしまうことから、3μm以上50μm以下の範囲であることが望ましい。また、この絶縁層12の材料には、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂や、これら熱硬化性樹脂を2種以上含む混合物であっても使用することができる。また、ガラスやセラミックス等の無機材料や、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、各種光硬化性樹脂を用いることができるが、特に熱硬化性樹脂が一般に耐熱性、耐薬品性に優れているために好適である。本実施形態においては、絶縁層12の材料にアルキッドメラミン樹脂を用いた。
このように、絶縁層12としてその構造中にアミノ基を有する高分子材料を用いている。アミノ基は金属を吸着させうるために確実に触媒を吸着保持することができる。
絶縁層12表面には開口を有する第2の電極13を有する。第2の電極13は、その一部を第2フランジ23の導電性部材からなる部分23bと電気的に接続する。従って、第2フランジ23に固定される軸部材25を給電部として電源と接続することにより、第2の電極13に電圧を印加することが可能になる。
図4は本実施形態における第2の電極13のパターン形状を平面展開した図を示した図である。
スリット状の電極パターンが両端部において互いに接続された構造になっている。スリット状部分の電極幅W1及び電極間の開口の幅W2はそれぞれ一定にする必要がある。これは上述したように現像剤の帯電、飛翔機構が現像剤担持体10に生じる電界の大きさに影響されるためであり、場所によりこれら寸法が異なると電界強度が異なり現像剤の帯電量や飛翔量が異なる。結果として潜像担持体への現像剤供給量が変動し画像に濃度むらが生じることとなる。電極部13aの幅W1は200μm以下であることが望ましい。200μmより大きいと、電圧供給側からの距離が遠い箇所の電圧が低くなり、その箇所で現像剤を安定かつ有効に飛翔させることが困難となる。電極部13aの幅W1の下限は機能上の制約はないが、10μm以下であると断線が生じるなど、電極の作製上困難になるため、それ以上であることが好ましい。開口部の幅W2は20μm以上1000μm以下であることが望ましい。20μm以下では開口部に隣接する電極部により遮蔽され現像剤担持体10表面に現れる電界が十分でなくなり、現像剤を安定かつ有効に飛翔させることが困難となる。また、1000μm以上になると開口部の隣接する電極から離れる周方向中央部近傍における現像剤担持体10表面に現れる電界が十分でなくなり現像剤を安定かつ有効に飛翔させることが困難となる。また、電極の厚さは0.1μmから10μmの範囲であることが望ましい。0.1μmより薄いと電圧印加により損傷を受け経時的に断線が生じる。
一方10μmより厚いと表面に凹凸が生じ、その凹部に現像剤が滞留してしまう。また、保護層14によりこの凹凸を吸収しようとすると保護層14が厚くなり後述するような問題が生じる。本例においては、電極幅W1100μm、電極間開口幅W2150μmとし、電極の厚さは0.5μmとした。
第2の電極13の電極部13a及び開口部13bは保護層14により覆われている。保護層14は現像剤の飛翔衝突による接触摩擦により現像剤を目的の極性に帯電させる必要がある。本例において現像剤は負帯電性であるために保護層14として用いる材料はシリコン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が使用される。また、その厚さは3μm以上40μm以下であることが好ましい。3μmより薄いと経時使用による摩耗等で、第2の電極13が露出してしまい電極の断線などの恐れがある。また、40μmより厚いと第1の電極11と第2の電極13との間で作られる電界が十分な強度で現像剤担持体10表面に形成されなくなり、現像剤を安定かつ有効に飛翔させることが困難となる。本例においてはポリカーボネート樹脂を使用し、厚さを20μmとした。
次に、本実施形態の現像剤担持体の作製工程を説明する。
図5は、本実施形態の現像剤担持体の作製フローを示す図である。ただし、図においては現像剤担持体を構成するフランジ等は省略しており、円筒体21への第2の電極、絶縁層、保護層の形成のみを示している。
