JP5569810B2 - 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル - Google Patents

内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル Download PDF

Info

Publication number
JP5569810B2
JP5569810B2 JP2010548514A JP2010548514A JP5569810B2 JP 5569810 B2 JP5569810 B2 JP 5569810B2 JP 2010548514 A JP2010548514 A JP 2010548514A JP 2010548514 A JP2010548514 A JP 2010548514A JP 5569810 B2 JP5569810 B2 JP 5569810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottle
inert gas
content filling
content
mouth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010548514A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010087332A1 (ja
Inventor
田 美 恵 太
根 章 智 関
えり子 佃
川 正 浩 吉
野 誠 司 桑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2010548514A priority Critical patent/JP5569810B2/ja
Publication of JPWO2010087332A1 publication Critical patent/JPWO2010087332A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5569810B2 publication Critical patent/JP5569810B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B67OPENING, CLOSING OR CLEANING BOTTLES, JARS OR SIMILAR CONTAINERS; LIQUID HANDLING
    • B67CCLEANING, FILLING WITH LIQUIDS OR SEMILIQUIDS, OR EMPTYING, OF BOTTLES, JARS, CANS, CASKS, BARRELS, OR SIMILAR CONTAINERS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; FUNNELS
    • B67C3/00Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus; Filling casks or barrels with liquids or semiliquids
    • B67C3/02Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus
    • B67C3/06Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus using counterpressure, i.e. filling while the container is under pressure
    • B67C3/10Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus using counterpressure, i.e. filling while the container is under pressure preliminary filling with inert gases, e.g. carbon dioxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B67OPENING, CLOSING OR CLEANING BOTTLES, JARS OR SIMILAR CONTAINERS; LIQUID HANDLING
    • B67CCLEANING, FILLING WITH LIQUIDS OR SEMILIQUIDS, OR EMPTYING, OF BOTTLES, JARS, CANS, CASKS, BARRELS, OR SIMILAR CONTAINERS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; FUNNELS
    • B67C3/00Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus; Filling casks or barrels with liquids or semiliquids
    • B67C3/02Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus
    • B67C3/04Bottling liquids or semiliquids; Filling jars or cans with liquids or semiliquids using bottling or like apparatus without applying pressure

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Filling Of Jars Or Cans And Processes For Cleaning And Sealing Jars (AREA)
  • Vacuum Packaging (AREA)

Description

本発明は、内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトルに係り、とりわけボトル内の初期酸素量を減らすことにより、内容物の酸化劣化を抑制することが可能な内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトルに関する。
近年、プラスチックボトルに使用されるプラスチック材料の使用量を減らすことにより、プラスチックボトルを軽量化することが望まれている。しかしながら、プラスチックボトルを軽量化することは、プラスチックボトルの強度および内容物保存(酸素バリア)性を低下させることに繋がる。
このため、内容物保存(酸素バリア)性を高めるために、プラスチックボトルを構成する材料に酸素遮断性や酸素吸収機能性を有する材料をブレンドしたり、プラスチックボトルを多層化することにより、プラスチックボトルのガスバリア性を高める(内容物の経時酸化を抑制する)技術が使用されている。
また、内容物を充填した後、プラスチックボトル内のヘッドスペース中の酸素を不活性ガスによって置換することにより、ヘッドスペース中の酸素を除去する(内容物の初期酸化を抑制する)充填包装技術が存在する(特開2008−155943号公報)。
他方、特開2002−301441号公報には、不活性ガスと洗浄水(リンス水)とを混合した状態で空ボトル内に注入させる技術が示されている。
特開2008−155943号公報 特開2002−301441号公報
