JP5579550B2 - 減圧乾燥機 - Google Patents

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本発明は、例えば工業用品等を洗浄した後に乾燥させるための減圧乾燥機に関するものである。
従来から、工業用部品等を洗浄した後に乾燥させる手段の一つとして減圧乾燥機が用いられている。これは、対象物を密閉容器に入れ、真空ポンプにより該密閉容器内を減圧排気するものである。即ち、この密閉容器内の減圧排気により、濡れた対象物表面と周囲の雰囲気との水蒸気分圧差を人工的に大きくすることによって乾燥を促進するものである。
このような減圧乾燥機では、対象物の狭い隙間や細管内部まで強制的に減圧されるので、隙間に水分が溜まるような複雑な形状を持つ工業用部品でも、その水分を蒸発させて乾燥できる。しかし、同時に、減圧による水分の気化により対象物から熱を奪うため、乾燥工程途中で対象物やまだ付着している水が急速に冷却され、乾燥速度が低下して充分な乾燥が困難になるという問題があった。
この問題は、表面部分だけが濡れている対象物であれば短時間で乾燥が済み、乾燥速度が低下する前に乾燥工程を終了できるため殆ど影響ないが、特に隙間や細部空間等の水分が溜まりやすい対象物においては溜まった水分の蒸発に時間がかかるため、影響が出やすかった。
これを解消するため、予め対象物を乾燥室に入れる前に充分加熱して温度を上げておいたり、ヒータで容器内を加熱しながら、減圧乾燥を行うという方法が採用されている。しかしこのような加熱に拠るだけでは、減圧中は熱が伝わり難いので乾燥時間の短縮は困難であり、結果として、対象物が必要以上に加熱されることになるため、乾燥処理後に冷却工程が必要となり、作業効率が悪くなる。
そこで、対象物に付着している水分を物理的に取り除く方法も採用されている。例えば、密閉容器内の対象物に対してエアを吹き付けて付着している水分を吹き飛ばしながら減圧乾燥を行う乾燥機(例えば、特許文献1参照。)や、また振動発生手段により密閉容器や対象物支持台を振動させながら減圧乾燥を行う乾燥機(例えば、特許文献1および2参照。)が開発されている。振動は、表面水分の分割、霧化により蒸発を促進する効果がある。
特開平7−286775号公報 実開平6−56682号公報 特開平7−294129号公報
しかしながら、エアを吹き付ける乾燥機では、エア供給装置やエア供給源が必要であり、また振動させながら乾燥を行うものでは、密閉容器や支持台を振動させる振動発生装置や振動伝達装置が必要であり、乾燥機全体が大型化してしまう。しかも、エアを吹き付けたり振動させるだけでは、表面的な付着液滴を除去できても、複雑な構成を備え、水分が内部や細部に溜まっている対象物では充分対応できず、構成が単純なものにしか効果は無かった。これは、細部に溜まっていた水分は減圧によって沸騰すると外側にどんどん飛び出し、周辺の表面に多くの水滴となって付着していき、このような部分では当初の水滴蒸発により局所的に対象物が冷却されてそれ以降の蒸発が進まなくなるためである。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、複雑な形状の対象物であっても、装置の大型化を招くことなく従来より効率的に乾燥することができる減圧乾燥機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る減圧乾燥機は、洗浄後の工業用部品である乾燥対象物を内部に収容する密閉容器と、該容器内を減圧排気するポンプ装置とを備えた減圧乾燥機において、
前記密閉容器内で前記乾燥対象物を水平軸周りに揺動させる揺動機構を備え、
前記揺動機構は、前記乾燥対象物が載置固定されるテーブルを備え、減圧乾燥中に該テーブルを予め定められた角度範囲で水平軸回りに毎分4〜15回で往復回動させて前記乾燥対象物の表面上の水滴を移動させるものである。
