JP5581745B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。
排気ガス浄化用触媒は、排気ガス成分を浄化するPt、Pd、Rh等の触媒金属と、この触媒金属が触媒機能を発揮し易い雰囲気を形成するための酸素吸蔵放出成分、排ガス成分を選択的に吸着ないし吸蔵する成分、触媒被毒成分を捕捉する成分など、各種の助触媒成分とを組み合わせて構成されることが多い。
例えば三元触媒にあっては、主としてHC(炭化水素)及びCOの酸化浄化を担うPtやPd、主としてNOx(窒素酸化物)の還元浄化を担うRhとが組み合わされ、これに、酸素吸蔵放出成分が組み合わされている。また、リーンNOx触媒にあっては、NOxを還元浄化する触媒金属と、NOxをトラップする助触媒成分とが組み合わされている。そのような助触媒成分としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のNOx吸蔵材や、CeOに代表されるCe含有酸化物等のNOx吸着材が知られている。
NOx吸蔵材は、排気ガス雰囲気がリーン(ストイキよりも酸素過剰)であるときにNOxをアルカリ土類金属等の硝酸塩としてトラップする。そのNOxトラップ量が多くなったときに、エンジンへの燃料噴射量の増量等によって排気ガス雰囲気がリッチ(酸素不足)にされ、そのことによってNOx吸蔵材から放出されるNOxが触媒金属によって還元浄化される。Ptが排気ガス中のNOをNOに酸化させてNOx吸蔵材に吸蔵させ易くすることも知られている。一方、NOx吸着材は、NOxを硝酸塩に変化させることなく吸着するが、温度依存性があり、高温になるとNOxを脱離する。
ところで、Zr系酸化物を排気ガス浄化用触媒に利用することは従来より行なわれている。例えば、特許文献1には、三元触媒に関し、アルミナにPdを担持させたPd/アルミナと、アルカリ土類金属を含有するZr系複合酸化物とを組み合わせることが記載されている。アルカリ土類金属を含有するZr系複合酸化物は強塩基性を示し、このZr系複合酸化物の存在によって、排気ガス中のHCがカルボアニオンになってアルミナの酸点に結合し易くなり、PdがHCの浄化に効率良く働くというものである。
特許文献2には、リーンNOx触媒に関し、アルミナにPt及びNOx吸蔵材を担持させた第1触媒粉末と、アルカリ土類金属で安定化させたジルコニアにRhを担持させた第2触媒粉末とを組み合わせることが記載されている。ジルコニアがアルカリ土類金属によって塩基性となるため排気ガス中の水蒸気を吸着し易くなるから、Rhの水蒸気改質反応性が向上するとともに、耐熱性が高くなるというものである。
特許文献3には、三元触媒に関し、アルカリ土類金属を含有するZr系複合酸化物にRhを担持させ、高温耐久後の低温活性や浄化性能を向上させることが記載されている。
特許文献4には、三元触媒に関し、二種類のペロブスカイト型構造の複合酸化物にPdを担持させること、そのうちの一種をSrZrOにすることが記載されている。
特開2009−136781号公報 特開平11−226404号公報 特開平9−141098号公報 特開平5−220395号公報
自動車の低エミッション化には、触媒の排気ガス浄化開始温度の低温化に加えて、加速・減速時の浄化性能を向上させることが必要になる。これに対して、Pd触媒に関する従来の認識は、HCやCOの浄化には効果があるが、NOx浄化性能に関しては、PtやRhに比べて劣るとされている程度である。Pd触媒の浄化性能がサポート材のバルク特性に影響を受けることは知られ、また、上述の特許文献1〜4に示される如く、Zr系複合酸化物を排気ガス浄化用触媒に利用すること自体は知られているが、Pd触媒のNOx浄化性能についてZr系複合酸化物との関係で検討した報告、特に、自動車の加速・減速時のような排気ガス雰囲気が短時間に変化する過渡時においてサポート材がPd触媒に与える影響について詳細に検討した報告は見あたらない。
すなわち、本発明の課題は、Zr系複合酸化物を利用してPd触媒のNOx浄化性能を向上させることにある。
本発明者は、Zr系複合酸化物上のPdの排気ガス浄化性能について種々の実験を行った結果、Zr系複合酸化物の塩基性が強い場合には排気ガス雰囲気が変化しない定常条件及びその雰囲気が変化する過渡条件のいずれにおいても良好なNOx浄化性能を発揮することを見出し本発明を完成した。
