JP5571967B2 - 投影光学系と投影露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物体面にある像を像面に投影する投影光学系、および、その投影光学系を用いてシリコンウェハやガラスなどの基板表面に、フォトマスク等に形成された所定のパターンを投影・露光する投影露光装置に関する。
シリコンウェハなどの半導体用基板、フラットディスプレイ用のガラス基板等に、所定の波長の紫外線を用いて、フォトマスク(レチクル)に形成された所定のパターンを投影・露光する様々な投影露光装置が提案されている。このような投影露光装置において、1枚の基板に複数個所露光し、更に複数枚を連続して露光する場合には、環境温度変化の影響、光学部材の光の吸収による熱の影響により、光学素子の曲率半径や屈折率、素子同士の空気間隔が変動し、焦点位置が変わることが知られている。
一方、基板の配線パターンの高精細化に伴い、投影光学系に要求される解像性が高まり、光学系の高NA化が要求されている。それにより投影光学系の焦点深度が浅くなり、焦点変動の影響が無視できなくなってきた。このような問題に対して、対物光学系に屈折率温度係数が負の正レンズと屈折率温度係数が正の正レンズとを組み合わせて、光学特性の変動を打ち消すことが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−169083号公報
しかし、例えば反射屈折光学系を用いる投影露光装置の場合には、屈折率温度係数が正負逆のレンズをそれぞれ正レンズと負レンズのように組み合わせると、温度上昇時に焦点の変動方向が同じになり、環境温度の変動のように光学系の温度が一律に変わるような場合、焦点位置の変動が大きくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、環境温度の変化および露光光吸収によるレンズの温度変化に基づく焦点位置の変動を抑制した投影光学系を得ることを目的としている。
本発明の投影光学系は、集光パワーレンズ群と、集光パワーレンズ群と同符号の屈折率温度係数を有する発散パワーレンズ群とを備え、集光パワーレンズ群は、焦点距離が1m以下のレンズを含み、焦点距離が1m以下のレンズは、隣接するレンズと焦点距離の1割以下の空気間隔で離間し配置されることを特徴としている。
投影光学系は反射屈折型の光学系であり、環境温度の変動および光の吸収によるレンズの温度変動によって生じる焦点位置の変動は、集光パワーレンズ群と発散パワーレンズ群において正負逆になる。
本発明の投影露光装置は、上記投影光学系を備え、物体面に描かれたパターンを基板に投影、露光する投影露光装置であって、物体に露光光を照射する照明光学系と、物体を透過した露光光を投影光学系に向けて偏向する第1平面鏡と、投影光学系からの露光光を基板に向けて偏向する第2平面鏡とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、環境温度の変化および露光光吸収によるレンズの温度変化に基づく焦点位置の変動を抑制した投影光学系が得られる。
本実施形態の投影露光装置における光学系の構成を示す側断面図である。 環境温度が1℃上昇したときの集光パワーレンズの焦点距離と焦点位置(ピント)の変動量との一般的関係を示すグラフである。 焦点距離が1m以下の集光レンズについて、レンズの焦点距離に対するレンズと光の進行方向に隣接するレンズとの空気間隔との割合と焦点位置の変動量の関係を示した図である。 実施例の投影光学系における基準状態でのMTFカーブを示すグラフである。 基準状態から環境温度が1℃上昇したときの実施例の投影光学系におけるMTFカーブを示すグラフである。 露光光吸収により実施例のレンズ群の温度が上昇したときのMTFカーブを示すグラフである。 屈折率温度係数が正の材料を一部に用いた比較例1の投影光学系における基準状態でのMTFカーブを示すグラフである。 基準状態から環境温度が1℃上昇したときの比較例1の投影光学系におけるMTFカーブを示すグラフである。 露光光吸収により比較例1のレンズ群の温度が上昇したときのMTFカーブを示すグラフである。 比較例2の投影光学系における基準状態でのMTFカーブを示すグラフである。 基準状態から環境温度が1℃上昇したときの比較例2の投影光学系におけるMTFカーブを示すグラフである。 比較例2の投影光学系において、露光光吸収によりレンズの温度が上昇したときのMTFカーブのグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である投影光学系を用いた投影露光装置の概略的な構成を示す側断面図である。
