JP5576534B2 - 発光素子、発光装置および照明装置 - Google Patents

発光素子、発光装置および照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、電流励起型の発光素子に関する。また、前記発光素子を有する発光装置、並び
に電子機器に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用
した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対
の電極間に発光物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより
、発光物質からの発光を得ることができる。
エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光物質が有機化合物であるか、無
機化合物であるかによって大きく分けられる。
発光物質が有機化合物である場合、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極
から電子および正孔がそれぞれ発光物質を含む層に注入され、電流が流れる。そして、そ
れらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光物質が励起状態を形成し
、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような
発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
このように、有機化合物を発光物質として用いた電流励起型の発光素子は、薄型軽量に
作製でき、かつ低電圧で駆動できるため、次世代のフラットパネルディスプレイ素子とし
て好適であると考えられている。また、非常に応答速度が速いことも特徴の一つであり、
ディスプレイに応用すれば高い画質が実現できるのも利点である。
さらに、これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積な面状の発
光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、ある
いは蛍光灯に代表される線光源では得難い「面光源」を容易に作製できることを意味する
。したがって、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
ところで、これらの発光素子は、発光物質の種類によって様々な発光色を提供すること
ができるが、フラットパネルディスプレイや照明への応用を考慮すると、白色光を示す発
光素子の開発は重要である。白色発光素子にカラーフィルターを組み合わせることで、フ
ルカラーディスプレイが実現できるだけでなく、白色光は照明において最も需要の高い発
光色だからである。
異なる発光色を示す有機化合物を複数種組み合わせることにより、ブロードなスペクト
ルを持つ発光、あるいは白色発光を得ることは可能である。しかしながら、上述したよう
な発光素子における発光効率や寿命は大きな課題であり、白色発光素子においてもそれは
同様である。
これらの問題点を克服するため、例えば特許文献1では、ある特定の物質を適用するこ
とにより白色発光素子の発光効率や寿命を改善している。しかしながら、実用化を考慮す
ると、未だ対策は不十分であると言える。
特開2007−201491号公報
上記問題に鑑み、本発明では、長寿命な発光素子を提供することを課題とする。特に、
長寿命な白色の発光素子を提供することを課題とする。また本発明では、発光効率の高い
発光素子を提供することを課題とする。特に、発光効率の高い白色の発光素子を提供する
ことを課題とする。
さらに本発明では、本発明の発光素子を発光装置、あるいは電子機器に適用することに
より、信頼性が高い発光装置、あるいは電子機器を提供することを課題とする。また、消
費電力が低い発光装置、あるいは電子機器を提供することを課題とする。
陽極と陰極との間に、第1の発光物質を含む第1の発光層を設け、前記第1の発光層に接
して第2の発光物質を含む第2の発光層をさらに設けることにより、第1の発光物質から
の発光と第2の発光物質からの発光の両方が得られる発光素子を作製することができる。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記素子構成において、第1の発光層を、陽極側に
位置する層と陰極側に位置する層の二層に分割し、前記陽極側に位置する層には、第1の
有機化合物と第1の発光物質とを含有させ、前記陰極側に位置する層には、第1の有機化
合物とは異なる第2の有機化合物と第1の発光物質とを含有させ、さらに第1の発光層に
接して設けられている第2の発光層には、第2の発光物質だけでなく第3の有機化合物を
も含有させることによって、課題を解決できることを見出した。
さらに、第1の発光層に接して設けられている第2の発光層は、第2の発光物質だけでな
く第3の有機化合物をも含有させているため、キャリアの輸送性を制御できる。これによ
り、第2の発光層は、第1の発光層の陽極側に設けることもできるし、陰極側に設けるこ
ともできる。
したがって本発明の構成の一つは、陽極と陰極との間に、第1の発光層と、前記第1の発
光層の陽極側に接して設けられた第2の発光層とを有し、前記第1の発光層は、陽極側に
位置する層と、陰極側に位置する層と、からなり、前記陽極側に位置する層は、第1の有
機化合物と第1の発光物質とを含み、前記陰極側に位置する層は、第2の有機化合物と前
記第1の発光物質とを含み、前記第2の発光層は、第3の有機化合物と第2の発光物質と
を含み、前記第1の発光物質からの発光と前記第2の発光物質からの発光が得られる発光
素子である。
この場合、第1の発光層におけるキャリアの再結合領域は、第1の発光層の界面ではなく
内部であることが好ましい。したがって、前記陽極側に位置する層は正孔輸送性であり、
前記陰極側に位置する層は電子輸送性であることが好ましい。またこの場合、第2の発光
層は、第1の発光層の陽極側に設けられているため、第1の発光層まで正孔を輸送する機
能も担う。したがって、第2の発光層は正孔輸送性であることが好ましい。
ここで、上記構成において、第1の有機化合物、第2の有機化合物、および第3の有機化
合物は、各層におけるキャリアの輸送性を制御するため、いわゆるホスト材料であること
が好ましい。したがって本発明の構成の一つは、陽極と陰極との間に、第1の発光層と、
前記第1の発光層の陽極側に接して設けられた第2の発光層とを有し、前記第1の発光層
は、陽極側に位置する層と、陰極側に位置する層と、からなり、前記陽極側に位置する層
は、第1の有機化合物と第1の発光物質とを含み、前記陽極側に位置する層における前記
第1の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下であり、前記陰極側に位
置する層は、第2の有機化合物と前記第1の発光物質とを含み、前記陰極側に位置する層
における前記第2の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下であり、前
記第2の発光層は、第3の有機化合物と第2の発光物質とを含み、前記第2の発光層にお
ける前記第3の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下である発光素子
である。
この場合、第1の発光層におけるキャリアの再結合領域は、第1の発光層の界面ではなく
内部であることが好ましい。したがって、前記第1の有機化合物は正孔輸送性であり、前
記第2の有機化合物は電子輸送性であることが好ましい。またこの場合、第2の発光層は
、第1の発光層の陽極側に設けられているため、第1の発光層まで正孔を輸送する機能も
担う。したがって、前記第3の有機化合物は正孔輸送性であることが好ましい。
ここで、上述した本発明の発光素子において、前記陽極側に位置する層と前記陰極側に位
置する層との界面は、正孔と電子の両方の密度が高い領域である。したがって、前記陽極
側に位置する層に含まれる第1の有機化合物や、前記陰極側に位置する層に含まれる第2
の有機化合物は、酸化、還元の両方に対して安定であることが好ましいため、いずれも3
環以上6環以下の縮合多環芳香族化合物であることが好ましい。中でも特に、アントラセ
ン誘導体は安定であり、好適である。
なお、上記構成のように、第2の発光層が第1の発光層の陽極側に設けられている場合、
第2の発光層から第1の発光層に正孔が注入される。したがって、その正孔注入性を潤滑
にするため、第1の発光層の陽極側に位置する層に含まれる第1の有機化合物と、第2の
発光層に含まれる第3の有機化合物は、同一の物質であることが好ましい。
以上では、第2の発光層が第1の発光層の陽極側に設けられている構成について説明した
。しかしながら先に述べた通り、第2の発光層は、第1の発光層の陰極側に設けることも
できる。
したがって本発明の構成の一つは、陽極と陰極との間に、第1の発光層と、前記第1の発
光層の陰極側に接して設けられた第2の発光層とを有し、前記第1の発光層は、陽極側に
位置する層と、陰極側に位置する層と、からなり、前記陽極側に位置する層は、第1の有
機化合物と第1の発光物質とを含み、前記陰極側に位置する層は、第2の有機化合物と前
記第1の発光物質とを含み、前記第2の発光層は、第3の有機化合物と第2の発光物質と
を含み、前記第1の発光物質からの発光と前記第2の発光物質からの発光が得られる発光
素子である。
この場合、第1の発光層におけるキャリアの再結合領域は、第1の発光層の界面ではなく
内部であることが好ましい。したがって、前記陽極側に位置する層は正孔輸送性であり、
前記陰極側に位置する層は電子輸送性であることが好ましい。またこの場合、第2の発光
層は、第1の発光層の陰極側に設けられているため、第1の発光層まで電子を輸送する機
能も担う。したがって、第2の発光層は電子輸送性であることが好ましい。
ここで、上記構成において、第1の有機化合物、第2の有機化合物、および第3の有機化
合物は、各層におけるキャリアの輸送性を制御するため、いわゆるホスト材料であること
が好ましい。したがって本発明の構成の一つは、陽極と陰極との間に、第1の発光層と、
前記第1の発光層の陰極側に接して設けられた第2の発光層とを有し、前記第1の発光層
は、陽極側に位置する層と、陰極側に位置する層と、からなり、前記陽極側に位置する層
は、第1の有機化合物と第1の発光物質とを含み、前記陽極側に位置する層における前記
第1の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下であり、前記陰極側に位
置する層は、第2の有機化合物と前記第1の発光物質とを含み、前記陰極側に位置する層
における前記第2の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下であり、前
記第2の発光層は、第3の有機化合物と第2の発光物質とを含み、前記第2の発光層にお
ける前記第3の有機化合物の含有量は50重量%以上99.9重量%以下である発光素子
である。
この場合、第1の発光層におけるキャリアの再結合領域は、第1の発光層の界面ではなく
内部であることが好ましい。したがって、前記第1の有機化合物は正孔輸送性であり、前
記第2の有機化合物は電子輸送性であることが好ましい。またこの場合、第2の発光層は
、第1の発光層の陰極側に設けられているため、第1の発光層まで電子を輸送する機能も
担う。したがって、前記第3の有機化合物は電子輸送性であることが好ましい。
ここで、第2の発光層が第1の発光層の陰極側に位置する構成においても、前記陽極側に
位置する層と前記陰極側に位置する層との界面は、正孔と電子の両方の密度が高い領域で
ある。したがって、前記陽極側に位置する層に含まれる第1の有機化合物や、前記陰極側
に位置する層に含まれる第2の有機化合物は、酸化、還元の両方に対して安定であること
が好ましいため、いずれも3環以上6環以下の縮合多環芳香族化合物であることが好まし
い。中でも特に、アントラセン誘導体は安定であり、好適である。
なお、上記構成のように、第2の発光層が第1の発光層の陰極側に設けられている場合、
第2の発光層から第1の発光層に電子が注入される。したがって、その電子注入性を潤滑
にするため、第1の発光層の陰極側に位置する層に含まれる第2の有機化合物と、第2の
発光層に含まれる第3の有機化合物は、同一の物質であることが好ましい。
以上で述べたような構成により本発明の発光素子は構成されるが、本発明の発光素子に
おけるキャリアの再結合領域は、第1の発光層内部が支配的になる場合が多い。したがっ
て、エネルギー移動を考慮すると、第1の発光層における発光は、第2の発光層における
発光よりも短波長の発光であることが好ましい。すなわち、本発明の発光素子においては
、前記第1の発光物質の発光ピーク波長が、前記第2の発光物質の発光ピーク波長よりも
短波長であることが好ましい。
なお、本発明の発光素子の構成は、第1の発光物質からの発光と第2の発光物質からの発
光の両方が得られるため、ブロードなスペクトルを持つ発光素子に適しているが、特に白
色発光素子に好適に用いることができる。したがって、以上で述べたような本発明の発光
素子において、前記第1の発光物質の発光色と、前記第2の発光物質の発光色が、互いに
補色の関係にある発光素子も本発明の一つである。
白色光を考慮すると、より具体的には、前記第1の発光物質の発光色は青色であり、前記
第2の発光物質の発光色が黄色である構成が好ましい。あるいは、第1の発光物質の発光
ピーク波長が400nm以上480nm未満の範囲にあり、第2の発光物質の発光ピーク
波長が540nm以上600nm未満の範囲にあることが好ましい。
また、白色光を考慮した他の構成として、第1の発光物質の発光色が青緑色であり、第2
の発光物質の発光色が赤色であることが好ましい。あるいは、第1の発光物質の発光ピー
ク波長が480nm以上520nm未満の範囲にあり、第2の発光物質の発光ピーク波長
が600nm以上700nm未満の範囲にあることが好ましい。
なお、以上で述べたような本発明の発光素子は、様々な発光装置に適用することができる
。したがって、上述した本発明の発光素子を有する発光装置も本発明に含むものとする。
本明細書中における発光装置とは、画像表示装置、照明装置などを含む。また、発光素子
が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed
circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テ
ープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモ
ジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または
発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実
装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
特に、本発明の発光素子は、ブロードなスペクトルを持つ発光素子、あるいは白色発光素
子を作製するのに好適であるため、上記発光装置としては、照明装置が好ましい。
また、上述した本発明の発光装置は、特に電子機器の表示部として有用である。したがっ
て、本発明の発光装置を備えた電子機器も、本発明に含むものとする。
本発明の発光素子を作製することにより、長寿命な発光素子を得ることができる。特に
、長寿命な白色の発光素子を得ることができる。また本発明の発光素子を作製することに
より、発光効率の高い発光素子を得ることができる。特に、発光効率の高い白色の発光素
子を得ることができる。
さらに、本発明の発光素子を発光装置、あるいは電子機器に適用することにより、信頼
性が高い発光装置、あるいは電子機器を得ることができる。また、消費電力が低い発光装
置、あるいは電子機器を得ることができる。
本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例1で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例1で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例1で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例1で作製した発光素子の定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を示す図。 実施例2で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例2で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例2で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例2で作製した発光素子の定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を示す図。 実施例3で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例3で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例3で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例3で作製した発光素子の定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例4で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例4で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を示す図。 2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセンのH NMRチャートを示す図。 4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)のH NMRチャートを示す図。 2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPPA)のH NMRチャートを示す図。 2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPPA)のトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 9−フェニル−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCC)のH NMRチャートを示す図。 9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)のH NMRチャートを示す図。 9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)のトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)の薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルアミン(略称:PCBA)のH NMRチャートを示す図。 4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)のH NMRチャートを示す図。 4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)のトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)の薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 実施例5で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例5で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。 実施例6で作製した発光素子の電流密度―輝度特性および電圧―輝度特性を示す図。 実施例6で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例6で作製した発光素子の輝度−電流効率特性および輝度−パワー効率特性を示す図。
以下、本発明の実施の形態及び実施例について図面を参照しながら説明する。ただし、
本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から
逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理
解される。したがって、本実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるもので
はない。
(実施形態1)
本実施形態1では、本発明の概念について説明する。図1に本発明の発光素子の概念図を
示す。
図1(A)は、陽極101と陰極102との間に、第1の発光層111と、第1の発光層
111の陽極側に接して設けられた第2の発光層112とを有し、第1の発光層111は
、陽極側に位置する層121と、陰極側に位置する層122と、からなる本発明の発光素
子の構成の一つを示したものである。陽極101と第2の発光層112との間には、正孔
注入層や正孔輸送層が設けられていてもよいが、必ずしも必要ではないため、図1(A)
では省略している。また、陰極102と第1の発光層111との間には、電子注入層や電
子輸送層が設けられていてもよいが、必ずしも必要ではないため、図1(A)では省略し
ている。
第1の発光層111において、陽極側に位置する層121は、第1の有機化合物と第1の
発光物質とを含み、陰極側に位置する層122は、第1の有機化合物とは異なる第2の有
機化合物と第1の発光物質とを含んでいる。すなわち、第1の発光層111からは、第1
の発光物質からの発光が得られる。一方、第2の発光層112は、第3の有機化合物と第
2の発光物質とを含んでいる。すなわち、第2の発光層112からは、第2の発光物質か
らの発光が得られる。この発光素子に電圧を印加することにより、陽極101から注入さ
れた正孔と陰極102から注入された電子が再結合し、第1の発光物質からの発光と第2
の発光物質からの発光の両方が得られるのが、本発明の発光素子である。
まず、本発明の発光素子において重要なことは、第1の発光層111が、陽極側に位置
する層121と陰極側に位置する層122の二層に分割されており、かつ該二層がいずれ
も第1の発光物質を含んでいる点である。そして、陽極側に位置する層121には第1の
有機化合物を、陰極側に位置する層122には第2の有機化合物を、それぞれさらに含有
させることにより、第1の発光層111内部におけるキャリアの輸送性を調節し、陽極側
に位置する層121と陰極側に位置する層122との界面近傍がキャリアの主たる再結合
領域になるよう構成している点も重要である。このような構成とすることにより、キャリ
アの再結合は第1の発光層111の端部界面ではなく内部で起こるようになるため、第1
の発光層111におけるキャリアバランスは経時的に変化しにくくなり、第1の発光層1
11は劣化しにくくなる。
以上の観点から、陽極側に位置する層121は、第1の有機化合物を含有させることに
より正孔輸送性を調節することが好ましく、陰極側に位置する層122は、第2の有機化
合物を含有させることにより電子輸送性を調節することが好ましい。
一方、第2の発光層112は、第2の発光物質を含んでおり、第1の発光層111から
の発光(第1の発光物質からの発光)とは異なる色で発光する。そして、先にも述べたよ
うに、キャリアの主たる再結合領域は陽極側に位置する層121と陰極側に位置する層1
22との界面近傍であるため、第2の発光層112は、図1(A)の場合、第1の発光層
111まで正孔を輸送する機能も担う。したがって第2の発光層112は、第3の有機化
合物をさらに含有させることにより、正孔輸送性を調節することが好ましい。
ここで、本発明の発光素子においては、第1の発光層111に含まれる第1の発光物質
と、第2の発光層112に含まれる第2の発光物質の両方が発光する必要がある。第2の
発光層112に含まれる第2の発光物質は、図1(A)に示すように、キャリアの主たる
再結合領域からは少し離れているが、陽極側に位置する層121の膜厚を調節することに
より、一部の電子が第2の発光層112にまで到達する。したがって、第2の発光物質も
発光することができる。
あるいは、第1の発光物質の発光波長を第2の発光物質の発光波長よりも短波長とするこ
とで、第1の発光物質の励起エネルギーの一部を第2の発光物質にエネルギー移動させ、
第2の発光物質を発光させることもできる。エネルギー移動効率は物質間の距離の6乗に
反比例することが知られているので、陽極側に位置する層121の膜厚を調節することで
、第1の発光物質の発光と第2の発光物質の発光の割合を調節できる。
いずれのメカニズムにしても、陽極101から注入された正孔と陰極102から注入さ
れた電子は、第1の発光層111または第2の発光層112のいずれかにおける励起状態
の形成に無駄なく分配され、発光に寄与することになる。したがって、本発明の発光素子
は高い発光効率を達成できる。
一方、図1(B)は図1(A)とは逆に、第2の発光層112が第1の発光層111の陰
極側に接して設けられた構成であり、本発明の発光素子の構成の一つを示したものである
