JP5574574B2 - 高周波発振装置 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1に係る高周波発振装置を示す回路構成図である。
図1において、高周波発振装置は、高周波f0を出力する高周波出力端子と、第1の発振周波数f0を出力する第1の発振器(以下、単に「発振器」という)11と、第2の発振周波数f0を出力する第2の発振器(以下、単に「発振器」という)12と、第1および第2の発振周波数の和の周波数を出力する第1の周波数変換器(以下、単に「ミクサ」という)21と、ミクサ21の出力端子に接続された第1のフィルタ(以下、単に「帯域通過フィルタ」という)31と、帯域通過フィルタ31の出力端子と高周波出力端子との間に挿入された周波数分周器41とを備えている。
周波数分周器41は、入力信号の周波数2f0を1/2に分周して、元の周波数f0の高周波として出力する。
なお、第1および第2の発振周波数は可変としてもよく、同様に、帯域通過フィルタ31の通過周波数帯域は可変としてもよい。このことは、後述する実施の形態においても同様である。
また、発振器が出力する発振周波数は基本発振周波数の高調波であってもよいことは言うまでもない。
ミクサ21は、発振器11から出力される発振波(第1の発振周波数)と、発振器12から出力される発振波(第2の発振周波数)とを2つの入力端子から取り込み、各周波数の和および差の周波数を出力する。
このとき、ミクサ21に入力される2つの発振波は同じ周波数f0であることから、ミクサ21の出力端子からは、和の周波数2f0と直流信号とが出力される。
図1では、便宜的に、ミクサ21に入力される2つの発振波を同じ周波数f0の場合を示したが、発振器12からの発振波が周波数f0/2である場合には、ミクサ21の出力端子からは、和の周波数f0+f0/2と、差の周波数f0−f0/2と、直流信号とが出力される。
一般に、キャリヤは、電圧加算されて6dBだけ増加するのに対して、位相雑音は、電力加算されて3dB増加することに等しい。よって、位相雑音は、キャリヤに対する電力密度比であることから、3dBだけ低減されたことになる。
このとき、周波数分周器41からは、位相雑音が3dBだけ低減された発振波が、最終的な高周波として、高周波出力端子から出力される。
なお、上記実施の形態1(図1)では、2つの発振器11、12から出力される発振波(第1および第2の発振周波数)をミクサ21で周波数変換することにより、位相雑音を低減させたが、図2のように、低減された発振波に遅延を与えて元の発振器に注入することにより、さらに位相雑音を低減させてもよい。
図2において、周波数分周器41の出力端子(高周波出力端子)には、発振器11、12への第1および第2の帰還経路(以下、単に「帰還経路」という)が設けられており、発振器11への帰還経路内には、第1の遅延手段(以下、単に「遅延手段」という)121が挿入されている。
ここでは、高周波出力端子から発振器11、12の両方に対して、高周波の帰還経路が設けられているが、高周波を発振器11、12に帰還する帰還経路の少なくとも一方が設けられていればよい。
遅延手段121の入力端子は、高周波出力端子に接続され、遅延手段121の出力端子は、発振器11の入力端子に接続されている。
前述と同様に、ミクサ21において、異なる2つの発振器11、12から出力された発振波のキャリヤはコヒーレントに加算され、位相雑音はインコヒーレントに加算されることにより、位相雑音は3dBだけ低減される。
さらに、周波数分周器41からの発振波は、高周波として外部に出力されるとともに、帰還経路を介して発振器11および12に帰還注入される。
こうして位相雑音が低減された発振器11、12の発振波を、ミクサ21に再入力することにより、位相雑音の低減が繰り返され、前述の実施の形態1よりもさらに位相雑音が低減された発振波(高周波)が最終的に得られる。
したがって、図2のように、発振器11への帰還経路に遅延手段121を挿入して遅延(期間τ)を与え、発振器11、12の各発振波の位相雑音をインコヒーレントにしている。
なお、発振器11、12として高調波注入同期発振器を用いた場合には、後述する実施の形態3のように、周波数分周器41を省略することもできる。
上記実施の形態2(図2)では、周波数分周器41を用いたが、図5のように、発振器11、12の少なくとも一方を高調波注入同期発振器(Injection Locked Oscillator)で構成することにより、周波数分周器41を省略してもよい。
図5においては、発振器11に注入する周波数を元の周波数f0/2の高調波f0とすることにより、周波数分周器41(図2参照)の分周比を「1」に設定している。つまり、周波数分周器41を設けなくても、同等の低位相雑音化を実現することができる。
