JP5581006B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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また、光ディスク用の紫外線硬化型接着剤組成物として、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤、及び光塩基発生剤を必須成分とする接着剤組成物(特許文献3参照)や、ヒンダードアミン化合物、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、及び光重合開始剤を必須成分とする接着剤組成物(特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献1〜4に開示されるいずれの接着剤も、ガラス板や金属板などに対する接着性は高いものの、PPやPEなど、極性の低いものに対しては、良好な接着性を示さなかった。
また、エラストマーなどの低硬度材料と金属、プラスチックなどの高硬度材料の接着の場合、収縮や変形による内部圧力の増加に伴う、応力集中が生じ、接着剤の剥離が生じる場合があった。
[(A)光硬化性官能基を含有する水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体]
本発明の主成分であり、極性の低い材料に対する接着性を得るために配合されるものである。
水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体の内、共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中では、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンが硬化後のゴム弾性確保の観点から好ましく、1,3−ブタジエンであることが特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体の内、芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン又はパラメチルスチレンが硬化後のゴム物性の点で好ましく、スチレンであることが特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着剤組成物に用いられる(メタ)アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリレートモノマーのエステル残基が炭素数8〜18のアルキル基、イソボルニル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニルオキシエチル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基又はノニルフェノキシポリアルキレングリコール残基があるが、本発明の接着剤組成物に用いられる(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリレートモノマーのエステル残基がイソボルニル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、又はジシクロペンテニル基である。
ここで、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールである。
また、(メタ)アクリレートモノマーのエステル残基とは、(メタ)アクリレートモノマーを構成する(メタ)アクリル酸と水酸基含有化合物の内、水酸基含有化合物の水酸基を1つ除いた残基をいう。
さらに、(メタ)アクリレートモノマーとは、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーをいう。
本発明の接着剤組成物は、さらに(C)無機フィラーを含有することができる。無機フィラーを配合することにより、硬化後の接着剤層に、より十分な強度を付与することができ、接着剤層のずれを防止することができるなど、必要な剛性を付与することができる。
(C)無機フィラーの含有量は、(A)成分100質量部に対して、20〜100質量部の範囲であることが好ましい。20質量部以上であると上記効果を十分に奏することができ、100質量部以下であれば、接着性を低下させることがない。
無機フィラーの平均粒径は、5〜100μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、さらに(D)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物を、接着剤組成物中のポリチオール化合物のメルカプト基の数に対して、(メタ)アクリロイル基の数の官能基数比(COCH=CH 2 基/SH基)が、0.5n〜20n(nはポリチオール1分子あたりの官能基数)の範囲となるように、含有させることが好ましい。本発明の接着剤組成物は、PP及びPE等の極性の低い被着体に対して、高い接着性を有することが特徴であるが、(D)成分を配合することによって、金属などの極性の高い被着体にも、同時に高い接着性を付与することができる。
また、(D)成分を配合することで、硬化後の接着剤組成物に伸びを付与することができ、例えば、温度変化による被着体の寸法変化などに対する追随性が向上する。
前記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。
ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物に含有させる光ラジカル重合開始剤の量は、該組成物に含まれる全エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して、通常、0.1〜10質量部程度、好ましくは0.5〜3質量部である。また、本発明においては、上記光ラジカル重合開始剤と共に、公知の光増感剤を併用することができる。
(E)成分の光ラジカル重合開始剤としては、分子内開裂型及び/又は水素引き抜き型を用いることができる。
分子内開裂型としては、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184、イルガキュア127、イルガキュア2959]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア819]などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、任意成分として、例えば単官能(メタ)アクリレートモノマー、有機増粘剤、カップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性向上剤、補強剤、内部離型剤、軟化剤、着色剤、レベリング剤、難燃剤、帯電防止剤などを用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に一つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、本発明の接着剤組成物の粘度調整や、得られる接着剤組成物の物性調整のために、必要に応じ、適宜量用いられる化合物である。
