JP5581840B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5581840B2
JP5581840B2 JP2010141258A JP2010141258A JP5581840B2 JP 5581840 B2 JP5581840 B2 JP 5581840B2 JP 2010141258 A JP2010141258 A JP 2010141258A JP 2010141258 A JP2010141258 A JP 2010141258A JP 5581840 B2 JP5581840 B2 JP 5581840B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
rubber composition
rubber
tire
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010141258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012006987A (ja
Inventor
弥生 赤堀
臣将 北村
諭 三原
和資 木村
隆裕 岡松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2010141258A priority Critical patent/JP5581840B2/ja
Publication of JP2012006987A publication Critical patent/JP2012006987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5581840B2 publication Critical patent/JP5581840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびタイヤに関する。
スパイクタイヤの使用やタイヤへのチェーン装着は粉塵発生という環境問題をひき起すため、これらに代る氷雪路上走行用タイヤとしてスタッドレスタイヤが開発されてきた。
一般に、凍結路面では一般路面での摩擦係数の1/10程度まで低下して滑りやすくなっているため、スタッドレスタイヤではタイヤの摩擦力を高くするように、材料面および設計面から工夫がなされている。
材料面の工夫としては、一般的に、カーボンブラック等の充填剤を減らし、オイル、軟化剤、可塑剤(以下、これらをまとめて「オイル等」ともいう。)を配合することによって低温でも硬くなりにくい低温特性に優れた加硫ゴム組成物を用いることが知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
しかしながら、このような加硫ゴム組成物からなるトレッドを有するスタッドレスタイヤでは、使用するオイル等の種類によっては氷上性能が不十分となる場合があり、また、時間の経過とともに(経時で)オイル等の量が減少するマイグレーション(ブリード)が発生するため、長期使用後の硬度が高くなり、氷上性能が低下するという問題を有していた。
このような問題に対して、本出願人は、特許文献2において、「(A)ジエン系ゴム100重量部当り、(B)両末端の合計スチレン含量が15〜25重量%および30〜50重量%の2種類のスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体混合物1〜30重量部および(C)前記(B)成分に対し重量比で0.6〜20となる量の可塑剤を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。」を提案している。
特開昭60−31546号公報 特開2009−286897号公報
しかしながら、本発明者が特許文献1に記載のタイヤ用ゴム組成物について更に検討を重ねた結果、オイル等のブリードを抑制することにより経時的物性変化を小さくすることができるものの、使用するトリブロック共重合体(2種)や可塑剤の種類によっては、耐摩耗性や氷上路面での走行性に改善の余地があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、耐摩耗性および氷上路面での走行性に優れたタイヤを作製することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジエン系ゴムに対して、少なくとも4つの重合体ブロックからなるスチレン系ブロック共重合体とエステル系可塑剤とを予め混合した混合物を特定量配合したゴム組成物を用いることにより、耐摩耗性および氷上路面での走行性に優れたタイヤを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)ジエン系ゴムと、
少なくとも4つの重合体ブロックからなり、両末端の重合体ブロックがポリスチレンであるブロック共重合体と、
下記式(I)で表される飽和環状構造を有するエステル系可塑剤とを含有するタイヤ用ゴム組成物であって、
上記ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群から選択される少なくとも1種であり、
上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤とを予め混合した混合物を1〜40質量部含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜18の有機基を表す。)
(2)上記混合物における上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤との比率(ブロック共重合体/エステル系可塑剤)が、1/8〜10/8である上記(1)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(3)上記ブロック共重合体が、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)およびスチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)からなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)または(2)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(4)上記ジエン系ゴム100質量部に対して、更に、シリカを1〜100質量部含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(5)上記シリカ100質量部に対して、更に、シランカップリング剤を0.1〜10質量部含有する上記(4)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて形成されるトレッド部を有するタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、耐摩耗性および氷上路面での走行性に優れたタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
〔タイヤ用ゴム組成物〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」ともいう。)は、ジエン系ゴムと、少なくとも4つの重合体ブロックからなり、両末端の重合体ブロックがポリスチレンであるブロック共重合体と、上記式(I)で表される飽和環状構造を有するエステル系可塑剤とを含有するタイヤ用ゴム組成物であって、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤とを予め混合した混合物を1〜40質量部含有するタイヤ用のゴム組成物である。
以下に、本発明のゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
<ジエン系ゴム>
本発明のゴム組成物に含有するジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群から選択される少なくとも1種を用いる。
