JP5603130B2 - 硬化物の製造方法、並びに硬化物、電子部品用シール材及び電子部品用ガスケット材 - Google Patents

硬化物の製造方法、並びに硬化物、電子部品用シール材及び電子部品用ガスケット材 Download PDF

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Description

本発明は、水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂を用いた硬化物の製造方法、並びに該製造方法により得られた硬化物、該硬化物からなる電子部品用シール材及び該硬化物からなる電子部品用ガスケット材に関するものである。
近年、シール材や接着材用に種々の光硬化性樹脂が開発されている。
例えば、特許文献1には、木工合板、家具、楽器等の木工製品の表面加工用のポリエーテルポリオール系光硬化性樹脂が開示されている。しかし、ポリエーテルポリオールは親水性が高く水蒸気透過性が大きいために水蒸気バリア性が要求されるシール材やガスケット材等への使用は不適当である。
また、特許文献2には、木工塗料用ポリエステルポリオール系光硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、ポリエステルポリオールは高温高湿環境下ではポリエステル主鎖が加水分解劣化を受けるため、高温高湿環境にさらされるシール材やガスケット材等への使用は不適当である。
上記の水蒸気透過性や高温高湿環境への耐久性を改良するものとして、ポリブタジエン系光硬化性樹脂組成物が知られている。例えば、特許文献3には、ブタジエンを1,2−結合で重合させて得られる高分子鎖又は水添された高分子鎖を有し、且つ分子内に水酸基を有する高分子の該水酸基をアクリロイル基やメタクリロイル基等の重合性官能基で修飾した液状ポリブタジエン(メタ)アクリレートを用いた光学器械や精密機械等の接着剤等が開示されている。しかし、これらは、1,2−結合又は水添ポリブタジエン系光硬化性樹脂としての分子量が低いために、架橋点間分子量が小さく、高架橋となりゴム弾性を阻害するため、水蒸気透過性には優れるが、弾性率が高く、伸びもなく引張強度が小さいばかりか疲労性も悪いので、ガスケット、パッキン、シール材等にしようすると割れたりして実用性に乏しかった。
そこで、分子量や分子量分布を制御して高分子量化することができ、且つ光硬化性にも優れ、上述の硬化後の物性が大幅に改良される水添共役ジエン系(共)重合体系光硬化性液状樹脂が開発されている(特許文献5参照)。
特開平5−202163号公報 特開2000−219714号公報 特開2002−371101号公報 特公平1−53681号公報 特開2007−145949号公報
特許文献5に記載の光硬化性液状樹脂を含有する組成物は、硬度が低く、且つ耐熱性が良好である。しかし、通常、光硬化性樹脂組成物は、光硬化性液状樹脂中の未反応成分や低分子成分がアウトガスとして発生する傾向にあるため、該アウトガスの低減のために、十分にベーキングする必要があり、硬化物の硬度が高まるという問題や、生産性を高めることが困難という問題があった。
本発明はこのような状況下になされたものであり、硬化物を所望の硬度に(例えば55度以下に)維持しながら、透湿性が低く、高い耐候性を有し、且つアウトガスの少ない硬化物を生産性良く製造する方法、並びに該製造方法により得られた硬化物、該硬化物からなる電子部品用シール材及び該硬化物からなる電子部品用ガスケット材を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の液状樹脂、特定のモノマー、光ラジカル重合開始剤及び特定の熱ラジカル重合開始剤を特定比率で反応させることにより、硬化物を所望の硬度に(例えば55度以下に)維持しながら、透湿性が低く、高い耐候性を有し、且つアウトガスの少ない硬化物を生産性良く製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1]少なくとも、(1)水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂90〜30質量%及び(2)単官能又は2官能(メタ)アクリレート10〜70質量%の合計100質量部に対して、(3)光ラジカル重合開始剤0.01〜5質量部、及び(4)熱ラジカル重合開始剤0.1〜10質量部を混合し、活性エネルギー線を照射して反応させることによる、硬化物の製造方法。
[2]水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールが、下記工程(A)〜(B)又は(A)〜(C)により製造される、上記[1]に記載の硬化物の製造方法。
(A)飽和炭化水素系溶媒中で、ジリチウム開始剤により、共役ジエン系単量体を重合、又は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合して、重量平均分子量5,000〜40,000及び分子量分布3.0以下を有する共役ジエン系重合体又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体を製造する工程。
(B)前記共役ジエン系重合体又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体とアルキレンオキシドとを反応させて、共役ジエン系重合体ポリオール又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
(C)前記共役ジエン系重合体ポリオール又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールに水素添加反応し、水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
[3]前記芳香族ビニル系単量体が、スチレン、α−メチルスチレン及びパラメチルスチレンから選択される少なくとも1種である、上記[2]に記載の硬化物の製造方法。
[4]前記不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基が(メタ)アクリロイル基である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化物の製造方法。
[5]前記熱ラジカル重合開始剤が、ケトンパーオキサイド系重合開始剤、ヒドロパーオキサイド系重合開始剤、ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤、パーオキシケタール系重合開始剤、パーオキシエステル系重合開始剤、パーオキシジカーボネート系重合開始剤及びジアシルパーオキサイド系重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化物の製造方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた硬化物。