投影露光装置10は、シリコンウェハなどの基板Pの表面にレチクルRなどのフォトマスクに描かれた所定のパターンを投影・露光する装置である。基板Pは、架台11に設けられ、光軸に垂直な方向と回転方向および平行な方向へ基板Pを移動可能な基板ステージ12上に載置され、真空吸着などの手段を用いて保持される。基板Pには、照明光学系13からの光を用いて、レチクルRに形成されたパターンが投影光学系(投影光学装置)15を介して基板Pの表面に投影される。なお、レクチルRは、光軸に垂直な方向および平行な方向へレクチルRを移動可能なレチクルステージ14に真空吸着などの手段を用いて保持される。
照明光学系13は、ショートアークランプなどを用いた光源16からの光をフライアイインテグレータ17、コリメートレンズ18などを通して均一な平行光としてレチクルRに照射し、露光光はレチクルRを透過して投影光学系15へと導かれる。なお、光源から照射される光には、g線、h線、i線と呼ばれる波長436nm、405nm、365nmの光が含まれ、照明光学系13は、図示しない波長フィルタやダイクロイックミラーを用いて光源16から放射された光のうち、所定の波長の光のみを投影光学系15へと供給する。また、その光量は、図示しないシャッター等により制御される。
投影光学系15は、集光パワーを有する凹面鏡(反射光学素子)M0、複数のレンズ(屈折光学素子)からなる屈折光学系19から構成されるが、レクチル(物体面)Rからの光を屈折光学系19に向けて偏向する第1平面鏡M1と、屈折光学系19からの光を基板Pに向けて偏向する第2平面鏡M2を含めた形で構成されてもよい。レクチルRを介した光は、第1平面鏡M1により屈折光学系19に向けて反射され、屈折光学系19を通った光は凹面鏡M0で反射されて再び屈折光学系19に入射される。その後、光は第2平面鏡M2によって反射され投影光学系15の像面に対応する基板Pの表面において結像する。
凹面鏡M0には、温度膨張係数が低いセラミックスガラスのような低膨張材料が用いられ、温度変動による膨張は極めて小さい。本実施形態において、屈折光学系19は、レンズL1、L2、L3からなる集光パワーレンズ群19C(焦点距離>0)と、レンズL4、L5からなる発散パワーレンズ群19D(焦点距離<0)から構成される。なお、集光パワーレンズ群19C、発散パワーレンズ群19Dの各々は、少なくとも1枚の発散パワーを有するレンズを含む。
また、屈折率温度係数の符号と集光/発散パワーとの組合せによる温度上昇時におけるレンズの焦点位置の変化は、集光パワーのレンズでは、(1)屈折率温度係数が正のときには、焦点距離が短くなり焦点位置がレンズに近づき(集光パワーが増大)、(2)屈折率温度係数が負のときには、焦点距離が長くなり焦点位置がレンズから遠ざかる(集光パワーが低減)。また、発散パワーのレンズでは、(3)屈折率温度係数が正のときには、焦点距離が短くなり焦点位置がレンズから遠ざかり(発散パワーが増大)、屈折率温度係数が負のときには、焦点距離が長くなり焦点位置がレンズに近づく(発散パワーが低減)。
したがって、屈折光学系19を構成する集光パワーレンズ群19Cと発散パワーレンズ群19Dのレンズ材の屈折率温度係数を同符号とすると、各レンズ群19C、19Dの温度変化による焦点位置の変動の方向は逆になり(正負逆になり)、投影光学系15全体では変動が相殺される。以上のことから、本実施形態では、屈折光学系19を構成するレンズの屈折率温度係数が全て同符号に設定される。例えばレンズ材料には、蛍石が用いられ、この場合全てのレンズの屈折率温度係数は負となる。
また、本実施形態では、環境温度変化による光学特性の悪化を防止するため、集光パワーレンズ群19Cの中の焦点距離が1m以下のレンズについては、そのレンズと隣り合うレンズ間の空気間隔が焦点距離の1割以下となるように各レンズL1〜L5を配置する。なお、本実施形態で用いられるレンズL1〜L5の焦点距離[mm]、屈折率温度係数の符号、レンズ間の空気間距離[mm]の組合せの具体例は、後述する実施例の表1に示される。また、本実施形態の投影露光装置10は、動作環境温度が例えば23℃±3℃以内の範囲の下で使用される。
次に図2、図3を参照して、集光パワーレンズ群19Cの中で焦点距離が1m以下のレンズの隣接する空気間隔を1割以下とする理由について説明する。
ある一定の空気間隔に配置された集光パワーレンズ群を通る光線は、温度が上昇するにしたがって短い距離で次のレンズに入射するため、光学系全体では焦点位置がレンズから離れる方向に移動する。この焦点位置の移動は、空気間隔が広がるほど、また、温度変動の影響が大きいほど大きくなる。
