JP4189532B2 - 無電解めっき用触媒の活性化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電解めっき用触媒の活性化方法及び無電解めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック、セラミックス、ガラスなどの非導電性物質に対して無電解めっきを行う場合には、通常、めっき反応を開始させるために触媒物質を被めっき物に付与する必要がある。
【0003】
現在、無電解めっき用触媒金属としてはパラジウムが広く用いられており、触媒付与方法としては、被めっき物をセンシタイザー溶液(塩化スズ(II)の塩酸溶液)に浸漬した後、アクチベーター溶液(塩化パラジウムの塩酸溶液)に浸漬する方法(センシタイザー−アクチベーター法)、スズ−パラジウム混合コロイド溶液に浸漬して触媒を付与した後、硫酸などの酸性溶液からなるアクセレーター溶液に浸漬して、過剰のスズイオンを溶解させて触媒活性を向上させる方法(キャタリスト-アクセレーター法)等が主として実施されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、触媒金属として高価な貴金属であるパラジウムを使用しており、無電解めっき処理工程において触媒化処理工程費用の占める割合が非常に大きいものとなっている。
【0005】
このため、パラジウム以外の金属を触媒として使用する方法について古くから種々の検討がなされている。
【0006】
例えば、特許文献1には、銀塩を触媒として用いる方法が記載されている。この方法は、銀塩と界面活性剤を含有する水溶液に、銀塩に対して2〜4倍モルの還元剤を添加して銀ヒドロゾルを形成し、これを被めっき物と接触させて、銀コロイドを付与し、その後無電解めっきを行う方法である。
【0007】
また、特許文献2には、銀塩0.01〜100mmol/l、陰イオン界面活性剤0.01〜0.5wt%、及び銀塩に対して0.1〜0.8倍モルの還元剤を含む無電解めっき用触媒液が記載されており、この触媒液は、銀塩に対して0.01〜0.8倍モルの還元剤を含むことにより、安定性が良好であるとされている。
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1及び2に記載された触媒液では、触媒金属である銀は、パラジウムと比較すると触媒活性が低く、この様な触媒液を用いて無電解めっきを行う場合には、未析出部分やめっき皮膜の外観ムラが生じ易いという大きな問題点がある。
【0009】
また、被めっき物の種類によっては、従来のパラジウム触媒を用いても、良好な密着性を有するめっき皮膜を形成することが困難な場合がある。例えば、エンジニアリングプラスチックは、耐熱性、強度、耐摩耗性などの各種特性に優れた樹脂であり、機械部品、電気・電子部品などの金属代替として用いられることのある材料であるが、密着性の良い無電解めっき皮膜を形成することが難しい場合が多い。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、液晶ポリマー(LCP)等は、耐熱性、耐燃焼性、耐薬品性、電気特性、機械的強度などが良好で、多種多様な分野で使用されている材料であり、特に、プリント配線板(PWB)、フレキシブルプリント回路(FPC)、フレックスリジッド基板、テープ自動ボンディング用(TAB)フィルムキャリアなどの電子部品の絶縁体として広く用いられている。これらの樹脂を用いた製品に対して良好な無電解めっき皮膜を形成することが望まれる場合があるが、従来の触媒付与方法では、これらの樹脂表面に密着性を有する無電解めっき皮膜を形成することは困難である。
【0010】
従って、この様な被めっき物に対しても良好な密着性を有する無電解めっき皮膜を形成できる処理方法が要望されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−68478号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平10−30188号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、安価な触媒物質である銀化合物を用いて無電解めっき用触媒を付与する方法において、無電解めっきに対する触媒活性を大きく向上できる方法を提供することである。
【0014】
また、本発明の他の目的は、従来の触媒付与方法では良好な無電解めっき皮膜を形成することが困難であったエンジニアリングプラスチックを被めっき物とする場合であっても、良好な無電解めっき皮膜を形成できる方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、銀化合物を含む溶液を用いて被めっき物に銀触媒を付与した後、特定の方法で活性化することによって、無電解めっきに対する触媒活性を大きく向上させることができ、各種のエンジニアリングプラスチックに対しても良好な無電解めっき皮膜を形成できることを見出した。更に、パラジウムを触媒物質とする場合にも、アルカリ性水溶液で活性化する方法、またはこの方法と酸性水溶液で活性化する方法を組み合わせた方法によって処理することにより、エンジニアリングプラスチックに対しても良好な無電解めっき皮膜を形成できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明は、下記の無電解めっき用触媒の活性化方法及び無電解めっき方法を提供するものである。
1. 銀化合物を含む溶液を用いて被めっき物に銀触媒を付与した後、
(1)被めっき物を酸性水溶液に接触させる方法、
(2)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法、
(3)被めっき物を酸性水溶液に接触させた後、アルカリ性水溶液に接触させる方法、
(4)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法、又は
(5)酸化性雰囲気下において、被めっき物に付与された銀触媒を酸化させる方法
によって処理することを特徴とする無電解めっき用触媒の活性化方法。
2. 被めっき物に銀触媒を付与する方法が、下記(1)〜(4)のいずれかの方法である上記項1に記載の活性化方法:
(1)銀塩の水溶液を界面活性剤及び/又は水溶性高分子の存在下に還元する方法によって得られる銀ヒドロゾルを被めっき物に接触させる方法、
(2)銀塩0.01〜100ミリモル/l、陰イオン界面活性剤0.01〜0.5重量%、及び銀塩に対して0.1〜0.8倍モルの還元剤を含有する水溶液を被めっき物に接触させる方法、
(3)2価の錫イオンを含む溶液を被めっき物に接触させた後、銀イオンを含む溶液を被めっき物に接触させる方法、
(4)下記(i)〜(iii)の成分を水に溶解したpH2〜9の溶液からなる触媒液を被めっき物に接触させる方法:
(i)1価の銀化合物、
(ii)銀より卑な酸化還元電位を有し、且つ複数の原子価をとることができ、低原子価の状態にある金属成分を含む化合物、並びに
