以下に添付図面を参照して、実施形態の用紙処理装置を説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態の用紙処理装置は、用紙Pの待機トレイへの搬送時に、待機トレイローラ(第1のローラ)から待機トレイの回動ローラ(第2のローラ)を一定時間離間する。
図1は、用紙処理装置の構成図である。この用紙処理装置による用紙の処理は、通常、用紙後処理と言われ、ステイプル、ソート、ホールパンチ、及び中綴じ等があるが、ここではステイプル処理を施す用紙処理装置について説明する。
図1に示すように、用紙処理装置7の上面部には固定トレイ75が設けられている。固定トレイ75は、積載される用紙Pの先端が後端より高くなる傾斜を有する。固定トレイ75の排紙口71に隣接して、排出機構があり用紙Pを挟持搬送する一対の用紙排出ローラ76、77が設けられている。画像形成装置5等の前段の装置から用紙Pを受け入れる入り口ローラ22から排紙口71までの間には、用紙Pの用紙排出ローラ76、77に導く固定トレイパス74が設けられる。
排紙口71の下方には、用紙Pの後端を支持する後端支持体である複数本のトレイリブ80が設けられる。固定トレイ75及びトレイリブ80は一体成型されている。排紙口71の上方には、固定トレイ75上の、用紙Pの積載限界を検知するセンサ81が取着される。
固定トレイ75は前述のように、用紙Pの先端側が後端側より高くなるように傾斜して配置されている。そのため、固定トレイ75に搬送された用紙Pは、固定トレイ75の傾斜を利用してシート後端方向である矢印x方向に戻り、後端をトレイリブ80に当接して縦整合される。同様にして画像形成装置5から排紙された用紙Pは、所定枚数になるまで順次固定トレイ75に排紙され、縦整合される。
固定トレイ75の下方には、待機トレイ10が設けられている。入り口ローラ22から待機トレイ10までの間に、用紙Pを一対の給紙ローラ(給紙部)24に導くペーパーパス36が設けられる。また、給紙ローラ24から待機トレイ10までの間に出口センサ(検知部)60が設けられる。本実施の形態では、出口センサ60は、給紙ローラ24に隣接して配置される。出口センサ60は、ペーパーパス36を介して搬送される用紙Pを検知する。出口センサ60が用紙Pを検知する場合、給紙ローラ24が用紙Pを挟持し搬送しているとする。
待機トレイ10は、待機トレイローラ66を備えるための溝を有する。待機トレイローラ66は、待機トレイ10の溝にはめ込まれ、待機トレイローラ66の一部が待機トレイ10から上方に突出する。待機トレイローラ66の回転軸は、待機トレイ10に内蔵される。待機トレイローラ66は、トレイ部材10a、10bのそれぞれに内蔵される。回動ローラ65は、回動ローラシャフト65aと一体的に形成される。回動ローラ65は、待機トレイ10の上方に位置する。図2に示すように搬送方向の直交方向に、複数の回動ローラ65を回動ローラシャフト65aと一体的に構成する。また、これに限らず、搬送方向の直交方向に長い1つの回動ローラ65を回動ローラシャフト65aと一体的に構成しても良い。このように、搬送方向の直交方向に、回動ローラ65を複数個所あるいは、長い1つの回動ローラ65を回動ローラシャフト65aに一体的に設けることにより、用紙サイズに合わせてスライド移動する待機トレイローラ66と、回動ローラ65は当接する。待機トレイ10から一部突出した待機トレイローラ66と回動ローラ65が用紙Pを挟持し、用紙Pを待機トレイ10へ搬送する。
待機トレイ10の下方には、待機トレイ10上即ち、移動するトレイ部材10a、10bの間から落下供給される用紙Pを積載する処理トレイ12が配置される。回動ローラ65及び待機トレイローラ66で構成されるローラ対は、給紙ローラ24の下流側に位置し、給紙ローラ24により搬送される用紙Pを搬送する。
処理トレイ12は、処理を行う処理機構であるステイプラ14により用紙Pをステイプル処理する間、積載される用紙を整合支持する。処理トレイ12は、ステイプラ14に向かって下方傾斜して配置されており、待機トレイ10から落下供給される複数枚の用紙Pを搬送方向である縦方向に整合する上下一対の整合ローラ38a、38bを有する。整合ローラ38a、38bは、ステイプラ14に近接して設けられ、ステイプル処理終了後の用紙束Tを挟持してステイプラ14から取り出す束搬送ローラを兼用する。
また、用紙Pが待機トレイ10から処理トレイ12に落下供給される際に用紙P後端が落下する位置には、処理トレイ12に積載されるパドル44が配置される。パドル44は、回転可能であり、最上位の用紙Pを縦方向に整合する。パドル44はゴム材からなり弾性を有する。
処理トレイ12のステイプラ14側の端部には、用紙P後端を当接し、後端位置を規制するストッパ45が設けられる。処理トレイ12の略中央には、搬送ベルト50が設けられる。搬送ベルト50は、ステイプル処理され整合ローラ38a、38bによりステイプラ14から取り出された用紙束Tを第1の排紙トレイ(排紙部)16まで搬送する。搬送ベルト50には、用紙束Tの後端を引っ掛ける送り爪50aが取り付けられる。
待機トレイ10は、用紙Pを処理トレイ12に落下供給可能である。他方、待機トレイ10は、ステイプル処理をしない用紙Pを第1の排紙トレイ16方向に搬送可能となっている。第1の排紙トレイ16への用紙Pの搬送は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対により、待機トレイ10上の用紙Pに接触して行う。回動ローラ65は、アーム64を介して、回動ソレノイド63により回動駆動され、搬送モータ105(図3)により回転駆動される。搬送モータ105は、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aに接続される。回動ローラ65が駆動ローラであり、待機トレイローラ66は従動ローラである。待機トレイローラ66は、回動ローラ65と当接している時に、回動ローラ65の回転に伴い回転する。待機トレイローラ66と回動ローラ65の当接時、待機トレイローラ66と回動ローラ65の間にニップが形成される。
