JP5953656B2 - 照明光学装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学装置、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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本発明は照明光学装置、露光装置及びデバイス製造方法に関するものである。
半導体素子や液晶表示装置等の各種デバイスを製造するためのリソグラフィ工程において、レチクル又はフォトマスクに形成されたデバイス用の回路パターンに露光光を照射し、感光性材料(レジスト)が塗布された基板(ウエハ又はガラスプレート等)に露光する露光装置が使用されている。この露光装置の一例として、一括露光型の投影露光装置や、走査露光型の投影露光装置が知られている。
近年、デバイスの集積度を向上するために、より高精細な回路パターンを基板に形成する露光技術が求められている。この回路パターンを高精細化する手段の一つとして、より波長の短い露光光を用いた投影露光装置の開発が進められている。その一例として、波長5nm〜20nmの極端紫外領域(EUV:Extreme Ultra-Violet)の光を露光光として用いたEUV露光装置がある。このEUV露光装置では、EUV光を発生させるために錫(Sn)等のEUV発光物質を供給する供給部と、EUV発光物質をプラズマ化する炭酸(CO)レーザー等の励起光源とを備えるEUV光源装置を使用している。
このEUV光源装置は、露光に用いるEUV光以外にも、露光に寄与しない波長領域の光(以下、非露光光という)を射出している。そこで、これらの非露光光から分離してEUV光を用いるために、例えば、オプティカルインテグレーターとマスクとの間に、SiO又はCの層を有する励起光反射防止膜を有する平面反射鏡が使用されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−88237号公報
しかしながら、このような反射鏡では、例えば、波長200nm〜300nmの非露光光の一部がマスクやミラー等の光学部材に到達してしまい、光学部材が熱変形してしまっていた。このため、マスク等の被照射面へ到達する非露光光の割合をさらに低減することが要請されていた。
本発明の態様は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、マスク等の被照射面へ到達する非露光光の割合を小さくすることができ照明光学装置、露光装置及びデバイス製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図9に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の態様は、光源(12)からの光を用いてマスク(R)の被照射面(Ra)を照明する照明光学装置(14)において、前記光源(12)から射出され光(IL)を分割する複数の第1ミラー要素(35)を有する第1フライアイ光学部材(21)と、前記第1フライアイ光学部材(21)で分割された前光(IL)を反射する複数の第2ミラー要素(41)を有する第2フライアイ光学部材(22)と、所定方向に延びた形状を有し前記被照射面に照明領域を形成する開口部(27a)と前記開口部(27a)の周囲に設けられた遮光部(28)とを有する開口部材(26)とを備え、前記第1ミラー要素(35)及び前記第2ミラー要素(41)の少なくとも一方は、前光(IL)に含まれる第1波長領域の光が前記開口部(27a)を通過するように第1の方向に反射す反射部(45)を有し、前記反射部(45)は、前記第1波長領域と異なる前記第2波長領域の光を前記所定方向と交差する第2の方向に回折させて前記遮光部(28)に入射させる回折格子(45)を備えることを要旨とする。
尚、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明を具体化した一実施形態の露光装置の概略図。 同露光装置に備えられる照明領域規定部材であって、(a)は固定ブラインドの平面図、(b)は可動ブラインドの平面図。 同露光装置に備えられる入射側フライアイミラーの平面図。 同露光装置に備えられる射出側フライアイミラーの平面図。 各フライアイミラーの対応関係を示す模式図。 射出側フライアイミラーに形成された回折格子の要部を示す斜視図。 回折格子から射出される回折光の光路差を説明する模式図であって、(a)は回折格子に照明光が垂直に入射した状態、(b)は斜めに入射した状態を示す。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
以下に、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図9に従って説明する。
まず露光装置11の全体構成について図1に従って説明する。本実施形態の露光装置11は、波長が5nm〜20nmの極端紫外光、即ち第1波長領域としてのEUV波長領域を含む光を露光光として用いるEUV露光装置である。露光装置11は、内部が真空雰囲気に調整されるチャンバ13内に設置され、EUV光源装置12と、照明光学装置としての照明光学系14と、レチクルR(マスク)を保持し走査露光システムを構成するレチクルステージRSとを備えている。さらに露光装置11は、レジスト等の感光性材料が塗布された、パターンを投影する物体としてのウエハWを照射する投影光学装置としての投影光学系16と、ウエハWを保持し走査露光システムを構成するウエハステージWSとを備えている。尚、本実施形態では、投影光学系の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向を+Y軸方向及び−Y軸方向とし、その走査方向に直交する非走査方向をX軸方向として説明する。
