JP2015206403A - 複合積層体およびその製造方法、並びに、免震構造体 - Google Patents

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隆浩 森
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Abstract

【課題】製造に要する時間が短く、生産性の高い複合積層体、および、その複合積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とが交互に積層されてなる積層体と、積層体の外周側に配設された被覆層とを備える複合積層体であって、被覆層が、紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して得た硬化物よりなることを特徴とする、複合積層体である。また、積層体の外周面に紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、塗布された紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して被覆層を形成する被覆工程を含む、複合積層体の製造方法である。シート状に成形した紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射してシート状の硬化物を得るシート形成工程と、シート状の硬化物を積層体の外周面に貼り付けて被覆層を形成する被覆工程とを含む、複合積層体の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震装置の支承等として使用される免震構造体用の複合積層体およびその製造方法、並びに、免震構造体に関するものである。
従来、ゴム等の粘弾性的性質を有する弾性板と鋼板等の剛性板とを交互に積層してなる積層体を備える免震構造体が、免震装置の支承等として使用されている。また、近年では、免震構造体の耐候性を向上させ、長期に亘って所望の減衰性能を発揮し得る免震構造体を得る観点から、弾性板と剛性板とを交互に積層してなる積層体の外周面に被覆層を形成することが提案されている。
ここで、積層体の外周面に被覆層を形成してなる複合積層体を用いた従来の免震構造体では、被覆層の材料として、ゴムや、自然硬化性または熱硬化性のエラストマーが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−239855号公報
しかし、上記従来の複合積層体には、耐候性を向上させることはできるものの、製造に要する時間が長く、生産性が低いという問題があった。即ち、被覆層の材料としてゴムや熱硬化性エラストマーを用いた複合積層体は、積層体の外周面に未加硫ゴムまたは熱硬化性エラストマーを配置したものを金型内で加熱し、積層体と被覆層とを一体的に加硫・硬化させることにより、或いは、積層体とは別個に加硫・硬化させたゴムシートまたは熱硬化性エラストマーのシートを積層体の外周面に貼り付けることにより製造する必要があった。また、被覆層の材料として自然硬化性エラストマーを用いた複合積層体では、積層体の外周面に自然硬化性エラストマーを塗工した後、例えば常温で1週間放置して、塗工した自然硬化性エラストマーを硬化させなければならなかった。
そこで、本発明は、製造に要する時間が短く、生産性の高い複合積層体、および、その複合積層体の製造方法、並びに、当該複合積層体を用いた免震構造体を提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を有利に解決するものであり、本発明の複合積層体は、剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とが交互に積層されてなる積層体と、当該積層体の外周側に配設された被覆層とを備える複合積層体であって、前記被覆層が、紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して得た硬化物よりなることを特徴とする。上記硬化物を用いて被覆層を形成すれば、ゴムや、自然硬化性または熱硬化性のエラストマーを用いて被覆層を形成する場合と比較し、被覆層の形成に要する時間を大幅に短縮することができる。従って、複合積層体の生産性を高めることができる。
ここで、前記被覆層の破断伸びは300%以上であることが好ましい。被覆層の破断伸びが300%以上であれば、地震の発生に伴って複合積層体がせん断変形した際の被覆層の変位追従性を十分に確保することができるからである。なお、本発明において、「破断伸び」とは、JIS K6251に準拠して測定した引張破断伸びを指す。
そして、前記紫外線硬化性の樹脂組成物は、数平均分子量が3000以上のベースポリマーと、モノマーと、光重合開始剤とを含むことが好ましい。数平均分子量が3000以上のベースポリマーを含む樹脂組成物を用いれば、硬化物の破断伸びを十分に大きくして、被覆層の変位追従性を確保することができるからである。なお、本発明において、「数平均分子量」とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)を用いて測定したポリスチレン換算値を指す。
ここで、前記モノマーの含有量は、前記ベースポリマーの含有量の0.25倍以上4.0倍以下であることが好ましい。モノマーの含有量がベースポリマーの含有量の0.25倍以上4.0倍以下であれば、樹脂組成物を用いた被覆層の成形性の低下を抑制することができるからである。