[7]上記[6]に記載の硬化物からなる電子部品用シール材。
[8]上記[6]に記載の硬化物からなる電子部品用ガスケット材。
本発明によれば、硬化物を所望の硬度に(例えば55度以下に)維持しながら、透湿性が低く、高い耐候性を有し、且つアウトガスの少ない硬化物を生産性良く製造する方法を提供することができる。
[硬化物の製造方法]
本発明は、少なくとも、(1)水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂90〜30質量%及び(2)単官能又は2官能(メタ)アクリレート10〜70質量%の合計100質量部に対して、(3)光ラジカル重合開始剤0.01〜5質量部、及び(4)熱ラジカル重合開始剤0.1〜10質量部を混合し、活性エネルギー線を照射して反応させることによる、硬化物の製造方法である。
以下、成分(1)〜(4)について順に説明する。
((1)液状樹脂)
成分(1)は、水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂である。該液状樹脂は、光や熱によって硬化させることができる。
かかる水添もしくは非水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添もしくは非水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールは、下記工程(A)〜(B)又は(A)〜(C)により製造することが好ましい。
(A)飽和炭化水素系溶媒中で、ジリチウム開始剤により、共役ジエン系単量体を重合、又は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合して、重量平均分子量5,000〜40,000及び分子量分布3.0以下を有する共役ジエン系重合体又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体を製造する工程。
(B)前記共役ジエン系重合体又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体とアルキレンオキシドとを反応させて、共役ジエン系重合体ポリオール又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
(C)前記共役ジエン系重合体ポリオール又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールに水素添加反応し、水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
前記工程(A)の反応はリビングアニオン重合であるために、分子量及び分子量分布を制御して重合できる。分子量は、ジリチウム開始剤と上記単量体の量により所定の分子量の重合体を重合することが可能であり、特に重量平均分子量が5,000以上では、分子量分布が2以下の狭い重合体を得易い。また、所望により、ランダマイザーの存在下にアニオン重合をさせてもよい。
次に、工程(B)として、上記工程(A)で得られた(共)重合体の、リビングアニオンである重合体末端とアルキレンオキシドとを当量反応させることにより、両末端に水酸基を有する共役ジエン系重合体ポリオール又は共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオール(以下、(共)重合体ポリオールと総称することがある。)を得ることができる。
さらに、工程(C)として、主鎖に二重結合を有する工程(B)で得られた(共)重合体ポリオールに水素添加反応(以下、水添反応という)を行うことにより、水添共役ジエン系重合体ポリオール又は水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオール(以下、水添(共)重合体ポリオールと総称することがある。)を得ることができる。
前記工程(A)で使用し得る共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、硬化後に有することが好ましいゴム弾性確保の観点から、1,3−ブタジエンが好ましい。
また、芳香族ビニル系単量体としては、硬化後のゴム物性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン又はパラメチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記工程(A)で用いるジリチウム開始剤としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、特許文献4(特公平1−53681号公報)には、モノリチウム化合物を第三級アミンの存在下に、2置換ビニル又はアルケニル基含有芳香族炭化水素(例えば1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン等)と反応させてジリチウム開始剤を製造する方法が記載されている。
ジリチウム開始剤を製造するときに用いるモノリチウム化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム等が挙げられる。これらの中でも、sec−ブチルリチウムが好ましい。
ジリチウム開始剤を製造する時に用いる第三級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等の低級脂肪族アミンやN,N−ジフェニルメチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、トリエチルアミンが好ましい。
また、上記2置換ビニル又はアルケニル基含有芳香族炭化水素としては、例えば、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン、1,4−(ジイソプロペニル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチルエテニル)ベンゼン、1,4−ビス(1−エチルエテニル)ベンゼン等が好ましく挙げられる。
前記ジリチウム開始剤の調製、及び(共)重合体の製造において用いる溶媒としては、反応に不活性な有機溶剤であればよく、脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶媒が用いられる。なお、該溶媒については、特許文献5(特開2007−145949号公報)を参照できる。
また、工程(B)で用いるアルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシド等が挙げられる。このポリオール化反応(工程(B))は、重合反応(工程(A))の直後に行うのが好ましい。
工程(B)により得られた(共)重合体ポリオールの重量平均分子量が5,000以上であれば、架橋点間分子量を大きくすることができ、光硬化反応後、弾性率を低く且つ伸び(Eb)を大きくすることができるため、好ましい。一方、(共)重合体ポリオールの重量平均分子量が40,000以下のものを製造するのであれば、工程(A)にてジリチウム触媒で重合を行う際に、重合粘度が高くなり過ぎることがなく、重合プロセスとして固形分濃度を下げる必要がないので、低コストとなり好ましい。工程(B)により得られた(共)重合体ポリオールの重量平均分子量は、5,000〜30,000がより好ましい。
