JP5583895B2 - 繊維含有土質材料の製造方法と繊維含有土質材料の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建設分野(土木分野・建築分野)をはじめとする各種の分野で利用できる材料加工処理技術に関する。より詳しくは、繊維含有土質材料の製造方法と精製方法に関する。
土砂等に繊維を混合することが土砂類を取り扱う分野で実施されている。代表的一例として建設分野などでは、土砂の強度を高めるために引張強度の高い繊維(短繊維)を混合することが行われている。かかる技術内容としては、集束繊維を一定の長さに切断し、これで得られた短繊維を土砂に適当量投入して均一に撹拌混合するのが一般的である。この場合に技術的に配慮すべき点は、土砂中における短繊維の均一な分布(均質性)を確保すること、また、均質な短繊維混合土砂を高能率で生産することである。
建設分野についていえば、短繊維の解繊方法・短繊維混合土砂による工法・その他が下記の特許文献01〜09にみられる。これらの公知技術は短繊維の解繊を主体にしたものであったり、解繊した短繊維を土砂に混合したりするものであり、それぞれ応分の成果をあげている。けれども土砂と短繊維とを混合して繊維含有土質材料を連続生産するという観点からは、これ専用の技術が別途希求されたりすることもある。
一方で、下記の特許文献10〜20にみられる破砕・撹拌・混合のための技術などは、短繊維の解繊や、土砂と短繊維との混合に適用することが考えられる。なかんずく特許文献18〜20の技術などは、破砕・撹拌・混合に関してそれ以前のものよりも能力面で優れており、しかも土砂などの処理対象物に添加物たる短繊維を加えて処理することにも言及しているから、繊維含有土質材料を連続生産するための手段として大いに期待することができる。
特開平06−091630号公報 特開平06−101120号公報 特開平06−306834号公報 特開平08−013472号公報 特開平08−085929号公報 特開平08−143864号公報 特開平08−277525号公報 特開平08−284145号公報 特開2001−020245号公報 実開昭59−097800号マイクロフィルム 実開昭62−056142号マイクロフィルム 実開平05−009644号CD−ROM 実開平06−052928号CD−ROM 特開昭52−140964号公報 特開昭55−145543号公報 特開昭59−109253号公報 特開平06−246178号公報 特開平10−263424号公報 特開2005−193087号公報 特開2007−130534号公報
繊維含有土質材料についても、上述した均質性を満足させなければならないし、その均質な繊維含有土質材料を能率よくつくることが重要になる。これに加え製造コストをできるだけ抑制することも望まれる。この際の均質性を決定づける大きな要因は、短繊維の材質・寸法・集束性などに基づく解繊性である。たとえば軟質合成樹脂からなる束状の短繊維は、その軟質性で解繊力を吸収緩和しがちとなるため、機械的な力による解きほぐしが難しくなる。50デニール以下の極細の短繊維も、繊維相互の絡まり(ファイバーボール現象)が起こりやすいため、機械的な力で解すのが難しい。さらに熱溶断でカットされた束状の短繊維は、短繊維相互の一部が溶着されているので、その分だけ解繊しがたいもになる。もちろん解繊性の低い短繊維では既述の均質な繊維含有土質材料が得られない。このような事情を踏まえたとき、短繊維としては50デニールを上回る太さのものがよいことになる。しかしこれは、一般の衣料繊維よりも太い寸法の短繊維が必要になり、それを特別に製作しなければならなくなるので、その影響がコストに跳ね返る。
前記特許文献18〜20の技術は、土砂と短繊維との処理(破砕・撹拌・混合)について記載している。この文献技術の手段は、破砕力・撹拌力・混合力がいずれも高いので、前項のような50デニール以下の極細の軟質合成樹脂短繊維であっても、これを良好に解繊して土砂中に均一分散できるかのようである。しかしながら実際は、下記(01)〜(03)のようなことが原因で束状短繊維の解繊が良好に行われないことがある。これが原因で土砂中への短繊維の分散が均一でないという事態も発生する。
(01)処理容器上部の一方から土砂を投入し、処理容器上部の他方から短繊維を投入するというように、この両者を互いに異なる二つの搬入系で処理容器内に投入しているため、それぞれの分布に偏りが生じる。その結果、土砂中に短繊維が均一分散しがたいものとなっている。
(02)土砂と短繊維とが処理容器内を重力落下するとき、比重の相違で両者の落下速度に差が生じる。これが上記の現象を助長するため、土砂中に短繊維が均一分散しがたいものとなっている。
(03)処理容器内において土砂と短繊維とを回転打撃体で処理しているとき、回転打撃体による気流が処理容器内に発生する。比重の小さい短繊維は、この気流で処理容器内を浮遊する傾向を示すのに対し、比重の大きい土砂はそのような気流の影響をほとんど受けることなく落下する傾向を示す。
上記の対策として作業員による人力で土砂と短繊維とが予混合し、それを処理容器内に投入するということが考えられる。しかしながらこれは、連続生産や大量生産を視野に入れた場合、労力・時間・コストなどを総合して合理的でない。
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、繊維含有土質材料については高品質・低コスト・汎用性などを満足させ、その製造方法や精製方法については高品質・高生産力・高作業性・安定性・経済性・低コストなどを満足させるこのとできる技術を提供しようとするものである。
(11)本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法は所期の目的を達成するための第1課題解決手段として下記の技術内容を特徴とするものである。
すなわち第1課題解決手段に係る繊維含有土質材料の製造方法は、
繊維含有の土質材料を製造するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
繊維含有土質材料製造用の材料として、土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを用いるものであり、かつ、そのうちの添加物用の短繊維については、多数本の繊維がその一端部に形成された集合保持部により層状に集合保持されているものであって、その他端部が解れの生じやすい自由端部となっている集合状短繊維を採用すること、および、
処理容器にある上部の入口からその処理容器内に向けて土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを同時供給するための手段として、短繊維を原材料中に埋め込みながらこれらを同時供給することのできる埋め込み式同時供給手段を用いること、および、
回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、埋め込み式同時供給手段を介して土質材料用原材料と添加物用短繊維とを処理容器の入口から処理容器内に投入するときに、土質材料用原材料の量を添加物用短繊維の量よりも多くし、かつ、相対的に少量の添加物用短繊維を相対的に多量の土質材料用原材料中に埋め込んでこれらを処理容器内に投入すること、および、
処理容器内に投入後の土質材料用原材料と添加物用短繊維とについて、添加物用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と添加物用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、原材料と短繊維とを回転打撃体により打撃して、しかもこの際の打撃により、原材料相互の衝突、原材料と短繊維との衝突、処理容器内壁面と原材料との衝突、処理容器内壁面と短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、一部ないし全部の原材料を細粒化するとともに一部ないし全部の短繊維を解繊すること
を特徴とする。
(12)本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法は所期の目的を達成するための第2課題解決手段として下記の技術内容を特徴とするものである。
すなわち第2課題解決手段に係る繊維含有土質材料の製造方法は、