しかしながら、特開2008−155943号公報のように、内容物入りのボトルのヘッドスペース中に不活性ガスを吹きかけ、不活性ガスにより酸素を置換することを行うのみでは、そのガス置換率に限界が存在する。とりわけ内容物の種類によっては、充填時に周囲の空気を巻き込み、泡立ち易く、かつこの泡が消えにくいものもある。このような泡立ちやすい内容物が充填されているボトルの場合、ヘッドスペース中の酸素を不活性ガスにより置換する際、ヘッドスペースのうち泡の外部の空間(液面上方空間)に存在する酸素を置換することはできるが、泡の内部に存在する酸素を置換することはできない。このような、泡内部に存在する酸素は、一定時間の経過後、泡の消滅とともにヘッドスペース中に放出されるため、結果的にヘッドスペース中の酸素量が上昇してしまうことになる。
他方、特開2002−301441号公報においては、不活性ガスを注入する工程と洗浄水(リンス水)を注入する工程とが区別されていないため、洗浄水(リンス水)の水切りを十分に行うことが難しいと考えられる。すなわち、リンス水と不活性ガスとがスプレー状に吹き出してしまうため、リンス水がボトル内壁にミスト状に残り、水切りが難しくなると考えられる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ボトル内に最初から存在する酸素量を減らし、内容物の酸化劣化を抑制することが可能な内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトルを提供することを目的とする。
本発明は、口部と、ボトル本体とを有するボトルに対して内容物を充填する内容物充填方法において、ボトルの口部を下方に向けた状態で口部からボトル本体内へ下方から上方へ向けて不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換する不活性ガス置換工程と、口部からボトル本体内へ内容物を充填する内容物充填工程とを備えたことを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、不活性ガス置換工程の前に、ボトル内を殺菌する殺菌工程と、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス工程とが設けられていることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、不活性ガス置換工程の前に、ボトル内を電子線により殺菌する殺菌工程が設けられていることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、内容物充填工程の後、口部からボトル本体内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程が設けられていることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、不活性ガス供給工程の後、口部にキャップを装着するキャップ装着工程が設けられていることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、内容物充填工程において、口部からボトル本体内へ5℃〜55℃の温度で内容物を充填することを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、工程全体が無菌雰囲気下で行われることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、不活性ガス置換工程の際ボトル本体内に導入された不活性ガスにより、内容物充填工程の際、ボトル本体内に充填された内容物に、内部に不活性ガスを収納した泡が生じることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、内容物は、茶飲料、乳飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、野菜汁飲料、または果汁飲料からなることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、不活性ガス置換工程から内容物充填工程までの間が0.5秒〜20秒で行われることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、ボトルのボトル本体は、胴部と、ペタロイド形状からなる底部とを有することを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、ボトルのボトル本体は、胴部と、陥没部が形成された底部とを有し、陥没部の深さは、胴部の外径の4%〜40%であることを特徴とする内容物充填方法である。
本発明は、口部と、ボトル本体とを有するボトルに対して内容物を充填する内容物充填システムにおいて、ボトルの口部を下方に向けた状態で口部からボトル本体内へ下方から上方へ向けて不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換する不活性ガス置換部と、不活性ガス置換部の下流側に設けられ、口部からボトル本体内へ内容物を充填する内容物充填部とを備えたことを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を殺菌する殺菌部が設けられ、不活性ガス置換部の上流側であって殺菌部の下流側に、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス部が設けられていることを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を電子線により殺菌する殺菌部が設けられていることを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、内容物充填部の下流側に、口部からボトル本体内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給部が設けられていることを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を殺菌する殺菌部が設けられ、不活性ガス置換部の上流側であって殺菌部の下流側に、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス部が設けられ、不活性ガス供給部の下流側に、口部にキャップを装着するキャップ装着部が設けられていることを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、ボトルのボトル本体は、胴部と、ペタロイド形状からなる底部とを有することを特徴とする内容物充填システムである。
本発明は、ボトルのボトル本体は、胴部と、陥没部が形成された底部とを有し、陥没部の深さは、胴部の外径の4%〜40%であることを特徴とする内容物充填システムである。
本発明によれば、口部からボトル本体内へ不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換した後、口部からボトル本体内へ内容物を充填するので、ボトル本体内に不活性ガスが充填されるとともに、内容物に、内部に不活性ガスを収納した泡が形成される。これにより、ボトル内に最初から存在する酸素量(初期容器内総酸素量)を減らすことができ、内容物の初期酸化劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス工程が設けられ、その後、口部からボトル本体内へ不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換する不活性ガス置換工程が設けられているので、不活性ガスによってリンス水を効果的に除去することができる。
また本発明によれば、内容物充填工程の後、口部からボトル本体内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程が設けられている。このことにより、搬送中にボトル本体内から失われた不活性ガスをボトル本体に補填することができ、ボトル内に最初から存在する酸素量(初期容器内総酸素量)を減らし、内容物の初期酸化劣化をより確実に抑制することができる。
