JP5581619B2 - 圧電デバイスの製造方法および圧電デバイス - Google Patents

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Description

この発明は、圧電単結晶の薄膜を用いた圧電デバイスおよび当該圧電デバイスの製造方法に関するものである。
現在、圧電単結晶体を薄膜化してなる圧電デバイスが多く開発されている。このような圧電薄膜を用いた圧電デバイスでは、実際の使用時において圧電薄膜を支持する支持体を必要とする。このような支持体は、特許文献1や特許文献2に示すように、圧電薄膜の一方の主面に配設されている。
そして、従来、このような圧電薄膜と支持体とからなる複合圧電基板を形成する際には、それぞれ個別に形成された支持体と、接合可能な厚みからなる圧電基板とを、活性化接合や親水化接合といった直接接合等を用いて接合した後に、圧電基板を薄膜化していた。
特開2007−228319号公報 特表2002−534886号公報
しかしながら、従来の複合圧電基板を接合により形成する場合、双方の接合面が十分な平坦度を有さなければ接合強度が確保できず、また、圧電基板は支持体の凸部から、局所的に大きな応力が生じ、圧電デバイスの特性が劣化する。そのため、接合前に平坦化処理を行わなければならない。
ところが、当該平坦化処理を行う装置は高価な上、接合処理工程に平坦化処理工程を付加しなければならず、工程負荷が大きくなるとともに、高コスト化してしまう。さらには、上述のように接合時には極めてシビアな平坦性を必要とするため、工程内のパーティクルにより歩留まりが著しく変化するので、パーティクルに対するケアもシビアに行わなければならない。
したがって、本発明の目的は、圧電薄膜と支持体とからなる複合圧電基板を、より簡素な工程で、安価に形成することができる圧電デバイスの製造方法、および当該製造方法により形成される圧電デバイスを提供することにある。
この発明は、圧電薄膜と該圧電薄膜を支持する支持体とを備えた圧電デバイスの製造方法に関するものである。この圧電デバイスの製造方法では、イオン注入工程と、支持体形成工程と、剥離工程とを有する。イオン注入工程は、圧電基板にイオンを注入することで、イオン注入層を形成する。支持体形成工程は、圧電基板のイオン注入面側の表面に支持体を直接積み上げることで形成する。剥離工程は、イオン注入層を利用して圧電基板から圧電薄膜を剥離形成する。
この製造方法では、支持体を圧電基板(圧電薄膜)に配設する際に、接合を用いないので、接合処理を用いることによる特性の劣化、歩留まりの低下等に基づく製造コスト等の増加、の各種不具合が生じない。
また、この発明の圧電デバイスの製造方法における支持体形成工程は、圧電基板に当接する第1支持層を形成する工程と、該第1支持層の圧電基板と反対の面に第2支持層を形成する工程と、を有する。
この製造方法では、支持体を1工程で形成せず、複数工程に分割し、条件を個別に設定ることで、1工程で形成するよりも、支持体に対してさまざまな特徴を与えることができる。
また、この発明の圧電デバイスの製造方法における支持体形成工程は、第1支持層が第2支持層よりも高密度となるように制御する。
この製造方法は、上述の複数工程で行う場合の具体例であり、圧電基板(圧電薄膜)側の第1支持層を相対的に高密度にし、第2支持層を相対的に低密度にする。一般的に高密度は高応力膜であるが、これにより、圧電薄膜近傍の第1支持層をより緻密にしても、支持体全体での圧電薄膜に与える応力は抑えることができるため、全体としては水蒸気の透過率を低下させることができ、信頼性が向上する。この際、圧電薄膜から遠い側の第2支持層は、低密度であっても信頼性に与える影響が極少ないので、第2支持層は低密度であってもよく、当該低密度にすることで、材料量を抑圧し、製造タクトを向上することができる。すなわち、安価で且つ高信頼性の圧電デバイスを製造することができる。
また、この発明の圧電デバイスの製造方法における第1支持層を形成する工程は、第2支持層を形成する工程よりも高真空度下での形成条件とする。
