JP5584828B2 - 電力供給システム - Google Patents
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Description
また、第2の課題として、必ず交流発電機の開放電圧から連続的に制御部の入力電圧を変化させているため収束に時間がかかり、常に電力比較をしながら制御を行っており、電力比較を行うためには交流発電機のリップル電流をローパスフィルタなどで取り除かなければならず、負荷変動に対する制御部の入力電圧の応答性を上げることができないという問題点があった。
実施の形態1は、蓄電デバイスを有する負荷と、負荷に発電する電力を供給する垂下特性を持つ交流発電機と、交流発電機の最大電力動作点に対応する出力電圧よりも低い所定の電圧で交流発電機が動作するように制御する制御部を備えた電力供給システムに関するものである。
以下、本願発明の実施の形態1の構成、動作について、電力供給システムのシステム構成図である図1、交流発電機の出力電圧−出力電力特性図である図2、制御部の構成図である図3、制御部の制御フローチャートである図4に基づいて説明する。
電力供給システム1は、交流発電機2と、交流発電機2の交流出力を直流に変換するための整流部3と、この整流部3の出力の直流を調整し蓄電デバイスを有する負荷5へ供給するための制御部4から構成されている。ここで、制御部4の入力電圧をVin、出力電圧をVoutと定義する。
交流発電機2は、出力電圧と出力電力に関して、図2の垂下特性を有する。すなわち、交流発電機2は、負荷の増加に伴い出力電圧が減少して(V4→V3→V2)出力電力が増加し、出力電圧V2で最大電力動作点の最大電力(Pmax)となり、さらに出力電圧を減少させると(V2→V1)出力電力が減少する特性を有する。
また、実施の形態1では、制御部4の入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係を調整する直流電圧変換部として、例えばDC/DCコンバータを想定している。
降圧チョッパ12は、電界効果トランジスタ(FET)Q1(以降、トランジスタという)、ダイオードD1、コイルL1およびコンデンサC1、C2から構成される。
また、降圧チョッパ12の出力電圧Voutと出力電流Ioutは制御回路13に入力されており、降圧チョッパ12の出力電力PoutはVout×Ioutで計算できる。
Vin=(T/ton)Vout (1)
ここで、tminは、後述するが、tonが取り得る下限値である。
なお、説明および図を簡潔にするため、降圧チョッパ12の入力電圧VinはVin、出力電圧VoutはVout、出力電流IoutはIout、出力電力PoutはPout、駆動周期TをTと適時記載する。
降圧チョッパ12の出力電圧Voutの目標電圧をVrefとし、Poutの1制御周期前のPoutをPout−1と定義する。
ステップS2では、VoutとIoutを取得し、ステップS3で降圧チョッパ12の出力電力Poutを算出している。Poutは、交流発電機2の出力電力とほぼ同じ値である。ステップS3からステップS4に進む。
ステップS5とステップS6では、どちらも前回の制御周期でtonを短くしたかどうかを判定している。
ここで、tdownが1のときは、前回tonを短くしている。tdownが0のときは、前回tonを長くしている。
ステップS10では、ステップS8でtonを短くしたので、tdownに1を代入している。ステップS10からステップS12に進む。
ステップS12では、tonがtonの下限値tminより小さいかどうかを判定している。tonに下限値を設けないと、Vinは際限なく大きくなっていくため、この判定が必要である。
tonがtminより短い場合、ステップS14に進む。tonがtminより長い場合、ステップS16に進む。
ステップS14では、tonにtminを代入している。ステップS14からステップS16に進む。
ステップS11では、ステップS9でtonを長くしたのでtdownに0を代入している。ステップS11からステップS13に進む。
ステップS13では、tonがTより大きいかどうかを判定している。tonに上限値を設けないと、tonがTより大きくなっていくので、ステップS13を設ける必要がある。
tonがTより長い場合、ステップS15に進む。tonがTより短い場合、ステップS16に進む。
ステップS15では、tonにTを代入している。ステップS15からステップS16に進む。
ステップS16では、Pout−1にPoutを代入している。ステップS16からステップS2に戻る。
したがって、実施の形態1に係る電力供給システム1は、制御部が交流発電機の最大電力動作点に対応する出力電圧よりも低い所定の電圧で動作するように交流発電機を制御するため、交流発電機2の出力電圧を所定の電圧以下に抑えることが可能となり、制御部に低耐圧のスイッチング素子を使用でき、制御部を小型化および低損失化できる効果がある。
実施の形態2の電力供給システムは、昇圧チョッパを用いて制御部4を構成したものである。
図5は、実施の形態2に係る電力供給システムの制御部の構成図である。図5において、図3と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
昇圧チョッパ22は、電界効果トランジスタ(FET)Q1(以降、トランジスタという)、ダイオードD1、コイルL1およびコンデンサC1、C2から構成される。
