JP4860421B2 - 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料 - Google Patents

樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP4860421B2
JP4860421B2 JP2006278847A JP2006278847A JP4860421B2 JP 4860421 B2 JP4860421 B2 JP 4860421B2 JP 2006278847 A JP2006278847 A JP 2006278847A JP 2006278847 A JP2006278847 A JP 2006278847A JP 4860421 B2 JP4860421 B2 JP 4860421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin container
container
carbonated beverage
potassium hydroxide
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006278847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008094437A (ja
Inventor
洋久 藤永
和久 北村
正幸 三谷
寛 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Soft Drinks Co Ltd filed Critical Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority to JP2006278847A priority Critical patent/JP4860421B2/ja
Publication of JP2008094437A publication Critical patent/JP2008094437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4860421B2 publication Critical patent/JP4860421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filling Of Jars Or Cans And Processes For Cleaning And Sealing Jars (AREA)

Description

本発明は、殺菌された樹脂製容器内に炭酸飲料を充填する工程を含む樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料に関する。
従来の炭酸飲料の充填方法は、まず、洗浄された樹脂製容器内に、殺菌済みの炭酸飲料を充填し、そして殺菌された蓋で密栓し樹脂製容器内に炭酸飲料を密封する。次いで、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を、有害菌が死滅するような温度で加熱する。これにより、樹脂製容器に存在していた菌や、充填後、密封工程前に容器内に持ち込まれた菌の殺菌を行うことができる。
従来の方法においては、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を、有害菌が死滅するような温度で加熱する工程が必要である。そのため、樹脂製容器に対し耐熱性が求められていた。また、炭酸ガスが樹脂製容器中で膨張するため、樹脂製容器に対し耐圧性が求められていた。このように、従来の方法においては、耐熱性および耐圧性を満たす樹脂製容器を用いる必要があり、製造コストが高くなるという問題があった。
特許文献1には、殺菌された炭酸ガス水溶液と、殺菌された内容液を別々に準備し、各々を、内面が殺菌された樹脂製容器に無菌的に充填する炭酸ガス入り飲料の製造方法が記載されている。特許文献1には、樹脂製容器内壁を熱水で殺菌するとともに、容器外壁を冷水で冷却することにより、樹脂製容器の熱による変形が抑制されるので、耐圧性のみを考慮した非耐熱性容器であっても使用することができると記載されている。
特開平8−91491号公報
しかしながら特許文献1に記載の方法においては、樹脂製容器の熱による変形を抑制するために、樹脂製容器内壁を熱水で殺菌する際に、冷水で樹脂製容器内壁を冷却するものである。したがって、樹脂製容器内壁を殺菌する際に、熱水の温度が低下することがあり殺菌程度が充分でない場合があった。また、上述したように、樹脂製容器内壁を熱水で殺菌するとともに、容器外壁を冷水で冷却する必要があるため、殺菌工程が煩雑であるばかりか、殺菌装置の構成が複雑になり、設備上のコストの問題もあった。