また、分子量分布が3.0以下であれば、低分子量成分や高分子量成分による様々な影響を抑制することができる。特に、粘度は分子量の影響を大きく受けるため、分子量のブレは粘度バラツキとなる。前記方法であれば、狭い分子量分布の(共)重合体を合成できるため、再現性良く同じ分子量の(共)重合体を得ることができ、粘度を安定化させる効果が期待できる。
本発明で用いるような液状の材料(液状樹脂)は、ディスペンサー塗布を行う場合が多く、この場合、材料粘度のバラツキは塗布後の寸法のバラツキを生じるので、粘度の安定化は重要であり、分子量分布が3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。
工程(C)の水添反応は、有機溶媒中、水素加圧下及び水添触媒の存在下、工程(B)で得られた(共)重合体ポリオールに水素添加することによって行われる。
本発明方法で用いる水添触媒は、パラジウム−カーボン、還元ニッケル、ロジウム系等不均一系触媒:又はナフテン酸ニッケル、オクタン酸ニッケル等の有機ニッケル化合物あるいはナフテン酸コバルト、オクタン酸コバルト等の有機コバルト化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物もしくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムのような有機リチウム化合物を組合せた均一触媒が使用できる。なお、共触媒として、例えばテトラハイドロフラン、エチレグリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物を用いてもよい。
また、他の水添反応方法としては、例えば上記水添前の(共)重合体ポリオールを、ジシクロペンタジエニルチタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸ニッケルと周期律表第I〜III族の有機金属化合物からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケイソウ土等で担持されたニッケル、白金、バラジウム、ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体等を触媒として、1〜100気圧に加圧された水素下、あるいはリチウムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニルヒドラジドの存在下、もしくはZr−Ti−Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaNi5合金等の水素貯蔵合金の存在下、あるいは1〜100気圧に加圧された水素下で、水素化する方法、また、ジ−p−トリル−ビス(1−シクロペンタジエニル)チタニウムのシクロヘキサン溶液とn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液を水素下で混合して得られる水素化触媒を用いて、1〜100気圧に加圧された水素下で、水素添加する方法等を挙げることができる。
上述の各種水添触媒の中で、遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物の組み合わせからなるチーグラー系水添触媒又はパラジウム−カーボン系水添触媒が好ましい。
かかる遷移金属化合物としては、トリス(アセチルアセトナート)コバルト、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル 、トリス(アセチルアセトナート)鉄、トリス(アセチルアセトナート)クロム、トリス(アセチルアセトナート)マンガン、ビス(アセチルアセトナート)マンガン、トリス(アセチルアセトナート)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナート)コバルト、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタン、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(トリフェニルホスフィン)コバルトジクロライド、ビス(2−ヘキサノエート)ニッケル 、ビス(2−ヘキサノエート)コバルト、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド等が挙げられる。これらの中でも、水添活性の観点から、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル、トリス(アセチルアセトナート)コバルトが好ましい。
また、チーグラー系水添触媒に用いるアルキルアルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド。これらの中でも、水添活性の観点から、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが好ましく、トリイソブチルアルミニウムがより好ましい。
チーグラー系水添触媒の使用形態に特に制限はないが、予め遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物とを反応させた触媒溶液を調製し、それを重合溶液に添加する方法を好ましく挙げることができる。かかる際に用いるアルキルアルミニウム化合物の量は、遷移金属化合物1モルに対して0.2〜5モルが好ましい。上記の触媒調製の反応は、−40〜100℃、好ましくは0〜80℃の温度範囲で行われ、反応時間は1分〜3時間の範囲である。
また、工程(C)の水添反応の温度は、通常、好ましくは50〜180℃、より好ましくは70〜150℃である。また、該水添反応は、好ましくは5〜100気圧(5,066.25〜101,325hPa)、より好ましくは10〜50気圧(10132.5〜50,662.5hPa)の水素圧にて行われる。反応温度及び水素圧がこの範囲であれば、触媒活性を高く維持でき、触媒の失活や副反応等が起こり難いため、好ましい。
以上のようにして得られる水添(共)重合体ポリオールに、不飽和炭化水素基含有化合物を反応させて、該水添(共)重合体ポリオールの末端に不飽和炭化水素基を導入する。
該不飽和炭化水素基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。不飽和炭化水素基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネートが好ましく、これらとの反応により、上記の水添(共)重合体ポリオールは(メタ)アクリレート化される。
(メタ)アクリロイルイソシアネートとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
