JP5578831B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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本発明はモータ駆動装置に係り、特に、ロータの位置を検出する位置センサを有するモータ駆動装置に関する。
オープンループ駆動及びフィードバック駆動を切り替えてモータの駆動制御を行うモータ駆動装置において、フィードバック駆動からオープンループ駆動への切り替えは、通常、位置センサに基づいて検出されたロータの回転速度が所定値に達したときに行われる。
特許文献1では、オープンループ駆動及びフィードバック駆動の切り替えを、モータの位置センサの出力に応じたタイミングで行うことが開示されている。特許文献1に開示されている駆動制御では、オープンループ駆動によりロータ(被駆動体)を目標位置に停止させる。通常、このようなオープンループ駆動時において、位置センサの出力を用いてモータの脱調の有無を判定している。このため、モータが脱調した場合でも、脱調から復帰するための対応が瞬時に可能となる。
特開平10−150798号公報
しかしながら、比較的低い駆動周波数でオープンループ駆動を行う場合、ロータが大きく振動することがある。このような振動が生じた状態で位置センサの出力を用いて脱調の有無を判定すると、脱調を誤判定するおそれがある。
そこで本発明は、高精度な脱調判定が可能なモータ駆動装置を提供する。
本発明の一側面としてのモータ駆動装置は、所定の時間間隔に従ってコイルにパルス通電を行うことで、ロータを回転させるモータ駆動装置において、前記ロータの位置を検出する位置センサと、前記位置センサの出力に基づいて脱調の有無を判定する脱調判定手段と、を有し、前記脱調判定手段は、前記ロータの目標停止位置より所定パルス数だけ手前の位置から、前記ロータの目標停止位置より1パルス手前の位置までの間、前記位置センサの出力に基づく脱調の有無の判定を行わないものであって、前記所定のパルス数は、前記ロータに形成される磁極数をM、前記ロータを1回転させるために必要なパルス数をPとしたときに、P/M以下とすることを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、高精度なモータ駆動装置を提供することができる。
本実施例におけるモータの分解斜視図である。 本実施例におけるモータ駆動装置のブロック構成図である。 本実施例のモータにおいて、ヨーク、位置センサ、及び、ロータの位相関係を示す軸方向の断面図である。 本実施例において、ロータ位置とモータトルクとの関係、及び、ロータ位置と位置センサの出力との関係を示すグラフである。 本実施例における進角回路の構成図である。 本実施例のモータにおいて、FB駆動時の動作を示す軸方向の断面図である。 本実施例において、進角信号が所定の進角αを有する場合において、ロータの回転角度とモータトルクとの関係、及び、ロータの回転角度と各信号の出力との関係を示すグラフである。 本実施例において、進角を変えたときのトルクと回転数の関係を示すグラフである。 本実施例におけるモータ駆動装置の駆動の様子(駆動開始から駆動終了まで)を示す図である。 本実施例において、ロータの停止直前におけるロータの回転速度とパルス(位置センサの出力)との関係を示す図である。 本実施例において、OP駆動時のコイルへの通電順序を示す図である。 本実施例における各位置センサの出力波形図(2値)である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例のモータ駆動装置により駆動されるモータの構成について説明する。図1は、本実施例のモータ101の分解斜視図である。202は、マグネット202aとシャフト部202bとを有するロータである。マグネット202aは、外周が多極着磁された円筒形状の永久磁石であり、角度位置に対して、径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。403、404は、それぞれ、ロータ202のシャフト部202bを軸支する第1の軸受、第2の軸受である。203は、第1の非導電部材で形成されたボビン401に巻かれた第1のコイルである。204は、非導電部材で形成されたボビン402に巻かれた第2のコイルである。205、206は、それぞれ、電磁鋼板等で形成された第1のヨーク、第2のヨークである。
405は、ボビン401、402をそれぞれ位置決めするためのリング部材である。406は、第1のコイル203及び第2のコイル204に通電を行うためのフレキシブルプリント基板である。207、208は、それぞれ、フレキシブルプリント基板406に実装され、ロータ202の周方向に配置された第1の位置センサ、第2の位置センサ(位置検出素子)である。
