JP5573063B2 - 光源装置 - Google Patents

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本発明は、光源装置に関する。
次のような光源装置が知られている。この光源装置では、指定された分光分布を実現するために各波長成分の減光量を計算する。そして、計算した減光量に基づいてマイクロミラーの傾斜角を算出し、算出した傾斜角に基づいてマイクロミラーを制御することにより、所望のスペクトル分布の光を照射する(例えば、特許文献1)。
特開2006−184234号公報
しかしながら、従来の光源装置のように、入射光とマイクロミラーからの反射光とを1つの入出力スリットを通過させた場合には、マイクロミラーからの反射光を入出力スリットに結像させるための光学系の収差により、入出力スリットに結像する像がぼやけ、入出力スリットが反射光の全てを通過させることができず、光源装置の透過率が悪化する可能性があった。
本発明による光源装置は、光源からの入射光束を制限する入力スリットと、迷光カットスリットと、入力スリットと迷光カットスリットとの間に配設され、入力スリットによって制限された光源からの入射光束を複数の光束に分岐してその1つの光束を迷光カットスリットへ出力する分岐光学系と、入力スリットからの入射光束を平行光にコリメートするためのレンズと、分岐光学系で分岐された光束を迷光カットスリットの近傍に結像させるためのレンズとで構成され、かつ入力スリットの開口像(以下、「第1の開口像」と呼ぶ)を迷光カットスリットの近傍に形成する第1の結像光学系と、迷光カットスリットを介して入力された光束を各波長成分に分光する分光光学系と、分光光学系によって分光された各波長成分の光束を波長ごとに異なるリターデーションを付加して、分光光学系へ向けて反射する位相変調手段と、変調手段からの反射光束を平行光にコリメートするためのレンズと、分光光学系で合成された光束を迷光カットスリットの近傍に結像させるためのレンズとで構成され、かつ変調手段によって反射された前記入力スリットの開口像(以下、「第2の開口像」と呼ぶ)を迷光カットスリットの近傍に再形成する第2の結像光学系とを備え、分光光学系は、変調手段で反射された各波長成分の光束を合成し、分岐光学系は、迷光カットスリットから出力される光束を複数の光束に分岐してその1つの光束を出力光として出力し、迷光カットスリットの開口の大きさは、迷光をカットできる大きさであって、かつ第1の結像光学系の収差を含む第1の開口像および第2の結像光学系の収差を含む第2の開口像よりも大きく定められていることを特徴とする。
本発明では、迷光カットスリットの開口の大きさは、第1の結像光学系の倍率を加味して定められるようにしてもよい。
入力スリットの開口の大きさは可変であるようにしてもよい。
迷光カットスリットの開口の大きさは、入力スリットの開口の最大の大きさよりも大きく定められるようにしてもよい。
入力スリットの開口の大きさが変更された場合には、変更後の開口の大きさに応じて迷光カットスリットの開口の大きさを変更する変更手段をさらに備えるようにしてもよい。
本発明によれば、光源装置の透過率が悪化することを防ぐことができる。
光源装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 迷光カットスリット2によって入力スリットの開口像の一部がけられる場合の具体例を示す図である。 入力スリット1の開口像と迷光カットスリット2の開口との関係を示す図である。
図1は、本実施の形態における光源装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。光源装置100は、白色光源101と、入力スリット1と、リレーレンズ102と、偏光ビームスプリッタ103と、リレーレンズ104と、迷光カットスリット2と、コリメータレンズ105と、グレーティング106と、結像レンズ107と、反射型液晶素子アレイデバイス(空間変調素子)108と、空間変調素子ドライバ109と、コンデンサーレンズ110と、出力スリット3とを備えている。
白色光源101としては、例えばキセノンランプやハロゲンランプ等が用いられる。入力スリット1は、リレーレンズ102の前側焦点位置に配設され、入力スリット1の開口の大きさによって光源装置100の分解能が決定される。なお、入力スリット1の開口の大きさは固定されていてもよいし、可変であってもよい。白色光源101から照射された光は、リレーレンズ102の前側焦点位置に配設された入力スリット1に入射し、リレーレンズ102で略平行な光にコリメートされ偏光ビームスプリッタ103に入力される。
