JP2004186564A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光装置は、投影光学系13の一方の側に配置され、転写パターンを有するレチクルRを保持するとともに位置合わせ用の基準プレートSPを具備したレチクルステージRSTと、他方の側に基準マークFMを具備したウエハステージWSTを有する。レチクルRと投影光学系13との間に、光学素子G1とレチクル保護用のペリクルが存在する。基準プレートSPと基準マークFMとを用いて位置合わせを行なう際には、基準プレートSPと投影光学系13との間に、光学素子G1とペリクルの厚みの和に等しい厚みを有する補正用光学素子G2を介在させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原版に形成されたパターンを投影光学系を介して感光性の基板上に露光する露光装置に関する。特に、露光装置の半導体回路素子や液晶表示素子などの回路デバイスを製造するリソグラフィ工程で使用される露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体素子、液晶表示素子または薄膜磁気ヘッド等をフォトリソグラフィー工程で製造する際には、フォトマスクまたはレチクル(以下レチクル)のパターンを感光性の基板ウエハ、ガラスプレート(以下ウエハ)上に転写する投影露光装置が提案されている。近年半導体素子等は益々パターンが微細化している。このような微細化を実現するためには、アライメント精度等の向上が必要である。そして、アライメント精度劣化要因の中では、パターン像の像歪み(ディストーション)の低減が重要となっている。
【0003】
ディストーションを低減するためには当然投影光学系の諸収差を低減する必要がある。そのため、従来の露光装置に搭載される投影光学系では、投影視野内の全体において諸収差およびディストーションが平均的に小さくなるような条件で光学設計されている。そして、諸収差およびディストーションを設計時の許容範囲内に収めるべく、高精度にレンズ素子や光学部材を加工し、諸収差を実際に測定し、例えば各レンズ間の空気間隔、レンズの傾き及び平行偏心などを調整するといった複雑で手間のかかる組立て、調整、検査を繰り返しながら投影光学系として組み上げていた。
【0004】
諸収差のうち特にディストーションに関しては、前述の調整方法で光軸に対して対称な成分或いは規則性のある非対称成分の調整が可能である。しかしながらいわゆるランダム成分に関しては前述の調整手段では調整できないという問題があった。そこで、このような高精度な投影光学系の製造上の難しさを少しでも緩和するための、またランダムな成分に関しても設計時の許容範囲内に収められるようにするための手法が、例えば、特許文献1に記載されている。この手法では、組み立てられた投影光学系の像歪み特性を実測し、その実測された像歪み特性が投影視野内の各点で最小になるように、投影視野内の各点を通る主光線を部分的に偏向するように研磨された光学補正板を投影光路内に挿入する。
【0005】
上記特許文献1は光学補正板を用いたスッテパーに関する補正方法を記載している。これに対して、走査型露光装置で光学補正板を用いた補正方法については、特許文献2に開示されている。特許文献2では、走査型投影露光装置によってマスク上のパターンを感光基板上に走査露光する際に、走査方向については投影領域内の幅に渡ってスタティックな像歪み特性が平均化されてダイナミックな像歪み特性になることに着目している。そして、そのダイナミックな像歪み特性のうちの少なくともランダムな成分についは、透明な平行平板(光学補正板)の表面を局所的に研磨加工した像歪み補正板を投影光路内に配置することで補正するものである。
【0006】
さて、半導体デバイス製造プロセスでは、レチクルなどに塵埃等の異物が付着し、ウエハ上に転写することを防止するため、レチクルの片面又は両面にペリクルが設けられる場合がある。
【0007】
このペリクルは、ペリクル膜(光線透過性防塵膜)がアルミニウムなどの保持枠によりレチクル表面から所定の間隔だけ隔離して保持されるように構成されている。このためレチクルのパターン面に形成された配線パターンをウエハ上に転写する際に、レチクルパターン面とペリクル膜表面とでは結像焦点距離が異なり、ペリクル膜上に異物が付着していても、ウエハ上に塵埃等の異物は転写されない。従って、ペリクルでレチクルのパターン面を覆えば、外部からの異物の侵入を防ぐとともに、半導体デバイス製造時の歩留りを向上させることができる。
【0008】
ペリクルに用いるペリクル膜は、膜強度、耐光性、及び露光光源波長における光透過性等が要求され、例えば、従来のg線(436nm)、i線(365nm)などの光に対するペリクル膜材としては、主にニトロセルロース、プロピオン酸セルロースなどのセルロース系材料が用いられている。
【0009】
一方、半導体デバイス製造プロセスでは、パターンの微細化による集積度向上のために、露光光源の短波長化が進められている。具体的には、現在、KrFエキシマレーザ(波長248nm)を露光光源とする製造工程が実現されており、ArFエキシマレーザ(波長193nm)を実露光光源とする製造工程も徐々に実現されつつあり、さらにより短波長の紫外線の使用が研究されている。このようなより短波長の紫外線として特にF2レーザ(波長157nm)が最有力視されている。