繊維含有の土質材料を製造するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
繊維含有土質材料製造用の材料として、土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを用いるものであり、かつ、そのうちの添加物用の短繊維については、多数本の繊維がその長さ方向の中間部に形成された集合保持部により層状に集合保持されているものであって、その両端部が解れの生じやすい自由端部となっている集合状短繊維を採用すること、および、
処理容器にある上部の入口からその処理容器内に向けて土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを同時供給するための手段として、短繊維を原材料中に埋め込みながらこれらを同時供給することのできる埋め込み式同時供給手段を用いること、および、
回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、埋め込み式同時供給手段を介して土質材料用原材料と添加物用短繊維とを処理容器の入口から処理容器内に投入するときに、土質材料用原材料の量を添加物用短繊維の量よりも多くし、かつ、相対的に少量の添加物用短繊維を相対的に多量の土質材料用原材料中に埋め込んでこれらを処理容器内に投入すること、および、
処理容器内に投入後の土質材料用原材料と添加物用短繊維とについて、添加物用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と添加物用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、原材料と短繊維とを回転打撃体により打撃して、しかもこの際の打撃により、原材料相互の衝突、原材料と短繊維との衝突、処理容器内壁面と原材料との衝突、処理容器内壁面と短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、一部ないし全部の原材料を細粒化するとともに一部ないし全部の短繊維を解繊すること
を特徴とする。
(13)本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法は所期の目的を達成するための第3課題解決手段として下記の技術内容を特徴とするものである。
すなわち第3課題解決手段に係る繊維含有土質材料の製造方法は、
上記(11)〜(12)のいずれかに記載された方法において、
繊維長200mm以下の短繊維を用いること、および、原材料に対する短繊維の配合率を5%以下にすること、および、60〜100%の原材料を直径50mm以下に細粒化すること、および、60〜100%の短繊維を解繊することなど、これらの条件を満足させること
を特徴とする。
(14)本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法は所期の目的を達成するための第4課題解決手段として下記の技術内容を特徴とするものである。
すなわち第4課題解決手段に係る繊維含有土質材料の製造方法は、
上記(11)〜(13)のいずれかに記載された方法において、
添加物用短繊維として土質材料用原材料よりも比重の軽いものを用いること
を特徴とする。
(15)本発明に係る繊維含有土質材料の精製方法は所期の目的を達成するための第5課題解決手段として下記の技術内容を特徴とするものである。
すなわち第5課題解決手段に係る繊維含有土質材料の精製方法は、
上記(11)〜(14)のいずれかに記載された製造方法により繊維含有土質材料を製造すること、および、
上記繊維含有土質材料を精製するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
処理容器の上部にある入口からその処理容器内に向けて上記繊維含有土質材料を供給するための手段として、土質材料用原材料の量が土質材料用短繊維の量よりも多いものであってこれらが混合状態にあるものを供給することのできる繊維含有土質材料の供給手段を用いること、および、
回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、供給手段を介して上記繊維含有土質材料を処理容器の入口から処理容器内に投入すること、および、
処理容器内に投入後の上記繊維含有土質材料について、土質材料用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と土質材料用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、土質材料用原材料と土質材料用短繊維とを回転打撃体により打撃し、しかもこの際の打撃により、土質材料用原材料相互の衝突、土質材料用原材料と土質材料用短繊維との衝突、処理容器内壁面と土質材料用原材料との衝突、処理容器内壁面と土質材料用短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、土質材料用原材料の一部ないし全部を投入時寸法よりも小さく細粒化するとともに土質材料用短繊維を土質材料用原材料に分散させること
を特徴とする。
本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法は下記(21)〜(26)のような効果を有する。
(21)本発明製造方法で原材料や短繊維は、相対的に少量の短繊維を相対的に多量の原材料中に埋め込んでこれを処理容器内に同時投入する。すなわち原材料や短繊維は、これらをはじめから一纏まりで処理容器内に同時投入するのである。このようにして処理容器内に同時投入される両者は、別々で独立した落下経路をたどるのでなく、互いに交じり合う状態(錯綜状態)を呈しつつ重力落下して回転打撃体の打撃を受ける。錯綜状態の原材料と短繊維については、全体的にみてそれぞれの分布に偏りがないものである。これらが回転打撃体を介して機械的に打撃されるときは高次の相互作用を奏しながら高次処理が連続進行する。そのうちの第1次においては、回転打撃体で打撃されたときに原材料が細粒化されたり短繊維が解繊されたりしてその打撃方向へ飛散する。これに続く第2次以降の解繊や細粒化は、原材料相互の衝突・短繊維相互の衝突・原材料と短繊維との衝突・原材料と処理容器内壁との衝突・短繊維と処理容器内壁との衝突などが連鎖的に生じるものであるため、きわめて高次化したものになる。それにこの際の衝突は、[1:1][1:多数][多数:多数]のように多種多様である。すなわちこれは、回転打撃体による打撃とその後に生じる各種の衝突とによって、原材料の細粒化・短繊維の解繊・両者の撹拌混合などが高レベルにまで高められるということである。さらにいうと、原材料や短繊維が落下を終えるまでの間において、これらのことが処理容器内で繰り返されるのである。ゆえに本発明製造方法によるときは、高品質の繊維含有土質材料が連続的かつ安定して高能率で得られる。
(22)概していうと、短繊維で土の補強材料に適したものは小さい質量のもの中に多くみられる。かかる短繊維は、また、原材料との関係でその比重を下回るものが多い。一方で質量の小さい短繊維は、風圧などを受けたときに舞い上がりやすい傾向を示す。これは処理容器内で回転打撃体の煽りを受けたとき、短繊維の重力落下を阻害するような浮揚現象や停滞現象が生じるため、短繊維が容易に落下しなくなるということである。このような場合は、たとえ処理容器内に原材料と短繊維とを同時投入しても、短繊維が処理容器内の上位側に浮揚偏在したり浮遊停滞したりするため、投入物相互の良好な交じり合い状態が起こりがたくなる。ゆえに原材料の細粒化・短繊維の解繊・両者の撹拌混合などが十分でなくなり、高品質の繊維含有土質材料を安定して得るのが難しくなる。これに対し本発明の製造方法は、上記のように短繊維を原材料中に埋め込んでこれを処理容器内に同時投入する。このようにするときは、質量の小さい軽量の短繊維であってもそれを原材料が包み込んで当該短繊維の浮揚を抑制したりするから、両者がほぼ同期同調して重力落下することとなる。その結果、原材料に対して短繊維が極端に偏在することがなく、回転打撃体による短繊維の煽りにも対処できる。ゆえに本発明の製造方法によるときは、既述の不具合を惹き起こすことがなく、上記のとおり、高品質の繊維含有土質材料を連続的かつ安定して高能率で得ることができる。
