JP5570097B2 - 繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 - Google Patents
繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5570097B2 JP5570097B2 JP2008131900A JP2008131900A JP5570097B2 JP 5570097 B2 JP5570097 B2 JP 5570097B2 JP 2008131900 A JP2008131900 A JP 2008131900A JP 2008131900 A JP2008131900 A JP 2008131900A JP 5570097 B2 JP5570097 B2 JP 5570097B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- polyamide resin
- brominated
- pellet
- flame retardant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
しかしながら、特許文献3は長繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットと短繊維強化の難燃性ポリアミド樹脂組成物ペレットのブレンド物、特許文献4は長繊維及び短繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットと難燃性ポリアミド樹脂組成物ペレットのブレンド物であり、いずれの場合も輸送時などにペレットの分級が生じ、製品毎で難燃剤の濃度が不均一になり難燃性にバラツキが生じてしまうという問題を有している。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](A)ポリアミド樹脂45〜90質量%、(B)臭素系難燃剤9〜40質量%、(C)難燃助剤1〜15質量%からなる樹脂組成物と、(D)ロービング状無機質強化材とを含み、(B)臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化フェノキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であり、以下の要件を満たすことを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
(1)(D)ロービング状無機質強化材の含有量は、ペレット全体に対して、70〜10質量%である。
(2)ペレット中の(D)ロービング状無機質強化材の繊維長はペレット長である。
(3)ペレット長が5〜30mmである。
[2](A)ポリアミド樹脂45〜90質量%、(B)臭素系難燃剤9〜40質量%、(C)難燃助剤1〜15質量%からなる樹脂組成物と、(D)ロービング状無機質強化材とを含み、(B)臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化フェノキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であり、以下の要件を満たすことを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
(1)(D)ロービング状無機質強化材の含有量は、ペレット全体に対して、70〜10質量%である。
(2)ペレット中の(D)ロービング状無機質強化材の繊維長はペレット長より長い。
(3)ペレット長が5〜30mmである。
[3](C)難燃助剤が酸化アンチモンであり、ペレット中の最大粒子径が50μm以下であることを特徴とする上記1または2に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット
。
[4](A)ポリアミド樹脂の50%以上がポリアミド66であることを特徴とする上記1〜3いずれか1項に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
[6]上記1に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法であって、(A)ポリアミド樹脂、(B)臭素系難燃剤、(C)難燃助剤を押出し機にて溶融混練した樹脂組成物に(D)ロービング状無機質強化材を、押出し機ヘッド部に設置した溶融槽で含浸させて引き取ったストランドをペレタイズしてペレットを得ることを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法。
[8](D)ロービング状無機質強化材を含浸させる樹脂組成物の容積が1ストランドあたり100〜400ccであり、その1ストランドあたりの引き取り速度が樹脂分として30cc/min以上で引き取ったストランドをペレタイズすることを特徴とする上記6または7に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法。
ポリアミド樹脂(A)は、特に制限はなく、例えば、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−、メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(3ーメチルー4アミノシクロヘキシル)メタン等のポリアミド形成性モノマーを適宜組み合わせて得られるホモポリマー単独、共重合体単独、ホモポリマー同士の混合物、共重合体同士の混合物、共重合体とホモポリマーの混合物等を用いることができる。
また、ポリアミド66/6I共重合体や、ポリアミドMXD6などの半芳香族ポリアミドや、これらの半芳香族ポリアミドと他の脂肪族ポリアミドとのブレンド物は、その共重合比、ブレンド比により結晶化温度を適宜制御することで成形品表面にガラス繊維が露出し難く、外観に優れた成形品を得たい場合に好適である。
ポリアミド66とポリアミド612やポリアミド610などのエチレン基の長いポリアミドとのブレンド物は、高温高湿度下での加水分解性に優れることから、高温多湿な環境で使用される部品に好適である。