例えば、反射屈折光学系を構成する屈折レンズの全ての屈折率温度係数が負であるダイソンタイプの光学系において、環境温度が1℃上昇したときの集光パワーレンズの焦点距離[m]と焦点位置(ピント)の変動量[μm]との関係の一般的な計算例(表1の具体例に対応)を図2のグラフに示す。なお、図2において、プロットされた点は計算値に対応し、曲線は、プロット点に対応する近似曲線である。
図2のグラフにおいて、焦点距離が1m以上であると、焦点位置の変動量が約6μm以下となり光学系に与える影響は微小である。しかし、焦点距離が1m以下であると焦点位置の変動量が6μm以上となり光学系に与える影響が大きい。焦点距離が1mのときの焦点位置の変動量を近似曲線で計算すると5.83μmとなり、この光学系における焦点深度±7μmよりも十分小さい。すなわち、焦点距離が1m以上のときは、更に焦点位置の変動量が小さく、何ら制約なくレンズを配置しても焦点位置の変動量が小さく、光学性能に与える影響が小さい。
一方、図2において焦点距離が1m以下になると、焦点位置(ピント)の変動量[μm]は急激に大きくなる。図3に、図2の焦点距離が1m以下の集光レンズについて、「焦点距離」に対する「光の進行方向に隣接するレンズとの間の空気間隔」の割合を横軸、焦点位置(ピント)の変動量[μm]を縦軸としてプロットしたグラフを示す。なお、図3の直線はプロット点の回帰直線である。
図3に示されるように、焦点距離に対する空気間隔(光の進行方向に隣接するレンズとの間の空気間隔)が1割以下のときに、光学系に対する焦点位置の変動量は約5μm以下と小さくなる。図3の近似直線で計算すると、焦点距離が1m以下の集光レンズであっても隣接する空気間隔との割合が1割以下であると焦点位置の変動量は4.83μm以下になり焦点深度±7μmより十分小さくできる。したがって、焦点距離が1m以内の集光レンズを使っても、隣接するレンズとの空気間隔を狭くすることにより、焦点位置の変動を小さくすることができ、光学性能を向上しながらも光学系を小型化することができる。
なお本実施形態では、集光レンズが複数枚使用されるが、個々の変動量が小さいため発散レンズによる逆の焦点位置の変動量で容易に補正することができる。
次に、表1に本実施形態の投影光学系15の実施例におけるレンズL1〜L5の焦点距離と屈折率温度係数、隣り合うレンズ間の空気間隔およびレンズL5と凹面鏡M0の間の空気間隔を示す。
Figure 0005571967
また表2に、表1に示される実施例において、環境温度が1℃上昇したときの光学素子の変動を示す。なお表2に示される曲率半径成分[μm]、間隔・厚み成分[μm]、屈折率成分[μm]は、それぞれ集光パワーレンズ群19Cと発散パワーレンズ群19Dにおける合成値である。
Figure 0005571967
表2に示されるように、実施例において、集光パワーレンズ群19Cの焦点位置の変動量は、各成分の合算によりは16.28μmであり、発散パワーレンズ群19Dの変動量は−16.28μmである。すなわち、集光パワーレンズ群19Cと発散パワーレンズ群19Dの焦点位置の変動方向は逆向きであり、その絶対値も等しいため互いに打ち消し合い、その合計値は0.00μmとなる。例えば波長365nmでNA0.16の投影光学系の焦点深度を計算すると±7μmであり、0.00μmはこれよりも十分に小さい値で焦点深度内に収まっている。
なお、表2では、集光パワーレンズ群19Cと発散パワーレンズ群19Dの間の空気間隔の変動量は集光パワーレンズ群19Cに加算し、レンズL5と凹面鏡Mの間の空気間隔の変動量は発散パワーレンズ群19Dに加算してある。また、空気間隔の鏡筒材質は真鍮の膨張係数を使って算出してある。また、+符号がレンズから離れる方向、−符号がレンズに近づく方向の変動量に対応する。
以上のように、実施例によれば、環境温度1℃上昇時の焦点変動は、正負逆になり略相殺され、焦点深度内に収まる。
次に図4、5に、投影光学系15の基準状態(基準温度23℃での設計値)でのMTFカーブと、基準状態から環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブをそれぞれ示す。図4に示されるように、基準状態においてMTFカーブは解像限界に近い理想的なMTFカーブを描くが、環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブも図5に示されるように基準状態のMTFカーブと遜色のない理想的なカーブを描き、良好な光学性能が維持される。