したがって、特許文献1に記載の方法によっても、炭酸飲料が充填された樹脂製容器自体を加熱することにより内容物を殺菌する工程が必要であり、依然として、耐熱性および耐圧性を満たす樹脂製容器を用いることによる製造コストの問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で樹脂製容器内を確実に殺菌することができる樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料を提供することを目的とする。
本発明によれば、樹脂製容器の少なくとも内壁に、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させて、前記内壁を殺菌する工程と、
殺菌する前記工程の後、10℃以上の水により前記水酸化カリウム溶液を除去し、前記容器を洗浄する工程と、
有害菌が滅菌された環境下において、前記内壁が殺菌された前記容器内に、炭酸飲料を充填する工程と、
を含み、
前記炭酸飲料を充填する前記工程の前に、飲料を加熱殺菌するとともに、殺菌された前記飲料に炭酸ガスを圧入する工程を有し、
前記樹脂製容器の内壁を殺菌する前記工程が、前記水酸化カリウム溶液を前記内壁に3秒間以上、1分間以下接触させる樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法が提供される。
さらに、殺菌する前記工程において、使用する前記水酸化カリウム溶液の量は、前記容器の容量の0.2倍量以上であることが好ましい。
この発明によれば、上記の条件で水酸化カリウム溶液を樹脂製容器の内壁に接触させているため、樹脂製容器の内壁が充分に殺菌され、従来のように、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を、有害菌が死滅するような温度で加熱する必要がない。そのため、耐熱性を有する特殊な樹脂製容器を用いる必要がなく、製造コストを低減させることができる。
この発明によれば、水酸化カリウムを0.25mol/L以上含む水酸化カリウム溶液を樹脂製容器の内壁に接触させているため、優れた殺菌効果を得ることができる。また、水酸化カリウム濃度を0.5mol/L以下とすることで、水酸化カリウム溶液を取り扱いやすいものとするとともに、水酸化カリウム溶液を容易に除去することができる。
さらに、上述の濃度の水酸化カリウム溶液を樹脂製容器の内壁に接触させる際の液温を61℃以上、68℃以下とすることにより、容器の熱による変質、変色等を防止することができ、容器の材質等によらず容器を殺菌処理することができる。
またさらに、この発明によれば、有害菌が滅菌された環境下において、前記内壁が殺菌された樹脂製容器内に、炭酸飲料を充填するため、製品に細菌等が混入することを効果的に抑制することができる。
なお、有害菌が滅菌された環境下とは、対象となる飲料中で増殖する菌がほとんど存在しないように管理された環境を意味し、酸性飲料においては、カビや酵母がほとんど存在しないように管理された環境を意味する。
本発明においては、水酸化カリウム溶液を樹脂製容器の内壁に3秒間以上、1分間以下接触させる。これによれば、より優れた殺菌効果を得ることができる。
本発明における炭酸飲料は、酸性飲料であってもよい。
カビや酵母は、pHが酸性側であっても増殖するため、酸性飲料においてこれらを死滅させることが必要である。本発明のように、上述の条件により水酸化カリウム溶液で樹脂製容器の内壁を殺菌しているため、酸性飲料および樹脂製容器内のカビや酵母をほとんど死滅させることができ、製品への混入を抑制することができる。
前記樹脂製容器が、ポリエチレンテレフタレート製容器であってもよい。
本発明によれば、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を加熱する必要がないため、耐熱性が低いポリエチレンテレフタレート製容器であっても容器の変形を抑制することができる。
本発明の製造方法においては、炭酸飲料を充填する前記工程の前に、飲料を加熱殺菌するとともに、殺菌された前記飲料に炭酸ガスを圧入する工程を含んでいる。さらに前記樹脂製容器の蓋の少なくとも内壁を殺菌する工程を含むことが好ましい。
炭酸飲料および樹脂製容器内を密封する蓋を予め殺菌することにより、飲料を充填する際における細菌等の混入を効果的に抑制することができる。
さらに、本発明によれば、上記の製造方法により製造された樹脂製容器入り炭酸飲料が提供される。
本発明によれば、優れた殺菌効果を発揮するため、耐熱性を有する樹脂製容器が必要でなく製造コストを低減させることの可能な樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料を提供する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法は、図1に示すように以下の工程を有する。
(a)樹脂製容器の少なくとも内壁に、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させて、樹脂製容器の内壁を殺菌する工程(ステップS1)