次に、各部品の相関について説明する。ロータ202はその長軸側が軸受403に、その短軸側が軸受404により軸支されている。軸受403、404は、ボビン401、402に設けられた穴部401a、402a(第1のコイル203、第2のコイル204の内径部)に挿通される。軸受403、404の外径部は、第1のヨーク205、第2のヨーク206のそれぞれの穴部205a、206aに圧入により固定される。その際、第1のヨーク205、第2のヨーク206それぞれの磁極歯205b、206bは、ボビン401、402に設けられた穴部401b、402bに挿通される。
以上により、ボビン401(コイルを含む)と第1のヨーク205と軸受403、ボビン402(コイルを含む)と第2のヨーク206と軸受404がそれぞれ一体となる。ボビンの内径部401c、402cは、リング部材405の外径部405aにそれぞれ嵌合する。このとき、第1のヨーク205、第2のヨーク206の磁極歯205b、206bの先端付近がロータ202のマグネット面に対向するように配置される。
フレキシブルプリント基板406に施された穴部406a、406bには、ボビン401、402に施されたコイル端子の絡げ部401d、402dがそれぞれ挿通される。また、穴部406c、406dには、第1のヨーク205、第2のヨーク206に施された突起部205c、206cがそれぞれ挿通される。
挿通された6箇所は、半田付けによりフレキシブルプリント基板406に接続固定される。穴部406aと絡げ部401dは、第1のコイル203への通電、穴部406bと絡げ部402dは第2のコイル204への通電のために接続されている。また、穴部406cと突起部205c、及び、穴部406dと突起部206cは、モータ本体にフレキシブルプリント基板406を固定するための接続である。上述の半田付けの際、フレキシブルプリント基板406に実装された第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208は、折り曲げ部406eによってリング部材405の収納部405bに配置される。
次に、本実施例におけるモータ駆動装置の構成について説明する。図2は、モータ駆動装置1のブロック構成図である。モータ駆動装置1は、所定の時間間隔に従ってコイルにパルス通電を行うことで、ロータを回転させる。
301は、モータ101に含まれる第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208の出力を処理する位置センサ信号処理回路である。302は、後述のフィードバック駆動回路303又はオープンループ駆動回路304のいずれかを選択して、加速、定速、減速、停止駆動等の各駆動制御を行う制御部である。303はフィードバック駆動回路であり、304はオープンループ駆動回路である。フィードバック駆動回路303及びオープンループ駆動回路304のうち制御部302により選択された一方は、モータ101の駆動信号を生成する。305は、フィードバック駆動回路303又はオープンループ駆動回路304からの駆動信号に基づいてモータ101を駆動するモータドライバである。モータ駆動装置1は、以上の構成要素を備える。
オープンループ駆動回路304及びモータドライバ305(第1駆動手段)は、モータ101に対してオープンループ駆動(OP駆動)を行う。OP駆動とは、通常のステップモータのオープンループ制御と同様に、所定の時間間隔に従ってモータのコイルへの通電を切り替える駆動方法である。すなわち、オープンループ駆動回路304及びモータドライバ305は、駆動パルス間隔(駆動周波数)と回転方向に従って、第1のコイル203と第2のコイル204への通電を順次切り替える。このような制御により、ロータ202を所望の速度で回転させることができる(速度制御)。また、駆動パルス数に従って、ロータ202を所望の角度だけ回転させることも可能である(位置制御)。
このように、OP駆動では、所定の時間間隔(駆動パルス間隔)に従ってコイルへの通電を切り替える。このため、位置センサの検出結果の影響を受けずにコイルの通電切り替えタイミングを制御することができる。ただし、駆動パルス間隔を短くすると、コイル通電の切り替えに対するロータの応答が困難となり、脱調を起こす可能性がある。したがって、OP駆動時のロータの最高速度はコイル通電の切り替えに対して、ロータが追従できる最大の速度となる。