EUV光源装置12は、EUV光を露光光として出力する装置である。本実施形態では、EUV光源装置12は、Sn(錫)等のEUV発光物質を供給する供給部と、EUV発光物質をプラズマ化する炭酸ガス(CO)レーザー光源(励起光源)と、発生したEUV光を集光するための集光光学系と、プラズマ生成を開始するトリガーとして用いる予備光源等を有している。炭酸ガスレーザーは、波長10.6μmの赤外レーザー光を出力する。
そして、供給部から供給された高密度のEUV発光物質に、炭酸ガスレーザー光源から出力されたレーザー光を照射して、EUV発光物質を励起してプラズマを生成する。EUV発光物質のプラズマからは、EUV光が放射され、集光光学系により照明光ILとして照明光学系14に導かれる。この照明光ILには、EUV光源装置12から射出される段階においてEUV波長領域の露光光だけでなく、露光に用いることがない波長領域(第2波長領域)の非露光光も含まれる。非露光光としては、例えば、10.6μm等の紫外域から赤外域の波長領域の光である。この照明光ILは、集光光学系によって集光されてEUV光と同軸にチャンバ13内に出力される。
照明光学系14は、内部が真空雰囲気に調整される筐体18を備えている。この筐体18内には、EUV光源装置12から射出された照明光ILを集光するコリメートミラー19が設けられている。コリメートミラー19は、その入射面に入射した照明光ILを略平行な光束に変換して、オプティカルインテグレーターの一種である、光学ユニットとしてのフライアイ光学系20に向けて射出する。
フライアイ光学系20は、一対のフライアイミラー21,22を備えている。照明光ILの入射側に配置される第1フライアイ光学部材としての入射側フライアイミラー21は、レチクルRのパターン形成面Ra(被照射面)に光学的に共役となる位置又はその近傍に配置され、入射光の光束を分割する。入射側フライアイミラー21で反射された照明光ILは、第2フライアイ光学部材としての射出側フライアイミラー22に入射する。射出側フライアイミラー22は、投影光学系16の瞳位置と光学的に共役となる位置又はその近傍に配置され、入射側フライアイミラー21から射出された光を反射する。
また、照明光学系14には、射出側フライアイミラー22から射出された照明光ILを筐体18外へ射出するコンデンサミラー23が設けられている。コンデンサミラー23から射出された照明光ILは、反射ミラー24により、レチクルステージRSに保持されたレチクルRに導かれる。上記した各ミラー19〜24は、照明光ILの大部分を反射する一方で、僅かな照明光ILを吸収するため、照明光ILの吸収に伴い発生する熱エネルギーを吸収するための冷却装置(図示略)をそれぞれ備えている。
レチクルステージRSは、投影光学系16の物体面側に配置されており、レチクルRを静電吸着するための第1保持装置25を備えている。レチクルステージRSは、図示しない駆動部の駆動によって、+Y軸方向及び−Y軸方向に移動可能である。また、上記駆動部は、レチクルステージRSの位置を、図中+X軸方向及び−X軸方向、+Z軸方向及び−Z軸方向及びZ軸を中心とした回転方向に微量調整することができる。
また、第1保持装置25に保持されたレチクルRのパターン形成面Raの近傍には、レチクルR上の照明領域を規定するための照明領域規定部材26が設けられている。照明領域規定部材26は、第1規定部材としての固定ブラインド27と、遮光部材及び第2規定部材としての可動ブラインド28とを備えている。固定ブラインド27は、可動ブラインド28よりも、レチクルR側に配置され、可動ブラインド28は、固定ブラインド27の近傍であって、固定ブラインド27と照明光学系14との間に配置されている。固定ブラインド27及び可動ブラインド28は、略板状に形成され、その照明光学系14側の側面が互いに略平行になるように配設されている。
図2(a)に示すように、固定ブラインド27は、平板状且つ矩形状に形成され、その長手方向が、第3の方向としてのY軸方向と平行となるように配設されている。また、固定ブラインド27の中央には、細長状且つ円弧状に形成された開口27a(スリット)が貫通形成されている。開口27aは、第4の方向としてのX軸方向に延びるように形成されている。この開口27aを介して、レチクルRに照明光ILを照射することによって、レチクルRに照射される照明領域IAが規定される。この固定ブラインド27は、使用されるレチクルの寸法によらず通常同一のものが使用される。また、固定ブラインド27の照明光ILの入射側の側面には、反射防止膜27bが設けられている。
この反射防止膜27bは、非露光光、例えば、10.6μmの波長領域の光を吸収可能な膜である。さらに、固定ブラインド27には、冷却部(図示略)が設けられており、冷却部は、非露光光を吸収することで加熱された固定ブラインド27を冷却することで、固定ブラインド27の熱変形を抑制する。
図2(b)に示すように、可動ブラインド28は、駆動部(図示略)により非走査方向(走査方向に直交するX方向)に移動する2枚のブラインド部材28A、28Bから構成される。各ブラインド部材28A,28Bは、平板状且つ矩形状に形成され、その長手方向が、X軸方向に平行となるように配設されている。また、各ブラインド部材28A,28Bは、そのX軸方向における幅が、固定ブラインド27のX軸方向における幅よりも長くなっている。
また、ブラインド部材28A,28Bのうち、照明光ILの入射側の側面には、反射防止膜29が設けられている。この反射防止膜29は、非露光光、例えば、10.6μmの波長領域の光を吸収可能な膜である。さらに、各ブラインド部材28A,28Bには、これらを冷却するための冷却部(図示略)が設けられており、各冷却部は、非露光光を吸収することで加熱された各ブラインド部材28A,28Bをそれぞれ冷却することで、各ブラインド部材28A,28Bの熱変形を抑制する。