また、樹脂組成物はチオール化合物を更に含むことが好ましい。樹脂組成物がチオール化合物を含む場合、硬化物の破断伸びを十分に大きくして、被覆層の変位追従性を確保することができるからである。
また、前記被覆層は、接着層を介して積層体の外周面に接着されていることが好ましい。接着層を介して被覆層を接着すれば、被覆層と積層体との接着性を向上させることができるからである。
なお、本発明の免震構造体は、上述した複合積層体の何れかを備えることを特徴とし、生産性が高いものである。
そして、本発明の複合積層体は、剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とを交互に積層して積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体の外周面に紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、塗布された紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して前記積層体の外周側に被覆層を形成する被覆工程とを含む複合積層体の製造方法を用いて製造することができる。
また、本発明の複合積層体は、剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とを交互に積層して積層体を形成する積層体形成工程と、シート状に成形した紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射してシート状の硬化物を得るシート形成工程と、前記シート状の硬化物を前記積層体の外周面に貼り付けて前記積層体の外周側に被覆層を形成する被覆工程とを含む複合積層体の製造方法を用いて製造することができる。
これらの製造方法によれば、ゴムや、自然硬化性または熱硬化性のエラストマーを用いて被覆層を形成する場合と比較し、短時間で複合積層体を製造することができる。
本発明によれば、製造に要する時間が短く、生産性の高い複合積層体、および、その複合積層体の製造方法、並びに、当該複合積層体を用いた免震構造体を提供することができる。
本発明に従う代表的な複合積層体を使用した免震構造体の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここで、本発明に従う複合積層体は、免震装置の支承等として使用される免震構造体に用いられる。
(免震構造体)
ここで、図1に、本発明の複合積層体の一例を用いた免震構造体について、複合積層体の積層方向に沿う断面を示す。図1に断面を示す免震構造体1は、剛性を有する剛性板2と、弾性を有する弾性板3とが交互に積層されてなり、積層方向(鉛直方向)に延びる円筒状の中空部を中心部に有する積層体4と、積層体4の中空部に圧入された円筒状の免震構造体用プラグ5と、積層体4および免震構造体用プラグ5の両端(上端および下端)に固定されたフランジ板6とを備えている。また、免震構造体1の積層体4の外周面は、被覆層7により覆われている。即ち、免震構造体1は、積層体4と、積層体4の外周側に配設された被覆層7とを備える複合積層体を有している。
そして、この免震構造体1では、振動により水平方向のせん断力を受けた際には、被覆層7で被覆された積層体4と、免震構造体用プラグ5とがせん断変形し、振動のエネルギーを効果的に吸収して、振動を速やかに減衰する。また、免震構造体1では、積層体4が、剛性板2と弾性板3とを交互に積層して構成されているため、積層方向(鉛直方向)に荷重が作用しても、圧縮が抑制されている。更に、免震構造体1では、積層体4が被覆層7で被覆されているので、酸素、オゾン、紫外線等による積層体4の劣化を防止することができる。
なお、免震構造体1の積層体4に圧入する免震構造体用プラグ5としては、特に限定されることなく、既知の免震構造体用プラグを用いることができる。なお、上記一例の免震構造体1では、複合積層体の積層体4に中空部を設け、該中空部に免震構造体用プラグ5を圧入しているが、本発明の複合積層体を用いた免震構造体の構成は、免震構造体用プラグを有する構成には限定されない。即ち、本発明の複合積層体の積層体は、中空部を有していない、中実の積層体であってもよい。
(複合積層体)
複合積層体を構成する積層体4の剛性板2としては、鋼板等の金属板、セラミックス板、FRP等の強化プラスチックス板等を用いることができる。一方、弾性板3としては、加硫ゴム製の板等を使用することができる。そして、本発明の複合積層体は、積層体4の外周側に配設された被覆層7を、紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して得た硬化物を用いて形成したことを特徴とする。ここで、「紫外線硬化性の樹脂組成物」とは、紫外線の照射により硬化可能な樹脂組成物を指す。
なお、紫外線硬化性の樹脂組成物は、紫外線の照射により迅速に硬化させることができる。従って、紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して得た硬化物を用いて被覆層7を形成すれば、ゴムや、自然硬化性または熱硬化性のエラストマーを用いて被覆層7を形成する場合と比較し、被覆層7の形成に要する時間を大幅に短縮することができる。よって、本発明の複合積層体は、生産性が高い。
ここで、振動により免震構造体1が水平方向のせん断力を受けた際には、複合積層体の被覆層7は、積層体4および免震構造体用プラグ5と共にせん断変形する。そのため、被覆層7は、破断伸びが300%以上であることが好ましく、破断伸びが500%以上であることがより好ましく、700%以上であることが更に好ましい。破断伸びが300%以上であれば、免震構造体1が大きなせん断力を受けた場合であっても被覆層7がせん断変形に良好に追従することができるので、被覆層7が損傷し難いからである。