叩き部材62は、待機トレイ10の上方に設けられる。叩き部材62は、叩きソレノイド61により制御される。叩き部材62は、待機トレイ10に搬送された用紙Pを矢印w方向へ叩くことにより、用紙Pにその中央部に排紙方向に沿い湾曲するコルゲーション(以下、単にコルゲーションと言う)をつける。また、叩き部材62は、待機トレイ10から処理トレイ12に用紙Pを落下させる際にも用紙Pを叩く。叩き部材62が用紙Pを叩く際に、用紙Pが薄い場合、用紙Pに叩き部材62の叩き跡が残ってしまう虞もある。よって、叩き部材62の角や下面に、保護部材をつけても良い。保護部材とは、例えば、シートやスポンジである。また、叩き部材62の角をなくし、丸みを帯びた形状にしても良い。
図2は、待機トレイ10の斜視図である。待機トレイ10は、用紙Pの先端が後端より高くなる傾斜を有して配置される。待機トレイ10は、一対のトレイ部材10a、10bで構成される。トレイ部材10a及び10bは、用紙Pの幅にスライドした状態で用紙Pを受け取り、用紙Pの両側を支持する。トレイ部材10a及び10bには、用紙Pの後端を規制する待機ストッパが設けられる。待機トレイ10は待機トレイモータ109(図3)によりスライド移動する。トレイ部材10aは、矢印y方向及び矢印y方向と逆方向へスライド移動する。トレイ部材10bは、矢印z方向及び矢印z方向と逆方向へスライド移動する。待機トレイローラ66は、待機トレイ10に備えられており、待機トレイ10のスライド移動に伴い、待機トレイローラ66も移動する。
用紙処理装置7における用紙Pの一連の流れについて説明する。用紙Pの搬送経路は3つである。第1の搬送経路は、ステイプル処理を施さず、固定トレイ75に用紙Pが排紙される経路である。第2の搬送経路は、ステイプル処理を施さず、用紙Pが排紙トレイ16に排紙される経路である。第3の搬送経路は、ステイプル処理を施し、用紙Pが処理トレイ12から排紙トレイ16に排紙される経路である。
まず、第1の搬送経路について説明する。ステイプル処理せずに、固定トレイ75に排紙する場合、画像形成装置5の給紙ローラ6から排紙された用紙Pは、入り口ローラ22によりトレイパス74を介して、用紙排出ローラ76、77に搬送され、固定トレイ75に排紙される。画像形成装置5から排紙された用紙Pは、所定枚数になるまで順次固定トレイ75に排紙され、縦整合される。
次に第2の搬送経路について説明する。ステイプル処理せずに、第1の排紙トレイ16に排紙をする場合、例えば、排紙トレイ16は、予め図1に点線で示す位置にスライド移動する。ステイプル処理しない場合、入り口ローラ24に搬送された用紙Pは、入り口ローラ22からペーパーパス36を介して給紙ローラ24に搬送され、給紙ローラ24により待機トレイ10に給紙される。次いで用紙Pは、待機トレイ10上を回動ローラ65、及び待機トレイローラ66により搬送され、排紙トレイ16に排紙される。
次に、第3の搬送経路について説明する。ステイプル処理を行う時、待機トレイ10は、トレイ部材10a、10bがスライド移動して用紙Pを支持可能となっている。画像形成装置5から排出され、給紙ローラ24により供給される用紙Pは、例えば、処理トレイ12で先行する用紙Pへのステイプル処理が完了するのを待つため、待機トレイ10上に載置される。処理トレイ12での処理が完了するのを待つ間、待機トレイ10に複数枚の用紙Pを積載する。
処理トレイ12上の先行する用紙Pが排紙トレイ16に排出されて処理トレイ12でのステイプル処理が完了すると、図2のトレイ部材10aは矢印y方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向へ、それぞれスライド移動する。また、トレイ部材10a、10bのスライド時、叩き部材62は用紙Pの上から矢印w方向へ叩く。このようにトレイ部材10a、10bのスライド、及び叩き部材62による用紙叩きにより、待機トレイ10に載置していた用紙Pを処理トレイ12に落下させる。ステイプル処理後、制御部100は、搬送ベルト50を駆動して、ステイプル処理を施した用紙束Tの後端を送り爪50aに引っ掛けて、排紙トレイ16へ搬送する。
ロングサイズの用紙Pを待機トレイ10に搬送する場合、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間しても、給紙ローラ24による搬送で用紙Pを待機トレイ10に搬送可能である。駆動ローラである回動ローラ65が従動ローラである待機トレイローラ66から離間すると、待機トレイローラ66は用紙Pの搬送力を持たないが、FOLIO等のロングサイズの用紙Pは十分な長さを持っているため、待機トレイローラ66の上流に位置する給紙ローラ24により、用紙Pを待機トレイ10へ搬送可能である。
この時、FOLIO等のロングサイズの用紙Pは長手方向に長いため、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間や、叩き部材62による用紙叩きによるコルゲーションをつけるような処理を施しても、下方向への垂れ下がりは抑制されるが、排紙トレイ16に用紙が接触する。上述した第3の搬送経路による用紙Pの搬送であっても、待機トレイ10に用紙Pを待機させた状態の時、排紙トレイ16に用紙Pの先端が接触する。
図3は、用紙処理装置7のブロック図である。用紙処理装置7の制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)で構成される。ROMは、CPUを動作させるためのプログラムを格納する。RAMは、用紙Pの処理枚数データや、画像形成装置5から送信される各種情報等を格納する。制御部100は、システムバス101を介して接続された通信インターフェース(I/F)102によって、画像形成装置5、クライアントPC(図示せず)、外部サーバ(図示せず)と通信する。