フィードバック駆動回路303及びモータドライバ305(第2駆動手段)は、モータ101に対してフィードバック駆動(FB駆動)を行う。FB駆動とは、ロータ202の位置を検出する位置センサ(第1の位置センサ207、第2の位置センサ208)の出力に応じてモータのコイルへの通電を切り替える駆動方法である。すなわち、フィードバック駆動回路303及びモータドライバ305は、駆動パルス数、回転方向、及び、位置センサの出力する検出信号をもとに生成される進角信号に従って、第1のコイル203と第2のコイル204との通電を順次切り替える。このような制御により、ロータ202を所望の角度だけ回転させることが可能である(位置制御)。また、第1のコイル203と第2のコイル204に流れる電流又は電圧を制御することで、ロータ202を所望のトルクで回転させることもできる(電流/電圧制御)。さらに、前記検出信号と前記進角信号との間の位相差(進角)を制御することで、トルク−回転数特性を変化させることが可能である(進角制御)。なお、進角制御については後述する。
FB駆動では、コイルの通電切り替えはロータの位置に合わせて行われる。このため、ロータの応答遅れによる脱調の発生を低減させることができ、高速駆動が可能となる。
次に、本実施例のモータ101におけるヨークと位置センサの位相関係について説明する。図3は、モータ101において、ヨーク、位置センサ、及び、ロータの位相関係を示す軸方向の断面図である。図3中では、時計回りを正の方向とする。205bは第1のヨーク205の磁極歯であり、206bは第2のヨーク206の磁極歯である。本実施例では、マグネットの極数は8極であり、着磁角Pは45°である。また、第1のヨーク205を基準とすると、第2のヨーク206の位相P/2は−22.5°、第1の位置センサ207の位相β1は+22.5°、第2の位置センサ208の位相β2は−45°である。
以下、電気角を用いてモータの動作について説明する。電気角とは、マグネット磁力の1周期を360°として表されるものであり、ロータの極数をM、実際の角度をθとすると、電気角θは以下の式(1)で表される。
θ=θ×M/2 …(1)
第1のヨーク205と第2のヨーク206の位相差、第1の位置センサ207と第2の位置センサ208の位相差、第1のヨーク205と第1の位置センサ207の位相差は全て、電気角で90°である。なお、図3において、第1のヨーク205の磁極歯中心とマグネット201のN極中心は対向している。この状態をロータの初期状態とし、電気角を0°とする。
次に、モータ101におけるロータの回転角度とモータトルクとの関係、及び、ロータの回転角度と各信号との関係について説明する。図4は、ロータの回転角度とモータトルク及び位置センサの出力との関係を示すグラフである。
図4(1)は、ロータの回転角度(ロータ位置)とモータトルクとの関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸はモータトルクを示す。図4(1)において、ロータを時計回りに回転させるモータトルクを正とする。第1のコイル203に正方向の電流を流すと、第1のヨーク205がN極に磁化し、マグネット201の磁極との間に電磁気力が発生する。また、第2のコイル204に正方向の電流を流すと、第2のヨーク206がN極に磁化し、マグネットの磁極との間に電磁気力が発生する。2つの電磁気力を合成すると、ロータ202の回転に伴って略正弦波状のトルクが得られる(トルク曲線A+B+)。他の通電状態においても、同様に、略正弦波状のトルクが得られる(トルク曲線A+B−、A−B−、A−B+)。また第1のヨーク205は、第2のヨーク206に対して電気角で90°の位相を有して配置される。このため、4つのトルクは、互いに電気角で90°の位相差を有する。
図4(2)は、ロータの回転角度(ロータ位置)と各信号の出力との関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸は各信号の出力を示す。マグネット201は、その径方向における磁力の強さが電気角に対して略正弦波状になるように着磁される。このため、第1の位置センサ207からは、略正弦波状の信号が得られる(位置センサ信号A)。なお本実施例では、第1の位置センサ207は、マグネット201のN極と対向するときに正の値を出力する。
また、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して電気角で90°の位相を有して配置される。このため、第2の位置センサ208からは略余弦波状の信号が得られる(位置センサ信号B)。本実施例において、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して反転した極性を有する。このため、第2の位置センサ208は、マグネット201のS極と対向するときに正の値を出力する。
第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208の出力は、位置センサ信号処理回路301で所定の演算が行われ、フィードバック駆動回路303の一部を構成する進角回路に入力される。進角回路は、制御部302にて設定される任意の進角を有する第1の進角信号及び第2の進角信号を出力する。以下、これらの進角信号の演算方法について説明する。