【0010】
これらの短波長光源に耐久性のあるペリクル膜材として、短波長の紫外域で比較的吸収の少ない含フッ素樹脂が知られており、例として、サイトップ(CYTOP、旭ガラス社製(商標))やテフロンAF(米国デュポン社製(商標))が挙げられる。
【0011】
しかし、これらの含フッ素樹脂は、KrFエキシマレーザ又はArFエキシマレーザを露光光源とする場合には、良好な光透過性及び耐光性を示すが、F2レーザを露光光源とする場合には、光透過性が充分ではなく、またレーザ照射により容易に劣化してしまい、ペリクルとして実使用に耐えないといった問題がある。このため、波長157nmでの光透過性が高く、耐光性に優れるとともに膜強度に優れ、露光光源がF2レーザであっても利用できるペリクルが、特許文献3に提案されている。特許文献3では、OH基の含有量が20ppm以下である合成石英ガラスの板をペリクル膜として用いることを特徴とするものである。特許文献3によれば、OH基の含有量を20ppm以下、好ましくは10ppm以下とすることで透過率のばらつき1%以下が達成できる。
【0012】
また、別の例として特許文献4がある。特許文献4では、耐光性に優れた200nm以下の紫外線用ペリクルおよびペリクルケースについて提案されており、ペリクル膜とペリクル保持枠を固定させるための接着層から発生する成分が、紫外線照射により芳香族化合物、ケトンまたは窒素化合物とならないように規定している。具体的な膜材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンポリマー、フロロシリコーンポリマーなどである。さらにCYTOP(商標)あるいはテフロンAF(商標)として市販されているフッ素樹脂を用いることも可能であることが開示されている。
【0013】
また、走査型露光装置の校正方法として、特許文献5が開示されている。特許文献5では、マスクステージ上にマスク基準プレートを配置し、そのマークとウエハステージ上のウエハ基準プレート上のマークとを顕微鏡で検出、相対位置計測する。この構成によれば、基準マスクがなくても、マスクとウエハの位置合わせを可能とすることができる。
【0014】
露光装置の投影光学系はレチクル側(物体側)及びウエハ側(像側)の双方がテレセントリックな系であることが望ましい。しかしながら投影光学系の瞳の球面収差を完全に取りきることは困難であるため、ウエハ側マークを観察する際の照明光束の主光線との角度が垂直からずれてしまうという問題がある。投影光学系を介してウエハ面上のアライメントマークを観察する際、投影光学系の光軸上、特定の位置(像高)だけのアライメントマークを観察するのであれば、その像高で照明光の主光線がウエハ面と垂直になるように設定すれば良い。しかしながら、例えばオフアクシスアライメントの為のベースライン計測を行う時、レチクルまたは基準プレート上のマーク配置等の理由で計測像高を移動したり、TTLオンアクシスアライメントをする為に観察像高を変えなければならない時がある。この場合、投影光学系に瞳の球面収差が残存していると、ウエハと照明光束の主光線との角度が垂直からずれてくる。ウエハへの観察光の入射角が傾いてしまったとき、+側あるいは−側にデフォーカスすると、入射角度の傾き分に対応してアライメントマーク位置計測値がずれてしまう。
【0015】
この問題に対して、本出願人は特許文献6に開示した方式を提案している。特許文献6では、観察光の主光線の光路を調整する補正光学系が設けられていることを特徴としている。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−203805号公報
【特許文献2】
特開平11−045842号公報
【特許文献3】
特開2001−305719号公報
【特許文献4】
特開平10−228099号公報
【特許文献5】
特開平10−27738号公報
【特許文献6】
特開平8−262747号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来のように、投影光学系の一部のレンズ素子を回転させたり、或いは光軸に対する偏心、傾斜を加えたりして収差特性を調整する場合は、それで必ず良好な収差特性(像歪み特性)が得られる保証がないといった問題がある。さらにそのような調整手法は、安定な精度を確保することも困難であり、調整作業も試行錯誤的な要素が強く、手間がかかるといった問題もある。そしてこの手法の何よりもの問題は、投影光学系の実効投影領域内の全体的な像歪み特性がある傾向になるように一様に調整、修正することはできても、実効投影領域内の局所的な像歪み特性のみを部分的に調整、修正することが困難なことである。
【0018】
そこで、走査型露光装置に対しては特許文献2に開示されているような方式で光学補正板を作成し、それを投影光路中に挿入すると、実効投影領域内の局所的な像歪み特性を容易に改善できることが予測される。
【0019】