制御部100は、システムバス101を介して、通信I/F102、センサ60、81、及びステイプラ14を制御するステイプラ制御駆動部103が接続される。また、制御部100は、システムバス101を介して、搬送モータ105を制御する搬送モータ駆動制御部104、回動ソレノイド63を制御する回動ソレノイド駆動制御部106、叩きソレノイド61を制御する叩きソレノイド駆動制御部107、及び待機トレイモータ109を制御する待機トレイモータ駆動制御部108と接続する。制御部100は、システムバス101を介して、搬送モータ105の駆動、回動ソレノイド63及び叩きソレノイド61のON、OFFの制御、及び待機トレイモータ109の駆動を制御する。
搬送モータ105は、入り口ローラ22や給紙ローラ24、整合ローラ38a、38b、及び回動ローラ65に接続する。搬送モータ105は1つに限らず、それぞれのローラに接続する複数のモータでも良い。
回動ソレノイド63は、アーム64を介して、回動ローラ65を第2のシャフト71(図5)を中心軸として回動させる。回動ローラ65を待機トレイローラ66との当接状態から矢印t方向に回動(図5)させた時、回動ローラ65は、待機トレイローラ66から離間する。回動ローラ66を待機トレイローラ66との離間状態から矢印t方向と逆方向に回動させた時、回動ローラ65は、待機トレイローラ66に当接する。
叩きソレノイド61は、叩き部材62を回動させる。制御部100が叩きソレノイド61をONにすると、図1、図2に示すように矢印w方向へ叩き部材62が回動する。この矢印w方向への回動により、用紙Pを叩く。叩きソレノイド61をOFFにすると、矢印w方向の逆方向へ叩き部材62が回動し、元の位置へ戻る。元の位置とは、叩き部材62が矢印w方向へ回動する前の位置である。制御部100は、用紙Pを叩き部材62により叩き、コルゲーションをつける時以外は、用紙搬送の妨げとならないように、叩き部材62のホームポディションである用紙搬送路内に退避させるよう制御する。
待機トレイモータ109は、トレイ部材10a及び10bをスライド移動させる。待機トレイモータ109は、正方向への回転及び、正方向とは逆の方向への回転が可能である。例えば、待機トレイモータ109を正方向へ回転させると、トレイ部材10aは矢印y方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向へ、スライド移動する。待機トレイモータ109を正方向とは逆の方向へ回転させると、トレイ部材10aは矢印y方向と逆方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向と逆方向へ、スライド移動する。
図4は、本実施形態の用紙処理装置7の前段に位置する画像形成装置5のブロック図である。画像形成装置5は、例えばCPU、ROM、RAMを有する制御部200、通信I/F201、コントロールパネル202、読取部203、搬送ローラに接続される搬送モータ205を駆動する搬送モータ制御駆動部204、画像形成部206で構成される。これらは、システムバス207により接続される。コントロールパネル202は、表示部208及び操作部209を有する。表示部208はタッチパネル式でもよく、操作部をかねても良い。操作部209は、各種キーを有する。ユーザはコントロールパネル202により、用紙Pの種類、印字モード、用紙サイズを選択可能である。用紙の種類とは、例えば普通紙、再生紙、薄紙、厚紙である。印字モードとは、例えば、カラーモード、モノクロモードである。用紙サイズは、例えば、A3、A4、A5サイズ、LETERサイズ、FOLIOサイズ等である。画像形成装置5の制御部200が、ユーザが選択する用紙の種類、印字モード、用紙サイズ等の各種情報を通信I /F201から用紙処理装置7の通信I /F102を介して、制御部100へ送信する。
図5は、用紙処理装置7における回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態を示す図であり、図6は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の離間状態を示す図である。図5に示す回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態がホームポディションである。アーム64は、第1のアーム68、第2のアーム69、及び第1のシャフト70、第2のシャフト71、回動ローラシャフト65aで構成される。第1のアーム68は回動ソレノイド63と接続する。第2のアーム69は、第1のシャフト70を介して、第1のアーム68と回動可能に接続される。第2のシャフト71は固定されており、第2のアーム69は、固定される第2のシャフト71を中心に回動する。回動ローラシャフト65aは、第2のアーム69と接続する。
回動ソレノイド63をONにすると、回動ソレノイド63は第1のアーム68と共に矢印s方向へ移動する。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向へ回動する。このとき、第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aは第2のアーム69と共に矢印s方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をONにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と離間する(図6)。
回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ソレノイド63は回動ソレノイド63に接続される第1のアーム68と共に矢印s方向と反対方向へ移動する。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向と反対方向へ回動する。このとき、第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aも第2のアーム69と共に矢印s方向と反対方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と当接し、図5に示す状態に戻る。
