JP5682201B2 - 圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、圧電体の単結晶材料からなる圧電薄膜を備える圧電デバイスの製造方法に関する。
現在、圧電薄膜を利用する様々な圧電デバイスが開発されている。
圧電デバイスは機能電極が形成された圧電薄膜を支持基板に接合して構成される。圧電薄膜は極めて脆いため取り回しに伴う破損の恐れがあり、このため、圧電薄膜の破損を防ぐことを目的として、イオン注入層を分離面として圧電基板から圧電薄膜を分離形成する方法により圧電デバイスが製造されることがある(例えば特許文献1参照。)。この方法では、十分な厚みのある圧電基板の表面にイオンを注入し、所定の基板深さの位置にイオンの分布が集中するイオン注入層を形成する。そして、圧電基板をイオン注入面で支持基板に接合した後、イオン注入層を分離面として圧電基板から圧電薄膜を加熱分離する。これにより、圧電薄膜を単体で取り回すこと無く、圧電薄膜を支持基板に接合した構成の圧電デバイスを製造できる。
また、様々な薄膜デバイスで、加工性や生産性の観点から製造に転写法が採用されることがある(例えば特許文献2参照。)。転写法では、デバイスの機能部材を仮転写基板に形成した後、その機能部材を転写基板に接合し、仮転写基板を除去する。これにより、仮転写基板に形成した機能部材を転写基板側に移動させることができ、機能部材の形成に係るプロセス制約を転写基板が受けずに薄膜デバイスを製造でき、プロセス設計の自由度を高めることができる。仮転写基板から転写基板に機能部材を移動させるプロセスでは、仮転写基板と機能部材とを被エッチング層などを介して接合しておき、被エッチング層をエッチングすることで、仮転写基板が除去される。
特表2002−534886号公報 特開2006−295049号公報
上記転写法では被エッチング層の厚みが薄いほど製造コストを低減することができ、また、層構造の平坦性を改善することができる。しかしながら、被エッチング層の厚みが薄いほどエッチャントの置換が進みにくくなって、被エッチング層におけるエッチングの進行が滞り、実用的なエッチング速度を維持することが難しくなる。
そこで本発明の目的は、実用的なエッチング速度を維持するために必要な被エッチング層の厚みを従来よりも薄くすることができる、圧電デバイスの製造方法を提供することにある。
この発明の圧電デバイスの製造方法は、イオン注入工程と仮積層体形成工程と加熱分離工程と積層体形成工程とエッチング工程とを備え、エッチング工程を応力付与状態の積層体に対して実施することを特徴とする。イオン注入工程では、圧電基板のイオン注入面からイオン化した元素を注入して、圧電基板内部に注入された元素の濃度がピークとなる部分を形成する。仮積層体形成工程では、前記イオン注入面に少なくとも被エッチング層を介して仮基板を積層した構成の仮積層体を形成する。加熱分離工程では、前記仮積層体を加熱し、前記注入された元素の濃度がピークとなる部分を分離面として前記圧電基板から圧電薄膜を分離する。積層体形成工程では、前記分離面に少なくとも支持基板を積層した構成の積層体を形成する。エッチング工程では、前記被エッチング層をエッチングして、前記積層体から前記被エッチング層と前記仮基板とを除去する。このエッチング工程での積層体は、前記仮基板または前記支持基板に、仮基板と支持基板との間隔を広げるような応力が付与された応力付与状態とする。
仮基板または支持基板が、仮基板と支持基板との間隔を広げるように応力が付与されている応力付与状態で積層体をエッチングすると、圧電薄膜と仮基板との間で被エッチング層のエッチングが進行するに連れて、仮基板または支持基板の変形が大きくなる。すなわち、エッチングの進行にしたがって圧電薄膜と仮基板との間のギャップ間隔が拡大する。これにより、圧電薄膜と仮基板との間でエッチャントの置換が容易になりエッチングが滞ることがなくなる。
この発明は、前記エッチング工程よりも前工程で応力膜形成工程を実施すると好適である。応力膜形成工程では、前記仮基板または前記支持基板に、仮基板と支持基板との間隔を広げるような応力を付与する応力膜を形成する。この応力膜によって仮基板または支持基板を応力付与状態にすることができる。
この発明の応力膜形成工程は、前記積層体形成工程よりも後工程に実施すると好適である。これにより、仮基板および支持基板が平坦な状態で、イオン注入工程と仮積層体形成工程と加熱分離工程と積層体形成工程とを実施できる。
この発明の応力膜形成工程は、前記仮基板または前記支持基板の前記圧電薄膜との接合面と逆側の面に応力膜を形成し、前記仮基板または前記支持基板に引張り応力を付与する工程であると好適である。これにより、仮基板または支持基板と圧電薄膜との接合構造を従来構成から変更することなく、仮基板または支持基板を応力付与状態にすることができる。