請求項2に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1に記載の減圧乾燥機において、前記揺動機構は前記密閉容器内に該テーブルをその左右両端部で軸支する水平軸部材のうちの少なくとも一方に連結する腕部備え、
前記腕部は、密閉容器外の流体供給装置から供給される流体圧によりピストンロッドが往復駆動するシリンダ機構と、前記ピストンロッドの先端に一端部が回動可能に連結されていると同時に他端部が前記水平軸部材に固定され、前記ピストンロッドの往復運動を回転運動として前記テーブルに伝達するクランクシャフト部とを有し、
前記ピストンロッドの往復駆動によって該クランクシャフト部と前記水平軸部材とを介して前記テーブルを予め定められた角度範囲内で水平軸周りに往復回動させることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項2に記載の減圧乾燥機において、前記密閉容器は、対象物を出し入れする開口部と、該開口部を開閉可能に密閉状態で覆う開閉機構とを有し、前記開口部の下端縁より上方の外側に、前記水平状態にあるテーブルの表面と同一面上にその上面が位置する対象物載置台が備えられているものである。
請求項4に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項3に記載の減圧乾燥機において、前記対象物載置台は、その面上で対象物が載置されるパレット部材と、該パレット部材を前記密閉容器内のテーブル上の予め定められた位置へ案内するガイド部とを備え、
前記テーブル上には、前記ガイド部により案内されたパレット部を受け入れて位置決め固定する固定機構が設けられていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項3又は4に記載の減圧乾燥機において、前記開閉機構は、開口部を覆う昇降扉と、開口部閉状態にて流体圧による駆動で該扉を開口部に押圧して密閉状態とする密閉用シリンダ機構と、を備えているものである。
本発明の減圧乾燥機においては、揺動機構によって密閉容器内で乾燥対象物を揺動させるものであるため、乾燥対象物が、水分が溜まりやすい隙間や細部を有する複雑な形態を持つものであっても、その溜まった水分が減圧により沸騰して外側に飛び出し、周辺表面に多く付着していく水滴は、対象物の揺動によって表面上を大きく移動させることができるため、局所的冷却により水滴の蒸発が滞ることなく短時間で効率的に乾燥を完了できる、という効果がある。
本発明の一実施例による減圧乾燥機の概略構成図であり、(a)は内部を透視状態で示した全体右側面図、(b)は密閉容器の構成を示した部分左側面図である。 図1の密閉容器に対する対象物の出し入れ機構を示す模式図であり、(a)は密閉容器を上方から透視状態で見た概略平面図、(b)は開状態の密閉容器部分の概略正面図である。 開口部に扉を密着させる機構を示す概略構成図であり、(a)は扉を上方から見た平面図、(b)は(a)の部分拡大図である。 本減圧乾燥機の全体正面図である。
本発明による減圧乾燥機は、密閉容器内で乾燥対象物を水平軸周りに揺動させる揺動機構を備えた、対象物を直接的に揺動させながら減圧乾燥を行うことができるものである。従って、対象物の溝やネジ孔、ピン穴等の隙間や細部に溜まった水分が減圧により沸騰して外側へ飛び出し、周辺表面にどんどん水滴として付着していっても、前記揺動により水滴は対象物表面を大きく移動していくため、水溜まり周辺に付着したままの水滴の蒸発で局所的な冷却を生じることなく、冷やされていない対象物表面上に移動して良好に蒸発が進み、また対象物表面上を移動する水滴の一部はそのまま滑り落ちるものもあり、結果として複雑な形態の対象物でも短時間で効率的に乾燥を完了することができる。
揺動機構としては、対象物が載置されるテーブルを密閉容器内にその左右両端部で軸支する水平軸部材のうちの少なくとも一方に連結する腕部で構成することによって、密閉容器自体の大型化や、外部に振動発生器と振動伝達機構を設置する場合の装置全体の大型化を避けることができる。