また、表3に、レンズL1〜L5における露光光の吸収による各レンズL1〜L5での温度上昇[℃]と、曲率半径成分[μm]、レンズ厚み成分[μm]、屈折率成分[μm]における変動量とその合成値[μm]、および集光レンズ群19C、拡散レンズ群19Dでの合計を示すとともに、集光レンズ群19C、拡散レンズ群19Dの変動を合算した焦点位置の変動値を示す。
Figure 0005571967
なお、表3の値は、投影光学系15に、375,000[mJ/cm]の積算光量の光が入射されたときの各レンズL1〜L5の温度変化と光学系の各成分の変動量を示しており、各値は、各レンズに照射される露光光の面積とレンズの材質の吸収率から、各レンズに吸収されるエネルギーの相対値を算出し、光源からの入射エネルギーから実験的に得た温度測定データを基に算出した。ただし、この計算において、レンズ自身の発熱による空気間隔の変動は無視した。
表3に示されるように、投影光学系15の露光光の吸収による各レンズL1〜L5の温度上昇による焦点位置の変動は、集光パワーレンズ群19Cにおいて−7.17μmであり、発散パワーレンズ群19Dにおいて10.38μmであった。すなわち、集光パワーレンズ群19Cと発散パワーレンズ群19Dそれぞれの焦点位置の変動は逆方向であり(正負逆であり)、これらは相殺し、投影光学系15全体としては、3.21μmとなる。この変動値は、前述した波長365nmの光に対するNA0.16の投影光学系の焦点深度±7μmに比べ十分に小さく、本実施例では、露光光の吸収による影響を抑止し、光学性能が維持されている。
また図6に、表3に示された露光光吸収によりレンズが温度上昇したときの投影光学系15のMTFカーブを示す。図6に示されるように、基準温度状態に比べると、MTFカーブは若干悪くなるが、光学性能は大きく崩れていない。
以上のように、実施例の投影光学系15では、露光対象である基板Pの位置を初期位置に維持したままでも、投影光学系15が環境温度の変化や露光光の吸収によるレンズの発熱の影響を受けることで基板Pが焦点深度から外れることがなく、光学性能が低下することがない。
次に、屈折光学系の一部のレンズに屈折率温度係数が正の材料(屈折率温度係数が同符号でない材料)を用いた場合の焦点位置の変動について比較例1を参照して説明する。なお、比較例1では、レンズL1〜L5、凹面鏡M0の光学素子間の空気間隔と焦点距離、またレンズL1〜L5の屈折率温度係数の組合せが異なるだけで他の構成は実施例と同様である。
表4に比較例1の投影光学系におけるレンズL1〜L5の焦点距離と屈折率温度係数、隣り合うレンズ間の空気間隔およびレンズL5と凹面鏡M0の間の空気間隔を示す。
Figure 0005571967
比較例1では、実施例と同様にレンズL1〜L3が集光パワーレンズ群として機能し、レンズL4、L5が発散パワーレンズ群として機能する。ただし、比較例1では、レンズL1、L3の屈折率温度係数が負とされ、レンズL2、L4、L5の屈折率温度係数が正とされる。
また、比較例1では、焦点距離が1m以下の集光レンズがL1とL3であり、焦点距離は760.19mmと626.29mmである。これに隣接するレンズとの空気間隔は、L1が17.11mmであり、L3が25.47mmと311.91mmである。したがって、比較例1ではレンズの焦点距離の1割を越える空気間隔が存在する。
表5に環境温度が1℃上昇したときの焦点位置の変動を計算したシミュレーション結果を示す。
Figure 0005571967
ただし、集光パワーレンズ群と発散パワーレンズ群の間の空気間隔の変動量は集光パワーレンズ群に加算し、レンズL5と凹面鏡M0間の空気間隔の変動量は発散パワーレンズ群に加算している。また、鏡筒材質に真鍮の膨張係数を用いて空気間隔が計算され、正負の符号は+符号がレンズから離れる方向、−符号がレンズに近づく方向の変動量を表す。
環境温度が1℃上昇したときの集光パワーレンズ群における焦点位置の変動量は33.49μmであり、発散パワーレンズ群における焦点位置の変動量は9.12μmである。両レンズ群において焦点位置の変動方向が同じであるため、移動が相殺されることはなく、投影光学系全体で焦点位置の移動量は42.61μmとなる。これは、比較例1の光学系の焦点深度±7μmを超えてしまう。
