JP4441859B2 - 容器詰め飲料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、10℃以下に冷蔵されたチルド流通飲料、酸性飲料、植物または動物の組織成分を含有する炭酸飲料、および低酸性飲料等の容器詰め飲料の製造方法に関する。なお、本明細書において、「チルド流通飲料」とは、保存のため10℃以下で冷蔵することが必要であり、この状態で流通し保存することを条件として賞味期限が設定される飲料を指す。チルド流通飲料の内容物としては牛乳および乳飲料が代表的なものであり、その容器としてはポリエチレンボトル、ガラスボトル、紙バック、PETボトルなどが使用されている。本発明はこれら容器特にポリエチレンボトルやPETボトル等のプラスチックボトルに充填されて流通する容器詰め飲料を対象とするものである。
また、本明細書において、酸性飲料とはpH4.6未満の飲料であって、果実飲料、野菜飲料、乳性飲料、紅茶飲料(レモンテイ)、酸性機能性飲料(スポーツドリンク)、ニアウオーター等を含む。また、低酸性飲料とは、pH4.6以上の飲料であって、無糖コーヒー、加糖コーヒー等のコーヒー飲料や緑茶、紅茶、ウーロン茶等の茶系飲料等を含む。さらに、植物または動物の組織成分を含有する炭酸飲料は、果実入り炭酸飲料や乳性炭酸飲料を含む。なお、酸性飲料、植物または動物の組織成分を含有する炭酸飲料、および低酸性飲料には、アルコールを含有させてもよい。
従来、例えばチルド流通飲料においては、未殺菌のボトル等の容器に殺菌済みの牛乳等の内容物を充填し、未殺菌のキャップ等で密封して製品としたものであり、その賞味期限は製造日ブラス7日とされている。
また、酸性飲料においては、内容物を殺菌後、85℃程度で内容物を充填し密封した後に冷却することにより容器詰め酸性飲料を得て、さらに果汁入り炭酸飲料または乳性炭酸飲料においては、カーボネーションさせた内容物を充填し密封した後に温水パストライザーで加熱殺菌(65℃、10分間と同等以上)して冷却することにより容器詰め果汁炭酸飲料または乳性炭酸飲料を得て、それぞれ常温で流通させている。
従来のチルド流通飲料は上記のとおりその賞味期限が製造日プラス7日とされているが、消費者の状況によってはこの賞味期限では不便であり、もう数日長い方が望ましい場合もある。そこで、賞味期限を長くしようとすれば、過酸化水素または塩素系殺菌剤等の殺菌剤を使用して容器を殺菌してから内容物を容器に充填する常温流通品の製造方法を適用すればよいが、殺菌剤を使用する容器殺菌方法は殺菌剤を洗浄するために多量の水を使用しなければならず、製造工程も複雑であって製造コストが嵩み、常温流通品のように長期の賞味期限を必要としないチルド流通飲料の製造方法としては不経済であり適当ではない。
また、殺菌剤を使用する容器殺菌方法のかわりに温水を使用してPETボトル等の容器を殺菌する方法も種々提案され使用されている。一例として、特許文献1には、内容物をpH4.0以下の酸性飲料を常温で充填することを目的として、65℃ないし85℃の温水を間欠的に倒立状態のボトル内面に噴射してボトル内面に付着したかびや酵母を殺菌した後常温状態の酸性飲料を充填・密封する酸性飲料のPETボトル充填法が示されている。この方法は、殺菌剤を使用しないで容器を殺菌することができるので、殺菌剤を使用する方法に比べて低コストであるという長所がある。しかしながら、この方法は酸性飲料を対象としたものであり、酸性飲料以外の用途への適用については示唆するところがなく、また容器殺菌環境についても言及されておらず、研究開発の余地を残すものである。
また果汁入り炭酸飲料においては、ボトル内にカーボネーションさせた果汁入り炭酸飲料を充填し密封した後に温水パストライザーで加熱殺菌するためパストライザー時の容器内圧上昇に耐え得るボトルを選択する必要があり、したがってこれらに用いるボトルの形状は必然的に選択の幅が制限されていた。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであって、殺菌剤を使用しないかあるいは殺菌剤の使用量を極力減少し、簡単且つ低コストでまた安全性の高い方法により容器および無菌閉鎖空間を殺菌し、この殺菌を用いた容器詰め飲料等の製造方法を提供しようとするものである。
特許第2844983号公報