この場合、帯域通過フィルタ31から出力された所望の発振波は、高周波として外部に出力されるとともに、一部が発振器11、12に帰還注入される。これにより、発振器11、12の高調波と、帰還経路を介して注入された高周波とが同期する。
以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波をミクサ21に入力することを繰り返すことにより、位相雑音が非常に低減された高周波が得られる。
さらに、高調波注入同期発振器は、後述の実施の形態にも適用することができ、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
なお、上記実施の形態2(図2)では、発振器11、12を用いたが、図7のように、発振器11、12(の少なくとも一方)を増幅器101、102により構成してもよい。
図7はこの発明の実施の形態4に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図7のように、2つの発振器を増幅器101、102により構成しても、低位相雑音の高周波を得ることができる。
図7において、増幅器101に入力された雑音は、増幅器101で増幅された後、ミクサ21、帯域通過フィルタ31および周波数分周器41を介して、高周波出力端子から外部に出力される。また、高周波の一部は、帰還経路内の遅延手段121を介して、増幅器101に再入力され、上記処理動作を繰り返す。
同様に、増幅器102に入力された雑音は、増幅器102で増幅された後、ミクサ21、帯域通過フィルタ31および周波数分周器41を介して、増幅器102に再入力され、上記処理動作を繰り返すことにより、電力がしだいに増加していく。
また、ミクサ21において、異なる2つの帰還経路の発振波のキャリヤは、コヒーレントに加算され、位相雑音は、インコヒーレントに加算される。
以上のように、発振器(の少なくとも一方)を増幅器101、102で構成しても、前述と同様に、位相雑音が非常に低減された高周波を得ることができる。
なお、上記実施の形態2(図2)では、特に言及しなかったが、図8のように、帰還経路の少なくとも一方(ここでは、発振器11、12への帰還経路)に移相器111、112を挿入し、帰還経路で与える遅延量を調整してもよい。
ここでは、代表的に、図2の回路構成に移相器111、112を挿入した場合を示したが、他の実施の形態(図3〜図7)および後述の実施の形態にも適用可能なことは言うまでもない。
前述と同様に、ミクサ21において、異なる2つの発振器11、12から出力された発振波のキャリヤはコヒーレントに加算され、位相雑音はインコヒーレントに加算されることにより、位相雑音は3dBだけ低減される。
さらに、周波数分周器41からの発振波は、高周波として外部に出力されるとともに、帰還経路を介して発振器11および12に帰還注入され、位相雑音の低減が繰り返される。
したがって、図8のように、発振器11への帰還経路に遅延手段121を挿入して遅延(期間τ)を与え、発振器11、12の各発振波の位相雑音をインコヒーレントにしている。
なお、上記実施の形態2〜5(図2〜図8)では、遅延手段121の具体的構成について言及しなかったが、図9のように、第1の遅延伝送路(以下、単に「遅延伝送路」という)51により構成してもよい。遅延伝送路51は、たとえば同軸ケーブル、マイクロストリップ線路などによって構成され得る。
図9はこの発明の実施の形態6に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、代表的に、前述の実施の形態2(図2)に適用した場合を示している。
この場合、前述と同様に、周波数分周器41から出力される発振波(位相雑音が3dBだけ低減されている)は、高周波として外部に出力されるとともに、帰還経路を介して発振器11、12に帰還注入される。
このように、遅延手段121として遅延伝送路51を用い、遅延伝送路51を介して遅延を与えることにより、前述と同様に位相雑音を低減させることができる。
なお、上記実施の形態6(図9)では、遅延手段121として遅延伝送路51を用いたが、図10のように、第2のフィルタ(以下、単に「帯域通過フィルタ」という)32により構成してもよい。
図10はこの発明の実施の形態7に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、代表的に、前述の実施の形態2(図2)に適用した場合を示している。
この場合、前述と同様に、周波数分周器41から出力される発振波(位相雑音が3dBだけ低減されている)は、高周波として外部に出力されるとともに、帰還経路を介して発振器11、12に帰還注入される。