以上の様にして得られる液状樹脂に対して、(2)イソボルニル(メタ)アクリレート、(3)光ラジカル重合開始剤、及び(4)熱ラジカル重合開始剤としてジパーオキサイド化合物を混合し、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して反応させる。
((2)単官能又は2官能(メタ)アクリレート)
単官能又は2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子量が1,000未満のものが好ましく、150〜600のものがより好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレートが好ましい。
また、2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
単官能又は2官能(メタ)アクリレートは、硬化前の光硬化性組成物の粘度を低減するばかりでなく、硬化後の諸物性も改良する。すなわち、接着強度の向上、硬度の低下、Eb(伸び)及びTb(破断強度)の向上等を図ることができる。そのため、3官能以上の(メタ)アクリレートではなく、単官能又は2官能(メタ)アクリレートを必須としているが、3官能以上の(メタ)アクリレートを併用することを否定するものではない。なお、3官能以上の(メタ)アクリレートを併用する場合、その配合量は、(メタ)アクリレートの全量に対して、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
単官能又は2官能(メタ)アクリレートの配合量は、成分(1)及び(2)の合計に対して10〜70質量%であり、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜40質量%である。10質量%以上であれば、全成分を混合して反応させるときに粘度低減効果を享受でき、押出し、吐出等をし易くなり、シール材等に形成し易くなる。また、60質量%以下であれば、全成分を混合して反応させるときに粘度が低くなり過ぎず、形成直後のシール材等が流下しにくくなる。さらに、硬化後のシール材等の接着強度や弾性も確保されるので、気密性が損なわれにくい。
((3)光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、分子内開裂型として、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184、イルガキュア127]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア819]等が挙げられ、水素引き抜き型として、ベンゾフェノン類とアミンの併用、チオキサントンとアミンの併用等が挙げられる。また、分子内開裂型と水素引き抜き型を併用してもよい。中でもオリゴマー化したα−ヒドロキシアセトフェノン及びアクリレート化したベンゾフェノン類が好ましい。より具体的には、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン][例えば、Lamberti S.p.A製、商品名:ESACURE KIP150等]、アクリル化ベンゾフェノン[例えは、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)製、商品名:Ebecryl P136等]、イミドアクリレート等が挙げられる。
また、光ラジカル重合開始剤として、上述のもの以外に、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾイルブチルエーテル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマーと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの混合物、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル及び[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン等も用いることができる。
光硬化性組成物に配合される光ラジカル重合開始剤量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.2〜2質量部である。
((4)熱ラジカル重合開始剤)
本発明では、硬化物の硬化工程を効率化し、硬化物からのアウトガス発生を効果的に低減するため、前記成分(3)と共に、熱ラジカル重合開始剤を併用する必要がある。
熱ラジカル重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系重合開始剤(H−OO−CR'R''−OO−H等)、ヒドロパーオキサイド系重合開始剤(R−OOH)、ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤(R−OO−R')、パーオキシケタール(パーオキシアセタール)系重合開始剤(R−OO−CR'R''−OO−R''')、パーオキシエステル系重合開始剤(R−CO−OO−R')、パーオキシジカーボネート系重合開始剤(R−O−CO−OO−CO−O−R')、ジアシルパーオキサイド系重合開始剤(R−CO−OO−CO−R')等の有機化酸化物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。なお、前記R、R'、R''、R'''は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基を表し、「−CR'R''−」部位は、炭素原子と共に一緒になって脂肪族環(例えばシクロヘキサン環等)を形成していてもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、後述するベーキング温度にてラジカルを発生し易く、且つ反応性が高いという観点及び貯蔵安定性の観点から、有機化酸化物が好ましく、ケトンパーオキサイド系重合開始剤、ヒドロパーオキサイド系重合開始剤、ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤、パーオキシケタール系重合開始剤、パーオキシエステル系重合開始剤がより好ましい。さらに、分子鎖中の水素引き抜き能力の観点から、ケトンパーオキサイド系重合開始剤、ハイドロパーオキサイド系重合開始剤、ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤、パーオキシケタール系重合開始剤がより好ましい。
ケトンパーオキサイド系重合開始剤としては、例えばメチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