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究と実験を重ねた結果、上記文献記載の方法等従来の温水を使用して容器を殺菌する場合、温水で殺菌を行う空間は、微生物が増殖する危険性が極めて高く、温水殺菌してから容器を飲料充填位置に移送する間に空気中に浮遊するかび、細菌等が再び容器の内外面に付着するおそれがあり、充分な容器殺菌効果が必ずしも挙げられないおそれがあることを考慮し、また、この問題を解決するためにたとえ温水による容器の殺菌を無菌環境下において行うとしても、未殺菌の容器を無菌環境に導入することにより容器に付着していたかび、細菌等が無菌環境内に飛散し、温水による殺菌後の容器にこれらのかび、細菌が再び付着するおそれがあることを考慮し、かびや細菌は容器の内面よりも外面により多く付着し、容器の外面は内面に比べて汚染度が著しく高いことに着目し、容器を無菌環境に導入する前に予め容器の少なくとも外面を殺菌すれば、無菌環境内に容器とともに導入されるかびや細菌の量は著しく減少するという知見を得た。次に、本発明者は、容器を温水にて殺菌し、充填・密封する無菌環境に着目し、この無菌環境は、無菌閉鎖空間を温水及び/又は蒸気により空間内壁全面および空間内に設置された装置表面を湿熱加熱するとともに無菌エアーにより無菌閉鎖空間内を陽圧保持することにより従来よりも簡便な方法と設備により従来と同等の無菌環境が維持されるという知見に基づき本発明に到達した。
本発明の目的を達成する容器詰め飲料等の製造方法は、鋼板からなるカバーにより覆われることによって形成される枠体で、前記枠体にはボトルの内面を殺菌するボトルリンサー、フイラー、キャッパーからなる食品充填装置が配列されるとともに、容器搬入のための出入り口を設けた作業室内の一部空間を囲って実質的に密封された空間であって、前記空間は温水及び/又は蒸気により空間内壁全面および空間内に設置された食品充填装置表面が湿熱加熱殺菌されて商業的無菌状態が維持された 無菌閉鎖空間が形成されており、前記無菌閉鎖空間に容器を導入し、前記容器の少なくとも内面を温水及び/又は蒸気により湿熱加熱殺菌し、次いで前記殺菌済み容器に殺菌済み飲料を充填して密封する容器詰め飲料の製造方法において、前記無菌閉鎖空間はその少なくとも一部に無菌エアーが供給されて空間内が陽圧に保持されており、前記無菌閉鎖空間に導入される容器は、その外面を、前記無菌閉鎖空間に連通し、容器の搬入・搬出口が設けられた外面殺菌室内において、温水噴出ノズルまたは蒸気噴出ノズルより温水及び/又は蒸気を該容器に噴出させ、該容器の外面温度が63℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌された後に無菌閉鎖空間内に導入されるとともに、該温水及び/又は蒸気の噴出により該外面殺菌室が飽和水蒸気で満たされることにより、該外面殺菌室が外部の大気に対してエアシールされることを特徴とするものである。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間内に無菌エアーを供給して空間内を陽圧に保持することを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間内の装置表面の殺菌は、殺菌対象表面温度が60℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌することにより行われることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間に導入される容器は、外面を温水及び/又は蒸気による湿熱加熱殺菌された後に無菌閉鎖空間内に導入されることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間に導入される容器の外面殺菌の工程は、温水噴出ノズルまたは蒸気噴出ノズルより温水及び/又は蒸気を該容器に噴出させ、該容器の外面温度が63℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌することにより行われることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間に導入される容器の外面殺菌は、前記無菌閉鎖空間に連通し、容器の搬入・搬出口が設けられた外面殺菌室内で行われることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記外面殺菌室は、水蒸気で満たされていることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記容器の少なくとも内面を殺菌する工程は、該容器の内面温度が63℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌することにより行われることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間内で充填される飲料は、殺菌済みで10℃以下に冷蔵されているチルド流通飲料であることを特徴とする。