このブラインド部材28A,28Bを駆動する駆動部は、レチクルR上に形成する照明領域IAの幅(X方向における長さ)に応じてストローク量を可変とし、照明領域IAを狭くする必要がある場合はブラインド部材28A,28Bを接近させるように駆動し、照明領域IAを広くする必要がある場合には離間させるように駆動する。また、各ブラインド部材28A,28Bは、照明光学系14から射出されたEUV光を入射可能な相対位置にそれぞれ調整されている。なお、固定ブラインド27、ブラインド部材28A、28Bの照明光ILの入射側の側面には、非露光光に対して反射率の高い高反射膜が形成されていても良い。そして固定ブラインド27の高反射膜で反射された非露光光を、露光装置のその他の部分で吸収するように構成しても良い。また、固定ブラインド27、ブラインド部材28A、28Bは、複数の部分ブラインドを用いて構成しても良い。
さらに図1に示すように、投影光学系16は、内部が真空雰囲気に調整される鏡筒PLを備えている。この鏡筒PL内には、複数枚の反射型のミラーM1〜M6が配設されている。そして、レチクルR側から導かれた光は、第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3、第4ミラーM4、第5ミラーM5、第6ミラーM6の順に反射され、ウエハステージWSに保持されるウエハWに導かれる。各ミラーM1〜M6の反射面には、レチクルR側から射出された光を反射する反射層がそれぞれ形成されている。反射層は、EUV光の反射率を高めるために、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜から構成されている。
ウエハステージWSは、ウエハWを静電吸着する静電チャック30と、ウエハWを+Y軸方向及び−Y軸方向に所定ストロークで移動させるウエハステージ駆動部とを備えている。さらに、このウエハステージ駆動部は、ウエハステージWSの位置を、+X軸方向及び−X軸方向と、+Z軸方向及び−Z軸方向とに微量調整可能となっている。そして、投影光学系16から射出された照明光ILが、ウエハWの表面Waを照射することにより、ウエハWには、レチクルRに形成されたパターンを所定倍率に縮小したパターンの像が投影される。
次に、照明光学系14に備えられるフライアイミラー21,22について詳述する。図3に示すように、入射側フライアイミラー21は、インバー等の低熱膨張鋼又は合金製の厚板から構成される入射側設置台31を備えている。入射側設置台31は、平面度が高くなるように研磨等の加工が施された入射側設置面31aを有している。この入射側設置面31aには、略円弧状のミラー面35aを備えた第1ミラー要素としての入射側ミラー要素35が複数配設されている。入射側ミラー要素35のミラー面35aには、反射膜が成膜されている。
同一方向に並べられた入射側ミラー要素35は一つのミラー列35Lをなし、このミラー列35Lが、入射側ミラー要素35が並べられた方向と直交する方向に、複数列設けられている。この入射側フライアイミラー21に入射した照明光ILは、入射側ミラー要素35のミラー面35aによって分割される。そして、分割された多数の光束は、射出側フライアイミラー22に入射する。
図4に示すように、射出側フライアイミラー22は、インバー等の低熱膨張鋼又は合金製の厚板から構成される射出側設置台40を備えている。射出側設置台40は、平面度が高くなるように研磨等の加工が施された射出側設置面40aを有している。この射出側設置面40aには、第2ミラー要素としての複数の射出側ミラー要素41が2次元的に配置されている。射出側ミラー要素41は、平面視略矩形状をなし、その表面に、反射膜が成膜されたミラー面41aを有している。
図5に示すように、射出側ミラー要素41のミラー面41aには、それらのミラー面41aに各々対応する入射側ミラー要素35のミラー面35aから射出された光束がそれぞれ入射する。即ち、射出側フライアイミラー22上あるいはその近傍には、多数の光源像(二次光源)が形成される。そして、射出側フライアイミラー22から射出された多数の光束が、レチクルRのパターン形成面Ra上で重複されることにより、レチクルR上での照度均一性が確保される。
この射出側ミラー要素41のミラー面41aには、図6に示すように、反射型の回折格子45が形成されている。尚、図6では、回折格子45の一部を示している。この回折格子45は、射出側ミラー要素41に溝(格子線)を同一方向に沿って等間隔に刻線あるいはパターンニングすることにより形成された凹部45aと、凹部45aの間に設けられた凸部45bとを備えている。即ち、凹部45a(格子線)は、繰り返し周期が等しくなっている。また、凸部45b及び凹部45aを構成する射出側ミラー要素41の表面は、EUV光の反射率を高めるために、0.2nmrms以下の表面粗さに研磨されている。さらに、その射出側ミラー要素41の表面には、モリブデン(Mo)及びシリコン(Si)との多層膜から構成される反射膜51が成膜されている。即ち、各凸部45bの表面及び凹部45aの表面の両方に反射膜51がコーティングされているので、EUV光に対する反射率が、通常のミラーと同程度となる。
また、回折格子45は、凹部45aの反射膜51の上面から反射膜51をも含めた凸部45bの上面までの高さh(溝の深さ)が、非露光光の波長λ1(非露光波長)の1/4波長分の高さ(λ1/4)となるように形成されている。本実施形態では、一例として、照明光ILに含まれるEUV波長領域を除く非露光波長領域のうち、炭酸ガスレーザーから出力される赤外レーザー光の10.6μmを非露光波長λ1としている。また、凹部45aの幅W1と凸部45bの幅W1とは、同じ幅に形成され、その表面積は同一となっている。さらに、各凹部45aは、隣接する凹部45aとの間隔(格子定数d)が、射出側フライアイミラー22に入射する光の入射角αに基づき、「λ1/(2sinα)」、又は「(2m+1)λ1/(2sinα)」となるように形成されている(mは1以上の自然数)。この入射角αは、入射側フライアイミラー21に入射する光が、コリメートミラー19によって略平行に変換されていることから場所によらずにほぼ一定の値となっている。尚、回折格子の入射光が回折格子に対して斜めに入射する場合、回折格子45の高さhは、入射光の入射角αを考慮して設定される。また、コリメートミラー19を介さずに、発散光又は集光光が回折格子45に入射する場合は、発散光の発散角度または集光光の集光角度を考慮して隣接する凹部45aとの間隔を設定すればよい。