具体的には、腕部が、密閉容器外の流体供給装置から供給される流体圧によりピストンロッドが往復駆動するシリンダ機構と、そのピストンロッドの先端に一端部が回動可能に連結されていると同時に他端部が前記水平軸部材に固定されたクランクシャフト部とを備えたものとする。
この腕部において、流体圧によるピストンロッドの往復運動がクランクシャフト部と水平軸部材を介してテーブルに回転運動として伝達され、テーブルを予め定められた角度範囲内で前記水平軸部材に合致する水平軸周りに往復回動させることができる。従って、減圧乾燥工程において、テーブル上に固定された対象物は、テーブルの往復回動により揺動される。
テーブルは、水平状態を基準とし、適度な傾斜角度範囲で往復回動される。この最大傾斜角度は、対象物表面に付着している水滴がその表面上を移動させられる角度以上に設定する。対象物がテーブルに固定されて揺動により落下する心配がなければ、その角度が大きいほど水滴の移動はより確実となる。実際的には、最大傾斜角度40〜60度で充分な水滴移動が生じる。
なお、密閉容器内への対象物の出し入れは、容器に形成された開口部で行うが、全体の作業工程を効率的に行うため、この対象物の出し入れ作業もスムーズに短時間で完了させることが望まれる。
そこで、まず、開口部の外側に、水平状態にあるテーブルの表面と同一面上にその上面が位置する対象物載置台が備えられ、その上面位置は開口部の下端縁より上方とすることによって、収容時には載置台上の対象物を容器側に押し出すだけで何ら障害無く開口部を通過してテーブル表面上に対象物をスライド移動でき、乾燥後はテーブル上の対象物を引っ張り出すだけでテーブル表面上から外側の載置台上にスライド移動できるため、対象物の出し入れをスムーズに短時間で済ますことができる。
また、対象物自体を載置台と密閉容器内のテーブル上との間で直接移動させるよりも、さらにスムーズなスライド移動が行える部材を介する構成としても良い。例えば、載置台の面上で対象物が載置されるパレット部材を、該載置面上に設けたガイド部によって密閉容器内のテーブル上の予め定められた位置へ案内するものとし、テーブル上には、ガイド部により案内されたパレット部を受け入れて位置決め固定する固定機構を設ければ良い。
ガイド部としては、載置台の上面に平板状のパレット部材をその左右両側から挟む平行な一対の突条レールを設け、固定機構としては、テーブル上に前記一対のレールの延長線上に沿って形成した平行な枠部材を設ける構成が簡便である。
この構成においては、パレット部材を容器内へ向けて一対のレールに沿って摺動させるだけでテーブル上の枠部材内に案内される。この枠部材は、パレット部材の両側端辺が嵌合するスリットを有する形態とすれば、この枠部材に嵌合したパレット部材はその両側端辺が枠部材の上側部分により上方から押された固定状態が得られる。
なお、テーブル上の奥側には、パレット部材がテーブルから飛び出して落下してしまうことがないようにそれ以上の進行を規制するストッパ部を突設しておく。乾燥工程終了後は、パレット部材を引き出せば、枠部材に沿ってスライドしてくるパレット部材は載置台上の一対のレール間まで案内される。よって、パレット部材を押し出したり引き寄せたりするだけで、載置台上とテーブル上の予め定められた位置との間で対象物のスムーズな出し入れが簡単に行える。
さらに、乾燥工程における減圧排気のため、密閉容器の開口部は密閉可能に開閉される必要があるが、全体的な作業効率の向上のため、開口部の開閉、密閉作業もよりスムーズに短時間で完了されることが望まれる。
そこで、開口部を開閉可能に密閉状態で覆う開閉機構として、まず開口部の開閉を昇降扉の上下動によるものとするのが好ましい。この場合、扉の上昇、下降という簡便な手作業で短時間で開口部の開閉ができる。扉の上昇位置で開口部は開状態となり、下降位置で開口部を覆う閉状態となる。この場合、開口部の左右両側の辺部に扉の左右両側端縁に嵌合する一対のレールを設置し、該レールに沿って扉が摺動する構成とすれば、扉の上下方向のスライドがスムーズとなる。