この製造方法では、複数の工程の具体的実現例を示すものであり、各工程で真空度を変化させるだけで、上述のような所望とする層構造の支持体を形成することができる。
また、この発明の圧電デバイスの製造方法は、さらに、犠牲層形成工程と、犠牲層除去工程とを有する。犠牲層形成工程は、イオン注入工程と支持体形成工程との間に実行され、犠牲層を形成する。犠牲層除去工程は、剥離工程の後に実行され、犠牲層を除去する。
この製造方法では、製造可能な圧電デバイスの種類として、メンブレンを有する圧電デバイスを製造するための方法が示されている。そして、このようなメンブレンを形成するための犠牲層形成および犠牲層除去を行う場合であっても、上述の製造方法を適用することができる。
また、この発明の圧電デバイスの製造方法は、さらに、補強層形成工程を有する。補強層形成工程は、イオン注入工程と支持体形成工程との間に実行され、圧電基板のイオン注入層側の表面に圧電薄膜補強層を形成する。
この製造方法では、製造可能な圧電デバイスの種類として、圧電薄膜を補強する補強層を有する圧電デバイスを製造するための方法が示されている。そして、このような補強層を形成する場合であっても、上述の製造方法を適用することができる。
また、この発明は、上述の製造方法によって形成される圧電デバイスに関するものである。この圧電デバイスは、表面または表裏面にデバイスとして機能する電極が形成された圧電薄膜と、支持体とを備える。支持体は、圧電薄膜の裏面側に順次形成された複数の支持層からなり、裏面に近い第1支持層の密度が裏面から遠い第2支持層の密度よりも高く形成されている。
この構成では、支持体における圧電薄膜に接する側の第1支持層が高密度で、圧電薄膜から遠い側の第2支持層が低密度であるので、上述の製造方法の際にも記載したように、第1支持層で高信頼性を実現し、第2支持層で低コスト化、低応力化を実現することができるので、安価で且つ高信頼性を有する圧電デバイスを実現できる。
また、この発明の圧電デバイスの支持体は、圧電薄膜よりも線膨張係数が低い材質で形成されている。
この構成では、支持体が圧電薄膜よりも温度によって伸縮し難いので、圧電薄膜が支持体により拘束され、温度特性が改善される。これにより、より信頼性に優れる圧電デバイスを実現できる。
また、この発明の圧電デバイスの支持体は、圧電薄膜よりも熱伝導率の高い材質で形成されている。
この構成では、支持体が圧電薄膜よりも熱伝導性に優れるので、圧電デバイスが駆動した際に発生する熱を外部へ逃しやすくなる。これにより、耐電力性が向上したり、熱による電極拡散から生じる周波数ズレの発生を抑制できたり、圧電デバイスの製品寿命を延ばすことができる。
この発明によれば、支持体を圧電基板(圧電薄膜)に配設する際に、接合を用いないので、接合処理を用いることによる特性の劣化や製造コストの増加等の各種不具合が生じない。これにより、優れた特性および信頼性を有し、且つ安価な圧電デバイスを実現することができる。
本発明の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す側面断面図および平面図である。 本発明の実施形態の圧電デバイスの製造方法を示すフローチャートである。 図2に示す製造フローで形成される圧電デバイスの製造過程を模式的に示す図である。 図2に示す製造フローで形成される圧電デバイスの製造過程を模式的に示す図である。 本発明の他の構成からなる圧電デバイスの構成を示す側面断面図および平面図である。
本発明の第1実施形態に係る圧電デバイスの製造方法および当該製造方法で形成される圧電デバイスについて、図を参照して説明する。なお、以下の説明では、圧電デバイスとして、圧電薄膜を用いたF−BAR用の薄膜型圧電デバイスを例に説明する。
図1(A)は本実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す側面断面図であり、図1(B)はその平面図である。そして、図1(A)は、図1(B)のA−A’断面図に相当する。