この発明の応力膜は、前記仮基板に形成されると好適である。これにより、仮基板の除去によって応力膜も除去できる。
この発明の応力膜は、前記支持基板に形成されると好適である。この場合、エッチング工程の後で応力膜の除去を行うとよい。
この発明によれば、仮基板または支持基板に仮基板と支持基板との間隔を広げるような応力が付与された状態で積層体をエッチングするので、圧電薄膜と仮基板との間で被エッチング層のエッチングが進行するに連れて、圧電薄膜と仮基板との間の間隔が拡大する。これにより、エッチャントの置換が容易になるため、実用的なエッチング速度を維持するために必要な被エッチング層の厚みを薄くすることができ、製造コスト低減と層構造の平坦性向上が可能になる。
第1の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法を示すプロセスチャートである。 図1に示す各製造プロセスでの圧電デバイスの構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す各製造プロセスでの圧電デバイスの構成を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法を示す製造プロセスのチャートである。 図4に示す各製造プロセスでの圧電デバイスの構成を模式的に示す断面図である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法を、弾性表面波デバイスの製造方法を例に図1〜3を参照して説明する。なお、弾性表面波デバイス以外の圧電デバイス、例えば弾性境界波デバイスや板波デバイス、ジャイロ、RFスイッチ、焦電デバイスなどの製造方法にも本発明を適用することができる。
図1は、本実施形態に係る弾性表面波デバイスの製造方法を示す製造プロセスのチャートである。図2,3は図1に示す各製造プロセスでのデバイスの構成を模式的に示す断面図である。
まず、圧電体の単結晶基板である圧電基板1を用意し、イオン注入工程を行う(S101;図1,2)。このイオン注入工程では、圧電基板1の平坦な主面(イオン注入面)からイオンを注入し、これによりイオン注入面から所定深さの位置にイオンの分布が集中するイオン注入部分2を形成する。圧電基板1としては、支持基板との接合や取り回しに伴う破損が生じないような十分な厚みを持ち、イオン注入面が予め平坦化処理されているものを用いる。
なお、圧電基板1の材質は、イオン注入と加熱とによる分離が可能で、圧電性を有するものであればどのような材質であってもよく、ここではLT(LiTaO)の単結晶材料を用いる。その他、LN(LiNbO)、LBO(Li247)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、KN(KNbO3)、KLN(K3Li2Nb515)等の単結晶材料を用いることもできる。
また圧電基板1に注入するイオンは、圧電基板1の材質に合わせて選定するとよく、ここでは水素イオンを用いる。その他、ヘリウムイオンやアルゴンイオンなども用いることができる。イオン注入工程の設定条件は、圧電基板1の材質および必要な圧電薄膜の厚さに合わせて選定するとよい。ここでは加速エネルギー150KeV、ドーズ量1.0×1017atom/cm2とし、圧電基板1のイオン注入面から基板深さ約1μmの領域にイオン注入部分2を形成する。このイオン注入部分2は、圧電基板に注入されたイオン元素の濃度がピークになる部分である。なお、イオン注入部分2の基板深さは上記加速エネルギーに依存し、加速エネルギーを半分の75KeVとしてイオン注入を行う場合には、基板深さも半分の約0.5μmの領域にイオン注入部分2を形成することができる。
次に、圧電基板1のイオン注入面に被エッチング層3を積層形成する被エッチング層形成工程を行う(S102;図1,2)。被エッチング層3としては、後のエッチング工程において圧電薄膜や仮基板、支持基板など他の構成材料に対する選択性を確保してエッチングを行える構成材料を採用する必要があり、ここではCu膜とSiO膜とをスパッタ成膜により積層して形成したものを採用する。その他、ZnO、SiO2、AlNなどの無機材料や、Cu、Al、Tiなどの金属材料、ポリイミド系などの有機材料、あるいはそれらの多層膜も用いることができる。
