JP5572218B2 - 検査方法及び装置 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、例えばリソグラフィ技術によるデバイスの製造にて使用可能な検査方法及び装置に関する。本発明は、例えばリソグラフィ装置による処理中に発生する半導体ウェーハ上の処理欠陥を検出するのに適用可能である。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。通常、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] リソグラフィプロセスを監視するために、パターン形成された基板のパラメータ、例えば基板内又は基板上に形成された連続層間のオーバレイ誤差を測定する必要がある。走査型電子顕微鏡及び様々な専用ツールの使用を含め、リソグラフィプロセスで形成された微細構造を測定するための様々な技術がある。専用検査ツールの一形態が、放射のビームを基板の表面上のターゲットに誘導し、散乱又は反射したビームの特性を測定するスキャトロメータである。基板によって反射又は散乱する前とその後のビームの特性を比較することにより、基板の特性を決定することができる。これは、例えば既知の基板特性に関連した既知の測定値のライブラリに格納されたデータと反射ビームを比較することによって実行することができる。スキャトロメータは2つの主なタイプが知られている。分光スキャトロメータは広帯域放射ビームを基板上に誘導し、特定の狭い角度範囲に散乱した放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。角度分解スキャトロメータは単色放射ビームを使用し、散乱した放射の強度を角度の関数として測定する。
[0004] リソグラフィ装置による処理後の半導体ウェーハの2つの知られている検査方法は、1.ウェーハ上の欠陥を探索する高密度サンプリングによる欠陥の高速検査と、2.レジストプロファイルとオーバレイの詳細な(したがって、時間がかかる)測定を実行するいくつかの選択した領域についてのクリティカルディメンション(CD)及びオーバレイ(OV)メトロロジーである。
[0005] CDの統合メトロロジー(Integrated metrology: IM)では、1ロット内の全ウェーハを測定して、できるだけ多くのウェーハ領域をカバーすることが好ましい。これは、それによって局所的な工程の逸脱を検出できる機会が最大になるからである。しかし、そのような測定を実行するのにかかる時間を考慮しなければならない。移動/画像取り込み/測定(Move Acquire Measure: MAM)時間は半導体ウェーハを検査する方法の利点を表す数字である。MAM時間は、測定部位間でウェーハを移動させるのにかかる時間と、測定で測定ターゲットを検査装置に位置合わせするのにかかる時間と、測定値を得るのにかかる時間とを含む。CDのMAM時間はせいぜい(用途に応じて)300〜3000ms程度であるが、これでは十分なウェーハ範囲をもってロット内の全ウェーハを測定するのに時間がかかりすぎる。その結果、大きな工程の逸脱が起こりかねないウェーハ上の該当箇所を見逃す機会が増大する。
[0006] 本発明のある実施形態は、以下のステップを含む方法を提供する。基板のある領域を放射ビームで照明する。散乱放射を検出して第1の散乱データを入手する。第1の散乱データを第2の散乱データと比較する。比較に基づいてその領域における基板の欠陥の存在を決定する。照明及び検出は領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、第1の散乱データが上記領域上に空間的に集積される。
[0007] 本発明の別の実施形態は、放射源、ディテクタ、及び決定デバイスを備える検査装置を提供する。放射源は、基板のある領域を放射ビームで照明するように構成されている。ディテクタは、散乱放射を検出して第1の散乱データを入手するように構成されている。決定デバイスは、第1の散乱データを第2の散乱データと比較し、比較に基づいてその領域における基板の欠陥の存在を決定するように構成されている。照明及び検出は領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、第1の散乱データが上記領域上に空間的に集積される。
[0008] 本発明のさらに別の実施形態は、コンピュータデバイスによって実行されると、コンピュータデバイスに以下のステップを含む動作を実行させる命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含む製造品を提供する。基板のある領域を放射ビームで照明する。散乱放射を検出して第1の散乱データを入手する。第1の散乱データを第2の散乱データと比較する。比較に基づいてその領域における基板の欠陥の存在を決定するステップ。照明及び検出は領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、第1の散乱データが上記領域上に空間的に集積される。
[0009] 本発明のさらなる特徴及び利点、さらに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら以下で詳細に説明する。本発明は本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示的目的のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明白になる。
