JP2007129811A - 光ディスク装置及びステッピングモータの脱調検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シーク動作の高速・安定化のために、ステッピングモータの脱調を迅速にかつ正確に検出すること。
【解決手段】ドライブ回路3は、ステッピングモータ2にその回転速度によらず所定の駆動電流を供給するため、Hi期間を変えたパルス幅変調(PWM)方式の制御信号10を印加する。Hi期間検出器5は、制御信号のHi期間のデューティ比を検出する。マイコン4は、基準となるステップと当該ステップにおけるデューティ比を比較し、これらの大小関係が設定した速度に対応しない場合ステッピングモータは脱調していると判定し、より低速の速度プロファイルに切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】ドライブ回路3は、ステッピングモータ2にその回転速度によらず所定の駆動電流を供給するため、Hi期間を変えたパルス幅変調(PWM)方式の制御信号10を印加する。Hi期間検出器5は、制御信号のHi期間のデューティ比を検出する。マイコン4は、基準となるステップと当該ステップにおけるデューティ比を比較し、これらの大小関係が設定した速度に対応しない場合ステッピングモータは脱調していると判定し、より低速の速度プロファイルに切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ピックアップにより光ディスクに対して情報を記録・再生する光ディスク装置及びピックアップを移動するためのステッピングモータの脱調検出方法に関するものである。
従来の光ディスク装置において、ピックアップはステッピングモータにより光ディスク上の所望の位置(トラック)に移動させ(シーク動作)、情報の記録または再生を行う。ステッピングモータは、駆動パルス数に応じて所定量だけ回転し、ピックアップを所定距離だけ移動させることができるが、移動速度の高速化に伴い、パルスを加えてもモータが回転しない、いわゆる脱調と呼ばれる現象が生じることがある。脱調が発生すると、ピックアップの移動先が目標位置からずれてしまい、その修正のために時間を要することになる。よって、シーク動作の高速化、安定化のためには、脱調を迅速に検出する必要がある。
ステッピングモータの脱調を検出する技術としては、以下の方法が提案されている。特許文献1には、シーク動作中のトラックの横切り信号(トラッキングエラー信号)を検出し、その振幅が所定値よりも大きい場合に脱調と判定する技術が開示される。また、特許文献2には、シーク動作終了時のピックアップの現在位置(アドレス)を検出し、シーク開始時の目標位置との差分(位置ずれ量)を求め、その差分が許容量を超えた場合に脱調と判断する技術が開示される。
光ディスク装置においてシーク動作の高速化、安定化のためには、脱調を迅速にかつ正確に検出することが求められる。
前記特許文献1によれば、シーク動作中に脱調を検出することができるが、検出するトラッキングエラー信号には脱調以外の要因も含まれるので、脱調の判定に誤りが発生する恐れがある。例えば、ピックアップが正常に移動していても、ディスクが偏心しているとトラック横切り信号にノイズ(揺らぎ)が重畳し、誤ってこれを脱調と判定することがある。このノイズはフィルタでは簡単に除去できない。
また特許文献2によれば、シーク終了後のピックアップ位置を検出して脱調を判断するものであるから、シーク動作途中の異常を検知することができず、よって脱調を迅速に検出する要請には応えられない。
本発明の目的は、シーク動作の高速・安定化のために、ステッピングモータの脱調を迅速にかつ正確に検出する光ディスク装置及び脱調検出方法を提供することにある。