。陽極101と第1の発光層111との間には、正孔注入層や正孔輸送層が設けられてい
てもよいが、必ずしも必要ではないため、図1(B)では省略している。また、陰極10
2と第2の発光層112との間には、電子注入層や電子輸送層が設けられていてもよいが
、必ずしも必要ではないため、図1(B)では省略している。
第1の発光層111において、陽極側に位置する層121は、第1の有機化合物と第1の
発光物質とを含み、陰極側に位置する層122は、第1の有機化合物とは異なる第2の有
機化合物と第1の発光物質とを含んでいる。すなわち、第1の発光層111からは、第1
の発光物質からの発光が得られる。一方、第2の発光層112は、第3の有機化合物と第
2の発光物質とを含んでいる。すなわち、第2の発光層112からは、第2の発光物質か
らの発光が得られる。この発光素子に電圧を印加することにより、陽極101から注入さ
れた正孔と陰極102から注入された電子が再結合し、第1の発光物質からの発光と第2
の発光物質からの発光が得られるのが本発明の発光素子である。
第1の発光層111については図1(A)の構成と同様であり、陽極側に位置する層1
21は、第1の有機化合物を含有させることにより正孔輸送性を調節することが好ましく
、陰極側に位置する層122は、第2の有機化合物を含有させることにより電子輸送性を
調節することが好ましい。
一方、第2の発光層112は、第2の発光物質を含んでおり、第1の発光層111から
の発光(第1の発光物質からの発光)とは異なる色で発光する。そして、キャリアの主た
る再結合領域は陽極側に位置する層121と陰極側に位置する層122との界面近傍であ
るため、第2の発光層112は、図1(B)の場合、第1の発光層111まで電子を輸送
する機能も担う。したがって第2の発光層112は、第3の有機化合物をさらに含有させ
ることにより、電子輸送性に調節することが好ましい。
ここで、本発明の発光素子においては、第1の発光層111に含まれる第1の発光物質
と、第2の発光層112に含まれる第2の発光物質の両方が発光する必要がある。第2の
発光層112に含まれる第2の発光物質は、図1(B)に示すように、キャリアの主たる
再結合領域からは少し離れているが、陰極側に位置する層122の膜厚を調節することに
より、一部の正孔が第2の発光層112にまで到達する。したがって、第2の発光物質も
発光することができる。
あるいは、第1の発光物質の発光波長を第2の発光物質の発光波長よりも短波長とするこ
とで、第1の発光物質の励起エネルギーを一部、第2の発光物質にエネルギー移動させ、
第2の発光物質を発光させることもできる。エネルギー移動効率は物質間の距離の6乗に
反比例することが知られているので、陰極側に位置する層122の膜厚を調節することで
、第1の発光物質の発光と第2の発光物質の発光の割合を調節できる。
いずれのメカニズムにしても、陽極101から注入された正孔と陰極102から注入さ
れた電子は、第1の発光層111または第2の発光層112のいずれかにおける励起状態
の形成に無駄なく分配され、発光に寄与することになる。したがって、本発明の発光素子
は高い発光効率を達成できる。
なお、本発明の発光素子は、第1の発光物質からの発光と第2の発光物質からの発光の両
方が得られることから、ブロードなスペクトルを持つ発光が得られる。したがって、白色
発光を得ることもできる。
以上で述べたことから、本発明の構成を適用することにより、長寿命な発光素子を得るこ
とができる。特に、長寿命な白色の発光素子を得ることができる。また本発明の発光素子
を作製することにより、発光効率の高い発光素子を得ることができる。特に、発光効率の
高い白色の発光素子を得ることができる。
以上のように本実施の形態では、本発明の発光素子の概念について説明した。次に、以
下では、具体的な材料も列挙しつつ、本発明の発光素子の構成についてより詳細に述べる
(実施形態2)
本実施形態2では、図1(A)で説明した本発明の発光素子の具体的な構成について、
図2(A)を用いて説明する。
図2(A)は、本発明の発光素子の素子構造を模式的に示したものであり、陽極201
と陰極202との間に、発光物質を含む層203が設けられており、該発光物質を含む層
203は、少なくとも第1の発光層211と、第1の発光層211の陽極側に接して設け
られた第2の発光層212とを有している。第1の発光層211は、陽極側に位置する層
221と陰極側に位置する層222から構成されている。
なお、本実施形態2の発光素子においては、陽極201と第2の発光層212との間に、
正孔注入層213および正孔輸送層214が設けられている。また、陰極202と第1の
発光層211との間に、電子輸送層215および電子注入層216が設けられている。た
だし、正孔注入層213、正孔輸送層214、電子輸送層215、電子注入層216は、
必ずしも必要ではない。また、これらの層は、複数の層から構成されていてもよい。
以下ではまず、第1の発光層211および第2の発光層212の構成について、具体的に
説明する。
第1の発光層211において、陽極側に位置する層221は、第1の有機化合物と第1の
発光物質とを含み、陰極側に位置する層222は、第1の有機化合物とは異なる第2の有
機化合物と、第1の発光物質とを含んでいる。
実施形態1でも述べた通り、第1の有機化合物および第2の有機化合物は、第1の発光層
211内部におけるキャリアの輸送性を調節し、陽極側に位置する層221と陰極側に位
置する層222との界面近傍が、キャリアの主たる再結合領域になるよう構成する機能を
持つ。このような構成により、第1の発光層211におけるキャリアバランスは経時的に
変化しにくくなり、第1の発光層211が劣化しにくくなるためである。
キャリアの輸送性を調節するためには、第1の有機化合物および第2の有機化合物は、い
ずれもホスト材料となることが好ましい。つまり、より具体的には、陽極側に位置する層
221における第1の有機化合物の含有量を、50重量%以上99.9重量%以下とする
ことが好ましい。また、陰極側に位置する層222における第2の有機化合物の含有量を
、50重量%以上99.9重量%以下とすればよい。
また、実施形態1でも述べた通り、陽極側に位置する層221と陰極側に位置する層22
2との界面近傍がキャリアの主たる再結合領域になるためには、陽極側に位置する層22
1は正孔輸送性であることが好ましく、陰極側に位置する層222は電子輸送性であるこ
とが好ましい。このことを考慮すると、陽極側に位置する層221におけるホスト材料で
ある第1の有機化合物は、正孔輸送性であることが好ましく、陰極側に位置する層222
におけるホスト材料である第2の有機化合物は、電子輸送性であることが好ましい。
したがって、第1の有機化合物の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル
)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα―NPD)、4,4’−ビ
ス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル
(略称:DFLDPBi)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジ
フェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,
4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェ
ニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[
N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA
3B)、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジ
フェニルベンジジン(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)
−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,
N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−
トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称
:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(
略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニル
アミン(略称:TCTA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)
、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9
H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、9−フェニル−9’−[4−(
10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(
略称:PCCPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略
称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−
9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−
[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミ
ン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9
−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCA
PBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H
−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11
−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オ
クタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:
DBC1)のような正孔輸送性の化合物が好適である。また、陽極側に位置する層221
と陰極側に位置する層222との界面は、正孔と電子の両方の密度が高い領域であるため
、第1の有機化合物は、酸化、還元の両方に対して安定であることが好ましい。したがっ
て、第1の有機化合物としてより好ましいのは、DPAnth、CzA1PA、PCCP
A、DPhPA、YGAPA、PCAPA、PCAPBA、2PCAPA、DBC1に代
表される3環以上6環以下の縮合多環芳香族化合物である。中でも特に、DPAnth、
CzA1PA、PCCPA、DPhPA、YGAPA、PCAPA、PCAPBA、2P
CAPAのようなアントラセン誘導体は安定であり、またエネルギーギャップも大きいた
め、ホスト材料である第1の有機化合物として好適である。
また、第2の有機化合物の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(
III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(I
II)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリ
ウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェ
ニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト
)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]
亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]
亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−
ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5
−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベン
ゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−te
rt−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)、2,2’,
2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダ
ゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプ
ロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−
2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、9−[4−(10−フ
ェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6
−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カル
バゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アン
トラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DN
A)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−
BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−
3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4
,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼ
ン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)のような電子輸送性の化合物
が好適である。また、陽極側に位置する層221と陰極側に位置する層222との界面は
、正孔と電子の両方の密度が高い領域であるため、第2の有機化合物は、酸化、還元の両
方に対して安定であることが好ましい。したがって、第2の有機化合物としてより好まし
いのは、CzPA、DPCzPA、DPPA、DNA、t−BuDNA、BANT、DP
NS、DPNS2、TPB3に代表される3環以上6環以下の縮合多環芳香族化合物であ
る。中でも特に、CzPA、DPCzPA、DPPA、DNA、t−BuDNA、BAN
Tのようなアントラセン誘導体は安定であり、またエネルギーギャップも大きいため、ホ
スト材料である第2の有機化合物として好適である。
なお、第1の発光層は、第1の有機化合物、第2の有機化合物、第1の発光物質以外に、
さらに他の物質を含んでいてもよい。
一方、第2の発光層212は、第3の有機化合物と第2の発光物質とを含んでいる。実
施形態1でも述べたように、キャリアの主たる再結合領域は陽極側に位置する層221と
陰極側に位置する層222との界面近傍であるため、第2の発光層212は、図2(A)
の構成において、第1の発光層211まで正孔を輸送する機能も担う。この機能を容易に
実現させるため、第3の有機化合物は、第1の有機化合物や第2の有機化合物と同様、第
2の発光層212におけるホスト材料となることが好ましい。つまり、より具体的には、
第2の発光層212における第3の有機化合物の含有量を、50重量%以上99.9重量
%以下とすればよい。
また、第2の発光層212が正孔を輸送する機能も担うことを考慮すると、第2の発光層
212におけるホスト材料である第3の有機化合物は、正孔輸送性であることが好ましい
したがって、第3の有機化合物の具体例としては、第1の有機化合物と同じく、NPB(
またはα―NPD)、DFLDPBi、DTDPPA、DPAB、DNTPD、DPA3
B、BSPB、TPD、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、TCTA、DPA
nth、CzA1PA、PCCPA、DPhPA、YGAPA、PCAPA、PCAPB
A、2PCAPA、DBC1のような正孔輸送性の化合物が好適である。特に、DPAn
th、CzA1PA、PCCPA、DPhPA、YGAPA、PCAPA、PCAPBA
、2PCAPAのようなアントラセン誘導体は安定であり、またエネルギーギャップも大
きいため、ホスト材料である第3の有機化合物として好適である。
なお、第2の発光層は、第3の有機化合物、第2の発光物質以外に、さらに他の物質を含
んでいてもよい。
さらに、第2の発光層212から第1の発光層211への正孔注入障壁を低減するため、
第1の発光層211の陽極側に位置する層221に含まれる第1の有機化合物と、第2の
発光層212に含まれる第3の有機化合物は、同一の物質であることが好ましい。
次に、発光物質について説明する。第1の発光層211は第1の発光物質を含み、第2の
発光層212は第2の発光物質を含んでいるが、ブロードなスペクトルを持つ発光、ある
いは白色発光を得るため、第1の発光物質と第2の発光物質とは異なる物質を用いる。
第1の発光物質および第2の発光物質は、それぞれ異なる物質であれば特に限定はなく、
例えば以下に列挙する材料から適宜選択すればよい。青色の発光を呈する物質としては、
例えば発光ピーク波長が400nm以上480nm未満に位置する物質を用いればよく、
N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェ
ニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール
−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:
YGAPA)、2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フ
ェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPPA
)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−
9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−
テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アン
トリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン
(略称:PCBAPA)などが挙げられる。また、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロ
フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル
)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジ
ナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)のような
燐光を発する材料も用いることができる。青緑色の発光を呈する物質としては、例えば発
光ピーク波長が480nm以上520nm未満に位置する物質を用いればよく、N,N’
’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)
ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPAB
PA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フ
ェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9
,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1
,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N
’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10
,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30などが挙げられる。また、ビス
[2−(3’,5’−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリ
ジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2
−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)
アセチルアセトナート(略称:FIracac)のような燐光を発する材料も用いること
ができる。黄色の発光を呈する物質としては、例えば発光ピーク波長が540nm以上6
00nm未満に位置する物質を用いればよく、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビ
フェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−
{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4
−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(
2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エ
テニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)などが
挙げられる。また、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセ
トナート(略称:Ir(bzq)(acac))、ビス(2,4−ジフェニル−1,3
−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir
(dpo)(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリ
ジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)
(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(II
I)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))のような燐光を発する
材料も用いることができる。赤色の発光を呈する物質としては、例えば発光ピーク波長が
600nm以上700nm未満に位置する物質を用いればよく、N,N,N’,N’−テ
トラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhT
D)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)
アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAF
D)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,
6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]
−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−
tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テト
ラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラ
ン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2
−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロ
パンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1
,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[i
j]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニト
リル(略称:BisDCJTM)などが挙げられる。また、ビス[2−(2’−ベンゾ[
4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセト
ナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−
N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(a
cac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノ
キサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、2,3
,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金
(II)(略称:PtOEP)、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナ
ト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Ph
en))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モ
ノフェナントロリン)ユーロピウム(III)のような燐光を発する材料も用いることが
できる。なお、520nm〜540nmの範囲においては材料を列挙していないが、もち
ろんこの範囲の発光波長を有する発光材料(燐光を発する材料も含む)も用いることが可
能である。例えば、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン、(略称:D
PQd)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(pp
y))などが挙げられる。これらの中から異なる発光波長を有する物質を、発光素子か
ら所望の発光色が得られるようにそれぞれ選択して用いることができる。
ここで、本発明の発光素子においては、第1の発光層211に含まれる第1の発光物質
と、第2の発光層212に含まれる第2の発光物質の両方が発光する必要がある。第2の
発光層212に含まれる第2の発光物質は、キャリアの主たる再結合領域からは少し離れ
ているが、陽極側に位置する層221の膜厚を調節することにより、一部の電子が第2の
発光層212にまで到達する。したがって、第2の発光物質も発光することができる。こ
のため、陽極側に位置する層221の膜厚は、1nm以上20nm以下が好ましい。
また、第1の発光物質の発光波長を第2の発光物質の発光波長よりも短波長とすることで
、第1の発光物質の励起エネルギーの一部を第2の発光物質にエネルギー移動させ、第2
の発光物質を発光させることができる。したがって、本発明の発光素子においては、第1
の発光物質の発光ピーク波長が、第2の発光物質の発光ピーク波長よりも短波長であるこ
とが好ましい。なお、エネルギー移動効率は物質間の距離の6乗に反比例することが知ら
れているので、陽極側に位置する層221の膜厚を調節することで、第1の発光物質の発
光と第2の発光物質の発光の割合を調節できる。この観点からも、陽極側に位置する層2
21の膜厚は、1nm以上20nm以下が好ましい。
なお、本発明の発光素子の構成は、第1の発光物質からの発光と第2の発光物質からの発
光の両方が得られるため、ブロードなスペクトルを持つ発光素子に適しているが、特に白
色発光素子に好適に用いることができる。したがって、以上で述べたような本発明の発光
素子において、第1の発光物質の発光色と、第2の発光物質の発光色が、互いに補色の関
係にある発光素子も本発明の一つである。補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青
緑色と赤色などが挙げられる。青色、黄色、青緑色、赤色に発光する物質としては、例え
ば、先に列挙した発光物質の中から適宜選択すればよい。
組み合わせの例としては、第1の発光物質として青色発光を示すPCBAPAを、第2の
発光物質として黄色発光を示すルブレンを用いると、白色が得られる。また例えば、第1
の発光物質として青緑色発光を示す2PCAPPAを、第2の発光物質として赤色発光を
示すBisDCMを用いても、白色が得られる。なお、白色光以外の発光色としては、例
えば第1の発光物質として青色発光を示す2YGAPPAを、第2の発光物質として赤色
発光を示すBisDCMを用いれば、紫色のような中間色が得られる。
ここで、上述したように、第1の発光物質から第2の発光物質へのエネルギー移動を利用
することを考慮すると、第1の発光物質の発光ピーク波長は、第2の発光物質の発光ピー
ク波長よりも短波長であることが好ましい。
したがって例えば、第1の発光物質の発光色が青色(発光ピーク波長が400nm以上4
80nm未満)であり、第2の発光物質の発光色が黄色(発光ピーク波長が540nm以
上600nm未満)である構成が好ましい。このことを考慮すると、第1の発光物質とし
ては上述のYGA2S、YGAPA、2YGAPPA、PCAPA、ペリレン、TBP、
PCBAPA、FIr6、FIrpic等が好適であり、第2の発光物質としてはルブレ
ン、BPT、DCM1、DCM2、Ir(bzq)(acac)、Ir(dpo)
acac)、Ir(p−PF−ph)(acac)、Ir(bt)(acac)等が
好適である。
また例えば、第1の発光物質の発光色が青緑色(発光ピーク波長が480nm以上520
nm未満)であり、第2の発光物質の発光色が赤色(発光ピーク波長が600nm以上7
00nm未満)である構成が好ましい。このことを考慮すると、第1の発光物質としては
上述のDPABPA、2PCAPPA、2DPAPPA、DBC1、クマリン30、Ir
(CFppy)(pic)、FIracac等が好適であり、第2の発光物質として
はp−mPhTD、p−mPhAFD、DCJTI、DCJTB、BisDCM、Bis
DCJTM、Ir(btp)(acac)、Ir(piq)(acac)、Ir(F
dpq)(acac)、PtOEP、Eu(DBM)(Phen)、トリス[1−(
2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユー
ロピウム(III)等が好適である。
以上で述べたような第1の発光層211および第2の発光層212の構成を適用すること
により、陽極201から注入された正孔と陰極202から注入された電子は、第1の発光
層211または第2の発光層212のいずれかにおける励起状態の形成に無駄なく分配さ
れ、発光に寄与することになる。したがって、本発明の発光素子は高い発光効率を達成で
きる。
次に、以下では、陽極201、正孔注入層213、正孔輸送層214、電子輸送層21
5、電子注入層216、陰極202に好適に用いることができる材料を、具体的に列挙す
る。
陽極201としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電
気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例え
ば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若
しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZ
O:Indium Zinc Oxide)、酸化珪素および酸化スズを含有した酸化イ
ンジウム(ITSO:Indium Tin Silicon Oxide)、酸化タン
グステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの
電気伝導性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法により成膜されるが、ゾル−ゲル法な
どを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製しても構わない。例え
ば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸
化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また
、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジ
ウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有した
ターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)
、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン
(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(
Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
また、陽極201と接する層として、後述する複合材料を含む層を用いた場合には、陽
極201として、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、お
よびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(A
g)、アルミニウムを含む合金(例えばAlSi、AlTi、AlNd等)などを用いる
ことができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に
属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマ
グネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金
属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテル
ビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。上記金
属や合金は、真空蒸着法あるいはスパッタリング法により形成することが可能である。ま
た、ペースト(銀ペースト等)をインクジェット法などにより成膜することも可能である
正孔注入層213は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質と
しては、酸化モリブデンや酸化バナジウム、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化マ
ンガン等を用いることができる。この他、低分子の有機化合物としては、フタロシアニン
(略称:HPc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシ
アニン(略称:VOPc)のようなフタロシアニン系化合物の他、NPB(またはα―N
PD)、DFLDPBi、DTDPPA、DPAB、DNTPD、DPA3B、BSPB
、TPD、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、3−[N−(9−フェニルカル
バゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PC
zPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェ
ニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−
ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカル
バゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物が挙げられる。
また、正孔注入層213として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有さ
せた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質
を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選
ぶことができる。つまり、陽極201として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数
の小さい材料を用いることができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアク
セプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
複合材料に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール
誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など
、種々の化合物を用いることができる。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移
動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であ
れば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる正孔
輸送性の高い物質を具体的に列挙する。
正孔輸送性の高い物質に用いることのできる有機化合物としては、例えば上述のNPB
(またはα−NPD)、DFLDPBi、DTDPPA、DPAB、DNTPD、DPA
3B、BSPB、TPD、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、PCzPCA1
、PCzPCA2、PCzPCN1、TCTA等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ
(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カ
ルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9
−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4
−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカル
バゾール誘導体や、DPPA、DNA、t−BuDNA、BANT、DPAnth、2−
tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−
BuDBA)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,1
0−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビ
ス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10
−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル
−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,1
0−ジ(2−ナフチル)アントラセン、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアント
リル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,
10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアン
トリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(
tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェ
ニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェ
ニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を
挙げることができる。
また、アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6
−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や
、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に
属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、
酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レ
ニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定
であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、正孔注入層213としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマ
ー等)を用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK
)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{
N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フ
ェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチル
フェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)など
の高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポ
リ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスル
ホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合
物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、正孔注入層213として
用いてもよい。
正孔輸送層214は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質と
しては、低分子の有機化合物としては、上述のNPB(またはα−NPD)、DFLDP
Bi、BSPB、TPD、TCTAなどの芳香族アミン化合物を用いることができる。こ
こに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但
し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
また、正孔輸送層214として、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Pol
y−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
電子輸送層215は、電子輸送性の高い物質を含む層である。例えば、低分子の有機化
合物として、Alq、Almq、BeBq、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnB
TZのような金属錯体や、PBD、OXD−7、TAZ01、TPBI、BCP、BPh
en、CO11のような複素環化合物を用いることができる。また、CzPA、DPCz
PA、TPB3のような縮合多環芳香族化合物を用いることもできる。ここに述べた物質
は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも
電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない
また、電子輸送層215として、高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ[
(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイ
ル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル
)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)など
を用いることができる。
電子注入層216は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質と
しては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(C
aF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いること
ができる。あるいは、電子輸送性を有する物質からなる層中に、ドナー性の物質を含有さ
せたものを用いることができる。電子輸送性を有する物質としては、上述の電子輸送層2
15で用いることのできる物質を用いればよい。一方、ドナー性の物質としては、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、あるいはそれらの化合物を用いることができる。あるいは、
ドナー性の物質としては、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、デカメチルニッケロ
セン(略称:DMN)のような有機化合物を用いてもよい。ドナー性の物質は、共蒸着に
より電子注入層216中に含有させることができる。
陰極202を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下が
好ましい。)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが
できる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属す
る元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネ
シウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、
およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウ
ム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。また、アルミニウム
(Al)やインジウム(In)、銀(Ag)あるいはそれらの合金を用いることができる
。上記の金属、合金は、真空蒸着法やスパッタリング法により形成することも可能である
。また、ペースト(銀ペースト等)をインクジェット法などにより成膜することも可能で
ある。
また、電子注入層216として、先に述べたような電子輸送性を有する物質からなる層
中にドナー性の物質を含有させたものを適用することにより、仕事関数の大小に関わらず
、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様
々な電気伝導性化合物を陰極202として用いることができる。これら電気伝導性化合物
は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可
能である。
なお、陽極201または陰極202として導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を
含む導電性組成物を用いることもできる。導電性組成物は、陽極又は陰極として形成する
場合、薄膜におけるシート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率
が70%以上であることが好ましい。また、含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・
cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例
えば、ポリアニリン及びまたはその誘導体、ポリピロール及びまたはその誘導体、ポリチ
オフェン及びまたはその誘導体、これらの2種以上の共重合体などがあげられる。
共役導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポ
リ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール
)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3
−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メ
トキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−オクトキシピロール)、
ポリ(3−カルボキシルピロ−ル)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルピロール)、
ポリN−メチルピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−
ブチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)
、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エト
キシチオフェン)、ポリ(3−オクトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシルチオフ
ェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジ
オキシチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−オクチル