また本発明によれば、口部からボトル本体内へ5℃〜55℃の温度で内容物を充填するとともに、工程全体が無菌雰囲気下で行われる。すなわち内容物を加熱することがないので、熱による内容物の劣化を防止することができる。
また本発明によれば、内容物が泡立ち易いもの、例えば茶飲料、乳飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、野菜汁飲料、または果汁飲料からなる場合であっても、内容物の初期酸化劣化を効果的に抑制することができる。
また本発明によれば、不活性ガス置換工程から内容物充填工程までの間が0.5秒〜20秒で行われるので、ボトルに対して高速で内容物を充填することも可能である。
図1は、本発明の一実施の形態による内容物充填システムを示す構成図。 図2は、本発明の一実施の形態による内容物充填システムのリンス部および不活性ガス置換部を示す概略断面図。 図3は、本発明の一実施の形態による内容物充填方法を示すフロー図。 図4A、図4Bおよび図4Cは、本発明の一実施の形態による内容物充填方法の各工程におけるボトルを示す図。 図5は、初期容器内総酸素量を比較するグラフ。 図6は、容器内総酸素量の経時変化を比較するグラフ。 図7Aおよび図7Bは、実施例Aによるボトルを示す図。 図8Aおよび図8Bは、実施例Bによるボトルを示す図。 図9Aおよび図9Bは、実施例Cによるボトルを示す図。 図10Aおよび図10Bは、実施例Dによるボトルを示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明の一実施の形態を示す図である。
(内容物充填システム)
まず図1乃至図2により本実施の形態による内容物充填システムについて説明する。
図1に示す内容物充填システム10は、口部31と、ボトル本体32とを有するボトル30に対して内容物43を充填するシステムである。この内容物充填システム10は、殺菌部11と、リンス部12と、不活性ガス置換部13と、内容物充填部14と、不活性ガス供給部15と、キャップ装着部16とを備えている。殺菌部11、リンス部12、不活性ガス置換部13、内容物充填部14、不活性ガス供給部15、およびキャップ装着部16は、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
また、殺菌部11とリンス部12との間に、ボトル30を殺菌部11からリンス部12へ搬送する第1搬送機構17が設けられている。さらに、不活性ガス置換部13と内容物充填部14との間に、ボトル30を不活性ガス置換部13から内容物充填部14へ搬送する第2搬送機構18が設けられている。
このうち殺菌部11は、ミスト状、棒状、または噴水式に噴出される殺菌剤40により空のボトル30内を殺菌するものである。この殺菌剤40としては、例えば過酸化水素水または過酢酸が挙げられる。なお、殺菌部11においては、殺菌剤40を用いる殺菌方法のほか、殺菌剤40を用いない電子線殺菌(以下、EB(Electron Beam)殺菌ともいう)方法が用いられても良い。
リンス部12は、殺菌部11で内部が殺菌されたボトル30の口部31からボトル本体32内へリンス水41を供給するものである。このリンス水41は、例えば25℃〜80℃程度の温水(無菌水)からなっている。なお、殺菌部11においてEB殺菌方法を用いる場合、このリンス部12は必ずしも設けられなくても良い。この場合、製造工程において水や電気の使用量を削減することができる。
なお、殺菌部11とリンス部12との間に位置する第1搬送機構17において、口部31が下方を向くように、ボトル30が上下反転されるようになっている。
不活性ガス置換部13は、リンス部12でリンスされたボトル30に対し、その口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42のみを供給し、これによりボトル本体32内を不活性ガス42で置換するものである。この不活性ガス42として各種のガスを用いることができるが、とりわけ窒素(N2)を用いることが好ましい。また充填する不活性ガス42の量は、ボトル30の容積を上回る量とすることが好ましい。なお、不活性ガス置換部13において、ボトル30は口部31を下方に向けたままの状態である。このように、不活性ガス42を用いてボトル30内の空気(酸素)を置換することにより、ボトル30内に不活性ガス42が充填される。
次に図2を用いて、このリンス部12および不活性ガス置換部13の構成について更に詳細に説明する。
図2に示すように、リンス部12および不活性ガス置換部13は、それぞれディストリビュータ50上に配置されている。このディストリビュータ50は、固定部51と、固定部51上で一定方向に回転する回転部52とを有している。このうち回転部52に、上方に向けて突出する複数のノズル53が連結されている。そしてボトル30は、回転部52の回転に伴い、口部31内に挿入された各ノズル53とともに一定方向に回転するようになっている。なお図2において、便宜上、ディストリビュータ50の一部分のみを模式的に示している。
リンス部12は、リンス水41を収容したリンス水タンク59と、リンス水タンク59に連結されたリンス水供給管54と、リンス水供給管54に連結されたリンス水供給空間55とを有している。このうちリンス水供給空間55は、固定部51内に形成されるとともに、回転部52の回転に伴ってリンス水供給空間55上方に移動してきたノズル53と連通するようになっている。これによりリンス水41は、リンス水タンク59から、リンス水供給管54、リンス水供給空間55、および各ノズル53を順次介してボトル30内に供給され、ボトル30内が洗浄される。
他方、不活性ガス置換部13は、不活性ガス42を収容した不活性ガスタンク56と、不活性ガスタンク56に連結された不活性ガス供給管57と、不活性ガス供給管57に連結された不活性ガス供給空間58とを有している。このうち不活性ガス供給空間58は、固定部51内に形成されるとともに、回転部52の回転に伴って不活性ガス供給空間58上方に移動してきたノズル53と連通するようになっている。これにより不活性ガス42は、不活性ガスタンク56から、不活性ガス供給管57、不活性ガス供給空間58、および各ノズル53を順次介してボトル30内に供給され、ボトル30内の空気と置換される。
再び図1を参照すると、不活性ガス置換部13の下流側に、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ内容物43を充填する内容物充填部14が設けられている。この内容物充填部14において、不活性ガス42が充填された状態のボトル30に対して内容物43が充填される。内容物43は、各種の飲料等からなっていて良いが、とりわけ、緑茶等の茶飲料、牛乳等の乳飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、野菜汁飲料、または果汁飲料等、泡立ち易い液体を好適に用いることができる。
なお不活性ガス置換部13と内容物充填部14との間の第2搬送機構18において、口部31が上方を向くように再度ボトル30を上下反転するようになっている。
内容物充填部14の下流側には、不活性ガス供給部15が設けられている。この不活性ガス供給部15は、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42を供給し、ボトル本体32のうち内容物43の液面上方の空間(液面上方空間32a)内に不活性ガス42を充填するものである。なお、不活性ガス42としては、不活性ガス置換部13において供給されるガスと同様に、例えば窒素(N2)を用いることができる。なお、不活性ガス供給部15で供給される不活性ガスが、不活性ガス置換部13で供給される不活性ガスと異なる種類のガスからなっていても良い。この不活性ガス供給部15で充填される不活性ガス42の量は、泡43aおよび液面上方空間32aの合計容積と同等以上の量とすることが好ましい。ここで本明細書中、液面上方空間32aとは、ボトル本体32内部の空間のうち、内容物43の液面上方に形成される空間であって、内容物43に発生する泡43aを除いたものをいう。したがって、泡43aおよび液面上方空間32aに含まれる気体が、市場に出た後におけるヘッドスペース中の気体に相当する。