なお、扉の上昇位置での開状態を維持する機構を備えておけば、作業者が片手で扉を押さえながら対象物の出し入れを行うという面倒な作業が必要なくなる。例えば、流体圧により駆動するピストンロッドで扉を下方から押し上げるシリンダ装置を備えれば、扉を上昇させるための推力と上昇位置での閉状態の維持力とを得ることができる。さらにこのシリンダ装置による推力で、扉下降の際に自重による落下を抑えて滑らかな下降を行える。この場合、シリンダ装置に、前述の腕部のテーブル回動用のシリンダ機構に流体を供給するための流体供給装置を利用できる。
また、扉で開口部を閉じた際に密閉状態を得る手段として、流体圧による駆動で該扉を開口部に押圧して密着させるシリンダ機構を備える構成が簡便である。シリンダ機構によれば、流体圧の供給開始で直ちに扉の密着状態を得ることができる。またこの密着用シリンダ機構も同様に揺動用のシリンダ機構に用いている流体供給装置を利用すれば、異なる供給源を別に備える必要がなく、装置の大型化を抑えることができる。
シリンダ機構による開口部への扉の密着は、シリンダのピストンロッドの先端部で直接的に扉表面を押圧しても良いが、上記の如く両端縁がレール内を摺動する構成とした場合、例えばレールを構成する部材を介してレールごと押圧する構成とすれば、押圧力が扉の左右両辺の全長に亘って作用するため、良好な密着力が得られる。
なお、本発明の減圧乾燥機においては、密閉容器内を加熱するヒータ装置を更に設けても良い。ヒータ装置による加熱で、さらなる乾燥時間の短縮化、効率化が図れる。本発明では、対象物の揺動により水分の溜まりがなく、実質的に表面上に付着している液滴の乾燥で済むため、加熱時間も短時間で済み、従来のような対象物が必要以上に加熱されて乾燥処理後に冷却工程が必要となるという問題が発生しないため、作業効率に悪影響を及ぼすことなく、むしろ乾燥時間の短縮化に寄与する。
本発明の一実施例による減圧乾燥機として、シリンダ駆動系を流体にエアを用いエアシリンダで構成した場合を以下に示す。図1は本実施例による減圧乾燥機の概略構成図であり、(a)は内部を透視状態で示した全体右側面図、(b)は密閉容器の構成を示した部分左側面図である。図2は、図1の密閉容器に対する対象物の出し入れ機構を示す模式図であり、(a)は密閉容器を上方から透視状態で見た概略平面図、(b)は開状態の密閉容器部分の概略正面図である。図3は、図1の密閉容器の扉を押圧密閉する機構を示す概略構成図であり、(a)は上方から見た扉部分の平面図、(b)は(a)の密閉機構の部分拡大図である。図4は、本減圧乾燥機の全体正面図である。
本実施例による減圧乾燥機1は、主要部として、内部を乾燥室として乾燥対象物Wが収容される密閉容器2と、該密閉容器2内を減圧排気する所謂真空ポンプ3とを備えたものである。密閉容器2内には、対象物Wが載置されるテーブル4が、その左右両端部の立ち上がり部4aで、密閉容器2の左右側面に該側面を貫通する水平軸部材11によって軸支されている。
本実施例では、テーブル4を揺動させる揺動機構としての腕部10が、密閉容器2の左右側面のうちの一方の外側に設置され、一方の水平軸部材11に連結されている。この腕部10は、シリンダ機構12と、そのピストンロッド13の先端に一端部が回動可能に連結されていると同時に他端部が前記水平軸部材11に固定されたクランクシャフト部14とからなり、密閉容器2の外部から流体供給装置(不図示)によってシリンダ機構12へ供給されるエア圧によりピストンロッド13が往復運動する。
ピストンロッド13の往復運動は、クランクシャフト部14によって回転運動として水平軸部材11を介してテーブル4に伝達され、テーブル4は、予め定められた角度範囲内で水平軸部材11と合致する水平軸周りに往復回動する。これにより、減圧乾燥工程中、エア供給を制御してシリンダ機構12を駆動させることにより、テーブル4に載置固定される対象物Wの揺動が繰り返される。