アニリン)、ポリ(2−イソブチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ
(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
上記導電性高分子は、単独で陽極又は陰極に使用してもよいし、膜特性を調整するため
に有機樹脂を添加して導電性組成物として使用することができる。
有機樹脂としては、導電性高分子と相溶または混合分散可能であれば熱硬化性樹脂であ
ってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよい。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド
6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ
化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオ
ロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及
びこれらの共重合体等が挙げられる。
さらに、上記導電性高分子又は導電性組成物の電気伝導度を調整するために、アクセプ
ター性またはドナー性ドーパントをドーピングすることにより、共役導電性高分子の共役
電子の酸化還元電位を変化させてもよい。
アクセプター性ドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シ
アノ化合物、有機金属化合物等を使用することができる。ハロゲン化合物としては、塩素
、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、フッ化ヨウ素等が挙げられる。ルイス酸とし
ては五フッ化燐、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン、三フッ化硼素、三塩化硼素、三臭
化硼素等が挙げられる。プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸と、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機
酸を挙げることができる。有機カルボン酸及び有機スルホン酸としては、前記カルボン酸
化合物及びスルホン酸化合物を使用することができる。有機シアノ化合物としては、共役
結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、
テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、
テトラシアノアザナフタレン等を挙げられる。
ドナー性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アミン化合物等
を挙げることができる。
上記導電性高分子又は導電性組成物を、水または有機溶剤(アルコール系溶剤、ケトン
系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤など)に溶解させて、湿式法に
より陽極又は陰極となる薄膜を形成することができる。
上記導電性高分子又は導電性組成物を溶解する溶媒としては、特に限定することはなく
、上記した導電性高分子及び有機樹脂などの高分子樹脂化合物を溶解するものを用いれば
よい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、N‐メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどの単独もしくは混合溶剤に
溶解すればよい。
導電性高分子又は導電性組成物を溶媒に溶解した溶液の成膜は、塗布法、コーティング
法、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、印刷法等の湿式法を用いて成膜すること
ができる。溶媒の乾燥は、熱処理を行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。また、有機
樹脂が熱硬化性の場合は、さらに加熱処理を行い、光硬化性の場合は、光照射処理を行え
ばよい。
次に、発光素子の作製方法について述べる。発光物質を含む層203の形成方法として
は、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、
インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各層ごとに異なる成
膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物はインクジェット法やスピンコート法など
の湿式法で形成することができる。また、低分子の有機化合物は湿式法で形成することも
できるし、真空蒸着法などの乾式法を用いて形成することもできる。
以上で述べたように、本発明の発光素子は、キャリアバランスが経時的に変化しにくく長
寿命を達成できる。また、正孔と電子を無駄なく励起状態の形成に利用することができる
ため、発光効率が高い。また、第1の発光物質と第2の発光物質の両方を発光させること
ができるため、ブロードなスペクトルを持つ発光、あるいは白色発光を得ることができる
したがって、本発明の発光素子を作製することにより、長寿命な発光素子を得ることがで
きる。特に、長寿命な白色の発光素子を得ることができる。また本発明の発光素子を作製
することにより、発光効率の高い発光素子を得ることができる。特に、発光効率の高い白
色の発光素子を得ることができる。
(実施形態3)
本実施形態3では、図1(B)で説明した本発明の発光素子の具体的な構成について、
図2(B)を用いて説明する。
図2(B)は、本発明の発光素子の素子構造を模式的に示したものであり、陽極201
と陰極202との間に、発光物質を含む層203が設けられており、該発光物質を含む層
203は、少なくとも第1の発光層211と、第1の発光層211の陰極側に接して設け
られた第2の発光層212とを有している。第1の発光層211は、陽極側に位置する層
221と陰極側に位置する層222から構成されている。
なお、本実施形態3の発光素子においては、陽極201と第1の発光層211との間に、
正孔注入層213および正孔輸送層214が設けられている。また、陰極202と第2の
発光層212との間に、電子輸送層215および電子注入層216が設けられている。た
だし、正孔注入層213、正孔輸送層214、電子輸送層215、電子注入層216は、
必ずしも必要ではない。また、これらの層は、複数の層から構成されていてもよい。
図2(B)に示す本実施形態3の発光素子において、陽極201、正孔注入層213、正
孔輸送層214、電子輸送層215、電子注入層216、陰極202、第1の発光層21
1の構成は、実施形態2で述べた発光素子と同様のものを適用することができる。一方、
第2の発光層212の構成は、実施形態2で述べた発光素子とは異なることが好ましい。
すなわち、第2の発光層212は、第3の有機化合物と第2の発光物質とを含む点は実施
形態2と同様であるが、異なるのは、第1の発光層211まで正孔ではなく電子を輸送す
る機能を担っている点である。この機能を容易に実現させるため、第3の有機化合物は、
第1の有機化合物や第2の有機化合物と同様、第2の発光層212におけるホスト材料と
なることが好ましい。つまり、より具体的には、第2の発光層212における第3の有機
化合物の含有量を、50重量%以上99.9重量%以下とすればよい。また、第2の発光
層212が電子を輸送する機能を担うことを考慮すると、第2の発光層212におけるホ
スト材料である第3の有機化合物は、電子輸送性であることが好ましい。
したがって、本実施形態3における第3の有機化合物の具体例としては、第1の発光層2
11における陰極側に位置する層222に含まれる第2の有機化合物と同じく、Alq、
Almq、BeBq、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZ、PBD、OXD
−7、TAZ01、TPBI、BPhen、BCP、CO11、CzPA、DPCzPA
、DPPA、DNA、t−BuDNA、BANT、DPNS、DPNS2、TPB3のよ
うな電子輸送性の化合物が好適である。特に、CzPA、DPCzPA、DPPA、DN
A、t−BuDNA、BANTのようなアントラセン誘導体は安定であり、またエネルギ
ーギャップも大きいため、ホスト材料である第3の有機化合物として好適である。
さらに、第2の発光層212から第1の発光層211への正孔注入障壁を低減するため、
第1の発光層211の陰極側に位置する層222に含まれる第2の有機化合物と、第2の
発光層212に含まれる第3の有機化合物は、同一の物質であることが好ましい。
なお、第2の発光物質としては、実施形態2で述べたものと同様のものを用いることがで
きる。
また、第2の発光層は、第3の有機化合物、第2の発光物質以外に、さらに他の物質を含
んでいてもよい。
なお、本発明の発光素子においては、第1の発光層211に含まれる第1の発光物質と
、第2の発光層212に含まれる第2の発光物質の両方が発光する必要がある。第2の発
光層212に含まれる第2の発光物質は、キャリアの主たる再結合領域からは少し離れて
いるが、本実施形態3においては陰極側に位置する層222の膜厚を調節することにより
、一部の正孔が第2の発光層212にまで到達する。したがって、第2の発光物質も発光
することができる。このため、陰極側に位置する層222の膜厚は、1nm以上20nm
以下が好ましい。
また、第1の発光物質の発光波長を第2の発光物質の発光波長よりも短波長とすることで
、第1の発光物質の励起エネルギーの一部を第2の発光物質にエネルギー移動させ、第2
の発光物質を発光させることができる。したがって、本発明の発光素子においては、第1
の発光物質の発光ピーク波長が、第2の発光物質の発光ピーク波長よりも短波長であるこ
とが好ましい。なお、エネルギー移動効率は物質間の距離の6乗に反比例することが知ら
れているので、陰極側に位置する層222の膜厚を調節することで、第1の発光物質の発
光と第2の発光物質の発光の割合を調節できる。この観点からも、陰極側に位置する層2
22の膜厚は、1nm以上20nm以下が好ましい。
本実施形態3の発光素子も、実施形態2の発光素子と同様、キャリアバランスが経時的に
変化しにくく長寿命を達成できる。また、正孔と電子を無駄なく励起状態の形成に利用す
ることができるため、発光効率が高い。また、第1の発光物質と第2の発光物質の両方を
発光させることができるため、ブロードなスペクトルを持つ発光、あるいは白色発光を得
ることができる。
(実施形態4)
本実施形態4では、実施形態2や実施形態3で述べた本発明の発光素子を基板上に形成
した場合の積層順と発光方向について、図3および図4を用いて説明する。
図3および図4は、陽極301、陰極302、および発光物質を含む層303で構成され
る本発明の発光素子を、基板300上に形成した場合の模式図である。図3は基板300
上に陽極301が、図4は基板300上に陰極302が、それぞれ形成された場合の図で
ある。なお、陽極301、陰極302、および発光物質を含む層303は、実施形態2や
実施形態3で述べた構成を適用すればよい。
発光は、陽極301または陰極302のいずれか一方または両方を通って外部に取り出
される。したがって、陽極301または陰極302のいずれか一方または両方は、透光性
を有する電極である。透光性を有する電極としては、実施形態2で記載したITO、IZ
O、ITSO、IWZOや、導電性高分子を含む導電性組成物などが該当する。また、金
属や合金を、透光性を有する程度に薄膜化して形成してもよい。
まず、陽極301が基板300上に形成されている場合(図3)を説明する。陽極301
および基板300が透光性を有し、陰極302が遮光性である場合、図3(A)に示すよ
うに、発光は基板300側から取り出される。また、陽極301または基板300の少な
くとも一方が遮光性であり、陰極302のみが透光性を有する場合、図3(B)に示すよ
うに、発光は基板300と逆側から取り出される。陽極301、陰極302、基板300
のいずれもが透光性を有する場合、図3(C)に示すように、発光は基板300側および
基板300と逆側の両方から取り出される。
次に、陰極302が基板300上に形成されている場合(図4)を説明する。陰極302
および基板300が透光性を有し、陽極301が遮光性である場合、図4(A)に示すよ
うに、発光は基板300側から取り出される。また、陰極302または基板300の少な
くとも一方が遮光性であり、陽極301のみが透光性を有する場合、図4(B)に示すよ
うに、発光は基板300と逆側から取り出される。陽極301、陰極302、基板300
のいずれもが透光性を有する場合、図4(C)に示すように、発光は基板300側および
基板300と逆側の両方から取り出される。
なお、基板300は発光素子の支持体として用いられる。基板300としては、例えば
ガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。透光性が必要ない場合(図3(
B)や図4(B)の場合)は、シリコン基板や金属フォイルの基板等を用いることもでき
る。なお、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外
のものでもよい。
なお、本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子
を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリ
クス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基
板上に、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電
極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御す
るアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定さ
れない。スタガ型のTFTでもよいし、逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFT基板
に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、
若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるものであってもよ
い。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。非晶質半
導体膜を用いてもよいし、結晶性半導体膜を用いてもよい。
(実施形態5)
本実施の形態5は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下
、積層型発光素子という)の態様について、図5を参照して説明する。この発光素子は、
陽極と陰極との間に、複数の発光ユニットを有する積層型発光素子である。各発光ユニッ
トの構成としては、図2(実施形態2〜3)で示した発光物質を含む層203と同様な構
成を用いることができる。つまり、実施形態2〜3で示した発光素子は、1つの発光ユニ
ットを有する発光素子である。本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子
について説明するものである。
図5において、陽極501と陰極502との間には、第1の発光ユニット503−1と
第2の発光ユニット503−2が積層されている。陽極501と陰極502としては、実
施形態2で述べたものと同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット
503−1と第2の発光ユニット503−2は同じ構成であっても異なる構成であっても
よく、その構成は実施形態2〜3で示した発光物質を含む層203と同様である。
第1の発光ユニット503−1と第2の発光ユニット503−2に挟まれる電荷発生層
504は、陽極501と陰極502に電圧を印加した際に、第1の発光ユニット503−
1に電子を注入し、第2の発光ユニット503−2に正孔を注入するものであれば、どの
ような構成であってもよい。ただし、電荷発生層504の好ましい例は、電子を注入でき
る層と正孔を注入できる層の少なくとも二層を有し、該電子を注入できる層が第1の発光
ユニット503−1に、該正孔を注入できる層が第2の発光ユニット503−2に、それ
ぞれ接している構成である。
該電子を注入できる層としては、実施形態2で述べた陰極や電子注入層の構成と同様の
ものを用いることができる。特に、実施形態2で述べたような、電子輸送性を有する物質
からなる層中にドナー性の物質を含有させた複合材料が好適である。
一方、該正孔を注入できる層としては、実施形態2で述べた陽極や正孔注入層の構成と
同様のものを用いることができる。特に、実施形態2で述べたような、正孔輸送性を有す
る物質からなる層中にアクセプター性の物質を含有させた複合材料が好適である。
したがって、電荷発生層504の具体的な一例としては例えば、電子輸送性を有する物
質であるBPhenにリチウムを添加した層と、正孔輸送性を有する物質であるNPBに
酸化モリブデンを添加した層とを、陽極501側から順に積層した構成が挙げられる。
本実施形態5では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に
、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子も作製することが可能である。本実施形態
5に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って
配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能であり、そのた
め長寿命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電
圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能
で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
なお、本実施形態5は、他の実施形態と適宜組み合わせることが可能である。例えば、
実施形態4で述べたような基板、積層順や発光方向を適宜選択し、組み合わせることがで
きる。
(実施形態6)
本実施形態6では、本発明の発光素子を有する発光装置について、図6を用いて説明す
る。なお、図6(A)は、発光装置を示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−A’お
よびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するもの
として、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回
路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシー
ル材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入
力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプ
リントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号
等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント
配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光
装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものと
する。
次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路
部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601
と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT62
4とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路
、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板
上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を
基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とその
ドレインに電気的に接続された陽極613とを含む複数の画素により形成される。なお、
陽極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性ア
クリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有
する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性ア
クリル樹脂を用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)
を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によって
エッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性と
なるポジ型のいずれも使用することができる。
陽極613上には、発光物質を含む層616、および陰極617がそれぞれ形成されて
いる。ここで、陽極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが
望ましい。例えば、ITO膜、または珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、2〜20w
t%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Z
n膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層
、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いる
ことができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコ
ンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、発光物質を含む層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、ス
ピンコート法等の種々の方法によって形成される。発光物質を含む層616は、実施形態
2〜5で示したような本発明の発光素子の構成を有している。
さらに、発光物質を含む層616上に形成された陰極617に用いる材料としては、仕
事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg
、MgIn、AlLi、LiF、CaF等)を用いることが好ましい。なお、発光物質
を含む層616で生じた光が陰極617を透過させる場合には、陰極617として、膜厚
を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化イン
ジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛(ZnO
)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、
素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に、実施
形態2〜3で示した本発明の発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間
607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場
合の他、シール材605で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料
はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604
に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Rei
nforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステル
またはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子と、その発光素子を制御する手段であるTFTと
を有する本発明の発光装置を得ることができる。本実施形態6の発光装置は、画像表示装
置として利用することができる。
本発明の発光装置は、長寿命な本発明の発光素子を用いているため、信頼性が高い。ま
た、発光効率の高い本発明の発光素子を用いているため、消費電力が低い。
また、本発明の発光素子は、白色光を呈することができる。したがって、本発明の白色
発光素子を本実施形態6の発光素子として適用することで、白色の画像表示装置を作製す