このように、遅延手段121として帯域通過フィルタ32を用い、帯域通過フィルタ32を介して遅延を与えることにより、前述と同様に位相雑音を低減させることができる。
なお、前述の実施の形態7(図10)では、帰還経路内の帯域通過フィルタ32の帯域について言及しなかったが、図11のように、帯域通過フィルタ32の通過周波数帯域を可変としてもよい。
図11はこの発明の実施の形態8に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図10参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ここで、発振器11、12の発振周波数を広帯域に可変とする場合には、帯域通過フィルタ32の通過周波数帯域を可変することにより、高周波出力端子からは、広帯域の発振周波数が得られる。
なお、上記実施の形態7(図10)では、遅延手段121として帯域通過フィルタ32を用いたが、図12のように、光学系により構成してもよい。
図12はこの発明の実施の形態9に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
フォトダイオード91の出力端子は、発振器11の入力端子に接続されている。
図12のように、低位相雑音化された高周波を、帰還経路内で光として伝送しても、前述と同様に、遅延を与えて元の発振器11に注入することができ、位相雑音の低減が得られる。
前述のように周波数分周器41から出力された高周波は、高周波出力端子から外部に出力されるとともに、発振器11への帰還経路内の光変調器71に入力される。
続いて、フォトダイオード91は、光を電波に変換し、発振器11に注入する。以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波を、ミクサ21に入力することにより、位相雑音の低減が繰り返されて、位相雑音が非常に低減された高周波が得られる。
なお、上記実施の形態7(図10)では、遅延手段121として帯域通過フィルタ32を用いたが、図13のように、遅延手段121をダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンを行う2つのミクサ22、23と第3の発振周波数を出力する発振器13と第2の遅延手段122で構成してもよい。
図13において、第1の遅延手段121は、それぞれ2つの入力端子および1つの出力端子を有する第2および第3の周波数変換器(以下、単に「ミクサ」という)22、23が、第2の遅延手段122の両端に位置するように挿入された構成である。
また、各ミクサ22、23に関連して、第3の発振周波数frを出力する第3の発振器(以下、単に「発振器」という)13が設けられている。
ミクサ23の一方の入力端子は、遅延手段122の出力端子に接続され、ミクサ23の出力端子は、発振器11(発振器11、12のいずれか一方)の入力端子に接続されている。
また、ミクサ22、23の各他方の入力端子は、発振器13の出力端子に接続されている。
前述と同様に、ミクサ21において、第1および第2の発振周波数f0のキャリヤは、コヒーレントに加算され、位相雑音は、インコヒーレントに加算される。これにより、位相雑音(キャリヤに対する電力密度比)は、3dBだけ低減される。
周波数分周器41から出力される発振波(位相雑音が3dBだけ低減されている)は、高周波として外部に出力されるとともに、発振器11および12に帰還注入される。
また、ミクサ22、23における周波数変換時の位相雑音の変化はなく、前述と同様に、ミクサ21における位相雑音の低減効果は維持される。
なお、上記実施の形態10(図13)では、帰還経路内においてダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンを行うことにより、遅延手段122を低周波数化して高周波発振装置の出力周波数を高周波数化したが、図14のように、発振器13とミクサ23との間にさらに第3の遅延手段123を挿入して、発振器13による位相雑音成分をミクサ23においてコヒーレントにし、低位相雑音化してもよい。
図14において、発振器13とミクサ23の他方の入力端子との間には、第3の遅延手段(以下、単に「遅延手段」という)が挿入されている。
遅延手段123の入力端子は発振器13の出力端子に接続され、遅延手段123の出力端子はミクサ23の他方の入力端子に接続されている。
図14のように、遅延手段123において、アップコンバージョンを行う発振波に遅延を与えることにより、さらに低位相雑音化を実現することができる。
前述と同様に、ミクサ21から出力されて、帯域通過フィルタ31を介した所望の発振波2f0は、周波数分周器41により、元の周波数f0に変換される。
