JP5576106B2 - 化粧壁面 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物における化粧壁面に関するものである。
従来、建築物の壁面には、各種の板状壁材が用いられている。このような板状壁材で構成された壁面は、長期間屋外に曝される。そのため、板状壁材の表面では、日射、降雨、粉塵等の影響によって経時的に劣化が進行し、板状壁材の当初の美観性が低下するおそれがある。
これに対し、板状壁材の表面に塗装を施す手法が種々提案されている。その一例として、特許文献1(特開平8−4246号公報)には、板状壁材の表面に、親水性塗膜等を設けることが記載されている。
ところで、板状壁材を用いて壁面を構成する際には、複数の板状壁材を併設する必要があり、板状壁材どうしの間には必然的に連結部が生じる。この連結部においては、通常、シーリング材等による防水処理が施される。
上記特許文献1の技術では、板状壁材表面の美観性保持については一定の効果が期待される。しかし、板状壁材間の連結部については全く考慮されていない。そのため、板状壁材表面と連結部の劣化状態、汚れ具合等に差異が生じやすく、全体的な美観性が損われるおそれがある。
上記問題点を改善する手法として、例えば特許文献2(特開平8−100167号公報)には、シーリング材の表面及びその近傍の表面に、弾性樹脂被膜を形成する手法が記載されている。
しかしながら、上記特許文献2に記載の手法では、連結部の被膜に剥れ等が発生し、美観性が損われるおそれがある。
特開平8−4246号公報 特開平8−100167号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、複数の板状壁材が併設された壁面において、連結部のシーリング材に起因する不具合を抑制し、美観性の高い化粧面を得ることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、板状壁材どうしの連結部にはシーリング材が充填され、当該シーリング材の表面には特定の処理被膜が設けられ、連結部及び板状壁材の表面には化粧被膜が設けられた化粧壁面に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.複数の板状壁材が併設された化粧壁面であって、
上記板状壁材どうしの連結部には、シーリング材が充填され、
上記シーリング材の表面には、アクリルポリマーマトリクス中にアミノシラン及びジメチルシロキサンが混在する処理被膜が設けられ、
上記連結部及び板状壁材の表面には、化粧被膜が設けられている
ことを特徴とする化粧壁面。
本発明の化粧壁面では、板状壁材間のシーリング材に起因する不具合を抑制し、美観性を高めることができる。
本発明化粧壁面の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明化粧壁面の一例を示す断面図である。
本発明の化粧壁面は、複数の板状壁材1で構成される。板状壁材1としては、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板等が挙げられる。
本発明において、複数の板状壁材1は、連結部を介して併設される。すなわち、板状壁材1どうしの間には、連結部が設けられる。連結部の幅は、好ましくは3〜20mm(より好ましくは5〜15mm)程度である。
上記連結部には、シーリング材2が充填される。
シーリング材2としては一般的なものが使用可能であり、例えば、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。
シーリング材2の充填方法としては、特に限定されず、例えば、ガンやへら等による公知の方法を採用することができる。
本発明では、特に、シーリング材2として変性シリコーン系シーリング材を使用した場合に、優れた効果を得ることができる。
変性シリコーン系シーリング材は、変性シリコーン樹脂を含むシーリング材である。この変性シリコーン樹脂は、有機樹脂を主鎖とし、その末端または側鎖に少なくとも一つの反応性シリル基を有するものである。変性シリコーン樹脂の主鎖を構成する有機樹脂としては、例えば、ポリエーテル重合体、ポリエステル重合体、エーテル・エステルブロック共重合体、エチレン性不飽和化合物重合体、ジエン化合物重合体等が挙げられる。反応性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基、シラノール基等が挙げられる。
変性シリコーン樹脂におけるポリエーテル重合体は、アルキレンオキシドの繰返し単位を有するものである。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。
ポリエステル重合体は、カルボキシル基含有化合物のエステルを繰返し単位として有するものである。カルボキシル基含有化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、ピルビン酸、乳酸等が挙げられる。
エーテル・エステルブロック共重合体は、上記ポリエーテル重合体の繰返し単位と、上記ポリエステル重合体の繰返し単位を併有するものである。
エチレン性不飽和化合物重合体は、エチレン性不飽和化合物を単量体成分とするものである。エチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。エチレン性不飽和化合物重合体の具体例としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
ジエン化合物重合体は、ジエン化合物を単量体成分とするものである。ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等が挙げられる。ジエン化合物重合体の具体例としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体等が挙げられる。
また、本発明では、シーリング材2としてノンブリードタイプのものを使用した場合においても、優れた効果を得ることができる。ここに言うノンブリードタイプのシーリング材は、シーリング材中の可塑剤含有量が5重量%以下であるもの(好ましくは可塑剤を含まないもの)である。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン等のハロゲン化脂肪族化合物等が挙げられる。これら可塑剤の分子量は、通常500未満である。
ノンブリードタイプのシーリング材としては、例えば、上記条件を満たすアクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材等が挙げられる。本発明では、ノンブリードタイプの変成シリコーン系シーリング材を使用した場合において、特に優れた効果が得られる。
シーリング材2の充填前には、予めバックアップ材充填やプライマー塗付等の処理を行っておいてもよい。バックアップ材としては、例えば、発泡ポリエチレン系バックアップ材等を使用することができる。プライマーとしては、例えば、合成ゴム系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマー、シリコーンレジン系プライマー、シラン系プライマー等を使用することができる