[0010] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は本発明を図示し、説明とともに、さらに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成し、使用できるような働きをする。
[0011]リソグラフィ装置を示す。 [0012]リソグラフィセル又はクラスタを示す。 [0013]第1のスキャトロメータを示す。 [0014]第2のスキャトロメータを示す。 [0015]各ダイ上で取得が実行されるウェーハ及びストリップ上のスキャン経路軌跡を示す。 [0016]測定スキャン経路及びその測定スペクトルが対応する基準経路を有する基準スペクトルのライブラリと比較されるダイを示す。 [0017]本発明のある実施形態による方法のフローチャートである。 [0018]本発明のある実施形態による装置で使用され得るコンピュータアセンブリを示す。
[0019] 以下で述べる詳細な説明を図面との関連で理解することにより本発明の特徴及び利点がさらに明白になり、図面では全体を通して類似の参照文字が対応する要素を識別する。図面では、類似の参照番号が全体的に同一、機能的に類似、及び/又は構造的に類似の要素を示す。要素が最初に現れる図面を、対応する参照番号の最も左側の桁で示す。
[0020] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
[0021] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
[0022] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその任意の組合せで実施することができる。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読み取り式媒体に記憶した命令として実施することもできる。機械読み取り式媒体は、機械(例えば、計算デバイス)で読み取り可能な形態で情報を記憶するか、又は伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読み取り式媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかし、このような記述は便宜的なものにすぎず、このような行為は実際には計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
[0023] しかし、このような実施形態についてさらに詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実施できる例示的環境を提示することが有益である。
[0024] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLとを含む。
[0025] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0026] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0027] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。通常、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0028] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0029] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折型光学システム、反射型光学システム、反射屈折型光学システム、磁気型光学システム、電磁型光学システム及び静電型光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なしてもよい。
[0030] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0032] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないということをもっぱら意味するのではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0033] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0034] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(通例それぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0035] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2次元エンコーダ、又は容量センサ)を用いて、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0036] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0037] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0038] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0039] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0040] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0041] 