(iii)脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、縮合リン酸、アミノカルボン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物。
3. パラジウム化合物を含む溶液を用いて被めっき物にパラジウム触媒を付与した後、
(1)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法、
(2)被めっき物を酸性水溶液に接触させた後、アルカリ水溶液に接触させる方法、又は
(3)被めっき物をアルカリ水溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法
によって処理することを特徴とする無電解めっき用触媒の活性化方法。
4. 被めっき物にパラジウム触媒を付与する方法が下記(1)又は(2)の方法である上記項3に記載の活性化方法:
(1)2価の錫イオンを含む溶液に被めっき物を接触させた後、パラジウムイオンを含む溶液に被めっき物を接触させる方法、
(2)スズ−パラジウム混合コロイド溶液であるキャタリスト溶液に被めっき物を接触させる方法。
5. 上記項1〜4のいずれかの方法によって被めっき物に触媒を付与し、活性化した後、無電解めっき液に浸漬することを特徴とする無電解めっき方法。
6. 被めっき物が、被めっき部分の少なくとも一部がエンジニアリングプラスチックによって構成された物品である上記項5に記載の無電解めっき方法。
7. 上記項5又は6の方法によってめっき皮膜が形成された物品。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、銀触媒を用いる活性化方法(以下、「本願第一発明」という)とパラジム触媒を用いる活性化方法(以下、「本願第二発明」という)について、順次説明する。
【0018】
(I)本願第一発明
触媒付与方法
本願第一発明の方法では、触媒物質として銀化合物を含む溶液を用いて被めっき物に銀触媒を付与する。
【0019】
触媒液としては、銀を触媒金属として含む溶液であれば特に限定なく使用できる。この様な触媒液としては、例えば、特開平1−68478号公報に記載されている銀ヒドロゾル、特開平10−30188号公報に記載されている無電解めっき用触媒液などを例示できる。また、特開2000−8180号公報に記載されている2価のスズイオンを含むセンシタイジング溶液でセンシタイジング処理した後、銀イオンを含有する溶液で触媒化処理する方法によっても銀触媒を付与することができる。更に、下記触媒付与法4として示す新規な銀触媒付与方法を採用することもできる。
【0020】
以下、被めっき物に銀触媒を付与する方法について、具体的に説明する。
【0021】
(1)銀触媒付与法1
まず、特開平1−68478号公報に記載されている銀ヒドロゾルを用いる方法について説明する。該銀ヒドロゾルは、銀塩の水溶液を界面活性剤及び/又は水溶性高分子の存在下に還元する方法によって得ることができる。
【0022】
銀塩の水溶液としては、銀(I)塩の水溶液、例えば、硝酸銀(I)、シアン化銀(I)カリウム等の水溶液を用いることができる。水溶液中での銀塩の濃度は、0.1〜5ミリモル/l程度が好ましい。
【0023】
銀塩の還元処理は、還元剤を用いる公知の方法によって行うことができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムなどのアルカリ金属水素化ホウ素塩、ジメチルアミンボラン等のホウ素系還元剤の他、次亜リン酸ナトリウムなどのリン系還元剤、ホルムアルデヒド、ヒドラジンなどを用いることができる。還元剤の使用量は、原料の銀塩に対して、等モル以上、好ましくは2〜4倍モル程度とすればよい。
【0024】
界面活性剤及び水溶性高分子としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン性界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールモノ−p−ノニルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子等を使用できる。これらの界面活性剤及び水溶性高分子は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ、その濃度は、0.005〜0.1g/l程度とすることが好ましい。
【0025】
上記した方法で得られる銀ヒドロゾルを用いて触媒を付与するには、常法に従って、脱脂処理、表面調整などの前処理を行った後、被めっき物を該銀ヒドロゾルに接触させればよい。通常は、触媒付与方法として一般に使用されている方法、例えば、被めっき物を該銀ヒドロゾルに浸漬する方法、該銀ヒドロゾルを被めっき物に塗布した後、乾燥する方法等を適宜採用することができる。具体的な処理条件については、特に限定的ではなく、例えば、後述する銀触媒付与法2と同様の条件を採用できる。
【0026】
(2)銀触媒付与法2
特開平10−30188号公報に記載されている無電解めっき用触媒液は、銀塩0.01〜100ミリモル/l、陰イオン界面活性剤0.01〜0.5重量%、及び銀塩に対して0.1〜0.8倍モルの還元剤を含有する水溶液である。
【0027】
該触媒液では、銀塩としては、水溶性の銀化合物を用いることができ、例えば、硝酸銀、シアン酸銀、過塩素酸銀、亜硫酸銀などの無機銀塩、酢酸銀、クエン酸銀、サリチル酸銀、酒石酸銀などの有機銀塩等を用いることができる。
【0028】
銀塩の水溶液中の濃度は、0.01〜100ミリモル/l程度の範囲とし、好ましくは、0.5〜50ミリモル/l程度の範囲とすればよい。
【0029】
陰イオン界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン(P.O.E)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(P.O.E)ステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(P.O.E)アルキルフェニルエーテルリン酸等のリン酸エステル型、タウリン誘導体、サルコシン誘導体等を用いることができる。
【0030】
陰イオン界面活性剤の濃度は、触媒液中に0.01〜0.5重量%程度とし、好ましくは0.05〜0.1重量%程度とする。
【0031】
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン等のホウ素系還元剤の他、次亜リン酸ナトリウム等のリン系還元剤、ホルムアルヒド、グリオキシル酸等のアルデヒド化合物、アスコルビン酸、ヒドラジン等を用いることができる。
【0032】
還元剤の使用量は、銀塩に対して0.1〜0.8倍モルの範囲とし、好ましくは0.1〜0.5倍モル程度とする。
【0033】