ることができる。また、封止基板604または素子基板610に、赤・青・緑のカラーフ
ィルターを設け、本発明の発光素子の白色光を透過させることによって、光の三原色であ
る赤・青・緑の画素が得られる。したがって、本発明の発光装置は、フルカラーの画像表
示装置として運用することもできる。また、カラーフィルターを一部の画素にのみ設置し
、他の画素にはカラーフィルターを設けない構成とすることで、赤・青・緑・白の4種の
画素を形成し、フルカラーの映像を出すこともできる。このような4種の画素を用いる方
式は、消費電力低減に有効である。
以上のように本実施の形態では、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブ
マトリクス型の発光装置について説明したが、この他、パッシブマトリクス型の発光装置
であってもよい。図7には本発明の発光素子を有するパッシブマトリクス型の発光装置を
示す。なお、図7(A)は、発光装置を示す斜視図、図7(B)は図7(A)をX−Yで
切断した断面図である。図7において、基板751上には、電極752と電極756との
間には発光物質を含む層755が設けられている。発光物質を含む層は、上述の実施形態
2で述べたような構成を適用すればよい。電極752の端部は絶縁層753で覆われてい
る。そして、絶縁層753上には隔壁層754が設けられている。隔壁層754の側壁は
、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような
傾斜を有する。つまり、隔壁層754の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層
753の面方向と同様の方向を向き、絶縁層753と接する辺)の方が上辺(絶縁層75
3の面方向と同様の方向を向き、絶縁層753と接しない辺)よりも短い。このように、
隔壁層754を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。
パッシブマトリクス型の発光装置においても、本発明の発光素子を含むことによって、信
頼性が高い発光装置を得ることができる。また、消費電力が低い発光装置を得ることがで
きる。
(実施形態7)
本実施形態7では、本発明の発光素子を有する発光装置の一例として、本発明の発光素
子をバックライトとして用いた液晶表示装置を例示する。
図8は、本発明の発光素子をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例を示したも
のである。図8に示した液晶表示装置は、筐体801、液晶層802、バックライト80
3、筐体804を有し、液晶層802は、ドライバIC805と接続されている。また、
バックライト803は、実施形態2〜5で示したような本発明の発光素子が用いられおり
、端子806により、電流が供給されている。
本発明の発光素子を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、長寿命なバ
ックライトが得られるため、信頼性の高い液晶表示装置が得られる。また、本発明の発光
素子は薄型で低消費電力であるため、液晶表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる
。さらに、本発明の発光素子は、面発光の発光素子であり大面積化も可能であるため、バ
ックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。
(実施形態8)
本実施形態8では、本発明の発光素子を有する発光装置の一例として、照明装置につい
て説明する。
図9(A)は、本発明の発光素子を有する発光装置を、照明装置である電気スタンドに
適用した例である。図9(A)に示す電気スタンドは、筐体901と、光源902を有し
、光源902として、実施形態2〜5で示したような本発明の発光素子が用いられている
。本発明の発光装置(照明装置)は、高輝度の発光が可能であるため、細かい作業をする
場合など、手元を明るく照らすことが可能である。
図9(B)は、実施形態2〜5で示したような本発明の発光素子を有する発光装置を、
室内の照明装置911に適用した例である。本発明の発光素子は大面積化が可能であるた
め、大面積の照明装置に用いることができる。また、本発明の発光素子は、薄型で低消費
電力であるため、薄型で低消費電力な照明装置に用いることが可能となる。このように、
本発明の発光素子を室内の照明装置911に用いた部屋に、図6、図7あるいは図8で説
明したような本発明の発光装置を画像表示装置として用いたテレビ装置912(詳細は実
施形態9で後述)を設置して、公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合
、両装置は低消費電力であるので、電気料金を心配せずに、明るい部屋で迫力のある映像
を鑑賞することができる。
(実施形態9)
本実施形態9では、本発明の発光装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明
する。特に、本発明の発光装置を表示部として含む本発明の電子機器について説明する。
本発明の電子機器は、実施形態6〜8で示したような本発明の発光装置を含むため、信頼
性の高い表示部を有する。また、消費電力の低い表示部を有する。
本発明の発光装置を有する電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ
、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、
オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュー
タ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具
体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生
し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器
の具体例を図10に示す。
図10(A)は本発明に係るテレビ装置であり、筐体1001、支持台1002、表示
部1003、スピーカー部1004、ビデオ入力端子1005等を含む。このテレビ装置
において、表示部1003は、実施形態6〜7で示したような本発明の発光装置で構成さ
れている。したがって、表示部1003は画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られて
いる。このような特徴により、テレビ装置において、劣化補償機能回路や電源回路を大幅
に削減、若しくは縮小することができるので、筐体1001や支持台1002の小型軽量
化を図ることが可能である。本発明に係るテレビ装置は、高信頼性、低消費電力、高画質
及び小型軽量化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することが
できる。
図10(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体1101、筐体1102、表示
部1103、キーボード1104、外部接続ポート1105、ポインティングデバイス1
106等を含む。このコンピュータにおいて、表示部1103は、実施形態6〜7で示し
たような本発明の発光装置で構成されている。したがって、表示部1103は画質の劣化
が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、コンピュータにおいて
、劣化補償機能回路や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体
1101や筐体1102の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係るコンピュー
タは、高信頼性、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、環境に適合し
た製品を提供することができる。
図10(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体1201、筐体1202、表示部1
203、音声入力部1204、音声出力部1205、操作キー1206、外部接続ポート
1207、アンテナ1208等を含む。この携帯電話において、表示部1203は、実施
形態6〜7で示したような本発明の発光装置で構成されている。したがって、表示部12
03は画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、携帯
電話において、劣化補償機能回路や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができ
るので、本体1201や筐体1202の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係
る携帯電話は、高信頼性、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、携帯
に適した製品を提供することができる。
図10(D)は本発明の係るカメラであり、本体1301、表示部1302、筐体13
03、外部接続ポート1304、リモコン受信部1305、受像部1306、バッテリー
1307、音声入力部1308、操作キー1309、接眼部1310等を含む。このカメ
ラにおいて、表示部1302は、実施形態6〜7で示したような本発明の発光装置で構成
されている。したがって、表示部1302は劣化が少なく、低消費電力化が図られている
。このような特徴により、カメラにおいて、劣化補償機能回路や電源回路を大幅に削減、
若しくは縮小することができるので、本体1301の小型軽量化を図ることが可能である
。本発明に係るカメラは、高信頼性、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られている
ので、携帯に適した製品を提供することができる。
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野
の電子機器に適用することが可能である。そして、本発明の発光装置を電子機器に適用す
ることで、信頼性の高い表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。また、低
消費電力な表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。
本実施例1では、本発明の発光素子の作製例について、図11を用いて説明する。なお、
本実施例で用いた物質の構造式を以下に示す。
Figure 0005576534
(発光素子1の作製)
発光素子1の作製例を、図11(A)を用いながら説明する。まず、陽極2001として
110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成膜されたガラス基板200
0を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露出するよう周辺をポリイミ
ド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に発光素子を形成するための
前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を
370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を
導入し、真空蒸着装置内の加熱室で、170℃で30分間の真空焼成を行った。その後、
基板を30分程度、放冷した。
次に、陽極2001が形成された面を下方となるように、陽極2001が形成されたガラ
ス基板2000を真空蒸着装置内の成膜室に設けられた基板ホルダーに固定した。そして
、まず陽極2001上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ
]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有機
化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料からなる正孔注入層2013を形成した。
蒸着は抵抗加熱を用いた。また、正孔注入層2013の膜厚は50nmとし、NPBと酸
化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レ
ートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を
行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2014を形成した。
さらに、正孔輸送層2014上に、抵抗加熱を用いて9−フェニル−9’−[4−(10
−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称
:PCCPA)とルブレンとを共蒸着することで、第2の発光層2012を形成した。P
CCPAとルブレンとの比率は、重量比で1:0.01(PCCPA:ルブレン)となる
ように蒸着レートを調節した。膜厚は10nmとした。この第2の発光層2012におい
てはルブレンが発光物質となるため、黄色発光を示す発光層となる。
この第2の発光層2012上に、第1の発光層2011を形成した。まず、抵抗加熱を用
いてPCCPAと2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−
フェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPP
A)とを共蒸着することにより、第1の発光層2011における陽極側に位置する層20
21を形成した。PCCPAと2YGAPPAとの比率は、重量比で1:0.05(PC
CPA:2YGAPPA)となるように蒸着レートを調節した。この陽極側に位置する層
2021の膜厚は10nmとした。次いで、抵抗加熱を用いて9−[4−(10−フェニ
ル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)と2YGAP
PAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011における陰極側に位置する層20
22を形成した。CzPAと2YGAPPAとの比率は、重量比で1:0.05(CzP
A:2YGAPPA)となるように蒸着レートを調節した。この陰極側に位置する層20
22の膜厚は20nmとした。以上のようにして形成された第1の発光層2011におい
ては2YGAPPAが発光物質となるため、青色発光を示す発光層となる。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(I
II)(略称:Alq)を10nm成膜し、次いでバソフェナントロリン(略称:BPh
en)を20nm成膜することで、電子輸送層2015を形成した。
さらに抵抗加熱による蒸着法を用いて電子輸送層2015上に、フッ化リチウム(LiF
)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2016を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成
膜することにより、陰極2002を形成し、本発明の発光素子1を作製した。
(発光素子2の作製)
第1の発光層2011における陽極側に位置する層2021の膜厚を20nmとした以外
は、発光素子1と同様に成膜することで、本発明の発光素子2を作製した。
(比較発光素子3の作製)
比較のため、第1の発光層2011における陽極側に位置する層2021を設けない比
較発光素子3を作製した。その素子構造を図11(B)に示す。図11(B)に示す通り
、比較発光素子3における第1の発光層2011は、発光素子1における陰極側に位置す
る層2022のみで構成されている。
まず、比較発光素子3における陽極2001、正孔注入層2013、正孔輸送層201
4、電子輸送層2015、電子注入層2016、陰極2002は、発光素子1や発光素子
2と同一の構成とした。
一方、比較発光素子3における第2の発光層2012は、抵抗加熱を用いてPCCPA
とルブレンとを共蒸着することにより形成した。PCCPAとルブレンとの比率は、重量
比で1:0.0025(PCCPA:ルブレン)となるように蒸着レートを調節した。膜
厚は発光素子1と同様、10nmとした。この第2の発光層2012においてはルブレン
が発光物質となるため、黄色発光を示す発光層となる。なお、比較発光素子3におけるル
ブレンの比率(1:0.0025)が発光素子1のそれ(1:0.01)に比べて少なく
なっているのは、比較発光素子3のような構成では、ルブレンの添加濃度を低くしないと
黄色が強くなってしまい、白色とならないためである。
また、比較発光素子3における第1の発光層2011は、抵抗加熱を用いてCzPAと
2YGAPPAとを共蒸着することにより形成した。CzPAと2YGAPPAとの比率
は、重量比で1:0.05(CzPA:2YGAPPA)となるように蒸着レートを調節
し、膜厚は20nmとした。したがって、比較発光素子3における第1の発光層2011
は、発光素子1における陰極側に位置する層2022と全く同一の構成である。以上のよ
うにして形成された第1の発光層2011においては2YGAPPAが発光物質となるた
め、青色発光を示す発光層となる。
(発光素子1、発光素子2、比較発光素子3の特性比較)
以上により得られた本発明の発光素子1、本発明の発光素子2、比較発光素子3を、窒素
雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業
を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(2
5℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1、発光素子2、比較発光素子3の電流密度―輝度特性を図12(A)に示す。
また、電圧―輝度特性を図12(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペ
クトルを図13に示す。
発光素子1は、3.8[V]の電圧を印加することにより、9.01[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、870[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は9
.7[cd/A]、パワー効率は8.0[lm/W]、外部量子効率は4.0[%]であ
った。また、この時のCIE色度座標は(x=0.30、y=0.35)であり、白色の
発光を示した。さらに、図13の発光スペクトルからもわかるように、460nm付近の
青色発光と550nm付近の黄色発光が共にバランスよく得られており、発光素子1はブ
ロードな発光スペクトルを示している。
また、発光素子2は、4.0[V]の電圧を印加することにより、9.17[mA/cm
]の電流密度で電流が流れ、850[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効
率は9.3[cd/A]、パワー効率は7.3[lm/W]、外部量子効率は4.1[%
]であった。また、この時のCIE色度座標は(x=0.30、y=0.33)であり、
白色の発光を示した。さらに、図13の発光スペクトルからもわかるように、460nm
付近の青色発光と550nm付近の黄色発光が共にバランスよく得られており、発光素子
2はブロードな発光スペクトルを示している。
また、比較発光素子3は、3.4[V]の電圧を印加することにより、24.5[mA/
cm]の電流密度で電流が流れ、1500[cd/m]の輝度で発光した。この時の
電流効率は6.2[cd/A]、パワー効率は5.7[lm/W]、外部量子効率は2.
4[%]であった。また、この時のCIE色度座標は(x=0.28、y=0.36)で
あり、黄白色の発光を示した。図13の発光スペクトルからもわかるように、460nm
付近の青色発光に比べ、550nm付近の黄色発光がやや強くなっている。このように、
比較発光素子3のような素子構造では、黄色発光物質であるルブレンの濃度を極限まで低
くしても、黄色がやや強い。一方、発光素子1や発光素子2は、ルブレンの濃度がある程
度高くても、白色発光が得られるという大きな特徴がある。このことは、後述の発光効率
の違いや寿命の違いの一因とも考えられる。
発光素子1〜3の発光効率をグラフ上で比較するため、輝度−電流効率特性を図14(A
)に、輝度−パワー効率特性を図14(B)に、それぞれ示した。図14(A)に示す通
り、本発明の発光素子1および2は、比較発光素子3に比べて電流効率が高い。また、発
光素子1および2は、駆動電圧は比較発光素子3に比べて若干高いにもかかわらず(図1
2(B)参照)、図14(B)に示す通りパワー効率では勝っており、低消費電力である
。これは電流効率が高いためである。このように、本発明の発光素子は発光効率が高いこ
とが明らかとなった。
次に、発光素子1、発光素子2、比較発光素子3に関し、初期輝度を1000[cd/m
]として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図15に示す(縦軸は、10
00cd/mを100%とした時の規格化輝度である)。
図15の結果から、発光素子1は1000時間後でも初期輝度の75%の輝度を保ってお
り、長寿命な発光素子であることがわかった。また、発光素子2は1000時間後でも初
期輝度の79%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。一方、比
較発光素子3は、500時間後には初期輝度の60%にまで輝度が低下しており、寿命が
短い。このように、本発明の発光素子は長寿命であることが明らかとなった。
本実施例2では、実施例1で用いた2YGAPPAとは異なる青色発光物質4−(10
−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル
)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)を用いた本発明の発光素子の作製例を、具
体的に例示する。PCBAPAの構造式を以下に示す。
Figure 0005576534
(発光素子4の作製)
発光素子4の作製例を、図11(A)を用いながら説明する。まず、陽極2001として
110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成膜されたガラス基板200
0を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露出するよう周辺をポリイミ
ド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に発光素子を形成するための
前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を
370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を
導入し、真空蒸着装置内の加熱室で、170℃で30分間の真空焼成を行った。その後、
基板を30分程度、放冷した。
次に、陽極2001が形成された面を下方となるように、陽極2001が形成されたガラ
ス基板2000を真空蒸着装置内の成膜室に設けられた基板ホルダーに固定した。そして
、まず陽極2001上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有
機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料からなる正孔注入層2013を形成した
。蒸着は抵抗加熱を用いた。また、正孔注入層2013の膜厚は50nmとし、NPBと
酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着
レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着
を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2014を形成した。
さらに、正孔輸送層2014上に、抵抗加熱を用いてPCCPAとルブレンとを共蒸着す
ることで、第2の発光層2012を形成した。PCCPAとルブレンとの比率は、重量比
で1:0.01(PCCPA:ルブレン)となるように蒸着レートを調節した。膜厚は2
0nmとした。この第2の発光層2012においてはルブレンが発光物質となるため、黄
色発光を示す発光層となる。
この第2の発光層2012上に、第1の発光層2011を形成した。まず、抵抗加熱を用
いてPCCPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011におけ
る陽極側に位置する層2021を形成した。PCCPAとPCBAPAとの比率は、重量
比で1:0.10(PCCPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。こ
の陽極側に位置する層2021の膜厚は10nmとした。次いで、抵抗加熱を用いてCz
PAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011における陰極側に
位置する層2022を形成した。CzPAとPCBAPAとの比率は、重量比で1:0.