図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又はクラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィセルLCの一部を形成し、それは基板上で露光前及び露光後プロセスを実行する装置も含む。従来、これらはレジスト層を堆積させるスピンコータSC、露光されたレジストを現像する現像器DE、チルプレートCH及びベークプレートBKを含む。基板ハンドラ、すなわちロボットROは入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り上げ、それを様々なプロセス装置間で移動させ、次にリソグラフィ装置のローディングベイLBに送出する。多くの場合まとめてトラックと呼ばれるこれらのデバイスは、トラック制御ユニットTCUの制御下にあり、それ自体は監視制御システムSCSによって制御され、それはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがってスループット及び処理の効率を最大化するために様々な装置を動作させることができる。
[0042] リソグラフィ装置によって露光される基板が正確かつ一貫して露光されるために、露光した基板を検査し、後続層間のオーバレイ誤差、ラインの太さ、クリティカルディメンション(CD)などのような特性を測定することが望ましい。誤差が検出された場合は、特に同じバッチの他の基板がまだ露光されないほど十分即座にかつ高速で検査を実行できる場合は、後続基板の露光を調節することができる。また、既に露光した基板を(歩留まりを改善するために)取り外して再加工するか、又は廃棄し、それにより欠陥があることが分かっている基板で露光を実行するのを回避することができる。基板の幾つかのターゲット部分のみに欠陥がある場合、良好であるそれらのターゲット部分のみでさらなる露光を実行することができる。
[0043] 基板の特性を、特に異なる基板又は同じ基板の異なる層の特性が層ごとにいかに変化するかを決定するために、検査装置が使用される。検査装置をリソグラフィ装置LAに組み込むことができる、又はリソセルLCは独立型デバイスとすることができる。最も迅速な測定を可能にするために、検査装置は露光直後に露光したレジスト層の特性を測定することが望ましい。しかし、レジストの潜像はコントラストが非常に低く、(放射に露光してあるレジストの部分と露光していない部分との間には屈折率の非常に小さい差しかない)全ての検査装置が、潜像を有用に測定するほど十分な感度を有しているわけではない。したがって、露光後ベークステップ(PEB)の後に測定を実行することができ、これは通常は露光した基板で実行する最初のステップであり、レジストの露光部分と非露光部分との間のコントラストを増大させる。この段階で、レジストの像を半潜像と呼ぶことができる。現像したレジスト像で(その時点でレジストの露光部分又は非露光部分は除去されている)又はエッチングなどのパターン転写ステップの後で測定することも可能である。後者の見込みは、欠陥がある基板を再加工する見込みを制限するが、それでも有用な情報を提供することができる。
[0044] 図3は、本発明で使用できるスキャトロメータを示す図である。このスキャトロメータは、基板Wとスキャトロメータ2、4との間の処理ユニットPUによって制御される相対移動中に基板W上に放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射した放射は分光計ディテクタ4へ伝送され、分光計ディテクタ4は鏡面反射した放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定する。この測定データはスペクトルの測定中に移動経路に沿って空間的に集積される。図3のこのデータから、検出されたスペクトルとシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較によって、検出されたスペクトルを発生させる構造またはプロファイル内の欠陥の存在を決定することができる。そのようなスキャトロメータは垂直入射スキャトロメータ又は斜入射スキャトロメータとして構成できる。