露光光の短波長化、特に波長が200nm以下となるF2レーザ(波長157nm)等においては、従来のペリクル膜材は使用できないことが判明している。そこで、特許文献3に開示されているように、合成石英ガラスの板材を使用することで、露光光源がF2レーザであっても光透過性が高く、耐光性に優れるとともに膜強度に優れたペリクルが使用可能となっている。また、特許文献4では、耐光性に優れた200nm以下の紫外線用ペリクル膜材およびペリクルケースについての開示されている。
【0020】
以上のように、露光光がArFレーザやF2レーザといった短波長の場合、ペリクル材としては従来の膜材だけではなく、合成石英ガラス材の使用が増すことが予測される。合成石英ガラス材の場合、特許文献3の中でも開示されているように、従来の膜材よりも厚さが厚くなる。このためArFレーザあるいはF2レーザを光源とした露光装置の場合、従来の膜材をペリクルとして使用したレチクルと、合成石英ガラス材をペリクルとして使用したレチクルの両方に対応することが必要となる。
【0021】
しかしながら、膜材とガラス板材では厚さ寸法が異なるため、膜材を前提とした露光装置で、ペリクルにガラス材を使用したレチクルにより露光を行うと、ウエハ上に転写されるレチクルのパターン像は、ガラス材の厚さ分(厳密にはガラス材の屈折率による光路長の増加分)フォーカスがずれた状態で転写されてしまうという問題がある。
【0022】
また、ガラス板材の場合でもその厚さが全面で均一ではなく、部分的に異なるまたはレチクル(ペリクル)間で異なると同様の結果となってしまうという問題がある。
【0023】
また走査型露光装置では、特許文献5に開示されているように、レチクルステージ上にレチクル(マスク)基準プレートを配置し、そのマークとウエハステージ上のウエハ基準プレート上のマークとを顕微鏡で検出、相対位置計測することで、基準マスクがなくても、マスクとウエハの位置合わせが可能な構成としている。しかしながら、特許文献2の如く補正板を構成する場合、レチクル(マスク)基準プレート観察時に補正板の有無によるピント差が生じてしまい計測精度が低下してしまうという問題がある。さらにペリクル厚さが変更されることによっても同様な問題が発生してしまう。
【0024】
また、特許文献6に開示した方式により、投影光学系の瞳に球面収差が残存しても、観察光の主光線の光路を調整する補正光学系を用いることで解決可能である。しかしながら、精度の向上に伴い必要な調整精度も高くなり、調整機構が大型となってしまうという問題がある。
【0025】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ディストーションの発生要因であるレチクルパターン面面形状の影響あるいは、投影光学系に残存するランダムなディストーションを補正する光学素子を構成可能にするとともに、ArF、F2といった短波長の光源を使用した場合でも劣化の少ないペリクルを構成可能にすることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による露光装置は、
所定の結像特性を有する投影光学系と、
前記投影光学系の一方の側に配置され、マスク基板を保持するとともに基準プレートを具備したマスクステージと、
前記投影光学系の他方の側に配置され、ウエハを保持するとともに、基準マークを具備したウエハステージと、
前記マスク基板上のパターンを前記投影光学系を介して前記ウエハ上に転写する際、前記マスク基板と前記ウエハの結像関係に影響を及ぼす光学変調部材と、
前記マスク基板と前記ウエハの位置合わせを行なうために前記投影光学系を介する光路によって前記基準プレートと前記基準マークの位置を検出する際、該基準プレートと該基準マークの結像関係を、前記光学変調部材により影響を及ぼされた前記マスク基板と前記ウエハの結像関係に略一致させるための手段とを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、貼付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0028】
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態による投影露光装置の概略を示す。図1において、レチクルRは光源1と、照明光整形光学系2〜リレーレンズ8よりなる照明光学系とにより照明領域21が均一な照度で照明され、照明領域21内のレチクルRの回路パターン像が投影光学系13を介してウエハW上に転写される。光源1としては、F2エキシマレーザ、ArFエキシマレーザあるいはKrFエキシマレーザ等のエキシマレーザ光源、金属蒸気レーザ光源、又はYAGレーザの高調波発生装置等のパルス光源、又は水銀ランプと楕円反射鏡とを組み合わせた構成等の連続光源が使用できる。
【0029】
パルス光源の場合、露光のオン又はオフはパルス光源用の電源装置からの供給電力の制御により切り換えられ、連続光源の場合、露光のオン又はオフは照明光整形光学系2内のシャッタにより切り換えられる。但し、本実施形態では後述のように可動ブラインド(可変視野絞り)7が設けられているため、可動ブラインド7A,7Bの開閉によって露光のオン又はオフを切り換えてもよい。
【0030】