不活性ガス供給部15の下流側に設けられたキャップ装着部16は、ボトル30の口部31にキャップ33を装着することにより、ボトル30を密閉するものである。
(内容物充填方法)
次に、図1、図3、および図4A−図4Cにより、本実施の形態による内容物充填方法について説明する。本実施の形態による内容物充填方法は、上述した内容物充填システム10(図1)を用いて行われるものである。
まず、殺菌部11において、空のボトル30内を殺菌剤40により殺菌する(殺菌工程)(図3のステップS1)。この殺菌剤40としては、上述したように過酸化水素水または過酢酸が挙げられる。なお、この殺菌工程において、殺菌剤40を用いる殺菌方法のほか、上述したEB殺菌方法を用いても良い。このように、殺菌部11においてボトル30内が殺菌される。
次に、殺菌されたボトル30は、第1搬送機構17において口部31が下方を向くように上下反転され、リンス部12に搬送される。次にこのリンス部12において、ボトル30の口部31からボトル本体32内へリンス水41が供給される(リンス工程)(図3のステップS2)。このように、リンス水41を用いてボトル30内を洗浄することにより、ボトル30内に残存する殺菌剤40等を取り除く。なお、殺菌工程においてEB殺菌方法を用いる場合には、殺菌剤40を使用しないため、必ずしもこのリンス工程を設ける必要はない。ただし殺菌工程でEB殺菌方法を用いる場合であっても、ボトル30内に残存する異物等を除去するために、このリンス工程が設けられていても良い。
続いて、ボトル30は、口部31を下方に向けたまま不活性ガス置換部13に搬送される。この不活性ガス置換部13において、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42のみを供給し、ボトル本体32内を不活性ガス42で置換する(不活性ガス置換工程)(図3のステップS3)。このように、ボトル本体32内に下方から不活性ガス42を噴射することにより、ボトル本体32内に残存するリンス水41を効果的に取り除くことができるという効果もある。
次に、不活性ガス42が充填されたボトル30は、第2搬送機構18において口部31が上方を向くように上下反転され、内容物充填部14に搬送される。続いて、内容物充填部14において、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ内容物43が充填される(内容物充填工程)(図3のステップS4、図4A)。なお、充填される内容物43は、その溶存酸素濃度を抑えるように、予め液処理工程において制御(液脱気)管理されている。
この内容物充填工程の際、ボトル30のボトル本体32に充填された内容物43の内部および表面に、充填時の巻き込みにより多数の泡43aが生じる。この場合、上述したように、不活性ガス置換工程において、ボトル本体32内に不活性ガス42が導入されている。したがって、内容物43には、内部に不活性ガス42が収納された泡43aが生じる。また、内容物43中に不活性ガス42が包み込まれる。
本実施の形態において、内容物43は、上述したように緑茶等の茶飲料、牛乳等の乳飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、野菜汁飲料、または果汁飲料等の泡立ち易い液体からなっていることが好ましい。すなわち本実施の形態によれば、内容物43の初期酸化を抑制する効果が高いため、内容物43として、緑茶に代表されるような、酸化劣化によって風味や色差が変わりやすい性質を持つ液体が非常に適している。また、内容物43の充填時に泡立ちし易く、泡が消えにくい乳成分を多く含む液体を用いることも効果的である。
内容物充填工程の後、ボトル30は不活性ガス供給部15に搬送される。次いで、この不活性ガス供給部15において、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42が供給される(不活性ガス供給工程)(図3のステップS5、図4B)。これにより、ボトル本体32の液面上方空間32a内に不活性ガス42が充填される。この結果、不活性ガス置換部13から内容物充填部14を経て不活性ガス供給部15に至るボトル30の搬送中に一部失われた不活性ガス42が、ボトル本体32内に補填される。
不活性ガス供給工程の後、ボトル30はキャップ装着部16に搬送される。その後、キャップ装着部16において、ボトル30の口部31にキャップ33を装着することにより、内容物入ボトル35が得られる(キャップ装着工程)(図3のステップS6、図4C)。
この密栓後の内容物入ボトル35は、ボトル本体32と口部31とを有するボトル30と、ボトル30のボトル本体32内に充填された内容物43とを備えている。また、ボトル本体32の液面上方空間32a内に不活性ガス42が充填されるとともに、内部に不活性ガス42を収納した泡43aが形成されている(図4C)。したがって、ボトル30内に最初から存在する酸素量(初期容器内総酸素量)がきわめて少なく抑えられている。
ところで、本実施の形態において、上述した殺菌工程からキャップ装着工程までの工程全体が無菌雰囲気下で行われるとともに、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ5℃〜55℃、例えば常温(5℃〜35℃)で内容物43を充填するようになっている。すなわち、いわゆる無菌充填方式が採用されている。
ここで、本実施の形態による無菌充填方式と、ホットパック充填方式の違いについて説明する。本実施の形態による無菌充填方式の特徴として、内容物43の充填温度が5℃〜55℃であるため、充填時における泡43aおよび液面上方空間32aの気体量は、市場に出た後における、製品(内容物入ボトル35)のヘッドスペース容積にほぼ等しいことが挙げられる。
これに対して、ホットパック充填方式を採用した場合には、85℃以上の高温下で内容物を充填する。このため、充填時にヘッドスペースは蒸気で満たされており、ヘッドスペースの酸素濃度は低くなっている。また、その後内容物が常温となった場合には、ヘッドスペースが大きく減少する。さらに、気体の液体への溶解度は一般的に低温である程、増す性質がある。
したがって、本実施の形態による無菌充填方式は、ホットパック充填方式と比べて、内容物43の充填時における空気の巻き込みにより、内容物43中の溶存酸素濃度が高まりやすい。加えて、液面上方空間32aが大きいことから、ボトル30内の総酸素量が大きくなりやすい傾向にある。したがって、とりわけ無菌充填方式を用いる場合、ボトル30内に最初から存在する酸素量(初期容器内総酸素量)を抑えることが、内容物43の酸化を防止するうえで効果的となる。
なお、本実施の形態において、内容物入ボトル35の生産(搬送)速度は、100bpm〜2000bpmとすることが好ましい。ここでbpm(bottle per minute)とは、1分間当たりのボトル30の搬送速度をいう。この場合、不活性ガス置換工程(図3のステップS3)から内容物充填工程(図3のステップS4)までの間が0.5秒〜20秒で行われることが好ましい。
なお、ボトル30の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)等の合成樹脂材料を用いることができる。なお、ボトル30の好ましい形状については後に詳述する。