シリンダ機構12の駆動におけるピストンロッド13の往復運動は、テーブル4の回動範囲がテーブル4の水平状態を基準として最大40度の傾斜角度になるよう設定した。この角度範囲内での揺動により、対象物Wの表面に付着した水滴はその表面上を良好に移動するため、溝やネジ孔、ピット穴等の内部空間に溜まった水分が減圧によって沸騰して外側へ飛び出して周辺表面に多くの水滴が付着していっても、これらの水滴は同一箇所に留まることなく移動し続けるため、局所的な冷却を生じることもなく、対象物表面上の冷えていない領域で蒸発が進められるので、短時間で効率的に対象物の乾燥が完了できる。
本実施例では、密閉容器2の正面に設けられた開口部20で対象物Wの出し入れを行うものである。また、開口部20の外側には、開口部下端縁より上方位置で、水平状態にあるテーブル4の表面と同一面上にその上面が位置する対象物載置台7が設けられている。
更に、対象物Wは、載置台7とテーブル4との間をスライド移動する板状のパレット部材15に載置固定されるものとする。パレット部材15は、載置台7の面上に形成された一対の突条のレール8に左右両端辺で挟まれた状態で位置決めされ、この一対のレール8に沿って押し出されることによって、開口部20を通って密閉容器2内の水平状態にあるテーブル4の表面上に案内される。
テーブル4の表面上には、一対のレール8の延長線上に沿って形成された平行な一対の枠部材5が設けられている。枠部材5は、それぞれパレット部材15の左右両側の端縁に嵌合するスリットが形成されており、テーブル4からレール8に沿って案内されてくるパレット部材15を受け入れてテーブル4の中央位置に導く。この枠部材5に嵌合したパレット部材15は、枠部材5の上側部分が押さえ板5aとなってその両側端辺を上方から押さえた固定状態が得られる。
また、テーブル4の奥側には、パレット部材15がテーブル4から飛び出して落下するのを止めるため、それ以上の進行を規制するストッパ部6が突設されている。従って、載置台7からスライド移動されたパレット部材15は、テーブル4上で一対の枠部材5とストッパ6とで三方が囲われて位置固定される。また、左右の枠部材5にそれぞれ互いに対向する方向に貫通するボールプランジャ9を設け、パレット部材15の側面の対応位置に凹みを形成しておくことによって、パレット部材15がテーブル4上の所定位置に来るとボールプランジャ9のスプリングで付勢されたボールがパレット部材15の凹みに嵌り、スプリングの付勢力でパレット部材15を左右両側から挟持するものとした。これによってパレット部材15の位置決めが完了する。
逆に、ボールプランジャ9による付勢力に抗してパレット部材15を引き出せば、枠部材5に沿ってスライドしてくるパレット部材15は一対のレール8間に受け入れられ、載置台7の初期位置まで案内される。また、載置台7の手前側にもストッパを突設してパレット部材15の飛び出しを防止するのが望ましい。以上の構成により、パレット部材15を押し出したり引き寄せたりするだけで、載置台7とテーブル4の予め定められた位置との間でパレット部材15を介して対象物Wのスムーズな出し入れが簡単に行える。なおパレット部材15の手作業による移動をより容易にするため、手前部分に把手16を設けた。
また、本実施例における開口部20は、昇降扉21によって密閉可能に開閉される。昇降扉21は、開口部20の左右両側端部に設置された一対のレール22に沿って手動により上昇・降下され、上昇位置で開口部20を開状態とし、下降位置で開口部20を覆う閉状態とするものである。なお、昇降扉21の左右下端側にはエアシリンダ装置が設置されており、該エアシリンダ装置のピストンロッドの駆動により扉21の上昇が推進され、上昇位置での開状態が維持される。またこのシリンダ装置による推力で、扉21を下降させる際に自重による落下を抑えて滑らかな下降が行える。具体的には、エアシリンダ装置への供給圧力を、昇降扉21の自重をほぼゼロとするように精密レギュレータにより微調整することによって、作業者に負担無く手動での昇降扉21の上げ下げ動作が容易に行える。また、方向制御弁による制御で流路切り換え行う構成とすれば、手動による直接駆動を操作盤40での操作による駆動制御に容易に切り換えることもできる。