上記の中でも、成形性、高温度下での機械的特性を良好に保つために、ポリアミド66成分50%以上が好ましく、70%だと更に好ましい。
ポリアミド樹脂(A)は、末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計が、ガラス長繊維束への樹脂の含浸性の観点から100ミリ当量/kg以上が好ましく、かつ機械的特性発現の観点から200ミリ当量/kg以下が好ましい。より好ましい末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計は、110〜150ミリ当量/kg以下であり、特に好ましい範囲は115〜140ミリ当量/kg以下である。また、本発明のポリアミド樹脂(A)はコンパウンド時の押出し機内や射出成形時のシリンダー内での溶融時耐熱安定性や耐熱安定性を付与させるための銅化合物の析出を抑える観点から末端カルボキシル基濃度が末端アミノ基濃度より高い方が好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の水分は、特に限定しないが、コンパウンド原料のポリアミド溶融時の分子量上昇を抑えるため、ペレット水分率0.1質量%以上であることが好ましく、ポリアミド溶融時の加水分解を抑えるためにペレット水分率0.5質量%以下に調整したものを用いて、コンパウンドするのが好ましい。
難燃助剤(C)としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどの酸化アンチモン類、一酸化スズ、二酸化スズなどの酸化スズ、酸化第二鉄、γ酸化鉄の酸化鉄類、酸化亜鉛,ホウ酸亜鉛などが挙げられ、これらの中でも、難燃性の観点から、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモンなどの酸化アンチモン類が好ましい。これらの難燃助剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
そのためには、ペレット内における難燃助剤(C)の最大粒子径が、ペレット製造時及び、射出成形時の繊維状無機質強化材損壊防止の観点から、50μm以下であることが好ましい。より好ましい粒子径は30μm、特に好ましくは20μm以下である。
また、成形品内の難燃助剤(C)の平均粒子径は難燃性を発揮するために0.01〜10μmであることが好ましく、最大粒子径を上記範囲に規定することで、長い繊維長の強化繊維が残存し、燃焼試験時の樹脂ドリップが防止され、さらに難燃焼特性が発揮される。
臭素系難燃剤(B)及び難燃助剤(C)の添加量は、ポリアミド樹脂組成物を100質量%として、ポリアミド樹脂(A)45〜90質量%に対し、臭素系難燃剤(B)が9〜40質量%、難燃助剤(C)が1〜15質量%であることが必要であり、ポリアミド樹脂(A)60〜90質量%に対し、臭素系難燃剤(B)が9〜30質量%、難燃助剤(C)が1〜12質量%であることが好ましく、ポリアミド樹脂(A)70〜90質量%に対し、臭素系難燃剤(B)が9〜25質量%、難燃助剤(C)が1〜9質量%であることが更に好ましい。
また、ガス発生抑制のためにアルカリ土類金属酸化物が効果的で酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ラジウムなどが上げられ、これらは単独で用いられても良く二種以上の混合物として用いられても良い。特に酸化カルシウム、酸化マグネシウムがガス発生の抑制効果が大きく、その中でも、酸化カルシウムが少量の添加でガス発生の抑制効果が特に大きく、且つ、物性の低下や成形性への悪影響が小さいので特に好ましい。アルカリ土類金属酸化物の粒径は、ペレット製造時または射出成形時の繊維状無機質強化材(D)損壊防止の観点から50μm以下が好ましい。
繊維状無機質強化材(D)としては、ガラス繊維や炭素繊維、金属繊維などが挙げられる。これらの繊維は2種以上組み合わせても良いが、ペレットの加工性や射出成形の容易さ、コスト面からもガラス繊維が好適である。通常、ガラス繊維の表面には、カップリング剤、集束剤等を適宜付着させたものを用いる。カップリング剤としては、アミノ系、エポキシ系、クロル系、および、カチオ系シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤等が例示できる。集束剤としては、無水マレイン酸系、ウレタン系、アクリル系、および、これらの共重合体や混合物を含有する集束剤等が例示できる。
繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット中の繊維状無機質強化材(D)の平均繊維長は、5mm〜30mmの範囲が好ましい。平均繊維長が、5mm以上であれば、射出成形品での補強効果が発揮され、特に高温雰囲気下の剛性改善効果や一定荷重下での経時的変形量が減少することで、破壊に至るまでの耐久性に優れ、衝撃性が飛躍的に改善される。また、例えば射出成形品における流動方向と、直角方向の機械的特性や、成形収縮率の異方性や反りが小さくなり、部品設計の上で大きな利点となる。平均繊維長が30mm以下であれば、成形加工時に当該繊維強化難燃性ポリアミド樹脂ペレットを供給する際、特別な装置等を用いなくても容易に供給可能である。より好ましい平均繊維長の範囲は8mm〜20mm、特に好ましい範囲は10mm〜15mmである。
また当該繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットからなる、射出成形品の重量平均繊維長は、1.5mm〜5mm程度が好ましい。より好ましい範囲は2mm〜4mmである。
繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの繊維状無機質強化材(D)の配合割合は、(A)ポリアミド樹脂45〜90質量%、(B)臭素系難燃剤9〜40質量%、(C)難燃助剤1〜15質量%からなる樹脂組成物と、(D)ロービング状無機質強化材とを含む繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットに対して、70〜10質量%である。