本発明の光ディスク装置は、装着された光ディスクの半径方向にピックアップを移動するステッピングモータを有するものであって、ステッピングモータをその回転速度によらず所定の駆動電流を供給して駆動するため、Hi期間の長さを可変とするパルス幅変調(PWM)方式の制御信号を印加するドライブ回路と、予め定めた速度プロファイルに従ってドライブ回路にステッピングモータの速度制御信号を送るマイコンと、ドライブ回路がステッピングモータに印加する制御信号のHi期間のデューティ比を検出するHi期間検出器とを備える。Hi期間検出器は、ステッピングモータ駆動時の基準となるs番目のステップにおける制御信号のHi期間のデューティ比Xsと、s番目のステップ以降のn番目のステップにおける制御信号のHi期間のデューティ比Xnとを取得する。マイコンは、Hi期間検出器の取得したデューティ比Xsとデューティ比Xnとを比較し、s番目のステップにおける目標速度Vsよりもn番目のステップにおける目標速度Vnが大きいにもかかわらず、デューティ比Xsよりもデューティ比Xnが小さい場合には、ステッピングモータは脱調していると判定し、より低速の速度プロファイルに切り替えてステッピングモータに対する速度制御を行う。
ここで上記Hi期間検出器は、制御信号をサンプリングするサンプリング回路と、サンプリングされた信号についてHiレベルの場合を検出するHiレベル検出器と、Hiレベルとして検出した回数をカウントするHiレベル回数カウンタとを有し、当該ステップにおいてHiレベルとしてカウントした回数を基に当該ステップにおけるデューティ比を算出する。
あるいは上記Hi期間検出器は、当該ステップにおいて制御信号を平滑する低域通過フィルタと、平滑された信号電圧をデジタル値に変換するA/D変換器とを有し、A/D変換器の出力をデューティ比として用いる。
本発明によるステッピングモータの脱調検出方法は、ステッピングモータをその回転速度によらず所定の駆動電流を供給して駆動するため、Hi期間の長さを可変とするパルス幅変調(PWM)方式の制御信号を印加するものであって、ステッピングモータ駆動時の基準となるs番目のステップにおける制御信号のHi期間のデューティ比Xsを取得し、s番目のステップ以降のn番目のステップにおける制御信号のHi期間のデューティ比Xnを取得して上記デューティ比Xsと比較する。s番目のステップにおける目標速度Vsよりもn番目のステップにおける目標速度Vnが大きいにもかかわらず、デューティ比Xsよりもデューティ比Xnが小さい場合には、ステッピングモータは脱調していると判定する。
ここに上記基準となるs番目のステップとして、ステッピングモータ駆動開始時の1番目のステップを用いる。あるいは、基準となるs番目のステップとして、上記n番目のステップの直前の(n−1)番目のステップを用いる。
さらに本発明の光ディスク装置またはステッピングモータの脱調検出方法は、上記パルス幅変調(PWM)方式の制御信号において、Hi期間のデューティ比を比較するのではなく、Lo期間のデューティ比を比較して脱調を判定する方式とする。
本発明によれば、光ディスク装置におけるシーク動作の高速化と安定化を両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成図である。光ディスク1が装着されると、ディスクモータ8は光ディスク1を所定の速度で回転させる。また、ステッピングモータ2はスクリュー7を回転させ、ギヤを介してピックアップ6を光ディスク上の半径方向の目的の位置まで移動(シーク)させる。ピックアップ6は、光ディスク1にレーザ光を照射し、情報を記録または再生する。
ステッピングモータ2は、例えば2相(A相、B相)駆動方式とし、印加する矩形状電流のステップ数に応じて、所定の角度だけ回転し、ピックアップ6を所定の距離だけ移動させる。ドライブ回路3はステッピングモータ2に対して、制御信号10(A+,A−,B+,B−)を印加する。この制御信号10は、パルス幅変調(PWM)方式に基づき、パルス幅(Hi期間)の割合、すなわちデューティ比を変えることでモータへの印加電圧を制御する。そしてこの印加電圧(デューティ比)は、モータへの印加電流がモータの回転速度によらず所定値となるように制御する。マイコン4は、ピックアップ6のシーク動作移動距離に対する速度プロファイルを予め設定し、ドライブ回路3に対してステッピングモータ用の速度制御信号9を送る。
PWM_Hi期間検出器5は、上記制御信号(PWM信号)10のHi期間を検出し、Hi期間情報11(ここではデューティ比X)を算出する。マイコン4はPWM_Hi期間検出器5からのデューティ比Xを受けて、ステッピングモータ2の現在の動作状態をチェックし、設定した速度プロファイルから外れていないか、すなわち「脱調」していないかを判定する。もし「脱調」と判定したら、直ちに低速駆動の速度プロファイルに切り替えてシーク動作を継続する。