該触媒液は、上記した銀塩、陰イオン界面活性剤、及び還元剤を含有する水溶液であり、各成分を配合した後、均一に攪拌することによって得ることができる。通常、銀塩及び陰イオン界面活性剤を含有する水溶液に還元剤を添加して混合攪拌する方法によって調製することが好ましい。この様にして調製した触媒液は、銀塩の一部が還元して銀微粒子となり、これが水溶液中に安定に分散したものとなる。触媒液のpHについては、1〜7程度とすることが好ましく、2〜5程度とすることがより好ましい
上記した触媒液を用いて触媒を付与するには、常法に従って、脱脂処理、表面調整などの前処理を行った後、被めっき物を該触媒液に接触させればよい。通常は、一般に被めっき物に無電解めっき用触媒を付与する際に行われている方法、例えば、被めっき物を触媒液に浸漬する方法、触媒液を被めっき物に塗布した後乾燥する方法等を適宜適用すればよい。特に、触媒液に浸漬する方法が好ましく、この方法によれば、被めっき物に対して簡単な操作で銀触媒を均一に付着させることができる。触媒液に浸漬する場合には、その条件については特に限定的ではないが、通常、触媒液の液温を0〜80℃程度、好ましくは15〜50℃程度として、これに被めっき物を浸漬すればよい。浸漬時間については、長時間浸漬すると、銀微粒子の吸着量が増加して無電解めっきの析出性が良好になるので、使用する無電解めっき液の種類、被めっき物の種類などに応じて、適宜必要な浸漬時間を決めればよい。通常は、30秒〜10分程度の範囲の浸漬時間とすればよい。
【0034】
(3)銀触媒付与法3
特開2000−8180号公報に記載されている方法によれば、被めっき物を2価の錫イオンを含むセンシタイジング溶液と接触させてセンシタイジング処理を行った後、銀イオンを含有する溶液と接触させることによって銀触媒を付与することができる。
【0035】
上記センシタイジング処理に用いるセンシタイジング溶液としては、SnCl2、SnSO4等の2価の錫塩を塩酸、硫酸等の酸溶液に溶解した、2価の錫イオンを1〜50g/l含有し、pHが1〜3程度である溶液を使用することが好ましい。この溶液による処理方法としては、通常、被めっき物を該センシタイジング溶液に接触させればよく、例えば、10〜60℃程度の溶液中に、1〜10分間程度浸漬処理することが好ましい。
【0036】
銀イオンを含有する溶液としては、銀イオン濃度0.0001〜0.5モル/l程度の水溶液が好ましく、0.001〜0.1モル/l程度の水溶液がより好ましい。この場合、銀イオンを与える銀塩の例としては、硫酸銀、亜硫酸銀、チオ硫酸銀、過塩素酸銀、メタンスルホン酸銀などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記銀イオンを主成分とする溶液には、2価の金属イオンを混合することで活性化の性能を向上させることができる。この例としては、Niイオン、Coイオン、鉄イオン、亜鉛イオン、銅イオンなどを好適に使用できる。これらの使用濃度は上記銀イオンと同様である。なお、上記金属イオンに対する対アニオンとしては、硫酸イオン、ハロゲン化物イオン、メタンスルホン酸イオン等が好適に使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
銀イオンを含有する溶液による処理方法としては、この溶液に被めっき物を接触させればよく、通常は、該溶液中に被めっき物を浸漬すればよい。銀イオンを含有する溶液のpHは5〜11程度が適当であり、その液温は広い範囲で設定できるが、通常は15〜60℃程度とすることが好ましい。処理時間については、適宜選択できるが、通常、数秒〜数分間程度が好適である。
【0038】
(4)銀触媒付与法4
本発明では、銀触媒の付与方法として、下記(i)〜(iii)の成分を水に溶解したpH2〜9の溶液からなる触媒液を用いる方法も採用できる。
(i)1価の銀化合物、
(ii)銀より卑な酸化還元電位を有し、且つ複数の原子価を取ることができ、低原子価の状態にある金属成分を含む化合物(以下、「還元剤」という場合がある)、
(iii)脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、縮合リン酸、アミノカルボン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物(以下、「錯化剤」という場合がある)。
【0039】
この触媒液は、従来知られていない新規な触媒液であり、安定性が良好であって、被めっき物に対する吸着性が良好であり、各種の被めっき物に優れた触媒活性を付与することができる。
【0040】
該触媒では、錯化剤を配合することによって、pH2〜9という弱酸性〜中性付近の溶液中で還元剤を安定に存在させることができる。そして、該還元剤の存在によって、1価の銀化合物が還元されて銀コロイドが形成され、形成された銀コロイドは、弱酸性〜中性付近の溶液中では安定に存在するために、安定性に優れたコロイド溶液となる。また、形成される銀コロイドは、被めっき物に対する吸着性が良好であり、各種の被めっき物に対して優れた触媒活性を付与できる。
【0041】
該触媒液で用いる1価の銀化合物としては、特に限定はなく、1価の銀を含む水溶性の銀化合物であればよい。この様な銀化合物としては、例えば、硝酸銀、シアン酸銀、過塩素酸銀、亜硫酸銀などの無機銀塩;酢酸銀、クエン酸銀、酒石酸銀、サリチル酸銀などの有機銀塩などを挙げることができる。
【0042】
銀化合物の濃度は、0.001〜0.1モル/l程度であることが好ましく、0.01〜0.05モル/l程度であることがより好ましい。
【0043】
該触媒液では、銀化合物を還元する成分として、銀より卑な酸化還元電位を有し、且つ複数の原子価を取ることができ、低原子価の状態にある金属成分を含む化合物を用いる。この様な金属成分を含む化合物を用いることによって、溶液中で金属成分が高原子価の状態となり、銀イオンが還元されて銀コロイドを形成することができる。
【0044】
上記した還元剤としては、2価のスズを含む化合物、2価の鉄を含む化合物、2価のコバルトを含む化合物、3価のセリウムを含む化合物、3価のチタンを含む化合物などを用いることが好ましい。これらの化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0045】
2価のスズを含む化合物の具体例としては、硫酸スズ、塩化スズ、蓚酸スズ、ピロリン酸スズ、酢酸スズ、ホウフッ化スズなどを挙げることができる。2価の鉄を含む化合物としては、塩化鉄、乳酸鉄、硫酸鉄、硫化鉄、蓚酸鉄、フマル酸鉄などを例示できる。2価のコバルトを含む化合物としては、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、硫化コバルト、臭化コバルト、リン酸コバルト、グルコン酸コバルト、ヨウ化コバルトなどを例示できる。3価のセリウムを含む化合物としては、硝酸セリウム、炭酸セリウム、塩化セリウム、フッ化セリウム、酢酸セリウムなどを例示できる。3価のチタンを含む化合物としては、三塩化チタン等を例示できる。
【0046】