圧電デバイス1は、LT等の圧電単結晶を材料とする1μm程度の厚みからなる圧電薄膜10を有する。圧電薄膜10は、平面視した状態で略長方形の形状に形成されている。なお、圧電薄膜10には、LT以外に、LNやLBO(Li247)やランガサイト(La3Ga5SiO14)、KN(KNbO3)、KLN(K3Li2Nb515)を用いてもよい。
圧電薄膜10の表面13には、F−BARデバイスとして機能させるための上部電極50、バンプパッド51およびこれらを所定の回路パターンで接続する引き回し電極が形成されている。上部電極50は、平面視して、メンブレン構造を形成する空乏層70内の領域に長方形に形成されている。バンプパッド51は、例えば、圧電薄膜10の各角部の近傍に形成されている。上部の引き回し電極は、上部電極20と特定のバンプパッド51とを接続するように形成されている。さらには、バンプパッド51上には、他部品への接続用のバンプ80が形成されている。
一方、圧電薄膜10の裏面12には、F−BARデバイスとして機能させるための下部電極20および当該下部電極20に接続する引き回し電極が形成されている。この際、下部電極20は、平面視して、上部電極50と略全面で対向するように形成されている。また、下部の引き回し電極は、下部電極20と、上部電極50に接続しない別のバンプパッド51とを接続するように形成されている。
なお、上面電極50および下部電極20には、デバイスの仕様に応じて、Al、W、Mo、Ta、Hf、Cu、Pt、Ti等を単体もしくは組み合わせて用いるとよく、バンプパッド51や引き回し電極にはAl、Cuを用いるとよい。
圧電薄膜10の裏面12側には、絶縁性材料からなり200μm程度の厚みの支持体40が配設されている。この際、圧電薄膜10の下部電極20が形成された領域を含む所定領域では、裏面12と支持体40との間に、メンブレン構造を構成する空乏層70が設けられる。
具体的な支持体40の材料としては、アルミナ、酸化シリコン、窒化シリコン、SOG、イットリア、シリコン、五酸化タンタル、窒化アルミニウム、樹脂系材料、ガラス系材料等の絶縁性材料を用いる。この際、支持体40は、空乏層70を形成するための犠牲層30の除去に用いるエッチングガスやエッチング液に対して強い耐性を有するものであればより良い。
さらに、支持体40は、圧電薄膜10よりも線膨張係数を低く、熱伝導率が高い材質を用いるとより良い。このように、圧電薄膜10よりも線膨張係数が低い支持体40を用いることで、支持体40が圧電薄膜10よりも温度によって伸縮し難い。これにより、温度変化が生じても圧電薄膜10が支持体40により拘束され、温度特性が改善されるので、信頼性に優れる圧電デバイスを実現できる。
また、圧電薄膜10よりも熱伝導率が高い支持体40を用いることで、圧電デバイスが駆動した際に圧電薄膜10に熱が生じても、圧電薄膜10から支持体40を介して放熱される。これにより、圧電デバイスの耐電力性が向上したり、熱による電極拡散から生じる周波数ズレの発生を抑制でき、さらには、圧電デバイスの製品寿命を延ばすことができる。
さらに、支持体40は、圧電薄膜10の裏面12に当接もしくは空乏層70を介して近接して形成される第1支持層401と、該第1支持層401における圧電薄膜10と反対側に形成される第2支持層402とからなる。ここで、第1支持層40は例えば50nm〜100nm程度に形成されている。
第1支持層401と第2支持層402とは形成条件が異なり、第1支持層401が第2支持層402よりも高密度に形成されている。このように、圧電薄膜10側の第1支持層401が高密度であることで、水蒸気の透過率が低くなり、外部からの水蒸気が圧電薄膜10へ到達し難く、当該水蒸気による圧電デバイスとしての劣化を防止することができる。これにより、高信頼性を有する圧電デバイスを実現することができる。
また、第2支持層402を第1支持層401と比較して低密度に形成することで、信頼性に影響を与えない第2支持層402に対して材料量を低減できるとともに、高速形成することができる。特に、第2支持層402は、第1支持層401と比較して厚いため、全体を高密度化する場合と比較して、大幅に易く高速に形成することができる。また、第2支持層402の形成時に発生する応力を低くすることができるので、支持体40としての応力を低下させ、反りを抑制することができる。