本発明の1側面においては、前記無菌閉鎖空間内で充填される飲料は、殺菌済みの酸性飲料、殺菌済みの植物または動物の組織成分を含有する炭酸飲料、または殺菌済みの低酸性飲料であることを特徴とする。
以上述べたように、本発明によれば、容器の少なくとも内面を温水で殺菌する無菌閉鎖空間は、温水及び/又は蒸気により空間内壁全面および空間内に設置された食品充填装置表面が湿熱加熱されて商業的無菌状態が維持されるため、従来の殺菌剤散布の方法に比べて空間内殺菌後の洗浄工程や洗浄設備が不要となり、従来と同等の無菌環境が維持されつつも設備コスト等が削減される。
また、本発明の1側面によれば、無菌閉鎖空間の外において容器の外面を外面殺菌室内で湿熱加熱殺菌した後無菌閉鎖空間内に容器を導入して容器の少なくとも内面を温水で殺菌するので、容器は汚染度の高い容器外面のかびや細菌が殺菌された状態で無菌閉鎖空間内に導入され、その結果閉鎖空間内に導入されるかびや細菌の量が最大限に減少し、容器内面殺菌後の容器にかびや細菌が再び付着する可能性が最大限に減少し、容器内外面の殺菌をもっとも効率的に行うことができる。また、殺菌剤を使用する場合でも容器外面の殺菌に限定され、容器内面の殺菌は温水で行うので、殺菌剤の使用量を最小限にとどめることができる。したがって、殺菌剤を使用することなく、あるいは殺菌剤の使用量を最小限にとどめて、簡単で低コストの方法により容器詰め飲料を製造することができ、チルド流通飲料の場合はその賞味期限を延長することもできる。
また、本発明によれば、内容物と容器を区別して殺菌することが可能であり、それぞれの汚染度に応じた充分な殺菌価を設定することが可能である。したがって、従来よりも自由な容器形状およびガスボリュームを設定することも可能である。
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の方法に使用する容器はポリオレフインボトル、PETボトル等のプラスチックボトルおよびガラスびん(以下「ボトル」と略称する)のほか、紙パック、紙箱等飲料を充填することができるすべての容器を使用することができるが、以下チルド流通飲料等容器詰め飲料の代表的な容器としてボトルを使用する実施形態について説明する。
本発明の方法をボトルに充填される飲料について適用する場合は、ボトルの外面の殺菌と内面の殺菌を分けて2段階で行い、まず無菌閉鎖空間の外において温水または蒸気でボトルの外面を湿熱加熱殺菌した後無菌閉鎖空間内にボトルを導入してボトルの内面を温水で殺菌することが好ましい。この実施形態の概要を図1のフローチャートに示す。
ボトルの外面の湿熱加熱殺菌は、63℃〜95℃で行い、63℃の場合殺菌時間は8秒以上が必要であり、より好ましい殺菌条件は65℃で10秒以上である。また95℃の場合は2秒以上が好ましい。さらにできれば無菌状態の閉鎖空間とした外面殺菌室内で行うことが好ましい。なお、ボトル外面の殺菌はボトルが正立、倒立いずれの状態でも行うことができる。
温水によるボトル外面の殺菌は、ボトルが正立、倒立いずれの状態の場合でも、図2に示すように、外面殺菌室を設けて複数の温水スプレーノズルをボトルの側面および底面に向けて温水を噴射することにより行うことができる。
ボトル外面の殺菌工程が行われる外面殺菌室は、温水を放散するか水蒸気を吹込むことにより発生する飽和水蒸気で満たすようにしてもよい。外面殺菌室内を飽和水蒸気で満たすことにより、ボトル外面殺菌効果が向上するとともに、外面殺菌室内がボトル搬入口の外部の大気に対してエアシールされた状態となり、外部の大気中の菌が無菌閉鎖空間内に流入することが防止される。
ボトル内面の殺菌は、無菌閉鎖空間内で行う。この無菌閉鎖空間内において、ボトルが倒立の状態で、1本の温水スプレーノズルを図3に示すようにボトルの口の下方に配置し、温水をボトル内部に向けて噴射することによって行う。温水スプレーノズルをボトルの内部に挿入して温水を噴射することも可能であるが、図3に示すように温水スプレーノズルをボトルの口の下方に固定して配置した状態で温水を噴射する方が、温水スプレーノズルの昇降動作が不要であるので、装置の機械的な構造を簡素化することができ、本発明をチルド流通飲料に適用する場合はチルド流通飲料製品の製造コストを低減することができる。なお、図3の例では、ボトルの内面のみならずボトルの外面にも温水を噴射して殺菌を行っている。