[第1の実施例]
1)絶縁層の形成
第1の電極11として、直径16mmのアルミニウム製の円筒体21を用意し(図5(a))、その両端に第1フランジ22、および第2フランジ23を設けた。次いで、絶縁材料として未硬化のアルキッド樹脂とメラミン樹脂及び粘度調整用の溶媒としてメチルエチルケトンを混合し用意し、アルミニウム製の円筒体21表面に未硬化の絶縁材料を20μmの膜厚になるように、ディップコート法を用いてアルミニウム表面が覆われるように均一に塗布し、加熱炉中で150℃の温度で30分間加熱して硬化させ、絶縁層12を形成した(図5(b))。
2)紫外線照射
絶縁層12を形成した基体表面にマスク層30として幅100μmの開口を250μmピッチで形成した厚さ25μmのカプトンフィルム(東レ・デュポン)を巻きつけ(図5(c))、低圧水銀ランプを光源とするUV/O3処理装置内に設置し回転させながら5分間紫外線照射(図5(d))を行った後にカプトンフィルムを取り外した。
紫外線照射領域12aには、OH基、COOH基のような親水性の官能基が導入されて改質される(図5(e))。
なお、紫外線照射が大気中の低圧水銀ランプによるために一括して広い領域への処理が可能である。
ここで、紫外線照射は、上述したように開口を形成したカプトンフィルムを巻きつけるほかに、絶縁層12(又は絶縁層を設けた円筒体21)に固定したマスク層30を介して行うことも出来る(図5(d))。こうすることで、絶縁層12表面の選択的な改質を確実に行うことができる。また、マスク層として紫外線照射領域が開口で形成されているものを用いることで気体も透過するために効率よく処理が行え、処理時間を短時間で行うことができる。
さらに、マスク層としていわゆるフォトレジストを用いることで高精度のパターン形成が可能である。
以下に、フォトレジストによるマスク層30の形成例について説明する。
ローラ状組立体20を、上下動可能な昇降装置に固定し、g線用ポジ型感光性樹脂材料(フォトレジスト)を入れた円筒状容器内に浸漬し、液面がローラ状組立体20の上端近傍になるまで下降させた後、組立体20の下端が液面から離れるまで一定速度で引き上げてフォトレジストを塗布する。その後、80℃の乾燥機内に30分放置して乾燥させた。その後取り出して、室温まで冷却させる。
続いて、フォトレジストの第2の電極13(電極部13a)となる領域に選択的に露光を行う。
図6は、露光手段を用いてローラ状組立体を露光する様子の例を示した図である。
露光手段としては、変調可能な微小光源41からの光をローラ状組立体20の表面に集光させながら回転多面鏡42のローラ状組立体の軸長方向に走査し、照射するものを用いる。
図7は、ローラ状組立体に対して露光を行う際に用いる第1の露光用データを示す図である。
露光の際は、図7に示すような第2の電極13のパターンを平面に展開した露光用データを用い、このデータを走査照射するのに要する時間とローラ状組立体を一回転させるのに要する時間とを一致させることにより、ローラ状組立体20の全周に亘って、均等幅の露光を行うことが出来る。露光用データは、図4の電極部13aの幅が80μmとなるように露光部51aを作製し、開口部13bの幅が80μmとなるように非露光部51bを作製したものを用いた。
光源41には波長405nmの半導体レーザを用い、ローラ状組立体20における集光ビーム径は20μmとなるように調整した。8面の多面鏡を用いて16ライン走査する時間でローラ状組立体20の表面が20μm移動するように組立体20を一定速度で回転させ、一周分の露光を行う。露光後の組立体のフォトレジスト現像液に浸漬することにより露光部51aのフォトレジストを溶解除去することにより、第2の電極12を形成すべき領域以外に、全周に亘って線間開口80μmのマスク層30を形成することが出来た。
ここで、フォトレジストにネガ型の感光体材料を用いることも可能であり、その際には、図7に示す露光用データの反転したものを用いることで、同じ形状のマスク層30を形成することができる。
なお、マスク層としては、紫外線を通過しない(吸収する)フォトレジストを用いた例を説明したが、紫外線を通過する材料をマスク層として用いても良い。この場合は、開口部に対応する領域に紫外線遮光処理を行って、絶縁層12に近接させる。