なお、被覆層7の破断伸びは、例えば、被覆層7を構成する硬化物の化学構造や数平均分子量等を制御することにより調整することができる。具体的には、被覆層7を構成する硬化物の破断伸びは、硬化物を形成する化合物が長い鎖状であるほど、および/または、化合物の数平均分子量が大きいほど、大きくなる。
従って、被覆層7を構成する硬化物の数平均分子量は、3000〜30000であることが好ましい。数平均分子量が3000以上である場合、硬化物の破断伸びを十分に大きくし、被覆層7の変位追従性を確保することができるので、免震構造体1が大きなせん断力を受けた場合であっても、被覆層7が損傷し難いからである。また、数平均分子量が30000以下であれば、硬化物の形成に使用する樹脂組成物の粘度の調整が容易であるからである。
ここで、上述した被覆層7の形成に用いることができる紫外線硬化性の樹脂組成物としては、特に限定されることなく、ベースポリマーと、モノマーと、光重合開始剤と、任意にその他の添加剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。この樹脂組成物は、紫外線の照射により光重合開始剤由来のラジカルが発生してベースポリマーとモノマーとが次々に結合することにより、硬化する。
ベースポリマーは、樹脂組成物の主成分であり、例えば、1分子中に重合性二重結合を1つ以上、好ましくは2つ以上、更に好ましくは2つ有する。ここで、被覆層7の破断伸びを向上させる観点からは、ベースポリマーは鎖状のポリマーであることが好ましく、また、ベースポリマーの数平均分子量は3000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましく、7000以上であることがより好ましく、9000以上であることが特に好ましい。ベースポリマーが鎖状のポリマーであれば、樹脂組成物を硬化させてなる硬化物で構成された被覆層7の破断伸びを十分に向上させることができるからである。また、ベースポリマーの数平均分子量が3000以上であれば、樹脂組成物を硬化させてなる硬化物で構成された被覆層7の破断伸びを十分に向上させることができるからである。なお、ベースポリマーの数平均分子量は、50000以下であることが好ましく、30000以下であることがより好ましく、15000以下であることが更に好ましい。ベースポリマーの数平均分子量が50000以下であれば、樹脂組成物の成形性が低下するのを抑制することができ、被覆層7を良好に形成することができるからである。
ここで、ベースポリマーとしては、特に限定されることなく、(メタ)アクリロイル基を有する液状オリゴマーや、水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオールまたは水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂を挙げることができる。
ここで、(メタ)アクリロイル基を有する液状オリゴマーとしては、特に制限はなく、例えばウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーおよびその水素添加物などを挙げることができる。
ここで、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、カーボネートジオールなどとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
また、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、液状スチレン−ブタジエン共重合体をアクリル変性して得られるSBRジアクリレート、ポリイソプレンをアクリル変性して得られるポリイソプレンジアクリレートなどが挙げられ、水素添加共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば両末端に水酸基を有する、水素添加ポリブタジエンまたは水素添加ポリイソプレンの前記水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を指し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを指し、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を指す。
水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオールまたは水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂は、例えば特開2011−236297号公報に記載の方法に従って製造することができる。