以上のように本実施の形態によれば、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42のみを供給してボトル本体32内を不活性ガス42で置換した後、口部31からボトル本体32内へ内容物43を充填する。このことにより、ボトル本体32内に不活性ガス42が充填されるとともに、内容物43に、内部に不活性ガス42を収納した泡43aが形成される。この結果、ボトル30内の初期容器内総酸素量(製造直後における、液面上方空間32a内部に存在する酸素量、泡43a内部に存在する酸素量、および内容物43に溶解している酸素量の合計)を減らすことができ、内容物43の初期酸化劣化を抑制することができる。具体的には、500mlサイズのボトル30の場合、初期容器内総酸素量を2.0cc以下に抑えることができる。
また本実施の形態によれば、ボトル30の口部31からボトル本体32内へリンス水41を供給し(リンス工程)、その後、口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42のみを供給してボトル本体32内を不活性ガス42で置換する(不活性ガス置換工程)。したがって、不活性ガス42によってリンス水41を効果的に除去することができる。
また本実施の形態によれば、内容物充填工程の後、口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42を供給する不活性ガス供給工程が設けられている。このことにより、搬送中にボトル本体32内から一部失われた不活性ガス42をボトル本体32に補填することができ、内容物43の初期酸化劣化をより確実に抑制することができる。
また本実施の形態によれば、口部31からボトル本体32内へ5℃〜55℃で内容物43を充填するとともに、工程全体が無菌雰囲気下で行われる(無菌充填方式)。すなわち、ホットパック充填方式と異なり、内容物43を加熱することがないので、熱による内容物43の劣化を防止することができる。
さらに本実施の形態によれば、従来の無菌充填方式で使用されている設備を大幅に改造する必要がないため、設備コストを抑制することができる。
さらに本実施の形態によれば、内容物入ボトル35の生産(搬送)速度は、100bpm〜2000bpmであり、また不活性ガス置換工程から内容物充填工程までの間が0.5秒〜20秒で行われるので、ボトル30に対して高速で内容物43を充填することが可能である。
(実施例)
次に、図1、図3、図5、および図6を用いて本発明の具体的実施例を説明する。
(実施例1)
図1に示す内容物充填システム10を用い、かつ図3に示す内容物充填方法により内容物入ボトル35(実施例1)を作製した。この場合、無菌雰囲気かつ常温で内容物43を充填した(無菌充填方式)。また、ボトル30として容量500mlのPETボトルを用い、さらにボトル30の搬送速度は900bpmとした。
まずボトル30内を過酸化水素水からなる殺菌剤により殺菌し(殺菌工程)、次に口部31からボトル本体32内へリンス水を供給した(リンス工程)。続いて、口部31からボトル本体32内へ窒素からなる不活性ガスを550ml供給して、ボトル本体32内を窒素ガスで置換した(不活性ガス置換工程)。次に、口部31からボトル本体32内へ緑茶からなる内容物43を充填した(内容物充填工程)。この場合、充填前における緑茶内の酸素濃度は1.4ppmであった。また緑茶の充填温度は30.2℃であった。
次いで、口部31からボトル本体32内へ窒素からなる不活性ガスを供給し(不活性ガス供給工程)、その後、口部31にキャップ33を装着することにより、実施例1による内容物入ボトル35を得た。この場合、ヘッドスペースの容量は20mlであった。
このようにして得られた内容物入ボトル35(実施例1)の初期容器内総酸素量(ビバレッジ由来酸素量+ヘッドスペース由来酸素量)を測定した。初期容器内総酸素量は、ヘッドスペースの酸素濃度(%)、ヘッドスペースの容量、内容物の充填量、内容物中の溶存酸素濃度(%)をそれぞれ実測し、下記の式に基づいて算出した。
(初期容器内総酸素量)=(ヘッドスペースの酸素濃度)×(ヘッドスペースの容量)+(内容物の充填量)×(内容物中の溶存酸素濃度)
この結果、初期容器内総酸素量は、1.5cc(ビバレッジ由来酸素量0.4cc+ヘッドスペース由来酸素量1.1cc)となった(図5参照)。なお、ビバレッジ由来酸素量には緑茶に溶解している酸素量が含まれ、ヘッドスペース由来酸素量には液面上方空間32a内部に存在する酸素量および泡43a内部に存在する酸素量が含まれる。
(実施例2)
実施例1より液温を下げた状態で内容物43を充填し泡43aを多く発生させた(ヘッドスペースの容量のうち、泡43aが占める割合(泡率ともいう)を18%とした)こと、以外は、実施例1と同様にして内容物入ボトル35(実施例2)を作製した。この内容物入ボトル35(実施例2)の初期容器内総酸素量を測定したところ、1.0cc(ビバレッジ由来酸素量0.4cc+ヘッドスペース由来酸素量0.6cc)となった(図5参照)。
(比較例1)
リンス工程の後、口部31からボトル本体32内へ窒素ではなく無菌化した空気からなるガスを550ml供給したこと、および不活性ガス供給工程を行わなかったこと、以外は、実施例1と同様にして内容物入ボトル(比較例1)を作製した。この内容物入ボトル(比較例1)の初期容器内総酸素量を測定したところ、5.0cc(ビバレッジ由来酸素量1.0cc+ヘッドスペース由来酸素量4.0cc)となった(図5参照)。
(比較例2)
リンス工程の後、口部31からボトル本体32内へ窒素ではなく無菌化した空気からなるガスを550ml供給したこと、以外は、実施例1と同様にして内容物入ボトル(比較例2)を作製した。この内容物入ボトル(比較例2)の初期容器内総酸素量を測定したところ、2.5cc(ビバレッジ由来酸素量0.5cc+ヘッドスペース由来酸素量2.0cc)となった(図5参照)。
(比較例3)
無菌充填方式ではなくホットパック充填方式を用いたこと、以外は、実施例1と同様にして内容物入ボトル(比較例3)を作製した。この内容物入ボトル(比較例3)の初期容器内総酸素量を測定したところ、1.7cc(ビバレッジ由来酸素量0.4cc+ヘッドスペース由来酸素量1.3cc)となった(図5参照)。
この結果、実施例1および実施例2による内容物入ボトル35の初期容器内総酸素量を2.0cc以下(それぞれ1.5cc、1.0cc)に抑えることができた。この数値は、ホットパック充填方式を用いて同様の条件下で作製した内容物入ボトル(比較例3)の数値(1.7cc)と比べ同等またはそれ以下である(図5参照)。他方、比較例1および比較例2による内容物入ボトルの初期容器内総酸素量は、2.0ccを上回った(それぞれ5.0cc、2.5cc)。
次に、上述した実施例1および実施例2による内容物入ボトル35と、比較例1〜比較例3による内容物入ボトルとの間で、時間の経過に伴う容器内総酸素量を比較した(図6)。この結果、実施例1および実施例2による内容物入ボトル35の場合も、比較例1〜比較例3による内容物入ボトルの場合も、ボトルの壁面を酸素が透過することにより、時間の経過に伴って容器内総酸素量が徐々に増加していった(図6のグラフが右上がりとなった)。しかしながら、長時間が経過した後であっても、これらのボトルの容器内総酸素量の差はほぼ一定に維持されていた。このことからも、初期容器内総酸素量を低く抑えることが、内容物の酸化劣化を抑制するために有効であることが確認された。
(ボトルの構成)
次に、図7乃至図10を用いて、本実施の形態による内容物充填方法および内容物充填システムにおいて好適に用いられるボトルの構成について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、ボトル30の口部31からボトル本体32内へ不活性ガス42のみを供給してボトル本体32内を不活性ガス42で置換し(不活性ガス置換工程)、その後口部31からボトル本体32内へ内容物43を充填している(内容物充填工程)。