図7は、回動ローラ65の回動のタイミングチャートである。出口センサ60が、用紙Pを検知してから、A1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。出口センサ60が用紙Pを検知してから、A2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をOFFにする。
上記タイミングでの各部の制御により、待機トレイ10での用紙Pの搬送中に、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間させる。回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を一定時間行ったら、再び回動ローラ65と待機トレイローラ66を当接させる。
回動ソレノイド63をONからOFFにするタイミングは、出口センサ60が用紙検知OFFになってから用紙Pの先端が、排紙トレイ16に接触することを確認、あるいは所定のステップ数経過後としても良い。ここでの所定のステップ数とは、出口センサ60で用紙Pを検知してから、用紙Pの先端が排紙トレイ16の用紙積載面に接触すると想定されるステップ数である。また、所定のステップ数とは、待機トレイ10への搬送が終了すると想定されるステップ数でも良い。さらに、回動ソレノイド63をONからOFFにするタイミングを、出口センサ16での用紙検知がOFFになった時としても良い。このように回動ソレノイド63を制御することで、十分にコルゲーションを用紙Pにつけた状態で搬送することができる。
図2に示すように、トレイ部材10a及び10bの間には隙間がある。そのため、用紙Pのトレイ部材10a及び10bへの衝突時、給紙ローラ24により給紙される用紙Pにコルゲーションができる。すなわち、用紙Pの先端がトレイ部材10a及び10bの隙間で、用紙Pに凹部を形成する。しかし、用紙Pの給紙が進み、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態で用紙Pが搬送されると、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のニップを通過した部分は、トレイ部材10a及びトレイ部材10bでの衝突時にできたコルゲーションが無くなる。回動ローラ65及び待機トレイローラ66のニップを通過すると、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の搬送力により、用紙Pは平らになる。回動ローラ65を待機トレイローラ66に当接した状態で、用紙Pの搬送を続けると、用紙Pは平らになり、重力により下方向へ垂れ下がる。このことにより、排紙トレイ16の用紙積載面に用紙Pが接触する時、用紙の積載不良を起こす虞がある。
しかし、上述したように、待機トレイ10での用紙Pの搬送中に、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間させることで、トレイ部材10a及び10bへの衝突時にできた用紙Pのコルゲーションを維持した状態で用紙Pを搬送することができる。回動ローラ65及び待機トレイローラ66のニップを通過すると、用紙Pの先端は平らになるが、用紙Pの後端は、トレイ部材10a及び10bへの衝突時にできた用紙Pのコルゲーションを維持している。この状態で、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間させると、用紙Pの自重により、用紙Pの先端はコルゲーションを取り戻す。
回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間は、用紙Pの先端を出口センサ60で検知し、用紙Pの先端が回動ローラ65と待機トレイローラ66のローラ対を通過してから、早い段階で行う。例えば、用紙Pの先端が回動ローラ65と待機トレイローラ66のローラ対を通過してから数十ミリ程度通過した後に、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間する。回動ローラ65の待機トレイローラ66から離間後、例えば数十ミリ用紙Pを搬送したら、再び回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対で用紙Pを挟んで搬送する。この時の搬送は、給紙ローラ24が行う。
また、制御部100は、用紙Pを出口センサ60が検知してから、用紙Pが回動ローラ65と待機トレイローラ66のローラ対を通過する前に、回動ソレノイド63をONにするよう制御をしても良い。この場合、制御部100は、用紙Pが回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を通過する前に、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間させて、用紙Pの先端が待機トレイローラ66の上を数十ミリ通過してから、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対で用紙Pを挟んで搬送する。
このように、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間後、再び当接して用紙Pを搬送すると、コルゲーションは維持され、下方向へ垂れ下がることがなくなる。