ここで、モノマーとしては、特に限定されることなく、(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に(メタ)アクリロイル基1個を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーが好適である。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子量1,000未満のものが好ましく、例えばシクロへキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリレートモノマーのアルコール残基としては、アルコール残基が架橋脂環式炭化水素基であるものが好ましく、具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの二環系脂環族炭化水素基を有するもの、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの三環系脂環族炭化水素基を有するものが好適である。さらには、飽和架橋脂環式炭化水素基が好ましい。より具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
光重合開始剤は、紫外線の照射によりラジカルを発生させるものである。そして、紫外線の照射により発生したラジカルは、ベースポリマーやモノマーの重合性二重結合と反応する。
そして、光重合開始剤としては、特に限定されることなく、分子内開裂型および/または水素引き抜き型の光重合開始剤を用いることができる。
分子内開裂型としては、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184、イルガキュア127、イルガキュア2959]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア819]などが挙げられる。
水素引き抜き型としては、ベンゾフェノン類とアミンの併用、チオキサントンとアミンの併用などが挙げられる。また、分子内開裂型と水素引き抜き型を併用してもよい。中でもオリゴマー化したα−ヒドロキシアセトフェノン及びアクリレート化したベンゾフェノン類が好ましい。より具体的には、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン][例えば、Lamberti S.p.A製、商品名:ESACURE KIP150など]、アクリル化ベンゾフェノン[例えは、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)製、商品名:Ebecryl P136など]、イミドアクリレートなどが挙げられる。
なお、光重合開始剤としては、これらの他に、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾイルブチルエーテル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマーと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの混合物、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチルおよび[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタンなども用いることができる。
ここで、樹脂組成物中のモノマーの含有量は、ベースポリマーの含有量の0.25倍以上であることが好ましく、4.0倍以下であることが更に好ましく、0.6倍以上2.4倍以下であることが特に好ましい。モノマーの含有量がベースポリマーの含有量の0.25倍以上であれば、樹脂組成物の粘度を低減して、樹脂組成物の成形性が低下するのを抑制することができるからである。また、モノマーの含有量がベースポリマーの含有量の4.0倍以下であれば、樹脂組成物の粘度が低下し過ぎるのを抑制して、樹脂組成物の成形性が低下するのを抑制することができるからである。
また、樹脂組成物は、チオール化合物を更に含むことが好ましい。チオール化合物は、樹脂組成物に紫外線を照射した際に、生成する硬化物の主鎖の長さを調節(長く)する鎖長調節剤として機能する。従って、チオール化合物を配合すれば、硬化物の破断伸びを十分に大きくして、被覆層7の変位追従性を確保することができるからである。なお、硬化物の取り扱い性の観点からは、樹脂組成物中のチオール化合物の含有量は、モノマーおよびベースポリマーの合計100質量部当たり5質量部以下であることが好ましい。チオール化合物をモノマーおよびベースポリマーの合計100質量部当たり5質量部以下の割合で含有すれば、硬化物の架橋密度が低下し過ぎるのを抑制し、硬化物の表面がべたつくのを抑制することができるからである。なお、チオール化合物は、樹脂組成物中のベースポリマーの数平均分子量が20000未満の際に配合することが特に好ましい。チオール化合物を用いれば、ベースポリマーの数平均分子量が20000未満の場合であっても、硬化物の主鎖の長さを十分に長くして被覆層7の破断伸びを十分に向上させることができるからである。
ここで、チオール化合物としては、分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物を挙げることができる。
このようなポリチオール化合物としては、分子内にメルカプト基を2〜6個有するものであればよく、特に制限されず、例えば、炭素数2〜20程度のアルカンジチオールなどの脂肪族ポリチオール類、キシリレンジチオールなどの芳香脂肪族ポリチオール類、アルコール類のハロヒドリン付加物のハロゲン原子をメルカプト基で置換してなるポリチオール類、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール類、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、またはβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物からなるポリチオール類などを挙げることができる。