本発明の好ましい態様は、担体上に、第1触媒層と、該第1触媒層より上記担体側に配置された第2触媒層と、該第2触媒層より上記担体側に配置された第3触媒層とを備えており、上記第1触媒層は、サポート材に触媒金属としてPdを担持してなる触媒成分を含有し、上記サポート材は、ZrOを主成分とし且つアルカリ土類金属Mを含有し、主として上記ZrOに由来する立方晶構造を有するZr系複合酸化物よりなり、上記第2触媒層及び第3触媒層各々は、触媒金属としてPt及びRhを担持したアルミナと、NOx吸蔵材とを含有することを特徴とする。
この排気ガス浄化用触媒は、第2触媒層及び第3触媒層がNOx吸蔵材を含有することにより、リーンNOxトラップ触媒として機能する。そして、第1触媒層のZr系複合酸化物の場合、アルカリ土類金属Mを含有するために強い塩基性を示し、そのことにより、アルカリ土類金属Mを含有しない場合に比べて格段に優れたNOx吸着能を有する
かも、このようなアルカリ土類金属Mを含有するZr系複合酸化物に担持されているPdは、排気ガス雰囲気がリーンであるときだけでなく、リッチになったときでも酸化された状態(PdO)を保ち易い。そして、この酸化状態のPdは、排気ガス中のHCやCOの酸化浄化に働くが、この酸化浄化において、NOx吸蔵材から放出されるNOx及び上記Zr系複合酸化物に吸着されているNOxが酸化剤となるから、結果的にNOxの還元浄化が促進されることになる。また、酸化状態のPdは排気ガス中のNOをNO転化することに働き、NOx吸蔵材へのNOxの吸蔵、上記Zr系複合酸化物へのNOxの吸着を促進するため、リーンNOx浄化性が高くなる。
こに、Rhは排気ガスがリーンで高温であるときに酸素被毒を生じ易く、その被毒解消のために排気ガス雰囲気を適宜リッチにすること、所謂リッチパージが必要であることが知られている。これに対して、上記排気ガス浄化用触媒では、Rhを含有する第2及び第3の触媒層が第1触媒層によって覆われているから、Rhの酸素被毒防止に有利になる。また、仮にRhの酸素被毒を多少生じても、NOx吸蔵材から放出されるNOxが第1触媒層のPd担持Zr系複合酸化物によって吸着されて浄化されるため、触媒全体としてNOx浄化性能が大きく低下することが避けられる。その結果、上記リッチパージの頻度を少なくすることができ、そのことは燃費向上に繋がる。
上記Zr系複合酸化物における上記アルカリ土類金属Mの含有割合(ジルコニアとアルカリ土類金属酸化物との総量に対するアルカリ土類金属酸化物の割合)は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、さらに好ましいのは、3質量%以上6質量%以下とすることである。
以上のように本発明によれば、第1触媒層のPdを担持するサポート材が、ZrOを主成分とし且つアルカリ土類金属Mを含有し、主として上記ZrOに由来する立方晶構造を有するZr系複合酸化物よりなり、さらに、該第1触媒層より担体側に配置された第2触媒層及び第3触媒層各々は、触媒金属としてPt及びRhを担持したアルミナと、NOx吸蔵材とを含有するから、第1触媒層の塩基性が強いZr系複合酸化物がNOx吸着材として機能するとともに、Pdが酸化状態を保ち易くなることにより、HCやCOの酸化浄化が進み、その際にNOx吸蔵材から放出されるNOx及びZr系複合酸化物に吸着されているNOxが酸化剤となるから、結果的にNOxの還元浄化が促進されることになり、上記Zr系複合酸化物のNOx吸着能と相俟って、排気ガス雰囲気が変化する過渡時のNOx浄化性能の向上が図れる。また、酸化状態のPdは排気ガス中のNOをNO に転化することに働き、NOx吸蔵材へのNOxの吸蔵、上記Zr系複合酸化物へのNOxの吸着を促進するため、リーンNOx浄化性が高くなる。
そうして、Rhを含有する第2及び第3の触媒層が第1触媒層によって覆われているから、Rhの酸素被毒防止に有利になる。また、仮にRhの酸素被毒を多少生じても、NOx吸蔵材から放出されるNOxが第1触媒層のPd担持Zr系複合酸化物によって吸着されて浄化されるため、触媒全体としてNOx浄化性能が大きく低下することが避けられる。その結果、上記リッチパージの頻度を少なくすることができ、燃費向上に有利になる。