[0045] 本発明で使用できる別のスキャトロメータが図4に示されている。このデバイスSM2では、放射源2によって放出された放射が、レンズシステム12を使用してコリメートされ、干渉フィルタ13及び偏光子17を通して伝送され、部分反射面16によって反射して、好ましくは少なくとも0.9、さらに好ましくは少なくとも0.95の高い開口数(NA)を有する顕微鏡の対物レンズ15を介して基板Wに集束する。液浸スキャトロメータは、開口数が1を超えるレンズを有することさえある。反射した放射は次に、散乱スペクトルを検出させるために部分反射面16を通ってディテクタ18内に伝達される。ディテクタは、レンズシステム15の焦点距離にある逆投影された瞳面11に位置付けることができるが、瞳面は、代わりに補助光学系(図示せず)でディテクタに再結像することができる。瞳面は、放射の半径方向位置が入射角度を画定し、角度位置が放射の方位角を画定する面である。ディテクタは、基板ターゲット30の2次元角度散乱スペクトルを測定できるように、2次元ディテクタであることが好ましい。ディテクタ18は、例えばCCD又はCMOSセンサのアレイでよく、例えば1フレーム当たり40ミリ秒の積分時間を使用することができる。
[0046] 例えば、入射放射の強度を測定するために、基準ビームを使用することが多い。そのために、放射ビームがビームスプリッタ16に入射すると、その一部がビームスプリッタを通って基準ビームとして基準ミラー14に向かって伝達される。次に、基準ビームは同じディテクタ18の異なる部分へと投影される。
[0047] 例えば405〜790nm又はさらに低く、200〜300nmなどの範囲の対象となる波長を選択するために、1組の干渉フィルタ13が使用可能である。干渉フィルタは、1組の様々なフィルタを備えるのではなく、調整可能とすることができる。干渉フィルタではなく格子を使用することができる。
[0048] ディテクタ18は、1つの波長(又は狭い波長範囲)で散乱光の強度を、複数の波長で別個に、又はある波長範囲にわたって積分された強度を測定することができる。さらに、ディテクタはTM及びTE偏光の強度及び/又はTMとTE偏光の間の位相差を別個に測定することができる。
[0049] 広帯域光源(すなわち光の周波数又は波長、したがって色の範囲が広い光源)を使用することが可能であり、これは大きいエタンデュを生じ、複数の波長を混合できるようにする。広帯域の複数の波長は、好ましくはそれぞれΔλの帯域幅及び少なくとも2Δλ(すなわち帯域幅の2倍)の間隔を有する。幾つかの放射の「ソース」は、ファイバ束を使用して分割されている延在した放射源の様々な部分でもよい。この方法で、角度分解散乱スペクトルを複数の波長で平行して測定することができる。3次元スペクトル(波長と2つの異なる角度)を測定することができ、これは2次元スペクトルより多くの情報を含む。これによって、より多くの情報を測定することができ、それはメトロロジープロセスのロバスト性を高める。このことは、参照により全体を本明細書に組み込むものとするEP1,628,164Aでさらに詳細に説明されている。
[0050] 処理ユニットPUは、基板WとスキャトロメータSM2との間の相対移動を制御する。この移動は、基板ウェーハWが位置するウェーハテーブル又はステージWT2の動きを制御する処理ユニットPUによってウェーハテーブルアクチュエータTAを用いて制御される。ウェーハテーブルは、X及びY方向に独立して移動することができる。
[0051] 基板W上のターゲットパターン30は、製品パターンのストリップであってもよい。ターゲットパターン30は、現像後にソリッドレジスト線のバーが形成されるように印刷される格子を含んでいてもよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に投影システムPL内の色収差の影響を受け、照明の対称性とそのような収差の存在は印刷された格子の変動に顕在化する。代替策として、ターゲットパターンを基板にエッチングしてもよいが、これはエッチング装置内などの工程変動の影響を受ける。印刷されたターゲットパターンのスキャトロメトリデータを用いて下記のようにパターン内の欠陥を検出できる。
[0052] 図5を参照すると、本発明の一実施形態では、放射ビームの測定スポットが大きな(一定の)速度部分を含むスキャン経路軌跡504でウェーハ基板502にわたってスキャンされ、角度分解スペクトルがフルスキャン速度で取得される。その結果、測定スペクトルは、画像取得中に発生する時変スペクトル上で空間的に集積される。例えば、スキャン速度が1m/sで取得時間がわずか4msの場合、スポットは4mmの距離を移動する。ダイ間の間隔が6mmの場合、カメラは1000mm.s−1/6mm=約150fpsのフレーム率が必要である。これは、困難ではあるが現在の画像センサ技術で実現可能である。原則として、画像取得はステップアンドスキャン方式で実行可能であるが、これは振動を引き起こす恐れがあるためおそらくは好ましい実施形態ではない。図5は、画像取得が実行されるスキャン経路軌跡504及びストリップ506(太線のバー)を例示的に示す。図5では、ストリップ506は正確に縮尺したものではない。ストリップの幅はスペクトルデータがその上部に集まる測定スポットの部分のサイズによって決定される。これは通常25μm以下である。検査されるターゲットパターンは、レチクルに従ってグループ510内に配置された各ダイ508内のストリップ506である。
[0053] 検査される構造は通常、X及びY方向に周期的に並ぶ(NANDフラッシュと同様に)。構造全体にわたってストリップに沿ってY方向に長時間の取得が実行される場合、ストリップの開始及び終了位置のY位置の変動は、取得された空間的に集積したスペクトルには比較的小さい影響しか与えない。スポット位置の変動の結果としての取得されたスペクトルの変動は主としてスポットのX位置に依存する。高速スキャン経路軌跡に沿ってスポットがウェーハに整列しないため、スポット位置が変動する。図では、Xは水平方向、Yは垂直方向である。