偏光ビームスプリッタ103に入射された光は、電場ベクトルが図1の紙面に略平行方向で光軸に直交する方向の直線偏光だけが偏光ビームスプリッタ103を通過して、リレーレンズ104で迷光カットスリット2の開口部に集光される。ここで、リレーレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、およびリレーレンズ104は偏光分岐光学系を構成している。すなわち、偏光分岐光学系により、入力スリット1の開口像が迷光カットスリット2の近傍に形成される。なお、迷光カットスリット2は、図1の紙面に略垂直な方向に略長方形の開口が形成されている。
迷光カットスリット2の開口部から射出した光は、コリメータレンズ105で略平行な光にコリメートされ、波長分散作用を有するグレーティング106に入射し、結像レンズ107でスペクトラム像を形成する。これらのコリメータレンズ105、グレーティング106、及び結像レンズ107は波長分散型分光光学系を構成している。そして、スペクトラム像ができる位置に空間変調素子である反射型液晶素子アレイデバイス108が配設されている。
反射型液晶素子アレイデバイス108は、液晶層108bと、液晶層108bを挟んで入射側にウェッジ形状を有するカバーガラス108aと、液晶層108bに対してカバーガラス108aと対向する位置に平面ミラー108cが配置されている。液晶層108bはカバーガラス108aと平面ミラー108cの間に密閉されている。なお、カバーガラス108aの外部に接した面における表面反射以外の反射光強度は実用上無視できる。また、カバーガラス108aは、ガラス以外であっても透明媒質からなるものであれば使用可能である。
図1では図示していないが、反射型液晶素子アレイデバイス108は、独立制御される変調素子である複数の液晶素子が1次元的に配列されており、配列の方向はスペクトラム像の波長分散方向である図1の紙面に垂直な方向に一致している。反射型液晶素子アレイデバイス108の1次元に配列された個々の液晶素子は空間変調素子ドライバ109によってそれぞれ独立に制御され、個々の液晶素子内を往復する光は素子毎に異なるリターデーションが付加される。
反射型液晶素子アレイデバイス108から射出した光は素子毎に、すなわち波長要素毎に異なる楕円偏光になる。反射型液晶素子アレイデバイス108で楕円偏光化された光は、結像レンズ107、グレーティング106、およびコリメータレンズ105とで構成される波長分散型分光光学系内を進行する過程で波長合波作用を受け、迷光カットスリット2の開口部に集光される。すなわち、波長分散型分光光学系により、反射型液晶素子アレイデバイス108で反射された入力スリット1の開口像が迷光カットスリット2の近傍に形成される。
迷光カットスリット2の開口部から射出した光は、リレーレンズ104でコリメートされ、偏光ビームスプリッタ103に入射する。偏光ビームスプリッタ103の偏光分離部は、入射光の電場ベクトルと直交する方向の直線偏光を反射し、コンデンサーレンズ110によって後側焦点位置に配設された出力スリット3の開口部に集光される。これにより、出力スリット3から射出した光を外部に照射することができる。
本実施の形態における光源装置100では、迷光カットスリット2の開口の大きさは、発生する迷光をカットできる大きさである必要があるとともに、入力スリット1の開口像が通過できる大きさとする必要がある。具体的には、第1に、迷光カットスリット2の開口の大きさは、偏光分岐光学系により迷光カットスリット2の近傍に形成される入力スリット1の開口像よりも大きく設定する必要がある。これによって、偏光分岐光学系により形成される入力スリット1の開口像は迷光カットスリット2によってけられることなく通過することができる。
また、第2に、迷光カットスリット2の開口の大きさは、波長分散型分光光学系により迷光カットスリット2の近傍に形成される反射型液晶素子アレイデバイス108で反射された入力スリット1の開口像よりも大きく設定する必要がある。これによって、波長分散型分光光学系により形成される入力スリット1の開口像は迷光カットスリット2によってけられることなく通過することができる。
例えば、波長分散型分光光学系により形成される入力スリット1の開口像は、波長分散型分光光学系の収差のためにぼやける可能性がある。この場合、迷光カットスリット2の開口の大きさを入力スリット1の開口の大きさと同じにした場合には、図2に示すように、波長分散型分光光学系により形成される入力スリット1の開口像(入力スリット像)2aの大きさが迷光カットスリット2の開口2bの大きさよりも大きくなり、迷光カットスリット2が信号光をけってしまう可能性がある。
これを回避するために、本実施の形態では、図3に示すように、迷光カットスリット2の開口2bの大きさが波長分散型分光光学系の収差によってぼけた像の大きさよりも大きくなるように、迷光カットスリット2の開口2bの大きさが設定される。すなわち、迷光カットスリット2の開口2bの大きさは、波長分散型分光光学系の収差を加味して、入力スリット1の開口の大きさよりも大きく設定される。
