JP5572254B2 - シート剥離装置及び剥離方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、接着シートの剥離不良が発生することを防止することができるシート剥離装置及び剥離方法を提供することにある。
前記接着シートは、基材シートと、この基材シートの一方の面に設けられた接着剤層とを備え、
前記基材シート又は基材シート及び接着剤層に切り込みを形成する切断手段と、前記剥離用テープを繰り出す繰出手段と、接着シートに剥離用テープを貼付する貼付手段と、被着体と剥離用テープとを相対移動させることで接着シートを剥離可能な移動手段とを備え、
前記切断手段は、一端が基材シートの外縁に達する一方、他端が基材シートの面内に位置する切り込みを形成することで、当該切り込みを挟む両側を区分するように制御され、且つ、前記接着シートの剥離初期部位となる当該切り込みの端部のみを前記被着体に達する深さとし、その他の切り込み部分を前記被着体に達することのない深さとなるように制御される、という構成を採っている。
前記接着シートは、基材シートと、この基材シートの一方の面に設けられた接着剤層とを含み、
前記基材シート又は基材シート及び接着剤層に、一端が基材シートの外縁に達する一方、他端が基材シートの面内に位置する切り込みを形成する工程と、
繰り出された剥離用テープを接着シートに貼付する工程と、
被着体と剥離用テープと相対移動させることで接着シートを剥離する工程とを備え、
前記切り込みを形成する工程において、当該接着シートの剥離初期部位となる前記切り込みの端部のみを前記被着体に達する深さとし、その他の切り込み部分を前記被着体に達することのない深さとする工程が行われる、という方法を採っている。
なお、本明細書において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」は、図1を基準として用いる。
図1〜図4において、シート剥離装置10は、被着体としてのウエハWを保持する保持手段11と、帯状の剥離用テープPTを繰り出す繰出手段12と、ウエハWの回路面となる一方の面(上面)に貼付された接着シートSに剥離用テープPTを貼付する貼付手段14と、接着シートSに貼付された剥離用テープPTと保持手段11に保持されたウエハWとを相対移動させる移動手段15と、ウエハWに貼付された接着シートSに切り込みを形成可能な切断手段16と、接着シートSに繋ぎテープLTを貼付する繋ぎテープ貼付手段17と、浮上防止手段18とを備えて構成されている。なお、剥離用テープPTは、本実施形態では、感熱接着性の接着テープが採用している。また、接着シートSは、基材シートBと、この基材シートBの一方の面すなわち下面に設けられた接着剤層ADとを備え、この接着剤層ADを介してウエハW上面に貼付されている。
具体的には、接着シートSを切断している最中に、センサ53により距離D1を常時検出させ、この距離D1の検出結果と、距離D2及び距離D4とにより、図示しない制御手段で下記の式(1)から距離Dが求められる。
D=D1+D2−D4・・・(1)
また、制御手段では、多関節ロボット46によるカッター刃43の切断方向の移動速度と、距離D3とにより、センサ53が通過してからカッター刃43の刃先最下部が通過する時間を求める。そして、センサ53が通過してから、求めた時間が経過したタイミングで距離Dが所定距離となるように直動モータ54を作動制御してカッター刃43を変位させる。なお、所定距離は、予めオペレータによって図示しない制御手段に入力されている。これにより、切り込みCの全領域において、距離Dが所定距離に維持される。切り込みCは、カッター刃43の刃先がウエハW上面に接触しないように、基材シートBを分断しない深さであってもよいし、基材シートBを分断する深さであってもよいし、接着剤層ADに達する深さであってもよい。