これらのポリチオール類の中で、反応性がよく、かつ化学構造の制御が容易な、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、またはβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物、特にβ−メルカプトプロピオン酸とのエステル化物、またはβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物からなるポリチオール類が好適である。
前記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。
前記炭素数2〜20のアルカンジオールは、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリチオール化合物として、例えばエチレングリコールジ(チオグリコレート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリメチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、プロピレングリコールジ(チオグリコレート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,3−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,4−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、ネオペンチルグリコールジ(チオグリコレート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(チオグリコレート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,8−オクタンジオールジ(チオグリコレート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,9−ノナンジオールジ(チオグリコレート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトブタネート)、ジエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ジプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(チオグリコレート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物の(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、グリセロールトリ(チオグリコレート)、グリセロールトリ(β−メルカプトプロピオネート)、グリセロールトリ(β−メルカプトブタネート)、ジグリセロールテトラ(チオグリコレート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトブタネート)、トリメチロールプロパントリ(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトブタネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(チオグリコレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトブタネート)、ペンタエリスリトールテトラ(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトブタネート)などを好ましく用いることができる。
因みに、上述した紫外線硬化性の樹脂組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、任意成分として、例えば無機充填材、有機増粘剤、カップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤などを含有してもよい。例えば無機充填材としてシリカを配合した場合には、樹脂組成物のチクソ性や、硬化物の破断強度を高めることができる。
そして、紫外線硬化性の樹脂組成物は、上述した各成分をそのまま混合して調製することができる。
ここで、上記一例の免震構造体1の複合積層体では、積層体4の外周面を被覆層7で直接被覆したが、本発明の複合積層体では、被覆層は接着層を介して積層体の外周面に接着されていてもよい。接着層を用いれば、積層体と、被覆層を構成する硬化物との接着性を考慮する必要がなくなり、被覆層の耐候性や破断伸びを自由に向上させることができる。
なお、接着層としては、剛性板や弾性板との接着性と、被覆層との接着性との双方が良好な樹脂組成物、例えば紫外線硬化性の樹脂組成物を用いることができる。
(複合積層体の製造方法)
そして、上述した複合積層体は、例えば以下のようにして製造することができる。
即ち、まず、剛性板2と弾性板3とを、例えば加硫接着により、或いは、接着剤により強固に貼り合わせることにより、積層体4を形成する(積層体形成工程)。
なお、加硫接着を用いて積層体4を形成する場合には、剛性板2と未加硫ゴム組成物との積層体を加硫して形成することができる。
次に、下記(1)または(2)の何れかを実施し、積層体の外周側に被覆層7を配設する。