[0054] 図6を参照すると、ダイ604上のストリップ603の測定スペクトル602が移動する測定スポット607の測定スキャン経路606上で取得される。測定スペクトル602は、ライブラリに記憶された基準スペクトルの組61A〜61Fと608で比較される。これらの基準スペクトル61A〜61Fは、ダイ上のそれぞれのX位置で、ある範囲のスキャン経路60A〜60Fに対して入手され、高速測定スポットのX位置の変動が可能になる。図6では6つの基準スキャン経路を示しているが、実際には下記のように35などの大きい方の番号が使用される。基準スペクトルは、設計されたダイのモデルに基づく計算又は基準ウェーハ上の1つ又は複数の既知の良好なダイの測定によって入手できる。したがって、X位置当たり少なくとも1つの基準スペクトルがある。X方向に沿ったサンプリング距離はスポットの直径よりもはるかに小さく、約1μm程度である。X範囲は、少なくともスポットの直径プラスピークトゥピークウェーハ位置の不確実性である。ウェーハ位置の不確実性は10μm程度であり、スポットの直径は25μm程度であるため、この例示的実施形態では、計算及び記憶要件に関して極めて妥当な35個のエントリ(図6では6つしか示していないが)のみを含むライブラリが存在する。
[0055] ウェーハへの通常の処理変動に対応するために、ウェーハ上の複数のダイについて別々のライブラリを作成することでこの方法を拡張することができる。その極端な形態では、ウェーハのダイごとにライブラリを作成してもよい。
[0056] 測定スペクトル602の全ライブラリエントリ61A〜61Fとの比較で、適合度又は平均二乗誤差などの一定の判定基準によってライブラリエントリ61Cとの良好な一致608が得られる。欠陥を有するダイがあり、別の測定スペクトル610が得られた場合、一致基準に適合するスペクトルはライブラリ内に存在せず、612で一致はない。その場合、当該ダイが疑わしく、ダイには欠陥の原因である処理エラーがあった可能性があると判定される。
[0057] 図7を参照すると、基板上の欠陥の検査方法である本発明のある実施形態を示すフローチャート702が示されている。処理ユニットPU(図3及び図4)の制御下で、ウェーハステージ(図4のWT2)は所定のスキャン軌跡に従って704で移動を開始する。スキャン軌跡は、ウェーハ上の1つ又は複数の選択されたダイの少なくとも一部の上部を通過するように設定されている。光源2は、各ダイの所定のストリップの上部を通過する時に点灯して706で基板表面のストリップを放射ビームで照明する。したがって、照明706及び検出708は、ストリップ領域を横断するスキャン経路に沿って実行される。ストリップに沿って散乱放射を検出することで、各々の選択されたダイで散乱/回折データが空間的に集積した形態で、又は平均角度分解スペクトルとして708で入手されるか、又は取得される。スキャン経路は、好ましくはストリップに沿って直線状であるが、非線形経路又はストリップも使用できる。ストリップは通常、ダイの縁部に揃っていてダイ上のパターンの向きに一致しているが、ダイ上の製品パターンのレイアウトに合わせて別の向きを使用してもよい。ストリップの場所は、ダイ上の好適な構造を測定するように事前決定され、選択される。そのような構造は、スキャン経路に垂直の周期性を有する周期的又は格子様の特徴を有していてもよい。ダイ上にはそのような好適な構造の場所に対応するスキャン経路軌跡に沿った複数のストリップがあってもよい。これは、ビーム及び/又はディテクタを繰り返しオン/オフしてストリップを分解することで達成できる。
[0058] 各々の取得されたスペクトルは、そのダイの1つ又は複数の測定又は計算された基準スペクトルと710で比較される。これは、放射ビームの位置の不確実性プラス放射ビームのサイズとして計算される距離にわたる相対移動方向に垂直の位置範囲に対応する基準スペクトルのライブラリについて実行してもよい。710の比較に基づいて、ストリップのウェーハの欠陥の存在が712で決定されてその結果が記憶される。この決定712は、次のダイへの移動の一部又は全部と時間的に重なっていてもよい。さらに、決定712は、次のダイの照明706及び取得708の一部又は全部と時間的に重なっていてもよい。
[0059] あるいは(点線で示すように)、取得されたスペクトルは後の分析のために714で記憶されるか、又は取得及び移動と平行して、分析が例えば別のプロセッサによって実行される。
[0060] ウェーハが716で完了しない場合、スキャン軌跡は別の取得部位に連続し、そうでない場合、スキャン軌跡は718で終了する。比較及び決定ステップ710及び712が実行されなかった場合、ステップ714で記憶される各々の取得されたスペクトルのライブラリとの比較が一括で720で実行されてもよい。不一致のためにウェーハが724で疑わしいと決定されると、被疑ダイ付近の、例えば、隣接するスクライブレーン内のメトロロジーターゲットの1つ以上について詳細な測定を726で実行できる。