図6において、第2実施形態では、第1実施形態と同様に切り込みCを形成した後、切り込みCの他端Pと接着シートSの左端との間が吸着ヘッド75の直下で停止するように、駆動手段40により保持手段11を移動させる。次いで、吸着ヘッド75を直動モータ76によって下方へ移動させると、補強テープLTが他端Pと接着シートSの左端との間に貼付され、この補強テープLT貼付後、第1実施形態と同様に接着シートSの剥離が行われる。本実施形態によれば、切り込みCの他端P周辺を剥離するときに、他端Pから亀裂が生じて接着シートが分断されることで、接着シートSの剥離不良の発生を防止することが可能となる。
図7において、第3実施形態では、第1実施形態と同様に切り込みCを形成し、第1シート領域S1を他端P付近まで剥離した後、当該剥離の進行を停止させる。その後、切り込みCの他端Pと接着シートSの左端との間が吸着ヘッド75の直下で停止するように、駆動手段40により保持手段11を移動させる。次いで、直動モータ76の作動により、切り込みCを跨いで第1シート領域S1と第2シート領域S2とに補強テープLTを貼付する。次に、図7(C)に示されるように、剥離用テープPTとウエハWとが反対方向に相対移動するように、駆動手段40等を介してチャック41及び保持手段11を移動させる。本実施形態によれば、保持手段11を回転移動させる工程を省略して剥離を行うことができる。
図8において、第4実施形態では、第1実施形態と同様にして形成した切り込みCの他端P側に交点Eを設け、図8(A)中斜め左下方向に屈曲する回転剥離促進部C1を形成している。同実施形態では、接着シートSの他端P周りを剥離させる際、保持手段11の回転移動の中心P0を交点Eに設定され、それ以外は第1実施形態と同様に接着シートSの剥離が行われる(図8(B)〜(E)参照)。本実施形態によれば、回転剥離促進部C1が形成されていることで、保持手段11の回転によって切り込みCの他端P周辺が剥離されるときに、剥離領域が徐々に拡大していくようになるので、剥離抵抗が急激に大きくなることを抑制し、他端Pから亀裂が生じて接着シートSが分断されることを防止することができる。なお、回転剥離促進部C1は、直線以外に曲線によって構成してもよい。
図9(A)において、第5実施形態では、第4実施形態と同様にして形成した切り込みCの他、同図中上下方向に延びる補助切り込みCAが形成される。補助切り込みCAの両端は、接着シートSの外縁に達することなく、第4実施形態の回転剥離促進部C1と同様の形状をなす回転剥離促進部CA1をそれぞれ形成している。接着シートSの剥離は、同図中矢印方向に剥離用テープPTとウエハWとが反対方向に相対移動するように、駆動手段40等を介してチャック41及び保持手段11を移動させる。これにより、切り込みCと補助切り込みCAとで区分された各シート領域が一連に連なった状態で剥離させることができる。なお、回転剥離促進部C1は、図9(B)に示されるように、曲線によって構成してもよい。この場合でも、回転剥離促進部C1、CA1を形成することで4実施形態と同様に、接着シートSが分断されることを防止することができる。
図10において、第6実施形態では、第1実施形態と同様に切り込みCを形成し、当該切り込みCと第1シート領域S1の外縁とが交差する角部CNに剥離用テープPTを貼付する。これにより、剥離の初期における剥離力を小さくすることができ剥離不良をより効果的に防止することができる。
図11において、第7実施形態では、第1実施形態と同様にして形成した切り込みCが螺旋状に形成され、切り込みCの一端が接着シートSの外縁に達し、切り込みCの他端Pが接着シートSの面内中心付近となるように形成される。接着シートSの剥離は、剥離用テープPTを切り込みCの一端側と接着シートSの外縁との間に貼付した後、同図中矢印方向に剥離用テープPTとウエハWとが反対方向に相対移動するように、駆動手段40等を介してチャック41及び保持手段11を移動させる。
図12において、第1参考実施形態では、切り込みCは、屈曲部C1を有する平面視V字状とされ、接着シートSの面内に収まるように形成され、切り込みCを挟んで第1シート領域S1と、第2シート領域S2とが形成される。なお、剥離用テープPTを把持するチャック41は2体設けられている。そして、図12(A)に示されるように、これらチャック41で把持された剥離用テープPTが第1、第2シート領域S1、S2それぞれに接着される。次いで、浮上防止手段66を第2シート領域S2上に移動させた後、図12(B)に示されるように、第1シート領域S1に貼付された剥離用テープPTとウエハWとを反対方向に相対移動させる。次に、浮上防止手段66を保持手段11上から退避させ、図12(C)の矢印方向に剥離用テープPTとウエハWとを反対方向に相対移動させることで、第1、第2シート領域S1、S2の剥離を行う。