ここで、図7に比較例1の基準状態(基準温度23℃)でのMTFカーブを示し、図8に環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブを示す。比較例1においても、基準状態のMTFカーブは、解像限界に近い理想的なカーブであり、光学性能に問題ない。しかし、図8に示されるように環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブは光学性能が大幅に低下している。
次に、表6を参照して、比較例1の投影光学系の各レンズL1〜L5における露光光吸収による温度上昇時の焦点位置の変動の仕方について説明する。
Figure 0005571967
表6の結果を計算するのに用いられた各条件は、表3を参照して説明を行った実施例のときと同じである。表6に示されるように、レンズL1〜L5そのものの温度上昇による焦点位置の変動は、集光パワーレンズ群(L1〜L3)において12.47μm、発散パワーレンズ群(L4、L5)において5.09μmである。両レンズ群において、焦点位置が変動する方向は同じなので、移動量は足し合わされ、光学系全体としては17.56μmとなる。この値は、比較例1の光学系における焦点深度±7μmを超えてしまう。
なお図9に、比較例1の投影光学系における上記露光光吸収によるレンズ温度上昇時のMTFカーブを示す。図9に示されるように、レンズ自体の温度が上昇したときのMTFカーブは、基準温度状態に比べると光学性能が大幅に低下している。
このように、レンズの一部に屈折率温度係数が異符合の材料を用い、焦点距離が1m以下の集光パワーのレンズに隣接する空気間隔がその焦点距離の1割以上のときには、環境温度や露光光の吸収によるレンズの発熱による焦点位置の変動量が大きく、初期位置に保持された基板Pの露光面は、焦点深度から外れてしまう。したがって、比較例1の投影光学系では、環境温度変動や露光光吸収によるレンズの発熱により光学性能が大幅に低下し、本実施形態のように、レクチルRのパターンを基盤Pに高精度に投影・露光することができない。
次に比較例2を参照して、屈折率温度係数は実施例と同様に全て同符号であるが、焦点距離が1m以下の集光パワーのレンズに隣接する空気間隔に関しては、その焦点距離の1割以上のものが存在する場合の焦点位置の変動について実施例との比較を行う。
比較例2の投影光学系と実施例の投影光学系の違いは、レンズL1〜L5、凹面鏡M0の間の空気間隔と、各レンズL1〜L5の焦点距離であり、これらの焦点距離および空気間隔の組合せは表7に示される。
Figure 0005571967
なお、表7に示される配置の比較例2の屈折光学系においては、実施例とは異なり、レンズL1、L2が集光パワーレンズ群として機能し、レンズL3〜L5が発散パワーレンズ群として機能する。
表7に示されるように、焦点距離が1m以下の集光レンズはレンズL2とレンズL3であり、各レンズL2、L3の焦点距離はそれぞれ934.19mmと843.44mmである。レンズL2と隣接するレンズL1、L3との間の空気間隔は、それぞれ111.96mmと192.95mmであり、レンズL3と隣接するレンズL2、L4との間の空気間隔は、192.95mmと12.46mmである。したがって、レンズの焦点距離の1割を越える空気間隔が存在する。
また、表8に比較例2において環境温度が1℃上昇したときの焦点位置の変動の計算結果を示す。
Figure 0005571967
ただし、集光パワーレンズ群と第2のレンズ群間の空気間隔の変動量は集光パワーレンズ群に加算し、レンズL5と凹面鏡M0間の空気間隔の変動量は拡散パワーレンズ群に加算している。また、鏡筒材質に真鍮の膨張係数を用いて空気間隔が計算され、正負の符号は+符号がレンズから離れる方向、−符号がレンズに近づく方向の変動量を表す。
表8に示されるように、比較例2において、環境温度が1℃上昇したときの集光パワーレンズ群の焦点位置の変動量は8.97μmであり、発散パワーレンズ群の焦点位置の変動量は11.38μmである。両レンズ群において、焦点位置の変動方向は同じであり、結果として光学系全体では、20.35μmとなる。この値は、比較例2の投影光学系の焦点深度±7μmを超えてしまう。
また、図10に比較例2の投影光学系の基準状態でのMTFカーブ、図11に比較例2の投影光学系において環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブを示す。図10に示されるように、比較例2においても、基準状態のMTFカーブは、解像限界に近い理想的なカーブで光学性能に問題ないが、環境温度が1℃上昇したときのMTFカーブは限界解像力の解像は見込めないほど大幅に光学性能が低下する。