この回折格子45は、射出側ミラー要素41に入射した入射光を、その波長に応じて異なる角度で回折する。また回折格子45は、該回折格子45によって回折されたn次回折光(nは0以外の整数)の照明領域規定部材26上の到達位置が、0次回折光の到達位置よりも、レチクルRの走査方向(+Y軸方向及び−Y軸方向)、即ち開口27aの短手方向にずらすような向きで格子が形成されている。なお、回折格子45の向きはこれに限らず、該回折格子45によって回折されたn次回折光の照明領域規定部材26上の到達位置が、レチクルRの非走査方向(+X軸方向及び−X軸方向に対応する方向、即ち開口27aの長手方向と平行な方向)やレチクルRの走査方向に対して所定の傾き角を有する方向にずれるように、凹部45a(溝)を形成しても良い。また、回折格子45はミラー要素41の全面に形成されている必要はなく、少なくとも非露光光が照射される領域に形成されていれば良い。また、非露光光が照射されている領域以外の領域に回折格子が形成される場合、その回折格子の溝の深さや間隔はどのようなものでもよい。このような回折格子は、機械加工やリソグラフィなどの手法により加工することが可能である。回折格子は図6に示すような断面構造が矩形状のラミナー型の回折格子が加工しやすい。
次に、回折格子45の作用について図7に従って説明する。射出側フライアイミラー22に、EUV波長領域の光と非露光波長λ1の光とを含む照明光ILが入射すると、その照明光ILは、回折格子45によって波長分離される。このとき、入射光の角度をα、回折光の角度をβとすると、その入射光は以下の式(1)に従って回折される。尚、dは、凹部45aの間隔(格子線の間隔を示す格子定数)、λは入射光の波長、nは回折光の次数を示す(n=0、±1、±2・・・)。
d・(sinα+sinβ)=nλ ・・・(1)
0次回折光、即ち次数nが0である場合は、波長の大きさに関わらず入射角αと同じ角度で回折する。この0次回折光のうち、図7(a)に示すように、凹部45a及び凸部45bの上面に垂直に入射した0次回折光DL0がある場合、凹部45aに垂直に入射する0次回折光DL0(図中左側)と、凸部45bに垂直に入射する0次回折光DL0(図中右側)との光路差は、凹部45aの上面から凸部45bの上面までの高さhの2倍である、「2h」となる。上記したように高さhは、非露光波長λ1の1/4波長分の長さであるため、上記光路差は、非露光波長λ1の半分である、λ1/2となる。
従って、非露光波長λ1の波長を有する光であって、凹部45aに垂直に入射した0次回折光と、凸部45bに垂直に入射した0次回折光との位相差はλ1/2、即ち180度になるため、非露光光の0次回折光は互いに打ち消しあい、非露光光の強度は0になる。光路差はλ1/2の奇数倍であっても打ち消しあうので、高さhは、上記光路差がλ1/2の奇数倍に相当する高さであっても良い。
また、図7(b)に示すように、非露光波長λ1を有する光のうち、凹部45aの上面及び凸部45bの上面に鋭角に入射した入射光の光路差は、その格子定数dに基づき、「dsinα」となる。ここで、格子定数dは、「λ1/(2sinα)」、又は「(2m+1)λ1/(2sinα)」(mは1以上の自然数)に調整されているため、それらの
0次回折光は互いに打ち消し合う。例えば、射出側ミラー要素41への入射角αが10度、取り除きたい非露光波長が10.6μm(炭酸ガスレーザーの波長)とすると、回折格子45の凹部45aと凸部45bとの間の高さhが2.7μmのとき、光路差が1/2波長となり非露光光(10.6μm)の正反射光(0次回折光)をほぼ0(発生させないもの)とすることができる。また、非露光光波長が1.06μm(YAGレーザーの波長)であれば、凹部45aと凸部45bとの間の高さhは0.27μmとなる。このように凹部45aと凸部45bとの間の高さhは、除去したい非露光光の波長及び射出側ミラー要素41への入射角αに依存するが0.1μm〜5μm程度が好ましい。
また、非露光波長λ1を有するn次回折光(このとき次数nは0以外の整数)は、上記式(1)に従って、次数n及び入射角αに応じた方向に各々回折される。非露光波長λ1は、EUV光の波長に比べ極めて大きいため、そのn次回折光の一部は、コンデンサミラー23に入射し、コンデンサミラー23及び反射ミラー24によって反射されて照明領域規定部材26側に射出され開口27aの外側に照射される。それ以外のn次回折光は、コンデンサミラー23に入射せず、筐体18の側壁等へ射出される。このため、筐体18の内側面のうち、コンデンサミラー23に入射しない回折光が入射する箇所には、反射防止膜や遮光部材(図示略)が設けられる。例えば、射出側ミラー要素41への入射角αを10°、射出側ミラー要素41(射出側フライアイミラー22)からレチクルRまでの距離を2m、開口27aの短手方向の長さを4mmとすると、非露光光(波長10.6μm)の1次回折光が開口27aの短手方向分だけずれるためには、格子定数dは約60μmとすればよい。また、非露光光の波長が1.06μmであれば、格子定数dは約6μmとなる。回折格子の格子定数dは、非露光光の波長、射出側ミラー要素41への入射角、射出側フライアイミラーからレチクルまでの距離によって変わるが、おおよそ1μm〜100μmの値が好ましい。
一方、凹部45aに垂直に入射したEUV波長領域の0次回折光と、凸部45bに垂直に入射したEUV波長領域の0次回折光との光路差も2hである。しかし、この光路差は、EUV光の波長の1/2の長さ、又はEUV光の波長の(2m+1)/2の長さ(mは1以上の自然数)とは異なる長さである。このため、凹部45aに垂直に入射したEUV波長領域の0次回折光と、凸部45bに垂直に入射したEUV波長領域の0次回折光とは、互いに相殺することはない。このため、回折格子45により回折されたEUV光は、コンデンサミラー23及び反射ミラー24によって反射されて照明領域規定部材26の開口27aへ向かう方向に導かれる。