(23)本発明の製造方法では、一例として、繊維長200mm以下の短繊維を用い、原材料に対する短繊維の配合率を5%以下に設定し、60〜100%の原材料を直径50mm以下に細粒化し、60〜100%の短繊維を解繊する。このようにする理由は、つぎのとおりである。同一材質の短繊維で解繊性に大きく関わるのは繊維長と配合率である。すなわち短繊維については、繊維長200mmが超過したり配合率が5%を超過したりすると、解繊性の低下傾向が顕著になるが、繊維長200mm以下の短繊維を用いたり、短繊維の配合率を5%以下にしたときは、これらの不具合を回避することができる。さらに、直径50mm以下に細粒化された原材料が60〜100%の範囲内にあり、解繊された短繊維が60〜100%の範囲内にあれば、建設分野やその他で用いられる繊維含有土質材料として、優れた強度を発揮するものが得られる。
(24)短繊維で非拘束状態のバラバラのものは分散性がよい。とはいえ、このようなバラバラの短繊維はわずかな衝撃とか風圧その他で散乱をきたすものである。それゆえ短繊維を原材料中に埋め込み状態にするまで間、各所で短繊維の散乱が生じ、それにともなって材料損失や周辺の汚染が発生する。本発明の製造方法においては、添加物用短繊維として集合状態のものを採用したりする。この集合状態の短繊維も、処理容器内で原材料と同時処理して解繊したものをその原材料中に分散させることとなる。この場合に集合状態の短繊維は、その前処理や原材料中への埋め込み処理が容易となる。しかも短繊維の散乱も起こりがたいので、これに起因した種々の不都合も回避できるようになる。
(25)本発明の製造方法においては、また、添加物用短繊維として土質材料用原材料よりも比重の軽いものを用いたりする。それは原材料よりも低比重の短繊維が、土の補強材料として適切であること、入手が容易であること、低コストであることなどを満足させるからである。したがって本発明の製造方法において、このような添加物用短繊維を採用した場合は、その短繊維の特徴を活かした繊維含有土質材料を得ることができる。
(26)一般に、原材料と短繊維とを一体で落下させることは困難なものである。これについて本発明の製造方法は、短繊維を原材料中への埋め込むことで両者をほぼ同期同調の状態で重力落下させるようにしている。これは設備を特殊化したり格別の機械や道具を要したりすることのない課題解決であるから、設備上のコストプッシュ要因にならない。また、こうすることで重力落下する上記両者と水平回転する回転打撃体とを処理容器内で不可なく衝突させ、良質の繊維含有土質材料を機械的に高能率生産することができるから、繊維含有土質材料について安価な製造が実現する。
本発明に係る繊維含有土質材料の精製方法は下記(27)〜(29)のような効果を有する。
(27)本発明精製方法は、上記製造方法(本発明方法)製造された繊維含有土質材料を所望特性のものに改変する上で利便性が高いものである。すなわちこれは、上記製造方法の内容に準ずるものであり、原材料に対する短繊維の偏在とか回転打撃体の煽りに起因した短繊維の浮揚とかを抑制し、かつ、両者をほぼ同期同調の状態で落下させて繊維含有土質材料を精製処理するものであるから、それによって連続的かつ高能率で所望特性の繊維含有土質材料に仕上げることができる。
(28)本発明の精製方法においても、繊維長200mm以下の短繊維を用い、原材料に対する短繊維の配合率を5%以下に設定し、60〜100%の原材料を直径50mm以下に細粒化し、60〜100%の短繊維を解繊する。これで精製される繊維含有土質材料も、建設分野やその他で用いるものとして十分に特性を発揮する。
(29)本発明精製方法は、上記製造方法(本発明方法)に用いる装置をそのまま活用することができるから、精製のための設備を別途に設ける必要がない。したがって製造から精製までを含めて装置設備するときのイニシャルコストを抑制することができる。
本発明方法で製造された繊維含有土質材料は下記(30)〜(32)のような効果を有する。
(30)繊維含有土質材料の一つは、上記(11)〜(15)のいずれかに記載された方法で製造されるものである。この場合の繊維含有土質材料は、短繊維が繊維長200mm以下で、原材料に対する短繊維の配合率が5%以下のものである。さらに60〜100%の原材料が直径50mm以下で、60〜100%の短繊維が解繊されているものである。したがってこの繊維含有土質材料は、上述で明らかなように十分に特性を発揮するものとなり、かつ、コスト面でも低価格を満足させる。
(31)繊維含有土質材料の他の一つは、上記(11)〜(14)のいずれかに記載された製造方法を先行して実施した後、上記(15)に記載された精製方法を1回以上実施することで得られるものである。このように製造方法と精製方法とを実施することで得られる繊維含有土質材料も、土質材料用短繊維が繊維長200mm以下、土質材料用原材料に対する土質材料用短繊維の配合率が5%以下、60〜100%の土質材料用原材料が直径50mm以下であり、さらに、60〜100%の土質材料用短繊維が解繊されたものであるから、特性面やコスト面で上述したと同様の効果がある。
(32)個々の使用目的に応じた特性をもつ繊維含有土質材料をそれぞれつくるとき、専用装置を用いるのがよいかにみえる。しかしこれは、繊維含有土質材料の種類に応じた専用装置を取り揃えなければならないので設備負担が大きい。これに対し、製造方法と精製方法とを経ることで得られる上記後者の繊維含有土質材料は、製造後に行われる精製方法の回数で個々の使用目的に応じた特性をもつ繊維含有土質材料に仕上がるものである。しかも製造方法や精製方法を実施するための装置は同じものを共用できる。このようにして設備コストを大幅に抑制できるときは、それを製品に反映させて繊維含有土質材料をより低廉なコストで提供することができる。
本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法、および、本発明に係る繊維含有土質材料の精製方法について、これらの実施形態を添付図面やその他に基づいて以下説明する。
本発明において繊維含有土質材料をつくるための材料は、下記に列挙するところの第1母材・第2母材・繊維系の添加物(添加材)・非繊維系の添加物(添加材)・その他の添加物(添加材)などである。このうちで、土質材料用の原材料になるのは第1母材と第2母材である。その具体的一例として、土質材料用原材料は第1母材のみからなり、他の具体的一例として土質材料用原材料は第2母材のみからなり、さらに他の具体的一例として土質材料用原材料は第1母材と第2母材の混合物からなる。この土質材料用原材料に対して添加物用の短繊維になるのは繊維系添加物である。したがって当該繊維含有土質材料の場合、第1母材と第2母材とのうちの一つ以上が不可欠の構成材料になり、かつ、繊維系添加物も不可欠の構成材料になる。ちなみにいうと、本発明において、第1母材は土質材料用原材料の主材として取り扱われることが多く、第2母材は土質材料用原材料の助材として取り扱われることが多い。一方で非繊維系添加物やその他の添加物は、繊維含有土質材料をつくる際に任意に選択される構成材料になる。
上記の第1母材(主材)としては建設分野等における地盤材料をあげることができる。これに属するものは下記のとおりである。
〔地盤材料に属するもの〕
A01.岩石質材料(石分≧50%)
A02.石分まじり土質材料(0%<石分<50%)
A03.土質材料(石分=0%)
[土質材料A03に属するもの]
A03-01.粗粒土(粗粒分>50%)
A03-02.細粒土(細粒分≧50%)
A03-03.高有機質土(有機質を多く含むもの)
A03-04.人工材料(人工的に加工したもの)
[粗粒土A03-01に属するもの]
A03-01-01.礫質土(礫分>砂分)
A03-01-02.砂質土(砂分>礫分)
[細粒土A03-02に属するもの]
A03-02-01.粘性土
A03-02-02.有機質土
A03-02-03.火山灰質粘性土
[高有機質土A03-03に属するもの]
A03-03-01.高有機質土
[人工材料A03-04に属するもの]
A03-04-01.廃棄物
A03-04-02.改良土
上記地盤材料の粒径区分と呼び名はつぎのとおりである。
『石分』
粗石(コブル)→粒径75.0〜300mm
巨石(ボルダー)→粒径300mm以上
『粗粒分:砂』
細砂→粒径0.075〜0.25mm
中砂→粒径0.25〜0.085mm
粗砂→粒径0.085〜2.00mm
『粗粒分:礫』
細礫→粒径2.00〜4.75mm
中礫→粒径4.75〜19.0mm
粗礫→粒径19.0〜75.0mm
『細粒分』
シルト→粒径0.005〜0.075
粘土→粒径0.005mm以下