(b)飲料を加熱殺菌するとともに、殺菌された前記飲料に炭酸ガスを圧入する工程(ステップS2)
(c)樹脂製容器の蓋の少なくとも内壁を殺菌する工程(ステップS3)
(d)有害菌が滅菌された環境下において、内壁が殺菌された樹脂製容器内に、炭酸飲料を充填する工程(ステップS4〜S5)
なお、ステップS1〜ステップS3の順序は、ステップS4の前であれば順序の前後を問うものではなく、また同時であってもよい。
樹脂製容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、ポリオレフィン製等のプラスチック製容器が挙げられる。この樹脂製容器として、耐熱性容器または非耐熱性容器のいずれをも用いることができるが、本実施形態においては、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を、有害菌が死滅するような温度で加熱する工程が必要ではないので、製造コストを低減する観点から耐圧性を有する非耐熱性容器としてポリエチレンテレフタレート製容器を用いることができる。なお、炭酸飲料が充填された樹脂製容器を加熱する必要がないため、加熱による炭酸ガスの膨張に耐えうるような耐圧性までは樹脂製容器に必要ではなく、製造コストをより低減することができる。
また、本実施形態においては、炭酸飲料として、酸性の炭酸飲料を用いることができる。酸性飲料のように、pHが酸性側であっても、カビや酵母等は増殖するため、酸性飲料においてこれらを死滅させることは特に必要である。本実施形態においては、上記の条件により水酸化カリウム溶液で樹脂製容器内を殺菌しているため、カビや酵母をほとんど死滅させることができ、製品への混入を抑制することができる。
酸性の炭酸飲料としては、各種果汁飲料、酸味をつけたニアウォーター、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、乳酸菌飲料などに炭酸を付加したものが挙げられる。
以下に、本実施形態の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法について詳細に説明する。
(a)樹脂製容器の少なくとも内壁に、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させて、樹脂製容器の内壁を殺菌する工程(ステップS1)
本工程では、樹脂製容器の少なくとも内壁に前記水酸化カリウム溶液を接触させればよいが、内壁および外壁に水酸化カリウム溶液を接触させ、内壁および外壁を殺菌することが好ましい。
本工程で用いる水酸化カリウム溶液は、水と、水酸化カリウムとを含有するものであり、塩素を実質的に含有していないこと(意図的に塩素を添加していないこと(例えば、塩素濃度が0.1ppm以下))が好ましい。
水酸化カリウム溶液が実質的に塩素を含まないことにより、樹脂製容器を殺菌するための設備の腐食を防止できる。また、塩素は揮発しやすいため、水酸化カリウム溶液が塩素を含まない場合、塩素濃度の管理が必要となる。これに対し、塩素を実質的に含有しないものとすることで、水酸化カリウム溶液の管理が容易化される。また、水酸化カリウム溶液は水と水酸化カリウムとを混合したものであり、他の成分は意図的には添加されていない。
水酸化カリウム溶液の水酸化カリウム濃度は、0.25mol/L以上、0.5mol/L以下である。下限値を0.25mol/L以上とすることで、確実に容器を殺菌することができる。
また、水酸化カリウム濃度を0.5mol/L以下とすることで、水酸化カリウム溶液の取り扱い上の安全性を確保することができる。また、水酸化カリウム溶液を除去する工程で水酸化カリウム溶液を除去しやすくすることができる。このように、水酸化カリウム濃度を上記範囲とすることにより、殺菌効果と取り扱い性とのバランスに優れる。
また、水酸化カリウム溶液の温度は、61℃以上、68℃以下とすることができる。
水酸化カリウム溶液の温度を61℃以上、特に63℃以上とすることで、殺菌効果をより向上させることができる。一方、水酸化カリウム溶液の温度を68℃以下とすることで、容器の熱による変質、変色等を防止できる。すなわち、水酸化カリウム溶液の温度を68℃以下とすることで、容器の材質等によらず容器を殺菌処理することができる。
ここで、使用する水酸化カリウム溶液の量は、殺菌する容器の容量の0.2倍量以上、好ましくは0.5倍〜1.5倍量とする。このような量の水酸化カリウム溶液を使用することで容器の内壁を充分に殺菌することができる。
また、容器の内壁に水酸化カリウム溶液を接触させる方法としては、特に限定されないが、容器に対し、水酸化カリウム溶液を噴射させてもよく、容器を水酸化カリウム溶液中に浸漬させてもよい。さらには、容器に水酸化カリウム溶液を充填させ、さらに、この水酸化カリウム溶液をオーバーフローさせて容器の外壁に水酸化カリウム溶液を接触させてもよい。