これらのうち、耐摩耗性がより良好となり、耐寒性(低温下におけるゴムコンパウンドの柔軟性を維持できる特性)も向上する理由から、天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)を併用するのがより好ましい。
ここで、天然ゴム(NR)としては、グリーンブック(天然ゴム各種等級品の国際品質包装基準)により規格化された天然ゴムを用いることができる。
また、イソプレンゴム(IR)としては、比重が0.91〜0.94、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃),JIS K6300〕が30〜120のものが好ましく用いられる。
また、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)としては、比重が0.91〜0.98、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃),JISK6300〕が20〜120のものが好ましく用いられる。
また、ブタジエンゴム(BR)としては、比重が0.90〜0.95、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃),JIS K6300〕が20〜120のものが好ましく用いられる。
<ブロック共重合体>
本発明のゴム組成物に含有するブロック共重合体は、少なくとも4つの重合体ブロックからなり、両末端の重合体ブロックがポリスチレンであるブロック共重合体であれば特に限定されない。
ここで、両末端以外の重合体ブロックは、主鎖が炭素数2〜4の飽和炭化水素で構成される、側鎖を有していてもよい重合体ブロックであれば特に限定されず、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。なお、本発明においては、両末端以外の少なくとも2つの重合体ブロックは、一の重合体ブロックが他の重合体ブロック(他の重合体ブロックが2以上ある場合は1以上の他の重合体ブロック)と異なる重合体ブロックである。
上記ブロック共重合体としては、具体的には、例えば、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。
これらのうち、分子量が高く、後述するエステル系可塑剤を吸収しやすいという理由から、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)であるのが好ましい。
本発明においては、上記ブロック共重合体のスチレン含有量は、10〜80質量%であるのが好ましく、20〜40質量%であるのがより好ましい。スチレン含有量がこの範囲であると、本発明のゴム組成物の加硫後の破断物性が向上する結果、得られるタイヤの剛性が改善され、氷上路面での走行性がより良好となる。
また、上記ブロック共重合体の数平均分子量は、ブロック共重合体自体の破断時の強度、伸度等の機械的性質が良好となり、ジエン系ゴムとの混練も良好となる理由から、10万〜50万であるのが好ましく、また、後述するエステル系可塑剤を吸収しやすいという理由から、20万以上であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記ブロック共重合体として市販品を用いることができる。
スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)の市販品としては、具体的には、例えば、G1652(クレイトン社製)等が挙げられる。
スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)の市販品としては、具体的には、例えば、セプトン4033、セプトン4044、セプトン4055、セプトン4077、セプトン4099(いずれもクラレ社製)等が挙げられる。
更に、本発明においては、上記ブロック共重合体の含有量は、後述するエステル系可塑剤との合計(混合物)の含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜40質量部となる範囲であれば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であるのが好ましく、5〜15質量部であるのがより好ましい。
<エステル系可塑剤>
本発明のゴム組成物に含有するエステル系可塑剤は、下記式(I)で表される飽和環状構造を有するシクロヘキサンジカルボン酸エステルである。
上記式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜18の有機基を表す。
ここで、R1およびR2の炭素数1〜18の有機基としては、例えば、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、具体的には、分岐または環状(ビシクロ)構造を有していてもよいアルキル基が好適に挙げられる。
このようなアルキル基の炭素数は、2〜18であるのが好ましく、4〜12であるのがより好ましく、4〜9であるのが更に好ましい。
上記式(I)で表される化合物としては、具体的には、例えば、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
本発明においては、上記エステル系可塑剤の含有量は、上記ブロック共重合体との合計(混合物)の含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜40質量部となる範囲であれば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であるのが好ましく、15〜25質量部であるのがより好ましい。
本発明においては、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤とを予め混合した混合物を1〜40質量部配合したゴム組成物を用いることより、耐摩耗性および氷上路面での走行性に優れたタイヤを作製することができる。
これは、まず、上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤とを予め混合させることで、上記エステル系可塑剤が上記ブロック共重合体に吸収され、上記ブロック共重合体の低温下における柔軟性が良好となったためと考えられる。そして、温度低下に伴ってタイヤの硬度が上昇しても、トレッド部においては上記混合物に由来するミクロな柔軟部が形成されることになり、このミクロな柔軟部が氷のミクロな凹凸に追従することが可能になったためと考えられる。
また、上記混合物の配合量は、耐摩耗性および氷上路面での走行性がより良好となる理由から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して20〜40質量部であるのが好ましい。
更に、上記混合物における上記ブロック共重合体と上記エステル系可塑剤との比率(ブロック共重合体/エステル系可塑剤)は、同様の理由から、1/8〜10/8であるのが好ましく、1/4〜3/4であるのがより好ましい。
<シリカ>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、得られるタイヤの耐摩耗性および氷上路面での走行性がより良好となり、強度も向上する理由から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカを10〜80質量部含有するのが好ましく、20〜60質量部含有するのがより好ましい。