本発明では、上記シーリング材2の表面に処理被膜3が設けられる。この処理被膜3は、アクリルポリマーマトリクス中にアミノシランが混在するものである。このような成分を含む処理被膜3は、シーリング材2との付着性、化粧被膜4との付着性のいずれにも優れる。本発明では、このような処理被膜3の作用によって、化粧被膜4の剥れ等を十分に抑制することが可能となる。
アクリルポリマーマトリクスは、アクリルポリマーによって形成される樹脂母体である。このアクリルポリマーは、少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー混合物の重合体である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
モノマー混合物における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの構成比率は、好ましくは30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは99.8重量%以下、より好ましくは99.5重量%以下、さらに好ましくは99重量%以下である。
アクリルポリマーにおいては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーを共重合することができる。このようなモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボニル基、水酸基等の官能基を有するモノマーの他、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン等が挙げられる。
アクリルポリマーのガラス転移温度は、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜60℃である。なお、ガラス転移温度は、Foxの計算式によって求められる値である。
アミノシランは、アミノ基及び反応性シリル基を有する化合物である。反応性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基、シラノール基等が挙げられる。
アミノシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジイソプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジイソプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、2−アミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノロピルトリエトキシシラン等から選ばれる1種以上が挙げられる。この中でも、1分子中にアミノ基を2つ以上(好ましくは2つ)有するアミノシランが好適である。
アミノシランの重量比率は、固形分換算で、アクリルポリマーマトリクス100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明では、処理被膜3として、アクリルポリマーマトリクス中にアミノシラン及びジメチルシロキサンが混在するもの(以下「処理被膜3a」という)を使用することができる。本発明では、このような成分を含む処理被膜3aを用いることにより、シーリング材2と化粧被膜4との付着性を高めることが可能となる。さらに、シーリング材2の変位に追従しつつ、その変位を緩和する性能を付与することも可能となる。
本発明では、このような処理被膜3aの作用によって、化粧被膜4の剥れ、ひび割れ等を十分に抑制することができる。とりわけ、シーリング材2として変性シリコーン系シーリング材を使用した場合に、優れた効果を得ることができる。このような効果は、ジメチルシロキサンとアミノシランの相乗的作用によって奏されるものと推察される。
アクリルポリマー、アミノシランとしては、上述と同様のものが使用できる。
処理被膜3aにおけるジメチルシロキサンは、ジメチルジアルコキシシラン、ジメチルシロキサンオリゴマー等を原料として合成されたものである。ジメチルジアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。ジメチルシロキサンオリゴマーとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられる。ジメチルシロキサンの平均分子量は、好ましくは10000以上、より好ましくは50000以上である。
ジメチルシロキサンの重量比率は、固形分換算で、アクリルポリマーマトリクス100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部である。
処理被膜3は、上記成分を含む処理剤を塗付・乾燥させることにより形成できる。この処理剤は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、上記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。
シーリング材2の上に、上記処理剤を塗付する際には、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等の公知の塗付具を用いることができる。処理剤は、シーリング材2の充填後、概ね2〜10日後に塗付すればよい。この際、処理剤は、シーリング材2の表面及びその近傍に塗付することができる。処理剤の塗付幅は、通常、シーリング材が充填された連結部の幅の1〜5倍程度にすればよいが、板状壁材1の表面にわたって広く塗付してもよい。処理剤の塗付け量は、固形分換算で、好ましくは10〜300g/m程度である。
上記連結部及び板状壁材1の表面には、化粧被膜4が設けられている。この化粧被膜4は、連結部及び板状壁材1を含む壁面全体を覆うものであり、局所的な劣化、汚れ等の発生を緩和し、壁面全体の美観性向上に寄与するものである。
また上述のように、本発明では、上記処理被膜3を介してシーリング材2と化粧被膜4とが強力に接着される。これにより、本発明では、連結部における化粧被膜4の剥れ等を抑制することが可能となる。処理被膜3aを用いた場合は、剥れ防止効果がいっそう高まり、さらにシーリング材2の変位が緩和され、化粧被膜4のひび割れ等を抑制することも可能となる。
化粧被膜4は、各種被覆材によって形成できる。この被覆材としては、所望の色彩や表面形状、あるいは所望の被膜性能等に応じ、各種材料を使用することができる。被覆材は1種のみでもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。2種以上の被覆材を用いる場合、化粧被膜4は、2種以上の被覆材による被膜が積層された態様とすることができる。