上記の第2母材(助材)については、建設分野等における建設資材・発生土・産業廃棄物などをあげることができる。これらに属するものは下記のとおりである。
〔建設資材に属するもの〕
B01.コンクリート骨材
B02.道路用砕石
[コンクリート骨材B01に属するもの]
B01-01.砂利
B01-02.コンクリート砕石
[道路用砕石B2に属するもの]
B02-01.クラッシャラン
B02-02.粒調砕石
B02-03.単粒度砕石
B02-04.ぐり石
B02-05.割ぐり石
B02-06.再生砕石
〔発生土に属するもの〕
B03.建設発生土
B04.建設汚泥(コーン指数qc≧200kN/m2未満)
[建設発生土B03に属するもの]
B03-01.第1種
B03-02.第2種(コーン指数qc≧800kN/m2)
B03-03.第3種(コーン指数qc≧400kN/m2)
B03-04.第4種(コーン指数qc≧200kN/m2)
<第1種B03-01に属するもの>
B03-01-01.礫質土
B03-01-02.砂質土
B03-01-03.人工材料
<第2種B03-02に属するもの>
B03-02-01.礫質土
B03-02-02.砂質土
B03-02-03.人工材料
<第3種B03-03に属するもの>
B03-03-01.砂質土
B03-03-02.粘性土
B03-03-03.火山灰粘性土
B03-03-04.人工材料
<第4種B03-04に属するもの>
B03-04-01.砂質土
B03-04-02.粘性土
B03-04-03.火山灰粘性土
B03-04-04.有機質土
B03-04-05.人工材料
[建設汚泥に属するもの]
B05.泥土
[泥土B05に属するもの]
B05-01.砂質土
B05-02.粘性土
B05-03.火山灰粘性土
B05-04.有機質土
B05-05.人工材料
〔産業廃棄物に属するもの〕
B06.コンクリート塊
B07.アスファルト・コンクリート塊
B08.煉瓦
B09.瓦
B10.貝殻
B11.その他の廃棄物
上記の繊維系添加物としては、天然繊維や化学繊維をあげることができる。これらに属するものは下記のとおりである。
〔天然繊維に属するもの〕
C01.植物繊維
C02.動物繊維
[植物繊維C01に属するもの]
C01-01.綿
C01-02.麻
C01-03.パイナップル繊維
[動物繊維C02に属するもの]
C02-01.繭からできるもの(絹その他)
C02-02.動物の毛(羊・アンゴラ・カシミヤ・モヘヤ・アルパカ・キャメルなど)
〔化学繊維に属するもの〕
C03.合成繊維
C04.その他の合成繊維
C05.再生繊維
C06.その他の再生繊維
C07.半合成繊維
C08.無機繊維
[合成繊維C03に属するもの]
C03-01.ポリエステル
C03-02.アクリル
C03-03.ポリアミド系合成繊維(商品名ナイロン)
C03-04.ビニロン
C03-05.ポリプロピレン
C03-06.ポリ塩化ビニル
C03-07.ビニリデン
C03-08.ポリウレタン
[その他の合成繊維C04に属するもの]
C04-01.アラミド(商品名ケブラー)
C04-02.ポリ乳酸
C04-03.その他の4種類
[再生繊維C05に属するもの]
C05-01.レーヨン
C05-02.ポリノジック
C05-03.キュプラ
[その他の再生繊維C06に属するもの]
C06-01.リヨセル
C06-02.テンセル
[半合成繊維C07に属するもの]
C07-01.アセテート
C07-02.トリアセテート
C07-03.プロミックス
[無機繊維C08に属するもの]
C08-01.ガラス繊維
C08-02.金属繊維
C08-03.炭素繊維
上記の非繊維系添加物については、石灰・セメント・固化材・高分子系添加物・土壌改良材(剤)をあげることができる。これらに属するものは下記のとおりである。
〔石灰に属するもの〕
D01.生石灰
D02.消石灰
〔セメントに属するもの〕
D03.普通ポルトランドセメント
D04.早強ポルトランドセメント
D05.フライアッシュB種(他に同A種・同C種あり)
〔固化材に属するもの〕
D06.セメント系のもの
D07.石灰系のもの
D08.複合系のもの(セメント石灰系)
D09.中性固化材
D10.その他の固化材
〔高分子系添加物に属するもの〕
D11.アクリルアミド
D12.ポリアクリルアミド
D13.アクリル系ポリマー
D14.その他の中性固化材
D15.その他の高分子系添加物
〔土壌改良材(剤)に属するもの〕
D16.ゼオライト
D17.パーライト類
D18.樹皮
D19.籾殻
D20.その他の土壌改良材(剤)
その他の添加物は上記以外のものがこれに該当する。その一つは固体系添加物、他の一つは気体系添加物、さらに他の一つは液体系添加物である。別の一つは固体系添加物・気体系添加物・液体系添加物のうちの二つ以上が混合されたものである。
本発明方法の実施形態・その方法の実施に用いられる装置・本発明方法に関連する説明事項などが図1〜図5に示されている。この図示のものは埋め込み式同時供給手段51を介して所定の材料を加工処理手段11に送り込み、そこでの材料加工処理で得られた製造物または精製物を、搬出手段61により所定の場所まで運搬するものである。以下、これらの手段について具体的に説明する。
図1〜図5において、繊維含有土質材料を製造したり精製したりするための加工処理手段11は、処理容器12・支持構造物17・回転軸21・回転打撃体31・電動機(モータ)41・伝動系45などを主体にして構成されている。
図1・図2に例示された処理容器12は、単一または複数の円筒部材で構成されたものである。処理容器12の上面や下面には開口部がそれぞれあり、その上面開口部が処理容器12の入口13、その下面開口部が処理容器12が出口14になっている。とくに図1で明らかなように、処理容器12は脚15や側台16のある支持構造物17で支持されている。
図1を参照して明らかなように、回転軸21は処理容器12内の中心部に垂直に配置されて上下一対の軸受22・23により回転自在に支持される。そのため両軸受22・23は、処理容器12の上下部に配置された複数本のステー24・25で架空支持される。より具体的には、各ステー24・25の一端部が両軸受22・23の外周面に等間隔かつ放射状に取り付けられるとともに各ステー24・25の他端部が処理容器12の胴体壁に固定される。それで回転軸21は、この両軸受22・23を介して回転自在に両端支持されている。回転軸21の外周部には図1・図2で明らかなように、回転打撃体31を保持するための上下一対かつ複数組のフランジ26・27が上下間隔をおいて設けられている。これらのフランジ26・27にはそれぞれ上下一対かつ複数組のロック孔28・29が周方向に等間隔で開けられる。これらのロック孔28・29には、頭部(抜け止め部)付きのロックピン30を自在に差し込むことができる。両フランジ26・27は回転軸21に対して一体に取り付けられることもあるが、代表的な実施態様では部品交換を行うため回転軸21に対して脱着自在に取り付けられる。その際の脱着自在な取付手段はネジ固定式とか嵌め込み式とか、これらの併用式などである。
図1・図2に例示された回転打撃体31はインパクト部材32とフレキシブル部材34とで構成される。そのうちでインパクト部材32はブロック形状をしている。ちなみに図示例のインパクト部材32は直方体や厚い板のような扁平ブロック形状である。インパクト部材32の後端部には連結孔33が形成されている。インパクト部材32の上下両面を除く周囲面については、垂直面のほか、前面が下向きや上向きの傾斜面になったものもある。フレキシブル部材34は屈伸自在なもので、その典型例は図示のようなチェーンである。フレキシブル部材34を構成しているチェーンのうちで先端にある連結環35はインパクト部材32との連結を行うためのものである。それゆえ連結環35は脱着自在なロックピン36を備えている。このようなインパクト部材32とフレキシブル部材34については、インパクト部材32の後端部を連結環35内に介在させて連結環35の連結孔とインパクト部材32の連結孔33とを上下に一致させ、これらの孔にロックピン36を差し込み、かつ、ロックピン36を抜け止め状態にすることで連結される。図1で明らかなように、回転打撃体31は回転軸21の周囲に複数段で取り付けられて放射状に分布するものである。かかる回転打撃体31の取り付けは、フレキシブル部材34の基端部側にあるチェーン環を上下一対のフランジ26・27間に介在させ、それらフランジ26・27のロック孔28・29とフレキシブル部材34のチェーン環とを上下に一致させ、これらの孔にロックピン30を差し込むことで行われる。このロックピン30については単に差し込むだけでよく、とくに抜け止め措置は講じない。回転打撃体31については、チェーンのようなフレキシブル部材34のみで構成されたものでもよく、また、細長いブレードなどで構成されたものでもよい。