シリカとしては、具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<シランカップリング剤>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したシリカを分散させ、加硫後の引張強さ、切断時伸び等の物性を向上させる観点から、上述したシリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を0.1〜10質量部含有するのが好ましく、1〜10質量部含有するのがより好ましい。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]ジスルフィド、メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、メルカプトプロピル−トリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物には、上述した成分の他に、シリカ以外のフィラー(例えば、カーボンブラック等)、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、オイル、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種の添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。なお、上記ブロック共重合体および上記エステル系可塑剤については、これらの方法、装置を用いて、予め混練することにより混合物を調製することができる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
〔タイヤ〕
本発明のタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を有するタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3は本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、例えば、本発明のゴム組成物に用いられたジエン系ゴム、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤の種類およびその配合割合に応じた温度で加硫または架橋し、トレッド部等を形成することにより製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜6)
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、2リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
<氷上摩擦係数指数>
上記で作製した加硫ゴムシートを偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:−1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
氷上摩擦係数指数は、比較例1の氷上摩擦係数を100として、次式により指数化したものであり、数値が大きいほどゴムと氷の摩擦力が良好であることを示す。
氷上摩擦係数指数=(試料の氷上摩擦係数/比較例1の氷上摩擦係数)×100
<耐摩耗性>
上記で作製した加硫ゴムシートを、ランボーン摩耗試験機(株式会社岩本製作所製)を使用して、JIS K6264に準拠し、荷重4.0kg、スリップ率30%の条件にて測定し、試料の摩耗量を計測した。
耐摩耗性は、比較例1の摩耗量を100として、次式により指数化したものであり、数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性=(比較例1の摩耗量/試料の摩耗量)×100
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:Nipol BR 1220(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:シースト6(東海カーボン社製)
・シリカ:Nipsil AQ(日本シリカ工業社製)
・シランカップリング剤:Si69(デグサ社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(サントフレックス6PPD、フレキシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製)
・アロマオイル:ダイアナプロセスAH−20(出光興産社製)
・ブロック共重合体1:スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(セプトン4077、スチレン含有量:30質量%、数平均分子量:260000、クラレ社製)
・エステル系可塑剤1:上記式(II)で表される化合物(Hexamoll Dinch、BASF社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(ノクセラーCZ−G、大内新興化学工業社製)
・ブロック共重合体1/エステル系可塑剤1:上記ブロック共重合体1と上記エステル系可塑剤1とを上記第1表中の質量部で混練し、予め混合物としたもの。
・ブロック共重合体2/エステル系可塑剤1:スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(G1652、スチレン含有量:29質量%、数平均分子量:49000、クレイトン社製)と上記エステル系可塑剤1とを上記第1表中の質量部で混練し、予め混合物としたもの。
・ブロック共重合体3/エステル系可塑剤1:スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(アサプレン(登録商標)T−438、スチレン含有量:35質量%、数平均分子量:10000、旭化成社製)と上記エステル系可塑剤1とを上記第1表中の質量部で混練し、予め混合物としたもの。
・ブロック共重合体1/アロマオイル:上記ブロック共重合体1と上記アロマオイルとを上記第1表中の質量部で混練し、予め混合物としたもの。
上記第1表に示す結果から、特定のスチレン系ブロック共重合体と特定のエステル系可塑剤とを別々に添加して調製した比較例2のゴム組成物では、比較例1のゴム組成物と同等程度の性能になることが分かった。
また、特定のスチレン系ブロック共重合体とアロマオイルとを用いた場合、別々に添加しても、予め混合物として調製しても、比較例1のゴム組成物よりも性能が劣ることが分かった(比較例3および4)。
更に、特定のスチレン系ブロック共重合体と特定のエステル系可塑剤とを予め混合した混合物を特定量以上に配合した比較例5のゴム組成物では、比較例1のゴム組成物と比較して、氷上路面での走行性は良好となるが、却って耐摩耗性が劣ることが分かった。
更に、3つの重合体ブロックからなるスチレン系ブロック共重合体(SBS)と特定のエステル系可塑剤とを予め混合した混合物を特定量配合した比較例6のゴム組成物では、意外にも比較例1のゴム組成物よりも性能が劣ることが分かった。
これに対し、ジエン系ゴムに対して、特定のスチレン系ブロック共重合体とエステル系可塑剤とを予め混合した混合物を特定量配合したゴム組成物を用いることにより、比較例1のゴム組成物と比較して、耐摩耗性および氷上路面での走行性がいずれも良好となることが分かった(実施例1〜4)。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (6)

  1. ジエン系ゴムと、
    少なくとも4つの重合体ブロックからなり、両末端の重合体ブロックがポリスチレンであるブロック共重合体と、
    下記式(I)で表される飽和環状構造を有するエステル系可塑剤とを含有するタイヤ用ゴム組成物であって、
    前記ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記ブロック共重合体と前記エステル系可塑剤とを予め混合した混合物を1〜40質量部含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜18の有機基を表す。)
  2. 前記混合物における前記ブロック共重合体と前記エステル系可塑剤との比率(ブロック共重合体/エステル系可塑剤)が、1/8〜10/8である請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ブロック共重合体が、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)およびスチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して、更に、シリカを1〜100質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記シリカ100質量部に対して、更に、シランカップリング剤を0.1〜10質量部含有する請求項4に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて形成されるトレッド部を有するタイヤ。