従って照明領域規定部材26には、非露光波長λ1を有する回折光の一部と、EUV波長領域の波長を有する回折光とが到達する。EUV光の波長は、上記したように5nm以上20nm以下であって、主な除去対象となる非露光波長λ1である10.6μmよりも極めて小さい。よって、入射角αで回折格子45に入射したEUV光は、同じ入射角αで入射した非露光光に比べて、その回折される角度βが小さく、非露光光よりも小さく回折される。上記したようにブラインド部材28A,28Bは、その間隔が、EUV光を入射可能に調整されているため、照明領域規定部材26に到達したEUV光は、ブラインド部材28A,28Bの間を通過する。そして固定ブラインド27の開口27aを介してレチクルRに照射される。即ち、射出側フライアイミラー22に入射したEUV光は、第1の方向である固定ブラインド27の開口27aへ向かう方向に、コンデンサミラー23及び反射ミラー24を介して反射されることとなる。その結果、レチクルRには、開口27a及び可動ブラインド28によって照明領域IAが規定された円弧状の領域にEUV光が照射される。そしてレチクルRに形成されたパターンの像を投影するための光が、固定ブラインド27の開口27a及び可動ブラインド28を介して、投影光学系16に入射する。
投影光学系16に入射した光は、ミラーM1〜M6を介して、ウエハW上に結像する。また、投影光学系16の瞳(射出側)と射出側フライアイミラー22とは光学的に共役であるため、回折格子45の段差によって射出側ミラー要素41上のEUV光の二次光源像の一部が欠けたとしても、レチクルR上の照度分布には影響を与えない。したがって、射出側ミラー要素41上の回折格子45の存在はEUV光の照度均一化にはまったく影響を与えない。
一方、非露光波長λ1を有する光は、回折格子45によって0次回折光(正反射光)DL0が相殺されているため、照明光学系14から照明領域規定部材26側に向けて射出された非露光波長λ1を有する光は、次数が1次以上のn次回折光である。従って、非露光波長λ1を有する光が、EUV波長領域の0次回折光(正反射光)と同じ光路で照明領域規定部材26の開口27aに到達することはない。
また、非露光波長λ1を有し、且つ次数が1次以上のn次回折光は、EUV光と比べてその波長が極めて大きいため、回折格子45によってEUV光よりも大きく回折された状態で照明領域規定部材26に到達する。上記したように、この光の回折方向は、+Y軸方向及び−Y軸方向であって、開口27aの短手方向と同じ方向である。よって、開口27aの長手方向にn次回折光を射出する場合には、そのn次回折光の回折角を大きくしなければならないが、短手方向に回折する場合には、回折角を比較的小さくすることができる。回折角は、回折格子45の格子定数dが大きくなるほど小さくなるため、遮光すべきn次回折光の回折角を小さくできる場合には、その分、格子定数dを大きく、即ち凹部45aの間隔を大きくすることができるため、射出側フライアイミラー22の各ミラー要素41に形成される凹部45aの本数を少なくし、回折格子45を形成しやすくするとともに回折格子45の段差の影によるEUV光量の損失を低減することができる。
そして非露光波長λ1を有するn次回折光は、開口27aおよびブラインド部材28A,28Bの間を通過することなく、反射防止膜29,27bに照射される。またこのとき、反射防止膜29,27bに照射された非露光波長λ1の回折光は、反射防止膜29,27bに吸収されるが、冷却部によって回折光を吸収することで発生した熱を吸収することにより、固定ブラインド27、ブラインド部材28A,28Bの熱変形が生じない。
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1ミラー要素である入射側ミラー要素35と第2ミラー要素である射出側ミラー要素41との少なくとも一方に、第1波長領域(EUV波長領域)の光と、露光に用いることがない第2波長領域(非露光波長)の光とを互いに異なる方向に反射する回折格子45を含む反射部を設けた。このため第1方向(固定ブラインド27の開口27a)へ向かう第1波長領域の光の反射率に対し、同方向へ向かう第2波長領域の光の反射率を小さくすることができる。
(2)回折格子45を含む反射部を、光束の分割を行う入射側ミラー要素35と射出側ミラー要素41との少なくとも一方に設けることにより、ウエハWまたはレチクルRに到達する第1波長領域(EUV波長領域)の光路から第2波長領域(非露光波長)の光を分離または除外することができる。また、EUV光のみを用いて、パターン像をウエハWに形成できるため、解像性能が向上する。
(3)入射側フライアイミラー21及び射出側フライアイミラー22の少なくとも一方に回折格子45を形成することで、回折格子45が形成されたフライアイミラー21,22よりも下流に設けられる光学部材の熱負荷を抑制することができる。例えば、入射側ミラー要素35に回折格子を形成した場合、射出側ミラー要素41、コンデンサミラー23、反射ミラー24、投影光学系のミラーM1〜M6等の光学部材の変形、ミラー面の変形、反射膜の損傷等を抑制することができる。また、ウエハWにパターンを形成する際の解像性能が向上する。
(4)入射側フライアイミラー21及び射出側フライアイミラー22の少なくとも一方に回折格子45を形成することで、ウエハW、レチクルR等の熱負荷を抑制することができる。これによって、これらの部材の変形や、感光性材料の損傷、反射膜の損傷等を防止することができる。また、ウエハWの歩留まりの低下を抑制できるため、露光装置11のスループットが向上する。