電気角をθ、第1の位置センサ207の出力をHE1、第2の位置センサ208の出力をHE2とすると、各出力は、次の式(2−1)、(2−2)のように表される。
HE1=sinθ … (2−1)
HE2=cosθ … (2−2)
ここで、進角αだけ進めた第1の進角信号をPS1、進角αだけ進めた第2の進角信号をPS2とすると、HE1、HE2、αを用いて、次の式(3−1)、(3−2)ように演算することができる。
PS1=sin(θ+α)=HE1×cosα+HE2×sinα … (3−1)
PS2=cos(θ+α)=HE2×cosα−HE1×sinα … (3−2)
本実施例では、上記の演算式(3−1)、(3−2)に基づいて進角回路を構成する。図5は、本実施例における進角回路401の構成を示す図である。進角回路401は、例えば図5に示されるようなアナログ回路で構成される。このような進角回路により、上記の演算が実現可能となる。まず、各位置センサ出力を所定の増幅率Aで増幅した信号と、さらにそれらの出力を反転させた信号を生成する(Asinθ、Acosθ、−Asinθ、−Acosθ)。これらの信号に適切な抵抗値R1、R2を掛けて加算することにより、進角信号が生成される。第1の進角信号PS1、第2の進角信号PS2は次の式(4−1)、(4−2)のように表される。
PS1=A×(R/R1)×sinθ+A×(R/R2)cosθ … (4−1)
PS2=A×(R/R1)×cosθ−A×(R/R2)sinθ … (4−2)
進角回路中の抵抗R、可変抵抗R1、R2を以下の式(5−1)、(5−2)を満たすように選ぶことで、任意の進角αだけ進めた進角信号を生成することができる。
R/R1=cosα … (5−1)
R/R2=sinα … (5−2)
第1の進角信号PS1及び第2の進角信号PS2は、コンパレータにより二値化され、コンパレータから二値化信号が出力される。
本実施例における進角信号の生成方法は、上述のアナログ回路を用いた方法に限定されるものではない。デジタル回路を用いて進角信号を生成してもよく、また、高分解能のエンコーダを用いて通電を切り替えるパルス間隔を調整することで進角信号を生成してもよい。
次に、FB駆動における通電切り替えについて説明する。まず、進角回路から出力される進角信号の進角がゼロの場合について、FB駆動の動作を説明する。図4(2)において、進角信号A、進角信号Bは、位置センサ信号Aと位置センサ信号Bに対して前述の進角演算を行い、進角が与えられた信号である。図4(2)には、進角がゼロの場合が示されている。このため、第1の位置センサ207の出力であるセンサ信号Aと進角信号A、第2の位置センサ208の出力であるセンサ信号Bと進角信号Bは、それぞれ一致している。2値化信号A及び2値化信号Bは、進角信号A及び進角信号Bに対して、コンパレータで2値化を行うことにより得られた信号である。
FB駆動において、モータドライバ305は、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203の通電を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204の通電を切り替える。すなわち、モータドライバ305は、2値化信号Aが正の値である場合に第1のコイル203に正方向の電流を流し、負の値である場合に第1のコイル203に逆方向の電流を流す。またモータドライバ305は、2値化信号Bが正の値である場合に第2のコイル204に正方向の電流を流し、負の値である場合に第2のコイル204に逆方向の電流を流す。
図6は、本実施例のモータ101において、FB駆動時の動作を示す軸方向の断面図である。図6(a)は、ロータが電気角で135°回転した状態を示している。このとき、図4(2)中の(a)で表されるように、2値化信号Aは正、2値化信号Bは負の値をそれぞれ示す。従って、第1のコイル203には正方向の電流が流れ、第1のヨーク205はN極に磁化する。一方、第2のコイル204には逆方向の電流が流れ、第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A+B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(b)は、ロータ202が電気角で180°回転した状態を示している。このとき、2値化信号A、Bは図4(2)中の(b)で表される。第1の位置センサ207は、マグネット201のN極とS極の境界に位置する。このため、電気角180°を境に2値化信号Aは正から負の値に切り替わり、第1のコイル203の通電方向が正方向から逆方向へ切り替わる。この電気角は、トルク曲線A+B−とトルク曲線A−B−との交点の電気角と一致する。