図1を参照して、回転軸21の動力源たる電動機41は支持構造物17の側台16上に設置された機械箱18の中に収納されており、その電動機41の原動プーリ42が機械箱18外に突出している。一方で、原動プーリ42と対応する従動プーリ43が回転軸21の上端部に付けられている。したがって両プーリ42・43にわたりベルト44(例:Vベルト)が掛け回される。この場合に、原動プーリ42・従動プーリ43・ベルト44などが電動機41から回転軸21にわたる伝動系45を構成していることになる。
上記の処理容器12・回転軸21・ステー24・25・フランジ26・27・ロックピン30・回転打撃体31・ロックピン36などは主に金属製のものからなる。これらのうちには金属製以外でもよいものがあるが、処理容器12とその内部に装備されるものについては、高度の機械的強度や耐久性を確保するために鋼製のものが採用される。高速回転式の電動機41は周知のもの、電動機41と回転軸21とにわたるベルト伝動式の伝動系45も周知のものである。
上述した図1の加工処理手段11は、繊維含有土質材料の製造だけでなく、繊維含有土質材料の精製にも用いることができるものである。
図1に例示された埋め込み式同時供給手段51は後述する原材料と短繊維とを同時供給するためのものである。この埋め込み式同時供給手段51は以下において単に同時供給手段ということもある。埋め込み式同時供給手段51は、ベルトコンベアや計量式のホッパなど主体にして構成されるものである。その構成要素のうちで原材料と短繊維とを一まとめにして処理容器12内に投入するための動力式のベルトコンベア52は、エンドレス回転ベルトとベルト回転用ローラとモータとを主体にした周知のものからなる。ベルトコンベア52は地上側から処理容器12の上端側に向けて昇り勾配で傾斜しており、その先端側(上端側)が処理容器12の入口13の上に配置されている。同時供給手段51の他の構成要素である複数の材料供給系53〜55は、それぞれホッパ56(例:振動式の定量供給ホッパ)とフィーダ57(例:コンベア式のフィーダ)とからなる。さらに各材料供給系53〜55についていうと、三つの各フィーダ57は、ベルトコンベア52の下端側において、互いに平行するという条件とベルトコンベア52に交差(例:直角交差)するという条件とを満足させてベルトコンベア52上に配置されており、三つの各ホッパ56は、各フィーダ57の供給開始端部上に配置されている。各材料供給系53〜55のうちで、ベルトコンベア52の下端側から1番目の材料供給系53は原材料供給用のもの、同2番目の材料供給系53は後述の短繊維供給用のもの、同3番目の材料供給系53は原材料供給用のものである。この各材料供給系53〜55については、それらがホッパ56のみで構成されても構わない。かかる実施形態の場合は、ホッパ56の下端部(供給口)がベルトコンベア52の上面と対面するようになる。
図1の埋め込み式同時供給手段51は、繊維含有土質材料の精製に際してそれを加工処理手段11の処理容器12内に投入するときにも利用することができるものである。その場合は、各材料供給系53〜55のうちの任意数(最大すべて)のものが繊維含有土質材料をベルトコンベア52上に供給するため用いられる。あるいは、別のベルトコンベアを介して繊維含有土質材料をベルトコンベア52上に供給するときは、各材料供給系53〜55が不使用または撤去される。
図1における繊維含有土質材料の搬出系61は一例として周知のベルトコンベアからなり、他の一例として周知の振動フィーダからなる。この搬出系61は処理容器12の下部すわわち処理容器12の出口14下に配置されてこれと対応している。
本発明において繊維含有土質材料製造用の材料は、既述の第1母材・第2母材・繊維系添加物・非繊維系添加物・その他の添加物などである。このうちで土質材料用の原材料RM1になるのは第1母材および/または第2母材であり、添加物用の短繊維SF1になるのは繊維系添加物である。したがってその組み合わせについて具体的にいうと、一つは[第1母材+第2母材+短繊維]であり、他の一つは[第1母材+短繊維]であり、さらに他の一つは[第2母材+短繊維]である。このような組み合わせのものには、さらに、他の添加物が適当量だけ添加されることもある。その場合の添加物は、固体系であったり液体系であったり気体系であったり、二つ以上の系の混合物であったりする。そのうちで固体系の添加物については既述の非繊維系添加物をあげることができ、液体系や気体系の添加物については水・海水・空気・酸素・中和剤・アルカリ性ガス・酸性ガスなどをあげることができる。
繊維系添加物を除く上記固体系の添加物や上記液体系の添加物について、これを原材料に添加するときはつぎのような手段が採用される。その一つは、第1母材および/または第2母材に予混合(事前混合)しておくというものである。他の一つは、3番目の材料供給系53の隣に4番目の材料供給系を配備しておき、そこからベルトコンベア52上の原材料RM1に上乗せするというものである。これら以外の一つは、図1のごとく固体系添加物・液体系添加物・気体系添加物などのための単数または複数の供給手段62を処理容器12の上部側(入口13側)に対応して装備しておき、当該供給手段62で供給するというものである。図1の供給手段62の具体例としては、材質などに応じてポンプ付き配管・供給ホッパ・振動フィーダ・ベルトコンベアなどが採用されたりする。さらに、この項で述べた添加物用の各添加手段については、そのうちの任意一つが単独採用されたり、そのうちの任意二つが併用されたり、さらには、それらすべてが採用されたりするものである。
本発明における繊維系添加物には既述のとおり各種のものがある。このようなものを短繊維化して原材料RM1に添加するときは、取り扱い上、その短繊維を集合状態にするのが望ましいものである。とくに散乱防止や周囲汚染の防止を考慮に入れた場合、集合状態の短繊維は望ましいものである。そのような集合状の短繊維SF1の一例が図3に示されている。図3に例示された集合状短繊維SF1は、一定の長さに切り揃えた多数本の繊維が適当な幅の範囲内で層状をなしており、各繊維相互がその一端側の集合保持部SBで集合保持されている。この場合の集合保持部SBは、主に集合状短繊維SF1の材質に基づいて決定する事項である。ちなみに集合状短繊維SF1が合成繊維からなる場合は、集合保持部SBが熱融着により形成されたり接着剤で形成されたり細い線材のような固縛材で固縛形成されたりする。集合状短繊維SF1が合成繊維以外からなる場合も、これらのいずれかで集合保持部SBが形成される。このような集合保持部SBが形成される部位は、集合状短繊維SF1の一端部のほか、その長さ方向の中間部である。集合保持部SBは通常、集合状短繊維SF1に一つあれば足りるが、これは必要に応じ、二つ以上設けられてよいものである。かかる集合状短繊維SF1について、その一端部に集合保持部SBが形成されているときは、その他端部が解れの生じやすい自由端部になる。また、集合状短繊維SF1の中間部に集合保持部SBが形成されているときは、集合状短繊維SF1の両端部が解れの生じやすい自由端部になる。
図1・図2に例示された加工処理手段11や埋め込み式同時供給手段51を用いて繊維含有土質材料を製造するときは、一例として以下のようになる。
図1・図2において、繊維含有土質材料を製造するときの運転では下記のものをそれぞれオンの状態にする。すなわち、加工処理手段11については電動機41をオンにし、同時供給手段51についてはベルトコンベア52や各フィーダ57をオンにし、さらに搬出系61についてはそのベルトコンベアをオンにする。このとき加工処理手段11の処理容器12内では、伝動系45を介して電動機41の回転を伝達された回転軸21が高速回転するため、自重で垂れ下がっていた各回転打撃体31が遠心力で水平状態またはそれに近い状態に浮揚して高速回転する。ちなみに回転打撃体31は、その先端部の周速が50〜1000km/時となるように回転数が設定されるものである。具体的一例として長さ約50cmの回転打撃体31が回転数900r.p.mとなるように設定される。