(5)回折格子45を、照明光学系14に備えられる射出側フライアイミラー22に設けることにより、波長分離するための新たな光学部材を光学ユニット内に設ける必要がない。このため、露光光として用いるEUV光の光量低下を抑制することができる。
(6)回折格子45は、照明光ILに含まれるEUV光と非露光波長λ1を有する光とを異なる方向に反射(回折)するので、照明光ILのうち、照明領域規定部材26の開口27aの方向(第1の方向)へ反射されるEUV光の反射率に対し、同方向へ反射される非露光波長λ1を有する光の反射率の比(割合)を小さくすることができる。また、プラズマ生成に用いる励起光源(光源装置12)からの励起光や上記予備光源からのトリガー光等の非露光光が、露光装置11内に伝播することを抑制することができる。
(7)投影光学系16の瞳(射出側)と、射出側フライアイミラー22とは共役であるため、回折格子45の段差によって射出側ミラー要素41上のEUV光の二次光源像の一部が欠けたとしても、レチクルR上の照度分布には影響を与えずに全体的な強度分布を均一化することができる。
(8)回折格子45の凹部45a及び凸部45bは、反射膜51によって覆われているため、回折格子45を射出側ミラー要素41に形成しても、該射出側フライアイミラー22のEUV光の反射率は、通常のミラーと同程度とすることができる。
(9)回折格子45は、凹部45aの幅と凸部45bの幅が等しくなるように形成されている。また、凹部45aの上面から凸部45bの上面までの高さhが、凹部45aの上面で反射した光と、凸部45b上面で反射した光の光路差が非露光波長λ1の1/2波長分となるように形成されている。このため、照明光ILに含まれる非露光光のうち、回折格子45の凹部45aで反射した非露光波長λ1と凸部45bで反射した非露光波長λ1が互いに打ち消しあい、回折格子45の0次回折光(正反射)(すなわち、射出側ミラー要素41(つまりは射出側フライアイミラー22)の反射光)から非露光波長λ1の光を取り除くことができる。このため、レチクルR上の照明領域(開口27a)に非露光波長λ1の光が照射されないようにすることができる。
(10)露光装置11は、EUV光の照射領域を制限するための可動ブラインド28と固定ブラインド27を有する。回折格子45によって回折された非露光光はこれらの可動ブラインド28と、固定ブラインド27とにより遮光される。また、固定ブラインド27に反射防止膜27bを形成するとともに、可動ブラインド28のブラインド部材28A,28Bにも反射防止膜29を形成し、反射防止膜27b、29に入射した回折光を吸収するようにした。このため、レチクルRに非露光波長λ1を有する光が照射されることを防止するとともに、可動ブラインド28、固定ブラインド27に照射された非露光波長λ1の光がこれら部材から反射又は散乱されて、他の光学部材、ウエハW等に熱的又は光学的な悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
(11)回折格子45は、照明光ILに含まれる非露光光の一部を、レチクルステージRS及びウエハステージWSの走査方向である+Y軸方向及び−Y軸方向、即ち照明領域IAを規定する開口27aの短手方向に回折する。即ち、開口27aの長手方向にn次回折光を射出する場合には、そのn次回折光の回折角を大きくしなければならないが、短手方向に回折する場合には、回折角を比較的小さくすることができる。このように回折格子45によって回折される光の回折角が比較的小さくてもよいため、格子定数dを大きく、即ち凹部45aの間隔を大きくすることができる。このため、射出側フライアイミラー22の各ミラー要素41に形成される凹部45aの本数を少なくし、回折格子45を形成しやすくすることができる。また、回折格子の段差の影によるEUV光量の損失を低減することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・EUV光源装置12は、レーザー方式だけでなく、キャピラリ放電、Zピンチ等の光源を有する放電方式の装置に具体化してもよい。
・EUV光源装置12に用いられるEUV光発生物質には、錫(Sn)のほかキセノン(Xe)やガドリニウム(Gd)やテルビウム(Tb)などであってもよい。
・EUV光源装置12に用いられているプラズマ発生用のレーザーは炭酸ガスレーザーのほか、YAGレーザー(波長1.06μm)、KrFレーザー(波長249nm)、ArFレーザー(波長193nm)などのレーザーであっても良い。
・EUV光源装置12は、例えば、g線(436nm)、i線(365nm)、Fレーザー(157nm)、Krレーザー(146nm)、Arレーザー(126nm)等を射出する光源を有していてもよい。また、EUV光源装置12は、DFB半導体レーザー又はファイバレーザーから発振される赤外領域又は可視領域の単一波長レーザー光を、例えばエルビウム又はエルビウムとイッテルビウムの双方がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を射出する光源であってもよい。
・上記実施形態では、例えば、第1波長領域を、紫外域又は紫外域より短い波長とし、第2波長領域を、赤外域又は赤外域より長い波長としたが、これ以外の波長領域でもよい。例えば、第2の波長領域として、1.06μm、249nm、193nmなどであっても良い。この際、第1波長領域は、第2波長領域よりも短い波長であってもよい。即ち、回折格子の格子定数、溝の深さ、製膜する膜等を最適なものや組み合わせに選択することで、露光に用いる露光波長領域を有する露光光と、露光に用いない非露光波長成分を有する非露光光とを分離できればよい。
・上記実施形態において、入射側フライアイミラー21と射出側フライアイミラー22との間に、例えば開口絞りやフィルタ等の光学部材を配置してもよい。