図1において、光源1からの照明光は、照明光整形光学系2により光束径が所定の大きさに設定されてフライアイレンズ3に達する。フライアイレンズ3の射出面には多数の2次光源が形成され、これら2次光源からの照明光は、コンデンサーレンズ4によって集光され、固定の視野絞り5を経て可動ブラインド(可変視野絞り)7に達する。図1では視野絞り5は可動ブラインド7よりもコンデンサーレンズ5側に配置されているが、その逆のリレーレンズ系8側へ配置しても構わない。
【0031】
視野絞り5には、矩形上の開口部が形成され、この視野絞り5を通過した光束は、リレーレンズ系8に入射する。リレーレンズ系8は可動ブラインド7とレチクルRのパターン形成面とを共役にするレンズ系であり、可動ブラインド7はX方向の幅を規定する2枚の羽根(遮光板)7A,7B及びY方向の幅を規定する2枚の羽根(不図示)より構成されている。X方向の幅を規定する羽根7A及び7Bはそれぞれ駆動部6A及び6Bにより独立にX方向に移動できるように支持され、不図示のY走査方向の幅を規定する2枚の羽もそれぞれ独立に駆動できるように支持されている。本実施形態では、固定の視野絞り5により設定されるレチクルR上の照明領域21内において、更に可動ブラインド7により設定される所望の露光領域内にのみ照明光が照射される。固定視野絞り5は構成せずに、可動ブラインド7のみの構成でもかまわない。
【0032】
レチクルRは、パターン面側にペリクルPを構成し、レチクルステージRSTに保持されている。レチクルステージRSTは干渉計22で位置を検出しレチクルステージ駆動部10により駆動される。レチクルステージRST上にはレチクル基準プレートSPが構成されている。レチクルRの下部には光学素子G1が保持されている。レチクル基準プレートSPの下部には補正光学素子G2が構成されている。光学素子G1の主たる役割はディストーション成分の補正である。レチクルRの上部には不図示のTTL検出系ASが構成されている。TTL検出系ASにより、レチクルR上のマークあるいはレチクル基準プレート上のマークがウエハステージWST上のマークとともに、投影光学系13を介して観察可能な構成となっている。
【0033】
照明領域21内で且つ可動ブラインド7により規定されたレチクルR上の回路パターンの像は、投影光学系13を介してウエハW上に投影露光される。
【0034】
レチクルステージ駆動部10及び可動ブラインド制御部11の動作を制御するのが、装置全体の動作を制御する主制御系12である。
【0035】
一方、ウエハWは不図示のウエハ搬送装置によりウエハステージWSTに保持され、ウエハステージWSTは、投影光学系13の光軸に垂直な面内でウエハWの位置決めを行うと共にウエハWをX、Y方向に可動するXYステージ、及びZ方向にウエハWの位置決めを行うZステージ等より構成されている。ウエハステージWST上には基準マークFMが構成されており、装置の校正時に使用される。ウエハステージWSTの位置は干渉計23により検出される。ウエハW上方には、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ16が構成されている。アライメントセンサ16により、ウエハ上のアライメントマークが検出され、制御部17により処理され、主制御系12に送られる。主制御系12は、ウエハステージ駆動部15を介してウエハステージWSTの位置決め動作及びステップ動作を制御する。これにより、ウエハW上のショット領域にレチクルRの回路パターン像が逐次転写される。また、アライメントセンサ16により前記基準マークFMを検出することにより所謂ベースライン計測が行われ、装置の校正が実施される。
【0036】
光学素子G1を用いたディストーションの補正については、ステッパーに関する補正方法が特許文献1(特開平8−203805号公報)に、走査型露光装置に関する補正方法が特許文献2(特開平11−045842号公報)にそれぞれ開示されており、周知であるのでここでは説明を省略する。
【0037】
図2にレチクルR、レチクルRのパターン面側に構成されたペリクルPおよび光学素子G1が構成されている部分を拡大して示す。図2はペリクル材料として合成石英ガラスの板材が使用された場合を示す。レチクルRには金属等の材質からなる枠に合成石英ガラスの板材から構成されるペリクルPが接着等により固定されている。ペリクルPのガラス板材の厚さ寸法をTp、光学素子G1の厚さ寸法をTg1で示している。
【0038】
一方、図3にはペリクル材料として有機ポリマー等の膜材が使用された場合を示す。ペリクルPは膜材であるが、説明のため、図3ではその厚さ寸法をTp’として示している。また、光学素子G1の厚さ寸法はTg1’で示している。補正光学素子G2の厚さ寸法はどちらの場合もTg2で同一とする。
【0039】
レチクルRから投影光学系13までの光路中に配置される光学部材の厚さ寸法に着目すると、図2の場合すなわち、ペリクル材料として合成石英ガラスの板材が使用された場合についてみると、光学部材の厚さ寸法の合計をT1とすると、
T1 = Tp + Tg1
となる。
【0040】
図3の場合すなわち、ペリクル材料として有機ポリマー等の膜材が使用された場合についてみると、光学部材の厚さ寸法の合計をT2とすると、
T2 = Tp’ + Tg1’
となる。
【0041】
この時、T1=T2となる様に光学素子G1の厚さ寸法Tg1、Tg1’を決定することにより、ペリクルPの厚さ寸法が変化しても、レチクルRのパターン像は、投影光学系13を介しフォーカスが合焦した状態でウエハWに転写されることになる。