10(CzPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。この陰極側に位置
する層2022の膜厚は20nmとした。以上のようにして形成された第1の発光層20
11においてはPCBAPAが発光物質となるため、青色発光を示す発光層となる。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqを10nm成膜し、次いでBPhenを
20nm成膜することで、電子輸送層2015を形成した。
さらに抵抗加熱による蒸着法を用いて電子輸送層2015上に、フッ化リチウム(LiF
)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2016を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成
膜することにより、陰極2002を形成し、本発明の発光素子4を作製した。
(発光素子4の特性評価)
以上により得られた本発明の発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、
発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、その動作特性について測定
を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4の電流密度―輝度特性を図16(A)に示す。また、電圧―輝度特性を図16
(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図17に示す。
発光素子4は、3.8[V]の電圧を印加することにより、6.66[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、750[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は1
1[cd/A]、パワー効率は9.3[lm/W]、外部量子効率は5.0[%]であっ
た。また、この時のCIE色度座標は(x=0.31、y=0.33)であり、白色の発
光を示した。さらに、図17の発光スペクトルからもわかるように、460nm付近の青
色発光と560nm付近の黄色発光が共にバランスよく得られており、発光素子4はブロ
ードな発光スペクトルを示している。
発光素子4の発光効率をグラフ上で評価するため、輝度−電流効率特性を図18(A)に
、輝度−パワー効率特性を図18(B)に、それぞれ示した。図18(A)に示す通り、
本発明の発光素子4は、実用的な輝度領域(100[cd/m]〜10000[cd/
]程度)において、非常に高い電流効率をおよびパワー効率を示した。このように、
本発明の発光素子は発光効率が高く、それに伴い消費電力も低いことが明らかとなった。
次に、発光素子4に関し、初期輝度を1000[cd/m]として、定電流駆動による
連続点灯試験を行った結果を図19に示す(縦軸は、1000cd/mを100%とし
た時の規格化輝度である)。
図19の結果から、発光素子4は1000時間後でも初期輝度の86%の輝度を保ってお
り、長寿命な発光素子であることがわかった。輝度半減期は、2万時間程度と予想される
。このように、本発明の発光素子は長寿命であることが明らかとなった。
本実施例3では、電子輸送層2015および電子注入層2016を以下のように変更し
た以外は、実施例2の発光素子4と同様の構成とした発光素子5を作製した。
発光素子5における電子輸送層2015は、抵抗加熱によりAlqを10nm蒸着するこ
とにより形成した。また電子注入層2016は、BPhenとリチウム(Li)とを共蒸
着することにより形成した。蒸着は抵抗加熱を用いた。電子注入層2016の膜厚は20
nmとし、BPhenとLiの比率は、重量比で1:0.01(BPhen:Li)とな
るように蒸着レートを調節した。
(発光素子5の特性評価)
以上により得られた本発明の発光素子5を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、
発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、その動作特性について測定
を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子5の電流密度―輝度特性を図20(A)に示す。また、電圧―輝度特性を図20
(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図21に示す。
発光素子5は、4.2[V]の電圧を印加することにより、10.9[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、1000[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は
9.3[cd/A]、パワー効率は7.0[lm/W]、外部量子効率は3.8[%]で
あった。また、この時のCIE色度座標は(x=0.32、y=0.35)であり、白色
の発光を示した。さらに、図21の発光スペクトルからもわかるように、460nm付近
の青色発光と560nm付近の黄色発光が共にバランスよく得られており、発光素子5は
ブロードな発光スペクトルを示している。
発光素子5の発光効率をグラフ上で評価するため、輝度−電流効率特性を図22(A)に
、輝度−パワー効率特性を図22(B)に、それぞれ示した。図22(A)に示す通り、
本発明の発光素子5は、実用的な輝度領域(100[cd/m]〜10000[cd/
]程度)において、非常に高い電流効率をおよびパワー効率を示した。このように、
本発明の発光素子は発光効率が高く、それに伴い消費電力も低いことが明らかとなった。
次に、発光素子5に関し、初期輝度を1000[cd/m]として、定電流駆動による
連続点灯試験を行った結果を図23に示す(縦軸は、1000cd/mを100%とし
た時の規格化輝度である)。
図23の結果から、発光素子5は740時間後でも初期輝度の92%の輝度を保っており
、長寿命な発光素子であることがわかった。輝度半減期は、4〜5万時間程度と予想され
る。このように、本発明の発光素子は長寿命であることが明らかとなった。
本実施例4では、実施形態5で示したような、複数の発光ユニットを有する積層型発光
素子の作製例について、図24を用いて説明する。図24に示すように、本実施例4の積
層型発光素子(発光素子6)においては、陽極2101と陰極2102との間に、第1の
発光ユニット2103−1と第2の発光ユニット2103−2が積層されている。また、
第1の発光ユニット2103−1と第2の発光ユニット2103−2の間には、電荷発生
層2104が形成されている。
(発光素子6の作製)
まず、陽極2101として110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成
膜されたガラス基板2100を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露
出するよう周辺をポリイミド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に
発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成
した後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧さ
れた真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室で、170℃で30分間の真
空焼成を行った。その後、基板を30分程度、放冷した。
次に、陽極2101が形成された面を下方となるように、陽極2101が形成されたガラ
ス基板2100を真空蒸着装置内の成膜室に設けられた基板ホルダーに固定した。そして
、以下に述べる手順で、第1の発光ユニット2103−1を形成した。
まず陽極2101上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有機
化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料からなる正孔注入層2113を形成した。
蒸着は抵抗加熱を用いた。また、正孔注入層2113の膜厚は50nmとし、NPBと酸
化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レ
ートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を
行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2114−1を形成した。
さらに、正孔輸送層2114−1上に、抵抗加熱を用いてPCCPAとルブレンとを共蒸
着することで、第2の発光層2112−1を形成した。PCCPAとルブレンとの比率は
、重量比で1:0.01(PCCPA:ルブレン)となるように蒸着レートを調節した。
膜厚は20nmとした。この第2の発光層2112−1においてはルブレンが発光物質と
なるため、黄色発光を示す発光層となる。
この第2の発光層2112−1上に、第1の発光層2111−1を形成した。まず、抵抗
加熱を用いてPCCPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層211
1−1における陽極側に位置する層2121−1を形成した。PCCPAとPCBAPA
との比率は、重量比で1:0.10(PCCPA:PCBAPA)となるように蒸着レー
トを調節した。この陽極側に位置する層2121−1の膜厚は10nmとした。次いで、
抵抗加熱を用いてCzPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層21
11−1における陰極側に位置する層2122−1を形成した。CzPAとPCBAPA
との比率は、重量比で1:0.10(CzPA:PCBAPA)となるように蒸着レート
を調節した。この陰極側に位置する層2122−1の膜厚は20nmとした。以上のよう
にして形成された第1の発光層2111−1においてはPCBAPAが発光物質となるた
め、青色発光を示す発光層となる。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqを10nm成膜することで、電子輸送層
2115−1を形成した。以上が第1の発光ユニット2103−1となる。
次に、電荷発生層2104を形成した。電荷発生層2104は、第1の層2131と第
2の層2132の積層構造で構成されている。まず、BPhenとリチウム(Li)とを
共蒸着することにより、第1の層2131を形成した。蒸着は抵抗加熱を用いた。第1の
層2131の膜厚は20nmとし、BPhenとLiの比率は、重量比で1:0.01(
BPhen:Li)となるように蒸着レートを調節した。さらに、NPBと酸化モリブデ
ン(VI)と共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料
からなる第2の層2132を形成した。蒸着は抵抗加熱を用いた。また、第2の層213
2の膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:
酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。以上が電荷発生層の構成である。
次に、以下に述べる手順で、第2の発光ユニット2103−2を形成した。
まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2114−2を形成した。
さらに、正孔輸送層2114−2上に、抵抗加熱を用いてPCCPAとルブレンとを共蒸
着することで、第2の発光層2112−2を形成した。PCCPAとルブレンとの比率は
、重量比で1:0.01(PCCPA:ルブレン)となるように蒸着レートを調節した。
膜厚は20nmとした。この第2の発光層2112−2においてはルブレンが発光物質と
なるため、黄色発光を示す発光層となる。
この第2の発光層2112−2上に、第1の発光層2111−2を形成した。まず、抵抗
加熱を用いてPCCPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層211
1−2における陽極側に位置する層2121−2を形成した。PCCPAとPCBAPA
との比率は、重量比で1:0.10(PCCPA:PCBAPA)となるように蒸着レー
トを調節した。この陽極側に位置する層2121−2の膜厚は10nmとした。次いで、
抵抗加熱を用いてCzPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層21
11−2における陰極側に位置する層2122−2を形成した。CzPAとPCBAPA
との比率は、重量比で1:0.10(CzPA:PCBAPA)となるように蒸着レート
を調節した。この陰極側に位置する層2122−2の膜厚は20nmとした。以上のよう
にして形成された第1の発光層2111−2においてはPCBAPAが発光物質となるた
め、青色発光を示す発光層となる。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqを10nm成膜することで、電子輸送層
2115−2を形成した。さらに、BPhenとリチウム(Li)とを共蒸着することに
より、電子注入層2116を形成した。蒸着は抵抗加熱を用いた。電子注入層2116の
膜厚は20nmとし、BPhenとLiの比率は、重量比で1:0.01(BPhen:
Li)となるように蒸着レートを調節した。以上が第2の発光ユニット2103−2とな
る。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成
膜することにより、陰極2102を形成し、本発明の発光素子6を作製した。
(発光素子6の特性評価)
以上により得られた本発明の発光素子6を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、
発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、その動作特性について測定
を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子6の電流密度―輝度特性を図25(A)に示す。また、電圧―輝度特性を図25
(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図26に示す。
発光素子6は、7.8[V]の電圧を印加することにより、4.89[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、860[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は1
8[cd/A]、パワー効率は7.1[lm/W]、外部量子効率は7.0[%]であっ
た。また、この時のCIE色度座標は(x=0.29、y=0.34)であり、白色の発
光を示した。さらに、図26の発光スペクトルからもわかるように、460nm付近の青
色発光と560nm付近の黄色発光が共にバランスよく得られており、発光素子6はブロ
ードな発光スペクトルを示している。
発光素子6の発光効率をグラフ上で評価するため、輝度−電流効率特性を図27(A)に
、輝度−パワー効率特性を図27(B)に、それぞれ示した。図27(A)に示す通り、
本発明の発光素子6は、実用的な輝度領域(100[cd/m]〜10000[cd/
]程度)において、非常に高い電流効率をおよびパワー効率を示した。このように、
本発明の発光素子は発光効率が高く、それに伴い消費電力も低いことが明らかとなった。
次に、発光素子6に関し、初期輝度を1000[cd/m]として、定電流駆動による
連続点灯試験を行った結果を図28に示す(縦軸は、1000cd/mを100%とし
た時の規格化輝度である)。
図28の結果から、発光素子6は740時間後でも初期輝度の94%の輝度を保っており
、長寿命な発光素子であることがわかった。輝度半減期は、10万時間程度と予想される
。このように、本発明の発光素子は長寿命であることが明らかとなった。
本実施例5では、第2の発光層として緑色発光物質であるN,9−ジフェニル−N−(
9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2
PCAPA)を用いた本発明の発光素子の作製例を、具体的に例示する。2PCAPAの
構造式を以下に示す。
Figure 0005576534
(発光素子7の作製)
発光素子7の作製例を、図11(A)を用いながら説明する。まず、陽極2001として
110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成膜されたガラス基板200
0を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露出するよう周辺をポリイミ
ド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に発光素子を形成するための
前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を
370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を
導入し、真空蒸着装置内の加熱室で、170℃で30分間の真空焼成を行った。その後、
基板を30分程度、放冷した。
次に、陽極2001が形成された面を下方となるように、陽極2001が形成されたガラ
ス基板2000を真空蒸着装置内の成膜室に設けられた基板ホルダーに固定した。そして
、まず陽極2001上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有
機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料からなる正孔注入層2013を形成した
。蒸着は抵抗加熱を用いた。また、正孔注入層2013の膜厚は50nmとし、NPBと
酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着
レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着
を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2014を形成した。
さらに、正孔輸送層2014上に、抵抗加熱を用いてPCCPAと2PCAPAとを共蒸
着することで、第2の発光層2012を形成した。PCCPAと2PCAPAとの比率は
、重量比で1:0.02(PCCPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節し
た。膜厚は10nmとした。この第2の発光層2012においては2PCAPAが発光物
質となるため、緑色発光を示す発光層となる。
この第2の発光層2012上に、第1の発光層2011を形成した。まず、抵抗加熱を用
いてPCCPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011におけ
る陽極側に位置する層2021を形成した。PCCPAとPCBAPAとの比率は、重量
比で1:0.10(PCCPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。こ
の陽極側に位置する層2021の膜厚は10nmとした。次いで、抵抗加熱を用いてCz
PAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011における陰極側に
位置する層2022を形成した。CzPAとPCBAPAとの比率は、重量比で1:0.