化粧被膜4を形成する被覆材としては、例えば、JIS K5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5660「つや有り合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5654「アクリル樹脂エナメル」、JIS K5656「建築用ポリウレタン樹脂エナメル」、JIS K5657「鋼構造物用ポリウレタン樹脂エナメル」、JASS18 M−207「非水分散形アクリル樹脂エナメル」、JASS18 M−404「アクリルシリコン樹脂塗料」、JIS K5658「建築用ふっ素樹脂エナメル」、JIS K5659「鋼構造物用ふっ素樹脂エナメル」、JIS K5667「多彩模様塗料」、JIS A6909「建築用仕上塗材」(例えば、薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材、複層仕上塗材主材等)、その他石材調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等が挙げられる。
本発明では、化粧被膜4の最表面に親水性被膜を設けることが望ましい。このような親水性被膜を設けることにより、化粧被膜表面の汚染を抑制し、美観性をいっそう高めることができる。親水性被膜は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の親水性基を有する樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキサゾリン、ポリアミド等の親水性セグメントを有する樹脂等を含む被覆材、あるいは、各種合成樹脂に親水性付与成分を配合した被覆材等によって形成することができる。
親水性付与成分としては、例えば、無機酸化物ゾル、アルコキシシラン化合物等が挙げられる。このうち、無機酸化物ゾルとしては、例えば、酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化アンチモンゾル等が挙げられる。アルコキシシラン化合物としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、及びこれらの変性物等が使用できる。
被覆材の塗付方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、スプレー、ローラー、鏝、刷毛等の塗装器具を用いることができる。被覆材の塗付け量は、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(試験体作製)
同じ大きさの窯業系サイディングボート2枚を併設し、ボード間の連結部(幅10mm)に変性シリコーン系シーリング材(樹脂成分:アルコキシシリル基含有ポリエーテル重合体、可塑剤含有量:1重量%未満)を充填したものを塗装対象の基材とした。窯業系サイディングボートとしては、表面にアクリル系塗料の塗膜を有するものを用いた。
この基材の連結部に対し、処理剤を塗付け量80g/m(固形分)で刷毛塗りし、2時間養生後、基材全面に対し、JIS K5660「つや有り合成樹脂エマルションペイント」に該当する水性アクリル樹脂塗料を塗付け量0.3kg/mでスプレー塗装し、7日間養生した。なお、以上の工程はすべて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)下で行った。
処理剤としては、それぞれ以下に示すものを使用した。
・処理剤1:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):アミノシラン(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)=98:2(固形分重量比)
・処理剤2:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):アミノシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)=98:2(固形分重量比)
・処理剤3:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):アミノシラン(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン):ジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンオリゴマーの合成物)=78:20:2(固形分重量比)
・処理剤4:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):ジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンオリゴマーの合成物)=80:20(固形分重量比)
・処理剤5:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):シラン化合物(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)=98:2(固形分重量比)
・処理剤6:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):シラン化合物(ポリエーテル鎖含有トリメトキシシラン)=98:2(固形分重量比)
・処理剤7:アクリルポリマー(メチルメタクリレート-n−ブチルアクリレート-2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度5℃):シラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)=98:2(固形分重量比)
(試験方法)
・密着性試験
上記方法で作製した試験体(300×150mm)を50℃の温水に72時間浸漬した後、連結部上の被膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価は、異常が認められなかったものを「A」、剥れが認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。
・追従性試験
上記方法で作製した試験体(300×150mm)について、標準状態で引張り試験機にて水平方向に30%変位させたときの表面状態を観察し、追従性を評価した。評価は、異常が認められなかったものを「A」、割れ、剥れ等の異常が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。
(試験結果)
上記試験の結果を表1に示す。試験例1〜3では、概ね良好な結果が得られた。
Figure 0005576106
1:板状壁材
2:シーリング材
3:処理被膜
4:化粧被膜

Claims (1)

  1. 複数の板状壁材が併設された化粧壁面であって、
    上記板状壁材どうしの連結部には、シーリング材が充填され、
    上記シーリング材の表面には、アクリルポリマーマトリクス中にアミノシラン及びジメチルシロキサンが混在する処理被膜が設けられ、
    上記連結部及び板状壁材の表面には、化粧被膜が設けられている
    ことを特徴とする化粧壁面。

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