図6(b’)はロータが電気角で180°回転し、第1のコイル203の通電方向が切り替わった状態を示している。第1のコイル203には逆方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204には逆方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A−B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(c)はロータ202が電気角で225°回転した状態を示している。このとき、図4(2)の(c)で表されるように、2値化信号A、Bはいずれも負の値を示す。従って、第1のコイル203には逆方向(負方向)の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204にも逆方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A−B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(d)は、ロータ202が電気角で270°回転した状態を示している。2値化信号A、Bは図4(2)の(d)で表される。このとき、第2の位置センサ208は、マグネット201のN極とS極の境界に位置する。このため、電気角270°を境に2値化信号Bは負から正の値に切り替わり、第2のコイル204の通電方向が逆方向から正方向へ切り替わる。この電気角は、トルク曲線A−B−とトルク曲線A−B+との交点の電気角と一致する。
図6(d’)は、ロータ202が電気角で270°回転し、第2のコイル204の通電方向が切り替わった状態を示している。第2のコイル204には正方向の電流が流れて第2のヨーク206はN極に磁化し、第1のコイル203には逆方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化する。このとき、ロータ202には図4(1)のトルク曲線A−B+に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
以上の動作を繰り返すことで、ロータ202を連続的に回転させることができる。また、2値化信号A、Bの正負を反転させることにより、逆に回転させることも可能である。
次に、進角回路から出力される進角信号が所定の進角αを有する場合におけるFB駆動の動作を説明する。図7は、進角信号が所定の進角αを有する場合において、ロータの回転角度とモータトルク及び各信号の出力との関係を示すグラフである。
図7(1)は、ロータの回転角度(ロータ位置)とモータトルクとの関係を示し、横軸は電気角を、縦軸はモータトルクを示す。図7(2)は、ロータの回転角度(ロータ位置)と各信号の出力との関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸は各信号の出力を示す。図7(2)において、進角信号Aは、センサ信号Aに対して所定の進角αだけ進んでいる。同様に、進角信号Bは、センサ信号Bに対して所定の進角αだけ進んでいる。また、進角信号A、Bに基づいて生成された2値化信号A、Bも、それぞれセンサ信号A、Bに対して進角αだけ進んでいる。FB駆動では、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203への通電を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204への通電を切り替える。このため、コイルの通電切り替えタイミングは、進角がゼロの場合に比べて進角αだけ早いことになる。
図8は、進角を変えたとき(進角値θp=0、αの場合)のトルクと回転数の関係を示すグラフである。横軸はモータのトルクを、縦軸はモータの回転数を示す。図8に示されるように、進角αによってトルクと回転数の関係が変化する。FB駆動では、この性質を用いて、駆動条件によって進角αを変える進角制御が行われる。一定の負荷条件下でFB駆動を行う場合、進角αを制御することで駆動速度を制御することも可能である。
図9は、本実施例におけるモータ駆動装置の駆動の様子(駆動開始から駆動終了まで)を示す図である。縦軸はロータ202の回転速度(V)を示し、横軸は時刻(t)を示している。図9において、tは加速駆動期間、tは定常駆動期間、tは減速駆動期間である。また、減速駆動期間tのうち、t3aはFB駆動による減速駆動期間であり、t3bはOP駆動による減速駆動期間を示す。すなわち、t〜t3aの期間はFB駆動期間であり、t3bの期間はOP駆動期間である。Pは、FB駆動からOP駆動への切替点である。このように、本実施例のモータ駆動装置は、駆動開始から切替点PまでFB駆動が実行され、切替点Pから駆動終了までOP駆動が実行される。