この単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機増粘剤としては、水添ひまし油、アマイドワックス又はこれらの混合物が好ましい。有機増粘剤として具体的には、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)の水添品である水添ひまし油[例えば、ズードケミー触媒(株)製、商品名:ADVITROL100、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン305など]及びアンモニアの水素をアシル基で置換した化合物である高級アマイドワックス[例えば、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500など]などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記無機充填剤と併用してもよい。
カップリング剤は、基材の種類に応じて、基材との接着性をさらに向上させるために、適宜量用いられる。このカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などがあるが、中でもシラン系カップリング剤が好適である。
上記シラン系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの不飽和基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシジル基含有シランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらのシラン系カップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の接着剤組成物に用いられる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール,ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール),2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3'−ビス−(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−トリス(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、α−トコフェロール等が例示される。
この酸化防止剤の配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、前記(A)成分の光硬化性官能基を含有する水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体、(B)成分のアクリルモノマー、(D)成分のポリチオール化合物と、所望により用いられる単官能(メタ)アクリレートモノマーとの合計量(以下「ゴム成分」という場合がある。)100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
本発明の接着剤組成物に用いられる光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系などの紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられるが、これらの中でヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
このヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,N,N',N",N"'−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5.1.11.2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステルプロパンジオイックアシッド、〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物において、所望により用いられる接着性向上剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、当該接着剤組成物は、所望により、ガラス繊維や炭素繊維などの補強剤;水添ヒマシ油、無水硅酸微粒子などの垂れ止め剤;ステアリン酸などの脂肪酸、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスなどの内部離型剤;プロセスオイルなどの軟化剤;着色剤;レベリング剤;難燃剤;帯電防止剤等を配合することができる。
本発明の接着剤組成物は、基本的には無溶媒であるが、必要に応じ溶媒を加えてもよい。
本発明の接着剤組成物の調製方法に特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の(A)〜(E)成分及び所望により用いられる各添加成分を温度調節可能な混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、高剪断型ミキサーなどを用いて混練することにより、調製することができる。
このようにして得られた接着剤組成物の硬化前の粘度は、25℃において、1〜1000Pa・sの範囲である。1Pa・s未満であると、形状保持の点で問題があり、1000Pa・sを超えると、塗布が容易ではない。以上の点から、硬化前の粘度は、25℃で、10〜500Pa・sの範囲が好ましい。
本発明においては、前記のようにして調製した接着剤組成物を被着体に塗布し、エネルギー線を照射することにより、接着剤層を形成する。
エネルギー線としては、前述したように、操作性、生産性及び経済性などの観点から、紫外線が好適である。なお、紫外線を用いる場合には、本発明の接着剤組成物として、光ラジカル重合開始剤を含むものを用いることが好ましい。
紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波方式エキシマランプ等を挙げることができる。紫外線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気あるいは酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気でも十分に硬化させることができる。照射雰囲気温度は、通常10〜200℃とすることができる。
(評価方法)
1.接着力