ここで無菌閉鎖空間とは、容器搬入のための出入り口を設けた作業室内の一部空間を囲って密封空間とし、この密封空間内に陽圧の無菌空気を導入して無菌状態を維持するようにした空間を意味する。クリーンルーム内で湿熱加熱殺菌を行うとクリーンルーム壁面全面は殺菌されず、またクリーンルーム天井部のHEPAフイルターが水蒸気により損傷を受けるので、クリーンルームは湿熱加熱殺菌およびその後のフイラーによる内容物のボトルへの充填作業を行うには不適である。またこのような無菌閉鎖空間を使用することにより、設置費用が高価で制御も難しいクリーンルームを使用しないですむので、容器殺菌に要する費用を一層低減することができる。無菌閉鎖空間内におけるボトル内面の温水による殺菌も63℃〜95℃で行い、後述の実施例1に示すように、63℃の場合殺菌時間は8秒以上が必要であり、より好ましい殺菌条件は65℃で10秒以上である。また95℃の場合は2秒以上が好ましい。69℃以上とする場合は殺菌価がより高くなり、95℃が安定的な噴射を行う上限温度である。ボトルの外面、内面の殺菌はそれぞれ上記温度の温水をポンプで循環させることにより行うことができる。また、ボトル内面の殺菌は、殺菌作業後の温水がボトルの口から自然落下によりボトル外に排出されるように倒立状態で行うことが望ましい。
ボトル内外面の殺菌は水蒸気による殺菌によっても温水による殺菌と同様の効果が得られる。
ボトル外面の殺菌を外面殺菌室内で行なう場合は、この殺菌室をボトル内面の殺菌を行なう無菌閉鎖空間と連通させるように構成することが好ましい。こうすることによって、ボトルが外面殺菌室から無菌閉鎖空間に移送される途中で外部から菌が付着することが防止される。
ボトル内面の殺菌を終了後ボトルは上記と同一条件の無菌閉鎖空間内に設けられたフイラーに移送され、ヘッドタンクユニット内に保持された殺菌済み内溶液がボトル内に充填される。内容液が充填されたボトルは同一条件の無菌閉鎖空間内に設けられたキャッパーに移送され、キャップ供給装置からキャップ殺菌装置に供給され公知の方法で殺菌されたキャップで完全に密封された後容器詰め飲料製品として無菌閉鎖空間外に排出される。
ボトル外面殺菌後のボトル内面殺菌、内容物充填、キャッピング工程を行う装置の1具体例を図4の概略図に示す。
図4において、食品充填システム10は飲料をPETボトルに充填するための充填装置であって、PETボトルの搬送方向の順にボトルの内面を殺菌するボトルリンサー11、フイラー12、アセプキャッパー13、ボトルを2列に振り分けるための振り分け装置14が配列されている。食品充填装置10は鋼板からなるカバー15によって覆われており、このカバー15によって無菌閉鎖空間を構成する枠体16が形成されている。無菌閉鎖空間内はダクト17から供給される無菌エアーにより陽圧に保持されている。
なお、カバー15にはボトル外面殺菌室および装置(図示せず)に連続するボトル導入口15aとボトル排出口15bが形成されているが、枠体16は実質的に密閉されている。
無菌閉鎖空間殺菌装置1は、枠体16内において温水を散布する手段を構成する複数の回転ノズル2および複数の固定ノズル3を備えている。回転ノズル2はスプレーボールからなり、噴射口を下方に向けて枠体16内の上部に配置されている。固定ノズル3はフルコーンノズルからなり、噴射口を斜め上方に向けて枠体16内の下部の床面付近に配置されている。回転ノズル2および固定ノズル3はそれぞれ配管4により弁7および加温ヒーター6を介して温水供給源5に接続されており、該供給源5から温水の供給を受けることができる。
この装置を使用して殺菌を行う場合は、弁7を操作して配管4を温水供給源5に接続する。温水供給源5からの水は加温ヒーター6により加温され、配管4を経由して枠体16内の回転ノズル2および固定ノズル3に供給され、これらのノズル2、3から枠体内に散布される。散布された温水は枠体16内のボトルリンサー11、フイラー12、アセプキャッパー13、振り分け装置14等の機器の外表面、枠体16の内壁面およびボトルリンサー11に温水を供給するライン配管(図示せず)等の殺菌対象表面の大部分に降りかかってこの部分を濡らす。散布された温水は殺菌対象表面の大部分を濡らすことによってこの部分を殺菌するとともに、蒸発した水蒸気が枠体16内に充満し、温水によって濡れていない部分を含む全殺菌対象表面に接触することによってさらなる殺菌が行われる。この温水の散布を所定時間継続することによって全殺菌対象表面の完全な殺菌が達成される。この場合無菌閉鎖空間の内壁面である枠体16の内壁面も全面が機器表面と同様に充分に殺菌される。