本実施例のモータ駆動装置は、常時、ロータ202の回転速度Vを監視している。ロータ202の回転速度V(は、第1の位置センサ207及び第2の位置センサの出力に基づいて制御部302(演算手段)により算出される。OP駆動では、ロータ202の回転速度Vがコイルへの通電切り替えにロータ202が追従することのできる最大速度より大きくなると、脱調や振動を引き起こす可能性がある。このため、OP駆動は、ロータ202が追従可能な最大速度V以下でのみ実行可能である。従って、切替点Pの条件は、まず、回転速度VがOP駆動時のロータの最高速度以下(OP駆動最大速度V以下)になっていることである。
加速駆動期間tでは、停止状態からFB駆動で立ち上がり、ロータ202は、モータドライバ305からの駆動電圧Vによる最大回転速度Vに到達する。ロータ202が最大速度Vに到達した後、定常駆動期間tにて略一定速度でのFB駆動が行われる。その後、減速駆動期間tにて目標位置に向けて減速が行われる。FB駆動による減速駆動期間t3aでは、例えば、駆動電圧をV(<V)に減ずることで減速を行う。駆動電圧を下げる方法としては、例えば駆動信号がPWM信号により行われている場合、デューティ比を低下させる方法等が用いられる。また、このような減速は、励磁コイルへの電流量の制御や進角制御によっても可能である。
減速駆動期間t3aにおけるPは、FB駆動による減速加速度の最大点である。減速駆動期間t3aでは、減速加速度の最大点Pを経て、OP駆動最大速度V以下になるまでロータ202をFB駆動により減速する。最大点Pの通過後、ロータ202の回転加速度が所定値以下となるように制御した後、ロータ202が略一定速度となった状態、切替点PにてFB駆動からOP駆動に切り替える。その後、OP駆動による減速駆動期間t3bにおいて、OP駆動により所定の駆動周波数に従って目標位置まで駆動が行われる。本実施例では、ロータ202がOP駆動最大速度V以下に到達した後、所定期間だけ略一定の速度でロータ202を駆動する(一定速度期間t)。この定速駆動は、例えば目標位置や速度と実際の位置や速度との偏差、偏差の積分値などからモータへの入力信号を演算して進角の値や駆動電圧などを調節することによって行っている。
このように、ロータ202の速度変化を小さくした状態でOP駆動に移行することで、FB駆動からOP駆動へ、安定した切り替えが可能となる。OP駆動を行う第1駆動手段とFB駆動を行う第2駆動手段は、制御部302により切り替えられる。このように、制御部302は、フィードバック駆動回路303でロータ202の加速、定速、減速駆動を行い、フィードバック駆動回路303からオープンループ駆動回路304に切り替えてロータ202の停止駆動を行う。このため、本実施例のモータ駆動装置によれば、脱調や振動の発生を抑制することができる。
次に、OP駆動に切り替わってからロータを目標位置に停止させるまでの制御について詳述する。FB駆動からOP駆動に切り替わってからは、徐々に駆動周波数を下げながら停止駆動(減速駆動)を行う。図10は、ロータの停止直前におけるロータの回転速度とパルス(位置センサの出力)との関係を示す図である。図10は、図9の停止直前から停止までの部分(OP駆動による減速駆動期間t3bの後半部分)の拡大図に相当する。
また図11は、本実施例におけるOP駆動時のコイルへの通電順序を示す図である。図11において、第1のコイル203への2つの絡げ部401dをそれぞれ信号A+、A−とし、第2のコイル204への2つの絡げ部402dをそれぞれ信号B+、B−とする。また、「H(High)」が+電圧の印加、「L(Low)」が電圧0(GND)であるとすると、ステップのパターンは、STEP1〜STEP4の4パターンとなる(一般に2相駆動と呼ばれる)。この4パターンを順次繰り返すことにより、モータは回転する。
図10に示されるように、ロータの目標停止位置がSTEP4である場合、4STEP手前の通電パターンはSTEP4である。4STEP手前から順次停止位置までSTEPを送ると、STEP1→STEP2→STEP3→STEP4(停止)となる。図12は、第1の位置センサ207(上段)及び第2の位置センサ208(下段)の出力波形図(2値)である。図12に示されるように、STEP4の通電後、第1の位置センサ207の出力は「L」となり、第2の位置センサ208の出力は「H」となる。これらのセンサ出力は、順次、「L」と「L」、「H」と「L」、「H」と「H」、「L」と「H」と変化する。このように、第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208の出力パターンには4通りの出力パターンがあり、2つの位置センサの出力は、STEP1〜4に対応して一意に定まる。
脱調判定手段としての制御部302は、OP駆動の場合でもロータ202の位置検出を行って、モータ駆動装置1が脱調しているか否かを判定する。このため、脱調状態を瞬時に検知することができる。1STEPずつ駆動した際に各位置センサの出力が順次切り替わっているか否かを監視することにより、脱調の有無を判定することが可能である。すなわち、図2に示される制御部302に位置センサ信号処理回路301の出力信号の「L」、「H」が入力されたステップ数が制御部302内でカウントされる。