図2は、ステッピングモータ2に印加する電流波形を示す図である。本実施例は2相励磁方式で、A相とB相のコイルに位相が90°ずれたタイミングで矩形状の電流12A,12B(以下、各矩形電流をステップと呼ぶ)を供給する。ステッピングモータ2は1個のステップが与えられると、1ステップ分に相当する角度だけ回転しその位置で停止する。ステップが繰り返して与えられると回転と停止を繰り返し、与えられたステップ数の角度だけ回転する。ステップの間隔(周波数)を変えることでモータの平均的な回転速度を制御し、間隔が密(高速回転)になるにつれ連続回転に近づく。
ドライブ回路3により、ステッピングモータ2に印加する電流は速度によらず所定値、すなわち駆動トルクを所定の値になるように制御することで、正確な角度だけ回転させることができる。一方ステッピングモータ2が回転すると、コイル端には回転速度に比例した逆起電力が発生する。よってドライブ回路3は、この逆起電力に打ち勝って所定の電流を供給するために、回転速度が上がるにつれより大きな印加電圧を供給することになる。
図3は、シーク動作におけるモータ回転速度のプロファイルの一例を示す図である。起動後回転速度を増加し(加速期間)、上限速度Vmに達したら一定速度で維持し(定速期間)、目的地点に近づいたら減速して停止する(減速期間)。マイコン4は、この一連のシーク動作プロファイルを実行するために、モータに供給するステップの配列(ステップ数とその間隔)と各ステップにおける目標速度(V1,V2,・・,Vn,・・)を設定し、これに従ってドライブ回路3にモータの速度制御信号9を送る。
図4は、ドライブ回路3がステッピングモータ2に供給する印加電圧Ecを示す図である。モータの回転速度Vが上がるとコイル端には回転速度に比例した逆起電力Erが発生する。ドライブ回路3は、回転速度によらずモータに所定の電流Icを供給するために、印加電圧Ecとして逆起電力Erに打ち勝つような電圧Ec=Ic・R+Er(Rはモータの抵抗)を供給する。すなわち、回転中の電流Icの値を検出して、これが所定値になるようEcを制御する。その結果、脱調などで回転が停止すると、逆起電力Er=0となり、印加電圧はEc=Ic・Rまで低下する。本実施例では、Ecが低下することを検出して脱調と判定するものである。なお本実施例では、ステッピングモータの駆動方式としてPWM制御信号を採用しており、上記印加電圧EcはPWM制御信号のパルス幅(Hi期間の割合)を変えることで調整するものである。
図5は、ドライブ回路3からステッピングモータ2に供給する制御信号10の波形を示す図である。(a)はモータへの印加電流12、(b)は制御信号(PWM信号)10、(c)は正常回転時の制御信号10の拡大図、(d)は回転停止(脱調)時の制御信号10の拡大図を示す。左図は低速回転の場合、右図は高速回転の場合である。なおこの図では簡単のために、モータの回転は連続的であり、各ステップ内でのPWM波形は一様であると仮定している。
ドライブ回路3はステッピングモータ2に所定電流が流れるようにPWM制御を行うので、モータの回転速度に応じてPWM信号のHi期間の割合(デューティ比)は変化する。すなわち、(c)においてHi期間の長さをXa、Lo期間の長さをXbとすると、デューティ比はX=Xa/(Xa+Xb)で表され、低速回転時にはデューティ比Xは小さく、高速回転時にはデューティ比Xは大きくなる。
ところが(d)のようにモータの回転が停止(脱調)したときは、デューティ比Xは最小値に変化する。本実施例は、シーク動作中にこのデューティ比Xを監視して、基準となるデューティ比と比較して回転停止(脱調)を検出する。
具体的には、PWM_Hi期間検出器5は、シーク動作開始時最初(1番目)のステップ区間のPWM信号のデューティ比X1と、これに続く2番目以降n番目のステップ区間のPWM信号のデューティ比Xnとを測定する。マイコン4はこれらの値を比較して、脱調の判定を行う。回転が正常であれば、1番目のステップ区間の回転速度V1は最小であり、N番目のステップ区間の回転速度Vnはこれより大きいから、XnはX1よりも大きくなるはずである。よって、もしも測定したXnがX1よりも小さい場合は「脱調」と判定する。以上の判定は、シーク動作加速区間だけでなく、定速区間、減速区間においても有効に適用できる。ただし、動作終了(停止)間際のステップ区間では、起動時の回転速度と同等になるので、脱調判定は行わない。
マイコン4は、脱調と判定した場合、即座に図3の速度プロファイルをより遅い別の速度プロファイルに切り替えてシーク動作をやり直す。また、今回以降に実行するシーク動作においても遅い速度プロファイルを適用する。
図6は、PWM_Hi期間検出器5及びマイコン4の内部構成の一例を示す図である。サンプリング回路/入力信号選択器21は、マイコン内の制御回路35からの指令(入力信号選択15)を受け、制御信号(PWM信号)10A+,A−,B+,B−のうちいずれかの系統の入力信号を選択して、所定の周波数でサンプリングする。サンプリング周波数はPWM周波数よりも高く設定し、例えば10倍高い周波数とする。スイッチ22は、制御回路35からのステップ適用期間信号16(ステップの切り替え中はLo、切り替え後はHi)を受け、ステップが確実に切り替わったタイミングでサンプリング結果を通過させる。
Hiレベル検出器23は、サンプリング結果がHiレベルの場合を検出し、Loレベル検出器24は、サンプリング結果がLoレベルの場合を検出する。そして、それぞれが検出した回数を、Hiレベル回数カウンタ25とLoレベル回数カウンタ26とでカウントする。1ステップ期間のHiレベル、Loレベルのカウント値をそれぞれA,Bとする。そして、加算器28でC=A+Bの演算を行い、除算器29でX=A/Cの演算を行う。ここで求めた値XはHiレベルとして検出された頻度を示し、これをPWM信号のHi期間のデューティ比とする。
マイコン4は上記算出されたデューティ比Xを入力し、メモリ31に格納する。メモリ領域32には1番目のステップにて取得した値X1を、またメモリ領域33にはn番目(n=2,3,・・・)のステップにて取得した値Xnを格納する。比較器34は、これらの2つの値X1,Xnを比較し、XnがX1よりも小さい場合、脱調と判定する。
PWM_Hi期間検出器5において、サンプリング周波数をPWM周波数よりさらに高い周波数(例えば100倍)とすれば、検出精度はさらに向上できる。また、Hiレベル検出のために制御信号A+,A−、B+,B−のいずれか1系統を選択するようにしたが、複数系統の信号を選択して組み合わせて判定することもできる。
図7は、本実施例における脱調検出方法の一例を示すフローチャートである。
マイコン4からシーク動作開始の指令を受けると(S101)、ドライブ回路3は予め定めた速度プロファイルに従い、最初(1番目)の目標速度V1を実現するための1番目のステップ(矩形状駆動電流)をステッピングモータ2に与える。これによりステッピングモータは回転するが、これと並行して、1番目のステップ期間における制御信号(例えばA+系統)のHi期間のデューティ比X1をPWM_Hi期間検出器5で測定し、マイコン4のメモリ32に格納する(S102)。
次に、2番目のステップにおけるモータの目標速度V2と前記1番目のステップにおける目標速度V1を比較する(S103)。もし、目標速度V2が目標速度V1よりも小さい場合は(S103でNo)、S115に進み判定処理を終了する。加速時のように、目標速度V2が目標速度V1よりも大きい場合(S103でYes)は、S104に進む。そして、2番目のステップをステッピングモータに与えてモータの回転速度を加速させる。これと並行して、2番目のステップ期間における制御信号のデューティ比X2を測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S104)。
ここで、メモリ32,33に格納されたデューティ比X1,X2を比較する(S105)。回転動作が正常であればデューティ比X2はX1より大きくなり(S105でYes)、この場合にはS109に進む。もしデューティ比X2がX1より小さい場合(S105でNo)は、目標の速度が実現されておらず、「脱調」と判定する(S106)。
S106にて脱調と判定したら、脱調と判定されたステップ(ここでは2番目のステップ)から目標地点までの距離を算出する(S107)。そして現在の速度プロファイルよりも遅い速度のプロファイルに切り替えて(S108)、S102に戻り、目標地点までのシーク動作を継続する。
S109では、3番目のステップにおけるモータの目標速度V3と前記1番目のステップにおける目標速度V1を比較する。もし、目標速度V3が目標速度V1よりも小さい場合は(S109でNo)、S115に進み判定処理を終了する。目標速度V3が目標速度V1よりも大きい場合(S109でYes)は、S110に進む。そして、3番目のステップをステッピングモータに与えてモータの回転速度を加速させる。これと並行して、3番目のステップ期間における制御信号のデューティ比X3を測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S110)。
ここで、メモリ32,33に格納されたデューティ比X1,X3を比較する(S111)。正常動作時にはデューティ比X3はX1より大きくなり(S111でYes)、この場合にはS112に進む。もしデューティ比X3がX1より小さい場合(S111でNo)は、目標の速度が実現されておらず、「脱調」と判定する(S106)。脱調と判定したら、その後は上記S107、S108と同様に処理する。
S112以降は上記同様に、n番目のステップにおける目標速度Vnと前記1番目のステップにおける目標速度V1を比較する。そしてS113では、n番目のステップをステッピングモータに与える。これと並行して、n番目のステップ期間における制御信号のデューティ比Xnを測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S113)。S114では、デューティ比X1,Xnを比較し、もし、デューティ比XnがX1より小さい場合は「脱調」と判定する。以下これを繰り返す。
なお上記判定において、各ステップの目標速度V2,V3,Vnが基準となる1番目のステップの目標速度V1と等しい場合には、脱調していなくとも実際の回転速度が1番目のステップよりも小さくなることがある。上記の判定法によれば誤ってこれを「脱調」と判定する恐れがあり、これを避けるため、S115に進み判定処理を中止する。
またシーク動作終了間際では、脱調していなくとも回転速度が1番目のステップよりも小さくなることがある。この場合にも判定する恐れがある。よって、シーク動作終了間際の所定区間では、判定を中止することが望ましい。シーク終了間際では回転速度が遅いので、もともと脱調する可能性は低く、よって判定なしでも目標位置から大きくずれることはない。
このように本実施例では、1番目のステップにおいて取得したPWM信号のHi期間のデューティ比X1を基準として、その後の各ステップにおいて取得するデューティ比Xnを前記X1と比較することで、脱調を判定するものである。
この方法によれば、シーク動作途中で脱調によりモータ回転が停止したような場合、モータの回転状態を直接的にかつ各ステップ毎にその異常を検出することができ、従来方法に比較してより迅速で正確な応答が可能となる。また、本実施例の脱調検出方式は、ステッピングモータを駆動するPWM信号から回転状態の情報を取得するので、回路構成が容易になる。
なお、本実施例では、PWM方式の制御信号におけるHi期間のデューティ比を用いて脱調を検出する場合を説明したが、同様に制御信号のLo期間のデューティ比を用いて判定することも可能である。その場合、1番目のステップにおいて取得したPWM信号のLo期間のデューティ比Y1を基準として、その後の各ステップにおいて取得するLo期間のデューティ比Ynと比較する。そして、n番目のステップにおける速度Vnが1番目のステップにおける速度V1よりも大きいにもかかわらず、デューティ比Ynがデューティ比Y1よりも大きい場合には脱調と判定することができる。
図8は、本発明による脱調検出方法の他の実施例を示すフローチャートである。前記実施例1では、1番目のステップにおいて取得したPWM信号のHi期間のデューティ比X1を基準とし、その後のn番目のステップにおいて取得するデューティ比Xnを比較することで、脱調を判定するものであった。これに対し本実施例では、時間的に隣接する(n−1)番目及びn番目のステップにおいて取得したPWM信号のHi期間のデューティ比Xn−1,Xnを比較することで、脱調を判定する。すなわち、直前の(n−1)番目のステップを基準として比較するものである。以下、図面に沿って説明する。
マイコン4からシーク動作開始の指令を受けると(S201)、ドライブ回路3は予め定めた速度プロファイルに従い、最初(1番目)の目標速度V1を実現するための1番目のステップをステッピングモータ2に与える。これによりステッピングモータは回転するが、これと並行して、1番目のステップ期間における制御信号のデューティ比X1をPWM_Hi期間検出器5で測定し、マイコン4のメモリ32に格納する(S202)。
次に、2番目のステップにおけるモータの目標速度V2と前記1番目のステップにおける目標速度V1を比較する(S203)。もし、目標速度V2が目標速度V1よりも小さい場合は(S203でNo)、S215に進み判定処理を終了する。加速時のように、目標速度V2が目標速度V1よりも大きい場合(S203でYes)は、S204に進む。そして、2番目のステップをステッピングモータに与えてモータの回転速度を加速させる。これと並行して、2番目のステップ期間における制御信号のデューティ比X2を測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S204)。
ここで、メモリ32,33に格納されたデューティ比X1,X2を比較する(S205)。回転動作が正常であればデューティ比X2はX1より大きくなり(S205でYes)、この場合にはS209に進む。もしデューティ比X2がX1より小さい場合(S205でNo)は、目標の速度が実現されておらず、「脱調」と判定する(S206)。
S206にて脱調と判定したら、脱調と判定されたステップ(ここでは2番目のステップ)から目標地点までの距離を算出する(S207)。そして現在の速度プロファイルよりも遅い速度のプロファイルに切り替えて(S208)、S202に戻り、目標地点までのシーク動作を継続する。
S209では、3番目のステップにおけるモータの目標速度V3と前記2番目のステップにおける目標速度V2を比較する。もし、目標速度V3が目標速度V2よりも小さい場合は(S209でNo)、S215に進み判定処理を終了する。目標速度V3が目標速度V2よりも大きい場合(S209でYes)は、S210に進む。まず、マイコン4のメモリ33に格納されている前記2番目のステップ期間における制御信号のHi期間のデューティ比X2をメモリ32に移動して格納する。そして、3番目のステップをステッピングモータに与えてモータの回転速度を加速させる。これと並行して、3番目のステップ期間における制御信号のデューティ比X3を測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S210)。
ここで、メモリ32,33に格納されたデューティ比X2,X3を比較する(S211)。正常動作時にはデューティ比X3はX2より大きくなり(S211でYes)、この場合にはS212に進む。もしデューティ比X3がX2より小さい場合(S211でNo)は、目標の速度が実現されておらず、「脱調」と判定する(S206)。脱調と判定したら、その後は上記S207、S208と同様に処理する。
S212以降は上記同様に、n番目のステップにおける目標速度Vnと前記(n−1)番目のステップにおける目標速度Vn−1を比較する。そしてS213では、n番目のステップをステッピングモータに与える。これと並行して、n番目のステップ期間における制御信号のHi期間のデューティ比Xnを測定してマイコン4のメモリ33に格納する(S213)。S214では、デューティ比Xn−1,Xnを比較し、もしデューティ比XnがXn−1より小さい場合は「脱調」と判定する。以下これを繰り返す。
なお上記判定において、各ステップの目標速度V2,V3,Vnが基準となる直前のステップの目標速度V1,V2,Vn−1と等しい場合には、脱調していなくとも回転速度が1番目のステップよりも小さくなることがある。上記の判定法によれば誤って「脱調」と判定する恐れがあり、これを避けるため、S215に進み判定処理を中止する。
本実施例によれば、シーク動作途中の加速期間において、脱調によりモータ回転が停止したような場合、各ステップ毎に瞬時に異常を検出することができ、迅速な応答が可能である。
なお、本実施例の変形として、PWM方式の制御信号のLo期間のデューティ比を用いて脱調を判定することが可能である。その場合、n番目のステップにおけるLo期間のデューティ比Y1と、(n−1)番目のステップにおけるLo期間のデューティ比Yn−1とを比較する。そして、n番目のステップにおける速度Vnが(n−1)番目のステップにおける速度Vn−1よりも大きいにもかかわらず、デューティ比Ynがデューティ比Yn−1よりも大きい場合には脱調と判定することができる。
図9は、本発明の光ディスク装置におけるPWM_Hi期間検出器及びマイコンの内部構成の他の実施例を示す図である。前記実施例1におけるPWM_Hi期間検出器5は、図6に示したように、PWM信号10をサンプリングし、Hiレベルとして検出した回数を基にデューティ比を算出するものであった。これに対し本実施例では、PWM信号10を低域通過フィルタ(RC回路)で平滑し、その平滑電圧をA/D変換器で変換してHi期間の割合(デューティ比)を示す情報とするものである。
入力信号選択器41は、マイコン内の制御回路52からの指令(入力信号選択15)を受け、制御信号(PWM信号)10A+,A−,B+,B−のうちいずれかの系統の入力信号を選択する。スイッチ(SW1)42は、制御回路52からのステップ適用期間信号16(ステップの切り替え中はLo、切り替え後はHi)を受け、ステップが確実に切り替わったタイミングで制御信号を通過させる。PWM信号は抵抗43とコンデンサ44で構成された低域通過フィルタにより平滑され、コンデンサ44の端子にはHi期間の割合(デューティ比)に比例した電圧が発生する。スイッチ(SW2)45は、制御回路52からステップ切替期間信号17(ステップの切り替え中はHi、切り替え後はLo)を受けて、ステップ切り替え毎にコンデンサ44に蓄えられた電荷を放電する。A/D変換器46は平滑されたコンデンサ44の端子電圧をデジタル値Eに変換する。スイッチ(SW3)47は制御回路52からのA/D取り込み信号18(ステップ切替期間信号よりわずかに進んでいる)を受け、ステップ終了間際にA/D変換器46の出力Eをマイコン4に送る。
マイコン4は上記平滑電圧Eを入力し、メモリ48に格納する。メモリ領域49には1ステップ目に取得した値E1を、またメモリ領域50にはnステップ目に取得した値Enを格納する。比較器51は、これらの2つの値E1,Enを比較し、EnがE1よりも小さい場合、脱調と判定する。または前記実施例2の場合は、時間的に隣接する(n−1)番目及びn番目のステップにおいて取得したPWM信号の平滑電圧En−1,Enを比較することで、脱調を判定する。
本実施例によれば、PWM信号を低域通過フィルタ(RC回路)で平滑した電圧に基づき脱調を検出するので、回路構成が容易になる。
上記各実施例では、PWM制御信号のHi期間の情報として、デューティ比Xや平滑電圧Eを測定する場合を述べたが、Hi期間の割合を表すものであれば、これ以外のパラメータを用いることができる。
また上記各実施例では、光ディスク装置においてピックアップを移動するためのステッピングモータを対象に説明したが、本発明はこれに限らず、Hi期間の長さを可変とするPWM方式で制御する全てのステッピングモータに適用できることは言うまでもない。例えば、光ディスク装置における対物レンズの球面収差を補正する補正レンズを移動するためのステッピングモータに対しても、その脱調を迅速かつ正確に検出することができる。
1…光ディスク、2…ステッピングモータ、3…ドライブ回路、4…マイコン、5…PWM_Hi期間検出器、6…ピックアップ、8…ディスクモータ、10…制御信号(PWM信号)、21…サンプリング回路/入力信号選択器、23…Hiレベル検出器、25…Hiレベル回数カウンタ、31,48…メモリ、34,51…比較器、35,52…制御回路、41…入力信号選択器、43…抵抗、44…コンデンサ、46…A/D変換器。
Claims (6)
- 装着された光ディスクの半径方向にピックアップを移動するステッピングモータを有する光ディスク装置において、
上記ステッピングモータをその回転速度によらず所定の駆動電流を供給して駆動するため、Hi期間の長さを可変とするパルス幅変調(PWM)方式の制御信号を印加するドライブ回路と、
予め定めた速度プロファイルに従って上記ドライブ回路に上記ステッピングモータの速度制御信号を送るマイコンと、
上記ドライブ回路が上記ステッピングモータに印加する制御信号のHi期間のデューティ比を検出するHi期間検出器とを備え、
該Hi期間検出器は、上記ステッピングモータ駆動時の基準となるs番目のステップにおける上記制御信号のHi期間のデューティ比Xsと、該ステップ以降のn番目のステップにおける上記制御信号のHi期間のデューティ比Xnとを取得し、
上記マイコンは、上記Hi期間検出器の取得した上記デューティ比Xsと上記デューティ比Xnとを比較し、上記s番目のステップにおける目標速度Vsよりも上記n番目のステップにおける目標速度Vnが大きいにもかかわらず、上記デューティ比Xsよりも上記デューティ比Xnが小さい場合には、上記ステッピングモータは脱調していると判定し、より低速の速度プロファイルに切り替えて上記ステッピングモータに対する速度制御を行うことを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1記載の光ディスク装置において、
前記Hi期間検出器は、
前記制御信号をサンプリングするサンプリング回路と、
該サンプリングされた信号についてHiレベルの場合を検出するHiレベル検出器と、
Hiレベルとして検出した回数をカウントするHiレベル回数カウンタとを有し、
当該ステップにおいてHiレベルとしてカウントした回数を基に当該ステップにおける前記デューティ比を算出することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1記載の光ディスク装置において、
前記Hi期間検出器は、
当該ステップにおいて前記制御信号を平滑する低域通過フィルタと、
平滑された信号電圧をデジタル値に変換するA/D変換器とを有し、
該A/D変換器の出力を前記デューティ比として用いることを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクの半径方向にピックアップを移動するステッピングモータの脱調検出方法において、
上記ステッピングモータをその回転速度によらず所定の駆動電流を供給して駆動するため、Hi期間の長さを可変とするパルス幅変調(PWM)方式の制御信号を印加するものであって、
上記ステッピングモータ駆動時の基準となるs番目のステップにおける上記制御信号のHi期間のデューティ比Xsを取得し、
該ステップ以降のn番目のステップにおける上記制御信号のHi期間のデューティ比Xnを取得して上記デューティ比Xsと比較し、
上記s番目のステップにおける目標速度Vsよりも上記n番目のステップにおける目標速度Vnが大きいにもかかわらず、上記デューティ比Xsよりも上記デューティ比Xnが小さい場合には、上記ステッピングモータは脱調していると判定することを特徴とするステッピングモータの脱調検出方法。 - 請求項4記載のステッピングモータの脱調検出方法において、
前記基準となるs番目のステップとして、前記ステッピングモータ駆動開始時の1番目のステップを用いることを特徴とするステッピングモータの脱調検出方法。 - 請求項4記載のステッピングモータの脱調検出方法において、
前記基準となるs番目のステップとして、前記n番目のステップの直前の(n−1)番目のステップを用いることを特徴とするステッピングモータの脱調検出方法。
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---|---|---|---|
JP2005319217A JP2007129811A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | 光ディスク装置及びステッピングモータの脱調検出方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011101478A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Canon Inc | モータ駆動装置 |
JP2014057442A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Fujitsu Component Ltd | モータの異常検出装置及びプリンタ |
US9225276B2 (en) | 2012-11-16 | 2015-12-29 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Image forming apparatus, control method for the same, and motor state detector |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005319217A patent/JP2007129811A/ja not_active Withdrawn
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