また、波長分散型分光光学系の倍率は一般的に等倍であるため、迷光カットスリット2の開口2bの大きさ決定する際に波長分散型分光光学系の倍率を加味する必要はない。これに対して、偏光分岐光学系の倍率は必ずしも等倍とは限らないため、偏光分岐光学系の倍率が等倍でない場合には、迷光カットスリット2の開口2bの大きさを決定する際には偏光分岐光学系の倍率を加味する必要がある。また、波長分散型分光光学系の場合と同様に、偏光分岐光学系の収差によっても入力スリット1の開口像2aはぼやけるため、迷光カットスリット2の開口2bの大きさ決定する際には、偏光分岐光学系の収差も加味する必要がある。
例えば、上述したように、波長分散型分光光学系の収差を加味して設定した迷光カットスリット2の開口2bの大きさよりも、偏光分岐光学系によって迷光カットスリット2の近傍に形成される入力スリット1の開口像2aの大きさが大きい場合には、さらに偏光分岐光学系の倍率や収差を加味して、迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないように、迷光カットスリット2の開口2bの大きさを設定する必要がある。
なお、入力スリット1の開口の大きさを可変とした場合には、迷光カットスリット2の開口の大きさ2bを、入力スリット1の開口の最大の大きさを対象として波長分散型分光光学系の収差、偏光分岐光学系の倍率や収差を加味して設定した大きさに固定しておけば、入力スリット1の開口の大きさが変更されても常に迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないようにすることができる。あるいは、入力スリット1の開口の大きさが変更された場合には、変更後の開口の大きさに応じて、迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないように、迷光カットスリット2の開口の大きさを変更するようにしてもよい。
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)迷光カットスリット2の開口2bの大きさを偏光分岐光学系により形成される入力スリット1の開口像および波長分散型分光光学系により形成される入力スリット1の開口像よりも大きく設定するようにした。これによって、入力スリット1の開口像が迷光カットスリット2によってけられるのを防ぐことができ、光源装置100の透過率が悪化することを防ぐことができる。
(2)迷光カットスリット2の開口の大きさは、偏光分岐光学系の倍率、偏光分岐光学系の収差、及び波長分散型分光光学系の収差を加味して定められるようにした。これによって、偏光分岐光学系の倍率によって入力スリット1の開口像2aが拡大されたり、偏光分岐光学系の収差によって入力スリット1の開口像2aがぼやけたり、波長分散型分光光学系の収差によって入力スリット1の開口像2aがぼやけたりしても、迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないようにすることができる。
(3)入力スリット1の開口の大きさは可変としてもよいため、入力スリット1の開口の大きさを変更することにより、光源装置100の分解能を任意に変更することが可能となる。
(4)入力スリット1の開口の大きさを可変とした場合には、迷光カットスリット2の開口2bの大きさを、入力スリット1の開口の最大の大きさとした場合の大きさに固定しておくようにした。これによって、入力スリット1の開口の大きさが変更されても迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないようにすることができる。
(5)入力スリット1の開口の大きさが変更された場合には、変更後の開口の大きさに応じて迷光カットスリット2の開口2bの大きさを変更するようにした。これによって、入力スリット1の開口の大きさが変更されても迷光カットスリット2が入力スリット1の開口像2aをけらないようにすることができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態の光源装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態における光源装置100は、白色光源101を備える例について説明した。しかしながら、白色光源101に代えて外部の光源から光を導入するためのオプティカルファイバを備えるようにし、該オプティカルファイバを介して外部光源からの入射光を取り込むようにしてもよい。
(2)上述した実施の形態における光源装置100では、出力スリット3から射出される光を直接外部に照射する例について説明した。しかしながら、出力スリット3から射出される光を外部に導出するためのオプティカルファイバを備えるようにし、該オプティカルファイバを介して出力スリット3からの射出光を外部に導出するようにしてもよい。
(3)上述した実施の形態では、波長分散型分光光学系で合成された反射型液晶素子アレイデバイス108からの反射光は、迷光カットスリット2と出力スリット3と通過して外部に照射される例について説明した。しかしながら、図1において、出力スリット3を無くし、迷光カットスリット2の配置位置を出力スリット3が配置されていた位置に変更し、反射型液晶素子アレイデバイス108からの反射光は、迷光カットスリット2のみを通過して外部に照射されるようにしてもよい。
(4)上述した実施の形態では、光源装置100は、反射型液晶素子アレイデバイス108により各波長成分の光を変更する例について説明した。しかしながら、特開2006−184234号公報に記載されている光源装置のように、マイクロミラーを用いて各波長成分の光を減光するようにしてもよい。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
100 光源装置、1 入力スリット、2 迷光カットスリット、3 出力スリット、101 白色光源、102、104 リレーレンズ、103 偏光ビームスプリッタ、105 コリメータレンズ、106 グレーティング、107 結像レンズ、108 反射型液晶素子アレイデバイス(空間変調素子)、109 空間変調素子ドライバ、110 コンデンサーレンズ

Claims (5)

  1. 光源からの入射光束を制限する入力スリットと、
    迷光カットスリットと、
    前記入力スリットと前記迷光カットスリットとの間に配設され、前記入力スリットによって制限された光源からの入射光束を複数の光束に分岐してその1つの光束を前記迷光カットスリットへ出力する分岐光学系と、
    前記入力スリットからの入射光束を平行光にコリメートするためのレンズと、前記分岐光学系で分岐された光束を前記迷光カットスリットの近傍に結像させるためのレンズとで構成され、かつ前記入力スリットの開口像(以下、「第1の開口像」と呼ぶ)を前記迷光カットスリットの近傍に形成する第1の結像光学系と、
    前記迷光カットスリットを介して入力された光束を各波長成分に分光する分光光学系と、
    前記分光光学系によって分光された各波長成分の光束を波長ごとに異なるリターデーションを付加して、前記分光光学系へ向けて反射する位相変調手段と、
    前記変調手段からの反射光束を平行光にコリメートするためのレンズと、前記分光光学系で合成された光束を前記迷光カットスリットの近傍に結像させるためのレンズとで構成され、かつ前記変調手段によって反射された前記入力スリットの開口像(以下、「第2の開口像」と呼ぶ)を前記迷光カットスリットの近傍に再形成する第2の結像光学系とを備え、
    前記分光光学系は、前記変調手段で反射された各波長成分の光束を合成し、
    前記分岐光学系は、前記迷光カットスリットから出力される光束を複数の光束に分岐してその1つの光束を出力光として出力し、
    前記迷光カットスリットの開口の大きさは、迷光をカットできる大きさであって、かつ前記第1の結像光学系の収差を含む前記第1の開口像および前記第2の結像光学系の収差を含む前記第2の開口像よりも大きく定められていることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置において、
    前記迷光カットスリットの開口の大きさは、前記第1の結像光学系の倍率を加味して定められることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または2に記載の光源装置において、
    前記入力スリットの開口の大きさは可変であることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項3に記載の光源装置において、
    前記迷光カットスリットの開口の大きさは、前記入力スリットの開口の最大の大きさよりも大きく定められることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項3に記載の光源装置において、
    前記入力スリットの開口の大きさが変更された場合には、変更後の開口の大きさに応じて前記迷光カットスリットの開口の大きさを変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする光源装置。
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