しかし、前述のように、減速領域の比較的低い周波数においては、モータの断続回転の現象が位置センサの出力に現れる。このため、位置センサが「H」、「L」を正確に検知することができず、誤った位置検出が行われるおそれがある。すなわち、ロータが振動するため、パルスに基づかない「H」、「L」が繰り返し出力され、本来のパルス数よりも多くカウントされるおそれがある。
そこで、目標停止位置から手前の3STEP目での印加が行われたとき、位置センサにより正常駆動(STEP1:「L」と「L」)が確認された場合、目標停止位置から手前の2STEP目、1STEP目における各位置センサの出力を無視する。すなわち、目標停止位置から手前の2つのSTEPでは、各位置センサの出力を用いない。
そして、ロータ202に対して目標停止位置での印加が行われた後に位置センサにより正常に駆動されているか否かを確認する。このとき、正常駆動が確認できた場合、位置センサの出力を無視した2つのSTEPでは脱調が起こらなかったことになる。なぜなら、無視した2つのSTEP内で脱調が起こったとした場合、目標停止位置での位置センサの出力が本来あるべき組合せ(「L」と「H」)ではないからである。
このため、本実施例によれば、無視した2つのSTEPを上述の位置センサの出力の乱れが生じる周波数で駆動した場合でも、ロータの位置の誤検出を回避することができる。また、位置センサの出力を2つのSTEPだけ無視したとしても、目標停止位置での位置センサの出力を確認することにより、無視した期間の脱調の有無を確認できる。このため、実質的には全域のロータの位置を監視していることになる。
このように、制御部302は、オープンループ駆動回路304による停止制御を開始してからロータ202の停止直前の所定パルス数前(STEP1)までの第1期間には、各位置センサの出力を用いてロータ202の位置を検知する。一方、制御部302は、所定パルス数後からロータ202が停止するまでの第2期間には、各位置センサの出力を用いることなく、ロータ202に対する駆動パルス数を用いてロータの位置を検知する。また、ロータ202の停止後の各位置センサの出力を用いて、第2期間におけるモータの脱調の有無を判定する。すなわち、制御部302は、ロータ202の目標停止位置より所定パルス数だけ手前の位置から、ロータ202の目標停止位置より1パルス手前の位置までの間、位置センサの出力に基づく脱調の有無の判定を行わない。
このような構成により、位置センサの出力が常に安定して得られ、カウント数を誤ることなく正確に目標位置に停止させることができる。このため、本実施例によれば、高精度な脱調判定の可能なモータ駆動装置を提供することができる。
なお、本実施例では一例として2相駆動の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ステップ的な駆動が行われていれば他の駆動にも適用可能である。このとき、以下の式(6)を用いて、無視できる所定のパルス数Piを算出することが可能である。
Pi≦P/M … (6)
ここで、Pはロータを1回転させるために必要なパルス数であり、Mはロータの磁極数である。このように本実施例では、所定のパルス数PiがP/M以下である場合、そのパルス数Piを無視することができる。例えば、P=20、M=10(2相駆動)のときパルス数Piは2パルス以下となり、P=40、M=10(1−2相駆動)のときパルス数Piは4パルス以下となる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
1 モータ駆動装置
101 モータ
202 ロータ
203 第1のコイル
204 第2のコイル
207 第1の位置センサ
208 第2の位置センサ
302 制御部
303 フィードバック駆動回路
304 オープンループ駆動回路
305 モータドライバ

Claims (1)

  1. 所定の時間間隔に従ってコイルにパルス通電を行うことで、ロータを回転させるモータ駆動装置において
    前記ロータの位置を検出する位置センサと、
    前記位置センサの出力に基づいて脱調の有無を判定する脱調判定手段と、を有し、
    前記脱調判定手段は、前記ロータの目標停止位置より所定パルス数だけ手前の位置から、前記ロータの目標停止位置より1パルス手前の位置までの間、前記位置センサの出力に基づく脱調の有無の判定を行わないものであって、
    前記所定のパルス数は、前記ロータに形成される磁極数をM、前記ロータを1回転させるために必要なパルス数をPとしたときに、P/M以下とすることを特徴とするモータ駆動装置。
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