また、昇圧チョッパ22の出力電圧Voutと出力電流Ioutは制御回路23に入力されており、昇圧チョッパ22の出力電力PoutはVout×Ioutで計算できる。
Vin=(1−ton/T)Vout (2)
ステップS2以降の説明は、実施の形態1と同じであり、ステップS7〜S9の処理を実行することで、制御部4の出力電圧が目標電圧と一致するようにフィードバック制御が行われるため、交流発電機2の出力電圧は、0Vから出発し、時間の経過とともに交流発電機2の出力電圧および出力電力が増加し、一定の電圧に収束する。
実施の形態3の電力供給システムは、昇降圧チョッパを用いて制御部4を構成したものである。
図6は、実施の形態3に係る電力供給システムの制御部の構成図である。図6において、図3と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
昇降圧チョッパ32は、電界効果トランジスタ(FET)Q1、Q2(以降、トランジスタという)、ダイオードD1、D2、コイルL1およびコンデンサC1、C2から構成される。
昇降圧チョッパ32においては、トランジスタQ1、Q2は同時にオンまたはオフするように制御される。
また、昇降圧チョッパ32の出力電圧Voutと出力電流Ioutは制御回路33に入力されており、昇降圧チョッパ32の出力電力PoutはVout×Ioutで計算できる。
Vin=(T/ton−1)Vout (3)
ステップS2以降の説明は、実施の形態1と同じであり、ステップS7〜S9の処理を実行することで、制御部4の出力電圧が目標電圧と一致するようにフィードバック制御が行われるため、交流発電機2の出力電圧は、0Vから出発し、時間の経過とともに交流発電機2の出力電圧および出力電力が増加し、一定の電圧に収束する。
実施の形態4の電力供給システムは、実施の形態1の電力供給システムと、制御部4の構成は同じであるが、制御開始時点において、降圧チョッパの入力電圧Vinが出力電圧Voutからではなく、制御部4の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発するものである。
降圧チョッパ12の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(1)で表せる。
なお、説明および図を簡潔にするため、降圧チョッパ12の入力電圧VinはVin、出力電圧VoutはVout、出力電流IoutはIout、出力電力PoutはPout、駆動周期TをTと適時記載する。
降圧チョッパ12の出力電圧Voutの目標電圧をVrefとし、Poutの1制御周期前のPoutをPout−1と定義する。
図4のステップS1では、tonの初期値としてTを設定しているが、図7のステップS17では、tonの初期値にts1を代入している。ここで、ts1は式(1)のtonに代入して得られるVinが、図2のV4もしくは降圧チョッパの定格電圧より低い電圧になる時間に設定する。
また、図4のステップS5、ステップS6、およびステップS7の処理が図7では、ステップS5、ステップS6、ステップS7、およびステップS18になっている。
次にステップS4からステップS8、またはステップS9までの流れについて説明する。
ステップS4でPoutがPout−1より大きく、ステップS5でtdown=1であるか、またはステップS4でPoutがPout−1より小さく、ステップS6でtdown=1ではない場合は、Vinが図2のV2より低い電圧で降圧チョッパが動作している。このため、ステップS7でVoutがVrefより低い場合、S8に進みtonを短くして、Vinを高くして交流発電機2の発電電力を上げるようにする。
逆に、VoutがVrefより高い場合、S9に進みtonを長くして、Vinを低くして交流発電機2の発電電力を下げるようにする。
逆に、VoutがVrefより高い場合、S8に進みtonを短くして、Vinを低くして交流発電機2の発電電力を下げるようにする。その他のステップについては、図4のフローチャートと同じである。
実施の形態5の電力供給システムは、実施の形態2の電力供給システムと、制御部4の構成は同じであるが、制御開始時点において、昇圧チョッパの入力電圧Vinが0Vからではなく、制御部4の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発するものである。
昇圧チョッパ22の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(2)で表せる。
その他のステップについては、実施の形態4と同じであり、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態6の電力供給システムは、実施の形態3の電力供給システムと、制御部4の構成は同じであるが、制御開始時点において、昇降圧チョッパの入力電圧Vinが0Vからではなく、制御部4の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発するものである。
昇降圧チョッパ32の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1、2のオン時間tonの関係は式(3)で表せる。