【0042】
次に、図4を参照してTTL検出系ASの配置構成を説明する。図4はレチクルRの上方にTTL検出系ASを構成したものである。図4ではレチクル基準プレートSPを観察する状態について説明する。図1と同じ構成には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。光源は露光用光源と同一のものを使用する。不図示の照明光学系から分岐された照明光がファイバー67により検出系ASに導光される。本例ではファイバーにより導光したが、光学系により引きまわされて、導光される構成でもかまわない。導光された照明光は光学系66、ハーフミラー63、光学系62、ミラー61を介しレチクル基準プレートSP上のマークを照射する。レチクル基準プレートSP上のマークを照射した照明光は、補正光学素子G2、投影光学系13を介しウエハステージWST上に固定された基準マークFMを照射する。基準マークFM上には観察用マークが配置されており、マークからの反射光は再び投影光学系13、補正光学素子G2、レチクル基準プレートSPを経て、ミラー61、光学系62、ハーフミラー63、エレクタ光学系64を介しCCD65に結像される。
TTL検出系ASによりレチクル基準プレートSP上のマークとウエハステージ上の基準マークFMを観察する場合には、補正光学素子G2を介して観察することになる。この場合、T1=Tg2、T2=Tg2となるように補正光学素子G2の厚さ寸法を構成すれば、フォーカスが合焦した状態でマークを観察することが可能となる。
【0043】
さらにT1=T2=Tg2となるように構成することで、異なるレチクルRのパターン像をウエハWに転写する場合およびレチクル基準プレートSP上のマークと基準マークFM上のマーク、レチクル基準プレートSP上のマークとウエハ上のマークもしくはレチクルまたはレチクル基準プレートを介してウエハまたは基準マーク上のマークをTTL検出系ASにて観察する場合のいずれにおいてもフォーカスが合焦した状態となるように構成することが可能となる。
【0044】
本実施形態ではペリクルPが構成される場合について説明したが、ペリクルPが構成されない場合であってもペリクルPの厚さ寸法を0(Tp=0、Tp’=0)として、光学素子G1、補正光学素子G2の厚さ寸法を決定すれば同様の効果が得られるものである。また、厚さ寸法で説明したが、光学材料の屈折率を考慮し、光学的な光路長が同一になるようにしても同様の効果が得られるものである。
【0045】
以上説明したように、第1実施形態による露光装置は、所定の結像特性を有する投影光学系(13)と、投影光学系の一方の側に配置され、転写パターンを有するマスク基板(レチクルR)を保持するとともに装置の校正用またはウエハの位置合わせ用の基準プレート(レチクル基準プレートSP)を有するマスクステージ(レチクルステージRST)と、投影光学系の他方の側に配置され、転写パターンが転写されるウエハ(W)を保持するとともに、基準マーク(FM)を有するウエハステージ(WST)とを有し、転写パターンをウエハ上に転写する際には、マスク基板と投影光学系との間に、マスク基板からウエハまでの光路長に影響を及ぼす光学変調部材(光学素子G1、ペリクルP)が存在するように構成されている。すなわち光路変調部材(光学素子G1、ペリクルP)、投影光学系を介してマスク基板とウエハが結像関係、共役関係にある。そして、TTL検出系ASにて基準プレートと基準マークとを観察する際において、基準プレートと基準マークとの間の光路長を上記光学変調部材による影響を受けた光路長とを、補正光学素子G2の厚みを適切に選択することで略一致させている。すなわちTTL検出系ASにて基準プレートと基準マークを観察する場合に、補正光学素子G2の厚みを光学変調部材の厚みと等しくすることでフォーカスが合掌した状態で観察することが可能となる。
【0046】
なお、上記光学変調部材とは、投影光学系の結像特性、特に投影光学系を介してマスク基板とウエハが結像関係、共役関係となることに影響を及ぼす光学変調部材である。このような光学変調部材が構成されることで結像関係、共役関係が成立し、光学変調部材が変更あるいは構成されないと結像関係、共役関係が成立しなくなるのである。また、上記における、光路長を略一致させるための構成は、光学変調部材が構成されることで成立していたマスク基板とウエハの結像関係、共役関係を、当該光学変調部材を介さなくても基準プレートと基準マークの間で投影光学系を介して成立させるためのものである。
【0047】
例えば、光学変調部材を、マスク基板の保護用のペリクルと、投影光学系の収差を補正するための光学素子と、マスク基板の理想平面からのズレを補正するための光学素子(G1)の少なくともいずれかで構成した場合に、上記結像関係の一致のために、基準プレートと投影光学系との間に補正用光学素子(G2)を設け、この補正用光学素子の厚みを、ペリクルと光学素子の厚さの和に等しくする。または光学素子G1、ペリクル、補正光学素子G2の屈折率が異なる場合には、屈折率を考慮し、空気間隔に換算して補正光学素子とペリクル、光学素子の厚さの和が等しい寸法になるような補正光学素子の厚みとする。
【0048】