(1)積層体形成工程において形成した積層体4の外周面に、上述した紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布する。そして、塗布された紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射し、樹脂組成物を硬化させて樹脂組成物の硬化物よりなる被覆層を形成する(被覆工程)。なお、樹脂組成物の塗布は、特に限定されることなくスプレー塗布などの既知の手法を用いて行うことができる。
(2)上述した紫外線硬化性の樹脂組成物を、プレス加工などの既知の手法を用いてシート状に成形する。そして、シート状に成形した紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射し、樹脂組成物を硬化させてシート状の硬化物を得る(シート形成工程)。その後、シート形成工程において形成したシート状の硬化物を、積層体形成工程において形成した積層体4の外周面に貼り付けて被覆層7を形成する(被覆工程)。なお、シート状の硬化物の貼り付けは、特に限定されることなく、積層体4の外周面と、シート状の硬化物との間に上述した接着層を配置することにより行うこともできる。
以上、図面を参照して本発明の複合積層体および複合積層体の製造方法、並びに、免震構造体について説明したが、本発明の複合積層体および複合積層体の製造方法、並びに、免震構造体は、上記一例に限定されることはなく、本発明の複合積層体および複合積層体の製造方法、並びに、免震構造体には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(水添SBRの調製)
アルゴン置換した7リットルの重合リアクターに、脱水精製したシクロヘキサン1.90kg、22.9質量%の1,3−ブタジエンモノマーのヘキサン溶液を2.00kg、20.0質量%のスチレンモノマーのシクロヘキサン溶液を0.765kg、1.6モル/リットルのOOPS(2−2'−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン)のヘキサン溶液を130.4ml添加した後、0.5モル/リットルのジリチウム重合開始剤を108.0ml添加して重合を開始させた。
重合リアクターを50℃に昇温しながら、1.5時間重合を行った後、1モル/リットルのエチレンオキシドのシクロヘキサン溶液を108.0ml添加し、さらに2時間撹拌した後、50mlのイソプロピルアルコールを添加した。重合体のヘキサン溶液をイソプロピルアルコール中に沈殿させ、十分に乾燥させて重合体ポリオールを得た。この重合体ポリオールは両末端OH基スチレン−ブタジエン共重合体であり、数平均分子量は12,100、分子量分布は1.20であった。
なお、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)を用いて測定したポリスチレン換算値である。
次に、得られた重合体ポリオール120gを、十分に脱水精製したヘキサン1リットルに溶解した後、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル、トリエチルアルミニウム、ブタジエンを1:3:3(モル比)の割合で含む触媒液を重合体溶液中のブタジエン部1000モルに対してニッケル1モルになるように仕込んだ。密閉反応容器に水素を27580hPa(400psi)で加圧添加して、110℃にて4時間水添反応を行った。その後、3規定濃度の塩酸で触媒残渣を抽出分離し、さらに遠心分離をして触媒残渣を沈降分離した。その後、得られた水添重合体ポリオールをイソプロピルアルコール中に沈殿させ、更に十分に乾燥を行った。
そして、十分に乾燥した水添重合体ポリオール100gを、それぞれ、シクロヘキサンに溶解させ、40℃に保ち十分に撹拌しながら2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:カレンズAOI)をゆっくり滴下した後、さらに4時間撹拌を行い、イソプロピルアルコールに沈殿させ乾燥させた。2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの添加量は、2.49gであった。以上のようにして得た水添重合体ポリオール(水添SBR)の数平均分子量は12,800であった。
(水添BRの調製)
ブタジエン重合体よりなる重合体ポリオール(日本曹達(株)製:GI1000)100gをシクロヘキサンに溶解させ、40℃に保ち十分に撹拌しながら2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:カレンズAOI)をゆっくり滴下した後、さらに4時間撹拌を行い、イソプロピルアルコールに沈殿させ乾燥させた。2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの添加量は、28.2gであった。以上のようにして得た水添重合体ポリオール(水添BR)の数平均分子量は1800であった。
(実施例1〜19)
表1に示す配合処方の光重合性の樹脂組成物を調製した。そして、得られた樹脂組成物をシート状に成形した後、紫外線を照射(紫外線照射装置:センエンジニアリング製、UV1501BA-LT)して、厚さ2mmのシート状の硬化物を得た。
次に、外径が80cmで、剛性を有する剛性板[鉄板]と弾性を有する弾性板[加硫ゴム板(G'=0.4MPa)]とを交互に積層してなる積層体の外周面に、接着層を介してシート状の硬化物を貼り付け、紫外線照射(線照射装置:センエンジニアリング製、UV1501BA-LT、照射量:9000mJ/cm)により接着層を硬化させて、シート状の硬化物よりなる被覆層を有する複合積層体を得た。なお、接着層には紫外線硬化性の樹脂組成物を使用した。