その他のステップについては、実施の形態4と同じであり、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態7は、交流発電機の運転状態(回転数rpm)に対応する出力電圧−出力電力特性を予測することで、実施の形態4の電力供給システムよりも、交流発電機の運転状態を考慮した調整ができ、また負荷電力を取り込むことで、より制御部の入力電圧の収束を早めることができる電力供給システムに関するものである。
以下、本願発明の実施の形態7の構成、動作について、電力供給システムのシステム構成図である図8、交流発電機の運転状態を表す回転数をパラメータとした出力電圧−出力電力特性図である図9、制御部の制御フローチャートである図10(前半部)および図11(後半部)に基づいて説明する。なお、制御部の構成は実施の形態4で説明した図3と同じであり、降圧チョッパ12を使用する。
制御部4としては、降圧チョッパ12を使用するため、降圧チョッパ12の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(1)で表せる。
なお、図8の制御回路42と図3の制御回路13は統合して1つの制御回路としてもよいし、別々の制御回路としてもよい。
最大電力となる電圧および出力電力が0になる開放電圧は、低速回転時の方が高速回転時に比べて、低電圧側に移動し、最大電力も小さくなる。
なお、説明および図を簡潔にするため、降圧チョッパ12の入力電圧VinはVin、出力電圧VoutはVout、出力電流IoutはIout、出力電力PoutはPout、駆動周期TをT、交流発電機2の回転数rpmをrpm、負荷5の負荷電力PloadをPloadと適時記載する。また、降圧チョッパ12の出力電圧Voutの目標電圧をVrefとし、Poutの1制御周期前のPoutをPout−1と定義する。
ステップS19では、交流発電機2の回転数rpmと負荷電力Ploadを取得する。負荷5は蓄電デバイスを有するため、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadは、必ずしも一致しないため、負荷電力Ploadを取得する。
ステップS20では、交流発電機2の回転数rpmにおける出力電圧−出力電力特性を予測する。このとき、制御回路42には、交流発電機2の運転状態を表す回転数rpmと出力電圧−出力電力特性の関係を算出できる計算式等を記憶しているものとする。
ステップS22では、ステップS20で予測した交流発電機2の回転数rpmにおける出力電圧−出力電力特性から、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなるVinを算出する。ステップS22からステップS23に進む。
ステップS23では、ステップS21で求めた制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなるVinを式(1)に代入して、トランジスタQ1のオン時間ts2を算出する。ステップS23からステップS26に進む。
ステップS24では、ステップS20で予測した交流発電機2の回転数rpmにおける出力電圧−出力電力特性から、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなるVinを算出する。ステップS24からステップS25に進む。
ステップS25では、ステップS24で求めた制御部4の出力電力PoutとPmaxが等しくなるVinを式(1)に代入して、トランジスタQ1のオン時間ts2を算出する。ステップS25からステップS26に進む。
ステップS27では、tonにts2を代入している。ステップS27からステップS2に進む。
ステップS28では、tonにtminを代入している。ステップS28からステップS2に進む。
その後は、図7のフローチャートと同じであり、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態8は、交流発電機の運転状態(回転数rpm)に対応する出力電圧−出力電力特性を予測することで、実施の形態5の電力供給システムよりも、運転状態を考慮した調整ができ、また負荷電力を取り込むことで、より制御部の入力電圧の収束を早めることができる電力供給システムに関するものである。
昇圧チョッパ22の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(2)で表せる。
また、ステップS25では、ステップS24で求めた制御部4の出力電力PoutとPmaxが等しくなるVinを式(2)に代入して、トランジスタQ1のオン時間ts2を算出する。
その他のステップについては、実施の形態7と同じであり、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態9は、交流発電機の運転状況(回転数rpm)に対応する出力電圧−出力電力特性を予測することで、実施の形態6の電力供給システムよりも、発電機の運転状況を考慮した調整ができ、また負荷電力を取り込むことで、より制御部の入力電圧の収束を早めることができる電力供給システムに関するものである。
昇降圧チョッパ32の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(3)で表せる。