上記の運転状態になると、同時供給手段51は図1のようにして集合状短繊維SF1を原材料RM1の中に埋め込み状態にする。すなわち1番目〜3番目の各材料供給系53〜55を介して集合状短繊維SF1を原材料RM1の中に埋め込み状態にする。以下これについて図1を参照して詳述する。はじめは1番目の材料供給系53が、ホッパ56内の原材料RM1をフィーダ57上に落下供給してこれをベルトコンベア52上に供給する。このときの供給物がベルトコンベア52上において下層の原材料RM1になる。つぎに2番目の材料供給系54が、ホッパ56内の集合状短繊維SF1をフィーダ57上に落下させてこれをベルトコンベア52上に供給する。この集合状短繊維SF1は、ベルトコンベア52上にある下層の原材料RM1上に乗るものである。かかる集合状短繊維SF1については、つぎなる原材料RM1の層とを併せたとき中間の介在物になるものである。その後は、3番目の材料供給系55が、ホッパ56内の原材料RM1をフィーダ57上に落下させてこれをベルトコンベア52上に供給する。このときの供給物は、ベルトコンベア52上の集合状短繊維SF1を覆うようにその上から被さって上層の原材料RM1になる。このように各材料供給系53〜55を介してベルトコンベア52上に原材料RM1や集合状短繊維SF1が供給されたとき、集合状短繊維SF1は上下両層の原材料RM1で包み込まれてそれら原材料RM1の中に埋め込み状態になるものである。ちなみにいうと、集合状短繊維SF1の量は乾燥原材料RM1の質量に対して5%以下である。かくて集合状短繊維SF1を埋め込み状態にした原材料RM1は、ベルトコンベア52を介して処理容器12の入口13よりその内部に投入され、高速回転状態の各回転打撃体31でつぎのように処理される。
一纏まりの状態で処理容器12内に同時投入された原材料RM1と集合状短繊維SF1は、互いに交じり合う状態を呈しながら重力落下し、その落下過程で、各回転打撃体31の打撃を受けて高次処理される。その処理は原材料RM1の細粒化処理や短繊維SF1の解繊処理を主体にしたものである。これに加え、原材料相互の衝突・短繊維相互の衝突・原材料と短繊維との衝突・原材料と処理容器内壁との衝突・短繊維と処理容器内壁との衝突・回転打撃体による再打撃なども連鎖的に生じる。この際、原材料RM1には「解し」および/または「破砕」が生じ、それによって原材料RM1は当初の大きさを下回る寸法の細粒化原材料RM2になる。具体的には「打撃解し」「打撃破砕」「衝突解し」「衝突破砕」などのいずれか一つ以上が原材料RM1に生じ、それによって原材料RM1が細粒化原材料RM2になる。この際に「解し」の生じる原材料RM1として塊状湿潤土・塊状乾燥土・塊状凍結土などの「土塊」をあげることごができる。硬質の岩石等に比して著しく脆弱な土塊は、破砕が生じるのでなく解し作用で細かく解される。これに対し、「礫」「石」「岩」のような原材料RM1には破砕が生じる。このほか、「砂」のような原材料RM1は、もともと解れているかあるいは自然に解れたりするものであるから、上記において解れがほとんど生ぜず、破砕の生じる割合もかなり低い。しかしこれは、低率ながらも原材料RM1の一部に破砕が生じているということである。一方で短繊維SF1には、つぎのような解繊が生じる。その一つは上記の打撃や衝突で集合状短繊維SF1の繊維相互の間隔が大きくなって各繊維がバラバラに遊離するという「小分散解繊」である。小分散解繊は分散の範囲や程度が比較的小さい。他の一つは集合状短繊維SF1が部分的に千切れたり破断したりしてそれらが拡散するという「中分散解繊」である。中分散解繊は分散の範囲や程度が小分散解繊を上回るがつぎの大分散解繊ほどではない。さらに他の一つは、集合状短繊維SF1が千切れたり破断したりしてそれらが広域にまで飛散するという「大分散解繊」である。大分散解繊は繊維の千切れ・破断・飛散の程度や範囲が最も大きい。したがって処理容器12内で解繊される集合状短繊維SF1は、これら小分散解繊・中分散解繊・大分散解繊のうちのいずれか一つが生じたり、そのうちの二つ以上が複合したりして解繊短繊維SF2となり、それが破砕原材料RM2中に分散するのである。しかも処理容器12内にある回転打撃体31は上・中・下というように上下多段であるから、一纏まり状態の原材料RM1と集合状短繊維SF1は、処理容器12内を落下するにしたがい、細粒化程度・解繊程度・撹拌混合程度がそれぞれ増す。傾向としては、上段や中段を経て下段の各回転打撃体31で処理されるという多数回の処理により、高度の細粒化や大分散解繊に至ることが多い。以下、破砕原材料RM2や解繊短繊維SF2からなる繊維含有土質材料は、処理容器12の出口14から搬出系61上に落下していき、その搬出系61を介して所定の場所まで運搬される。
図4は上記のような処理の一例を模式的に示したものである。図4の場合においては、原材料として石系の原材料RM1と土系の原材料RM3とを配合したものが用いられ、そこに集合状短繊維SF1が埋め込み状態で介在されている。ちなみに石系原材料RM1は粒径が50mm以下のもの、土系原材料RM3は粒径が2mm以下のもの、集合状短繊維SF1は繊維長が200mm以下で繊維(1本)の径が1〜100デニールの範囲内にある。本発明で用いられる短繊維については、たとえば繊維1本の直径が20〜200μmのものであっても構わない。
図4の処理状況は以下のとおりである。図4(A)の場合は、石系原材料RM1が回転打撃体31により打撃かつ細粒化されて散乱や飛散をきたす一方、土系原材料RM3も回転打撃体31で打撃されて散乱や飛散をきたしている。この場合に粒径の大きい石系原材料RM1は、ほとんどのものが回転打撃体31の打撃で細粒化されて破砕原材料RM2になる。それに対し土系原材料RM3は、その粒径が小さいこともあり、回転打撃体31の打撃を受けても目立つような破砕に至ることがない。この粒径の小さい土系原材料RM3については破砕がなくても影響ないから無視できる。したがって石系原材料RM1と土系原材料RM3との混合物を原材料にするときは、石系原材料RM1のみの破砕でも十分である。図4(B)では、回転打撃体31による打撃前・打撃中・打撃後のいずれかにおいて、集合状短繊維SF1へと衝突する破砕原材料RM2や土系原材料RM3が各繊維間を通過したりそこに停留したりする。また、この際に生じる衝撃荷重・強い擦過力・剪断作用などで、一部の繊維が破断したり千切れたりもする。その結果、集合状短繊維SF1は図4(C)のように解繊されることとなり、かつ、当該解繊による解繊短繊維SF2が破砕原材料RM2や土系原材料RM3と混じり合ってそれら中にほぼ均等に分散分布するようになる。
本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法で採用される主要材料の組み合わせは、既述のとおり、(イ)第1母材+第2母材+短繊維、(ロ)第1母材+短繊維、(ハ)第2母材+短繊維である。この場合の短繊維の添加量(乾燥原材料の質量に対する割合)も前述のとおり5%以下である。建設分野で用いられる繊維含有土質材料をこれらの組み合わせに基づいてつくるとき、たとえば建設用の短繊維混合補強土をつるときは、土質分の粒度組成割合が、礫分0〜5%、砂分75〜90%、細粒分10〜20%となるように当該目的物を製造するのが望ましい。その具体的一例として礫分0%、砂分85%、細粒分15%の短繊維混合補強土がつくられる。一方、添加量を5%以下とする短繊維についても、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下のような添加量の選択肢があるほか、当該短繊維の添加量を0.05〜0.5%のような1%未満の設定もある。さらに、上記(イ)の組み合わせを採用する場合の第1母材と第2母材との配合割合については、第1母材の割合を65〜75%(望ましくは70%)、その残部を第2母材とする。短繊維以外の添加物については、使用目的や添加物の材質などを考慮してそれを外割で適当量添加すればよい。たとえば短繊維以外の添加物については、1〜10%望ましくは2〜5%程度添加すればよい。
図5は、本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法や精製方法で用いられる埋め込み式同時供給手段51について、前記以外の一例を示したものである。以下これについて説明する。