05(CzPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。この陰極側に位置
する層2022の膜厚は20nmとした。以上のようにして形成された第1の発光層20
11においてはPCBAPAが発光物質となるため、青色発光を示す発光層となる。また
、PCCPAは陽極側に位置する層2021の輸送性を調節する第1の有機化合物であり
、CzPAは陰極側に位置する層2022の輸送性を調節する第2の有機化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqを10nm成膜し、次いでBPhenを
20nm成膜することで、電子輸送層2015を形成した。
さらに抵抗加熱による蒸着法を用いて電子輸送層2015上に、フッ化リチウム(LiF
)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2016を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成
膜することにより、陰極2002を形成し、本発明の発光素子7を作製した。
(発光素子7の特性評価)
以上により得られた本発明の発光素子7を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、
発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特
性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子7の電流密度―輝度特性を図41(A)に示す。また、電圧―輝度特性を図4
1(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図42に示す。
発光素子7は、3.8[V]の電圧を印加することにより、8.77[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、1000[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は
11[cd/A]、パワー効率は9.4[lm/W]、外部量子効率は4.3[%]であ
った。また、この時のCIE色度座標は(x=0.23、y=0.41)であった。図4
2の発光スペクトルからわかるように、460nm付近の青色発光と520nm付近の緑
色発光が得られており、ブロードな発光スペクトルを示している。よって、発光素子7の
発光ユニットと、赤色発光が得られる発光ユニットとを積層した積層型発光素子の作製し
た場合、ブロードな発光スペクトルの白色発光素子を得ることができる。
発光素子7の発光効率をグラフ上で評価するため、輝度−電流効率特性を図43(A)
に、輝度−パワー効率特性を図43(B)に、それぞれ示した。図43(A)に示す通り
、本発明の発光素子7は、実用的な輝度領域(100[cd/m]〜10000[cd
/m]程度)において、非常に高い電流効率をおよびパワー効率を示した。このように
、本発明の発光素子は発光効率が高く、それに伴い消費電力も低いことが明らかとなった
本実施例6では、第2の発光層として緑色発光物質であるN,9−ジフェニル−N−(
9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2
PCAPA)を用いた本発明の発光素子の作製例を、具体的に例示する。
(発光素子8の作製)
発光素子8の作製例を、図11(A)を用いながら説明する。まず、陽極2001として
110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成膜されたガラス基板200
0を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露出するよう周辺をポリイミ
ド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に発光素子を形成するための
前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を
370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を
導入し、真空蒸着装置内の加熱室で、170℃で30分間の真空焼成を行った。その後、
基板を30分程度、放冷した。
次に、陽極2001が形成された面を下方となるように、陽極2001が形成されたガラ
ス基板2000を真空蒸着装置内の成膜室に設けられた基板ホルダーに固定した。そして
、まず陽極2001上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有
機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料からなる正孔注入層2013を形成した
。蒸着は抵抗加熱を用いた。また、正孔注入層2013の膜厚は50nmとし、NPBと
酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着
レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着
を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、NPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正
孔輸送層2014を形成した。
さらに、正孔輸送層2014上に、抵抗加熱を用いてPCBAPAと2PCAPAとを共
蒸着することで、第2の発光層2012を形成した。PCBAPAと2PCAPAとの比
率は、重量比で1:0.02(PCBAPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを
調節した。膜厚は10nmとした。この第2の発光層2012においては、PCBAPA
が正孔輸送性の物質であり、2PCAPAが発光物質となるため、緑色発光を示す発光層
となる。
この第2の発光層2012上に、第1の発光層2011を形成した。まず、抵抗加熱を用
いてPCCPAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011におけ
る陽極側に位置する層2021を形成した。PCCPAとPCBAPAとの比率は、重量
比で1:0.10(PCCPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。こ
の陽極側に位置する層2021の膜厚は10nmとした。次いで、抵抗加熱を用いてCz
PAとPCBAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層2011における陰極側に
位置する層2022を形成した。CzPAとPCBAPAとの比率は、重量比で1:0.
05(CzPA:PCBAPA)となるように蒸着レートを調節した。この陰極側に位置
する層2022の膜厚は20nmとした。以上のようにして形成された第1の発光層20
11においてはPCBAPAが発光物質となるため、青色発光を示す発光層となる。また
、PCCPAは陽極側に位置する層2021の輸送性を調節する第1の有機化合物であり
、CzPAは陰極側に位置する2022の輸送性を調節する第2の有機化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqを10nm成膜し、次いでBPhenを
20nm成膜することで、電子輸送層2015を形成した。
さらに抵抗加熱による蒸着法を用いて電子輸送層2015上に、フッ化リチウム(LiF
)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2016を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成
膜することにより、陰極2002を形成し、本発明の発光素子8を作製した。
(発光素子8の特性評価)
以上により得られた本発明の発光素子8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、
発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特
性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子8の電流密度―輝度特性を図44(A)に示す。また、電圧―輝度特性を図4
4(B)に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図45に示す。
発光素子8は、3.4[V]の電圧を印加することにより、7.15[mA/cm]の
電流密度で電流が流れ、1000[cd/m]の輝度で発光した。この時の電流効率は
9.3[cd/A]、パワー効率は8.6[lm/W]、外部量子効率は4.3[%]で
あった。また、この時のCIE色度座標は(x=0.19、y=0.30)であった。図
45の発光スペクトルからわかるように、460nm付近の青色発光と520nm付近の
緑色発光が得られており、ブロードな発光スペクトルを示している。よって、発光素子8
の発光ユニットと、赤色発光が得られる発光ユニットとを積層した積層型発光素子の作製
した場合、ブロードな発光スペクトルの白色発光素子を得ることができる。
発光素子8の発光効率をグラフ上で評価するため、輝度−電流効率特性を図46(A)
に、輝度−パワー効率特性を図46(B)に、それぞれ示した。図46(A)に示す通り
、本発明の発光素子8は、実用的な輝度領域(100[cd/m]〜10000[cd
/m]程度)において、非常に高い電流効率をおよびパワー効率を示した。このように
、本発明の発光素子は発光効率が高く、それに伴い消費電力も低いことが明らかとなった
本実施例7では、上記の実施例で用いた材料について説明する。
(合成例1)
2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}
フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPPA)の合成方法を
具体的に説明する。
Figure 0005576534
[ステップ1:2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセンの合成]
(i)2−ブロモ−9,10−アントラキノンの合成
2−ブロモ−9,10−アントラキノンの合成スキームを(C−1)に示す。
Figure 0005576534
臭化銅(II)46g(0.20mol)、アセトニトリル500mLを1L三口フラ
スコへ入れた。さらに、亜硝酸tert−ブチル17g(0.17mol)を加え。この
混合物を65℃に加熱した。この混合物へ、2−アミノ−9,10−アントラキノン25
g(0.11mol)を加え、同温度で6時間撹拌した。反応後、反応溶液を3mol/
Lの塩酸500mL中に注ぎ、この懸濁液を3時間撹拌したところ、固体が析出した。こ
の析出物を吸引濾過により回収し、吸引濾過しながら、水、エタノールで洗浄した。濾物
をトルエンに溶かしてフロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−0
0135)、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、
アルミナを通して吸引濾過し、得られたろ液を濃縮して固体を得た。この固体を、クロロ
ホルム、ヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ目的物である2−ブロモ−9,10
−アントラキノンの乳白色粉末状固体を18.6g、収率58%で得た。
(ii)2−ブロモ−9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,1
0−ジオールの合成
2−ブロモ−9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオ
ールの合成スキームを(C−2)に示す。
Figure 0005576534
2−ブロモ−9,10−アントラキノン4.9g(17mmol)を300mL三口フ
ラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換し、テトラヒドロフラン(THF)100mLを加
えて、よく溶かした。その後、この溶液へ、フェニルリチウム18mL(37mmol)
を滴下して加え、室温で約12時間撹拌した。反応後、溶液を水で洗浄後、水層を酢酸エ
チルで抽出した。抽出溶液と有機層をあわせて、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、
この混合物を吸引濾過し、濾液を濃縮して、目的物の2−ブロモ−9,10−ジフェニル
−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールを得た(約7.6g)。
(iii)2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセンの合成
2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセンの合成スキームを(C−3)に示す。
Figure 0005576534
得られた2−ブロモ−9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,
10−ジオール約7.6g(17mmol)、ヨウ化カリウム5.1g(31mmol)
、ホスフィン酸ナトリウム一水和物9.7g(92mmol)、氷酢酸50mLを500
mL三口フラスコへ入れ、120℃で2時間還流した。その後、反応混合物へ50%ホス
フィン酸30mLを加え、120℃で1時間撹拌した。反応後、溶液を水で洗浄後、水層
を酢酸エチルで抽出した。抽出溶液と、有機層とを合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。乾燥後、この混合物を吸引濾過し、得られた濾液を濃縮したところ、固体を得た。こ
の固体をトルエンに溶かしてからセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:53
1−16855)、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00
135)、アルミナを通してろ過した。得られたろ液を濃縮して得た固体を、クロロホル
ム、ヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ目的物である2−ブロモ−9,10−ジ
フェニルアントラセンの淡黄色粉末状固体を5.1g得た。(ii)と(iii)の2段
階での収率は74%であった。
[ステップ2:2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセンの合成
(i)2−ヨード−9,10−ジフェニルアントラセンの合成
2−ヨード−9,10−ジフェニルアントラセンの合成スキームを(C−4)に示す。
Figure 0005576534
2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン10g(24mmol)を500mL
三口フラスコに入れ、当該フラスコ内を窒素置換した後、テトラヒドロフラン150mL
を加え、溶解した。この溶液を−78℃で撹拌した。この溶液に1.6mmol/Lのn
−ブチルリチウム溶液19mLをシリンジにより滴下し−78℃で1時間撹拌して反応さ
せたところ白色固体が析出した。反応後この反応混合物に、ヨウ素12g(49mmol
)をテトラヒドロフラン80mLに溶解した溶液を滴下ロートより滴下した。滴下後、こ
の混合物を−78℃で1時間、室温で12時間撹拌した。反応後、反応溶液にチオ硫酸ナ
トリウム水溶液を加え、1時間室温で撹拌した。この混合物に酢酸エチルを加え、抽出を
行った。水層と有機層を分離し、有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に
洗浄した。水層と有機層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合
物を吸引ろ過して硫酸マグネシウムを除去した。得られたろ液を濃縮したところ、固体を
得た。この固体にメタノールを加え、超音波を照射して洗浄したところ固体が析出した。
この固体を吸引濾過により回収したところ、淡黄色粉末状固体を収量9.9g、収率90
%で得た。
(ii)2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセンの合成
2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセンの合成スキームを(C
−5)に示す。
Figure 0005576534
4−ブロモフェニルボロン酸2.0g(9.9mmol)、酢酸パラジウム(0)0.
02g(0.089mmol)、2−ヨード−9,10−ジフェニルアントラセン5.0
g(11mmol)、トリス(o−トリル)ホスフィン 0.30g(0.99mmol
)を200mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物にトルエン
50mL、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)20mL、エタノール10mLを加えた
。この混合物を100℃で8時間加熱攪拌し、反応させた。反応後、反応混合物にトルエ
ンを加え、この懸濁液を飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層
と水層を分離し、有機層をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−1
6855)、アルミナ、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−
00135)を通して吸引ろ過し、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮したところ、固体を
得た。この固体にメタノールを加え、超音波を照射して洗浄したところ固体が析出した。
吸引濾過によりこの固体を回収したところ、淡黄色粉末状固体を収量4.6g、収率87
%で得た。核磁気共鳴測定(NMR)によって、この化合物が2−(4−ブロモフェニル
)−9,10−ジフェニルアントラセンであることを確認した。
2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセンのH NMRデー
タを以下に示す。H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.33−7.36
(m,2H),7.40(d,J=8.4Hz,2H),7.49−7.72(m、15
H),7.78(d,J=9.3Hz,1H),7.85(d,J=1.5Hz,1H)
。また、H NMRチャートを図29(A)、図29(B)に示す。なお、図29(B
)は、図29(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャー
トである。
[ステップ3:4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)の合
成]
(i)N−(4−ブロモフェニル)カルバゾールの合成
N−(4−ブロモフェニル)カルバゾールの合成スキームを(E−1)に示す。
Figure 0005576534
まず、N−(4−ブロモフェニル)カルバゾールの合成方法について説明する。300
mLの三口フラスコに、1,4−ジブロモベンゼンを56g(0.24mol)、カルバ
ゾールを31g(0.18mol)、よう化銅(I)を4.6g(0.024mol)、
炭酸カリウムを66g(0.48mol)、18−クラウン−6−エーテルを2.1g(
0.008mol)入れ、窒素置換し、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒド
ロ−2(1H)−ピリミジノン(略称:DMPU)を8mL加え、180℃で6時間撹拌
した。反応混合物を室温まで冷ましてから、吸引ろ過により沈殿物を除去し、得られたろ
液を希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を硫酸
マグネシウムにより乾燥し、乾燥後、この混合物を自然ろ過した。得られたろ液を濃縮し
たところ、油状物質を得た。この油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=9:1)により精製して、得られた固体を、クロロホルム、ヘキサン
の混合溶媒により再結晶したところ、目的物であるN−(4−ブロモフェニル)カルバゾ
ールの淡褐色プレート状結晶を21g、収率35%で得た。核磁気共鳴測定(NMR)に
よって、この化合物がN−(4−ブロモフェニル)カルバゾールであることを確認した。
この化合物のH NMRデータを以下に示す。H NMR(300MHz,CDC
);δ=8.14(d,J=7.8Hz,2H),7.73(d,J=8.7Hz,
2H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.42−7.26(m,6H)。
(ii)4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)の合成
4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)の合成スキームを
(E−2)に示す。
Figure 0005576534
200mLの三口フラスコに、上記(i)で得たN−(4−ブロモフェニル)カルバゾ
ールを5.4g(17.0mmol)、アニリンを1.8mL(20.0mmol)、ビ
ス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を100mg(0.17mmol)、ナ
トリウム tert−ブトキシドを3.9g(40mmol)入れ、フラスコ内を窒素置
換した。この混合物へ、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液
)を0.1mL、トルエンを50mL加えた。この混合物を80℃、6時間撹拌した。反
応後、反応混合物を、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−0
0135)、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、
アルミナを通してろ過し、ろ液を水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、この混合物を自然ろ過した。ろ液を濃縮して得られた油状物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製したところ目的物
である4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)を4.1g、
収率73%で得た。核磁気共鳴測定(NMR)によって、この化合物が4−(カルバゾー
ル−9−イル)ジフェニルアミン(略称:YGA)であることを確認した。
この化合物のH NMRデータを以下に示す。H NMR(300MHz,DMS
O−d);δ=8.47(s,1H),8.22(d,J=7.8Hz,2H),7.
44−7.16(m,14H),6.92−6.87(m,1H)。また、H NMR
チャートを図30(A)、図30(B)に示す。なお、図30(B)は、図30(A)に
おける6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
[ステップ4:2YGAPPAの合成]
2YGAPPAの合成スキームを(E−3)に示す。
Figure 0005576534
ステップ2で合成した2−(4−ブロモフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセ
ン0.51g(1.1mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド0.20g(2.