また、開口部20の外周部には、全周に亘って昇降扉21との間にOリング23が取り付けられており、さらにその外側の上下左右四箇所に閉位置に下降されている昇降扉21を開口部20の外周に押圧し密着させて密閉状態を得るための密着用エアシリンダ機構30を設置している。
具体的には、各エアシリンダ機構30のピストンロッド31の先端に連結されたカムフォロア32の外輪がレール22の表側に当接しており、エアシリンダ機構30へのエア供給により駆動するピストンロッド31に伴ってカムフォロア32がレール22を開口部21側へ押し付けるものである。これによりレール22が昇降扉21を左右両側の全辺に亘って押圧し、開口部20の外側全周に亘ってOリング23に押圧密着させるため、開口部20の密閉状態が得られる。
本実施例では、テーブル4の揺動用のシリンダ機構12、および扉21の昇降用シリンダ装置、扉21を開口部20に密着させるためのシリンダ機構30、のシリンダ系を全てエア圧により駆動するものとした。そこで、各シリンダにエアを供給する流体供給装置は同一のものを利用し、装置の大型化を抑えた。この場合、方向制御弁の制御により流路を切り換えることによって各シリンダ機構を良好に駆動制御できる。
なお、真空ポンプ3の駆動開始・停止および、揺動用シリンダ機構12や密着用シリンダ機構30、扉昇降用シリンダ装置などの駆動系は、密閉容器2の正面横に設置された操作盤40からの指令信号に基づいて制御される。従って、作業者は、操作盤40での予め定められた指令信号の入力・送信に相当するボタン操作で、簡便に本減圧乾燥機1による作業工程全体を効率的に制御することができる。
以上の構成を備えた本実施例による減圧乾燥機1では、以下の操作手順で対象物の減圧乾燥が行われる。まず、初期設定として、昇降扉21を上昇位置として開口部20を開状態とすると共にテーブル4を水平状態としておく。予め40℃程度に加熱しておいた対象物Wを載置台7上のパレット部材15に載置固定し、把手16を握ってパレット部材15を密閉容器2内へ押し出して、テーブル4上にスライド移動させる。パレット部材15の側面凹みにボールプランジャ9のボールが嵌り、ボールを押すスプリングの付勢力によりパレット部材15が左右両側から挟持されて位置決めが成される。
昇降扉21を手で押し下げ、開口部20を覆って閉状態とした後、操作盤40でのボタン操作により密着用シリンダ機構30へのエアの供給制御が行われる。これによってピストンロッド31が駆動し、レール22を介して扉21が開口部外周に押圧され密着状態となる。
次いで、操作盤40でのボタン操作で真空ポンプ3の駆動を開始し、密閉容器2の内部の減圧排気を始める。
密閉容器2内の減圧状態にて、操作盤40でのボタン操作により、エアの供給制御を開始してシリンダ機構12の駆動を開始する。これによってピストンロッド13が往復駆動を始め、テーブル4が往復回動して対象物Wが揺動される。数分間この揺動を繰り返して対象物Wの乾燥を行う。
乾燥終了後、シリンダ機構12の駆動を停止して、テーブル4を水平状態に戻すと共に、真空ポンプ3の駆動を切り換えて密閉容器2内を大気圧に戻す。密閉容器2内が大気圧に戻った後、密着用シリンダ機構30を昇降扉21を開放する側に駆動させ、次に昇降扉21を手で上げて、開口部20を開け、テーブル4上のパレット部材15を把手16を握って密閉容器2から引き出せば、載置台7上に乾燥済み対象物Wを戻すことができる。
本実施例の減圧乾燥機1によれば、上記のような一連の簡単な操作のみで、複雑な形状を持つ対象物Wでも乾燥を短時間で効率的に完了することができる。
次に、本実施例の減圧乾燥機1と同じ構成の揺動機構を備えた密閉容器での減圧乾燥試験を以下の通り行い、溜まり水の乾燥における揺動の効果を評価した。即ち、乾燥対象物として、陶器製シャーレと、アルミ製容器にそれぞれ約3gの水を入れ、上記操作手順に従って、密閉容器2内へ収容した後、減圧乾燥を行った。
乾燥条件として、真空ポンプ(株式会社アンレット製、CT4−200)により密閉容器内を数Torr以下に減圧し、1分間の乾燥時間とする。その後大気圧に戻して密閉容器から取り出し、水の量を測定して減圧乾燥前後での減少量を求めた。試験例は、複数の異なる揺動数の場合を、揺動無しの場合と比較して行った。本試験では、最大傾斜角度約±30度の範囲で揺動を行った。結果は、陶器製シャーレの場合を表1に、アルミ製容器の場合を表2に示した。