以上のような第1実施形態の構成によれば、レチクル基準プレートを構成しレチクル基準プレート上のマークもしくはレチクル基準プレートを介してウエハまたは基準マークを観察する場合でもフォーカスが合焦した状態を得ることができる。なお、第1の実施形態ではレチクル基準プレートは1つの構成で説明したが、複数構成されていてもかまわない。
【0049】
また、上記光学変調部材を、ペリクルと光学素子の厚みの和が一定となるように、ペリクルと光学素子の組み合わせを決定して用いれば、ペリクルの使用材料による厚さの変更にも対応できることになる。すなわち、ペリクルの厚みに関する自由度が高くなるので、ディストーションの発生要因であるレチクルパターン面面形状の影響あるいは、投影光学系に残存するランダムなディストーションを補正する光学素子と、ArF、F2といった短波長の光源を使用した場合でも劣化の少ないペリクルを用いることが可能となる。この結果、塵埃等による転写誤差の発生を防止できる。
【0050】
〔第2実施形態〕
次に第2の実施形態について図5及び図6を参照して説明する。
【0051】
図5は走査方向に直交する方向の断面図を示した図である。図1との違いは、補正光学素子G2が非球面形状に加工されている点である。図1と同じ部分、説明に使用しない部分は説明および図示を省略する。
【0052】
また、図6に第2の実施形態の形態で、補正光学素子G2が非球面加工されていない状態を示す。レチクル基準プレートSP上の3点SP1〜SP3をTTL検出系ASにて観察する場合の主光線を示している。図中13aは開口絞りであり、投影光学系13の瞳位置である。図6に示す如く投影光学系13の瞳に球面収差が残存していると、ウエハ側で本来投影光学系13の光軸と平行になるはずの各主光線が像高毎に傾きを持ってしまう。この状態でウエハ側のフォーカス方向の位置がずれると、ウエハ上での観察位置がずれ、位置計測時の誤差になってしまう。
【0053】
図5に戻ると、SP1〜SP3を観察する時の各主光線は補正光学素子G2に入射すると、その表面形状により角度が変化する。この角度が投影光学系13の瞳での球面収差の残存量に対応していればウエハ側ではテレセンシティが確保され、ウエハ側のフォーカス方向の位置がずれた場合でも観察位置がずれることは無く、位置計測時の誤差は低減されることになる。各像高においてテレセンシティを確保するためには、補正光学素子G2の表面形状が各像高毎に球面収差に対応した角度となるように形成されればよい。たとえば非球面形状であってもいいし、部分的に加工が行われていてもかまわない。
【0054】
第2の実施形態ではレチクル基準プレートは1つの構成で説明したが、複数構成されていてもかまわない。この場合、補正光学素子G2は各基準プレートに対応して構成されればよい。
【0055】
また、光学素子G1はレチクルステージRSTに保持されレチクルRとともに走査される構成で説明したが、固定部に配置され、レチクルRとともの走査されない場合は、レチクル基準プレートSP上のマーク観察時、露光時ともに光学素子G1が光路上に構成される。このため、レチクル基準プレートSPの下部にはペリクルの厚さ寸法に対応した補正光学素子G2が構成されれば同様な効果が得られるものである。
【0056】
さらに、光学素子G1、補正光学素子G2はそれぞれ1枚の構成で説明したが複数枚の構成であってもかまわない。また、投影光学系13は屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系あるいはレンズと凹面鏡を用いたカタディオプトリック光学系であってもかまわない。
【0057】
以上のように、第2実施形態によれば、補正光学素子(G1)は、投影光学系(13)の瞳位置での収差を補正するように部分的に加工された形状、或いは非球面に形成される。このため、レチクル基準プレートを用いて装置の校正を行う場合、投影光学系の瞳位置に球面収差が残存していても、レチクル基準プレート上の各像高においてテレセンシティーが確保されているため、ウエハ側でのフォーカスずれが発生した場合でも位置計測精度の劣化が防止できる。
【0058】
〔第3実施形態〕
次に第3の実施形態について図7、図8A〜Cを用いて説明する。図1〜6で示した構成と同一のものについては説明を省略する。
【0059】
第1の実施形態では、TTL検出系ASにてレチクル基準プレートSPと基準マークFMを観察する場合に、レチクル基準プレートSPの下部に補正光学素子G2を構成することでフォーカスを合焦した状態でマークを観察することが可能となった。第3の実施形態では、レチクル基準プレートSPの位置をレチクルRのパターン面よりも投影光学系13の光軸方向にずらして配置することで、レチクル基準プレートSPと基準マークFMをフォーカスが合焦した状態で観察することが可能になるようにしたものである。この時のレチクル基準プレートSPのずらす量は、光学素子G1の厚さ寸法に対応した量とする。図7と図4の主たる違いは、補正光学素子G2の有無と、レチクル基準プレートSPの配置位置についてである。
【0060】
図8Aは、図7に示したレチクルステージRSTの拡大部を示す。レチクルRのパターン面と基準プレートSPのパターン面の距離をTsp、光学素子G1の屈折率をNg1、厚さ寸法をTg1とすると、Tspは、