1mmol)、ステップ3で合成した4−(カルバゾール−9−イル)ジフェニルアミン
(略称:YGA)0.35g(1.1mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラ
ジウム(0)0.02g(0.04mmol)を50mL三口フラスコに入れ、当該フラ
スコ内を窒素置換した。この混合物にトルエン10mL、トリ(tert−ブチル)ホス
フィンの10wt%ヘキサン溶液0.02mLを加えた。 この混合物を80℃で3時間
加熱攪拌し、反応させた。反応後、反応混合物にトルエンを加え、この懸濁液をフロリジ
ール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、セライト(和光純
薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナを通して吸引ろ過した
。得られたろ液を水、飽和食塩水で洗浄した後、有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥
した。この混合物を吸引ろ過して硫酸マグネシウムを除去し、得られたろ液を濃縮して固
体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。カラム
クロマトグラフィーはまずトルエン:ヘキサン=1:10を展開溶媒として用い、次いで
トルエン:ヘキサン=1:5の混合溶媒を展開溶媒として用いることにより行った。得ら
れたフラクションを濃縮して固体を得た。この固体をジクロロメタンとメタノールの混合
溶媒で再結晶したところ、粉末状黄色固体を収量0.51g、収率65%で得た。核磁気
共鳴測定(NMR)によって、この化合物が,2−(4−{N−[4−(カルバゾール−
9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアント
ラセン(略称:2YGAPPA)であることを確認した。
得られた黄色固体1.4gの昇華精製をトレインサブリメーション法により行った。昇華
精製は7.0Paの減圧下、アルゴンの流量を3mL/minとして333℃で9時間行
った。収量1.2gで収率は86%であった。
また、得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl
,300MHz):δ=7.06−7.15(m,1H),7.17−7.74(m,3
3H),7.78(d,J=9.8Hz,1H),7.90(s,1H),8.14(d
,J=7.8Hz,2H)。また、H NMRチャートを図31(A)、図31(B)
に示す。なお、図31(B)は、図31(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範
囲を拡大して表したチャートである。
また、2YGAPPAのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図32
に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶
液を石英セルに入れ、溶液及び石英セルの吸収スペクトルを測定した。溶液及び石英セル
の吸収スペクトルから石英セルの吸収スペクトルを差し引いた溶液の吸収スペクトルを図
32に示した。図32において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。ト
ルエン溶液の場合では286nm、293nm、312nm、357nm付近に吸収が見
られた。また、最大発光波長はトルエン溶液の場合では454nm(励起波長356nm
)であった。
(合成例2)
9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’
−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)の合成方法を具体的に説明する。
Figure 0005576534
[ステップ1:9−フェニル−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCC)の
合成]
9−フェニル−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCC)の合成スキームを
(b−1)に示す。
Figure 0005576534
3−ブロモカルバゾール2.5g(10mmol)、N−フェニルカルバゾール−3−ボ
ロン酸2.9g(10mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン152mg(0.
50mmol)を200mL三口フラスコへ入れた。フラスコ内を窒素で置換し、この混
合物へジメトキシエタノール(DME)50mL、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)
10mLを加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気し、脱気後、酢酸パラ
ジウム50mg(0.2mmol)を加えた。この混合物を、窒素気流下で80℃3時間
攪拌した。攪拌後、この混合物にトルエン約50mLを加え、30分ほど攪拌し、この混
合物を水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し
た。この混合物を自然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ油状物質を得た。得られた
油状物質をトルエンに溶かし、この溶液をフロリジール(和光純薬工業株式会社、カタロ
グ番号:540−00135)、アルミナ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ
番号:531−16855)を通してろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、目的物の
白色固体を、3.3g収率80%で得た。
なお、上記ステップ1で得られた固体の核磁気共鳴分光法(H NMR)を測定した。
以下に測定データを示す。また、H NMRチャートを図33に示す。測定結果から、
本合成例において、PCCが得られたことがわかった。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=7.16−7.21(m,1H)
,7.29−7.60(m,8H),7.67−7.74(m,4H),7.81−7.
87(m,2H),8.24(d,J=7.8Hz,1H),8.83(d,J=7.8
Hz,1H)、8.54(d,J=1.5Hz,1H),8.65(d,J=1.5Hz
,1H)、11.30(s,1H)
[ステップ2:PCCPAの合成]
PCCPAの合成スキームを(b−2)に示す。
Figure 0005576534
9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン1.2g(3.0mmol)
と、PCC1.2g(3.0mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド1.0g(
10mmol)を100mL三口フラスコへ入れた。フラスコ内を窒素にて置換し、この
混合物へトルエン20mL、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン
溶液)0.1mLを加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気をした。脱気
後、この混合物へ、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)96mg(0.1
7mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下で、110℃8時間還流した。還流後、
この混合物にトルエン約50mLを加え、30分ほど攪拌し、この混合物を水、飽和食塩
水の順で洗浄した。洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自
然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、油状物質を得た。得られた油状物質を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:トルエン=1:1)により精製し
た。得られた淡黄色個体をクロロホルム/ヘキサンにより再結晶すると、目的物であるP
CCPAの淡黄色粉末状固体を1.2g収率54%で得た。得られた淡黄色粉末状固体2
.4gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力8.7
Pa、アルゴンガスを流量3.0mL/minで流しながら、350℃でPCCPAを加
熱した。昇華精製後、PCCPAの淡黄色固体を2.2g回収率94%で得た。
なお、上記ステップ2で得られた固体のH NMRを測定した。以下に測定データを示
す。また、H NMRチャートを図34に示す。測定結果から、本合成例においてPC
CPAが得られたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.34−7.91(m,32H),
8.27(d,J=7.2Hz,1H),8.31(d,J=7.5Hz,1H),8.
52(dd,J=1.5Hz,J=5.4Hz,2H)
次にPCCPAの吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定は紫外可視分光光度
計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を用いて、室温にて測定を行
った。また、PCCPAの発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度
計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を用いて、室温にて測
定を行った。測定結果を図35に示す。また、PCCPAを蒸着法にて成膜し、薄膜状態
にて同様な測定を行った。測定結果を図36に示す。また、横軸は波長、縦軸はモル吸光
係数(任意単位)および発光強度(任意単位)を表す。
図35および図36より、PCCPAからの発光は、薄膜状態において454nmにピー
クを有し、トルエン溶液中において436nmにピークを有することがわかる。このよう
に、PCCPAは、特に青色系の発光を呈する発光物質にも適することがわかる。
(合成例3)
4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール
−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)の合成方法を具体的に説明する
Figure 0005576534
[ステップ1:9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロン酸の合成]
9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロンの合成スキームを(b−1)に示す。
Figure 0005576534
3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾール10g(31mmol)を500mLの
三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。テトラヒドロフラン(THF)150
mLをフラスコに加えて、3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾールを溶かした。
この溶液を−80℃に冷却した。この溶液へn−ブチルリチウム(1.58mol/Lヘ
キサン溶液)20mL(32mmol)を、シリンジにより滴下して加えた。滴下終了後
、溶液を同温度で1時間攪拌した。攪拌後、この溶液へホウ酸トリメチル3.8mL(3
4mmol)を加え、室温に戻しながら約15時間攪拌した。攪拌後、この溶液に希塩酸
(1.0mol/L)約150mLを加えて、1時間攪拌した。攪拌後、この混合物の水
層を酢酸エチルで抽出し、抽出溶液と有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、乾燥後この混合物を自然ろ過した
。得られたろ液を濃縮したところ、淡褐色の油状物を得た。この油状物を減圧乾燥したと
ころ、目的物の淡褐色固体を7.5g収率86%で得た。
[ステップ2:4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルアミン
(略称:PCBA)の合成]
4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルアミン(略称:PCB
A)の合成スキームを(b−2)に示す。
Figure 0005576534
4−ブロモジフェニルアミン6.5g(26mmol)、9−フェニル−9H−カルバゾ
ール−3−ボロン酸7.5g(26mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン400m
g(1.3mmol)を500mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。こ
の混合物へトルエン100mL、エタノール50mL、炭酸カリウム水溶液(0.2mo
l/L)14mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、酢酸
パラジウム(II)67mg(30mmol)を加えた。この混合物を100℃10時間
還流した。還流後、この混合物の水層をトルエンで抽出し、抽出溶液と有機層を合わせ、
飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、乾燥後この混合物を自
然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、淡褐色の油中物を得た。この油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:トルエン=4:6)により精製し、
精製後に得られた白色固体をジクロロメタン/ヘキサンにて再結晶し、目的物の白色固体
を4.9g収率45%で得た。
なお、上記ステップ2で得られた固体の核磁気共鳴分光法(H NMR)を測定した。
以下に測定データを示す。また、H NMRチャートを図37に示す。測定結果から、
本合成例においてPCBAが得られたことがわかった。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=6.81−6.86(m,1H)
,7.12(dd,J=0.9Hz,J=8.7Hz、2H),7.19(d,J=
8.7Hz,2H)、7.23−7.32(m、3H)、7.37−7.47(m,3H
)、7.51−7.57(m,1H)、7.61−7.73(m、7H)8.28(s,
1H)、8.33(d,J=7.2Hz,1H)、8.50(d,J=1.5Hz,1H
[ステップ3:PCBAPAの合成]
Figure 0005576534
PCBAPAの合成の合成スキームを(b−3)に示す。
9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニルアントラセン7.8g(12mmol)、
PCBA4.8g(12mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド5.2g(52
mmol)を300mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へ
、トルエン60mL、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)
0.30mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、ビス(ジ
ベンジリデンアセトン)パラジウム(0)136mg(0.24mmol)を加えた。こ
の混合物を、100℃で3時間攪拌した。攪拌後、この混合物に約50mLのトルエンを
加え、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミ
ナ、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)を通し
て吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を得た。この固体をトルエン/ヘキサ
ンにて再結晶し、目的物のPCBAPAの淡黄色固体6.6g収率75%で得た。得られ
た淡黄色粉末状固体3.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精
製条件は、圧力8.7Pa、アルゴンガスを流量3.0mL/minでながしながら、3
50℃でPCBAPAを加熱した。昇華精製後、PCBAPAの淡黄色固体を2.7g回
収率90%で得た。
なお、上記ステップ3で得られた固体のH NMRを測定した。以下に測定データを示
す。また、H NMRチャートを図38に示す。測定結果から、本合成例においてPC
BAPAが得られたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.09−7.14(m,1H),7
.28−7.72(m,33H)、7.88(d,J=8.4Hz,2H),8.19(
d,J=7.2Hz,1H)、8.37(d,J=1.5Hz,1H)
次にPCBAPAの吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定は紫外可視分光光
度計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を用いて、室温にて測定を
行った。また、PCBAPAの発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光
光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を用いて、室温に
て測定を行った。測定結果を図39に示す。また、PCBAPAを蒸着法にて成膜し、薄
膜状態にて同様な測定を行った。測定結果を図40に示す。また、横軸は波長(nm)、
縦軸は吸収強度(任意単位)および発光強度(任意単位)を表す。
図39および図40より、PCBAPAからの発光は、トルエン溶液中において459n
mにピークを有し、薄膜状態において473nmにピークを有することがわかる。このよ
うに、PCBAPAは、色純度の高い青色発光を示すことがわかる。
101 陽極
102 陰極
111 第1の発光層
112 第2の発光層
121 陽極側に位置する層
122 陰極側に位置する層
201 陽極
202 陰極
203 発光物質を含む層
211 第1の発光層
212 第2の発光層
213 正孔注入層
214 正孔輸送層
215 電子輸送層
216 電子注入層
221 陽極側に位置する層
222 陰極側に位置する層
300 基板
301 陽極
302 陰極
303 発光物質を含む層
501 陽極
502 陰極
503 発光ユニット
504 電荷発生層
601 ソース側駆動回路
602 画素部
603 ゲート側駆動回路
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 陽極
614 絶縁物
616 発光物質を含む層
617 陰極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
751 基板
752 電極
753 絶縁層
754 隔壁層
755 発光物質を含む層
756 電極
801 筐体
802 液晶層
803 バックライト
804 筐体
805 ドライバIC
806 端子
901 筐体
902 光源
911 照明装置
912 テレビ装置
1001 筐体
1002 支持台
1003 表示部
1004 スピーカー部
1005 ビデオ入力端子
1101 本体
1102 筐体
1103 表示部
1104 キーボード
1105 外部接続ポート
1106 ポインティングデバイス
1201 本体
1202 筐体
1203 表示部
1204 音声入力部
1205 音声出力部
1206 操作キー
1207 外部接続ポート
1208 アンテナ
1301 本体
1302 表示部
1303 筐体
1304 外部接続ポート
1305 リモコン受信部
1306 受像部
1307 バッテリー
1308 音声入力部
1309 操作キー
1310 接眼部
2000 ガラス基板
2000 基板
2001 陽極
2002 陰極
2011 第1の発光層
2012 第2の発光層
2013 正孔注入層
2014 正孔輸送層
2015 電子輸送層
2016 電子注入層
2021 陽極側に位置する層
2022 陰極側に位置する層
2100 ガラス基板
2100 基板
2101 陽極
2102 陰極
2103 発光ユニット
2104 電荷発生層
2111 第1の発光層
2112 第2の発光層
2113 正孔注入層
2114 正孔輸送層
2115 電子輸送層
2116 電子注入層
2121 陽極側に位置する層
2122 陰極側に位置する層
2131 第1の層
2132 第2の層

Claims (13)

  1. 陽極と陰極との間に、第1の発光層と、前記第1の発光層の陰極側に接して設けられた第2の発光層とを有し、
    前記第1の発光層は、陽極側に位置する層と、陰極側に位置する層と、からなり、
    前記陽極側に位置する層は、第1の有機化合物と第1の発光物質とを含み、
    前記陰極側に位置する層は、第2の有機化合物と前記第1の発光物質と同じ構造の発光物質とを含み、
    前記第2の発光層は、第3の有機化合物と第2の発光物質とを含み、
    前記第2の有機化合物と前記第3の有機化合物が同一の物質であり、
    前記第1の発光物質からの発光と前記第2の発光物質からの発光が得られる発光素子。
  2. 請求項1に記載の発光素子において、
    前記陽極側に位置する層は正孔輸送性であり、
    前記陰極側に位置する層は電子輸送性であり、
    前記第2の発光層は電子輸送性であることを特徴とする発光素子。
  3. 請求項1に記載の発光素子において、
    前記第1の有機化合物は正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物は電子輸送性であり、
    前記第3の有機化合物は電子輸送性であることを特徴とする発光素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の有機化合物および前記第2の有機化合物が、いずれも3環以上6環以下の縮合多環芳香族化合物であることを特徴とする発光素子。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の有機化合物および前記第2の有機化合物が、いずれもアントラセン誘導体であることを特徴とする発光素子。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光ピーク波長が、前記第2の発光物質の発光ピーク波長よりも短波長であることを特徴とする発光素子。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光色と、前記第2の発光物質の発光色が、互いに補色の関係にあることを特徴とする発光素子。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光色は青色であり、前記第2の発光物質の発光色が黄色であることを特徴とする発光素子。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光ピーク波長は400nm以上480nm未満の範囲にあり、
    前記第2の発光物質の発光ピーク波長は540nm以上600nm未満の範囲にあることを特徴とする発光素子。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光色は青緑色であり、
    前記第2の発光物質の発光色が赤色であることを特徴とする発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光素子において、
    前記第1の発光物質の発光ピーク波長は480nm以上520nm未満の範囲にあり、
    前記第2の発光物質の発光ピーク波長は600nm以上700nm未満の範囲にあることを特徴とする発光素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子を有する発光装置。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子を有する照明装置。
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