ヒドロパーオキサイド系重合開始剤としては、例えば2,5−ビス(ヒドロパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤としては、例えば2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルジオキシ)−3−ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタール系重合開始剤としては、例えば1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ブチル−4,4−ビス(t−ブチルジオキシ)バリレート等が挙げられる。
パーオキシエステル系重合開始剤としては、例えばアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,3',4,4'−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート系重合開始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド系重合開始剤としては、例えばジベンゾイルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
(その他の成分)
前記成分(1)〜(4)に加え、さらに分子内にメルカプト基を2〜6個有するポリチオール化合物を共に混合してもよい。
該ポリチオール化合物としては、分子内にメルカプト基を2〜6個有するものであればよく、特に制限されず、例えば、炭素数2〜20程度のアルカンジチオール等の脂肪族ポリチオール類、キシリレンジチオール等の芳香脂肪族ポリチオール類、アルコール類のハロヒドリン付加物のハロゲン原子をメルカプト基で置換してなるポリチオール類、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール類、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、又はβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物からなるポリチオール類等を挙げることができる。
前記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。
ポリチオール化合物の具体例としては、例えばエチレングリコールジ(チオグリコレート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリメチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、プロピレングリコールジ(チオグリコレート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,3−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,4−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、ネオペンチルグリコールジ(チオグリコレート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(チオグリコレート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,8−オクタンジオールジ(チオグリコレート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,9−ノナンジオールジ(チオグリコレート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトブタネート)、ジエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ジプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(チオグリコレート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物の(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、グリセロールトリ(チオグリコレート)、グリセロールトリ(β−メルカプトプロピオネート)、グリセロールトリ(β−メルカプトブタネート)、ジグリセロールテトラ(チオグリコレート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトブタネート)、トリメチロールプロパントリ(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトブタネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(チオグリコレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトブタネート)、ペンタエリスリトールテトラ(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトブタネート)等が挙げられる。
さらに、前記成分(1)〜(4)を混合して反応させる際、無機充填剤及び/又は有機増粘剤を添加すると、組成物に揺変性(チクソトロピー)を持たせ、混合物の成形性を向上させることができる。
無機充填剤としては、シリカ(SiO2)、アルミナ、チタニア及び粘度鉱物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ粉末、疎水処理したシリカ粉末又はこれらの混合物が好ましい。より具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300等]、このシリカ微粉末をトリメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX300等]及び上記シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRY300等]等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒径は、増粘性、チクソトロピーの付与の観点から、5〜50μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
無機充填剤を添加する場合、その添加量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜7質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