また、ステップS25では、ステップS24で求めた制御部4の出力電力PoutとPmaxが等しくなるVinを式(3)に代入して、トランジスタQ1、2のオン時間ts2を算出する。
その他のステップについては、実施の形態7と同じであり、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態10は、交流発電機の運転状態を表す回転数rpmに加えて、さらに界磁電流Ifを制御部に取り込むことで、界磁電流が必要な交流発電機であるオルタネータにも対応できる制御部に降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
なお、本実施の形態10では、交流発電機2として、界磁電流が必要な交流発電機であるオルタネータを想定している。
制御部4としては、降圧チョッパ12を使用するため、降圧チョッパ12の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(1)で表せる。
最大電力となる電圧、出力電力が0になる開放電圧は、界磁電流の大きさで変化しないが、交流発電機2が発電できる最大電力は、界磁電流が小さい場合、界磁電流が大きい場合に比較して小さくなる。
なお、説明および図を簡潔にするため、降圧チョッパ12の入力電圧VinはVin、出力電圧VoutはVout、出力電流IoutはIout、出力電力PoutはPout、駆動周期TをT、交流発電機2の回転数rpmをrpm、負荷5の負荷電力PloadをPloadと適時記載する。また、降圧チョッパ12の出力電圧Voutの目標電圧をVrefとし、Poutの1制御周期前のPoutをPout−1と定義する。
ステップS29では、交流発電機2の回転数rpmと負荷5の負荷電力Ploadに加えて、交流発電機2の界磁電流Ifも一緒に取得している。
また、ステップS30では、交流発電機2の回転数rpmに加えて、交流発電機2の界磁電流Ifも含めて交流発電機2の出力電圧−出力電力特性を予測している。
なお、制御回路42には、交流発電機2の回転数rpmおよび界磁電流Ifと出力電圧−出力電力特性の関係を算出できる計算式等を記憶しているものとする。
ステップS29、S30以外、図10、図11のフローチャートの各ステップの処理と変わらず、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
ステップS23やステップS25でts2を算出するときは、式(1)を使用しており、これにより、界磁電流を必要とする交流発電機2においても制御部4の入力電圧Vinの収束を早くすることができる。
実施の形態11は、交流発電機の運転状態を表す回転数rpmに加えて、さらに界磁電流Ifを制御部に取り込むことで、界磁電流が必要な交流発電機であるオルタネータにも対応できる制御部に昇圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇圧チョッパ22の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(2)で表せる。
これ以外は、実施の形態10のフローチャートの各ステップの処理と変わらず、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態12は、交流発電機の運転状態を表す回転数rpmに加えて、さらに界磁電流Ifを制御部に取り込むことで、界磁電流が必要な交流発電機であるオルタネータにも対応できる制御部に昇降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇降圧チョッパ32の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1、2のオン時間tonの関係は式(3)で表せる。
これ以外は、実施の形態10のフローチャートの各ステップの処理と変わらず、交流発電機2の出力電圧は、制御部4の出力電力Poutと負荷電力Ploadが等しくなる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束する。
実施の形態13は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、この電圧に基づき制御を行う制御部に降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
以下、本願発明の実施の形態13の構成、動作について、電力供給システムのシステム構成図である図8、制御部の制御フローチャートである図15に基づいて説明する。なお、制御部の構成は実施の形態7で説明した図3と同じであり、降圧チョッパ12を使用する。
制御部4としては、降圧チョッパ12を使用するため、降圧チョッパ12の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(1)で表せる。
なお、 本実施の形態13では、交流発電機の最大出力電力となる電圧を計算する発電機情報として、回転数、誘起電圧定数、極対数を使用しているが、他の発電機情報を使用してもよい。
ステップS41では、tonにTを代入している。これによって、式(1)によりVinが降圧チョッパ12で制御できる最低の電圧であるVoutからスタートする。
ステップS42では、交流発電機2の回転数rpmを取得する。