殺菌温度は殺菌対象表面が60℃以上、好ましくは65℃以上とし、大気圧下で行うために96℃未満となるように温水の加温を調節する。
供試ボトルとして250ml 口径φ38mmのPETボトルを使用した。
また、供試菌としてAspergillus niger ATCC6275を30日間ポテトデキストロース寒天培地で培養したものを使用した。
供試ボトルの外面に、供試菌の胞子懸濁液を0.1ml噴霧して、10cfu/ホ゛トルとなるように懸濁液を付着させた後、一昼夜クリーンルーム内で乾燥させ、供試ボトルとして用いた。
この供試ボトルを正立の状態で図2に示す方法により湿熱加熱殺菌した。
殺菌後のボトル外面の生残菌数をポテトデキストロース寒天培地で30℃×7日間培養して菌数を計測し、Log(初期菌数/生残菌数)より、殺菌効果を求めた。
ボトル外面の殺菌温度・時間と殺菌効果の関係を表1に示す。
Figure 0004441859
供試ボトルとして250ml 口径φ38mmのPETボトルを使用した。
また、供試菌としてAspergillus niger ATCC6275を30日間ポテトデキストロース寒天培地で培養したものを使用した。
供試ボトルの内外面に、供試菌の胞子懸濁液を各0.1ml噴霧して、10cfu/ホ゛トルとなるように懸濁液を内外面にそれぞれ付着させた後、一昼夜クリーンルーム内で乾燥させ、供試ボトルとして用いた。
この供試ボトルを倒立の状態で図3に示す方法によりその内外面を温水殺菌した。
殺菌後のボトル内外面の生残菌数をポテトデキストロース寒天培地で30℃×7日間培養して菌数を計測し、Log(初期菌数/生残菌数)より、殺菌効果を求めた。
ボトル内外面それぞれの殺菌温度・時間と殺菌効果の関係を表2に示す。
Figure 0004441859
供試菌としてAspergillus niger ATCC6275を30日間ポテトデキストロース寒天培地で培養したものを使用した。
この供試菌の胞子懸濁液を図4の装置内の機器表面の適当な場所に10cfu/100cmとなるように付着させ、乾燥後、温水循環による殺菌を行った。
殺菌後の機器表面の生残菌数をポテトデキストロース寒天培地で30℃×7日間培養して菌数を計測し、Log(初期菌数/生残菌数)より、殺菌効果を求めた。
機器表面における殺菌温度・時間と殺菌効果の関係を表3に示す。
Figure 0004441859
供試ボトルとして250ml 口径φ38mmのPETボトルを使用してチルド流通PETボトル入り牛乳を製造した。
また、供試菌としてAspergillus niger ATCC6275を30日間培養培地したものを使用した。
供試ボトルの内外面に、供試菌の胞子懸濁液を各0.1ml噴霧して、10cfu/ホ゛トルとなるように懸濁液を付着させた後、一昼夜クリーンルーム内で乾燥させ、供試ボトルとして用いた。
このボトルを正立状態で図2に示す方法により73℃の温水で3秒間ボトル外面の殺菌を行った。次いでこの外面殺菌済みのボトルを無菌エアで陽圧保持した無菌空間に移し、ボトルが倒立の状態で図3に示す方法により73℃の温水で3秒間ボトル内面の殺菌を行った。
この内面殺菌済みのボトルを同一無菌条件下のフイラーに移し、120℃、2秒間の殺菌条件で殺菌された牛乳をボトルに充填した後たとえば特開2000−335524号記載の蒸気で殺菌されたキャップを同一無菌条件下のキャッパーに移し、キャッパーにより完全に密封することにより製品とした。
この製品を冷蔵庫で10℃で保存し、2週間後、3週間後、4週間後の内容物の概観(混濁、フロック形成の有無)を観察した。また、比較例として、ボトル内外面の殺菌を実施しない以外は上記実施例と同一条件でボトル入り牛乳を製造し内容物の変化を観察した。その結果を次表4に示す。
Figure 0004441859
以上の結果から、本発明の方法によれば、従来の方法に比べてチルド流通飲料製品の保存日数を大幅に延長することができることが判る。
供試ボトルとして実施例3のPETボトルを使用し、果汁入り炭酸飲料としてオレンジソーダを製造した。使用菌および実験条件は実施例1と同一である。
製品を常温で保存し、1週間後、2週間後、4週間後の概観(混濁、フロック形成の有無)を観察した。また、比較例として、ボトル内外面の殺菌を実施しない以外は実施例5と同一条件でボトル入りオレンジソーダを製造し内容物の変化を観察した。その結果を次表5に示す。