Tsp = Tg1 * (1 − 1/Ng1)
となる。
【0061】
これは光学素子G1が構成された場合の投影光学系13の物体面と、光学素子G1が構成されない場合の投影光学系13の物体面の差に等しい量である。このように、基準プレートSPのパターン面をレチクルRのパターン面からTspだけ投影光学系13側にずらして配置することで、ウエハステージWSTG上の結像位置が光学素子G1の有無にかかわらず同一とすることが可能となる。
【0062】
なお、図2、図3の如くペリクルが構成される場合を図8B,8Cに示す。図8Bにおいて、ペリクルPの厚みをTp、屈折率をNpとするとTspは、
Tsp = Tp * (1 − 1/Np) + Tg1 * (1 − 1/Ng1)
となる。同様に、図8Cにおいて、ペリクルの厚みをTp’、屈折率をNpとすると、Tsp’は、
Tsp’ = Tp’ * (1− 1/Np) + Tg1’ * (1 − 1/Ng1)
となる。
【0063】
また、図8B、図8Cにおいて、ペリクルPのみ構成される場合あるいは、光学素子G1がレチクルステージRSTに保持されない場合にはペルクルPの厚さ寸法のみを考慮すればよいので、
Tsp = Tp * (1 − 1/Np)
Tsp’ = Tp’ * (1 − 1/Np)
となる。
【0064】
以上のように、第3実施形態によれば、光路長を一致させる(結像関係、共役関係を一致させる)ための手段として、投影光学系(13)に対するマスク基板(レチクルR)の面位置と投影光学系に対する基準プレート(SP)の面位置に、投影光学系の光軸方向に所定の差を設ける。(投影光学系の光軸方向の位置に所定の差を設ける)より具体的には、光学変調部材として、マスク基板の保護用のペリクルと、投影光学系の収差またはマスク基板の理想平面からのズレを補正するための光学素子の少なくともいずれかが用いられ、ペリクルの厚さをTp、屈折率をNpとし、光学素子の厚さをTg、屈折率をNgとした場合に、上記所定の差Tspは、
Tsp = Tp * (1−1/Np) + Tg * (1−1/Ng)
で表される(ここで、ペリクルが存在しない場合はTp=0とし、光学素子が存在しない場合はTg=0とすればよい)。
【0065】
第3実施形態の構成によれば、補正用光学素子が不要となり、構成が簡素化される。
【0066】
〔第4実施形態〕
次に第4の実施形態について図9、図10を用いて説明する。図1〜8で示した構成と同一のものについては説明を省略する。
【0067】
第3実施形態では、TTL検出系ASにてレチクル基準プレートSPと基準マークFMを観察する場合に、レチクル基準プレートSPの配置位置をずらすことでフォーカスを合焦した状態でマークを観察することが可能となった。第4実施形態では、レチクル基準プレートSPの位置はレチクルRのパターン面と同一もしくはほぼ同一の位置に構成し、ウエハステージWSTGの投影光学系13の光軸方向のストロークを従来よりも拡大し、投影光学系13側に近づけることで、レチクル基準プレートSPと基準マークFMをフォーカスが合焦した状態で観察することが可能になるようにしたものである。この時のウエハステージWSTGの位置は、光学素子G1の厚さ寸法に対応した量とするものである。
【0068】
図7と図9の主たる違いは、レチクル基準プレートSPの配置位置についてである。また、図4と図9との主たる違いは補正光学素子G2の有無についてである。図10にウエハステージWSTGの拡大部を示す。光学素子G1、投影光学系13を介した結像位置をTwg、レチクル基準プレートSP、投影光学系13を介した結像位置をTwps、投影光学系13の結像倍率をβとすると、基準マークFMの投影光学系の光軸方向の位置の差分量Twps − Twgは、
Twps − Twg = (Tg1 * (1 − 1/Ng1)) / β2
となる。
【0069】
ウエハステージWSTGを投影光学系13の光軸方向に駆動し、基準マークFMをTwspの位置に移動することで、TTL検出系ASにてレチクル基準プレートSPと基準マークFMを観察する場合に、フォーカスを合焦した状態でマークを観察することが可能となる。
【0070】
図2、図3の如くペリクルが構成される場合には、ペリクルPの厚みをそれぞれTp、Tp’とし、屈折率をNpとすると、基準マークFMの投影光学系の光軸方向の位置の差分量Twps − Twgは、
Twps − Twg = (Tp * (1 − 1/Np))/β2 + (Tg1 * (1 − 1/Ng1))/β2
Twps − Twg = (Tp’ * (1 − 1/Np))/β2 + (Tg1’ * (1 − 1/Ng1))/β2
となる。
【0071】
また、ペリクルPのみ構成される場合あるいは、光学素子G1がレチクルステージRSTに保持されない場合すなわち、TTL検出系ASにて観察する場合に、レチクル基準プレートSP、光学素子G1、投影光学系13を介して基準マークFMを観察する場合には、ペルクルPの厚さ寸法Tp、Tp’のみを考慮すればよいので
Twps − Twg = (Tp * (1 − 1/Np))/β2
Twps − Twg = (Tp’ * (1 − 1/Np))/β2
となる。
【0072】