ステップS43では、交流発電機2の最大出力電力となる電圧Vmを求める。Vmは図2のV2と近い値になる。
ここで、pは交流発電機2の極対数、φは交流発電機2の誘起電圧定数を示す。交流発電機2の特性や負荷の特性によっては、この式が変わることがある。
ステップS45では、制御部4の出力電圧Voutが制御部4の出力電圧の目標値Vrefより小さいかどうかを判定している。制御部4の出力電圧Voutが制御部4の出力電圧の目標値Vrefより小さければ、制御部4の入力電圧Vinを高くするためにステップS46に進む。制御部4の出力電圧Voutが目標値Vrefより大きければ、制御部4の入力電圧Vinを低くするためにステップS49に進む。
ステップS47とステップS48では、トランジスタQ1のオン時間tonがトランジスタQ1のオン時間の最小値tminを下回らないようにしている。
ステップS49では、制御部4の入力電圧Vinを低くするためにトランジスタQ1のオン時間tonを長くしている。
ステップS50とステップS51では、トランジスタQ1のオン時間tonがスイッチング周期Tを上回らないようにしている。
こうすることで、VinがVoutから出発して、図2のV2に近い値のVm以下の電圧の範囲で、負荷の電力と同じ電力か交流発電機2が発電できる最大電力かtminを式(1)のtonに代入したときのVinの値によって決まる出力電力のどれかを交流発電機2に発電させる降圧チョッパが得られる。
したがって、実施の形態13に係る電力供給システムは、交流発電機2の出力電圧を所定の電圧以下に抑えることが可能となり、制御部に低耐圧のスイッチング素子を使用でき、制御部を小型化および低損失化できる効果がある。
実施の形態14は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、この電圧に基づき制御を行う制御部に昇圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇圧チョッパ22の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(2)で表せる。
ステップS42以降の説明は、実施の形態13のフローチャートの各ステップの処理と変わらない。
したがって、実施の形態14に係る電力供給システムは、交流発電機2の出力電圧を所定の電圧以下に抑えることが可能となり、制御部に低耐圧のスイッチング素子を使用でき、制御部を小型化および低損失化できる効果がある。
実施の形態15は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、この電圧に基づき制御を行う制御部に昇降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇降圧チョッパ32の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1、2のオン時間tonの関係は式(3)で表せる。
ステップS42以降の説明は、実施の形態13のフローチャートの各ステップの処理と変わらない。
実施の形態16は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、PID制御を行う制御部に降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
以下、本願発明の実施の形態16の構成、動作について、電力供給システムのシステム構成図である図8、制御部の制御フローチャートである図16に基づいて説明する。なお、制御部の構成は実施の形態7で説明した図3と同じであり、降圧チョッパ12を使用する。
制御部4としては、降圧チョッパ12を使用するため、降圧チョッパ12の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(1)で表せる。
したがって、交流発電機2の発電機情報(比例項ゲインKp、積分項ゲインKi、微分項ゲインKd)を制御部4に記憶しておく。
なお、 本実施の形態16では、交流発電機2をPI制御で制御する場合の例について説明する。
ステップS41では、tonにTを代入している。これによって、式(1)によりVinが降圧チョッパ12で制御できる最低の電圧であるVoutからスタートする。
ステップS42では、交流発電機2の回転数rpmを取得する。
ステップS43では、交流発電機2の最大出力電力となる電圧Vmを求める。Vmは図2のV2と近い値になる。
ステップS49では、制御部4の入力電圧Vinを低くするためにトランジスタQ1のオン時間tonを長くしている。
ステップS53では、VdefからPI制御の比例項P(Kp×Vdef)を求める。 ステップS54では、VdefからPI制御の積分項I(I+Ki×Vdef)を求める。
ステップS55では、比例項Pと積分項IからQ1のオン時間ton(P+I)を求める。
ステップS47とステップS48およびステップS50とステップS51の処理でtonがtminからTの間に収まるようにしている。
ここで、Vdef(n−1) は、前回のVdefを表す。
したがって、実施の形態16に係る電力供給システムは、交流発電機2の出力電圧を所定の電圧以下に抑えることが可能となり、制御部に低耐圧のスイッチング素子を使用でき、制御部を小型化および低損失化できる効果がある。