上記した還元剤の添加量は、金属分の濃度として、0.01〜3モル/l程度の範囲内であって、銀化合物に対して10〜30倍モル程度とすることが好ましい。特に、金属分の濃度として、0.1〜0.3モル/l程度であることがより好ましい。
【0047】
上記触媒液には、更に、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、縮合リン酸、アミノカルボン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分(錯化剤)を配合する。これらの成分を配合することによって、銀がコロイド状態で安定に存在できる弱酸性〜中性付近の領域において、還元剤を可溶化することができ、該還元剤の還元作用による銀コロイドの形成が可能となる。
【0048】
上記した錯化剤の内で、脂肪族モノカルボン酸としてギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸を例示できる。脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸を例示できる。オキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸を例示できる。縮合リン酸としてはピロリン酸、トリポリリン酸などを例示できる。アミノカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などを例示できる。また、これらの成分の塩としては、可溶性の塩であれば特に限定なく使用でき、具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0049】
上記した錯化剤の内で、特に、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、ピロリン酸などの縮合リン酸等が好ましい。
【0050】
錯化剤の濃度は、還元剤成分に含まれる金属分に対して1〜10倍モル程度とすることが好ましく、2〜5倍モル程度とすることがより好ましい。錯化剤の濃度が低すぎる場合には、還元剤を安定に溶解することが困難となり、良好な銀コロイドが形成され難いので好ましくない。
【0051】
該触媒液は、上記した各成分を水に溶解してなるpH2〜9程度の溶液である。pHがこの範囲内にあることによって、溶液中において銀が安定なコロイド状態で存在することができる。これに対して、pHが低すぎる場合には、銀が溶解し易く、コロイド状態で安定に存在することは困難である。一方、pHが高すぎると、水酸化物が形成され易くなるので好ましくない。特に、銀コロイドの安定性が良好である点で、pHは、2〜7程度であることが好ましく、4〜6程度であることがより好ましい。
【0052】
上記触媒液を調製する方法については特に限定はなく、上記した銀化合物、還元剤及び錯化剤を含むpH2〜9の範囲の溶液を形成できる方法であれば良い。
【0053】
例えば、まず、錯化剤を溶解した水溶液中に、還元剤を添加し、所定のpH範囲に調整する。pH調整には、例えば、NaOH、KOH等のアルカリ等を使用できる。次いで、この溶液を撹拌しながら、1価の銀化合物を徐々に添加する。この際、還元剤に含まれる金属イオンが還元剤として作用することにより銀イオンが還元されて、銀コロイド溶液が形成される。触媒液調製時の温度範囲は特に限定されないが、20〜80℃程度とすることが好ましい。この温度範囲において、攪拌、混合しながら銀コロイド溶液を調製することにより、銀コロイド粒子が微細化して吸着性が向上し、触媒液の安定性も向上する。
【0054】
該触媒液には、さらに必要に応じて触媒液の性質に悪影響を与えない範囲で界面活性剤などを添加してもよい。
【0055】
また、上記した方法で銀コロイド溶液を調製した後、透析法によって、該銀コロイド溶液中に含まれる金属イオン量を減少させることによって、触媒液の安定性を向上させることができる。例えば透析膜としてセルロース膜を用い、銀コロイド溶液と純水とを該透析膜を介して接触させることによって、銀コロイド溶液中に含まれる金属イオンが純水中に移動して、銀コロイド溶液中の金属イオン量を減少させることができる。透析処理に使用する透析膜(半透膜)は特に限定されず、例えば、セルロース膜、コロジオン膜、硫酸紙、セロハン紙、ゼラチンを布に浸して凝固させた膜などを使用することができる。透析方法としては、通常の透析法以外に限外ろ過法、電気透析法、これらを組み合わせた電気限外ろ過法等を適宜適用できる。
【0056】
前述した方法によって銀コロイド溶液を調製した後、透析法によって金属イオン量を減少させる方法によれば、銀コロイド溶液の形成時には、銀イオンを還元するために必要十分な量の金属イオンが溶液中に存在して十分な還元作用を発揮でき、微細で安定性に優れた銀コロイドすることが可能となり、銀コロイドが生成した後は、不要な金属イオン量を減少させることによって、コロイド溶液の安定性を向上させることができる。
【0057】
透析後のコロイド溶液では、コロイド溶液の安定性を向上させるためには、還元剤に基づく金属イオン量は、銀化合物に対して25倍モル程度以下とすることが好ましく、20倍モル程度以下とすることがより好ましい。透析後のコロイド溶液における金属イオンの下限値は特に限定的ではなく、金属イオンが完全に除去されるまで透析を行っても良いが、銀コロイドの吸着性を良好にするためには、銀化合物に対して5倍モル程度以上の金属イオンがコロイド溶液中に存在することが好ましい。従って、銀コロイド溶液の安定性と吸着性を両立するためには、透析後の金属イオン量は、銀化合物に対して5〜25倍モル程度とすることが好ましく、5〜20倍モル程度とすることがより好ましい。
【0058】
透析後のコロイド溶液では、pHが上昇する傾向があり、pH2〜9程度の範囲において良好な安定性を有するものとなる。特に、透析後のコロイド溶液では、pH4〜9程度において、良好な安定性を発揮できる。
【0059】
該触媒液を用いて無電解めっき用触媒を付与するには、常法に従って脱脂処理、表面調整などの前処理を行った後、被めっき物を該触媒液に接触させれば良い。通常は、被めっき物に無電解めっき用触媒を付与する際に一般的に行われている方法、例えば、触媒液に浸漬する方法、触媒液を被めっき物に塗布した後乾燥する方法等を適宜適用すればよい。特に、触媒液に浸漬する方法が好ましく、この方法によれば、被めっき物に対して簡単な操作で触媒を均一に付与することができる。
【0060】
該触媒液に浸漬する場合の条件については特に限定的ではないが、通常、触媒液の温度を10〜80℃程度、好ましくは20〜50℃程度として、これに被めっき物を浸漬すればよい。
【0061】
浸漬時間については、無電解めっき液の種類などに応じて、適宜必要な浸漬時間を設定すればよい。通常は2〜10分間程度の範囲の浸漬時間とすればよい。
【0062】
活性化方法
(1)酸性活性化法
酸性活性化法は、被めっき物に銀触媒を付与した後、被めっき物を酸性水溶液に接触させる方法である。これにより銀触媒の触媒活性を大きく向上させることができる。
【0063】