本発明に係る触媒の基本構成を示す断面図である。 本発明に係るリーンNOxトラップ触媒の基本構成を示す断面図である。 Pd/Sr−ZrO及びPd/SO−ZrOのTPDによる脱離NO濃度の温度変化を示すグラフ図である。 Pd/Sr−ZrO、Pt/Sr−ZrO及びRh/Sr−ZrOのTPDによる脱離NO濃度の温度変化を示すグラフ図である。 各種触媒材のPd電子状態を調べたXANESスペクトル図である。 Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOの結晶構造を調べたXRDチャート図である。 各種触媒のNOx浄化性能を過渡条件で評価するためのA/F変動モードを示す図である。 各種触媒の過渡条件での触媒出口ガスのNO濃度変化を示すグラフ図である。 Pd/Sr−ZrO触媒のNOx浄化メカニズムの説明図である。 Pd/SO−ZrO触媒のNOx浄化メカニズムの説明図である。 実施例及び比較例の各触媒のリーンNOx浄化率の温度変化を示すグラフ図である。 実施例触媒及び比較例触媒のリッチNOx浄化率の温度変化を示すグラフ図である。 実施例触媒及び比較例触媒のリーン・リッチ平均NOx浄化率の温度変化を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明に係る自動車の排気ガスの浄化に適した排気ガス浄化用触媒の基本構成を示す。同図において、1はハニカム担体のセル壁であり、該セル壁1に触媒層2が形成されている。触媒層2は、サポート材に触媒金属としてPdを担持してなる触媒成分を含有する。サポート材は、ZrOを主成分とし且つアルカリ土類金属Mを含有し、主として上記ZrOに由来する立方晶構造を有するZr系複合酸化物(ZrMO)よりなる。
図2は本発明を自動車のリーンNOx触媒に適用する場合の触媒構造の一例を示す。セル壁1の上に、積層した触媒層、すなわち、第1触媒層2と、該第1触媒層2よりセル壁1側に配置された第2触媒層3と、該第2触媒層3よりセル壁1側に配置された第3触媒層4とが設けられている。排気ガスに直接晒される第1触媒層2は、図1の触媒層と同じ構成になっている。第2触媒層3及び第3触媒層4の各々は、触媒金属としてPt及びRhを担持したアルミナと、NOx吸蔵材とを含有し、第3触媒層4は、さらに、Ce含有酸化物を含有する。
<触媒材の比表面積,NOx吸着能>
4種類のサポート材、すなわち、Ca含有Zr系複合酸化物(Ca−ZrO)、Sr含有Zr系複合酸化物(Sr−ZrO)、硫酸化ジルコニア(SO−ZrO)及びタングステン酸ジルコニア(WO−ZrO)を準備した。Ca−ZrO及びSr−ZrOは、それぞれCa又はSrの硝酸塩とZrの硝酸塩とを含む水溶液中にアンモニア水を添加して共沈を生じさせ、水洗、濾過及び乾燥の後、空気中で500℃の温度に2時間保持する焼成を行なって調製した。SO−ZrO及びWO−ZrOは、それぞれ硫酸又はタングステン酸のアンモニウム塩水溶液をZr(OH)に含浸した後、乾燥させ、空気中で500℃の温度に2時間保持する焼成を行なって調製した。そして、上記4種のサポート材各々にPdを担持させて表1に示す4種類の触媒材を調製した。各サポート材において、ZrOに対するCa等の添加物の酸化物としての添加量は表1に示すとおりであり、いずれの触媒もPd担持量は5.5質量%である。
次いで、各触媒材のフレッシュ時及びエージング後のBET比表面積を測定した。エージング条件は、2%O及び10%HOの雰囲気(残N)において、800℃の温度に24時間保持するというものである。結果を表1に示す。
Figure 0005581745
上記4種類の触媒材のうちPd/Sr−ZrO及びPd/SO−ZrOについて、上記エージング後のNOx吸着能を昇温脱離法(TPD)によって調べた。すなわち、触媒材100mgに還元性ガス(H;3.0%,残He,流量;100mL/分)を供給しながら、そのガス温度を30℃/分の速度で室温(25℃)から上昇させ、600℃の温度に10分間保持した後、ガス温度を400℃に戻した。次に触媒材にNO含有ガス(NO;4000ppm,残He,流量;100mL/分)を400℃の温度で20分間供給し、その後に、Heガス(流量;100mL/分)を供給しながら、ガス温度を20℃/分の速度で550℃まで上昇させ、触媒材から脱離するNO濃度を測定した。