また、銅化合物とヨウ素化合物に含まれるヨウ素と銅のモル比がポリアミド溶融時の銅金属析出抑制の観点から、5<ヨウ素/銅、かつ30≧ヨウ素/銅が好ましく、射出成形後の成形品からのヨウ素溶出を抑え、さらに、射出成形機スクリュウの腐食発生を抑えることが可能である。より好ましい範囲は13≦ヨウ素/銅≦25であり、特に好ましい範囲は15≦ヨウ素/銅≦22である。
また、難燃剤の酸化劣化を防止するため、溶融槽の大気開放面(繊維状無機質強化材束を樹脂に含浸させるための繊維束導入面と引き出し面の合計面積を言う)が溶融槽内面積(含浸させるための空間の表面積)の5%以下であることが望ましい。また、大気開放面周囲を窒素により置換することでポリアミド樹脂の酸化と難燃剤の劣化を防ぐ効果が得られる。
前記の製造条件を満足し、良好な繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットを安定して得るためには、引き取り速度を上げることで生じ易くなる、樹脂含浸不良や繊維切れを防止する必要がある。
含浸不良を防止するためには、樹脂含浸溶融槽内に含浸ローラーを備え、引き取り時の引き取り張力を高めることで、含浸性が確保できる。
繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット製造の際に、ストランドに撚りをかけることで、引き取り時の張力に対する耐力が向上し、ストランドの中央に繊維状無機質強化材を配置させることができるため、工夫されたプルトルージョン法(特開2003−175512号公報に記載)によって製造することが有効である。
また、繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットを成形する際に臭素系難燃剤(B)及び難燃助剤(C)以外の添加物をマスターバッチブレンドによって射出成形機シリンダー内にて溶融混練しても良い。
繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットには、必要に応じ本発明の目的を損なわない範囲に於いて通常の熱可塑性樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤、着色染・顔料等を添加することもできるし、他の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットは、通常の成形方法により成型品とする事が出来る。成形方法としては、射出成型、圧縮成形、ブロー成形、押し出し成形などが挙げられ、その中でも射出成形法が好ましい。また、ガスアシスト射出成形法や溶融中駒法などによる特殊な成形法も選択でき、複数成形品を振動溶着や超音波溶着、レーザー溶着、熱版溶着などの二次加工によっても得ることができる。
<原材料>
(A)ポリアミド樹脂
A−1:ポリアミド66 アミノ末端基濃度44ミリ当量/kg、カルボキシル末端基濃度81ミリ当量/kg、(蟻酸溶液粘度ηr;2.78)銅濃度が100ppm、ヨウ素/銅の比がモル比で20となるように重合時添加。
A−2:ポリアミド66/6I アミノ末端基濃度45ミリ当量/kg、カルボキシル末端基濃度123ミリ当量/kg、(蟻酸溶液粘度ηr;2.51)ポリアミド66/6I(82/18wt%)共重合体、銅濃度が100ppm、ヨウ素/銅の比がモル比で20となるように重合時添加。
B−1:臭素化ポリスチレン
(C)難燃助剤
C−1:三酸化ニアンチモン 平均粒子径0.8〜1.5μm、最大粒子径10μm
C−2:三酸化ニアンチモン 平均粒子径0.8〜1.5μm、最大粒子径50μm
C−3:三酸化ニアンチモン 平均粒子径0.8〜1.5μm、最大粒子径100μm
(D)繊維状無機質強化材
D−1:ロービング状ガラス繊維 繊維径φ17μm 繊維約4200本を集束
D−2:ロービング状ガラス繊維 繊維径φ10μm 繊維約3200本を集束
D−3:チョップドガラス繊維 繊維系φ13μm
(1)繊維状無機質強化材含有率:得られた長繊維強化難燃ポリアミド樹脂のペレットを、ISO3451−4に準じて、燃焼法で繊維状無機質強化材含有率を求めた。
(2)平均繊維長さ:ペレットを、電気炉にて800℃で樹脂成分が実質上なくなるまで燃焼除去した。得られた繊維状無機質強化材にポリエチレングリコールを用いて、スライドグラス上に、破損がないよう静かにのばした。これを光学顕微鏡下で観察し、無作為に選んだ約300〜500本の繊維長さを旭化成株式会社製画像解析装置IP−1000を用いて測定し、組成物ペレット中の平均繊維長さを下記の式により求めた。
重量平均繊維長さ=(Σ繊維長さの測定本数×繊維長さの2乗)÷(Σ繊維長さの測定本数×繊維長さ)
また、繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットを日精樹脂工業株式会社製FN3000射出成形機と可塑化用スクリュウの圧縮比が1.8で逆流防止リングとスクリュウのクリアランスが5mmの長繊維用スクリュウを用い、シリンダー温度を310℃、充填時間が約1秒になるよう射出圧力、速度を適宜調整してISO178短冊状試験片を得た。尚、金型温度は、80〜120℃の範囲で組成物のガラス転位温度に応じて適宜設定した。得られた試験片の流動末端部より使用ペレット2倍長さの切削片を用い、同様の方法で、繊維状無機質強化材をスライドグラス上にのばし、無作為に選んだ300−500本の繊維長さを旭化成株式会社製画像解析装置IP−1000を用いて測定し、成形品中の平均繊維長さを求めた。
(4)シャルピー衝撃強度:前記(2)と同様の方法で150x150x4mm(ゲート:6x4mmで、正方形状試験片の一辺の中央に位置する。)の平板状試験片を得、射出成形時の流動直角方向に切り出しISO179−1に準じてシャルピー衝撃強度を測定した。値が高い方が好適である。
(5)燃焼性試験:UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法に従い測定した。これを5回繰り返すことにより製品の難燃性バラツキを評価した。試験片の厚みは1/32inchとし、射出成形機(日精樹脂工業株式解社製:FN3000)を用いて作成した。
(7)成形品収縮率:前記(4)と同様の方法で試験片を得、23℃、50%相対湿度下で24時間静置した後、試験片の寸法を射出成形時の流動方向と直角方向のそれぞれをノギスで0.1mmの精度で測定し、予め同様の方法で測定しておいた成形時の金型温度における金型基準寸法と比較し、試験片の寸法と金型基準寸法の差を金型基準寸法で除した値を100分率で表した数値を成形収縮率とした。成形収縮率の値が低い方が好適である。