容器を水酸化カリウム溶液中に浸漬させる場合には、容器の外壁および内壁に同時に水酸化カリウム溶液を接触させることができる。これにより、簡便かつ、迅速に容器の殺菌処理を行なうことができる。
容器の内壁に対し、水酸化カリウム溶液を噴射させる場合には、プラスチック容器の底部が上になるように配置し、プラスチック容器の口部から噴射用のノズルを挿入し、水酸化カリウム溶液を容器の内壁に対し噴射させる。
容器の外壁に対し、水酸化カリウム溶液を噴射させる場合には、噴射用のノズルから水酸化カリウム溶液を容器の外壁に対し噴射させればよい。
この樹脂製容器の殺菌工程は、容器を水酸化カリウム溶液中に浸漬させる場合または水酸化カリウム溶液を噴射する場合のいずれにおいても、水酸化カリウム溶液を容器に対して3秒間以上、1分間以下、好ましくは3秒間以上、30秒間以下接触させることが好ましい。水酸化カリウム溶液をこのような時間で接触させることにより、より優れた殺菌効果を得ることができる。
本実施形態においては、樹脂製容器の少なくとも内壁に、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させて殺菌を行うことにより、確実に樹脂製容器を殺菌することができるが、さらに上記接触時間で殺菌を行うことにより、より確実に樹脂製容器を殺菌することができる。
したがって、従来のように、炭酸飲料が充填された樹脂製容器自体を加熱することにより内容物を殺菌する工程が不要であり、耐熱性を満たす樹脂製容器を用いる必要がないので製造コストを低減させることができる。
さらに、この工程では、水(好ましくは温水)により、水酸化カリウム溶液を除去し、容器を洗浄する。洗浄に使用する水としては、無菌処理された水であればよい。
ここでは、容器の内壁、外壁に対し、水を噴射し、付着した水酸化カリウム溶液を除去することが好ましい。水を噴射することで、容器に付着した水酸化カリウム溶液を確実に除去できる。水の噴射圧力は0.2MPa程度であることが好ましい。
水としては、10℃以上のものが好ましい。10℃以上の水を噴射させることで、容器に付着した水酸化カリウム溶液を確実に洗浄することができる。なかでも、水の温度を60℃以上とすることで、より確実に水酸化カリウム溶液を除去することができる。
また、水としては、容器の変質等を考慮し、70℃以下のものを使用することが好ましい。
なお、ここでは、容器に対し水を噴射するとしたが、これに限らず、例えば、容器を水に浸漬させて、水酸化カリウム溶液を除去してもよい。
(b)飲料を加熱殺菌するとともに、殺菌された前記飲料に炭酸ガスを圧入する工程(ステップS2)
本工程における飲料の加熱殺菌および飲料への炭酸ガスの圧入は、樹脂製容器内に飲料を充填する前に行われる。加熱殺菌は、特に限定されず、通常の加熱殺菌処理により行うことができる。殺菌装置としては、チューブ式殺菌機、プレート式熱交換器、FP(Flash Pastrization)プレート式殺菌装置、UHT(ultra high temperature)殺菌装置等を用いることができる。加熱温度や処理時間等は、飲料の種類によって適宜選択して行うが、酸性飲料の場合、93℃〜95℃で15秒程度の条件で加熱殺菌することが好ましい。
加熱殺菌後、通常の方法により、飲料に炭酸ガスを圧入する。
(c)樹脂製容器の蓋の少なくとも内壁を殺菌する工程(ステップS3)
本工程における樹脂製容器の蓋の殺菌は、樹脂製容器内に炭酸飲料を充填する前に行われる。本工程では、樹脂製容器の蓋の少なくとも内壁を殺菌すればよいが、製品への細菌等の混入を抑制する観点から内壁および外壁を殺菌することが好ましい。
樹脂製容器の蓋の殺菌は、特に限定されず、蒸気殺菌、薬剤殺菌、UV殺菌等の処理により行うことができる。
(d)有害菌が滅菌された環境下において、内壁が殺菌された樹脂製容器内に、炭酸飲料を充填する工程(ステップS4〜S5)
本工程では、まず、工程(a)において殺菌された樹脂製容器、および工程(c)において殺菌された樹脂製容器の蓋を、炭酸飲料を充填する充填室内に搬入する。さらに、工程(b)において加熱殺菌された炭酸飲料を充填室に設けられた飲料タンクに送液する。この樹脂製容器および蓋の搬入、さらに飲料の送液においては、細菌等が混入しないように環境管理がなされている。
また、充填室および飲料タンクは、無菌環境下において樹脂製容器内に前記飲料を充填することができるように、例えば、薬剤や熱水等で加熱殺菌および洗浄され、環境管理がなされていることが好ましい。
そして、有害菌が滅菌された充填室内において、樹脂製容器に炭酸飲料を充填する(ステップS4)。炭酸飲料の樹脂製容器への充填は、10℃以下の低温で行う。なお、炭酸飲料として酸性の炭酸飲料を用いた場合であっても、酸性側で増殖するカビや酵母等がほとんど存在していない環境下で充填しているため、製品へのカビや酵母等の混入を効果的に抑制することができる。
樹脂製容器内への炭酸飲料の充填が完了すると、次いで、所定の方法により、炭酸飲料が充填された樹脂製容器内を蓋で密封する(ステップS5)。