用紙Pの下方向への垂れ下がりは、用紙Pがロングサイズである時に発生しやすいので、ロングサイズの用紙Pの処理であると制御部100が判断した時、上述のような回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うようにしても良い。ロングサイズの用紙Pとは、例えばA3やFOLIOサイズ以上の用紙Pである。制御部100は、画像形成装置5から送信される用紙Pの種類、印字モード、用紙サイズ等の各種情報を受信する。制御部100は、用紙サイズが規定値以上の大きさ、あるいは長さであると判断する時、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うよう制御する。
図8は、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うか否かを判断するフローチャートである。300において、制御部100が画像形成装置5の制御部200から送信された各種情報を受信する。各種情報とは、ユーザが選択する用紙の種類、印字モード、用紙サイズ等である。301において、制御部100は、受信した各種情報からロングサイズの用紙Pであるか否かを判断する。制御部100がロングサイズの用紙Pでないと判断したら(301のNO)、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間することなく、当接した状態で用紙Pを搬送し、待機トレイ10への搬送処理を終了する。
制御部100が、ロングサイズの用紙Pであると判断したら(301のYes)、302において、図7に示すように、出口センサ60が用紙Pを検知してから所定のタイミングであるA1ステップ数経過後、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間させる。その後、制御部100は、303において、出口センサ60が用紙Pを検知してから所定のタイミングであるA2ステップ数経過後、回動ローラ65に待機トレイローラ66を当接させ、用紙Pの待機トレイ10への搬送処理を終了する。
上述では、用紙の後処理をステイプルとした用紙処理装置の説明をしたが、ソート、ホールパンチ、または中綴じをする用紙処理装置であっても良い。また、制御部100は、ステップ数にて処理を施す制御をしているが、これに限らず、経過時間で処理を施すように制御をしても良い。
回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間は、上述で説明した待機トレイ10から処理トレイ12へ用紙Pを落下させ、後処理を施し、用紙Pを排紙トレイ16に排紙する第3の搬送経路で行うようにする。第3の搬送経路では、待機トレイ10で待機させる1枚目の用紙Pに対して行うようにする。待機トレイ10で待機させる1枚目の用紙Pにコルゲーションがついていれば、その後1枚目の用紙Pに積載される2枚目以降の用紙Pにも、コルゲーションがつく。2枚目以降の用紙Pは、1枚目の用紙Pに重なるので、1枚目の用紙Pと同様の形状で待機トレイ10に積載される。
これに限らず、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間は、待機トレイ10から用紙Pを排紙トレイ16に排紙する第2の搬送経路で行うようにしても良い。第2の搬送経路では、待機トレイ10に搬送される用紙Pの1枚ずつに対して、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うようにする。
上述のような第一の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態の用紙処理装置は、用紙Pの待機トレイ10への搬送時に、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間後、叩き部材62で用紙を叩く。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
図9は、回動ローラ65の回動及びたたき部材62によるたたきのタイミングチャートである。制御部100は、出口センサ60が、用紙Pを検知してから、B1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。制御部100は、出口センサ60が用紙Pを検知してから、B2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をOFFにする。制御部100は、回動ソレノイド63をOFFにしてから、B3ステップ数経過後、叩きソレノイド61をONにする。叩きソレノイド61をONにしてから、B4ステップ数後、叩きソレノイド61をOFFにする。制御部100は、叩きソレノイド61により、用紙Pを叩くのは、回動ソレノイド63のOFF後、出口センサ60による用紙検知がOFFになるまでの間に行う。
制御部100は、叩き部材62によって、用紙Pを叩くことにより、さらに用紙Pにコルゲーションをつける。
上述の説明では、叩き部材62は、待機トレイ10に搬送される用紙Pにコルゲーションをつけるために叩き、さらに待機トレイ10から処理トレイ12へ用紙Pを落下供給させるために、用紙Pを叩く、と説明した。しかし、これに限らず、待機トレイ10に搬送される用紙Pにコルゲーションをつけるために叩く叩き部材62と、待機トレイ10から処理トレイ12へ用紙Pを落下供給させるために用紙Pを叩く叩き部材は別の部材であっても良い。また、用紙Pを叩く方向は、上からの用紙Pの叩きに限らず、下から用紙Pを叩くようにしても良い。
上述のような第二の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、叩き部材62により、用紙Pを叩くので、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態の用紙処理装置は、用紙Pの待機トレイ10への搬送時に、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間後、用紙Pが排出されるまで叩き部材62でコルゲーションをつけ続ける。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