周波数分周器41から出力される発振波(位相雑音が3dBだけ低減されている)は、高周波発振装置からの高周波として外部に出力されるとともに、発振器11、12に帰還注入される。
以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波をミクサ21に再入力することにより、位相雑音の低減が繰り返されて、位相雑音が非常に低減された発振波が得られる。
このとき、発振器13の発振波の位相雑音が、発振器11、12の発振波の位相雑音よりも低ければ、ミクサ22、23における周波数変換時の位相雑音の変化はなく、ミクサ21における位相雑音の低減効果は維持される。
そこで、図14のように、発振器13とミクサ23との間に遅延手段122と同等の遅延量を与える遅延手段123を挿入する。
これにより、発振器13による位相雑音成分は、ミクサ23においてコヒーレントになることから、確実にキャンセルされるので、ミクサ21における位相雑音の低減効果は維持される。
なお、前述の実施の形態10、11(図13、図14)では、遅延手段122、123の具体的構成について言及しなかったが、図15のように、それぞれ第2のフィルタ、第3のフィルタ(以下、単に「帯域通過フィルタ」という)32、33により構成してもよい。
図15はこの発明の実施の形態12に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、代表的に前述の実施の形態11(図14)に適用した場合を示している。図15において、前述(図1、図10、図13参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
前述と同様に、周波数分周器41から出力される発振波(位相雑音が3dBだけ低減されている)は、高周波として外部に出力されるとともに、帰還経路を介して発振器11、12に帰還注入される。
このように、遅延手段122、123を帯域通過フィルタ32、33により構成し、遅延を与えることにより、前述と同様に位相雑音を低減させることができる。
なお、上記実施の形態12(図15)では、ダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンを行う発振器13の発振周波数を所定値frに設定した例を示したが、図16のように、発振器13からの第3の発振周波数を可変としてもよい。
図16はこの発明の実施の形態13に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図10、図13、図15参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ここでは、発振器13の発振周波数を可変とするのみならず、帯域通過フィルタ32も可変とする場合を示している。
これにより、帰還経路内の帯域通過フィルタ32の可変範囲を狭くすることができるため、低位相雑音の効果を維持しつつ、高周波発振装置の出力周波数をさらに可変することができる。
また、発振器13とミクサ23との間の帯域通過フィルタ33により、帯域通過フィルタ32と同等の遅延量が与えられ、発振器13による位相雑音成分は、ミクサ23においてコヒーレントとなってキャンセルされる。
以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波をミクサ21に入力することにより、位相雑音の低減が繰り返されて、高周波出力端子からは、位相雑音が非常に低減された発振波が得られる。
また、発振器13の発振周波数帯域を、発振器11、12の発振周波数帯域からある一定の周波数だけオフセットさせた帯域とすることにより、図17に示すように、帯域通過フィルタ32の通過周波数帯域をfrに固定とすることができる。
なお、上記実施の形態13(図16)では、発振器13とミクサ23との間に挿入された帯域通過フィルタ33の帯域について言及しなかったが、図18のように、帯域通過フィルタ33の通過周波数帯域を可変としてもよい。
図18はこの発明の実施の形態14に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図10、図13、図15参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ここでは、前述の実施の形態13(図16)において、可変の帯域通過フィルタ33を適用した場合を示している。
また、発振器13とミクサ23との間の帯域通過フィルタ33により帯域通過フィルタ32と同等の遅延量を与えることにより、位相雑音の低減効果が維持され、発振器11、12の各発振波の位相雑音は、インコヒーレントになる。