上記のような方法により、非耐熱性樹脂容器であっても変形しておらず、さらに容器内に殺菌等がほとんど混入していない本発明の樹脂製容器入り炭酸飲料が得られる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜2、比較例1)
500mlの非耐熱性PET製ボトル容器内に酵母子嚢胞子液(菌数:1×106/ボトル)を噴霧、乾燥させた。このボトルに噴射用のノズルを挿入し、水酸化カリウムを0.25mol/Lの量で含む水酸化カリウム水溶液を、表1に示す液温で、100ml/秒、10秒間の条件で噴射させて容器内壁を殺菌し、その後無菌水にて洗浄を行なった。次に、このPET製容器の内壁に、培地をコーティングした。そして、殺菌された蓋でPET製容器を密封した。培地がコーティングされたPET製容器を、25℃恒温槽内に置き、5日間経過した後、PET製容器を取り出した。培地の生菌数を調査し以下の基準で殺菌効果を評価した。
結果を、表1に示す。
・殺菌効果
○:生菌数が1/106以下に減少(殺菌レベル6D)
×:生菌数が1/106を超える
Figure 0004860421
(実施例3〜10)
水酸化カリウム水溶液の濃度と、液温を表2に示す値とした以外は、上記と同様にして殺菌効果を評価した。
結果を表2に示す。なお、水酸化カリウム溶液の温度を61℃、68℃とした場合にも、表2と同様の結果が得られた。
Figure 0004860421
(結果)
このように、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下の量で含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させることにより、殺菌効果に優れることが確認された。
実施形態に係る樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法を説明するフローチャートである。

Claims (7)

  1. 樹脂製容器の少なくとも内壁に、水酸化カリウムを0.25mol/L以上、0.5mol/L以下含む水酸化カリウム溶液を、液温61℃以上、68℃以下で接触させて、前記内壁を殺菌する工程と、
    殺菌する前記工程の後、10℃以上の水により前記水酸化カリウム溶液を除去し、前記容器を洗浄する工程と、
    有害菌が滅菌された環境下において、前記内壁が殺菌された前記容器内に、炭酸飲料を充填する工程と、
    を含み、
    前記炭酸飲料を充填する前記工程の前に、飲料を加熱殺菌するとともに、殺菌された前記飲料に炭酸ガスを圧入する工程を有し、
    前記樹脂製容器の内壁を殺菌する前記工程が、前記水酸化カリウム溶液を前記内壁に3秒間以上、1分間以下接触させる樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法。
  2. 殺菌する前記工程において、
    使用する前記水酸化カリウム溶液の量は、前記容器の容量の0.2倍量以上である請求項1に記載の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法
  3. 前記炭酸飲料が酸性飲料である請求項1または2に記載の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法。
  4. 前記樹脂製容器が、ポリエチレンテレフタレート製容器である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法。
  5. 前記炭酸飲料を充填する前記工程の前に、
    前記樹脂製容器の蓋の少なくとも内壁を殺菌する工程を含む請求項1乃至のいずれか一項に記載の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法。
  6. 前記炭酸飲料を充填する前記工程が、
    有害菌が滅菌された環境下において、前記炭酸飲料が充填された前記樹脂製容器内を前記蓋で密封する工程を含む請求項に記載の樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の製造方法により製造された樹脂製容器入り炭酸飲料。
JP2006278847A 2006-10-12 2006-10-12 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料 Active JP4860421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006278847A JP4860421B2 (ja) 2006-10-12 2006-10-12 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006278847A JP4860421B2 (ja) 2006-10-12 2006-10-12 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008094437A JP2008094437A (ja) 2008-04-24