また上述したように、内容物充填工程の際、充填時の巻き込みにより内容物43に多数の泡43aが生じる。この泡43aの内部には、不活性ガス42が閉じこめられている。したがって、多数の泡43aの合計体積(以下、泡立ち体積ともいう)が大きければ大きいほど、ボトル本体32の液面上方空間32a内の酸素量を相対的に減少させることができる。また泡43a内部の不活性ガス42は、キャップ装着工程までの間に外部の酸素と置換されることがない。したがって、ボトル30内に存在する酸素量(初期容器内総酸素量)を低く抑えることができる。本発明者らは、このような泡立ち体積はボトル30の形状による影響を受けやすく、とりわけボトル30の底部の形状による影響を受けやすいことを見出した。
以下、図7乃至図10により、本実施の形態において用いられるボトル(実施例A、実施例B、実施例C、実施例D)について順次説明する。
(実施例A)
図7Aおよび図7Bは、本実施の形態による内容物充填方法および内容物充填システムに好適に用いられるボトル30(30a)を示している(実施例A)。なお図7Aは、実施例Aによるボトルを示す斜視図であり、図7Bは、実施例Aによるボトルの底部を示す断面図(図7AのVII−VII線断面図)である。
図7Aおよび図7Bに示すボトル30(30a)は、口部31と、ボトル本体32とを有している。このうちボトル本体32は、胴部21と、胴部21に連接するとともにペタロイド形状からなる底部22とを有している。底部22は、周方向に等間隔に配置された5つの脚部23を有している。この場合、胴部21の外径(胴径)は55mm乃至70mm、好ましくは60mm乃至70mmとなっている。
(実施例B)
図8Aおよび図8Bは、本実施の形態による内容物充填方法および内容物充填システムに好適に用いられるボトル30(30b)を示している(実施例B)。なお図8Aは、実施例Bによるボトルを示す斜視図であり、図8Bは、実施例Bによるボトルの底部を示す断面図(図8AのVIII−VIII線断面図)である。
図8Aおよび図8Bに示すボトル30(30b)は、口部31と、ボトル本体32とを有している。このうちボトル本体32は、胴部21と、胴部21に連接するとともに中央に陥没部25が形成された底部24とを有している。この場合、胴部21の外径(胴径)は55mm乃至70mm、好ましくは60mm乃至70mmとなっている。
このボトル30bは、底部24の中央部に内方に向けて陥没する陥没部25を有している。この陥没部25は、内部に向けて傾斜したテーパー状周壁26と、その上端に設けられた略星形状の中心凹部27とを有している。また陥没部25の深さ、すなわち接地部28から陥没部25の最深部までの距離Hbは、胴径の4%〜40%、好ましくは10〜30%である。距離Hbが胴径の4%よりも小さいと、泡43aの泡立ち体積を十分大きくすることができない。一方、距離Hbが胴径の40%を越えると、成形性の安定が悪くなり、底部24の形状が出にくいので好ましくない。
(実施例C)
一方、図9Aおよび図9Bは、本実施の形態による内容物充填方法および内容物充填システムに用いることが可能なボトル60を示している(実施例C)。なお図9Aは、実施例Cによるボトルを示す斜視図であり、図9Bは、実施例Cによるボトルの底部を示す断面図(図9AのIX−IX線断面図)である。
図9Aおよび図9Bに示すボトル60は、口部31と、ボトル本体32とを有している。このうちボトル本体32は、胴部21と、胴部21に連接するとともに凹部62が形成された底部61とを有している。凹部62は、複数の段部63、63を有している。この場合、胴部21の外径(胴径)は55mm乃至70mmとなっている。また凹部62の深さ、すなわち接地部64から凹部62の最深部までの距離Hcは、胴径の4%〜15%である。
(実施例D)
図10Aおよび図10Bは、本実施の形態による内容物充填方法および内容物充填システムに用いることが可能なボトル70を示している(実施例D)。なお図10Aは、実施例Dによるボトルを示す斜視図であり、図10Bは、実施例Dによるボトルの底部を示す断面図(図10AのX−X線断面図)である。
図10Aおよび図10Bに示すボトル70は、口部31と、ボトル本体32とを有している。このうちボトル本体32は、胴部21と、胴部21に連接するとともに凹部72が形成された底部71とを有している。この場合、胴部21の外径(胴径)は55mm乃至70mmとなっている。また凹部72の深さ、すなわち接地部73から凹部72の最深部までの距離Hdは、胴径の4%〜15%である。
(実施例)
次に、図7乃至図10に示すボトルの具体的実施例を説明する。
まず図7乃至図10に示すボトルを準備した(それぞれ、実施例Aのボトル30a、実施例Bのボトル30b、実施例Cのボトル60、実施例Dのボトル70という)。各ボトル30a、30b、60、70の内容量は500mlであり、底部を除いて各ボトルの形状は互いに同一であった。次にそれぞれのボトルについて、内容物入ボトルを作製した。具体的には以下のようにして、内容物入ボトルを作製した。
(実施例A)
図7Aおよび図7Bに示す実施例Aのボトル30aを用いて、内容物入ボトル35(実施例A)を作製した。具体的には、図1に示す内容物充填システム10を用い、かつ図3に示す内容物充填方法により内容物入ボトル35(実施例A)を作製した。この場合、無菌雰囲気かつ常温で内容物43を充填した(無菌充填方式)。また、ボトル30aとして容量500mlのPETボトルを用い、さらにボトル30aの搬送速度は600bpmとした。
まずボトル30a内を過酸化水素水からなる殺菌剤により殺菌し(殺菌工程)、次に口部31からボトル本体32内へリンス水を供給した(リンス工程)。続いて、口部31からボトル本体32内へ無菌化窒素ガスからなる不活性ガス42を600ml供給して、ボトル本体32内を窒素ガスで置換した(不活性ガス置換工程)。次に、口部31からボトル本体32内へ緑茶からなる内容物43を充填した(内容物充填工程)。この場合、充填前における緑茶内の酸素濃度は1.4ppmであった。また緑茶の充填温度は30.2℃であった。
次いで、口部31からボトル本体32内へ窒素からなる不活性ガスを供給し(不活性ガス供給工程)、その後、口部31にキャップ33を装着することにより、実施例Aによる内容物入ボトル35を得た。この場合、ヘッドスペースの容量は20mlであった。
このようにして得られた内容物入ボトル35(実施例A)の泡立ち体積および初期容器内総酸素量を測定した。この結果、泡立ち体積は3.6ccであり、初期容器内総酸素量は1.4ccとなった。
(実施例B)
図8Aおよび図8Bに示すボトル30bを用いたこと、以外は、実施例Aと同様にして内容物入ボトル35(実施例B)を作製した。この内容物入ボトル35(実施例B)の泡立ち体積および初期容器内総酸素量を測定したところ、泡立ち体積は3.4ccであり、初期容器内総酸素量は1.5ccとなった。
(実施例C)
図9Aおよび図9Bに示すボトル60を用いたこと、以外は、実施例Aと同様にして内容物入ボトル(実施例C)を作製した。この内容物入ボトル(実施例C)の泡立ち体積および初期容器内総酸素量を測定したところ、泡立ち体積は2.1ccであり、初期容器内総酸素量は2.0ccとなった。
(実施例D)
図10Aおよび図10Bに示すボトル70を用いたこと、以外は、実施例Aと同様にして内容物入ボトル(実施例D)を作製した。この内容物入ボトル(実施例D)の泡立ち体積および初期容器内総酸素量を測定したところ、泡立ち体積は0.8ccであり、初期容器内総酸素量は2.4ccとなった。
この結果、実施例Aおよび実施例Bによるボトル30a、30bは、実施例Cおよび実施例Dによるボトル60、70と比較して、不活性ガス43の泡43aによる泡立ちが生じやすい形状を有しており、これにより、実施例Aおよび実施例Bによる内容物入ボトル35の初期容器内総酸素量を相対的に低く抑えられることが分かった。すなわち、実施例Aおよび実施例Bによるボトル30a、30bは、それぞれその底部22、24に比較的大きい凹凸が形成されている。このため、内容物43を充填する際に泡立ちが生じやすく、これにより初期容器内総酸素量を低く抑えることができたと考えられる。他方、底部が平底形状の場合、充填液を充填した際液の乱流現象が起こりにくく、泡立ちも起こりにくいので、初期容器内総酸素量を低く抑えるという効果は小さい。逆に言えば、底部がペタロイド形状からなっていたり(実施例A)、底部に陥没部が形成されている場合(実施例B)には、底部の形状が複雑であるため、充填時に乱流が起こりやすく、泡が発生し、且つその泡の中は窒素で満たされるようになる。なお、実施例Cおよび実施例Dによるボトル60、70については、初期容器内総酸素量を抑制する効果は相対的に低くなるが、効果が得られないわけではない。