なお、第1、2の実施形態と同様に第3、4の実施形態においても、レチクル基準プレートは1ケの構成で説したが、複数構成されていてもかまわない。
【0073】
さらに、光学素子G1は1枚の構成で説明したが複数枚の構成であってもかまわない。また、投影光学系13は屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系あるいはレンズと凹面鏡を用いたカタディオプトリック光学系であってもかまわない。
【0074】
以上のように第4実施形態によれば、上記の光路長を一致させる(結像関係、共役関係を一致させる)ための手段として、投影光学系(13)に対するウエハの面位置と投影光学系に対する基準マーク(FM)の面位置(投影光学系の光軸方向の位置)との間に、投影光学系の光軸方向に所定の差を設ける。例えば、そのような所定の差は、TTL検出系ASにて基準プレートと基準マークもしくは基準プレートを介して基準マークを観察する際(装置の校正を行なう際)に、ウエハステージ(WST)を光軸方向へ駆動することにより発生させることができる。或いは、基準マーク(FM)の高さをウエハ面の高さとは異なるように設けてもよい。
【0075】
また、より具体的には、光学変調部材が、マスク基板の保護用のペリクルと、投影光学系の収差を補正するための光学素子と、マスク基板の理想平面からのズレを補正するための光学素子の少なくともいずれかで構成されている構成において、上記所定の差(Twps − Twg)は、ペリクルの厚さをTp、屈折率をNpとし、上記光学素子の厚さをTg、屈折率をNg、上記投影光学系の結像倍率をβとした場合に、
Twps − Twg = Tp * (1−1/Np) / β2 + Tg * (1−1/Ng) / β2
である(ここで、ペリクルが存在しない場合はTp=0とし、光学素子が存在しない場合はTg=0とすればよい)。
【0076】
以上のような第4実施形態によれば、補正用光学素子が不要となり、構成が簡素化される。
【0077】
以上説明したように、上述した各実施形態によれば、ディストーションの発生要因であるレチクルパターン面の面形状の影響あるいは、投影光学系に残存するランダムなディストーションを補正する光学素子を構成可能であるとともに、ArF、F2といった短波長の光源を使用した場合でも劣化の少ないペリクルを構成することが可能となり、塵埃等による転写誤差の発生を防止できる。
【0078】
また、ペリクルの使用材料による厚さの変更にも対応できるとともに、レチクル基準プレートを構成しレチクル基準プレート上のマークもしくはレチクル基準プレートを介して基準マークまたはウエハを観察する場合でもフォーカスが合掌した状態が構成できる。
【0079】
また、レチクル基準プレートを用いて装置の校正を行う場合、投影光学系の瞳に球面収差が残存していても、レチクル基準プレート上の各像高においてテレセンシティーが確保されているため、ウエハ側でのフォーカスずれが発生した場合でも位置計測精度の劣化が防止できる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ディストーションの発生要因であるレチクルパターン面の面形状の影響あるいは、投影光学系に残存するランダムなディストーションを補正する光学素子を構成可能であるとともに、ArF、F2といった短波長の光源を使用した場合でも劣化の少ないペリクルを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による露光装置を説明する図である。
【図2】図1のレチクルステージ部分を拡大して示す図である。
【図3】図1のレチクルステージ部分を拡大して示す図である。
【図4】図1の露光装置におけるTTL検出系を説明する図である。
【図5】第2実施形態の露光装置における補正光学素子の効果を説明する図である。
【図6】第2実施形態による補正光学素子を用いない場合の光線経路を説明する図である。
【図7】第3実施形態による露光装置を説明する図である。
【図8A】図3のレチクルステージ部分を拡大して示す図である。
【図8B】図3のレチクルステージ部分を拡大して示す図である。
【図8C】図3のレチクルステージ部分を拡大して示す図である。
【図9】第4実施形態による露光装置を説明する図である。
【図10】図9の露光装置におけるウエハステージ部分の拡大図である。
Claims (1)
- 所定の結像特性を有する投影光学系と、
前記投影光学系の一方の側に配置され、マスク基板を保持するとともに基準プレートを具備したマスクステージと、
前記投影光学系の他方の側に配置され、ウエハを保持するとともに、基準マークを具備したウエハステージと、
前記マスク基板上のパターンを前記投影光学系を介して前記ウエハ上に転写する際、前記マスク基板と前記ウエハの結像関係に影響を及ぼす光学変調部材と、
前記マスク基板と前記ウエハの位置合わせを行なうために前記投影光学系を介する光路によって前記基準プレートと前記基準マークの位置を検出する際、該基準プレートと該基準マークの結像関係を、前記光学変調部材により影響を及ぼされた前記マスク基板と前記ウエハの結像関係に略一致させるための手段を備えることを特徴とする露光装置。
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