JP4860421B2 true JP4860421B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=39377708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006278847A Active JP4860421B2 (ja) 2006-10-12 2006-10-12 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4860421B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3466284B2 (ja) * 1994-08-04 2003-11-10 株式会社クラレ 使用済みプラスチック容器の洗浄方法および再使用する方法
JPH0891491A (ja) * 1994-09-28 1996-04-09 Toyo Seikan Kaisha Ltd プラスチックボトルに充填された炭酸ガス入り飲料の 製造方法
JP4441859B2 (ja) * 2003-02-18 2010-03-31 東洋製罐株式会社 容器詰め飲料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008094437A (ja) 2008-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6044652B2 (ja) 包装体の製造方法及び装置
US8147752B2 (en) Sterilants and sterilization method for aseptic filling
US20070006551A1 (en) Method and apparatus for sterilizing and filling containers
WO2018062311A1 (ja) 無菌炭酸飲料充填システム及び無菌炭酸飲料充填方法
JP2001039414A (ja) 容器の殺菌方法及び装置、並びに容器の加熱方法
JP2008030771A (ja) 容器詰め飲料の製造方法
WO2002090188A1 (fr) Procede et systeme de sterilisation d'un contenant d'emballage alimentaire ou d'un systeme de remplissage alimentaire
CN1313034C (zh) 无菌存储散装的消过毒的产品的方法
US20090007522A1 (en) Method of Producing a Drink Contained in a Container
US10053251B2 (en) Method for sterilizing packaging
US5152900A (en) Method for preparing packaged sterilized mineral water, method for producing sterilized container for packaging the same and packaged sterilized mineral water
JP4860421B2 (ja) 樹脂製容器入り炭酸飲料の製造方法および樹脂製容器入り炭酸飲料
JP5271490B2 (ja) 樹脂製容器入り飲料の製造方法および樹脂製容器入り飲料
RU2466082C2 (ru) Способ и устройство для обработки одноразовых емкостей из полимерного материала
JP2002332019A (ja) 食品包装容器または食品充填システムの殺菌方法
JP2012101825A (ja) 殺菌方法
JP2013203453A (ja) ミネラルウォーター用pet製ボトルの殺菌方法及び装置
JP5071622B2 (ja) 容器詰め飲料の製造方法
JP2834649B2 (ja) ボトルの殺菌方法
JP6206522B2 (ja) 内容物充填システムの検証方法および培地
JP2009269677A (ja) プラスチックボトル詰めミネラルウォーターの製造方法
JP2006160373A (ja) プラスチックボトル詰めミネラルウォーターの製造方法
JP3915980B2 (ja) 樹脂製容器入り飲料の製造方法
JPH0790221B2 (ja) ボトル入り無菌ミネラルウオーターの製造方法
JP2004010076A (ja) 加温販売用低酸性飲料ボトルの充填方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4860421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250