有機増粘剤としては、水添ひまし油、アマイドワックス又はこれらの混合物が好ましい。有機増粘剤として具体的には、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)の水添品である水添ひまし油[例えば、ズードケミー触媒(株)製、商品名:ADVITROL100、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン305等]及びアミド結合を有する化合物である高級アマイドワックス[例えば、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500等]等が挙げられる。
有機増粘剤を添加する場合、その添加量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜7質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
本発明においては、さらに末端(メタ)アクリレートオリゴマーを添加して反応させてもよい。末端(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することにより、光硬化性組成物の粘度を調節することができ、また、物理的には、硬度の低下、Eb(伸び)及びTb(破断強度)の向上等を図ることができる。なお、末端(メタ)アクリレートオリゴマーとは、片末端又は両末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するオリゴマーをいう。
末端(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば水添ポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリオール(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
末端(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、透湿性及び耐候性の点から、炭化水素系のオリゴマー、すなわち、非水添又は水添オリゴマー、末端(メタ)アクリレート水添オリゴマーが好ましい。末端(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは5,000〜40,000、より好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量がこの範囲であると、液体原料として取り扱い易く、且つ硬化物が低硬度であるという利点がある。
末端(メタ)アクリレートオリゴマーを添加する場合、その添加量は、硬化物の耐候性を維持し、透湿性を低く維持する観点から、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対し、好ましくは120質量部以下、より好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
本発明においては、さらに安定化剤等を添加して反応させてもよい。
安定化剤としては、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート][例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:「IRGANOX(登録商標)245」、旭電化工業(株)製、商品名:「アデカスタブ(登録商標)AO−70」等]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン[例えば、旭電化工業(株)製、商品名:「アデカスタブ(登録商標)AO−80」等]等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
安定化剤を添加する場合、その添加量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
さらに、本発明の硬化物を電子部品用シール材又はガスケット材として用いる場合における電子部品との密着性を向上させるという観点から、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等の各種粘着付与剤、チタンブラック等の着色剤等の添加剤を添加して反応させてもよい。これらを添加する場合、その添加量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜3質量部である。
本発明では、前記成分(1)〜(4)及び必要に応じて前記その他の成分を混合して光硬化性組成物とし、次いで紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することによって反応・硬化させて、硬化物を製造する。
各成分の混合方法に特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、各成分を温度調節可能な混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネリーミキサー、二軸ミキサー、高剪断型ミキサー等を用いて混練することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線及び電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線が挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波方式エキシマランプ等が挙げられる。活性エネルギー線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気、又は酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気でも十分に硬化させることができる。照射雰囲気温度は、通常、好ましくは10〜200℃、より好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは10〜80℃である。積算光量は、好ましくは2,000〜10,000mJ/cm2であるが、本発明では、2,000〜6,000mJ/cm2でも十分であり、2,000〜4,000mJ/cm2でも十分である。
なお、得られた硬化物に再度活性エネルギー線を照射することにより、性状を安定化させ、アウトガスの発生量を低減することもできるが、本発明の方法によれば、そのような操作を行わなくても十分に安定化させ、且つアウトガスの発生量を低減することができる。また、得られた硬化物に十分に熱を加える(ベーキングする)ことにより、硬化物からのアウトガスの発生を低減することが通常行われているが、本発明の方法によって得られた硬化物であれば、アウトガス発生要因である未反応成分及び低分子成分が低減されているため、ベーキング操作を短縮、場合によっては省略することも可能であり、生産性を高めることができる。なお、ベーキング温度は、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜170℃、さらに好ましくは130〜170℃である。