また、さらに、第2支持層402を、ヤング率の低い材質で形成することで、第1支持層401との線膨張の差を緩和することができるので、支持体40内での不要な応力の発生を抑制でき、より高信頼性を実現することができる。
このように、本実施形態の構成を用いることで、形成精度に優れ、高い信頼性を有する安価な圧電デバイスを実現することができる。
次に、上述の圧電デバイスの製造方法について、図を参照して説明する。
図2は、本実施形態の圧電デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
図3、図4は、図2に示す製造フローで形成される圧電デバイスの製造過程を模式的に示す図である。
まず、所定厚みからなる圧電単結晶基板1を用意し、図3(A)に示すように、裏面12側から水素イオンを注入することで、イオン注入層100を形成する(図2:S101)。この際、圧電単結晶基板1としては、圧電デバイス単体が複数配列されたマルチ状態の基板を用いる。そして、例えば圧電単結晶基板1にLT基板を用いれば、加速エネルギー150KeVで1.0×1017atom/cm2のドーズ量により水素イオン注入を行うことにより、裏面12から深さ約1μmの位置に水素イオン層が形成されて、イオン注入層100が形成される。なお、イオン注入処理の条件は、圧電単結晶基板1の材質およびイオン注入層100の厚みに応じて適宜設定する。
次に、図3(B)に示すように、圧電単結晶基板1の裏面12上に、Al(アルミニウム)等を用いて所定厚みからなるF−BARデバイスとして駆動させるための下部電極20および引き回し電極(図示せず)を形成する(図2:S102)。
次に、図3(C)に示すように、圧電単結晶基板1のイオン注入層100側となる裏面12上に犠牲層30を形成する(図2:S103)。犠牲層30は、下部電極20とのエッチングレートを異ならせられるようなエッチングガスもしくはエッチング液が選択可能な材料からなり、下部電極20よりもエッチングされやすい材料からなる。また、犠牲層30は、後述する支持体40や圧電単結晶基板1よりもエッチングされやすい材料からなる。さらに、犠牲層30は、エレクトロマイグレーションに強い材質であるとより良い。具体的には、Ni,Cu,Al等の金属や、SiO、ZnO、PSG(フォスフォシリケートグラス)等の絶縁膜や、有機膜等から、条件に応じて適宜設定する。犠牲層30は、スパッタリング等で積層形成したり、塗布等により形成しており、少なくともF−BARデバイスとしての機能部、すなわち下部電極20を少なくとも含む所定領域に形成されている。
次に、図3(D),(E)に示すように、圧電単結晶基板1の犠牲層30が形成された裏面12側に、接合処理を用いることなく支持体40を形成する(図2:S104,S105)。支持体40は第1支持層401と第2支持層402とが順次形成された構造からなる。
第1支持層401は、圧電単結晶基板1の裏面12および犠牲層30に当接するように形成され、後々メンブレン支持層としても機能する層である。第2支持層402は、第1支持層401の表面(圧電単結晶基板1の反対側の面)に形成され、第1支持層401よりも厚みを有し、圧電デバイス全体の強度を保持するための層である。
これらの第1支持層401および第2支持層402からなる支持体40の形成方法は、溶射、スプレーコート、スピンコート、CVD、スパッタ、蒸着、ラミネート、印刷法等が用いられ、犠牲層30および圧電単結晶基板1の裏面12上へ直接的に形成する方法が用いられる。そして、第1支持層401と第2支持層402とでは、形成条件を異ならせて形成する。これにより、第1支持層401と第2支持層402とで、異なる特性を得ることができる。
例えば、同じ素材を用いて蒸着処理を行う際に、第1支持層401の形成時は相対的に高真空条件にし、第2支持層402の形成時は相対的に低真空条件に設定する。これにより、第1支持層401は、第2支持層402と比較して、高密度な層を形成することができる。そして、このような方法を用いることで、特性の異なる層を有する支持体40を簡単な条件設定で形成することができる。