図10は、回動ローラ65の回動及びたたき部材62によるたたきのタイミングチャートである。制御部100は、出口センサ60が、用紙Pを検知してから、C1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。制御部100は、出口センサ60が用紙Pを検知してから、C2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をOFFにする。制御部100は、回動ソレノイド63をOFFにしてから、C3ステップ数経過後、叩きソレノイド61をONにする。制御部100は、叩きソレノイド61をONにしてから、C4ステップ数後、叩きソレノイド61をOFFにする。制御部100は、出口センサ60による用紙検知がOFFになり、一定時間経過したら、叩きソレノイド61をONからOFFにする。
制御部100は、叩きソレノイド61をONにしている間、叩き部材62により、用紙Pが排出されるまで用紙Pを上から押さえつけるようにして、用紙Pにコルゲーションをつけ続ける。これに限らず、制御部100は、回動ソレノイド63のOFF後、出口センサ60による用紙検知がOFFになり、一定時間経過するまで、複数回、用紙Pを叩き続けるようにしても良い。
上述のような第三の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、叩き部材62により、用紙Pが待機トレイ10へ搬送されるまで叩き部材62でコルゲーションをつけ続けるため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。
(第四の実施形態)
第四の実施形態の用紙処理装置は、用紙Pの待機トレイ10への搬送時に、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間の離間中に、叩き部材62で用紙Pを叩く。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
図11は、回動ローラ65の回動及びたたき部材62によるたたきのタイミングチャートである。制御部100は、出口センサ60が、用紙Pを検知してから、D1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。制御部100は、出口センサ60が用紙Pを検知してから、D2ステップ数経過後、叩きソレノイド61をONにする。叩きソレノイド61をONにしてから、D3ステップ数後、叩きソレノイド61をOFFにする。制御部100は、回動ソレノイド63がONになってから、D4ステップ数後、回動ソレノイド63をOFFにする。D3ステップ数に比べ、D4ステップ数の方がステップ数は大きい。制御部100は、回動ソレノイド63がONになっている間に、叩きソレノイド61は、OFFからON、さらにONからOFFへと切り替える。
制御部100は、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間の離間中に、叩き部材62により用紙Pを叩くよう制御する。回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間すると、用紙Pの動きの自由度が高まる。このように用紙Pの自由度が高い状態で、用紙Pを叩き部材62で叩くため、コルゲーションがよりつきやすくなる。
回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間の離間中に、叩き部材62で用紙Pを叩く制御は、コシが弱い用紙Pや、薄い用紙Pの処理をする際に有効である。制御部100は、画像形成装置5から送信される用紙の種類、印字モード、用紙サイズ等の各種情報を受信する。制御部100は、画像形成装置5から送信されてきた各種情報により、例えば用紙の種類が薄紙であると判断する時、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うよう制御する。この時、第一の実施形態の図8の301を、制御部100が受信した各種情報から用紙Pが薄紙であるか否かを判断する、と差し替えて制御を行う。また、制御部100は、302と303の間に、叩き部材62で用紙Pを叩くよう制御する。
また、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間の離間中に、叩き部材62で用紙Pを叩く制御は、印字率が高い用紙Pの処理をする際にも有効である。例えば、写真を印刷したような用紙Pや、ベタ印字をした用紙Pは、コシが弱くなり、用紙Pが下方向へ垂れ下がりやすい傾向にある。画像形成装置5から送信される各種情報には、印字率も含まれており、制御部100は、印字率が閾値以上であると判断したとき、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間の離間中に、叩き部材62で用紙Pを叩くよう制御する。この時、第一の実施形態の図8の301を、制御部100が受信した各種情報から用紙Pの印字率が閾値以上であるか否かを判断する、と差し替えて制御を行う。また、制御部100は、302と303の間に、叩き部材62で用紙Pを叩くよう制御する。閾値は例えば、用紙1枚に対して7%とする。
もしくは、制御部100は、ロングサイズの用紙Pであるか否か、薄紙であるか否か、及び印字率が閾値以上であるか否かの3つの判断をするようにし、1つでも該当していれば、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間を行うよう制御する。
また、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間している間に、叩き部材62により、用紙叩きを行うと、用紙Pにコルゲーションが付きすぎてしまう虞がある。よって、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間するのではなく、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態を維持し、ニップ圧を下げた状態で、叩き部材62により用紙叩きを行うようにしても良い。