また、発振器11、12の発振周波数を可変としても、上記の位相雑音の低減効果は各周波数にわたって維持され、帯域通過フィルタ32の通過周波数帯域を可変とすることにより、位相雑音が低減された広帯域の出力周波数が得られる。また、発振器13の発振周波数を可変とすることにより、帯域通過フィルタ32の通過周波数帯域を広帯域に可変としなくても、位相雑音が低減された広帯域の出力周波数が得られる。
なお、前述の実施の形態3(図5)では、帯域通過フィルタ31の出力波を最終的な高周波としたが、図19のように、高周波出力端子に第4の周波数変換器(以下、単に「ミクサ」という)24を挿入してもよい。
図19はこの発明の実施の形態15に係る高周波発振装置を示す回路構成図であり、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ミクサ24の一方の入力端子は、高周波出力端子に接続され、ミクサ24の他方の入力端子は、発振器14の出力端子に接続されている。
前述のように帯域通過フィルタ31から出力された所望の発振波は、高周波出力端子に挿入されたミクサ24に入力されるとともに、一部が発振器11、12に帰還注入される。
以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波は、ミクサ21への入力を繰り返すことにより、最終的に位相雑音が非常に低減された高周波となる。
このとき、発振器14の発振周波数は固定周波数fdなので、十分に低位相雑音とすることができ、ミクサ24から出力される最終的な高周波の位相雑音に影響を与えることはない。したがって、低位相雑音かつ広帯域の高周波が得られる。
なお、発振器14の発振周波数は、固定周波数fdでなくてもよく、十分に低位相雑音であればよい。
また、高周波出力端子に接続されたミクサ24および発振器14は、上記実施の形態3(図5)に適用することのみならず、他の実施の形態1〜14(図1〜図18)のいずれにも適用することができ、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
なお、上記実施の形態15(図19)では、低位相雑音化された高周波をミクサ24でダウンコンバートすることにより、低位相雑音かつ広帯域の高周波を出力可能に構成したが、図20のように、ミクサ24の出力端子に、さらに第4のフィルタ(以下、単に「低域通過フィルタ」という)34を挿入してもよい。
図20において、ミクサ24の出力端子には、低域通過フィルタ34が接続されている。このように、低域通過フィルタ34をミクサ24の後段に挿入することにより、不要な出力を抑制して、低位相雑音かつ広帯域の高周波を出力することができる。
まず、前述の実施の形態15(図19)と同様に、帯域通過フィルタ31の出力波をミクサ24および発振器14でダウンコンバートすることにより、発振周波数帯域の広い高周波が出力される。
なお、発振器14の発振周波数は、固定周波数fdでなくてもよく、十分に低位相雑音であればよい。
これにより、不要な出力を抑制した低位相雑音かつ広帯域の高周波が得られる。
また、低域通過フィルタ34の通過帯域周波数を可変としてもよい。
なお、上記実施の形態15、16(図19、図20)では、低域通過フィルタ34の出力信号を最終的な高周波とするのみであったが、図21のように、低域通過フィルタ34の出力を発振器11への帰還経路に関与させてもよい。
この場合、発振器11への帰還経路内の発振器13の出力に変えて、周波数分周器41の出力から周波数変換により生成することができるので、発振器13を不要とすることができる。
まず、前述の実施の形態16と同様に、ミクサ24の後段の低域通過フィルタ34は、ミクサ24から出力される不要な高調波などを抑制し、最終的な高周波として出力する。
なお、遅延手段123が用いられていない場合には、低域通過フィルタ34の出力波は、ミクサ22の他方の入力端子と、ミクサ23の他方の入力端子とに入力される。
したがって、位相雑音の低減効果が維持され、発振器11、12の各発振波の位相雑音はインコヒーレントとなる。以下、位相雑音が低減された発振器11、12の発振波をミクサ21に入力することにより、位相雑音の低減が繰り返されて、位相雑音が非常に低減された発振波が得られる。
なお、前述の実施の形態16(図20)では、発振器14の発振周波数を用いてダウンコンバートすることでミクサ24からの出力周波数を広帯域化したが、図22のように、ダウンコンバート用の発振器14の発振周波数を発振器11、12の発振周波数とは逆に変化させて、さらに広帯域化を実現してもよい。
この場合、ダウンコンバートに用いる発振器14の発振周波数fd1〜fd2(fd1>fd2)を可変とし、発振器11、12の発振周波数f1/2〜f2/2(f1/2<f2/2)とは逆に変化させることにより、さらに広帯域化を実現した高周波を得ることができる。