次に、圧電基板1に積層した被エッチング層3に仮基板4を貼り合わせる仮支持工程を行う(S103;図1,2)。この工程と前述の被エッチング層形成工程とが仮積層体形成工程を構成し、圧電基板1と被エッチング層3と仮基板4とが仮積層体を構成する。仮基板4としてはどのような構成材料を採用しても良いが、ここでは圧電基板1と同種のLT基板を採用する。この場合、仮基板4と圧電基板1とで線膨張係数が等しくなるため、被エッチング層3近傍に作用する熱応力を顕著に小さくすることができる。なお、被エッチング層3の線膨張係数はLT基板の線膨張係数と異なるが、被エッチング層3として上記したCu膜のような延性が高い構成材料(金属材料など)を十分に薄くして設けることにより、被エッチング層3とLT基板との間での熱応力を無視できるほど小さくすることができる。
次に、被エッチング層3および仮基板4が配設された圧電基板1を加熱して、イオン注入部分2を分離面として圧電基板1から圧電薄膜11を分離する加熱分離工程を行う(S104;図1,2)。この工程では、線膨張係数差のほとんどない積層体を加熱するため、熱応力の発生を防ぎながら圧電薄膜11の加熱分離を行える。この工程で必要な加熱温度や加熱時間は圧電体やイオンの種類に応じて設定するとよい。ここでは、圧電基板1から圧電薄膜11を加熱分離するのと同時に、圧電薄膜11の圧電性を向上(回復)させるため、加熱分離に必要な温度(例えば400℃程度)よりも高温のアニール温度で長時間(例えば500℃、3時間)の熱処理を行う。これにより、昇温過程で加熱分離が起こった後、イオン注入工程等の前工程の影響により生じる圧電薄膜11の結晶性の劣化を回復させることができるため、その結果、圧電性を回復させることができる。
次に、圧電薄膜11の分離面を平坦化し、誘電体膜12を形成する分離面処理工程を行う(S105;図1,2)。ここでは、圧電薄膜11の分離面をCMP処理等により研磨し表面粗さRaを1nm以下にする。また誘電体膜12として例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、金属酸化物、金属窒化物、ダイヤモンドライクカーボンなどを成膜する。誘電体膜12を設けることにより、弾性表面波の伝搬速度を誘電体膜12の誘電率に応じてコントロールすることが可能になり、所望のデバイス特性を容易に実現できるようになる。この工程を加熱分離工程の後工程に実施するので、誘電体膜12は他部材との界面に作用する熱応力を考慮する必要が無く、任意の線膨張係数の構成材料から選定できる。なお、誘電体膜12としては、適切な誘電率であることは当然として、熱伝導性が大きく線膨張係数が小さい材質を用いると好適である。そのため、例えば線膨張係数の小さい層と熱伝導率の大きい層との二層構造のように、複数の層によって誘電体膜12を構成してもよい。熱伝導性が大きければ、弾性表面波デバイスの放熱性と耐電力性を改善でき、線膨張係数が小さければ、表面波デバイスの温度−周波数特性を改善できる。なお、誘電体膜12は本発明に必須の構成ではなく必ずしも設けなくてもよい。
次に、仮基板4、被エッチング層3、圧電薄膜11、および誘電体膜12を積層した積層体に、さらに支持基板13を貼り合わせる支持工程を行う(S106;図1,2)。この工程と前述の分離面処理工程とが積層体形成工程を構成する。この工程を加熱分離工程の後工程に実施するので、支持基板13は積層体との界面に作用する熱応力を考慮する必要が無く、任意の線膨張係数の構成材料から選定できる。そのため、支持基板13として単体での線膨張係数が圧電薄膜11に比べて著しく小さな構成材料を採用することも可能になり、弾性表面波デバイスの温度―周波数特性を大幅に改善させられる。また、支持基板13として熱伝導性の良い構成材料を採用することで、弾性表面波デバイスの放熱性、耐電力性を良化できる。さらに、支持基板13として安価な構成材料、形成方法を採用することで、弾性表面波デバイスの製造コストを低廉にできる。
次に、仮基板4、被エッチング層3、圧電薄膜11、誘電体膜12、および支持基板13からなる積層体に応力膜20を積層形成する応力膜形成工程を行う(S107;図1,3)。応力膜20は、支持基板13における積層体との接合面とは逆側の面に積層し、支持基板13に対して引張り応力を付与するように構成する。これにより支持基板13は応力付与状態となる。応力付与状態の支持基板13は、応力膜20から付与される引張り応力によって応力膜20側に凹に変形しようとするが、その変形は被エッチング層3を備える積層体に拘束されるため、支持基板13はほとんど変形すること無く、ほぼ平坦な形状を維持することになる。
なお応力膜20としては、後のエッチング工程で利用されるエッチャントに対して耐性のある材料であれば、レジスト、ポリイミドなどの樹脂材料や、Cu、Ni、Ti、NiCr、W、SiN、SiO2、AlNなどの材料を採用することができる。また、応力膜20の形成方法には、蒸着、スパッタ、CVDなどを採用することができる。応力膜20の構成材料、形成方法、および膜厚などの形成条件を適切に設定することで、応力膜20から支持基板13に対して引張り応力を付与することができる。