酸性水溶液としては、通常、酸を溶解したpH3程度以下の水溶液を用いることが好ましい。
【0064】
使用できる酸については、特に限定的ではないが、例えば、ホウフッ化水素酸、フッ酸、硫酸、塩酸、過塩素酸、ピロリン酸、リン酸などの無機酸類、メタンスルホン酸、スルファミン酸、アミノエタンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸などのスルホン酸類、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸などの脂肪族カルボン酸類などを用いることができる。これらの化合物は一種単独又は二種以上混合して用いることができ、その濃度は特に限定はないが、0.1モル/l〜5モル/l程度とすることが好ましく、0.2モル/l〜3モル/l程度とすることがより好ましい。
【0065】
上記した酸性水溶液を用いて触媒活性を向上させる方法としては、通常は、前述した方法で銀化合物を含有する溶液を用いて銀触媒を付与した後、水洗を行い、その後、該被めっき物を酸性水溶液に接触させればよい。
【0066】
被めっき物を酸性水溶液に接触させる方法については、特に限定はなく、該酸性水溶液をスプレーにより被めっき物表面に噴霧する方法、該酸性水溶液に被めっき物を浸漬する方法などを適宜適用することができる。特に、酸性水溶液に浸漬する方法によれば、簡単な操作で均一な活性化処理が可能となる。該酸性水溶液に浸漬する方法では、処理条件については特に限定的ではないが、通常、酸性水溶液の温度を5〜60℃程度、好ましくは10〜40℃程度とすればよい。浸漬時間については特に限定的ではなく、処理温度や銀触媒の付着量などに応じて適宜決めればよいが、通常、30秒〜15分程度の範囲とすればよい。
【0067】
(2)アルカリ活性化法
アルカリ活性化法は、被めっき物に銀触媒を付与した後、被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法である。これにより、銀触媒の触媒活性を大きく向上させることができる。特に、アルカリ活性化法によれば、酸性活性化法で活性化した場合と比べて、より短い無電解めっき時間であっても、均一性に優れた良好な無電解めっき皮膜を形成することが可能となる。
【0068】
アルカリ性水溶液としては、pH10程度以上のアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
【0069】
アルカリ性水溶液を調製するには、通常、水溶液とした場合にアルカリ性を示す化合物を水に溶解すればよい。この様な化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミンなどのアミン化合物などを例示できる。これらの化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ、その濃度は特に限定はないが、10ミリモル/l〜2モル/l程度とすることが好ましく、20ミリモル/l〜1モル/l程度とすることがより好ましい。
【0070】
この様なアルカリ性水溶液で処理することによって、被めっき物に付着している銀触媒が酸化されて銀酸化物が形成され、これにより触媒活性が大きく向上するものと思われる。この様なアルカリ性水溶液の酸化作用をより強くするために、該アルカリ性水溶液には、更に、酸化剤を添加することができる。
【0071】
酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化水素などの過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどのペルオクソ酸、次亜塩素酸などの酸素酸、硝酸、過マンガン酸、これらの塩、塩化鉄(III)、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、酢酸ビスマスなどを用いることができる。これらの酸化剤は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。酸化剤の濃度は特に限定されないが、0.01ミリモル/l〜200ミリモル/l程度とすることが好ましく、0.1ミリモル/l〜100ミリモル/l程度とすることがより好ましい。
また、酸化剤を添加することに代えて、或いは、酸化剤を添加することに加えて、アルカリ性水溶液を空気撹拌して液中の溶存酸素濃度を高めることによっても、アルカリ水溶液の酸化作用を向上させることができる。
また、被めっき物が金属部分を含む材料である場合等には、アルカリ性水溶液で処理すると金属部分に変色が生じる場合がある。この様な金属部分の変色を抑制するために、該アルカリ性水溶液に、錯化剤、還元剤等を添加しても良い。錯化剤としては、酢酸、ギ酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸類、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、アスコルビン酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸、サリチル酸などのオキシカルボン酸類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、クォドロールなどのアルカノールアミン類、エチレンジアミン、N-アミノエチルエタノールアミンなどのアミン類、グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)などのアミノカルボン酸類、タウリン、メタンスルホン酸、スルファミン酸などのアミノスルホン酸、ピロリン酸、リン酸などのリン化合物、これらの各化合物の塩などを用いることができる。これらの錯化剤は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン等のホウ素系還元剤の他、次亜リン酸ナトリウム等のリン系還元剤、ホルムアルヒド、グリオキシル酸等のアルデヒド化合物、グルコースなどの糖類、アスコルビン酸、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、ハロゲン化アルキル金属、亜硫酸、これらの塩等などを用いることができる。還元剤は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0072】
錯化剤と還元剤は、いずれか一方のみを用いても良く、両者を併用しても良い。これらの添加量は、錯化剤と還元剤の合計濃度として、1ミリモル/l〜500ミリモル/l程度とすることが好ましく、5ミリモル/l〜200ミリモル/l程度とすることがより好ましい。
【0073】
さらに該アルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加することができる。
【0074】