(8)クリープ破壊応力:前記(4)と同様の方法で得た成形片より、ASTM D1822に順ずる試験片を樹脂充填方向と試験片評価方向が直角となるよう切出したサンプルを用い、安田精機製作所製6連クリープ試験機、型式;145−PCにおいて、試験材料の120℃雰囲気下における引っ張り破壊強さに対して60〜90%の範囲で任意に荷重を負荷させる。そのとき負荷応力に対する破壊までの時間を作表した測定点を対数近似させ、応力負荷時間1000Hrにて破壊する応力値を導いた。応力値の高い方がクリープ特性に優れる。
ペレットの個数 判定
0個 ○
1〜5個 △
6〜10個 ×
A−1のポリアミド66にB−1、C−1をブレンドしポリアミド樹脂ブレンド物中の臭素化ポリスチレン濃度が30%、三酸化アンチモン濃度が10%となるよう調整した樹脂組成物とD−1のガラス繊維を用いた。ペレットを作成するために、Coperion社製2軸押出機ZSK25を用い、バレル温度285℃、スクリュー回転数300rpmで樹脂組成物を285℃で溶融し、特開2003−175512号公報に詳述される株式会社神戸製鋼所製の長繊維強化樹脂製造装置の樹脂含浸用ローラーを供えた容量200ccの含浸槽に供給した。一方ガラス繊維は、ロービング台より2本のロービング(ガラス繊維束)を溶融状態の樹脂組成物が充満するクロスヘッドに導入した。クロスヘッド内で溶融ポリアミドが含浸された繊維強化ポリアミド樹脂をノズルより樹脂分で80cc/minの引き抜き速度となるよう調整して連続的に撚りを加えながら引き抜いて1本のストランド状にした。水冷バス中で冷却固化したのちペレタイザーで長さ約10mmの、直径約3mmの円筒状ペレットを得た。このとき、ストランドが引き取られる際、ストランドの引き取り方向を軸にストランドを回転させ撚りを付与した。
また、ペレット中のガラス繊維含有率が約50質量%になるよう、含浸槽出口のダイス径を調整した。得られたペレットを前記の方法により、評価を行った。
ガラス繊維の含有率を約30質量%に調整し、引き抜き速度が樹脂分で500cc/minに調整した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
ガラス繊維の含有率を約65質量%に調整し、引き抜き速度が樹脂分で70cc/minに調整した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
A−2のポリアミドを使用した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
C−2の難燃助剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
C−3の難燃助剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
B−1、C−1をブレンドする際、ポリアミド樹脂ブレンド物中の臭素化ポリスチレン濃度を10%、三酸化アンチモン濃度を4.5%に調節し、さらに、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルを濃度1%添加して、D−2のガラス繊維を使用した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
樹脂含浸用ローラーを供えた容量50ccの含浸槽に供給した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
樹脂含浸用ローラーを供えた容量600ccの含浸槽に供給した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
樹脂含浸用ローラーを供えた容量400ccの含浸槽に共供給し、ノズルより樹脂分で20cc/minの引き抜き速度となるよう調整して連続的に引き抜いて1本のストランド状にした以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
ストランドを引き抜く際、撚りを加えないで引き抜いた以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
B−1、C−1、を添加せず、ガラス繊維ロービングをD−1からD−2に変更した以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
比較例2の方法でガラス繊維ロービングD−1の代わりにチョップドガラス繊維D−3を添加し、含有率が約50質量%になるよう調整した。且つ、B−1、C−1が高濃度となるように調整して得られた、高濃度難燃剤ペレットと比較例1のペレットをブレンドし、ポリアミド樹脂ブレンド物中(ガラス繊維質量は除外して算出)の臭素化ポリスチレン濃度を10%、三酸化アンチモン濃度を4.5%の濃度となるよう調整してブレンド物を得た。
B−1、C−1をブレンドする際、ポリアミド樹脂ブレンド物中の臭素化ポリスチレン濃度を45%、三酸化アンチモン濃度を20%に調整し、ノズルより樹脂分で5cc/minの引き抜き速度となるよう調整しストランドを引き抜く際、撚りを加えないで引き抜いた以外は、実施例1と同様の方法でペレットを得た。
Coperion社製ZSK40MC2軸押出機を用い、スクリュー回転数480rpm、吐出量90kg/hr、バレル設定温度295℃、B−1及びC−1が添加されたポリアミド樹脂ブレンド物投入量45kg/hrとし、ガラス繊維含有率を約30質量%になるよう調整した。該押出機のバレルの樹脂溶融位置に直接チョップドガラス繊維ロービングD−3を導入し、直径5mmのダイス出口から押出されたガラス繊維強化ポリアミド樹脂ストランドを連続的に得、水冷固化させた後、ペレタイザーにて、長さ約5mm、直径約3mmのペレットを得た。
ガラス繊維含有率を約50質量%になるよう調整した以外は、比較例5と同様のペレットを得た。
Claims (8)