Claims (19)

  1. 口部と、ボトル本体とを有するボトルに対して内容物を充填する内容物充填方法において、
    ボトルの口部を下方に向けた状態で、口部からボトル本体内へ下方から上方へ向けて不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換する不活性ガス置換工程と、
    口部からボトル本体内へ内容物を充填する内容物充填工程とを備えたことを特徴とする内容物充填方法。
  2. 不活性ガス置換工程の前に、
    ボトル内を殺菌する殺菌工程と、
    口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス工程とが設けられていることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  3. 不活性ガス置換工程の前に、ボトル内を電子線により殺菌する殺菌工程が設けられていることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  4. 内容物充填工程の後、口部からボトル本体内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程が設けられていることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  5. 不活性ガス供給工程の後、口部にキャップを装着するキャップ装着工程が設けられていることを特徴とする請求項4記載の内容物充填方法。
  6. 内容物充填工程において、口部からボトル本体内へ5℃〜55℃の温度で内容物を充填することを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  7. 工程全体が無菌雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  8. 不活性ガス置換工程の際ボトル本体内に導入された不活性ガスにより、内容物充填工程の際、ボトル本体内に充填された内容物に、内部に不活性ガスを収納した泡が生じることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  9. 内容物は、茶飲料、乳飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、野菜汁飲料、または果汁飲料からなることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  10. 不活性ガス置換工程から内容物充填工程までの間が0.5秒〜20秒で行われることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  11. ボトルのボトル本体は、胴部と、ペタロイド形状からなる底部とを有することを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  12. ボトルのボトル本体は、胴部と、陥没部が形成された底部とを有し、陥没部の深さは、胴部の外径の4%〜40%であることを特徴とする請求項1記載の内容物充填方法。
  13. 口部と、ボトル本体とを有するボトルに対して内容物を充填する内容物充填システムにおいて、
    ボトルの口部を下方に向けた状態で、口部からボトル本体内へ下方から上方へ向けて不活性ガスのみを供給してボトル本体内を不活性ガスで置換する不活性ガス置換部と、
    不活性ガス置換部の下流側に設けられ、口部からボトル本体内へ内容物を充填する内容物充填部とを備えたことを特徴とする内容物充填システム。
  14. 不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を殺菌する殺菌部が設けられ、
    不活性ガス置換部の上流側であって殺菌部の下流側に、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス部が設けられていることを特徴とする請求項13記載の内容物充填システム。
  15. 不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を電子線により殺菌する殺菌部が設けられていることを特徴とする請求項13記載の内容物充填システム。
  16. 内容物充填部の下流側に、口部からボトル本体内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給部が設けられていることを特徴とする請求項13記載の内容物充填システム。
  17. 不活性ガス置換部の上流側に、ボトル内を殺菌する殺菌部が設けられ、
    不活性ガス置換部の上流側であって殺菌部の下流側に、口部からボトル本体内へリンス水を供給するリンス部が設けられ、
    不活性ガス供給部の下流側に、口部にキャップを装着するキャップ装着部が設けられていることを特徴とする請求項16記載の内容物充填システム。
  18. ボトルのボトル本体は、胴部と、ペタロイド形状からなる底部とを有することを特徴とする請求項13記載の内容物充填システム。
  19. ボトルのボトル本体は、胴部と、陥没部が形成された底部とを有し、陥没部の深さは、胴部の外径の4%〜40%であることを特徴とする請求項13記載の内容物充填システム。
JP2010548514A 2009-01-30 2010-01-26 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル Active JP5569810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010548514A JP5569810B2 (ja) 2009-01-30 2010-01-26 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009019519 2009-01-30
JP2009019519 2009-01-30
PCT/JP2010/050965 WO2010087332A1 (ja) 2009-01-30 2010-01-26 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル
JP2010548514A JP5569810B2 (ja) 2009-01-30 2010-01-26 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010087332A1 JPWO2010087332A1 (ja) 2012-08-02
JP5569810B2 true JP5569810B2 (ja) 2014-08-13

Family

ID=42395593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010548514A Active JP5569810B2 (ja) 2009-01-30 2010-01-26 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5569810B2 (ja)
CN (1) CN102300777B (ja)
SG (1) SG172759A1 (ja)