結果を図3に示す。Pd/Sr−ZrOでは比較的多量のNOの脱離がみられる(すなわち、NOの吸着があった)が、Pd/SO−ZrOではNOの脱離がみられない(すなわち、NOが実質的に吸着していない)。Pd/Sr−ZrOの場合、サポート材がSrを含有することによって塩基性になっているため、400℃でも良好なNOx吸着能を示していると認められる。これに対して、Pd/SO−ZrOの場合は、サポート材が酸性になっているために、400℃でのNOx吸着が実質的に生じていないと考えられる。Pd/Ca−ZrOのサポート材、或いはアルカリ土類金属を含有する他のZr系複合酸化物にあっても、表面が塩基性になるため、良好なNOx吸着能を有することは当業者に容易に理解されるところである。
また、上記Pd/Sr−ZrO、並びに、触媒金属としてPt及びRh各々を採用したPt/Sr−ZrO及びRh/Sr−ZrOについて、上記還元性ガスを酸化性ガス(O;5.0%,残He,流量;100mL/分)に代えた以外は先と同じ条件で触媒材から脱離するNO濃度を別途測定した。Pt担持量及びRh担持量は、Pd担持量と同じく5.5質量%である。結果を図4に示す。同図によれば、Pd/Sr−ZrOの方がPt/Sr−ZrO及びRh/Sr−ZrOよりもNOx吸着能が優れていることがわかる。これは、NO含有ガス中のNOはNOに転化されるとサポート材に吸着され易くなるところ、Pd/Sr−ZrOのPdは、Pt/Sr−ZrOのPtや、Rh/Sr−ZrOのRhよりも、NOをNOに転化する能力が高いためであると推察される。すなわち、Pdは酸化状態になると、PtやRhよりも、上記転化能が高くなると推察される。
<サポート材上のPd電子状態>
触媒材Pd/Ca−ZrO、Pd/Sr−ZrO、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrO(いずれも上記エージング後のもの)、並びにPdO及びPd箔について、XAFS(X線吸収微細構造分析装置)によるXANES(X-ray Absorption Near Edge Structure)に基いてPd電子状態を調べた。XANESスペクトルを図5に示す。同図によれば、PdO及びPd箔との比較から、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrOではPdがメタル状態にあり、Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOでは少なくとも一部のPdがPdOになっていること、特にPd/Sr−ZrOではPdが強く酸化された状態にあることがわかる。このことが、図3,4に示すPd/Sr−ZrOが優れたNOx吸着能を示す一つの要因になっていると考えられる。
<触媒材Pd/Ca−ZrO,Pd/Sr−ZrOの結晶構造>
触媒材Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOの結晶構造をXRD(X線回折法)にて調べた。結果を図6に示す。同図によれば、Ca−ZrO及びSr−ZrOは、立方晶になっていること、その回折強度のピークが現れる入射角は、ペロブスカイト型複合酸化物SrZrO及びCaZrOとは異なり、立方晶ジルコニアに対応していることから、その立方晶は主としてZrOに由来することがわかる。
<定常条件でのNOx浄化性能>
触媒材Pd/Ca−ZrO、Pd/Sr−ZrO、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrO各々をコージェライト製ハニカム担体にコーティングすることによって4種類の触媒サンプルを調製した。各触媒サンプルに上記エージングを行なった後、常圧固定床流通装置にて各々の定常条件でのNOx浄化性能を調べた。すなわち、模擬排気ガスは、A/F=14.7(HC:1600ppmC,O:0.3容量%,CO:0.4容量%,CO:14.5容量%,NO:1000ppm,残N)の一定とし、触媒入口ガス温度は400℃の一定とし、空間速度は60000h−1とした。その結果は表2に示すとおりであり、Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOは、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrO各々に比べて格段に優れたNOx浄化性能を示している。