次に、表9を参照して、比較例2の投影光学系の各レンズL1〜L5における露光光吸収による温度上昇時の焦点位置の変動の仕方について説明する。
Figure 0005571967
表9の結果を計算するのに用いられた各条件は、表3を参照して説明を行った実施例のときと同じである。表9に示されるように、レンズL1〜L5そのものの温度上昇による焦点位置の変動は、集光パワーレンズ群(L1、L2)において7.13μm、発散パワーレンズ群(L3〜L5)において−0.97μmであった。すなわち、両レンズ群の焦点位置の変動する方向は逆なので相殺され、光学系全体として6.16μmとなり、比較例2の投影光学系における焦点深度±7μm内に収まる。しかし、以下図12を参照して説明するように比較例2における露光光吸収の影響は無視しえるものではない。
図12は、比較例2の投影光学系において、露光光吸収によりレンズの温度が上昇したときのMTFカーブのグラフである。図12に示されるように、比較例2の投影光学系において、露光光吸収によりレンズの温度が上昇したときのMTFカーブは、基準状態に比べると若干光学性能が低下している。
すなわち、比較例2の投影光学系では、実施例と同じく屈折レンズの屈折率温度係数は同符号(負)である。そのため、露光光吸収などによりレンズ自身の温度が上昇するだけであれば、焦点位置の変動は相殺され、比較例2の光学系において光学性能が大幅に低下することはない。しかし、連続露光が継続する場合には、レンズの温度の上昇により、雰囲気温度、すなわち環境温度が上昇してしまう。このため、比較例2の場合、焦点距離1m以下の集光レンズに隣接する空気間隔が焦点距離の1割以上の箇所があるため、環境温度の変化で焦点位置の変動を焦点深度内に維持できず、光学性能が低下してしまう。
以上のように、本実施形態の投影光学系によれば、環境温度の変化および露光光吸収による光学素子の温度変化による焦点位置の変動を微小とすることができ、かつ焦点距離1m以下の集光レンズを採用することができるので投影光学系を小型化できる。これにより、小型な投影露光装置においても、環境温度変化の影響、光学素子の露光光の吸収による温度上昇による焦点位置の変動を抑え、1枚の基板に複数個所露光し、更に複数枚を連続して露光することができる。
10 投影露光装置
11 架台
12 基板ステージ
13 照明光学系
14 レクチルステージ
15 投影光学系
16 光源
19 屈折光学系
19C 集光パワーレンズ群
19D 発散パワーレンズ群
M0 凹面鏡(反射光学素子)
M1 第1平面鏡
M2 第2平面鏡
P 基板
R レクチル

Claims (5)

  1. 同一のレンズ群を往復で光線が通過する反射屈折型の投影光学系であって、
    前記レンズ群は、
    少なくとも1枚の発散パワーを有するレンズ含む複数のレンズにて構成され、合成焦点距離が0よりも大きい集光パワーレンズ群と、
    少なくとも1枚の発散パワーを有するレンズを含む複数のレンズにて構成され、前記集光パワーレンズ群と同符号の屈折率温度係数を有し、合成焦点距離が0よりも小さい発散パワーレンズ群とを備え、
    前記集光パワーレンズ群が、焦点距離が1m以下のレンズを含み、前記焦点距離が1m以下のレンズは、隣接するレンズと前記焦点距離の1割以下の空気間隔で離間し配置される
    ことを特徴とする投影光学系。
  2. 環境温度の変動および光の吸収によるレンズの温度変動によって生じる焦点位置の変動が、前記集光パワーレンズ群と前記発散パワーレンズ群において正負逆になることを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
  3. 請求項1または請求項2の何れか一項に記載の投影光学系を備え、物体面に描かれたパターンを基板に投影、露光する投影露光装置であって、
    前記物体に露光光を照射する照明光学系と、
    前記物体を透過した前記露光光を前記投影光学系に向けて偏向する第1平面鏡と、
    前記投影光学系からの前記露光光を前記基板に向けて偏向する第2平面鏡と
    を備えることを特徴とする投影露光装置。
  4. 前記投影光学系の反射光学素子と前記集光パワーレンズ群の間に、前記発散パワーレンズ群が配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の投影光学系。
  5. 前記レンズ群は前記集光パワーレンズ群と前記発散パワーレンズ群のみから構成されることを特徴とする請求項4に記載の投影光学系。
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