[0061] 他の測定についての記録、図化、警告及び意思決定を含む測定スペクトルの処理は、クリティカルディメンション(CD)などの他のメトロロジーデータを処理する当業者に知られている方法を用いて実行できる。
[0062] しかし、従来のサンプリングされたCD測定とは異なり、本発明はロット内の全ウェーハについて大きいウェーハ対応範囲を提供する。これは局所的なウェーハ逸脱を検出する機会を最大限にする。その結果、より堅牢な早期欠陥検出が可能になる。本発明は、放射ビームに対して高速でウェーハを移動できる高速バランスマスステージを用いるスキャトロメトリ検出装置での使用に適している。
[0063] 本発明による方法は、プロセッサ上で実行されているコンピュータプログラムの制御下で実施できる。上記実施形態でこの方法を実施するコンピュータプログラムを実行するプロセッサは図8に示すコンピュータアセンブリ60であってもよいことを理解されたい。本発明のアセンブリの実施形態では、コンピュータアセンブリ60は処理ユニットPUの形態の専用のコンピュータであってもよく、あるいは、例えば、リソグラフィ投影装置を制御する中央コンピュータであってもよい。コンピュータアセンブリ60は、コンピュータ実行コードを含むコンピュータプログラムプロダクトをロードするように構成されていてもよい。これによって、コンピュータプログラムプロダクトをダウンロードすると、コンピュータアセンブリ60は画像センサの実施形態でのリソグラフィ装置の上記の使用を制御できる。
[0064] プロセッサ27に接続されたメモリ29は、ハードディスク61、読み取り専用メモリ(ROM)62、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)63及びランダムアクセスメモリ(RAM)64などのいくつかのメモリコンポーネントを含んでいてもよい。上記メモリ要素の全てが存在しなくてもよい。さらに、上記メモリコンポーネントがプロセッサ27に対して、又は互いに物理的に近接していることは必須ではない。それらは離れていてもよい。
[0065] また、プロセッサ27は、ある種のユーザインターフェイス、例えば、キーボード65又はマウス66に接続されていてもよい。当業者に知られているタッチスクリーン、トラックボール、音声変換装置、又はその他のインターフェイスも使用できる。
[0066] プロセッサ27は、フロッピー(登録商標)ディスク68又はCDROM69などのデータキャリアからコンピュータ実行可能コードの形態などのデータを読み込み、状況によってはそれにデータを記憶するように構成された読み取りユニット67に接続されていてもよい。当業者に知られているDVD又はその他のデータキャリアも使用できる。
[0067] プロセッサ27は、出力データを紙に印刷するプリンタだけでなく当業者に知られているモニタ又はLCD(液晶ディスプレイ)若しくは他の任意のタイプのディスプレイに接続されていてもよい。
[0068] プロセッサ27は、入出力(I/O)を行う送受信機73によって通信ネットワーク72、例えば、公衆交換電話網(PSTN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)などに接続できる。プロセッサ27は、通信ネットワーク72を介して他の通信システムと通信するように構成できる。本発明のある実施形態では、オペレータのパーソナルコンピュータなどの外部コンピュータ(図示せず)から通信ネットワーク72を介してプロセッサ27にログインすることができる。
[0069] プロセッサ27は、独立のシステム又は各々がより大きいプログラムのサブタスクを実行するように構成された並列に動作するいくつかの処理ユニットとして実施できる。また処理ユニットはいくつかのサブ処理ユニットを備えた1つ又は複数のメイン処理ユニットに分割できる。プロセッサ27のいくつかの処理ユニットは、他の処理ユニットから離れた位置にあって、通信ネットワーク72を介して通信していてもよい。
[0070] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0071] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0072] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0073] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折型、反射型、磁気型、電磁型及び静電型光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
[0074] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
結論
[0075] 「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような本発明の1つ又は複数の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
[0076] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて本発明について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的な境界を画定することができる。