- (A)ポリアミド樹脂45〜90質量%、(B)臭素系難燃剤9〜40質量%、(C)難燃助剤1〜15質量%からなる樹脂組成物と、(D)ロービング状無機質強化材とを含み、(B)臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化フェノキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であり、以下の要件を満たすことを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
(1)(D)ロービング状無機質強化材の含有量は、ペレット全体に対して、70〜10質量%である。
(2)ペレット中の(D)ロービング状無機質強化材の繊維長はペレット長である。
(3)ペレット長が5〜30mmである。 - (A)ポリアミド樹脂45〜90質量%、(B)臭素系難燃剤9〜40質量%、(C)難燃助剤1〜15質量%からなる樹脂組成物と、(D)ロービング状無機質強化材とを含み、(B)臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化フェノキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であり、以下の要件を満たすことを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
(1)(D)ロービング状無機質強化材の含有量は、ペレット全体に対して、70〜10質量%である。
(2)ペレット中の(D)ロービング状無機質強化材の繊維長はペレット長より長い。
(3)ペレット長が5〜30mmである。 - (C)難燃助剤が酸化アンチモンであり、ペレット中の最大粒子径が50μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
- (A)ポリアミド樹脂の50%以上がポリアミド66であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
- (D)ロービング状無機質強化材がガラス繊維であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット。
- 請求項1に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法であって、(A)ポリアミド樹脂、(B)臭素系難燃剤、(C)難燃助剤を押出し機にて溶融混練した樹脂組成物に(D)ロービング状無機質強化材を、押出し機ヘッド部に設置した溶融槽で含浸させて引き取ったストランドをペレタイズしてペレットを得ることを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法。
- 請求項2に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法であって、(A)ポリアミド樹脂、(B)臭素系難燃剤、(C)難燃助剤を押出し機にて溶融混練した樹脂組成物に(D)ロービング状無機質強化材を、押出し機ヘッド部に設置した溶融槽で含浸させて引き取ったストランドをペレタイズしてペレットとし、かつストランドが撚りを加えながら引き取られることを特徴とする繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法。
- (D)ロービング状無機質強化材を含浸させる樹脂組成物の容積が1ストランドあたり100〜400ccであり、その1ストランドあたりの引き取り速度が樹脂分として30cc/min以上で引き取ったストランドをペレタイズすることを特徴とする請求項6または7に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008131900A JP5570097B2 (ja) | 2007-05-28 | 2008-05-20 | 繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007140138 | 2007-05-28 | ||
JP2007140138 | 2007-05-28 | ||
JP2008131900A JP5570097B2 (ja) | 2007-05-28 | 2008-05-20 | 繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009007557A JP2009007557A (ja) | 2009-01-15 |
JP5570097B2 true JP5570097B2 (ja) | 2014-08-13 |
Family
ID=40322950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008131900A Expired - Fee Related JP5570097B2 (ja) | 2007-05-28 | 2008-05-20 | 繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5570097B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5906599B2 (ja) * | 2011-08-05 | 2016-04-20 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びそれからなる成形品 |
JP2015143312A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | ダイセルポリマー株式会社 | レーザーマーキング用ポリアミド樹脂組成物と、その成形体 |
JP6511226B2 (ja) * | 2014-05-29 | 2019-05-15 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 繊維強化樹脂材料、樹脂成形品および繊維強化樹脂材料の製造方法 |
CN114773841A (zh) | 2017-03-30 | 2022-07-22 | 旭化成株式会社 | 聚酰胺组合物及成型品 |
JP6937226B2 (ja) * | 2017-11-13 | 2021-09-22 | 旭化成株式会社 | ポリアミド組成物及び成形品 |