図5を参照して明らかなように、加工処理手段11における処理容器12の上部側(入口13側)には、前例(図1〜図2のもの)と同様、埋め込み式同時供給手段51が配置されている。図5の同時供給手段51における動力式ベルトコンベア52も前例と同様のものである。図5の同時供給手段51は、このベルトコンベア52と他の一つの動力式ベルトコンベア58と二重ホッパ機構71とを主体にして構成されている。二重ホッパ機構71は互いに組み合わされた内外二つのホッパ72・75を備えている。そのうちで、内部ホッパ72は径方向の寸法が相対的に小さくて上下方向の寸法が相対的に大きいものであり、外部ホッパ75は径方向の寸法が相対的に大きくて上下方向の寸法が相対的に小さいものである。これらについては、内部ホッパ72と外部ホッパ75とが内外嵌め込みにより同心状に組み合わされている。より具体的にいうと、同心状に配置された内部外部の両ホッパ72・75が図示しない複数本のステーなどを介して相対的に固定されているものである。この場合の両ホッパ72・75は、それぞれ上部側のホッパ入口73・76と下部側のホッパ出口74・77とを有するものである。そしてこれらが同心状に組み合わされた上記態様のものでは、内部ホッパ外周面と外部ホッパ内周面との間に材料供給用の通過空間が介在しており、内部ホッパ72におけるホッパ出口74の先端部のみが、外部ホッパ75のホッパ出口77内に介入している。両ベルトコンベア52・58と二重ホッパ機構71との関係では、内部ホッパ72のホッパ入口73でベルトコンベア58の上端部側を受けるというように双方が対応しており、かつ、外部ホッパ73のホッパ入口76でベルトコンベア52の上端部側を受けるというように双方が対応している。図5において説明を省略した事項(装置各部)は、図1〜図2の前例で述べた事項と実質的に同じかそれに準ずるものであるから、その前例の該当箇所を参照することで理解できる。
図5例示された加工処理手段11や埋め込み式同時供給手段51を用いる場合の繊維含有土質材料の製造も、基本的には前例と同様であるが、埋め込み式同時供給手段51による原材料RM1と集合状短繊維SF1の供給方法が前例と異なる。以下これについて説明する。
図5の実施形態において繊維含有土質材料をつくるときは、ベルトコンベア52を介して原材料RM1が二重ホッパ機構71の外部ホッパ73内へ供給されると同時にベルトコンベア58を介して集合状短繊維SF1が二重ホッパ機構71の内部ホッパ72内へ供給されるものである。このようにして所定の原材料や添加物が供給されてくる二重ホッパ機構71の場合、両ホッパ72・75のホッパ出口74・77が図5のような同心状をしている。したがって、ホッパ出口中心部を集合状短繊維SF1がコア材のような状態で落下し、そのコア(集合状短繊維SF1)の外周部で原材料RM1が筒状となって落下する。しかもこの際、内部ホッパ72のホッパ出口74を出たコア状の集合状短繊維SF1は、外部ホッパ75のホッパ出口77内で筒状原材料RM1の内空部(軸心部)と合流するため、その原材料RM1により被包されて当該原材料内に埋め込み状態になる。このような一纏まり状態になった原材料RM1と集合状短繊維SF1は、外部ホッパ75のホッパ出口77から加工処理手段11の処理容器12内へと落下していく。以下は前例と同様、一纏まりの状態で処理容器12内に同時投入された原材料RM1と集合状短繊維SF1とが互いに交じり合う状態を呈しながら重力落下していき、その落下過程において各回転打撃体31の打撃を受けて高次処理される。かくて図5の実施形態においても、細粒化原材料RM2および/または土系原材料RM3の中に解繊短繊維SF2があり、かつ、当該解繊短繊維SF2がこれらと一緒に均質混合される。その結果、該各材料が互いにほぼ均等に分散(分布)したもの、すなわち、目的とする繊維含有土質材料が得られる。
本発明に係る繊維含有土質材料の精製方法についていうと、これで精製される繊維含有土質材料は自明のとおり、短繊維を含有した土質材料である。精製対象となる繊維含有土質材料は所定の短繊維を含有した土質材料でありさえすればとくに制限がない。精製対象となる繊維含有土質材料の典型的一例をあげれば、前述の本発明方法で製造されたものである。かかる繊維含有土質材料の精製は図1・図2・図3の装置や手段で実施できるものである。以下その実施形態について説明する。
図1・図2の装置で繊維含有土質材料を精製するときでも、加工処理手段11については電動機41をオンにして各回転打撃体31を高速回転させるほか、同時供給手段51についてはベルトコンベア52や各フィーダ57を所定の送り方向へ回転させる。さらに搬出系61のベルトコンベアについても所定の送り方向へ回転させる。この際の回転打撃体31の回転速度も、前述した50〜1000kg/時の範囲内で設定すればよく、その具体的一例として900r.p.mが採用される。同時供給手段51の各材料供給系53〜55については、そのうちの任意の一つまたは任意の二つまたは三つすべてが用いられたりする。この場合の各材料供給系53〜55については、また、ホッパ56が省略されたものであっても構わない。
図1・図2を参照して既述の装置各部がこのような運転状態にあるときの繊維含有土質材料は、材料供給系53〜55からベルトコンベア52上へと乗り移り、このベルトコンベア52で処理容器12の入口13からその内部に投入された後、そこで高速回転状態の各回転打撃体31により高次処理される。それは繊維含有土質材料中の細粒化原材料RM2や解繊短繊維SF2が各回転打撃体31の打撃を受けて前記と同様に高次処理されるものである。その際の1次処理では、処理容器12内を重力落下する過程で繊維含有土質材料が各回転打撃体31で打撃され、それによって細粒化原材料RM2が再細粒化されたり解繊短繊維SF2がさらに再解繊されたりする。2次から高次までの処理では、1次処理での細粒化後に生じる原材料相互の衝突・短繊維相互の衝突・原材料と短繊維との衝突・原材料と処理容器内壁との衝突・短繊維と処理容器内壁との衝突・回転打撃体による再細粒化等によって、細粒化原材料RM2の細粒化程度や解繊短繊維SF2の解繊程度が1次処理状態よりもさらに増し、細粒化原材料RM2と解繊短繊維SF2との撹拌混合状態もより均等で均質なものになる。以下、精製された繊維含有土質材料は処理容器12の出口14から搬出系61上に落下し、その搬出系61により所定の場所まで運搬される。
上記のような繊維含有土質材料の精製は、同一の精製対象物に対して1回のみ行うだけでもよいし2回以上行ってもよい。とくに制限するものではないが、同一の精製対象物に対する精製回数は最大5回もあれば十分である。このような精製回数は、使用目的や材料種などによって設定される。また、精製の際に非繊維系添加物やその他の添加物などが添加されることもある。
上記のような繊維含有土質材料の精製は、図5の装置を用いることによっても実施することができる。とはいえ図5の装置による精製では、その精製に際してとくに必要のない二重ホッパ機構71が同時供給手段51から省略されたりする。したがって、このような態様での図5の装置による精製は、上述した内容と実質的に同じなる。
本発明における繊維含有土質材料のうちで、その一つは前記製造方法によってつくられたものがそれに該当し、他の一つは前記製造方法と前記精製方法とを経ることでつくられたものがそれに該当する。しかしながら前例でつくられた本発明の繊維含有土質材料は、そのうちの一部を示したにすぎないものである。したがって本発明における繊維含有土質材料としては、多種多様な前記不可欠材料のうちから任意のものを選択して組み合わせ、それを用いて前記製造方法を実施することにより既述の繊維含有土質材料が得られるものである。また、所定の繊維含有土質材料を用いて前記精製方法を実施することによっても既述の繊維含有土質材料が得られるものである。
こうして得られる本発明の繊維含有土質材料は、土木や建築のような建設分野での材料になるほか、農林・水産・水処理・小動物飼育・小動物養殖・微生物培養などの分野で用いることのできる材料にもなる。さらに本発明の製造方法や精製方法は、廃棄物や土壌汚染物などを材料として用いる場合に、廃棄物処理や土壌浄化処理などにも活用できることとなる。
本発明方法で得られる繊維含有土質材料は、土木・建築・農林・水産・水処理・小動物飼育・小動物養殖・微生物培養などの分野で利用できる材料として、高品質・低コスト・汎用性などを満足させるものであるから、有用かつ有益なものとなる。