次に、被エッチング層3をエッチングするエッチング工程を行う(S108;図1,3)。この際、応力付与状態である支持基板13は、エッチングの進行に連れて被エッチング層3による拘束が解け、応力膜20から作用する引張り応力によって応力膜20側に凹に変形し、これにより仮基板4と圧電薄膜11との間のギャップ間隔が拡大していくことになる。応力膜20を設けていなければ仮基板4と圧電薄膜11との間のギャップ間隔は被エッチング層3の厚みとほぼ同じであるが、上述のように応力膜20を設けることで、ギャップ間隔を被エッチング層3の厚みよりも大きくすることができる。ギャップ間隔が広がることにより、ギャップ間でのエッチャント21の置換が進み易くなり、エッチング速度を向上させることができる。
具体的な例で説明すれば、100mmφの積層体に対して被エッチング層を5μm厚のCu膜として形成し、混酸(酢酸、リン酸、硝酸の混合液)を用いてエッチングを行った場合、積層体を応力付与状態としなければ24時間以上を全分離に要した。一方、タングステンまたはポリイミドの応力膜を3μm厚で形成して積層体を応力付与状態とした場合、約3時間で全分離を行うことができ、大幅にエッチング時間を短縮することができた。
なおエッチング工程は、ウエットエッチングあるいはドライエッチングのいずれを採用してもよく、被エッチング層3が無機系材料や金属系材料であればウエットエッチングを用い、有機系材料であればドライエッチングを用いるとよい。いずれの場合であっても仮基板4と圧電薄膜11との間のギャップが広がることにより、エッチャントの置換が進みやすくなり、エッチング速度を向上させることができる。また、本工程により仮基板4が積層体から除去されることになるが、この仮基板4は次回の圧電デバイスの製造に再利用するとよい。
次に、応力膜20を除去する応力膜除去工程を行う(S109;図1,3)。応力膜除去工程としては、応力膜20の構成材料に応じてエッチングなど適切な方法を採用するとよい。この工程により、支持基板13に応力膜20から作用していた引張り応力が無くなり、支持基板13の形状が平坦に戻る。
次に、圧電薄膜11上に、IDT電極14、引き回し配線16などを形成し、IDT電極保護膜15としてSiO膜を形成する電極形成・保護膜形成工程を行う(S110;図1,3)。IDT電極14は、2つの櫛歯状電極を互い違いに配置した構成のものであり、デバイスの仕様に応じて、Al、W、Mo、Ta、Hf、Cu、Pt、Ti、Au等を単体もしくは複数積層して用いる。また、それらの合金を用いてもよい。引き回し配線16はAl、Cu等を用いるとよい。
次に、外部端子となるバンプ17およびハンダボール18を形成し、圧電薄膜11、誘電体膜12、および支持基板13からなる積層体をダイシングし、複数の弾性表面波デバイス10を形成する外部端子形成・デバイスカット工程を行う(S111;図1,3)。
以上の各工程により、極薄の圧電薄膜11を誘電体膜12および支持基板13に付設した弾性表面波デバイス10(圧電デバイス)を形成できる。圧電基板1を仮基板4に接合した状態で圧電薄膜11を加熱分離するため、熱応力に基づく圧電薄膜11の不具合の発生を抑止できる。そして、積層体を応力付与状態にしてからエッチング工程を実施することにより、エッチング速度を向上させて仮基板4を取り除くことができる。したがって被エッチング層3の厚みを薄くしても、実用的なエッチング速度を確保することが容易となる。
なお、本実施形態では支持工程(S106)とエッチング工程(S108)との間に、応力膜形成工程(S107)を実施するが、予め支持基板に応力膜を形成しておいて、その応力膜付きの支持基板を支持工程で積層体に貼り合わせるようにしても良い。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態に係る弾性表面波デバイスの製造方法について説明する。図4は、本実施形態に係る弾性表面波デバイスの製造方法を示す製造プロセスのチャートである。図5は図4に示す製造プロセスの一部でのデバイスの構成を模式的に示す断面図である。本実施形態は、応力膜を支持基板ではなく仮基板に形成する点で第1の実施形態と相違する。
まず、第1の実施形態と同様に、イオン注入工程(S201;図4)、被エッチング層形成工程(S202;図4)、仮支持工程(S203;図4)、加熱分離工程(S204;図4)、分離面処理工程、および支持工程(S206;図4)を実施する。
そして、支持基板13では無く仮基板4に応力膜30を積層形成する応力膜形成工程を行う(S207;図4,5)。この工程では、仮基板4における被エッチング層3との接合面とは逆側の面に応力膜30を積層し、応力膜30から仮基板4に対して引張り応力を付与する。これにより、仮基板4は応力付与状態になる。すると、応力膜30から付与される引張り応力によって仮基板4は応力膜30側に凹に変形しようとするが、その変形は被エッチング層3および圧電薄膜11に拘束されるため、仮基板4はほとんど変形すること無く、ほぼ平坦な形状を維持する。