各実施例及び比較例で得られた接着剤組成物を、厚さが2mmになるように被着体に塗布し、硬化させた。硬化は、温度25℃にて紫外線(センエンジニアリング社製、紫外線照射機「UV1501BA−LT」、同社製メタルハライドランプ「SE−1500M」を使用)を、照度150mW/cm2、照射時間60secの条件で行った。該被着体を固定し、硬化体の引き上げ部分をPETフィルムで補強した後、引張速度50mm/minの条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)で評価した。
2.硬度
JIS−A K6253に準拠して測定した。
充分に脱水精製したシクロヘキサン溶媒中に、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン1モルを添加した後、トリエチルアミン2モル、sec−ブチルリチウム2モルを順次添加し、50℃で2時間撹拌して、ジリチウム重合開始剤を調製した。
アルゴン置換した7リットルの重合リアクターに、脱水精製したシクロヘキサン1.90kg、22.9質量%の1,3ブタジエンモノマーのヘキサン溶液を2.00kg、20.0質量%のスチレンモノマーのシクロヘキサン溶液を0.765kg、1.6モル/リットルの2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液を130.4ml添加した後、0.5モル/リットルのジリチウム重合開始剤を108.0ml添加して重合を開始させた。
重合リアクターを50℃に昇温しながら、1.5時間重合を行った後、1モル/リットルのエチレンオキシドのシクロヘキサン溶液を108.0ml添加し、さらに2時間撹拌した後、50mlのイソプロピルアルコールを添加した。共重合体のヘキサン溶液をイソプロピルアルコール中に沈殿させ、十分に乾燥させて共重合体ポリオールを得た。この共重合体ポリオールは両末端OH基スチレン−ブタジエン共重合体であり、スチレン分は25質量%であり、重量平均分子量は14,500、分子量分布は1.20であった。
十分に乾燥した水添共重合体ポリオール100gを、それぞれ、シクロヘキサンに溶解させ、40℃に保ち十分に撹拌しながら2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:カレンズAOI)をゆっくり滴下した後、さらに4時間撹拌を行い、イソプロピルアルコールに沈殿させ乾燥させた。2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの添加量は、2.49gであった。以上のようにして、水添重合体ポリオールからアクリロイル基含有水添スチレン−ブタジエン共重合体(水添SBRジアクリレート)を得た。
表1及び2に示す配合組成の接着剤組成物を調製し、上記方法によって評価した。評価結果を表1及び2に示す。
1)水添SBRジアクリレート:製造例1により調製
2)モノマーA:大阪有機化学(株)製「IBXA」
3)モノマーB:共栄社化学(株)製「ライトアクリレートEHDG−AT」
4)光重合性開始剤:チバ・スペシャルティケミカルズ「DAROCUR1173」
5)タルクA:日本タルク(株)「MS−P」
6)タルクB:日本タルク(株)「P−4」
7)ポリチオール化合物:2官能チオール化合物、SC有機化学(株)製「EGMP−4」、テトラエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)
8)市販品:UV硬化ウレタン系接着剤、長瀬ケムテックス(株)製
したがって、本発明の接着剤組成物は、PPやPEなどの極性の低い材料と、他の材料とを直接接着させることができる。
Claims (10)
- (A)光硬化性官能基を含有する水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体100質量部に対して、(B)(メタ)アクリレートモノマー1〜40質量部、及び(C)無機フィラーを含有する接着剤組成物であって、(B)(メタ)アクリレートモノマーのエステル残基がイソボルニル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、又はジシクロペンテニル基であり、(C)無機フィラーがタルク、シリカ(SiO2)、アルミナ及び粘度鉱物から選ばれる少なくとも1種であり、硬化前の25℃での粘度が1〜1000Pa・sである接着剤組成物。
- 前記(C)無機フィラーを、(A)成分100質量部に対して、20〜100質量部含有する請求項1に記載の接着剤組成物。
- さらに(D)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物を、接着剤組成物中のポリチオール化合物のメルカプト基の数に対して、(メタ)アクリロイル基の数の官能基数比(COCH=CH2基/SH基)が、0.5n〜20n(nはポリチオール1分子あたりの官能基数)の範囲となるように含有する請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- 前記水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を構成する共役ジエン単量体が1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンである請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 前記水添共役ジエン−芳香族ビニル共重合体を構成する芳香族ビニル単量体がスチレン、α−メチルスチレン及び/又はパラメチルスチレンである請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 前記光硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基である請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
- (D)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物が、水酸基2〜6個を有する多価アルコールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルである、請求項3に記載の接着剤組成物。
- 水酸基2〜6個を有する多価アルコールが、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールである、請求項7に記載の接着剤組成物。
- 前記光が、紫外線であり、(E)光ラジカル重合開始剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 光ラジカル重合開始剤が、分子内開裂型及び/又は水素引抜き型である、請求項9に記載の接着剤組成物。
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