Figure 0005579550
Figure 0005579550
以上の結果から、対象物容器が陶器製シャーレ、アルミ製容器のいずれの場合も、バラツキはあるが揺動動作がある方が無い場合より水の減少量が多く、両者間で水の減少率に大きな差が見られた。よって、他の乾燥条件が同じでも、乾燥における揺動効果が大きいことが確認された。なお、水の減少率が揺動回数に比例しないのは、水が移動する経路上で温度が一旦下がると、その部位ではそれ以上の蒸発が進まないためと考えられる。以上により、減圧乾燥中に対象物を揺動させることができる本実施例の減圧乾燥機によれば、大幅に乾燥効率の向上が図れることがわかる。
1:減圧乾燥機
2:密閉容器
3:真空ポンプ
4:テーブル
4a:立ち上がり部
5:枠部材
5a:押さえ板
6:ストッパ
7:対象物載置台
8:レール
9:ボールプランジャ
10:腕部
11:水平軸部材
12:シリンダ機構
13:ピストンロッド
14:クランクシャフト部
15:パレット部材
16:把手
20:開口部
21:昇降扉
22:レール
23:Oリング
30:密着用シリンダ機構
31:ピストンロッド
32:カムフォロア
40:操作盤
W:乾燥対象物
H:ヒータ

Claims (5)

  1. 洗浄後の工業用部品である乾燥対象物を内部に収容する密閉容器と、該容器内を減圧排気するポンプ装置とを備えた減圧乾燥機において、
    前記密閉容器内で前記乾燥対象物を水平軸周りに揺動させる揺動機構を備え、
    前記揺動機構は、前記乾燥対象物が載置固定されるテーブルを備え、減圧乾燥中に該テーブルを予め定められた角度範囲で水平軸回りに毎分4〜15回で往復回動させて前記乾燥対象物の表面上の水滴を移動させるものであることを特徴とする減圧乾燥機。
  2. 前記揺動機構は前記密閉容器内に前記テーブルをその左右両端部で軸支する水平軸部材のうちの少なくとも一方に連結する腕部備え、
    前記腕部は、密閉容器外の流体供給装置から供給される流体圧によりピストンロッドが往復駆動するシリンダ機構と、前記ピストンロッドの先端に一端部が回動可能に連結されていると同時に他端部が前記水平軸部材に固定され、前記ピストンロッドの往復運動を回転運動として前記テーブルに伝達するクランクシャフト部とを有し、
    前記ピストンロッドの往復駆動によって該クランクシャフト部と前記水平軸部材を介して前記テーブルを予め定められた角度範囲内で水平軸周りに往復回動させることを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥機。
  3. 前記密閉容器は、対象物を出し入れする開口部と、該開口部を開閉可能に密閉状態で覆う開閉機構とを有し、前記開口部の下端縁より上方の外側に、前記水平状態にあるテーブルの表面と同一面上にその上面が位置する対象物載置台が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥機。
  4. 前記対象物載置台は、その面上で対象物が載置されるパレット部材と、該パレット部材を前記密閉容器内のテーブル上の予め定められた位置へ案内するガイド部とを備え、
    前記テーブル上には、前記ガイド部により案内されたパレット部を受け入れて位置決め固定する固定機構が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の減圧乾燥機。
  5. 前記開閉機構は、開口部を覆う昇降扉と、開口部閉状態にて流体圧による駆動で該扉を開口部に押圧して密閉状態とする密閉用シリンダ機構と、を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の減圧乾燥機。
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