3)アルカリ性溶液との接触
1Nに濃度調整した水酸化ナトリウム溶液に1分間浸漬した後純水でリンスを行った。リンス後の基体表面は紫外線照射領域に対応して親水性を示した。
すなわち、アルカリ性溶液との接触により、官能基の導入が促される。また、エッチングにより微細な凹凸が形成される。
4)無電解めっき触媒の付着
センシタイザ(奥野製薬工業)を100ml/lの濃度になるように純水で希釈した処理液に1分間浸漬した後純水でリンスを行い、続いてアクチベータ(奥野製薬工業)を50ml/lの濃度になるように純水で希釈した処理液に1分間浸漬した後純水でリンスを行った。
この触媒を付着させる工程は、センシタイザ−アクチベータ法である。この方法は、被めっき基材を、塩化第一スズを含む溶液に浸漬し、スズイオンを吸着(センシタイザ処理)後、塩化パラジウムを含む溶液に浸漬することで吸着したスズイオンでパラジウムイオンを還元(アクチベータ処理)することで触媒となる金属パラジウムを被メッキ基材に吸着させる方法である。この際に予め紫外線照射により部位選択的にカルボキシル基のようなアニオン基が形成してあるのでスズイオンを選択的に捕捉することができ、その後のアクチベータ処理で目的部位に確実に無電解めっき触媒を付着させることができる。
5)アルカリ性溶液との接触
0.1Nに濃度調整した水酸化ナトリウム溶液に1分間浸漬した後純水でリンスを行った。
これにより、紫外線非照射領域に付着した触媒及び親水化された紫外線照射領域に付着した余剰な触媒が除去される。
6)無電解めっき液による第2の電極の形成
ATSアドカッパーVR−A(80ml/l)、ATSアドカッパーVR−M(50ml/l)、ATSアドカッパーC(10ml/l)、無電解銅R−H(2.5ml/l):(いずれも奥野製薬工業)を記載の濃度になるように純水で希釈混合した無電解銅めっき液を温度32度に調整した浴中に、基体を20分間浸漬後純水でリンスを行った。
目視観察によりめっき液に浸漬後しばらくして析出が確認でき、リンス後の、紫外線照射領域には幅およそ100μmの銅パターンがピッチおよそ250μmで形成されていた。また、膜厚はおよそ0.35μmであった(図5(f))。
無電解めっき液としては、pH8以上のめっき液を用いている。その環境下においては絶縁層12の一部を構成しているアミノ基が無電解めっき触媒である還元されたパラジウムを吸着させることができるので紫外線照射領域でのめっき析出を確実に起こすことができる。
また、無電解銅めっき液を用いているので電気伝導性が良好な第2の電極13を得ることができる。
また、第2の電極13が、絶縁層12上に直接選択的に無電界めっきで形成されているために、膜厚が薄くても良好な電気導電性を有するために表面が平滑であり、保護層の摩耗が少なく、電極の電気導電性も良好であるために、長期に渡り安定して飛翔させることができる現像剤担持体を得ることが出来る。
ひいては、高品位な画像を長期に渡り出力可能な画像形成装置を得ることが出来る。
7)保護膜の形成
ポリカーボネート樹脂をメチルエチルケトンに溶解した溶液を用意し、第2の電極13が形成された基体を回転させながら厚さ20μmになるようにスプレーコートにより塗布、乾燥させて保護膜14を形成した(図5(g))。
以上の方法により図4に示す電極パターンを有する現像剤担持体を得た。
[第2の実施例]
第1の実施例において工程4)、5)を一連として2回繰り返した以外は第1の実施例と同じ。
目視観察により無電解めっき液浸漬後直ちに析出が確認でき、得られた電極厚さは0.5μmであった。
無電解めっき触媒を付着させる工程4)及びその後のアルカリ性溶液に接触させる工程5)を2回以上繰り返し行うので無電解めっき触媒であるパラジウムが紫外線照射された領域に還元された状態でかつ十分量付着させることができる。
[第3の実施例]
工程4)、5)を一連として2回繰り返し行うところまでは第2の実施例と同じ。
6−2)無電解めっき液による第2の電極13の形成
化学ニッケルSEP−LF−A(80ml/l)、化学ニッケルSEP−LF−B(150ml/l):(いずれも奥野製薬工業)を記載の濃度になるように純水で希釈混合した無電解ニッケルめっき液を温度35度に調整した浴中に基体を5分間浸漬後純水でリンスを行った。目視観察により無電解めっき浴浸漬後直ちに析出が確認でき、リンス後の基体表面には幅およそ100μmのニッケルパターンがピッチおよそ250μmで形成されていた。得られた電極厚さは0.4μmであった。