また、該アルカリ性水溶液を連続して使用すると、被めっき物中の成分が該アルカリ性水溶液に溶出し、この蓄積によって処理性能が変動する場合がある。この様な処理性能の変動を防止するために、被めっき物の種類に応じて、処理液中に溶出することが予測される成分を予めアルカリ性水溶液中に添加することによって、処理性能の変動を抑制することができる。例えば、プリント基板などの金属部分を含む複合材料を被めっき物とする場合には、金属成分の溶解が考えられるので、銀、スズ、銅、金、パラジウム、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、ビスマス等の被めっき物に含まれる各種金属成分を可溶性塩の形態で予め添加することによって、処理性能の変動を抑制することができる。
【0075】
上記したアルカリ性水溶液を用いて触媒活性を向上させる方法としては、通常は、前述した方法で銀化合物を含有する溶液を用いて銀触媒を付与した後、水洗を行い、その後、被めっき物を該アルカリ性水溶液に接触させればよい。
【0076】
被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法については、特に限定はなく、該アルカリ性水溶液をスプレーにより被めっき物表面に噴霧する方法、該アルカリ性水溶液に被めっき物を浸漬する方法などを適宜適用することができる。特に、アルカリ性水溶液に浸漬する方法によれば、簡単な操作で均一な活性化処理が可能となる。該アルカリ性水溶液に浸漬する方法では、処理条件については特に限定的ではないが、通常、アルカリ性水溶液の温度を5〜90℃程度、好ましくは10〜50℃程度とすればよい。浸漬時間については特に限定的ではなく、処理温度や銀触媒の付着量などに応じて適宜決めればよいが、通常、30秒〜10分程度の範囲とすればよい。
【0077】
(3)組合せ法
上記した酸性活性化法とアルカリ活性化法は、両方の方法を組み合わせて適用しても良い。即ち、被めっき物に銀触媒を付与した後、該被めっき物を酸性水溶液に接触させ、次いでアルカ性水溶液に接触させる方法、或いは、該被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させ、次いで酸性水溶液に接触させる方法によっても銀触媒を活性化することができる。
【0078】
この方法によれば、銀触媒の活性をより一層向上させることが可能であり、例えば、ポリイミド、PET、LCP等のエンジニアリングプラスチックを被めっき物とする場合あっても、密着性に加えて外観も良好な無電解めっき皮膜を形成できる。
【0079】
アルカリ性水溶液に接触させる方法と酸性水溶液に接触させる方法のそれぞれの処理条件については、前述した各方法を単独で実施する場合と同様とすればよい。
【0080】
(4)酸化法
また、銀化合物を含む溶液を用いて被めっき物に銀触媒を付与した後、被めっき物に付与された銀触媒を酸化性雰囲気下で酸化する方法によっても、銀触媒の触媒活性を向上させることができる。
【0081】
この方法では、通常、被めっき物に銀触媒を付与した後、常法に従って、水洗、乾燥などを行い、空気中、酸素気流中などの酸化性雰囲気下において、被めっき物に付与された銀触媒を酸化させればよい。
【0082】
酸化性雰囲気としては、特に限定的ではないが、例えば、酸素濃度が15〜100体積%程度の雰囲気を採用することができる。通常は、空気中又はこれに更に酸素気流を通じて酸素濃度を上げた雰囲気等を採用することができる。
【0083】
具体的な処理方法としては、通常、銀触媒が付与された被めっき物を酸化性雰囲気下に放置すればよく、これによって銀触媒の酸化を進行させることができる。
【0084】
処理温度については、酸素濃度等に応じて銀触媒の酸化が十分に進行する温度に適宜設定すればよい。例えば、酸素濃度15〜30体積%程度の雰囲気では、処理温度を60℃程度以上とすることが好ましく、酸素濃度30〜60体積%程度の雰囲気では、処理温度を25℃程度以上とすることが好ましく、酸素濃度60〜100体積%程度の雰囲気では、処理温度を15℃程度以上とすることが好ましい。処理温度の上限については特に限定的ではなく、高温に加熱するほど酸化反応が進行しやすいが、被めっき物の種類などに応じて、被めっき物に悪影響が生じない範囲の温度とする必要がある。
【0085】
処理時間については、酸素濃度、処理温度等に応じて異なるが、通常、1分〜2時間程度の範囲内とすればよい。例えば、空気中で60℃程度の処理温度とする場合には、5分程度以上の処理時間とすることが好ましい。
【0086】
(II)本願第二発明
触媒付与方法
本願第二発明の方法では、触媒物質としてパラジウム化合物を含む溶液を用いて被めっき物にパラジウム触媒を付与する。
【0087】
パラジウム化合物を含む溶液を用いて被めっき物にパラジウム触媒を付与する方法としては、公知の方法を適用できる。例えば、2価のスズ塩を含むセンシタイザー溶液で処理した後、パラジウム化合物を含むアクチベーター液で処理してパラジウム触媒を付与する方法(センシタイザー−アクチベーター法)、スズ−パラジウム混合コロイド溶液であるキャタリスト溶液で処理してパラジウム触媒を付与する方法(キャタリスト法)などを適用できる。
【0088】
以下、パラジウム触媒の付与方法の一例をより具体的に説明する。
【0089】
(1)パラジウム触媒付与法1(センシタイザー−アクチベーター法):
この方法は、2価の錫イオンを含む溶液(センシタイザー溶液)に被めっき物を接触させた後、パラジウムイオンを含む溶液(アクチベーター液)に被めっき物を接触させてパラジウム触媒を付与する方法である。
【0090】
センシタイザー溶液としては、例えば、SnCl2、SnSO4等の2価の錫塩を塩酸、硫酸等の酸溶液に溶解した、2価の錫イオンを0.5ミリモル/l〜50ミリモル/l含有し、pHが3程度以下である溶液を使用することができる。
【0091】
この溶液による処理方法としては、通常、被めっき物を該センシタイジング溶液に接触させればよく、例えば、10〜60℃程度の溶液中に、1〜10分間程度浸漬すればよい。
【0092】
アクチベーター溶液としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウムなどのパラジウム塩を塩酸、硫酸等の酸溶液に溶解した、パラジウムイオンを0.1ミリモル/l〜0.5モル/l程度含有し、pHが3程度以下である溶液を使用することができる。
【0093】
この溶液による処理方法としては、通常、被めっき物を該アクチベーター溶液に接触させればよく、例えば、10〜60℃程度の溶液中に、1〜10分間程度浸漬すればよい。
【0094】
(2)パラジウム触媒付与法2(キャタリスト法)
この方法は、スズ−パラジウム混合コロイド溶液であるキャタリスト溶液に被めっき物を接触させてパラジウム触媒を付与する方法である。
【0095】
キャタリスト溶液としては、例えば、塩化第1スズを含む水溶液中にコロイド状のパラジウム塩を分散させたpH3程度以下のスズ−パラジウム混合コロイド溶液を用いることができる。
【0096】