KR102679770B1 (ko) * | 2018-04-02 | 2024-06-28 | 미쓰비시 엔지니어링-플라스틱스 코포레이션 | 폴리아미드 수지 조성물 및 성형품 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3352121B2 (ja) * | 1992-10-01 | 2002-12-03 | 住友化学工業株式会社 | 長繊維強化ポリアミド樹脂組成物及びその成形品 |
JPH11172101A (ja) * | 1997-12-10 | 1999-06-29 | Toray Ind Inc | ナイロン樹脂組成物 |
JP3819286B2 (ja) * | 2001-12-12 | 2006-09-06 | 株式会社神戸製鋼所 | 長繊維強化熱可塑性樹脂ストランドの製造装置および製造方法 |
JP2005239926A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 充填剤含有熱可塑性樹脂およびその利用 |
JP5259917B2 (ja) * | 2005-01-11 | 2013-08-07 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアミド樹脂組成物のブレンド物、及びその製造方法、並びに成形品 |
-
2008
- 2008-05-20 JP JP2008131900A patent/JP5570097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009007557A (ja) | 2009-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5294848B2 (ja) | 樹脂組成物および該樹脂組成物により製造される自動車アンダーフード部品 | |
JP5570097B2 (ja) | 繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び製造方法 | |
JP4859260B2 (ja) | ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物および成形品 | |
JP6959424B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物および成形品 | |
JP5274244B2 (ja) | ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法 | |
JP6002464B2 (ja) | ガラス長繊維強化難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP5451970B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物ペレットブレンド物、成形品およびペレットブレンド物の製造方法 | |
JP2008088377A (ja) | ブレーカー筐体用ポリアミド樹脂組成物及びブレーカー筐体 | |
JP2008111064A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JPWO2015056765A1 (ja) | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP2012211270A (ja) | コイルハウジング用樹脂組成物 | |
JP5259917B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物のブレンド物、及びその製造方法、並びに成形品 | |
JP6447041B2 (ja) | ポリアミド樹脂成形品の製造方法 | |
CN107603213B (zh) | 一种阻燃聚酰胺组合物、阻燃聚酰胺的制备方法和应用 | |
JP6779704B2 (ja) | ペレット、ペレットブレンド物、成形品、ペレットの製造方法およびペレットブレンド物の製造方法 | |
JP2019065285A (ja) | 防爆性を有する圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる圧力筐体 | |
EP0929600B1 (en) | Color stable flame retarded polyamide resin | |
JP2007092004A (ja) | ポリアミド樹脂組成物、および構造体 | |
JP5323525B2 (ja) | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2005220240A (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
JP3020708B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JP3910671B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2677236B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH0218448A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2024058972A (ja) | ポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110415 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130917 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140624 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140624 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5570097 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |