JP5577192B2 - シート用パッド - Google Patents
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Description
本発明に係るシート用パッドは、樹脂材料が発泡されてなる発泡成形体により形成され、車両の着座部に用いられるシート用パッドであって、温度を23±2℃とした状態において、1Hzの振動に対するtanδが0.16以上0.19以下であるとともに、5Hzの振動に対するtanδが0.22以上0.30以下であることを特徴とする。
なお、1Hzの振動に対するtanδが0.16よりも小さい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が低くなって高減衰性を具備させることが難しく、乗員がぐらつき感を感じるようなシート用パッドの変形を抑えるのが困難になるおそれがある。また、1Hzの振動に対するtanδが0.19よりも大きい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が高くなりすぎ、このシート用パッドが応力緩和し易く、耐久性が低下するおそれがある。
すなわち、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.15より小さい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が低くなって高減衰性を具備させることが難しく、乗員がぐらつき感を感じるようなシート用パッドの変形を抑えるのが困難になるおそれがある。また、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.16よりも大きい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が高くなりすぎ、このシート用パッドが応力緩和し易く、耐久性が低下するおそれがある。
図1に示すように、シート用パッド1は、樹脂材料が発泡し成形されることで形成され、図示しない車両に取り付けられ着座部として用いられる。このシート用パッド1は、乗員が着座した状態で約30%程度圧縮される。
そして本実施形態では、シート用パッド1は、1Hzの振動に対するtanδが0.16以上0.19以下であるとともに、5Hzの振動に対するtanδが0.22以上0.30以下となっている。
また、前記シート用パッド1のロス成分は、
(シート用パッドのロス成分)=(セルを構成する樹脂の変形により生じるロス)
+(セル内外に空気が流出入することによるロス)
という関係を有している。特に、セルを構成する樹脂の変形により生じるロス(以下、樹脂によるロス成分という)は、周波数の依存性が低く、セル内外に空気が流出入することによるロスは、周波数の依存性が高く周波数が大きくなるほど大きくなる。
そのため、周波数が互いに異なる複数種の振動それぞれに対するtanδの分布に基づいて、周波数が0Hzの振動を含む1Hz前後の低周波数帯の振動に対する樹脂によるロス成分の大きさを評価することができる。
なお、1Hzの振動に対するtanδが0.16よりも小さい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が低くなって高減衰性を具備させることが難しく、乗員がぐらつき感を感じるようなシート用パッドの変形を抑えるのが困難になるおそれがある。また、1Hzの振動に対するtanδが0.19よりも大きい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が高くなりすぎ、このシート用パッド1が応力緩和し易く、耐久性が低下するおそれがある。
すなわち、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.15より小さい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が低くなって高減衰性を具備させることが難しく、乗員がぐらつき感を感じるようなシート用パッドの変形を抑えるのが困難になるおそれがある。また、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.16よりも大きい場合、低周波数帯の振動に対するロス成分が高くなりすぎ、このシート用パッド1が応力緩和し易く、耐久性が低下するおそれがある。
例えば、前記実施形態では、前記ポリオール成分として、分子量が異なる2種類のPPGを混合したものを採用するものとしたが、これに限られない。
例えば、シート用パッド1における1Hzの振動に対するtanδが0.16以上0.19以下であるとともに、5Hzの振動に対するtanδが0.22以上0.30以下であれば、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.15より小さくても、0.16より大きくても良い。
また、前記近似直線において周波数を0Hzと外挿したときの値が0.15以上0.16以下となっていれば、シート用パッド1における1Hzの振動に対するtanδが0.16より小さくても良く、0.19より大きくても良く、また、5Hzの振動に対するtanδが0.22より小さくても良く、0.30より大きくても良い。
この検証試験では、実施例1〜3および比較例1のテストピースを準備した。各テストピースは、下記表1に示す配合の樹脂材料をそれぞれ発泡し成形することで、扁平直方体状に形成した。
ポリエーテルポリオールB:平均分子量700、官能基数3、PO100mol%
ポリエーテルポリオールC:平均分子量7000、官能基数4、EO16mol%、PO84mol%
ポリマーポリオール:平均分子量5000、官能基数3、EO15mol%、PO85mol%
架橋剤:平均分子量400、官能基数6、EO100mol%
触媒:トリエチレンジアミン(東ソー社製)
シリコーン整泡剤:SZ1325(東レ・ダウコーニング社製)
このときまず、各テストピースをそれぞれ粘弾性測定装置にセットして、各テストピースを30%圧縮するとともに、温度を23±2℃とした。そして、各テストピースに、振幅が上下方向に±2.5mmの振動を、その周波数を1Hzから5Hzまで1Hz毎に入力し、各周波数の振動に対するtanδを測定した。
図2に示すグラフにおいて、横軸はテストピースに入力された振動の周波数(Hz)を表し、縦軸は各周波数の振動に対するtanδを表す。
実施例2:tanδ=0.021f+0.15・・・(2)
実施例3:tanδ=0.028f+0.16・・・(3)
比較例1:tanδ=0.041f+0.13・・・(4)
上記各式中のfは、周波数を意味している。
なお、上記各近似直線を図2に示した測定結果とともに示すと、図3に示すグラフのようになる。このグラフ中において、実施例1〜3および比較例1を示す実線で描かれた折れ線それぞれに近似された点線で書かれた直線が、上記各近似直線を示している。
ここでぐらつき感の抑制の評価は、官能試験および定量試験の両試験に基づく総合評価で行った。これらの試験のうち、官能試験は、被験者が各テストピースに着座して行った。
結果を表3に示す。
Claims (2)
- 樹脂材料が発泡し成形されることで形成され、車両に取り付けられ着座部として用いられるシート用パッドであって、
温度を23±2℃とした状態において、1Hzの振動に対するtanδが0.16以上0.19以下であるとともに、5Hzの振動に対するtanδが0.22以上0.30以下であることを特徴とするシート用パッド。 - 樹脂材料が発泡し成形されることで形成され、車両に取り付けられ着座部として用いられるシート用パッドであって、
温度を23±2℃とした状態において周波数が互いに異なる複数種の振動それぞれに対するtanδの分布を、最小二乗法で近似した近似直線において、周波数を0Hzと外挿したときの値が0.15以上0.16以下となるように構成されていることを特徴とするシート用パッド。
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