上述のような第四の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間中に、叩き部材62により用紙Pを叩くため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。
(第五の実施形態)
第五の実施形態の用紙処理装置は、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aを支持する軸受部67に、回転ローラ65が待機トレイローラ65と当接する側に、一体的にリブ73(突出部)を形成する。このリブ73により、用紙Pにコルゲーションをつける。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
図12は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66を示す斜視図である。図13は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態を示す図であり、図14は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の離間状態を示す図である。
図13に示す回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態がホームポディションである。アーム64は、第1のアーム68、第2のアーム69、及び第1のシャフト70、第2のシャフト71、回動ローラシャフト65aで構成される。第1のアーム68は回動ソレノイド63と接続する。第2のアーム69は、第1のシャフト70を介して、第1のアーム68と回動可能に接続される。第2のシャフト71は固定されており、第2のアーム69は、固定される第2のシャフト71を中心に回動する。回動ローラシャフト65aは、第2のアーム69と接続する。
リブ73は、回動ローラシャフト65aに、その軸受部67を介して接続される。リブ73は、図12に示すように回動ローラシャフト65aを搬送方向と直交する向きから見たときに、略中央に位置するのが好ましい。すなわち、用紙Pの幅方向の略中央にコルゲーションがつくようにリブ73を配置する。
リブ73は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態において、用紙Pにコルゲーションをつける形状である。例えば、リブ73の先端部は、回動ローラ及び待機トレイローラが当接する際に形成するニップ位置よりも下へ突き出すような形状である。この形状により、待機トレイ10に搬送されてくる用紙Pの中央部がリブ73により下方に押圧され、コルゲーションが形成される。
リブ73が用紙Pに接触し、用紙Pにコルゲーションをつける際に、用紙Pが薄い場合等、用紙Pにリブ73の叩き跡が残ってしまう虞もある。よって、リブ73の下面に、保護部材をつけても良い。保護部材とは、例えば、シートやスポンジである。また、リブ73の角をなくし、丸みを帯びた形状にしても良い。
回動ソレノイド63をONにすると、回動ソレノイド63は第1のアーム68と共に矢印s方向へ移動する。第2のシャフト71は固定軸である。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向へ回動する。このとき、第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aも第2のアーム69と共に矢印t方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をONにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と離間する(図14)。この時、回動ローラシャフト65aに軸受部67を介して接続されるリブ73も矢印t方向へ回動する。制御部100は、回動ソレノイド63をONにした時、リブ73は搬送される用紙Pに当接しない位置とするよう、回動ソレノイド63を駆動する。あるいは、回動ソレノイド63をONにした時、リブ73は搬送されてくる用紙Pに当接しない形状とする。
回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ソレノイド63は回動ソレノイド63に接続される第1のアーム68と共に矢印s方向と反対方向へ移動する。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向と反対方向へ回動する。第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aも第2のアーム69と共に矢印s方向と反対方向へ回動する。この時、回動ローラシャフト65aに接続されるリブ73も矢印t方向と反対方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と当接し、回動ローラ65とともにリブ73も図13の状態に戻る。
図15は、回動ローラ65の回動のタイミングチャートである。このタイミングチャートは複数枚、待機トレイ10に用紙Pを待機させる時のタイミングチャートである。図15では2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる場合の説明をする。
出口センサ60が、1枚目の用紙Pを検知してから、E1ステップ数経過後、搬送モータ105を駆動する。1枚目の用紙Pの待機トレイ10への搬送中は、回動ソレノイド63はOFFの状態である。すなわち、制御部100は、1枚目の用紙Pを、リブ73が1枚目の用紙Pに接触し続ける状態で搬送するよう制御する。