次に、被エッチング層3をエッチングするエッチング工程を行う(S208;図4,5)。この際、応力付与状態の仮基板4は、エッチングの進行に連れて被エッチング層3による拘束が解け、応力膜30から作用する引張り応力によって応力膜30側に凹に変形し、これにより仮基板4と圧電薄膜11との間のギャップ間隔が拡大していくことになる。ギャップ間隔が広がることにより、ギャップ間でのエッチャントの置換が進み易くなり、エッチング速度を向上させることができる。この工程によって、圧電薄膜11や支持基板13からなる積層体から、仮基板4と応力膜30とが除去される。
そして、前述の実施形態で実施していた応力膜除去工程を行うことなく、電極形成・保護膜形成工程(S209;図4)および外部端子形成・デバイスカット工程(S210;図4)を実施する。
以上の工程によっても弾性表面波デバイスを形成でき、やはり圧電薄膜11に支持基板13および仮基板4を積層した積層体を応力付与状態にしてからエッチング工程を実施することで、エッチング速度を向上させることができる。
なお、本実施形態では支持工程(S206)とエッチング工程(S208)との間に、応力膜形成工程(S207)を実施するが、予め仮基板4に応力膜30を形成しておいて、その応力膜30付きの仮基板4を仮支持工程(S203)で積層体に貼り合わせるようにしても良い。また、応力膜30付きの仮基板4を次回の圧電デバイスの製造に再利用するようにしてもよい。
以上の各実施形態で説明したようにして本発明は実施できるが、その他、仮基板や支持基板の逆側の面、即ち圧電薄膜との接合面側に、応力膜を付与するようにしてもよい。その場合、応力膜を成膜される仮基板や支持基板に対して、応力膜が圧縮の応力を付与するように応力膜の製造条件を設定することで、仮基板や支持基板を、仮基板と支持基板との間隔を広げるようにすることができる。
上述の各実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…圧電基板
2…イオン注入部分
3…被エッチング層
4…仮基板
10…弾性表面波デバイス
11…圧電薄膜
12…誘電体膜
13…支持基板
14…IDT電極
15…IDT電極保護膜
16…配線
17…バンプ
18…ハンダボール
20…応力膜
21…エッチャント

Claims (6)

  1. 圧電基板のイオン注入面からイオン化した元素を注入して、圧電基板内部に注入された元素の濃度がピークとなる部分を形成するイオン注入工程と、
    前記イオン注入面に少なくとも被エッチング層を介して仮基板を積層した構成の仮積層体を形成する仮積層体形成工程と、
    前記仮積層体を加熱し、前記注入された元素の濃度がピークとなる部分を分離面として前記圧電基板から圧電薄膜を分離する加熱分離工程と、
    前記分離面側に支持基板を積層した構成の積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記被エッチング層をエッチングして、前記積層体から前記被エッチング層と前記仮基板とを除去するエッチング工程とを備え、
    前記エッチング工程を、前記仮基板または前記支持基板に、仮基板と支持基板との間隔を広げるような応力が付与された応力付与状態の積層体に対して実施することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  2. 前記エッチング工程よりも前工程で、前記仮基板または前記支持基板に、仮基板と支持基板との間隔を広げるような応力を付与する応力膜を形成する応力膜形成工程を実施する、請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
  3. 前記応力膜形成工程は、前記積層体形成工程よりも後工程に実施する、請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
  4. 前記応力膜形成工程は、前記仮基板または前記支持基板の前記圧電薄膜との接合面と逆側の面に前記応力膜を形成し、前記仮基板または前記支持基板に引張り応力を付与する工程である、請求項2または3に記載の圧電デバイスの製造方法。
  5. 前記応力膜は前記仮基板に形成される、請求項2〜4のいずれかに記載の圧電デバイスの製造方法。
  6. 前記応力膜は前記支持基板に形成される、請求項2〜4のいずれかに記載の圧電デバイスの製造方法。
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