こうして得られる硬化物は、JIS K6253に準拠してタイプAデュロメータにより測定したJIS−A硬度が58度以下であり、十分なシール性を有する。硬化物の前記JIS−A硬度は、より好ましくは10〜55度、さらに好ましくは20〜55度、特に好ましくは25〜52度である。
また、得られる硬化物の透湿度は40g/m2・24h以下であり、シール材やガスケットとしての機能が十分に発揮される。硬化物の透湿度は、より詳細には15g/m2・24h以下であり、さらに詳細には3〜10g/m2・24h程度である。
また、各成分を混合して得られた光硬化性組成物を被着体に塗布し、それからエネルギー線照射により硬化させることにより、本発明の電子部品用ガスケット材や、その他の電子部品用シール材を製造することができる。被着体としては、例えば、硬質樹脂からなるものも使用することができるが、加工性等から金属製のものが好ましい。金属としては特に制限はなく、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板、マグネシウム合金板等の中から、適宜選択して用いることができる。また、マグネシウムを射出成形したものも用いることができる。耐食性の点から、無電解ニッケルめっき処理を施した金属が好適である。この無電解ニッケルめっき処理方法としては、従来金属素材に適用されている公知の方法、例えば硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、乳酸、プロピオン酸等を適当な割合で含有するpH4〜5程度で、且つ温度85〜95℃程度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴中に、金属板を浸漬する方法等を用いることができる。
また、電子部品用シール材の用途としては、HDD用等のガスケット、液晶シール等が挙げられる。シール材の厚さは、用途により適宜選定することができるが、通常0.1〜2mm程度である。
上記光硬化性組成物の被着体等の基材への塗布は、該組成物を必要に応じて温度調節し、一定粘度に調整した塗液を用いて任意の方法で行うことができ、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピング、ディスペンシング、インクジェット等の方法を用いることができる。
シール材において、シール層の断面形状は、良好なシール性を確保しつつHDD等の電子機器又は印刷機器内のスペースを効率良く使用する観点から、シール層の幅1に対してシール層の高さが0.2〜2であることが好ましく、0.3〜2がより好ましい。一度で高さが得られない場合は複数回に分けて塗布することができる。この場合、一段塗布するごとにエネルギー線を照射して硬化させることも可能である。
本発明の電子部品用シール材は、電子部品用ガスケット材として好適であり、特に、ハードディスク装置用ガスケット材として好適である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、アウトガス発生量、透湿度、耐候性及び硬度は、下記の方法に従って測定した。
(アウトガス発生量)
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)により、硬化物200mg当たりのアウトガス含有量を測定し、アウトガス発生量の指標とした。
〜GC−MS分析条件〜
GC条件:
使用カラム「キャピラリカラム」(長さ30m×内径250μm)
オーブン(条件;40℃から300℃まで昇温)
注入口温度 250℃
キャリアーガス・・・ヘリウム
注入モード・・・スプリットレス法
MS条件:
測定方法・・・SCAN法
インターフェース温度 280℃
イオン源温度 230℃
検出器電圧 1500V
(透湿度)
コーターによって、接着性組成物を厚さ約1mmに成膜し、表1に記載の紫外線照射条件にて硬化した。この硬化物を用い、JIS Z0208に準拠して、カップ法により40℃及び相対湿度95%の条件にて透湿度を測定し、透湿性の指標とした。
(耐候性:サンシャインウェザー劣化試験)
スガ試験機株式会社製の試験装置「サンシャインスーパーウェザーメーター」を用いて、100時間後に硬化物の表面に生じたクラック及び黄変の程度を確認し、下記評価基準に従って評価した。
−クラック−
○:クラックなし
△:若干の亀裂あり
×:亀裂が多数あり
−黄変−
○:黄変なし
△:若干、黄変している
×:完全に黄変している
(硬度)
JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメータにより硬化物の硬度を測定した。試験体として、厚さ約0.9mmのシート7枚を積層した厚さ約6mmのものを用いた。
製造例1(末端変性SBRの製造)
まず、充分に脱水精製したシクロヘキサン中に、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン1molを添加した後、トリエチルアミン2mol、sec−ブチルリチウム2molを順次添加し、50℃で2時間攪拌して、ジリチウム重合開始剤を調製した。
アルゴン置換した7Lの重合反応器に、脱水精製したシクロヘキサン1.9kg、22.9質量%の1,3−ブタジエンモノマーのヘキサン溶液を2.0kg、20.0質量%のスチレンモノマーのシクロヘキサン溶液を0.765kg、1.6mol/Lの2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液を130.4ml添加した後、0.5mol/Lのジリチウム重合開始剤を108.0ml添加して重合を開始させた。
重合反応器を50℃に昇温しながら、1.5時間重合を行った後、1mol/Lのエチレンオキシドのシクロヘキサン溶液を108.0ml添加し、さらに2時間撹拌した後、50mlのイソプロピルアルコールを添加した。重合体のヘキサン溶液をイソプロピルアルコール中に沈殿させ、十分に乾燥させて重合体ポリオールを得た。この重合体ポリオールは、両末端に水酸基を含有する、非水添のスチレン−ブタジエン共重合体であり、スチレン含有量は25質量%であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP)法を用いたポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14,500、分子量分布は1.20であった。
(不飽和炭化水素基含有化合物との反応)
十分に乾燥した上記重合体ポリオール100gをシクロヘキサンに溶解させ、40℃に保ち十分に撹拌しながら2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:カレンズAOI)3.76gをゆっくり滴下した後、さらに4時間撹拌を行い、イソプロピルアルコールに沈殿させ乾燥させ、液状樹脂である末端変性スチレン−ブタジエン共重合体(末端変性SBR)を得た。
製造例2(末端変性水添SBRの製造)