Figure 0005581745
<過渡条件でのNOx浄化性能>
触媒材Pd/Ca−ZrO、Pd/Sr−ZrO、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrO各々による上記4種類の触媒サンプルについて、上記エージングを行なった後、常圧固定床流通装置にて過渡条件でのNOx浄化性能を調べた。すなわち、図7に示すように、模擬排気ガスのA/Fをリーン(10秒)→リッチ(10秒)→ストイキ(20秒)を1サイクルとして変化させた。ストイキは上記定常条件の模擬排気ガス組成とし、リーンにするときはOを1.5容量%に増量し、リッチにするときはCOを1.15容量%に増量した。触媒サンプル出口ガスのNO濃度の変化を図8に示す。
いずれの触媒サンプルも、リーンからリッチに変わるとNOの浄化が急激に進んでいるが、Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOは、Pd/SO−ZrO及びPd/WO−ZrOよりもNO濃度が大きく低下している。そして、ストイキの後半ではPd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOの場合はNO濃度が略零(NO浄化率が100%近く)になっている。これから、Pd/Ca−ZrO及びPd/Sr−ZrOは過渡条件において優れたNOx浄化性能を示すことがわかる。
図9はPd/Sr−ZrOにおけるリッチ期のNOx浄化メカニズム(推察)を示す。このケースでは、塩基性サポート材であるSr−ZrOにNOが吸着し、このSr−ZrOに担持されているPdは、PdOになっている(酸化触媒としての活性が高くなっている)。従って、当該PdOの働きにより、排気ガス中のHCやCOが、Sr−ZrOに吸着されているNOを酸化剤として効率良く酸化浄化され、その結果、NOの還元浄化も促進されると考えられる。
図10はPd/SO−ZrOにおけるリッチ期のNOx浄化メカニズム(推察)を示す。このケースでは、サポート材(SO−ZrO)が酸性であるから、NOの吸着はなく、また、Pdはメタル状態になっている。従って、排気ガス中のHCやCOはPdに引きつけられ、このHCやCOと排気ガス中のNOとの反応によって、それらHC、CO及びNOxの浄化が進むと考えられる。しかし、サポート材にNOが吸着されないこと、そして、Pdが触媒活性の低いメタル状態にあることにより、図9に示す効率の良いNOx浄化メカニズムは働かない。
<リーンNOトラップ触媒としての浄化性能>
[供試触媒]
−実施例触媒−
図2に示す三層構造の実施例触媒を調製した。第1触媒層2はPd/Sr−ZrOを含有し、その担持量(担体1L当たりの担持量)は、Sr−ZrOが20g/L、Pdが0.1g/Lである。第2触媒層3は活性アルミナにRhを担持させたRh/アルミナを含有し、その担持量は、活性アルミナが50g/L、Rhが0.4g/Lである。第3触媒層4は、活性アルミナ及びCe含有酸化物としてのCePr複合酸化物を含有し、各々の担持量は135g/Lである。CePr複合酸化物の組成は、CeO:Pr11=90:10(質量比)である。さらに、第2触媒層3及び第3触媒層4に対して、Rh及びPtが触媒金属として含浸され、Ba及びSrがNOx吸蔵材として含浸されている。 従って、第2触媒層3及び第3触媒層4各々は、上記含浸によるPt、Rh及びNOx吸蔵材を担持した活性アルミナを含有し、第3触媒層4は、さらに上記含浸によるPt、Rh及びNOx吸蔵材を担持したCe含有酸化物(CePr複合酸化物)を含有する。上記各成分の含浸量は、第2触媒層3及び第3触媒層4を合わせたトータル量で、Rhが0.1g/L、Ptが0.4g/L、Baが30g/L、Srが10g/Lである。