また、このように相対的に薄い第1支持層401のみを高密度にして、相対的に厚い第2支持層402を低密度にすることで、圧電デバイスとしての信頼性を維持しながらも、製造条件的には高速化することができる。
なお、上述の構造的説明の際には、支持体40として、圧電薄膜10よりも線膨張係数を低く、熱伝導率が高い材質を用いることを示したが、製造方法の説明で示すように、第1支持層401と第2支持層402とを個別条件で製造することができるので、例えば、第1支持層401のみを圧電単結晶基板1よりも線膨張係数が低い材質にし、第2支持層402を所定の強度が得られる安価な別の材質にするようにしてもよい。また、第1支持層401のみを圧電単結晶基板1よりも熱伝導率が高い材質にし、第2支持層402を安価な別の材質にするようにしてもよい。このような製造方法を用いることで、所望の特性や信頼性を達成しながらも、安価な圧電デバイスを製造することができる。
また、さらに、第1支持層401とは別に、ヤング率の低い材質を用いて容易に第2支持層402を形成することができるので、より信頼性の高い圧電デバイスを容易に製造することができる。
次に、図4(A)に示すように、支持体40が形成された圧電単結晶基板1からなる複合圧電基板を加熱し、イオン注入層100を剥離面とした剥離を行う(図2:S106)。これにより、犠牲層30を有する支持体40に支持された圧電薄膜10が形成される。この際、減圧雰囲気下で加熱すれば、加熱温度を低くすることができる。そして、このように剥離形成した圧電薄膜10の表面13をCMP処理等により研磨して平坦化する。
次に、図4(B)に示すように、圧電薄膜10の表面13上に、F−BARデバイスとして駆動するための上部電極50やバンプパッド51等の上部電極パターンを形成する(図2:S107)。この後、上部電極50、先に形成した下部電極40や犠牲層30を用いて分極処理を行う。
次に、図4(C)に示すように、上部電極パターンが形成された圧電薄膜10の表面13から裏面12に貫通するように犠牲層30を除去するためのエッチング窓60を形成する(図2:S108)。
次に、エッチング窓60を介してエッチングガスもしくはエッチング液を流入させることで、犠牲層30を除去する(図2:S109)。これにより、圧電デバイスの下部電極20および上部電極50が形成される領域に対応する犠牲層30が形成された空間は、図4(D)に示すような空乏層70となる。
次に、図4(E)に示すように、バンプパッド51上にバンプ80を形成する等して、仕上げ上部電極パターンを形成する(図2:S110)。このようにして圧電デバイスを形成する。
以上のような製造方法を用いることで、圧電単結晶基板1の裏面12上および犠牲層30上に支持体40を直接形成するので、接合処理を用いることなく、支持体40を配設することができる。
そして、このように支持体40を圧電単結晶基板1(圧電薄膜10)に直接的に形成できることで、上述のような高信頼性を満たす各種の条件を達成する圧電デバイスを容易な製造工程で安価に製造することができる。
なお、上述の実施形態では、メンブレン構造(空乏層70)を有する圧電デバイスを例に説明したが、空乏層70を有さない、すなわち製造工程上、犠牲層30を形成する必要のない圧電デバイスに対しても、上述の製造方法を適用でき、上述の各種作用効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、F−BARデバイスを例にしているので、下部電極20を有する圧電デバイスを例に説明したが、ラム波デバイスや板波デバイス等の下部電極を必要としない圧電デバイスに対しても、上述の製造方法を適用でき、上述の各種作用効果を得ることができる。さらに、F−BARデバイス、ラム波デバイス、および板波デバイスに限ることなく、焦電センサ、ジャイロ、RFスイッチ、磁気センサ、振動発電素子など、圧電単結晶薄膜からなりメンブレンを有する各種デバイスに対しても、本発明の製造方法を適用することができる。