この溶液では、パラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウムなどを用いることができ、その濃度は、0.02ミリモル/l〜10ミリモル/l程度とすればよい。塩化第1スズの濃度は、パラジウムに対して4倍モル〜100倍モル程度とすればよい。更に、通常、この溶液中には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩酸等の塩化物イオン含有物が1モル/l〜5モル/l程度含まれる。
【0097】
キャタリスト溶液による処理方法としては、通常、被めっき物を該キャタリスト溶液に接触させればよく、例えば、10〜45℃程度の溶液中に、1〜10分間程度浸漬すればよい。
【0098】
活性化方法:
被めっき物にパラジウム触媒を付与した後、(i)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法、(ii) 被めっき物をアルカリ性溶液に接触させ、次いで酸性水溶液に接触させる方法、又は(iii)被めっき物を酸性水溶液に接触させ、次いでアルカリ性水溶液に接触させる方法によって、パラジウム触媒の触媒活性を向上させることができる。
【0099】
これらの活性化方法によれば、例えば、ポリイミド樹脂を被めっき物とする場合であっても、密着性の良い無電解めっき皮膜を形成することができる。特に、被めっき物をアルカリ性溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法、又は被めっき物を酸性水溶液に接触させた後、アルカリ性水溶液に接触させる方法によれば、密着性に加えて、外観も良好な無電解めっき皮膜を形成することが可能となる。
【0100】
アルカリ性水溶液に接触させる方法と酸性水溶液に接触させる方法のそれぞれの条件については、前述した本願第一発明と同様とすればよい。
【0101】
(III)無電解めっき
上記した方法によって銀触媒又はパラジウム触媒を付与し、活性化した後、常法に従って無電解めっきを行うことにより、密着性に優れ、均一で良好な外観の無電解めっき皮膜を形成することができる。
【0102】
無電解めっき液としては、公知の自己触媒型の無電解めっき液をいずれも使用できる。この様な無電解めっき液としては、例えば、無電解ニッケルめっき液、無電解銅めっき液等の他、Au、Ag、Pd、Rh等の貴金属の無電解めっき液等を挙げることができる。
【0103】
被めっき物の種類についても特に限定されず、例えば、プリント基板などの金属−非導電性物質複合材料、プラスチック、セラミックス、ガラスなどの非導電性物質、紙、布などの繊維状物質、金属、金属酸化物等を用いることができる。
【0104】
本発明の方法では、従来の触媒付与方法では密着性に優れた無電解めっき皮膜を形成することが困難であったエンジニアリングプラスチックに対しても良好な無電解めっき皮膜を形成することができる。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、液晶ポリマー(LCP)等の各種エンジニアリングプラスチックに対しても密着性に優れた無電解めっき皮膜を形成することが可能である。
【0105】
従って、本発明方法は、被めっき部分の少なくとも一部がエンジニアリングプラスチックによって構成された物品に対して無電解めっき皮膜を形成する方法として有用性が高い方法である。
【0106】
特に、銀触媒を付与した被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させて活性化する方法によれば、非常に良好な密着性を有する無電解めっき皮膜を形成でき、更に、銀触媒を付与した被めっき物を、酸性水溶液に接触させた後、アルカリ性水溶液に接触させる方法、またはアルカリ性水溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法によって活性化する場合には、密着性に加えて、外観も良好な無電解めっき皮膜を形成することができる。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の様な顕著な効果が奏される。
(1)安価な触媒物質である銀化合物を用いて、各種の被めっき物に対して、パラジウムと同等、或いはこれを上回る優れた触媒活性を付与できる。その結果、銀化合物を用いた場合であっても、均一で良好な外観を有する無電解めっき皮膜を形成することができる。
(2)特に、上記した銀触媒付与法4によって銀触媒を付与する場合には、被めっき物に対する銀触媒の吸着性が良好であることから、極めて良好な触媒活性を付与することができる。
(3)本発明の方法によって活性化処理を行うことにより、エンジニアリングプラスチックに対しても密着性の良好な無電解めっき皮膜を形成することができる。
【0108】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0109】
製造例1
下記の方法によって、触媒液及び活性化液を調製した。
【0110】
触媒液1
ピロリン酸カリウム0.3モルを純水800mlに溶解し、これに硫酸スズ0.2モルを加えて攪拌し溶解させて、液温50℃に保持した。この溶液中に、硝酸銀0.01モルを純水200mlに溶解した溶液を攪拌しながら加え、50℃で30分間加熱、攪拌を行った。硝酸銀水溶液を添加すると直ちにスズ溶液は黒色を示した。これを触媒液1とする。
【0111】
触媒液2
硝酸銀0.02モルを純水800mlに溶解し、これにドデシル硫酸ナトリウム100mgを純水100mlに溶解した溶液を攪拌しながら加えた。この溶液中に、水素化ホウ素ナトリウム0.008モルを純水100mlに溶解した溶液を攪拌しながら加えた。溶液の色が赤褐色に急変したところで攪拌を終了した。これを触媒液2とする。
【0112】
活性化液1
炭酸ナトリウム0.5モルを純水1リットルに溶解した。得られた溶液のpHは、11.6であった。これを活性化液1とする。
【0113】
活性化液2
炭酸ナトリウム0.5モルを純水1リットルに溶解し、次に35%過酸化水素水 0.1ml/lを添加した。得られた溶液のpHは、11.6であった。これを活性化液2とする。
【0114】
活性化液3
水酸化カリウム0.3モルを純水1リットルに溶解し、次に ホルムアルデヒド 0.1モルを溶解した。得られた溶液のpHは、13.4であった。これを活性化液3とする。
【0115】
活性化液4
水酸化ナトリウム0.3molを純水1リットル溶解し、次に EDTA・4ナトリウム0.1モルを溶解した。得られた溶液のpHは、13.4であった。これを活性化液4とする。
【0116】
実施例1〜4
被めっき物としてエポキシ板(5×5cm)を使用し、下記表1に示す触媒液および活性化液を用いて、下記の工程で無電解めっきを行った。各処理液の液量は500mlとした。各処理の間には水洗を行った。
1.脱脂:
脱脂剤(エースクリンA-220、奥野製薬工業(株)製)を用いて、60℃の処理液中に5分間浸漬した。
2.表面調整:
表面調整剤(AE-B401、奥野製薬工業(株)製)を用いて、60℃の処理液中に5分間浸漬した。