[0077] 特定の実施形態に関する以上の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に修正する、及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書の言葉遣い又は用語は説明のためのもので、限定するものではなく、したがって本明細書の用語又は言葉遣いは、当業者には教示及び案内の観点から解釈されるべきことを理解されたい。
[0078] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。

Claims (19)

  1. 基板検査の方法であって、
    (a)前記基板のある領域を放射ビームで照明し、散乱放射を検出して第1の散乱データを入手するステップと、
    (b)第1の散乱データを第2の散乱データと比較するステップと、
    (c)前記比較に基づいて前記領域における前記基板の欠陥の存在を決定するステップと、を含み、
    前記照明及び検出(a)が前記領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、それにより前記領域上に空間的に集積された第1の散乱データを入手し、
    前記第2の散乱データが、散乱データのライブラリを含み、
    前記ライブラリが、前記スキャン経路の方向に垂直な位置範囲の散乱データを含む、方法。
  2. 前記領域がストリップを含む、請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第1及び第2の散乱データが回折スペクトルを含む、請求項1又は請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記回折スペクトルが角度分解される、請求項3に記載の検査方法。
  5. 前記第2の散乱データが、基板の基準領域の測定によって入手される、請求項1乃至4のいずれかに記載の検査方法。
  6. 前記基準領域がストリップである、請求項5に記載の検査方法。
  7. 前記第2の散乱データが、基準領域のモデルからの計算によって入手される、請求項1乃至4のいずれかに記載の検査方法。
  8. 前記基準領域がストリップである、請求項7に記載の検査方法。
  9. 前記スキャン経路の方向に垂直な位置範囲が、前記放射ビームの位置の不確実性及び前記放射ビームのサイズを用いて計算される距離にわたる、請求項1乃至8に記載の検査方法。
  10. 基板検査装置であって、
    基板のある領域を放射ビームで照明する放射源と、
    散乱放射を検出して第1の散乱データを入手するディテクタと、
    前記第1の散乱データを第2の散乱データと比較し、該比較に基づいて前記基板のその領域の欠陥の存在を決定する少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
    前記照明及び検出が前記領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、これにより前記領域上に空間的に集積された第1の散乱データを入手し、
    前記第2の散乱データが、散乱データのライブラリを含み、
    前記ライブラリが、前記スキャン経路の方向に垂直な位置範囲の散乱データを含む、検査装置。
  11. 前記領域がストリップを含む、請求項10に記載の検査装置。
  12. 前記第1及び第2の散乱データが回折スペクトルを含む、請求項10又は請求項11に記載の検査装置。
  13. 前記回折スペクトルが角度分解される、請求項12に記載の検査装置。
  14. 前記第2の散乱データが、基板の基準領域の測定によって入手される、請求項10乃至13のいずれかに記載の検査装置。
  15. 前記基準領域がストリップである、請求項14に記載の検査装置。
  16. 前記第2の散乱データが、基準領域のモデルからの計算によって入手される、請求項10乃至13のいずれかに記載の検査装置。
  17. 前記基準領域がストリップである、請求項16に記載の検査装置。
  18. 前記スキャン経路の方向に垂直な位置範囲が、前記放射ビームの位置の不確実性及び前記放射ビームのサイズを用いて計算される距離にわたる、請求項10乃至17に記載の検査装置。
  19. 基板検査のための機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムであって、前記命令が、1つ又は複数のプロセッサに、
    (a)前記基板のある領域を放射ビームで照明し、散乱放射を検出して第1の散乱データを入手するように制御させ、
    (b)前記第1の散乱データを第2の散乱データと比較させ、
    (c)前記比較に基づいて前記領域における前記基板の欠陥の存在を決定させる、
    ように適合され、
    前記照明及び検出(a)が前記領域にわたってスキャン経路に沿って実行され、これにより前記領域上に空間的に集積された第1の散乱データを入手し、
    前記第2の散乱データが、散乱データのライブラリを含み、
    前記ライブラリが、前記スキャン経路の方向に垂直な位置範囲の散乱データを含む、コンピュータプログラム。
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