前述の実施の形態16と同様に、帯域通過フィルタ31の出力信号をミクサ24および発振器14でダウンコンバートすることにより、発振周波数帯域の広い高周波が出力される。
また、発振器14の発振周波数を、発振器11、12の発振周波数とは逆に変化させる(たとえば、発振器11、12の発振周波数を3GHzから6GHzに変化させるとき、発振器14の発振周波数を5GHzから3GHzに変化させる)ことにより、発振器11、12の発振周波数が低いときには大きくダウンコンバートし、発振器11、12の発振周波数が高いときには小さくダウンコンバートすることになる。
Claims (20)
- 高周波を出力する高周波出力端子と、
第1の発振周波数を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振周波数の1/N倍波(N=2、3、・・・:1を除く自然数)と等しい第2の発振周波数を出力する第2の発振器と、
2つの入力端子を有し、一方の入力端子に前記第1の発振器の出力端子が接続され、他方の入力端子に前記第2の発振器の出力端子が接続された第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力端子に接続された第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力端子と前記高周波出力端子との間に挿入された周波数分周器とを備え、
前記第1のフィルタの通過周波数は、前記第1または第2の発振周波数の高調波の周波数であり、かつ前記第1の発振周波数よりも高い所望の周波数を通過させ、前記所望の周波数以外の不要な高次の周波数をカットする周波数に設定され、
前記高周波出力端子から出力される高周波は、前記周波数分周器の出力波からなることを特徴とする高周波発振装置。 - 高周波を出力する高周波出力端子と、
第1の発振周波数を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振周波数の1/N倍波(N=1、2、3、・・・:自然数)と等しい第2の発振周波数を出力する第2の発振器と、
2つの入力端子を有し、一方の入力端子に前記第1の発振器の出力端子が接続され、他方の入力端子に前記第2の発振器の出力端子が接続された第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力端子に接続された第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力端子と前記高周波出力端子との間に挿入された周波数分周器と、
前記高周波を前記第1および第2の発振器に帰還する第1および第2の帰還経路の少なくとも一方と、
前記第1または第2の帰還経路内に挿入された第1の遅延手段とを備え、
前記第1の遅延手段の入力端子は、前記高周波出力端子に接続され、
前記第1の遅延手段の出力端子は、前記第1または第2の発振器のいずれか一方の入力端子に接続され、
前記第1のフィルタの通過周波数は、前記第1の発振周波数の高調波の周波数であり、かつ前記第1の発振周波数よりも高い所望の周波数を通過させ、前記所望の周波数以外の不要な高次の周波数をカットする周波数に設定され、
前記高周波出力端子から出力される高周波は、前記周波数分周器の出力波からなることを特徴とする高周波発振装置。 - 高周波を出力する高周波出力端子と、
第1の発振周波数を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振周波数の1/N倍波(N=1、2、3、・・・:自然数)と等しい第2の発振周波数を出力する第2の発振器と、
2つの入力端子を有する第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力端子に接続された第1のフィルタと、
前記第1のフィルタの出力端子と前記高周波出力端子との間に挿入された周波数分周器と、
前記周波数分周器の出力波からなる前記高周波を前記第1および第2の発振器に帰還する第1および第2の帰還経路を少なくとも一方と、
前記第1の周波数変換器の一方の入力端子に出力端子が接続された第1の遅延手段とを備え、
前記第1のフィルタの通過周波数は、前記第1の発振周波数の高調波の周波数であり、かつ前記第1の発振周波数よりも高い所望の周波数を通過させ、前記所望の周波数以外の不要な高次の周波数をカットする周波数に設定され、
前記第1の周波数変換器の他方の入力端子に前記第1または第2の発振器のいずれか一方の出力端子が接続され、
前記第1の遅延手段の入力端子に前記第1または第2の発振器の他方の出力端子が接続され、
前記第1および第2の帰還経路の少なくとも一方は、前記第1の遅延手段に接続された前記第1または第2の発振器に対する帰還経路からなり、
前記高周波出力端子から出力される高周波は、前記周波数分周器の出力波からなることを特徴とする高周波発振装置。 - 前記第1および第2の発振器の少なくとも一方は、高調波注入同期発振器により構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波発振装置。
- 高周波を出力する高周波出力端子と、
第1の発振周波数を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振周波数の1/N倍波(N=1、2、3、・・・:自然数)と等しい第2の発振周波数を出力する第2の発振器と、
2つの入力端子を有し、一方の入力端子に前記第1の発振器の出力端子が接続され、他方の入力端子に前記第2の発振器の出力端子が接続された第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力端子と前記高周波出力端子との間に挿入された第1のフィルタと、
前記高周波を前記第1および第2の発振器に帰還する第1および第2の帰還経路の少なくとも一方と、
前記第1または第2の帰還経路内に挿入された第1の遅延手段とを備え、
前記第1および第2の発振器の少なくとも一方は、高調波注入同期発振器により構成され、
前記第1のフィルタの通過周波数は、前記第1の発振周波数の高調波の周波数であり、かつ前記第1の発振周波数よりも高い所望の周波数を通過させ、前記所望の周波数以外の不要な高次の周波数をカットする周波数に設定され、
前記第1の遅延手段の入力端子は、前記高周波出力端子に接続され、
前記第1の遅延手段の出力端子は、前記第1または第2の発振器のいずれか一方の入力端子に接続され、
前記高周波出力端子から出力される高周波は、前記第1のフィルタの出力波からなることを特徴とする高周波発振装置。 - 高周波を出力する高周波出力端子と、
第1の発振周波数を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振周波数の1/N倍波(N=1、2、3、・・・:自然数)と等しい第2の発振周波数を出力する第2の発振器と、
2つの入力端子を有する第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力端子と前記高周波出力端子との間に挿入された第1のフィルタと、
前記高周波を前記第1および第2の発振器に帰還する第1および第2の帰還経路の少なくとも一方と、
前記第1の周波数変換器の一方の入力端子に出力端子が接続された第1の遅延手段とを備え、
前記第1のフィルタの通過周波数は、前記第1の発振周波数の高調波の周波数であり、かつ前記第1の発振周波数よりも高い所望の周波数を通過させ、前記所望の周波数以外の不要な高次の周波数をカットする周波数に設定され、
前記第1の周波数変換器の他方の入力端子に前記第1または第2の発振器のいずれか一方の出力端子が接続され、
前記第1の遅延手段の入力端子に前記第1または第2の発振器の他方の出力端子が接続され、
前記第1および第2の帰還経路の少なくとも一方は、前記第1の遅延手段に接続された前記第1または第2の発振器に対する帰還経路からなり、
前記高周波出力端子から出力される高周波は、前記第1のフィルタの出力波からなることを特徴とする高周波発振装置。 - 前記第1および第2の発振器の少なくとも一方は、増幅器により構成されたことを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。
- 前記第1および第2の帰還経路の少なくとも一方に挿入された移相器を備えたことを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。
- 前記第1の遅延手段は、第1の遅延伝送路により構成されたことを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。
- 前記第1の遅延手段は、第2のフィルタにより構成されたことを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。
- 前記第1の遅延手段は、光を発生する光発生器と、
光を電波で変調する光変調器と、
光を伝送する光伝送路と、
光を電波に変換する光電気変換器とを含み、
前記光変調器は、電波入力端子、光入力端子および出力端子を有し、
前記光変調器の光入力端子は、前記光発生器に接続され、
前記光変調器の出力端子は、前記光伝送路を介して前記光電気変換器の入力端子に接続され、
前記光変調器の電波入力端子は、前記第1の遅延手段の入力端子を構成し、
前記光電気変換器の出力端子は、前記第1の遅延手段の出力端子を構成することを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。 - 前記第1の遅延手段は、
第3の発振周波数を出力する第3の発振器と、
第2の遅延手段と、
それぞれ2つの入力端子および1つの出力端子を有する第2および第3の周波数変換器とを含み、
前記第2の周波数変換器の一方の入力端子は、前記第1の遅延手段の入力端子を構成し、
前記第3の周波数変換器の出力端子は、前記第1の遅延手段の出力端子を構成し、
前記第2の周波数変換器の出力端子は、前記第2の遅延手段の入力端子に接続され、
前記第3の周波数変換器の一方の入力端子は、前記第2の遅延手段の出力端子に接続され、
前記第2および第3の周波数変換器の各他方の入力端子は、前記第3の発振器の出力端子に接続されたことを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。 - 前記第3の発振器と前記第3の周波数変換器の他方の入力端子との間に挿入されて、前記第2の遅延手段と同等の遅延量を与える第3の遅延手段を備え、
前記第3の遅延手段の入力端子は、前記第3の発振器の出力端子に接続され、
前記第3の遅延手段の出力端子は、前記第3の周波数変換器の他方の入力端子に接続されたことを特徴とする請求項12に記載の高周波発振装置。 - 前記第2および第3の遅延手段の少なくとも一方は、第2または第3の遅延伝送路により構成されたことを特徴とする請求項13に記載の高周波発振装置。
- 前記第2および第3の遅延手段の少なくとも一方は、第2または第3のフィルタにより構成されたことを特徴とする請求項13に記載の高周波発振装置。
- 前記第2および第3の遅延手段の少なくとも一方は、
光を発生する光発生器と、
前記光を電波で変調する光変調器と、
前記光を伝送する光伝送路と、
光を電波に変換する光電気変換器とを含み、
前記光変調器は電波入力端子と光入力端子と出力端子を備え、
前記光変調器の光入力端子は、前記光発生器に接続され、
前記光変調器の出力端子は、前記光伝送路を介して前記光電気変換器の入力端子に接続され、
前記光変調器の電波入力端子は前記第2または第3の遅延手段の入力端子であり、前記光電気変換器の出力端子は前記第2または第3の遅延手段の出力端子であることを特徴とする請求項13に記載の高周波発振装置。 - 第4の発振周波数を出力する第4の発振器と、
2つの入力端子を有する第4の周波数変換器とを備え、
前記第4の周波数変換器の一方の入力端子は、前記高周波出力端子に接続され、
前記第4の周波数変換器の他方の入力端子は、前記第4の発振器の出力端子に接続され、
前記第4の周波数変換器の出力端子から出力波が得られることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。 - 前記第4の周波数変換器の出力端子に接続された第4のフィルタを備え、第4のフィルタの出力端子から出力波が得られることを特徴とする請求項17に記載の高周波発振装置。
- 前記第1の遅延手段は、
第2の遅延手段と、
第3の遅延手段と、
それぞれ2つの入力端子および1つの出力端子を有する第2および第3の周波数変換器とを含み、
前記第2の周波数変換器の一方の入力端子は、前記第1の遅延手段の入力端子を構成し、
前記第3の周波数変換器の出力端子は、前記第1の遅延手段の出力端子を構成し、
前記第2の周波数変換器の出力端子は、前記第2の遅延手段の入力端子に接続され、
前記第3の周波数変換器の一方の入力端子は、前記第2の遅延手段の出力端子に接続され、
前記第3の周波数変換器の他方の入力端子は、前記第3の遅延手段の出力端子に接続され、
前記高周波発振装置は、さらに、
第4の発振周波数を出力する第4の発振器と、
2つの入力端子を有する第4の周波数変換器と、
前記第4の周波数変換器の出力端子に接続された第4のフィルタとを備え、
前記第4の周波数変換器の一方の入力端子は、前記高周波出力端子に接続され、
前記第4の周波数変換器の他方の入力端子は、前記第4の発振器の出力端子に接続され、
前記第4のフィルタの出力端子は、前記第2の周波数変換器の他方の入力端子と、前記第3の遅延手段の入力端子と、に接続され、前記第4のフィルタの出力端子から出力波が得られることを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。 - 前記第4の発振周波数は可変であり、前記第1および第2の発振周波数の高低に対する変化と、前記第4の発振周波数の高低に対する変化とが、逆の関係となるように設定されたことを特徴とする請求項17から請求項19までのいずれか1項に記載の高周波発振装置。
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