3.銀触媒付与:
30℃の触媒液中に5分間浸漬して触媒付与を行った。
4.活性化処理:
40℃の活性化液中に5分間浸漬した。
5.無電解めっき:
下記(a)〜(c)の3種類の無電解めっきを行った。
(a) 無電解銅めっき液(TSP-810、奥野製薬工業(株)製)を用いて、pH12.5のめっき浴中に45℃で5分間浸漬した。
(b) 無電解銅めっき液(ビルドカッパー、奥野製薬工業(株)製)を用いて、pH12.5のめっき浴中に45℃で5分間浸漬した。
(c)無電解銅めっき液(OPC-700MK、奥野製薬工業(株)製)を用いて、pH13.0のめっき浴中に30℃で5分間浸漬した。
【0117】
得られた各無電解めっき皮膜について、下記の方法で皮膜被覆率及び被めっき物外観を評価した。結果を下記表1に示す。
(試験方法)
1.皮膜被覆率(%):被めっき物上にめっき皮膜が形成された面積の割合を示す。
2.被めっき物外観:目視によりめっき皮膜の外観を評価した。
【0118】
実施例5
実施例1における活性化処理に代えて、触媒溶液に浸漬後の被めっき物を水洗し、乾燥した後、恒温乾燥器を用いて100℃の空気中に30分放置した。この処理以外は、実施例1と同様の工程により無電解めっきを行い、皮膜被覆率及び被めっき物外観を評価した。結果を下記表1に示す。
【0119】
比較例1
実施例1における活性化処理を行うことなく、それ以外は、実施例1と同様の工程により無電解めっきを行い、皮膜被覆率及び被めっき物外観を評価した。結果を下記表1に示す。
【0120】
比較例2
実施例1における活性化処理に代えて、40℃のイオン交換水中に5分間浸漬し、それ以外は、実施例1と同様の工程により無電解めっきを行い、皮膜被覆率及び被めっき物外観を評価した。結果を下記表1に示す。
【0121】
【表1】
実施例6
被めっき物として、5×5cmのポリイミド製フィルム(商標名:カプトン200H、東レ・デュポン(株)製)を用い、触媒付与及び活性化処理として下記の方法を採用する以外は、実施例1と同様の方法で無電解めっき皮膜を形成した。各処理液の液量は500mlとした。各処理の間には水洗を行った。
【0122】
尚、無電解めっき液としては、実施例1に記載した(a)無電解銅めっき液(TSP-810、奥野製薬工業(株)製)を用い、実施例1と同様の条件でめっきを行った。
*触媒付与
付与された触媒金属の種類を表2に示す。触媒を付与するための具体的方法は次の通りである。
(1)銀触媒付与
製造例1で得た触媒液1を用い、30℃の触媒液中に被めっき物を5分間浸漬して銀触媒を付与した。
(2)パラジウム触媒付与
塩化第1スズを含む水溶液中にコロイド状のパラジウム塩を分散させたスズ−パラジウム混合コロイド溶液からなるキャタリスト溶液(商標名:OPC−80キャタリスト、奥野製薬工業(株)製)を用い、25℃のキャタリスト溶液中に被めっき物を5分間浸漬した。
*活性化処理
活性化方法を表2に示す。表2に記載した各方法の具体的内容は次の通りである。
(1)酸性活性化
硫酸1モル/l水溶液を処理液とし、25℃の処理液中に5分間浸漬した。
(2)アルカリ活性化
製造例1で得た活性化液1を用い、40℃の活性化液中に5分間浸漬した。
上記した方法で無電解銅めっきを行った後、下記方法で電気銅めっき皮膜を形成して、密着力及びめっき外観を評価した。結果を下記表2に示す。
(電気めっき方法)
下記の工程で無電解銅めっき皮膜上に電気銅めっき皮膜を形成した。尚、各処理液の液量は500mlとし、各処理の間には水洗を行った。
1)脱脂
脱脂剤(商標名:OPC−121クリーナー、奥野製薬工業(株)製)を用いて、
25℃の脱脂剤液中に2分間浸漬した。
2)酸活性
濃度1モル/lの硫酸水溶液を処理液として用い、25℃の処理液中に1分間浸漬した。
3)電気銅めっき
電気銅めっき液(商標名:トップルチナSF、奥野製薬工業(株))を用い、25℃の電気銅めっき液中で、陰極電流密度2.5A/dm2で45分間電気めっきを行った。
(試験方法)
1.密着力:
無電解銅めっき皮膜上に電気銅めっき皮膜を25μm形成し、幅1cmに切断した。基材に対して90°方向に毎分50mmの速さで銅めっき皮膜を引っ張って荷重を測定し、単位幅当たりの荷重を引きはがし強度(kgf/cm)として、銅めっき皮膜と基材間の接着力を評価した。
2.めっき物外観:
目視により電気銅めっき後のめっき皮膜の外観を評価した。
【0123】
【表2】
Claims (6)
- (i)1価の銀化合物、
(ii)銀より卑な酸化還元電位を有し、且つ複数の原子価をとることができ、低原子価の状態にある金属成分を含む化合物、並びに
(iii)脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、縮合リン酸、アミノカルボン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を水に溶解した、pH2〜9の溶液からなる触媒液を被めっき物に接触させて、該被めっき物に銀触媒を付与した後、
(1)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させる方法、
(2)被めっき物を酸性水溶液に接触させた後、アルカリ性水溶液に接触させる方法、
(3)被めっき物をアルカリ性水溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法、又は
(4)酸化性雰囲気下において、被めっき物に付与された銀触媒を酸化させる方法
によって処理することを特徴とする、
無電解めっき用触媒の活性化方法。 - パラジウム化合物を含む溶液を用いて被めっき物にパラジウム触媒を付与した後、
被めっき物をアルカリ水溶液に接触させた後、酸性水溶液に接触させる方法によって処理する
ことを特徴とする無電解めっき用触媒の活性化方法。 - 被めっき物にパラジウム触媒を付与する方法が下記(1)又は(2)の方法である請求項2に記載の活性化方法:
(1)2価の錫イオンを含む溶液に被めっき物を接触させた後、パラジウムイオンを含む溶液に被めっき物を接触させる方法、
(2)スズ−パラジウム混合コロイド溶液に被めっき物を接触させる方法。 - 請求項1〜3のいずれかの方法によって被めっき物に触媒を付与して活性化した後、無電解めっき液に浸漬することを特徴とする無電解めっき方法。
- 被めっき物が、被めっき部分の少なくとも一部がエンジニアリングプラスチックによって構成された物品である請求項4に記載の無電解めっき方法。
- 請求項4又は5の方法によってめっき皮膜が形成された物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160209A JP4189532B2 (ja) | 2002-12-10 | 2003-06-05 | 無電解めっき用触媒の活性化方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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