実施の形態17は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、PID制御を行う制御部に昇圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇圧チョッパ22の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1のオン時間tonの関係は式(2)で表せる。
ステップS42以降の説明は、実施の形態16のフローチャートの各ステップの処理と変わらない。
したがって、実施の形態17に係る電力供給システムは、交流発電機2の出力電圧を所定の電圧以下に抑えることが可能となり、制御部に低耐圧のスイッチング素子を使用でき、制御部を小型化および低損失化できる効果がある。
実施の形態18は、交流発電機の発電機情報から最大出力電力となる電圧を求めて、PID制御を行う制御部に昇降圧チョッパを使用した電力供給システムに関するものである。
昇降圧チョッパ32の入力電圧Vin、出力電圧Vout、駆動周期T、トランジスタQ1、2のオン時間tonの関係は式(3)で表せる。
ステップS42以降の説明は、実施の形態16のフローチャートの各ステップの処理と変わらない。
Claims (10)
- 垂下特性を持つ交流発電機と、前記交流発電機の交流出力を直流に変換する整流部と、前記交流発電機から電力の供給を受ける蓄電デバイスを有する負荷と、前記整流部と前記負荷との間に設けられた制御部とから構成され、前記制御部は前記交流発電機の最大電力動作点に対応する出力電圧よりも低い所定の電圧で動作するように前記交流発電機を制御し、前記交流発電機の出力電圧を前記制御部の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束するように制御する電力供給システム。
- 垂下特性を持つ交流発電機と、前記交流発電機の交流出力を直流に変換する整流部と、前記交流発電機から電力の供給を受ける蓄電デバイスを有する負荷と、前記整流部と前記負荷との間に設けられた制御部とから構成され、前記制御部は、前記交流発電機の運転状態に対応する出力電圧と出力電力の関係を記憶している制御回路を備え、前記交流発電機の運転状態を表すパラメータをフィードバックして、前記交流発電機の運転状態における前記交流発電機の出力電圧と出力電力の関係を予測して、前記交流発電機の出力電圧を、前記負荷の負荷電力が前記交流発電機の運転状態における前記交流発電機の最大出力電力より小さいときは、前記負荷の負荷電力と前記交流発電機の出力電力が等しくなる電圧から出発し、前記負荷の負荷電力が前記交流発電機の運転状態における前記交流発電機の最大出力電力より高いときは、前記交流発電機の出力電力が最大となる電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束するように制御する電力供給システム。
- 前記交流発電機の運転状態を表すパラメータは、前記交流発電機の回転数である請求項2に記載の電力供給システム。
- 前記交流発電機の運転状態を表すパラメータは、前記交流発電機の界磁電流である請求項2に記載の電力供給システム。
- 垂下特性を持つ交流発電機と、前記交流発電機の交流出力を直流に変換する整流部と、前記交流発電機から電力の供給を受ける蓄電デバイスを有する負荷と、前記整流部と前記負荷との間に設けられた制御部とから構成され、前記制御部は、前記交流発電機の発電機情報を制御回路に記憶し、前記交流発電機の運転状態を表すパラメータをフィードバックすることで、前記交流発電機の最大出力電力となる電圧Vmを求め、前記交流発電機の出力電圧をこの電圧Vm以下の電圧の範囲内で、時間の経過とともに一定の電圧に収束するように制御し、前記交流発電機の出力電圧を前記制御部の定格入力電圧以下の所定の電圧から出発し、時間の経過とともに一定の電圧に収束するように制御する電力供給システム。
- 前記制御部は、前記交流発電機の出力電圧を前記負荷の電圧から出発し、時間の経過とともに前記交流発電機の出力電圧および出力電力が増加し、一定の電圧に収束するように制御する請求項1または請求項5に記載の電力供給システム。
- 前記制御部は、前記交流発電機の出力電圧を0Vから出発し、時間の経過とともに前記交流発電機の出力電圧および出力電力が増加し、一定の電圧に収束するように制御する請求項1または請求項5に記載の電力供給システム。
- 前記制御部は、前記整流部の出力電圧を低下させて前記負荷に供給する直流電圧変換部を備え、前記直流電圧変換部の出力電圧が目標電圧と一致するようにフィードバック制御する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力供給システム。
- 前記制御部は、前記整流部の出力電圧を上昇させて前記負荷に供給する直流電圧変換部を備え、前記直流電圧変換部の出力電圧が目標電圧と一致するようにフィードバック制御する請求項1から請求項5、または請求項7のいずれか1項に記載の電力供給システム。
- 前記制御部は、前記整流部の出力電圧を低下もしくは上昇させて前記負荷に供給する直流電圧変換部を備え、前記直流電圧変換部の出力電圧が目標電圧と一致するようにフィードバック制御する請求項1から請求項5、または請求項7のいずれか1項に記載の電力供給システム。
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