<樹脂組成物の成形性>
調製した樹脂組成物を用いてシートを作製し、ダンベル打ち抜き試験(作成したシートをダンベル状8号型で打ち抜く試験)を行った。そして、成形性について以下の基準で評価を行った。
○:良好(粘着性が高くなく、べとつかず、打ち抜きし易い)
△:(やや打ち抜き困難。打ち抜き金具に材料が付きやすい、粘度がやや高く、もしくはやや低く、シートをやや成形し難い)
×:成形困難(粘着性が高く、打ち抜き金具に付着し、剥がすのが非常に困難。粘度が非常に高く、もしくは低く、シートを非常に成形し難い)
<被覆層の耐久性>
調製した複合積層体に対し、積層体の総厚さを100%として、歪み500%の加振変位を50サイクル加えた。そして、変位を加えた後の被覆層の状態を目視で確認し、以下に基準で評価を行った。
○:問題なし
×:被覆層が剥離
<引張強度>
複合積層体から被覆層のサンプルを切り出した。そして、JIS K6251に準拠して、被覆層の引張強度を測定した。
<破断伸び>
複合積層体から被覆層のサンプルを切り出した。そして、JIS K6251に準拠して、被覆層の破断伸びを測定した。
Figure 2015206403
表1より、実施例4〜8、10〜17の複合積層体は、成形性および耐久性の双方に優れていることが分かる。また、モノマーの含有量がベースポリマーの含有量の5.67倍の樹脂組成物を用いた実施例1の複合積層体は、成形性が悪く、硬化後に引張強度および破断伸びを測定することができなかった。
(比較例1)
外径が225mmで、剛性を有する剛性板[鉄板]と弾性を有する弾性板[加硫ゴム板(G'=0.4MPa)]とを交互に積層してなる積層体の外周面に、未加硫ゴムシートを貼り付け、加硫して加硫ゴムよりなる被覆層を有する複合積層体を製造した。
そして、複合積層体の製造に要した時間を、実施例1〜18と比較した。
その結果、実施例1〜18の複合積層体の製造に要した時間は、比較例1の複合積層体の製造に要した時間よりも14%短かった。
本発明によれば、製造に要する時間が短く、生産性の高い複合積層体、および、その複合積層体の製造方法、並びに、当該複合積層体を用いた免震構造体を提供することができる。
1 免震構造体
2 剛性板
3 弾性板
4 積層体
5 免震構造体用プラグ
6 フランジ板
7 被覆層

Claims (9)

  1. 剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とが交互に積層されてなる積層体と、当該積層体の外周側に配設された被覆層とを備える複合積層体であって、
    前記被覆層が、紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して得た硬化物よりなることを特徴とする、複合積層体。
  2. 前記被覆層の破断伸びが、300%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の複合積層体。
  3. 前記紫外線硬化性の樹脂組成物が、数平均分子量が3000以上のベースポリマーと、モノマーと、光重合開始剤とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の複合積層体。
  4. 前記紫外線硬化性の樹脂組成物は、前記モノマーの含有量が、前記ベースポリマーの含有量の0.25倍以上4.0倍以下であることを特徴とする、請求項3に記載の複合積層体。
  5. 前記紫外線硬化性の樹脂組成物が、チオール化合物を更に含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の複合積層体。
  6. 前記被覆層が、接着層を介して積層体の外周面に接着されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の複合積層体。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の複合積層体を備えることを特徴とする、免震構造体。
  8. 剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とを交互に積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体の外周面に紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、塗布された紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射して前記積層体の外周側に被覆層を形成する被覆工程と、
    を含むことを特徴とする、複合積層体の製造方法。
  9. 剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とを交互に積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
    シート状に成形した紫外線硬化性の樹脂組成物に対して紫外線を照射してシート状の硬化物を得るシート形成工程と、
    前記シート状の硬化物を前記積層体の外周面に貼り付けて前記積層体の外周側に被覆層を形成する被覆工程と、
    を含むことを特徴とする、複合積層体の製造方法。
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