また、上述の説明では、圧電単結晶基板1に裏面12に、支持体40や犠牲層30を直接形成する例を示したが、裏面12上(下部電極20がある場合は下部電極20上)に補強層を形成するような圧電デバイスや、圧電薄膜10の表面13および上部電極パターン上に補強層を形成するような圧電デバイスであっても、上述の製造方法を適用することができる。例えば、図5は、表面13側に誘電体層からなる補強層を形成した圧電デバイスの構成を示す側面断面図および平面図である。図5に示すように、補強層を形成する場合は、圧電薄膜10の電極50が形成された表面13上に、所定膜厚からなる誘電体層90を形成する。この場合、バンプパッド51は、誘電体層90から露出するように形成し、エッチング窓60の形成の際には、当該誘電体層90をも加味したエッチング条件を用いる。
また、上述の説明では、支持体40を第1支持層401と第2支持層402とからなる二層構造とした場合を示したが、三層以上で支持体40を形成するようにしてもよい。
1−圧電単結晶基板、10−圧電薄膜、20−下部電極、30−犠牲層、40−支持体、401−第1支持層、402−第2支持層、50−上部電極、51−バンプパッド、60−エッチング窓、70−空乏層、80−バンプ、90−誘電体層

Claims (7)

  1. 圧電薄膜と前記圧電薄膜を支持し、第1支持層および第2支持層を有する支持体とを備えた圧電デバイスの製造方法であって、
    圧電基板にイオンを注入することで、イオン注入層を形成するイオン注入工程と、
    前記圧電基板のイオン注入面側の表面に前記第1支持層を、溶射、スプレーコート、スピンコート、CVD、スパッタ、蒸着、ラミネート、印刷法のいずれかにより形成する第1支持層形成工程と、
    前記第1支持層の前記圧電基板と反対の面に前記第2支持層を、溶射、スプレーコート、スピンコート、CVD、スパッタ、蒸着、ラミネート、印刷法のいずれかにより形成する第2支持層形成工程と、
    前記イオン注入層が形成された前記圧電基板から前記圧電薄膜を剥離し、前記圧電薄膜を支持する前記支持体を形成する剥離工程と、
    を有し、
    前記第1支持層形成工程の形成条件は、前記第1支持層が前記第2支持層よりも高密度となる形成条件である、圧電デバイスの製造方法。
  2. 前記第1支持層形成工程は、前記第2支持層形成工程よりも高真空度下の形成条件で行う工程である、請求項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  3. 前記イオン注入工程と前記第1支持層形成工程との間に、犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
    前記剥離工程の後に、前記犠牲層を除去する犠牲層除去工程と、を有する請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
  4. 前記第2支持層形成工程の後に、前記圧電基板のイオン注入層側の表面に圧電薄膜補強層を形成する補強層形成工程を有する、請求項1〜請求項のいずれかに記載の圧電デバイスの製造方法。
  5. 請求項に記載の圧電デバイスの製造方法によって形成される圧電デバイスであって、
    表面または表裏面にデバイスとして機能する電極が形成された圧電薄膜と、
    該圧電薄膜の前記裏面側に順次形成された複数の支持層からなり、前記裏面に近い第1支持層の密度が前記裏面から遠い第2支持層の密度よりも高く形成されてなる支持体と、を備えた圧電デバイス。
  6. 前記支持体は、前記圧電薄膜よりも線膨張係数が低い材質で形成されている請求項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  7. 前記支持体は、前記圧電薄膜よりも熱伝導率の高い材質で形成されている請求項または請求項に記載の圧電デバイスの製造方法。
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