WO (1) WO2010087332A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014090678A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Ito En Ltd 容器詰野菜汁及び/又は果汁含有飲料及びその製造方法、並びに容器詰野菜汁及び/又は果汁含有飲料の呈味劣化防止方法
CN105745153B (zh) * 2013-10-28 2017-10-24 株式会社大塚制药工场 不活泼气体填充用喷嘴、不活泼气体填充装置和装有输液用液体的容器的制造方法
JP2020100412A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 アサヒビール株式会社 容器内の不活性ガス置換方法、飲料の充填装置、及び、飲料製造ライン
JP2020125117A (ja) * 2019-02-01 2020-08-20 三菱重工機械システム株式会社 殺菌装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0584808A (ja) * 1991-09-25 1993-04-06 Mitsui Petrochem Ind Ltd 飽和ポリエステル製ボトル
JP2001031010A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Toyo Seikan Kaisha Ltd 合成樹脂製ボトルへの内容物の充填密封方法
JP2003237729A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボトル容器ガス置換装置、ボトル容器搬送装置、ボトル容器のガス置換方法
JP2004256128A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Hokkai Can Co Ltd ポリエチレンテレフタレート樹脂製耐熱ボトル
JP2005112436A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法
JP2008162652A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Shibuya Kogyo Co Ltd 容器充填システム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL6500035A (ja) * 1965-01-05 1965-08-25
JP4599861B2 (ja) * 2004-03-23 2010-12-15 凸版印刷株式会社 密封性容器ヘッドスペースガス置換ノズル及びそれを用いたガス置換方法
WO2007029352A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 General Packer Co., Ltd. ガス充填包装機における不活性ガス充填方法
JP5056000B2 (ja) * 2006-12-22 2012-10-24 大日本印刷株式会社 流動体の充填方法及び装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0584808A (ja) * 1991-09-25 1993-04-06 Mitsui Petrochem Ind Ltd 飽和ポリエステル製ボトル
JP2001031010A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Toyo Seikan Kaisha Ltd 合成樹脂製ボトルへの内容物の充填密封方法
JP2003237729A (ja) * 2002-02-20 2003-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボトル容器ガス置換装置、ボトル容器搬送装置、ボトル容器のガス置換方法
JP2004256128A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Hokkai Can Co Ltd ポリエチレンテレフタレート樹脂製耐熱ボトル
JP2005112436A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法
JP2008162652A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Shibuya Kogyo Co Ltd 容器充填システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010087332A1 (ja) 2012-08-02
CN102300777A (zh) 2011-12-28
CN102300777B (zh) 2015-01-14
WO2010087332A1 (ja) 2010-08-05
SG172759A1 (en) 2011-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6044652B2 (ja) 包装体の製造方法及び装置
JP5569810B2 (ja) 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル
JP6507678B2 (ja) 複合プリフォームの殺菌方法および殺菌装置、複合容器の殺菌方法および殺菌装置、複合プリフォームおよび複合容器
JP2014051304A (ja) 無菌チャンバの防菌シール方法及び装置
US10974941B2 (en) Cap sterilizer, content filling system, cap sterilization method, and content filling method
JP5656103B2 (ja) 内容物充填方法、内容物充填システム、および内容物入ボトル
JP5704429B2 (ja) 炭酸飲料充填方法、炭酸飲料充填システム、および炭酸飲料入ボトル
WO2011155458A1 (ja) 充填方法、充填システムおよびボトル
JP6397173B2 (ja) 殺菌装置
JP6394644B2 (ja) キャップ殺菌装置および内容物充填システム
JP7288613B2 (ja) キャップ殺菌装置および内容物充填システム
JP6292263B2 (ja) キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法
JP5704424B2 (ja) 調味料充填方法、調味料充填システム、および調味料入ボトル
JP4441859B2 (ja) 容器詰め飲料の製造方法
JP6395063B2 (ja) キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法
JP6292254B2 (ja) キャップ殺菌装置および内容物充填システム
JP4812607B2 (ja) 容器の殺菌方法、及び容器入り飲料の製造方法
JP6807056B2 (ja) キャップ殺菌装置および内容物充填システム
WO2021112152A1 (ja) キャップ殺菌装置及び内容物充填システム
JP6292262B2 (ja) キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法
JPH0776324A (ja) Petボトルの洗浄方法
JP6292261B2 (ja) キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法
JP2017214107A (ja) キャップ殺菌装置、内容物充填システムおよびキャップ殺菌方法
JP2005350091A (ja) 酸性内容液の熱可塑性樹脂製容器充填方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5569810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02