図13において、第2参考実施形態では、先ず、第1シート領域S1に剥離用テープPTを貼付し、切り込みCの各端部まで第1シート領域S1の剥離を行った後、第2シート領域S2の屈曲部C1近傍に剥離用テープPTを貼付させる。そして、図13(B)の矢印方向に各剥離用テープPTとウエハWとを反対方向に相対移動させ、第1、第2シート領域S1、S2の剥離を行う。
図14において、第3参考実施形態では、先ず、第2シート領域S2の左端側に剥離用テープPTを貼付した後、チャック41による剥離用テープPTの把持を解除し、第1シート領域S1の右端側に剥離用テープPTを貼付する。次いで、各剥離用テープPTが重なる位置まで、第1シート領域S1の剥離を行った後、チャック41により2本の剥離用テープPTを両方とも把持させる(図14(B)参照)。そして、図14(C)の矢印方向に剥離用テープPTとウエハWとを反対方向に相対移動させ、第1、第2シート領域S1、S2の剥離を行う。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
更に、剥離用テープPTは、感圧接着性の接着テープを採用してもよい。
また、剥離用テープPTを切断するテープ切断手段34は必須要件ではない。
更に、前記浮上防止手段18を噴出エアによって構成し、切り込みCを介して隣接する
他のシート領域をウエハW側に押圧するようにしてもよい。
12 繰出手段
14 貼付手段
15 移動手段
16 切断手段
18 浮上防止手段
AD 接着剤層
B 基材シート
C 切り込み
PT 剥離用テープ
S 接着シート
S1〜S4 第1〜第4シート領域(シート領域)
W 半導体ウエハ(被着体)
Claims (3)
- 被着体の一方の面に貼付された接着シートを剥離用テープを介して当該被着体から剥離するシート剥離装置において、
前記接着シートは、基材シートと、この基材シートの一方の面に設けられた接着剤層とを備え、
前記基材シート又は基材シート及び接着剤層に切り込みを形成する切断手段と、前記剥離用テープを繰り出す繰出手段と、接着シートに剥離用テープを貼付する貼付手段と、被着体と剥離用テープとを相対移動させることで接着シートを剥離可能な移動手段とを備え、
前記切断手段は、一端が基材シートの外縁に達する一方、他端が基材シートの面内に位置する切り込みを形成することで、当該切り込みを挟む両側を区分するように制御され、且つ、前記接着シートの剥離初期部位となる当該切り込みの端部のみを前記被着体に達する深さとし、その他の切り込み部分を前記被着体に達することのない深さとなるように制御されることを特徴とするシート剥離装置。 - 剥離されるシート領域に前記切り込みを介して隣接する他のシート領域が付随して剥離されることを規制可能な浮上防止手段を更に有することを特徴とする請求項1記載のシート剥離装置。
- 被着体の一方の面に貼付された接着シートを剥離用テープを介して当該被着体から剥離するシート剥離方法において、
前記接着シートは、基材シートと、この基材シートの一方の面に設けられた接着剤層とを含み、
前記基材シート又は基材シート及び接着剤層に、一端が基材シートの外縁に達する一方、他端が基材シートの面内に位置する切り込みを形成する工程と、
繰り出された剥離用テープを接着シートに貼付する工程と、
被着体と剥離用テープと相対移動させることで接着シートを剥離する工程とを備え、
前記切り込みを形成する工程において、当該接着シートの剥離初期部位となる前記切り込みの端部のみを前記被着体に達する深さとし、その他の切り込み部分を前記被着体に達することのない深さとする工程が行われることを特徴とするシート剥離方法。
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