Figure 0004441859
以上の結果から、本発明によれば、従来の殺菌剤による殺菌方法と同等の殺菌効果を得ることができることが判る。
供試ボトルとして500ml、口径φ28mmのPETボトルを使用し、低酸性飲料として緑茶を製造した。使用菌および実験条件は実施例1と同一である。
製品を常温で保存し、1週間後、2週間後、4週間後の概観(混濁、フロック形成の有無)を観察した。また、比較例として、ボトル内外面の殺菌を実施しない以外は実施例6と同一条件でボトル入り緑茶を製造し内容物の変化を観察した。その結果を次表6に示す。
Figure 0004441859
以上の結果から、本発明によれば、従来の殺菌剤による殺菌方法と同等の殺菌効果を得ることができることが判る。
本発明の1実施形態を示すフローチャートである。 温水によるボトル外面の殺菌方法の1例を示す説明図である。 温水によるボトル内面の殺菌方法の1例を示す説明図である。 無菌閉鎖空間殺菌装置の1例を示す概略図である。

Claims (7)

  1. 鋼板からなるカバーにより覆われることによって形成される枠体で、前記枠体には少なくともボトルの内面を殺菌するボトルリンサー、フイラー、キャッパーからなる食品充填装置が配列されるとともに、容器搬入のための出入り口を設けた作業室内の一部空間を囲って実質的に密封された空間であって、前記空間は温水及び/又は蒸気により空間内壁全面および空間内に設置された食品充填装置表面が湿熱加熱殺菌されて商業的無菌状態が維持された 無菌閉鎖空間が形成されており、前記無菌閉鎖空間に容器を導入し、前記容器の少なくとも内面を温水及び/又は蒸気により湿熱加熱殺菌し、次いで前記殺菌済み容器に殺菌済み飲料を充填して密封する容器詰め飲料の製造方法において、前記無菌閉鎖空間はその少なくとも一部に無菌エアーが供給されて空間内が陽圧に保持されており、前記無菌閉鎖空間に導入される容器は、その外面を、前記無菌閉鎖空間に連通し、容器の搬入・搬出口が設けられた外面殺菌室内において、温水噴出ノズルまたは蒸気噴出ノズルより温水及び/又は蒸気を該容器に噴出させ、該容器の外面温度が63℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌された後に無菌閉鎖空間内に導入されるとともに、該温水及び/又は蒸気の噴出により該外面殺菌室が飽和水蒸気で満たされることにより、該外面殺菌室が外部の大気に対してエアシールされることを特徴とする容器詰め飲料の製造方法。
  2. 前記無菌閉鎖空間は少なくともボトルの内外面殺菌が行われる工程、ボトルへの充填が行われる工程およびボトルの密封が行われる工程に分けられ、このうち少なくともボトルへの充填が行われる工程およびボトルの密封が行われる工程に無菌エアーを供給して前記工程が行われる空間の内部を陽圧に保持することを特徴とする請求項に記載の容器詰め飲料の製造方法。
  3. 前記無菌閉鎖空間内の装置表面の殺菌は、殺菌対象表面温度が60℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌することにより行われることを特徴とする請求項1または2に記載の容器詰め飲料の製造方法。
  4. 前記外面殺菌室は、水蒸気で満たされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰め飲料の製造方法。
  5. 前記容器の少なくとも内面を殺菌する工程は、該容器の内面温度が63℃以上96℃未満となるように湿熱加熱殺菌することにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰め飲料の製造方法。
  6. 前記無菌閉鎖空間内で充填される飲料は、殺菌済みで10℃以下に冷蔵されているチルド流通飲料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰めチルド流通飲料の製造方法。
  7. 前記無菌閉鎖空間内で充填される飲料は、殺菌済みの酸性飲料、殺菌済みの植物または動物の組織成分を含有する炭酸飲料、または殺菌済みの低酸性飲料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰め常温流通飲料の製造方法。
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