続いて、制御部100は、出口センサ60が、2枚目の用紙Pを検知してから、E2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにする。制御部100は、回動ソレノイド63がONになってから、E3ステップ数後、回動ソレノイド63をOFFにする。
2枚目の用紙Pの搬送時には、回動ローラ65及び待機トレイローラ66が形成するニップに挟まれた状態で、待機トレイ10の上に1枚目の用紙Pが積載されている。既に1枚目の用紙Pを挟んだ回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対へ2枚目の用紙Pを搬送する際、2枚目の用紙Pの搬送されるスペースが十分でない虞がある。つまり、2枚目の用紙Pの先端が回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対、またはリブ73でジャムを起こす虞がある。よって、2枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過する前が好ましい。制御部100は、2枚目の用紙Pの搬送時、回動ソレノイド63をONからOFFにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過した後とする。
上述のような制御に限らず、制御部100は、2枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を2枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階で回動ソレノイド63をONにするよう制御しても良い。2枚目の用紙Pの先端が回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を通過後、回動ソレノイド63をONにするのを、早い段階(例えばローラ対通過後10mm)とすると、ジャムを発生させずに2枚目の用紙Pを搬送することができる。上述では、2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる説明をしたが、用紙枚数は2枚に限らない。制御部100は、2枚目以降の用紙Pの待機トレイ10への搬送時も同様の制御を行う。
複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。また、他の実施の形態と同様に複数枚の用紙にコルゲーションを形成できる。
上述のような第五の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、リブ73によりコルゲーションをつけるため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。また、複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。また、他の実施の形態と同様に複数枚の用紙にコルゲーションを形成できる。
(第六の実施形態)
第六の実施形態の用紙処理装置は、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aにその軸受部67を介して接続するリブ73により、用紙Pにコルゲーションをつける。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
図16は、回動ローラの回動のタイミングチャートである。このタイミングチャートは複数枚、待機トレイ10に用紙Pを待機させる時のタイミングチャートである。図16では2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる場合の説明をする。
出口センサ60が、1枚目の用紙Pを検知してから、F1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。回動ソレノイド63がONになってからF2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をOFFにする。
続いて、制御部100は、出口センサ60が、2枚目の用紙Pを検知してから、F3ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにする。制御部100は、回動ソレノイド63がONになってから、F4ステップ数後、回動ソレノイド63をOFFにする。
1枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を1枚目の用紙Pの先端が通過する前、または、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を1枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階とする。複数の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合、2枚目以降の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過する前、または、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を2枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階とする。
上述のような第六の実施態様による用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙にコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、さらにリブ73によりコルゲーションをつけるため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。また、複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。