・上記実施形態では、射出側フライアイミラー22に、反射部としての回折格子45を設けたが、入射側フライアイミラー21に設けるようにしてもよいし、各フライアイミラー21,22の両方に設けるようにしてもよい。このようにしても、レチクルRに照射される照明光ILから非露光波長λ1の光を除去することができる。また、入射側フライアイミラー21に回折格子45を設けると、各射出側ミラー要素41に照射される赤外域の非露光光の強度を低下させることができる。このため、射出側ミラー要素41が光を吸収することで発生するミラー面や回折格子の変形等を抑制することができる。
・上記実施形態では、回折格子45は、繰り返し周期が等しくない不等間隔回折格子としてもよい。この場合、非露光波長λ1を有し、凸部45b及び凹部45aに垂直に入射する0次回折光が互いに打ち消されるように、凸部45bの表面積の総和と凹部45aの表面積の総和とを等しくすることが好ましい。また、上記実施形態では、回折格子45が形成される射出側ミラー要素41の表面形状は球面や平面であっても良いし、非球面であっても良い。
・上記実施形態では、各フライアイミラー21,22から構成される光学ユニットを、露光装置11に具備されるオプティカルインテグレーターとして具体化したが、液晶プロジェクターや、顕微鏡照明装置等、他の装置に具備される光学ユニットに具体化してもよい。
・上記実施形態では、固定ブラインド27及び可動ブラインド28の両方に反射防止膜27b,29及び冷却部を設けたが、可動ブラインド28が非露光波長λ1を有する回折光を遮光できる表面積を有している場合には、可動ブラインド28のみに反射防止膜29及び冷却部を設け、固定ブラインド27の反射防止膜27b及び冷却部は省略してもよい。また、反射防止膜の代わりに、オプティカルトラップのような構造体にしても良い。また、非露光波長λ1を吸収する部材を別途設けても良い。
・固定ブラインド27の代わりに、走査方向の開口幅が非走査方向の位置によって変えられる可変ブラインドを設けてもよい。
・露光装置11の露光対象は、半導体チップ等のマイクロデバイスを形成するためのウエハWの他、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等に利用されるレチクル又はマスクを形成するための基板であってもよい。また露光装置11の露光対象は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等を形成するための基板、CCD等の撮像デバイスを形成するための基板であってもよい。
・露光装置11は、ステップ・アンド・リピート方式の装置に具体化することもできる。
次に、上記実施形態の露光装置11を用いたデバイスの製造方法をマイクロデバイスの製造方法に具体化した一実施形態について説明する。図8は、ICやLSI等の半導体チップ、表示パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等、これらマイクロデバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、設計工程では、マイクロデバイスの機能設計や性能設計が行われ、その後、設計された機能や性能を実現するための目標パターンが設計される(ステップS101)。続いて、マスク製作工程では、設計された目標パターンに基づいて、可変成形マスクを駆動するためのパターンデータが生成される(ステップS102)。すなわち、可変成形マスクの形成するパターンが目標パターンに基づいて決定される。一方、基板製造工程では、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等、マイクロデバイスの基材である基板が準備される(ステップS103)。
次に、基板処理工程(加工工程)では、基板上に各種の膜を形成する成膜技術、上述したパターンデータと露光装置11とを用いたリソグラフィ技術、基板上に形成された膜の一部をエッチングするエッチング技術等によって、回路パターン等の実パターンが基板上に形成される(ステップS104)。続いて、デバイス組立工程では、基板処理後の基板を用いてデバイスの組立が行われる(ステップS105)。このデバイス組立工程では、ダイシング、ボンティング、及びパッケージング等の各種の実装処理が必要に応じて実施される。次いで、検査工程では、デバイス組立工程で組み立てられたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の各種の検査が行われる(ステップS106)。そして、これらの工程を経て、マイクロデバイスが製造される。
図9は、上述した基板処理工程の一部を示す一例であって、シリコン基板に薄膜トランジスタを形成するための各種の処理を示すフローチャートである。
まず、酸化工程では、加熱されたシリコン基板の表面が酸素の雰囲気下で熱酸化され、これにより、ゲート絶縁膜が形成される(ステップS111)。CVD工程では、ゲート酸化膜上にポリシリコン膜等のゲート電極膜がCVD法によって形成される(ステップS112)。電極形成工程では、基板上に電極を蒸着によって形成する(ステップS113)。イオン打込工程では、レジストマスクで覆われていないシリコン基板の領域にイオンが注入される(ステップ114)。以上の各工程S111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
レジスト膜形成工程では、ゲート電極膜上に感光性材料が塗布され、これにより、基板の全面にレジスト膜が形成される(ステップS115)。露光工程では、露光装置11によって可変成形マスクの形成するパターンの投影像がレジスト膜上に投影される(ステップS116)。現像工程では、露光工程において露光されたレジスト膜が現像され、これによりゲートが形成される部位を覆うレジストパターンが形成される(ステップS117)。エッチング工程では、レジストパターンをマスクにしたエッチングが実施され、これにより、ゲート絶縁膜及びゲート電極膜がパターニングされる(ステップS118)。レジスト除去工程では、エッチングに利用されたレジストパターンが、例えば酸素ラジカルの雰囲気下で除去される(ステップS119)。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…露光装置、14…照明光学装置としての照明光学系、20…光学ユニットとしてのフライアイ光学系、21…第1フライアイ光学部材としての入射側フライアイミラー、22…第2フライアイ光学部材としての射出側フライアイミラー、26…照明領域規定部材、27…第1規定部材としての固定ブラインド、27a…開口、28…遮光部材及び第2規定部材としての可動ブラインド、35…第1ミラー要素としての入射側ミラー要素、41…第2ミラー要素としての射出側ミラー要素、45…反射部を構成する回折格子、45a…凹部、45b…凸部、51…反射膜、h…高さ、IA…照明領域、IL…照明光、d…格子定数、R…マスクとしてのレチクル、Ra…被照射面としてのパターン形成面、RS…走査露光システムを構成するレチクルステージ、WS…走査露光システムを構成するウエハステージ、Wa…表面、λ1…波長。

Claims (15)

  1. 光源からの光を用いてマスクの被照射面を照明する照明光学装置において、
    前記光源から射出され光を分割する複数の第1ミラー要素を有する第1フライアイ光学部材と、
    前記第1フライアイ光学部材で分割された前光を反射する複数の第2ミラー要素を有する第2フライアイ光学部材と、
    所定方向に延びた形状を有し前記被照射面に照明領域を形成する開口部と前記開口部の周囲に設けられた遮光部とを有する開口部材と
    を備え、
    前記第1ミラー要素及び前記第2ミラー要素の少なくとも一方は、前に含まれる第1波長領域の光が前記開口部を通過するように第1の方向に反射す反射部を有し
    前記反射部は、前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を前記所定方向と交差する第2方向に回折させて前記遮光部に入射させる回折格子を備える照明光学装置
  2. 前記反射部は、
    前記回折格子を覆うように形成され、前記第1波長領域の光を前記第1の方向に反射する反射を有する請求項1に記載の照明光学装置。
  3. 前記回折格子は、前記第2波長領域の光として赤外域又は赤外域より長い波長の光を前記第2の方向に回折し、
    前記反射膜は、前記第1波長領域の光として紫外域又は紫外域より短い波長の光を前記第1の方向に反射する請求項2に記載の照明光学装置。
  4. 前記回折格子は、等間隔の格子線を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  5. 前記回折格子は、凸部と凹部とを備え、前記凸部及び前記凹部は、該凸部と該凹部とで反射した光の光路差が前記第2波長領域の光波長の1/2波長分に相当するような高さの差を有する請求項〜4のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  6. 前記第2フライアイ光学部材からの前記第1波長領域の光を前記被照射面に向かって反射する反射部材を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  7. 前記開口部材は、前記第2フライアイ光学部材と前記被照射面との間に配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  8. 前記開口部材は、前記被照射面に照射される前記第1波長領域の光の照明領域を規定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  9. 前記開口部材は、
    前記開口部を有し、前記被照射面側に配置される第1規定部材と、
    前記反射部から前記被照射面に向かう前記照明光の光路のうち前記第1規定部材よりも光路の手前に配置される第2規定部材とを備え、
    前記第1波長領域の光は、前記開口部を介して照射され、
    前記第2波長領域の光は、前記第2規定部材で遮光される請求項7又は8に記載の照明光学装置。
  10. 前記第1ミラー要素は円弧状の反射面を有する請求項19のいずれか1項に記載の照明光学装置。
  11. 光源からの光を用いてマスクの被照射面を照射する照明光学装置と、
    前記マスクに形成されたパターンの像を物体に投影する投影光学装置とを備える露光装置において、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明光学装置を備えることを特徴とする露光装置。
  12. 前記照明光学装置は、
    前記パターンの像を前記物体に投影するために用いる前記第1波長領域の光を、前記マスクの被照射面に照射するとともに、
    前記第1波長領域の光を発生させるために用いる前記第2波長領域の光を、前記マスクの被照射面とは異なる方向に反射する請求項11に記載の露光装置。
  13. 前記反射部に形成され、前記第2波長領域の光を前記第2の方向に回折する回折格子は、前記第2波長領域の光が、前記第1波長領域の光に対して走査露光する方向に回折されるように繰り返された格子線を有する請求項11又は12に記載の露光装置。
  14. 前記第1波長領域の光は、極端紫外領域の波長を含むEUV光であり、
    前記第2波長領域の光は、前記EUV光を発生させるために用いる炭酸ガスレーザー光である請求項11〜13のいずれか1項に記載の露光装置。
  15. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項11〜14のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する露光工程と、
    前記露光工程で露光された前記基板を現像する現像工程と、
    前記基板の表面を加工する加工工程とを含むデバイス製造方法。
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