JP2010141258A 2010-06-22 2010-06-22 タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ Active JP5581840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010141258A JP5581840B2 (ja) 2010-06-22 2010-06-22 タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010141258A JP5581840B2 (ja) 2010-06-22 2010-06-22 タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012006987A JP2012006987A (ja) 2012-01-12
JP5581840B2 true JP5581840B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=45537897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010141258A Active JP5581840B2 (ja) 2010-06-22 2010-06-22 タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5581840B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2655511B1 (de) * 2010-12-23 2016-04-06 INEOS Styrolution Europe GmbH Thermoplastische elastomer-zusammensetzung und verfahren zu deren herstellung
JP6208428B2 (ja) * 2013-01-11 2017-10-04 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6532184B2 (ja) * 2013-12-06 2019-06-19 住友ゴム工業株式会社 高性能タイヤ用トレッドゴム組成物及び高性能タイヤ
US9574069B2 (en) * 2014-04-30 2017-02-21 Lehigh Technologies, Inc. Chemically functionalized renewed rubber composition
WO2018139165A1 (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
JP6953841B2 (ja) * 2017-07-05 2021-10-27 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JPWO2019117217A1 (ja) * 2017-12-14 2020-12-03 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびタイヤ
JP7383639B2 (ja) * 2018-12-19 2023-11-20 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびタイヤ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4416219B2 (ja) * 1999-09-16 2010-02-17 住友ゴム工業株式会社 高性能タイヤ用トレッドゴム組成物の製造方法
JP4615874B2 (ja) * 2004-02-02 2011-01-19 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、これを用いたタイヤ及びゴム組成物の製造方法
JP3998690B2 (ja) * 2005-02-24 2007-10-31 横浜ゴム株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
JP4458186B2 (ja) * 2007-10-10 2010-04-28 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物
JP2009263456A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP5453736B2 (ja) * 2008-05-29 2014-03-26 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012006987A (ja) 2012-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5581840B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ
JP5154071B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP5177304B2 (ja) ゴム組成物および空気入りスタッドレスタイヤ
JP5497254B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2016210937A (ja) ゴム組成物およびタイヤ
JP5767653B2 (ja) トレッド用ゴム組成物およびそれをトレッドに用いた空気入りタイヤ
JP7031599B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2008169295A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2001348461A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP5265115B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2013112731A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2009249594A (ja) ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2018177905A (ja) ゴム組成物およびタイヤ
CN108117676B (zh) 橡胶组成物的制造方法
JP4559167B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017008169A (ja) ゴム組成物
JP5232203B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及びスタッドレスタイヤ
JP6657759B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6728622B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6686362B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2015044918A (ja) ゴム組成物およびその製造方法並びに空気入りタイヤ
JP2006199785A (ja) ゴム組成物およびそれからなる空気入りタイヤ
JP6131618B2 (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2017075253A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6672690B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5581840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350