7)保護膜の形成
ポリカーボネート樹脂をメチルエチルケトンに溶解した溶液を用意し、第2の電極13が形成された基体を回転させながら厚さ20μmになるようにスプレーコートにより塗布、乾燥させた。
[第4の実施例]
工程6−2)までは第3の実施形態と同じ。
6−3)電気めっきによる第2の電極13の銅被覆
硫酸銅80g/l、硫酸200g/lを記載の濃度になるように純水で希釈混合しためっき液を温度25度に調整した浴中に浸漬し工程6−2)で形成した無電解ニッケルパターンを陰極として通電することによりニッケルと銅との合計膜厚が約1μmになるようにニッケルパターン上に銅を形成した。
[第3の実施例]の工程6−2)において無電解ニッケルめっき液を用い紫外線照射領域にニッケルを析出させた後にさらに電気めっきで銅を形成しているために、めっき浴の維持管理が容易でありかつめっき液薬剤も安価で済むためにさらに安価に作製することができる。
7)保護膜の形成
ポリカーボネート樹脂をメチルエチルケトンに溶解した溶液を用意し、第2の電極13が形成された基体を回転させながら厚さ20μmになるようにスプレーコートにより塗布、乾燥させた。
[比較例1]
[第1の実施例]の現像剤担持体の作製工程において、紫外線照射工程2)を省略した。
無電解めっき液による第2の電極の形成工程6)における無電解めっき液浸漬後、めっきの析出が起こらなかった。
[比較例2]
[第1の実施例]の現像剤担持体の作製工程において、アルカリ性溶液との接触工程3)を省略した。
工程6)の無電解めっき液浸漬後紫外線照射領域の一部のみにしかめっきの析出が生じなかった。
[比較例3]
[第1の実施例]の現像剤担持体の作製工程において、アルカリ性溶液との接触工程5)を省略した。
工程6)の無電解めっき液浸漬後紫外線非照射領域の一部へもめっきが析出した。
図8は、ローラ状組立体に対してマスク層を形成するために露光を行う際に用いる第2の露光用データを示す図である。
図8に示すように、正六角形の非露光部52bを露光部52aが取り囲むハニカム構造とした。
工程2)でフォトレジストに対しマスクを形成するために、かかる露光用データに基づいて作製したマスク層を介して行うことで、第2の電極13をハニカム構造とすることが出来る。
かかる形状の第2の電極を有する現像剤担持体は、第2の電極13が、多数の正六角形を取り囲むようなパターンとなっていることから接続点が多く、部分的に断線が生じても、その影響で現像剤Dを帯電、飛翔させるための電界が加わらない領域を狭くすることが可能となる。
図9は、ローラ状組立体に対してマスク層を形成するために露光を行う際に用いる第3の露光用データを示す図である。
図9に示すように、正方形の非露光部53bを露光部53aが取り囲む千鳥構造とした。
工程2)でフォトレジストに対しマスクを形成するために、かかる露光用データに基づいて作製したマスク層を介して行うことで、第2の電極13を千鳥構造とすることが出来る。
かかる構成の第3の電極を有する現像剤担持体も、第2の電極13が、多数の正方形を取り囲むようなパターンとなっていることから接続点が多く、部分的に断線が生じても、その影響で現像剤Dを帯電、飛翔させるための電界が加わらない領域を狭くすることが可能となる。
10 現像剤担持体、11 電極、12 絶縁層、12 第1の電極、13 第2の電極、13a 電極部、13b 開口部、14 保護層、20 ローラ状組立体、21 円筒体、22 フランジ、24 軸部材、25 軸部材、30 カプトンフィルム、31 マスク層、41 微少光源、42 回転多面鏡、51a 露光部、51b 非露光部、52a 露光部、52b 非露光部、53a 露光部、53b 非露光部、100 複写機、201 ADF、202 原稿トレイ、203 給送ローラ、204 給送ベルト、205 排送ローラ、206 コンタクトガラス、207 原稿セット検知センサ、208 トレイ、209 トレイ、210 トレイ、211 給紙ユニット、212 給紙ユニット、213 給紙ユニット、214 縦搬送ユニット、215 感光体、216 搬送ベルト、217 定着ユニット、218 排紙ユニット、219 排紙トレイ、227 現像ユニット、250 ユニット、251 露光ランプ、252 ミラー、253 レンズ、254 CCD、257 書き込みユニット