この実施例触媒の製法は次のとおりである。すなわち、活性アルミナ及びCePr複合酸化物を混合してハニカム担体にコーティングし、その上にRh/アルミナをコーティングする。そして、この両コーティング層にRh、Pt、Ba及びSrの各溶液を含浸させ、乾燥・焼成する。これにより、上記第2触媒層3及び第3触媒層4ができ上がる。次いで、第2触媒層3の上にPd/Sr−ZrOをコーティングして第1触媒層2とする。この方法によれば、Rh、Pt、Ba及びSrが第1触媒層2のPd/Sr−ZrOに担持されることを避けることができる。
−比較例触媒1−
第1触媒層2を備えない他は実施例触媒と同じ構成とした。すなわち、実施例触媒の第2触媒層3及び第3触媒層4だけを有する触媒である。但し、トータルの触媒金属量を実施例触媒と合わせるために、比較例触媒1では、Ptの含浸担持量は0.5g/Lとした。他の構成は実施例触媒と同じある。
−比較例触媒2−
第1触媒層2の触媒材として、実施例触媒のPd/Sr−ZrOに代えてPd/SO−ZrO(SO−ZrO担持量;20g/L,Pd担持量;0.1g/L)を採用する他は実施例触媒と同じ構成の三層構造とした。
[浄化性能の評価]
実施例及び比較例の各触媒について、大気雰囲気において800℃の温度に24時間保持するエージングを行なった後、常圧固定床流通装置にてNOx浄化性能を調べた。表3に示すリーンの模擬排気ガス(A/F=22)とリッチの模擬排気ガス(A/F=14.5)1分間ずつ交互に切り換えて触媒に流すというサイクルを数回繰り返した後、ガス組成をリッチからリーンに切り換えた時点から1分間のリーンNOx浄化率、並びにリーンからリッチに切り換えた時点から1分間のリッチNOx浄化率を測定し、さらに、このリーンNOx浄化率及びリッチNOx浄化率の平均値を求めた。模擬排気ガスの温度は350℃、400℃、450℃及び500℃の4通りとした。結果を図11乃至図13に示す。
Figure 0005581745
実施例触媒及び比較例触媒1,2のいずれも、NOx吸蔵材(Ba,Sr)はリーン時に排気ガス中のNOを吸蔵し、RhやPtは、排気ガス中のNOをNOに転化してNOx吸蔵材への吸蔵を促進する一方、リッチ時にNOx吸蔵材から放出されるNOxを還元浄化することに働く。また、CePr複合酸化物は、その酸素吸蔵放出能によって、PtによるNOのNOへの転化を促進する。
そこで、図11乃至図13に示す結果を検討するに、リーン及びリッチのいずれにおいても、実施例触媒の方が比較例触媒1,2よりもNOx浄化率が高く、特に450℃において高くなっている。
実施例触媒のリーンNOx浄化率が高くなっている一つの要因は、第1触媒層2のSr−ZrOによるNOの吸着にあると考えられる。また、Sr−ZrOに担持されているPdが酸化状態になっており、この酸化Pdが排気ガス中のNOをNOに転化し、NOx吸蔵材へのNOの吸蔵、Sr−ZrOへのNOの吸着を促進することも、実施例触媒のリーンNOx浄化率が高くなっている要因であると考えられる。
実施例触媒のリッチNO浄化率が高くなっているのは、排気ガスがリッチになっても、Sr−ZrO上のPdが酸化状態を保ち、NOx吸蔵材から放出されるNOxや、Sr−ZrOに吸着されているNOxを酸化剤として、排気ガス中のHC、COを酸化することに働き、その結果として、NOxの浄化が進むためと考えられる。
1 担体のセル壁
2 触媒層(第1触媒層)
3 第2触媒層
4 第3触媒層

Claims (2)

  1. 担体上に、第1触媒層と、該第1触媒層より上記担体側に配置された第2触媒層と、該第2触媒層より上記担体側に配置された第3触媒層とを備えており、上記第1触媒層は、サポート材に触媒金属としてPdを担持してなる触媒成分を含有し、上記サポート材は、ZrOを主成分とし且つアルカリ土類金属Mを含有し、主として上記ZrOに由来する立方晶構造を有するZr系複合酸化物よりなり、上記第2触媒層及び第3触媒層各々は、触媒金属としてPt及びRhを担持したアルミナと、NOx吸蔵材とを含有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1において、
    上記Pdの少なくとも一部は上記Zr系複合酸化物上で酸化物になっていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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