本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法や繊維含有土質材料の精製方法は、繊維含有土質材料をつくるときに高品質・高生産力・高作業性・安定性・経済性・低コストなどを満足させるものである。したがって土木・建築・農林・水産・水処理・小動物飼育・小動物養殖・微生物培養などの分野で利用できる材料として有用かつ有益な方法となる。そのほか廃棄物処理・土壌浄化処理などの分野で目的の被処理物を処理するとき、有用で有益な方法となる。とくに現場発生土を現位置でリサイクル活用する土木・建築の分野において貢献するところが大きい。
本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法や繊維含有土質材料の精製方法について、その一実施形態を略示した縦断正面図である。 図1の要部を略示した横断平面図である。 本発明で用いられる集合状短繊維を略示した斜視図である。 本発明方法における原材料と短繊維との処理状況を略示した説明図である。 本発明に係る繊維含有土質材料の製造方法や繊維含有土質材料の精製方法について、他の一実施形態を略示した要部正面図である。
11 加工処理手段
12 処理容器
13 処理容器の入口
14 処理容器の出口
21 回転軸
22 軸受
23 軸受
31 回転打撃体
32 インパクト部材
34 フレキシブル部材
41 電動機
45 伝動系
51 埋め込み式同時供給手段
52 コンベアベルト
53 材料供給系
54 材料供給系
55 材料供給系
61 繊維含有土質材料の搬出手段
62 非繊維系添加物の供給手段
71 二重ホッパ機構
72 内部ホッパ
73 外部ホッパ
RM1 土質材料用の原材料
RM2 細粒化原材料
RM3 土系の原材料
SF1 添加物用の短繊維
SF2 解繊短繊維
SB 集合保持部

Claims (5)

  1. 繊維含有の土質材料を製造するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
    繊維含有土質材料製造用の材料として、土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを用いるものであり、かつ、そのうちの添加物用の短繊維については、多数本の繊維がその一端部に形成された集合保持部により層状に集合保持されているものであって、その他端部が解れの生じやすい自由端部となっている集合状短繊維を採用すること、および、
    処理容器にある上部の入口からその処理容器内に向けて土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを同時供給するための手段として、短繊維を原材料中に埋め込みながらこれらを同時供給することのできる埋め込み式同時供給手段を用いること、および、
    回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、埋め込み式同時供給手段を介して土質材料用原材料と添加物用短繊維とを処理容器の入口から処理容器内に投入するときに、土質材料用原材料の量を添加物用短繊維の量よりも多くし、かつ、相対的に少量の添加物用短繊維を相対的に多量の土質材料用原材料中に埋め込んでこれらを処理容器内に投入すること、および、
    処理容器内に投入後の土質材料用原材料と添加物用短繊維とについて、添加物用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と添加物用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、原材料と短繊維とを回転打撃体により打撃して、しかもこの際の打撃により、原材料相互の衝突、原材料と短繊維との衝突、処理容器内壁面と原材料との衝突、処理容器内壁面と短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、一部ないし全部の原材料を細粒化するとともに一部ないし全部の短繊維を解繊すること
    を特徴とする繊維含有土質材料の製造方法。
  2. 繊維含有の土質材料を製造するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
    繊維含有土質材料製造用の材料として、土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを用いるものであり、かつ、そのうちの添加物用の短繊維については、多数本の繊維がその長さ方向の中間部に形成された集合保持部により層状に集合保持されているものであって、その両端部が解れの生じやすい自由端部となっている集合状短繊維を採用すること、および、
    処理容器にある上部の入口からその処理容器内に向けて土質材料用の原材料と添加物用の短繊維とを同時供給するための手段として、短繊維を原材料中に埋め込みながらこれらを同時供給することのできる埋め込み式同時供給手段を用いること、および、
    回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、埋め込み式同時供給手段を介して土質材料用原材料と添加物用短繊維とを処理容器の入口から処理容器内に投入するときに、土質材料用原材料の量を添加物用短繊維の量よりも多くし、かつ、相対的に少量の添加物用短繊維を相対的に多量の土質材料用原材料中に埋め込んでこれらを処理容器内に投入すること、および、
    処理容器内に投入後の土質材料用原材料と添加物用短繊維とについて、添加物用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と添加物用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、原材料と短繊維とを回転打撃体により打撃して、しかもこの際の打撃により、原材料相互の衝突、原材料と短繊維との衝突、処理容器内壁面と原材料との衝突、処理容器内壁面と短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、一部ないし全部の原材料を細粒化するとともに一部ないし全部の短繊維を解繊すること
    を特徴とする繊維含有土質材料の製造方法。
  3. 繊維長200mm以下の短繊維を用いること、および、原材料に対する短繊維の配合率を5%以下にすること、および、60〜100%の原材料を直径50mm以下に細粒化すること、および、
    60〜100%の短繊維を解繊すること
    を満足させる請求項1または2に記載の繊維含有土質材料の製造方法。
  4. 添加物用短繊維として土質材料用原材料よりも比重の軽いものを用いる請求項1〜3のいずれかに記載された繊維含有土質材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された方法により繊維含有土質材料を製造すること、および、
    上記繊維含有土質材料を精製するための手段として、上部の入口や下部の出口を有する縦型円筒状の処理容器と、処理容器内の中心領域に配置されて上下方向に沿う回転軸と、回転軸の周囲に複数段の放射状に取り付けられた水平回転打撃用の回転打撃体と、回転軸に連結された回転駆動系の機械とが備えられているものを用いること、および、
    処理容器の上部にある入口からその処理容器内に向けて上記繊維含有土質材料を供給するための手段として、土質材料用原材料の量が土質材料用短繊維の量よりも多いものであってこれらが混合状態にあるものを供給することのできる繊維含有土質材料の供給手段を用いること、および、
    回転軸と回転打撃体とが回転駆動系機械からの動力伝達を受けて回転している運転状態において、供給手段を介して上記繊維含有土質材料を処理容器の入口から処理容器内に投入すること、および、
    処理容器内に投入後の上記繊維含有土質材料について、土質材料用短繊維の浮揚を土質材料用原材料により抑制しつつこれらを重力落下させ、かつ、土質材料用原材料と土質材料用短繊維とが処理容器の入口に至るまでの間に、土質材料用原材料と土質材料用短繊維とを回転打撃体により打撃し、しかもこの際の打撃により、土質材料用原材料相互の衝突、土質材料用原材料と土質材料用短繊維との衝突、処理容器内壁面と土質材料用原材料との衝突、処理容器内壁面と土質材料用短繊維との衝突をそれぞれ起こさせて、土質材料用原材料の一部ないし全部を投入時寸法よりも小さく細粒化するとともに土質材料用短繊維を土質材料用原材料に分散させること
    を特徴とする繊維含有土質材料の精製方法。
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