特開平3−21967号公報 特開2007−133376号公報 特開2009−115872号公報 特開平8−253869号公報

Claims (11)

  1. 電導性を有する筒状部材である第1の電極に、絶縁層と、該絶縁層上に設けた所定のパターンを有する第2の電極と、該第2の電極及び前記絶縁層を覆う保護層と、を順次積層してなる現像剤担持体の製造方法であって、
    少なくとも、
    前記筒状部材の最表面に、前記絶縁層としての樹脂層を設ける第1のステップと、
    前記絶縁層表面の前記第2の電極を形成すべき領域に紫外線を照射する第2のステップと、
    前記筒状部材をアルカリ性溶液に接触させる第3のステップと、
    前記筒状部材に無電解めっきの触媒を付着させる第4のステップと、
    前記筒状部材をアルカリ性溶液に再び接触させる第5のステップと、
    前記筒状部材を無電解めっき液に浸漬して、前記絶縁層表面の紫外線を照射した箇所に前記第2の電極としての金属を析出させる第6のステップと、
    前記第2の電極及び前記絶縁層を覆うように前記保護層を形成する第7のステップと、
    を含むことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
  2. 前記絶縁層として、構造中にアミノ基を有する高分子材料を用いることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体の製造方法。
  3. 前記第2のステップにおける紫外線照射は、酸素含有雰囲気中で低圧水銀ランプにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤担持体の製造方法。
  4. 前記第2のステップにおいて、前記絶縁層と前記低圧水銀ランプとの間にマスク層を配することを特徴とする請求項3に記載の現像剤担持体の製造方法。
  5. 前記マスク層は可とう性かつ紫外線を透過しない材料よりなり、
    当該マスク層は前記第2の電極を形成すべき領域に対応して形成され、前記絶縁層に接触固定されることを特徴とする請求項4に記載の現像剤担持体の製造方法。
  6. 前記マスク層が紫外線を透過する材料よりなり、
    当該マスク層は前記絶縁層における前記第2の電極を形成しない領域に対応して紫外線遮光処理を施されたことを特徴とする請求項4に記載の現像剤担持体の製造方法。
  7. 前記第4のステップにおいて、センシタイザ−アクチベータ法によって前記筒状部材を無電解めっきの触媒に付着させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  8. 前記第4のステップ及び前記第5のステップを、一連の工程として少なくとも2回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  9. 前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液としてpH8以上のめっき液を用いることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  10. 前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液として無電解銅めっき液を用いることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  11. 前記第6のステップにおいて、前記無電解めっき液として無電解ニッケルめっき液を用いニッケルを析出させた後、析出したニッケルを電極として電気銅めっき処理を施すことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の現像剤担持体の製造方法。
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