製造例1と同様にして、重合体ポリオール、つまり、両末端に水酸基を含有するスチレン−ブタジエン共重合体を製造した。該重合体ポリオールのスチレン含有量は25質量%であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP)法を用いたポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14,500、分子量分布は1.20であった。
(水添処理)
得られた重合体ポリオール120gを、十分に脱水精製したヘキサン1Lに溶解した後、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル、トリエチルアルミニウム、ブタジエンが1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体溶液中のブタジエン部1,000molに対してニッケル1molになるように仕込んだ。密閉反応容器に水素を27,580hPa(400psi)に加圧添加して、110℃にて4時間水添反応を行った。その後、3規定濃度の塩酸で触媒残渣を抽出分離し、さらに遠心分離をして触媒残渣を沈降分離した。その後、得られた水添重合体ポリオールをイソプロピルアルコール中に沈殿させ、更に十分に乾燥を行った。
(不飽和炭化水素基含有化合物との反応)
十分に乾燥した上記の水添重合体ポリオール100gをシクロヘキサンに溶解させ、40℃に保ち十分に撹拌しながら2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:カレンズAOI)3.76gをゆっくり滴下した後、さらに4時間撹拌を行い、イソプロピルアルコールに沈殿させ乾燥させ、液状樹脂である末端変性水添スチレン−ブタジエン共重合体(末端変性水添SBR)を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜4
表1に示す各成分を各配合量にて、25℃でプラネタリーミキサーにて混練し、光硬化性組成物を得た。得られた各光硬化性組成物をコンベアベルトにて搬送しながら、光源にメタルハライドランプを使用し、紫外線照射機(装置名「ライトハンマー6」、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製)により、空気雰囲気下で下記条件1又は条件2に従って紫外線を照射し、適宜ベーキングすることにより、硬化物を得た。
得られた硬化物のアウトガス発生量、透湿度及び硬度を測定した結果を表1に示す。
(紫外線照射条件)
条件1:照度1100mW/cm2(波長320〜390nm)、積算光量2,500mJ/cm2(照射1回に相当する。)
条件2:照度1100mW/cm2(波長320〜390nm)、積算光量7,500mJ/cm2(照射3回に相当する。)
Figure 0005603130
表中の注釈は、以下の通りに説明される。
*1:製造例2で得た末端変性水添SBR
*2:製造例1で得た末端変性SBR(非水添)
*3:商品名「UV−3000B」、光硬化性ポリウレタンアクリレート、日本合成化学(株)製、重量平均分子量18,000
*4:商品名「Irgacure(登録商標)184」(1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
*5:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
*6:160℃で4時間加熱した。
表1より、実施例で得られた硬化物は、少ない紫外線照射量であっても、アウトガス発生量が低減されている。さらに、透湿性が低く、高い耐候性を有し、さらに硬度が40〜50度の間にあるため、電子部品用シール材、特に電子部品用ガスケット材として好適である。
本発明により得られる硬化物は、各種用途のシール材として、例えば、HDD用等のガスケット、液晶シール等に利用可能である。

Claims (8)

  1. 少なくとも、(1)水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールと不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる液状樹脂90〜30質量%及び(2)単官能又は2官能(メタ)アクリレート10〜70質量%の合計100質量部に対して、(3)光ラジカル重合開始剤0.01〜5質量部、及び(4)熱ラジカル重合開始剤0.1〜10質量部を混合し、活性エネルギー線を照射して反応させ、得られた硬化物を80〜180℃でベーキングすることによる、JIS−A硬度25〜52度の硬化物の製造方法。
  2. 水添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールが、下記工程(A)〜(C)により製造される、請求項1に記載の硬化物の製造方法。
    (A)飽和炭化水素系溶媒中で、ジリチウム開始剤により、役ジエン系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合して、重量平均分子量5,000〜40,000及び分子量分布3.0以下を有する共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体を製造する工程。
    (B)前記共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体とアルキレンオキシドとを反応させて、役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
    (C)前記共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールに水素添加反応し、添共役ジエン−芳香族ビニル系共重合体ポリオールを製造する工程。
  3. 前記芳香族ビニル系単量体が、スチレン、α−メチルスチレン及びパラメチルスチレンから選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の硬化物の製造方法。
  4. 前記不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基が(メタ)アクリロイル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化物の製造方法。
  5. 前記熱ラジカル重合開始剤が、ケトンパーオキサイド系重合開始剤、ヒドロパーオキサイド系重合開始剤、ジアルキルパーオキサイド系重合開始剤、パーオキシケタール系重合開始剤、パーオキシエステル系重合開始剤、パーオキシジカーボネート系重合開始剤及びジアシルパーオキサイド系重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた、JIS−A硬度25〜52度の硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物からなる電子部品用シール材。
  8. 請求項6に記載の硬化物からなる電子部品用ガスケット材。
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